2013年5月31日金曜日

G1愛1000ギニー、ジャストザジャッジがG1初勝利

5月26日に行われたG1愛1000ギニー(芝1マイル、3歳牝馬)は、4番手先行した1番人気ジャストザジャッジが逃げ粘るG3愛1000ギニートライアル勝ち馬ジャストプリテンディングを残り1ハロンで交わして優勝し、重賞2勝目、G1初勝利を挙げました。

ほぼ最後方追走の10番人気レンズネストがゴール直前でジャストプリテンディングを頭差交わし、ジャストザジャッジから1・1/2馬身差の2着に入っています。レンズネストは2走前に同コース同距離の愛G3を勝っていましたが、人気がなかったのは前走10ハロンで最下位4着(3馬身差)に敗れていたためでしょう。

昨年の愛G3 JRAキラヴーランS.(芝7ハロン)を牡馬相手に3・3/4馬身差で勝っていたビックブレイクは2番人気で2馬身差の4着。これは今年初出走の分もあるでしょうね。


ジャストザジャッジは父ロウマン、母ファラデイライト(未勝利)、母の父レインボウクエストという血統のアイルランド産馬。

昨年10月に英G2を勝ち、2歳はデビューから3戦3勝。前走、今年初戦のG1英1000ギニー(芝1マイル)は3番人気で1/2馬身差の2着でした。

また9月にカタールレーシングが所有権の半分を取得しています。ちなみに愛1000ギニーのスポンサーはアラブ首長国連邦アブダビのエティハド航空です。

次走は6月21日の英G1コロネーションS.(ロイヤルアスコット、芝1マイル、3歳牝馬)へ。

2013年愛1000ギニーのレース映像。ゲート向かって左から2頭目がジャストザジャッジ。


G1愛1000ギニー(Etihad Airways Irish 1,000 Guineas)
2013年5月26日、アイルランド・カラ競馬場、芝1マイル
3歳牝馬、G1、15頭、Good To Firm 、レース結果、1着賞金17万4000ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ジャストザジャッジ
Just The Judge
3牝
3倍
J.スペンサー1分39秒375戦【4-1-0-0】
重賞2勝目
2レンズネスト
Rehn's Nest
3牝
41倍
R.ウィーラン1・1/28戦【1-2-1-4】
2走前に愛G3勝ち
3ジャストプリテンディング
Just Pretending
3牝
15倍
S.ヘファナンアタマ5戦【2-0-2-1】
前走愛G3で重賞初勝利

愛G1タターソールズゴールドカップ、アルカジームがG1初勝利。2着にキャメロット

5月26日に行われた愛G1タターソールズゴールドカップ(芝10.5ハロン、4歳以上)は、単勝1.4倍のキャメロットが3番手追走から直線入り口で先頭に立ちましたが、最後方4番手追走の2番人気アルカジームがすぐに並びかけると残り1ハロンで差し切って優勝し、重賞3連勝、G1初勝利を挙げました。

昨年の英2冠馬キャメロットは1・1/2馬身差の2着。3着に9馬身差といってもその3着は自厩舎のペースメーカーですから、「今年の4歳(昨年の3歳)は弱い」説を補強することになっていました(アルカジームは5歳)。オブライエン調教師は「疝痛手術明け2戦目で、それ以降では初めて厳しいレースだったから悪くない」としています。


アルカジームは父ドバウィ、母カジーム(未勝利)、母の父ダルシャーンという血統のイギリス産馬。

昨年5月の英G2ジョッキークラブS.(芝12ハロン)を4馬身差で勝って重賞初勝利を挙げたものの、故障のため2012年はその1戦だけ。前走4月の復帰戦、英G3ゴードンリチャードS.を勝って重賞2連勝していました。

ドイル騎手は「キャメロットには当然一目置いていたから、残り2ハロンで起きていることが信じられなかったよ」と述べています。次走は7月6日の英G1エクリプスS.(芝10ハロン)のようです。キャメロットはその前に6月19日の英G1プリンスオブウェールズS.(芝10ハロン)も検討されています。

2013年タターソールズゴールドカップのレース映像。3番手キャメロット、最後方アルカジーム。


タターソールズゴールドカップ(Tattersalls Gold Cup)
2013年5月26日、アイルランド・カラ競馬場、芝10ハロン110ヤード
4歳以上、G1、4頭、Good to Firm、レース結果、1着賞金13万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アルカジーム
Al Kazeem
5牡
3.25倍
J.ドイル2分14秒4810戦【5-4-0-1】
重賞3連勝
2キャメロット
Camelot
4牡
1.36倍
J.オブライエン1・1/29戦【6-2-0-1】
G1競走3勝
3ウィンザーパレス
Windsor Palace
8牡
34倍
S.ヘファナン9・1/229戦【2-0-5-22】
重賞1勝

G1愛2000ギニー、マジシャンがG1初勝利。20歳J.オブライエンは3連覇

5月25日に行われたG1愛2000ギニー(芝1マイル、3歳)は、3番手先行した2番人気のマジシャンが残り300mで先頭に立つと、中団から差した2着のゲールフォーステンに3・1/2馬身差をつけて完勝し重賞2連勝、G1初勝利を挙げました。

23日に20歳になったばかりのジョセフ・オブライエン騎手はこのレース3連覇。父のエイダン・オブライエン調教師はその3連覇含む通算9勝目(過去6年で5勝)。

英G1レーシングポストトロフィー2着、G1英2000ギニー3着のヴァンデルニーアが1番人気で8着。

なお、2011年の WSJS で優勝するなど日本でもおなじみJ.ムルタ騎手はアイルランドで調教師免許を取得したばかりで、この愛2000ギニーでフォートノックスとアスクダッドの2頭を管理馬として送り込み、かつフォートノックスに騎乗していましたが前者6番人気9着、後者は最低人気で最下位10着に終わりました。



マジシャンは父ガリレオ、母アブソリュートリーファビュラス、母の父モーツァルトという血統のアイルランド産馬。今年初出走、重賞2戦目だった前走5月10日の英G3ディーS.(芝10ハロン75ヤード)で2着に4馬身差をつけて重賞初勝利を挙げたばかりでした。

モーツァルトの父がデインヒルですから、ほとんどガリレオ×デインヒルの黄金配合。栗山求氏がこのニックスについて(モンジュー×デインヒルはそれほどでもないことから)「Buckpasser クロスの効果が大きいのでしょう」と指摘しておられます

ここで母の父モーツァルトの4代母サーチングは、バックパサーの母ブサンダと同じウォーアドミラルとラトロワンヌの組み合わせで、つまりモーツァルトはブサンダ≒サーチングの5×4。さらに母アブソリュートリーファビュラスはブサンダ≒サーチング≒ベターセルフの6×5×6だから、デインヒルが1代遠くなっても依然として好相性であるのかもしれません。


次走についてレース直後は陣営から連闘で英ダービー出走の可能性が示されましたが、6月18日の英G1セントジェームズパレスS.(芝1マイル)に直行することになりました。

2013年アイリッシュ2000ギニーのレース映像。3番ゲート発走がマジシャン。


愛2000ギニー(Tattersalls Irish 2,000 Guineas)
2013年5月25日、アイルランド・カラ競馬場、芝1マイル
3歳、G1、10頭、Good to Firm、レース結果、総賞金30万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1マジシャン
Magician
3牡
3.3倍
J.オブライエン1分36秒816戦【3-1-0-2】
重賞2連勝
2ゲールフォーステン
Gale Force Ten
3牡
8倍
S.ヘファナン3・1/29戦【2-2-2-3】
英G1デューハーストS.3着
仏2000ギニー3/4馬身差4着
3トレーディングレザー
Trading Leather
3牡
7倍
K.マニング1・1/26戦【2-2-1-1】
重賞【1-1-1-1】

仏G1イスパーン賞、マキシオスがG1初勝利。ビューティーパーラーは4馬身差6着

5月26日に行われた仏G1イスパーン賞(芝1850m、4歳以上)は、3,4番手の内を追走したマキシオスが、2番手先行から粘りこみを図る昨年2着(3位入線)のプランテュールをゴール直前で差し切ってG1初勝利を挙げました。

今年初出走で1番人気に支持されたディープインパクト産駒のビューティーパーラーは、マキシオスの約1馬身後ろの外目を追走していましたが直線であまり伸びずマキシオスから4・1/2馬身差の6着(7頭立て)に終わっています。

今回は重馬場で勝ちタイムは1分56秒66。良馬場だった過去3年の平均より5秒遅く、ディープインパクト産駒だけに馬場が合わなかった可能性もありそう。1週前に「馬場が硬い」と回避した英G1ロッキンジS.(芝1マイル)のほうが良かったのではないかという気もしますが。


マキシオスは父モンズン、母ムーンライツボックス(未出走)、母の父ヌレイエフという血統のイギリス産馬。半兄に凱旋門賞馬バゴがいる良血です。

2010年10月に仏2歳重賞を勝って以降は低迷していましたが、昨年9月と今年4月に重賞勝利を挙げ、G1初出走の前走ガネー賞(芝2100m)で1馬身差の2着に入って本格化の兆候を見せていました。

次走は6月19日の英G1プリンスオブウェールズS.(芝10ハロン)へ向かう模様。出走すればフランス国外の初出走です。

2013年イスパーン賞のレース映像。1番枠がマキシオス。ビューティーパーラーは外から2頭目。



イスパーン賞(Prix d'Ispahan)
2013年5月26日、フランス・ロンシャン競馬場、芝1850m
4歳以上(牡58kg、牝56.5kg)、G1、7頭、Soft、レース結果、総賞25万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1マキシオス
Maxios
5牡
3.3倍
S.パスキエ1分56秒6615戦【7-2-0-6】
重賞4勝目
2プランテュール
Planteur
6牡
5.5倍
C.スミヨン1/221戦【6-6-2-7】
2011年ガネー賞1着
3マンドゥール
Mandour
4牡
7倍
C.ルメール3/45戦【2-1-2-0】
仏G3ギシュ賞1/2馬身差3着

仏G1サンタラリ賞、シラソルがG1競走2勝目

5月26日に行われた仏G1サンタラリ賞(芝2000m、3歳牝馬)は、中団追走の5番人気アルテリテが残り200mで先頭に立ちましたが、最後方追走した1番人気のシラソルがゴール直前で差し切ってG1競走2勝目をあげました。

4月にデビュー戦を勝ったばかりでこれが2戦目のシエニカは半兄シユーニと半姉シユーマがG1を勝っている良血のためか2番人気に支持されたものの3馬身差の7着に敗れています。


シラソルは父モンズン、母ストーミナ、母の父ガルチという血統のアイルランド産馬。3代母は昨年の凱旋門賞を勝ったソレミアの母です。

その凱旋門賞の3レース前の仏G1マルセルブサック賞(芝1600m、2歳牝馬)を逃げ切って重賞初勝利を挙げていました。ちなみにそのときの3着が今回2着のアルテリテです。

今年初戦の前走仏G3ヴァントー賞(芝1850m)は逃げたものの、後にG1仏1000ギニーで2着するエソテリケから1・1/2馬身差の2着に敗れていました。

先行しなかったのはレース前から陣営が決めていた作戦だったとのこと。直線でエンジンが掛かるのが遅くて、あまり後ろから行き過ぎるのもどうかと思いますが。次走は6月16日の仏G1ディアヌ賞(仏オークス、芝2100m)へ。

同厩舎の3着フェレヴィアは重馬場ならディアヌ賞に出走し良馬場になれば見送って、ロイヤルアスコットの英G2リブルスデイルS.(芝12ハロン、3歳牝馬)が重馬場であれば出走へ。

2013年サンタラリ賞のレース映像。ゲート向かって1番右がシラソル。    


サンタラリ賞(Pour Moi Coolmore Prix Saint-Alary)
2013年5月26日、フランス・ロンシャン競馬場、芝2000m
3歳牝馬57kg、G1、8頭、Soft、レース結果、総賞金25万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1シラソル
Silasol
3牝
3.75倍
O.ペリエ2分10秒535戦【3-1-0-1】
重賞2勝目
2アルテリテ
Alterite
3牝
10倍
I.メンディザバル短アタマ8戦【3-2-1-2】
前走仏1000ギニー10着
3フェレヴィア
Ferevia
3牝
12倍
T.テュリエ短クビ5戦【2-0-1-2】
仏G3ぺネロープ賞1着

2013年5月26日日曜日

2013年日本ダービー、キズナがG1初勝利。凱旋門賞に登録しているが


2013年日本ダービー

5月26日に行われた第80回 東京優駿(日本ダービー、芝2400m、3歳牡牝)は、後方3番手につけた1番人気キズナが皐月賞2着のエピファネイアをゴール直前で差し切って優勝し、G1初勝利を挙げました。武豊騎手は日本ダービー5勝目。佐々木晶三調教師は初勝利。

3番人気エピファネイアが1/2馬身差の2着。 8番人気のアポロソニックがさらに1・1/4馬身差の3着。皐月賞馬ロゴタイプは5着でした。


キズナは父ディープインパクト、母キャットクイル、母の父ストームキャット、半姉に桜花賞などG1競走3勝のファレノプシスがいる血統。ディープインパクト産駒は昨年のディープブリランテに続いて日本ダービー2連覇で、3世代で2頭のダービー馬を送り出しました。

日本ダービー過去20年の勝ち馬では、2003年のネオユニヴァースが母が16歳のときに産まれていますが、その次に母が高齢だったのが1995年のダービー馬タヤスツヨシの12歳。キャットクイルは20歳のときにキズナを産んでおり、キズナのダービー勝利は
母の出産年齢から見ても、激しく珍しい例
新・血統論【高齢出産(田端到)】 : 【競馬コラムサイト】ヨミトクケイバ
になりました。



キズナは10月6日に行われる仏G1凱旋門賞に登録しています。
1ère(P/ 474) QATAR PRIX DE L'ARC DE TRIOMPHE , le 06.10.2013, LONGCHAMP

佐々木師が
「56キロで出られるのは有利。行くにはダービー(5月26日、東京)を勝つことが必須条件になる」
キズナが凱旋門賞登録 佐々木師「行くにはダービー勝利が必須条件」 ― スポニチ
と述べていましたから、条件はクリアしました。「クリアすれば行く」とは言っていないので今後の動向が注目です。


凱旋門賞のオッズは次のとおりです。(5月26日19時45分閲覧。いずれも Betfair)
  • オルフェーヴルが5.5倍(1番人気)
  • 英2000ギニー勝ち馬で、英ダービー前売りで1.9倍-2.1倍程度の1番人気に支持されているドーンアプローチが5.9倍(2番人気)
  • 昨年の英2冠馬キャメロット仏2000ギニー3着のインテロが17倍(3番人気)
  • ほか10倍台から30倍台に何頭かはさんでジェンティルドンナやキズナが40倍
Prix de l'Arc de Triomphe Odds | Arc Betting | Oddschecker


凱旋門賞は日本の競馬に比べて重馬場になることが多く、ディープインパクト産駒全体の傾向としては重馬場は向かないように思っているので気になりますが、もちろん必ず重馬場になるわけでもなく、キズナ自身はやや渋るくらいならこなせそうですし行くなら期待したい(ダービー馬で菊花賞を差し損ねるのも武豊騎手の十八番ですし)。


ちなみに関係ない話ですが、フランスのトニー・クラウト厩舎にも Kizuna という3歳牝馬がいます。馬主の Kenichi Izumi 氏は勝負服が青袖、赤胴に白の星だからナカヤマフェスタの和泉信一氏の息子である和泉憲一氏(netkeiba)でほぼ間違いなく、2010年に日本から遠征しトニー・クラウト厩舎に滞在して凱旋門賞2着したナカヤマフェスタで生まれた和泉家とクラウト師の絆という意味でしょうかね。

2013年日本ダービーのレース映像(JRA公式)。1番枠がキズナ。

東京優駿 日本ダービー
Tokyo Yushun (Japanese Derby)
2013年5月26日、日本・東京競馬場、芝2400m
3歳牡牝、G1、18頭、レース結果、1着賞金2億円
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1キズナ
Kizuna
3牡
2.9倍
武豊2分24秒37戦【5-0-1-1】
重賞2連勝
2エピファネイア
Epiphaneia
3牡6.1倍福永祐一1/26戦【3-2-0-1】
皐月賞2着。ラジオNIKKEI杯S.1着
3アポロソニック
Apollo Sonic
3牡61.6倍勝浦正樹1・1/47戦【2-1-1-3】
G2青葉賞2着

米G3アメリカンH.、オブヴィアスリーが完勝。3着にディープインパクト産駒バロッチ

5月25日に行われた米G3アメリカンH.(芝1マイル、3歳以上ハンデ)は、単勝1.4倍の圧倒的1番人気に支持されたオブヴィアスリーがトップハンデをものともせず、2着に2・1/2馬身差をつけて逃げ切り重賞3勝目を挙げました。

昨年のG1仏2000ギニー勝ち馬でこれが米移籍初戦のルカヤンが追い込んで2着。後方につけたディープインパクト産駒のバロッチは最後の直線で一時2番手に上がりましたがゴール直前でルカヤンにクビ差交わされ3着でした。というわけで6頭立てのこの上位3頭とも欧州からの移籍馬です。


オブヴィアスリーは父ショワジール、母リーラ(未出走)、母の父モンジューという血統のアイルランド産馬で、同国で3戦した後、2012年からアメリカに移籍。

昨年8月の米G2デルマーマイルH.(芝1マイル)を1分32秒10のコースレコードで逃げ切り、その次走の米G2アロヨセコマイル(芝1マイル)もレコードに0.06秒差で逃げ切って重賞連勝。ちなみにそのときに2着は米国遠征中だったトレイルブレイザーでした。

さらに11月の米G1 BCマイル(芝1マイル)は後に年度代表馬に選ばれるワイズダンから2馬身差、ケンタッキーダービー馬であり後にドバイワールドカップを勝つアニマルキングダムから1/2馬身差の3着と好走し、それ以来の出走だった今年4月の前走米G3サンシメオンS.(芝6.5ハロン)も距離不足のはずですが1/2馬身差の2着と格好はつけていました。

今年も目標は米G1 BCマイルで、次走は6月29日の米G1シューメイカーマイルの予定です。


3着のバロッチは今年初戦4月のステークスで約1馬身差の4着し、前走一般戦を勝って約9ヶ月ぶりの勝利を挙げていました。重賞で3着以内に入るのも2011年の仏G3プランスドランジュ賞(芝2000m)で2着した以来のことです。まあ、この間に重賞出走したのは昨年10月の1回だけ(7着)ですが。

でも今年のほうが昨年より調子良さそうに思えますね。ちなみに(今頃ようやく気がつきましたが)今年から馬主が Hronis Racing に代わっています。


2013年アメリカンH.のレース映像。2番枠オブヴィアスリー、3番枠バロッチ、1番枠ルカヤン。


アメリカンハンディキャップ(American Handicap)
2013年5月25日、アメリカ・ハリウッドパーク競馬場、芝1マイル
3歳以上、G3、6頭、レース結果(PDF)、総賞金15万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1オブヴィアスリー
Obviously
5セン
1.4倍
J.タラモ
54.8kg
1分32秒9514戦【7-4-2-1】
重賞3勝目
2ルカヤン
Lucayan
4牡
8.2倍
J.ルパルー
53.5kg
2・1/29戦【3-3-0-3】
米移籍初戦
3バロッチ
Barocci
5牡
9.3倍
V.エスピノーザ
52.2kg
クビ15戦【3-4-2-6】
仏G3で2着1回

ディープインパクト産駒ビューティーパーラー、26日の仏G1イスパーン賞で今年初戦

5月26日に行われる仏G1イスパーン賞(芝1850m、4歳以上)にディープインパクト産駒のビューティーパーラーが出走予定で、出走すれば今年初出走です。

2:40 Longchamp (FR) | 26 May 2013 | Full Racecard | Racing Post

昨年2着のプランテュールと、バゴの半弟であり前々走で仏G2勝ち、前走の仏G1ガネー賞2着のマキシオスらが主な相手です。 昨年の仏ダービー馬サオノワ(パン屋)は出走回避。ウィリアムヒルのオッズではマキシオスとビューティーパーラーが4倍で並んで1番人気(26日午前0時10分現在)。


ビューティーパーラーは昨年5月にG1仏1000ギニー(芝1600m)でG1初勝利。G1仏オークス(芝2100m)2着後に英のH.セシル厩舎に転厩し、転厩初戦9月の英G1サンチャリオットS.(芝1マイル、3歳以上牝馬)は約9馬身差の7着に敗れていました。

イスパーン賞はそのサンチャリオットS.以来の出走です。ちなみに先週の英G1ロッキンジS.(芝1マイル)に出走を予定していましたが、馬場が硬すぎるとして回避しました。

ロッキンジS.、イスパーン賞という選び方をみると、やはりセシル師が昨年述べていたようにマイル付近を適距離と考えているようですね。


サンチャリオットS.含めここまでの6戦中5戦、重賞は4戦全てで C.スミヨン騎手が騎乗していましたが、今回はセシル厩舎の主戦であるT.クウィリー騎手が初騎乗します(今年に入ってからスミヨン騎手はウィルデンシュタイン家の所有馬にほとんど乗ってないので騎乗契約は更新されてないのでしょう)。


ちなみにビューティーパーラーの全兄バロッチも現地時間25日、日本時間26日の米G3アメリカンH.(芝1マイル、3歳以上)に出走予定。
Equibase.com | Race Entries
http://www.drf.com/events/american-handicap-betfair-hollywood-park

6頭立ても、昨年のG1仏2000ギニー勝ち馬ルカヤン、昨年の米G1 BCマイル3着のオブヴィアスリー、米G1デルマーフューチュリティ勝ち馬ドリルとG1活躍馬が3頭もいるなかなかのメンバーです。ただバロッチは前走一般戦で久しぶりに勝っていることもありモーニングライン(主催者発表の予想オッズ)は2番人気となっています。オブヴィアスリーが1.8倍の1番人気。

2013年5月25日土曜日

豪G1ドゥームベン10000、エポレットがG1競走2勝目

5月25日に行われた豪G1ドゥームベン10000(芝1350m、3歳以上)は、後方を追走した2番人気のエポレットが最後の直線で内から抜け出して優勝し、G1競走2勝目を挙げました。

昨年のこのレースなど豪G1を3勝しているシーサイレンが中団追走し外から差して2馬身差の2着。昨年2着など豪G1で2着4回のバファリングが逃げ粘り3着。

母の父がフジキセキで、前走豪G1 BTCカップ(芝1200m)5馬身差完勝のユアソングは1番人気6着。同3着のベターザンレディ(母の父アグネスワールド)は4番人気5着でした(そのBTCカップ4着がバファリング)。

なお、最終コーナーで故障したペンタイア産駒のランギラングドゥーは予後不良のため安楽死となりました。2010年の豪G1ドンカスターマイル(芝1600m、豪マイルG1で最高賞金額)など豪G1競走を2勝していました。


エポレットは父コマンズ、母アクセサリーズ、母の父シングスピールという血統。1歳上の半兄(3/4同血)ヘルメットが豪2歳G1を2勝、3歳のG1も1勝。

デビュー6戦目、重賞4戦目だった豪G1ゴールデンローズ(芝1400m、3歳)で重賞初勝利を挙げるとその後はG2を1勝し、豪G1コーフィールドギニー(芝1600m)3着、豪G1 TJスミスS.(芝1200m)でブラックキャビアから3馬身差の2着と好走を続けていました。

前走の豪G1オールエイジドS.(芝1400m)はブラックキャビアの半弟オールトゥハードから2・1/2馬身差の6着。

スノーデン調教師はそのオールエイジドS.前の調整で負荷を加えすぎてしまったと考えていたとのことで「オールエイジドS.の後、ダーレーオーストラリアのオズボーンパークで少し休養を取らせた。それが素晴らしく効いたようだね。速いペースも向いてくれた」と述べています

次走は6月8日の豪G1ストラドブロークH.(芝1400m) へ。レース前の予定どおりであればユアソングも向かうはずです。なお、シーサイレンはロイヤルアスコット開催に遠征する模様。英G1の2競走、キングズスタンドS.(芝5ハロン)とダイヤモンドジュビリーS.(芝6ハロン)の両方に登録しています。


ちなみにドゥームベン10000の2レース前の準重賞チーフデビアスH.(芝1200m)は、父ペンタイア、母が日本産馬のエクスタシア(未出走、NZで繁殖入り。netkeiba。JRA5勝キャッチータイトルの半姉)、母の父シングスピールという血統のペンタシア Pentasia が勝って準重賞初出走初勝利。これで3連勝、7戦連続連対としています。ハンデ重賞なら好走が期待できそうです。

またドゥームベン10000の次のレース、豪G3チャンネルセブンプレミアズカップ(芝2200m)でゼンノロブロイ産駒ゼニスタが1馬身差の3着しました。昨年11月に新G3タウランガS.(芝1600m)を勝っています。


2013年ドゥームベン10000のレース映像。Australia(B)、5月「24日」の第8レース選択。

ドゥームベン10000(Carlton Mid Doomben 10,000)
2013年5月25日、オーストラリア・ドゥームベン競馬場、芝1350m
3歳以上、G1、頭、Dead4、レース結果、総賞金65万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1エポレット
Epaulette
3牡
6倍
K.マカヴォイ
57.0kg
1分18秒8511戦【5-2-2-2】
重賞3勝目
2シーサイレン
Sea Siren
4牝
17倍
J.キャシディ
57.0kg
215戦【6-3-1-5】
豪G1競走3勝
3バファリング
Buffering
5セン
7倍
D.ブラウン
59.0kg
短アタマ33戦【12-7-5-9】
G1【0-4-3-4-3】

豪G1ドゥームベンカップ、ビートゥンアップがG1初勝利

5月18日に行われた豪G1ドゥームベンカップ(芝2000m、3歳以上)は、6番手内を進んだ4番人気ビートゥンアップが先に抜け出したG1競走3勝し昨年3着のマニガーを残り50mで差し切って勝ち、1年半ぶりの重賞競走2勝目、G1初勝利を挙げました。

1番人気のフォアテラーが直線大外から追い込んで3/4馬身差の2着。マニガーは僅差の4着。昨年の2着馬で、前走の豪G2 A.D.ホリンデイルS.(芝2000m)でフォアテラーを2着に下していたライツオブへヴンが5着でした。


ビートゥンアップは父ビートホロウ、母フロッグ、母の父アカラッドという血統のイギリス産馬。

デビューから3連勝で2011年の英G3セントサイモンS.(芝12ハロン)優勝。しかし、G1ドバイシーマクラシック6着、英G1コロネーションカップ5着(といっても36馬身差ですが)した後は英の条件戦さえ2戦して勝てず、オーストラリアに移籍。

移籍後は、豪G2アヤックスS.(芝1500m)4馬身差9着、英G3ドンカスタープレリュード(芝1600m)4・1/2馬身差11着、新準重賞ローリーマイル(芝1600m)頭差2着と、着順はともかく着差は大敗せずに走っていました。

ビートホロウ産駒だから距離伸びて良かったのでしょう。

ちなみに2着のフォアテラーも仏G3で4着などしたあと、ビートゥンアップと同じクリス・ウォラー調教師の元に移籍し、今年3月に豪G1ランヴェットS.(芝2000m)を勝っています。また昨年2012年のドゥームベンカップもドイツ産馬マウィンゴが勝ち、今年4月の豪G1クイーンエリザベスS.(芝2000m)はこれもウォラー調教師が移籍させた仏ダービー馬リライアブルマンが勝つなど、豪2000m以上は欧州からの移籍馬の活躍がほんとに多いです。


2013年ドゥームベンカップのレース映像(Australia(B)、5月「17日」、第7レースの順に選択)。最内1番枠がビートゥンアップ。

ドゥームベンカップ(Kirks Doomben Cup)
2013年5月18日、オーストラリア・ドゥームベン競馬場、芝2000m
3歳以上、G1、13頭、Dead4、レース結果、総賞金 50万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ビートゥンアップ
Beaten Up
5セン
9倍
L.イネス
59.0kg
2分04秒3411戦【4-1-1-5】
重賞2勝目
2フォアテラー
Foreteller
6セン
4倍
J.キャシディ
59.0kg
3/431戦【9-3-1-18】
重賞3勝
3シークレットアドマイヤー
Secret Admirer
5牝
15倍
M.ロッド
57.0kg
アタマ28戦【3-5-10-10】
G1で【2-1-7-8】

2013年5月24日金曜日

豪G1 BTCカップ、母の父フジキセキのユアソングがG1初勝利。母父アグネスワールドが3着

5月11日に行われた豪G1 BTCカップ(芝1200m)は、先行した5番人気ユアソングが残り300mで先頭に立つと2着に5馬身差をつけて圧勝し重賞初勝利を挙げました

2番人気レインアフェアーが逃げ粘って2着し、これがG1で2着4回目。母の父アグネスワールドのベターザンレディが4番人気3着。一昨年の3着馬で、G1で2着4回の1番人気バファリングが4着。G1競走3勝のシーサイレンが8着。母の父バブルガムフェローのエマレーンが10着。


ユアソングは父ファストネットロック、母ゼンブ、母の父フジキセキという血統の3歳牡馬。

これが7ヶ月ぶりの出走で、休養前には豪G3ラントゥザローズ(芝1200m、3歳)でピエロの2着しましたが、その次走の豪G1ゴールデンローズ(芝1400m、3歳)は8着に敗れていました。

重馬場はデビュー戦の3着を除いてこれで3戦3勝。これより前の2勝は条件戦ではありますが、今回の勝ち方を見ると重馬場巧者なのかなと。

父のファストネットロックが2013年の種付け料27万5000豪ドル(約2700万円)に設定される大種牡馬であることも関係すると思いますが、この圧勝直後に種牡馬入りが決定。25日の豪G1ドゥームベン10000(芝1350m、3歳以上)と6月8日の豪G1ストラドブロークH.(芝1400m、3歳以上)を走って引退するとのこと。


また3着のベターザンレディは前走で準重賞3勝目を挙げていました。前々走の豪G1ニューマーケットH.(芝1200m)は軽ハンデで5馬身差5着。今回も勝ち馬には離されたとはいえ定量戦を3着で順調に力をつけてますね。この馬も重馬場のほうが良さそうですが。次走はドゥームベン10000の予定です。


2013年 BTCカップのレース映像。Australia(B)を選択、5月「10日」の第7レースを選択、で見れます。

BTCカップ(BTC Cup)
2013年5月11日、オーストラリア・イーグルファーム競馬場、芝1200m
3歳以上、G1、11頭、Heavy9、レース結果、総賞金40万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ユアソング
Your Song
3牡
12倍
P.ロブル
57.0kg
1分11秒277戦【3-1-2-1】
重賞初勝利
2レインアフェアー
Rain Affair
5セン
4倍
H.ボウマン
58.5kg
521戦【11-5-0-5】
G1で2着4回目
3ベターザンレディ
Better Than Ready
3牡
10倍
R.マクマホン
57.0kg
1・1/411戦【6-1-2-2】
前走準重賞勝ち

豪G1 SAダービー、エスカードが重賞初勝利

5月4日に行われた豪G1サウスオーストラリアンダービー(芝2500m、3歳)は、中団最内を追走したエスカードが最終コーナーで開いた内から進出すると、直線なかばで抜け出して重賞初勝利をG1で挙げました。

最後方追走のハイオクダンも最内から追い込んで1・3/4馬身差の2着。1番人気のショアハムは外を回ってさらに短頭の3着。


エスカードは父カジノプリンス、母シークレットコーズ、母の父ジャイアンツコーズウェイという血統

前走は2000mの条件戦で敗れていましたが、これ以前に唯一重賞出走した豪G1ヴィクトリアダービー(芝2500m、賞金はSAダービーの3倍)は4・1/2馬身差の6着しており、この距離に戻って、人気は無かったものの順当勝ちといえるのではないかと。

なお、この次走18日に3200mの準重賞に出走し15着に敗れました。


2013年サウスオーストラリアンダービーのレース映像。1番枠、緑の帽子、赤の勝負服がエスカード。

サウスオーストラリアンダービー(Centrebet South Australian Derby)
2013年5月4日、オーストラリア・モーフェットヴィル競馬場、芝2500m
3歳、牡56.5kg、牝2kg減、G1、頭、Dead4、レース結果、総賞金50万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績(5/4終了時点)
主な成績
1エスカード
Escado
3セン
14倍
B.メルハム2分39秒0514戦【3-2-3-6】
重賞2戦目
2ハイオクダン
Hioctdane
3セン
5.5倍
P.ガット1・3/49戦【3-2-1-3】
前走2000mのG3を4馬身差勝利
3ショアハム
Shoreham
3セン
4.0倍
C.シモンズ短アタマ11戦【2-1-3-5】
前走準重賞1着。重賞初出走

(4月)豪G1シュウェップスオークス、メイビーディスクリートが重賞2勝目。母父SSが2着

4月27日に行われた豪G1シュウェップスオークス(芝2000m、3歳牝馬)は、ドスローの3番手を先行したメイビーディスクリートが直線入り口で抜け出すと、2着に2・1/2馬身差をつけて重賞2勝目、G1初出走初勝利を挙げました。ターナー騎手もG1初勝利。

中団追走から最終コーナーでメイビーディスクリートに並びかけたグランドドーター(母の父サンデーサイレンス、重賞初出走)が粘りこんで2着。外から追い込んだラズーマが3着。前走G3でメイビーディスクリートを2着に負かしていたグローバルバランスは9着。


メイビーディスクリートは父シャマルダル、母オーソーディスクリート、母の父ブルーバードという血統。半姉が豪G2で2着1回。

昨年9月に豪G2マニフォールドS.で重賞初勝利するも、次走のG1豪1000ギニーは11着に敗れていました。また前走の豪G3はグローバルバランスに短頭差差し切られていました。

前走のやや速い流れと異なり、今回は残り1400mから800mまでの3ハロン全てで13秒台を刻むスローペースを先行できて展開も向いたのでしょう。特に1200m-1000mは16頭中で2番目に遅いラップを、1000m-800mも3番目に遅いラップ(13秒5)で脚をためることが出来ました。

この後は休養し、来シーズンはマイル路線を進むようです。

2013年シュウェップスオークスのレース映像。外枠から先行する黄色の勝負服がメイビーディスクリート。

シュウェップスオークス(Schweppes Oaks)
2013年4月27日、オーストラリア・モーフェットヴィル競馬場、芝2000m
3歳牝馬(56.0kg)、G1、16頭、Dead4、レース結果、総賞金40万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績(5/24時点)
主な成績
1メイビーディスクリート
Maybe Discreet
3牝
6.5倍
D.ターナー2分07秒0211戦【4-3-0-4】
重賞2勝目
2グランドドーター
Grand Daughter
3牝
21倍
D.スタックハウス2・1/28戦【2-3-1-2】
重賞初出走
3ラズーマ
La Zuma
3牝
26倍
C.リンドップ短アタマ9戦【1-0-1-7】
重賞6戦目で3着以内初

(4月)プレートレットがロバートサングスターS.、ザ・グッドウッドと豪G1連勝。母の父フジキセキの2頭が2,3着

4月27日に行われた豪G1ロバートサングスタークラシック(芝1200m、3歳以上牝馬)は、中団外につけたプレートレットが最後の直線で鋭く差して2馬身ほど抜け出すと、ゴール前で迫ったエンジェリックライトを3/4馬身抑えて優勝し、重賞1年半ぶりの2勝目、G1初勝利を挙げました。

1番人気のスニツァーランド(重賞5勝、前走は古馬牡馬相手にG1で2着)は逃げつぶれて、といっても3馬身差ですが7着。

2着エンジェリックライトと3着ヨーセイはどちらも母の父がフジキセキです。前者は準重賞1勝、前走オープン戦1着しておりこれが重賞初出走。後者は2011年にサイアーズプロデュースS.(芝1200m、2歳)、豪1000ギニー(芝1600m、3歳牝馬)、2011年にタターソールズティアラ(芝1400m、3歳以上牝馬)と豪G1を3勝しており、昨年もG1で3着2回していました。


プレートレットはこの次走、5月11日の豪G1ザ・グッドウッド(芝1200m、ハンデ)も牝馬としてはトップハンデでしたが問題なく勝ってG1連勝しました。ちなみに昨年のロバートサングスターS.ザ・グッドウッドはどちらもブラックキャビアが勝っています(「だからといってプレートレットとブラックキャビアと比べようとする者はいない」と書いているサイトがあって笑いました)。

今年のザ・グッドウッド3着にはロバートサングスターS.の5着馬が入り、1番人気のG1馬モーメントオブチェンジが差し届かず5着。ヨーセイは直線で追えないシーンもあり3番人気10着。



プレートレットは父ストラテジック、母ブラッドライン(豪2勝)、母の父ドラキュラという血統の4歳牝馬。

2011年10月、デビュー6戦目の豪G3サラブレッドクラブS.(芝1200m、3歳牝馬)で重賞初勝利。その後は4月の豪G3アーウィンS.(芝1100m)など重賞2着2回して、ロバートサングスターS.がG1初出走でした。

ロバートサングスターS.後にウィアー調教師は「前走アーウィンS.は早く仕掛けすぎたが、ベン(・メルハム騎手)が今回はきっちり乗ってくれた」と述べています。このあとは休養して来シーズンに備えるようです。


ちなみにザ・グッドウッドの1レース前、豪G3 RAリーS.(芝1600m、3歳以上)でキープザフェイス産駒(その父サンデーサイレンス)のラッキーペニーが頭差2着に入っています。もう少しでキープザフェイス産駒2頭目の重賞勝ち馬になれたんですけど、今回のリーS.勝ち馬はマイル重賞2勝馬だから、ラッキーペニーも近いうちに重賞勝利が期待できます。

ラッキーペニーはちょうど1年前に準重賞を勝っています。またキープザフェイス産駒唯一の重賞勝ちである昨年の豪G3ジャンズナショナルS.(ディンカムダイヤモンドが優勝、芝1200m、2歳)も同じくモーフェットヴィル競馬場だから、この競馬場が得意なのかもしれません。

2013年ロバートサングスタークラシックのレース映像
2013年ザ・グッドウッドのレース映像
中団追走、黄色の勝負服がプレートレット。

2013年RAリーS.のレース映像。2番手追走がラッキーペニー。

ロバートサングスタークラシック(Sportingbet Robert Sangster Classic)
2013年4月27日、オーストラリア・モーフェットヴィル競馬場、芝1200m
3歳以上牝馬、G1、12頭、Dead4、レース結果、総賞金40万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績(4/27終了時点)
主な成績
1プラテレット
Platelet
4牝
9.5倍
B.メルハム
56.5kg
1分11秒0418戦【6-5-5-2】
重賞2勝目
2エンジェリックライト
Angelic Light
3牝
17倍
R.R.マロニー
54.4kg
3/411戦【4-3-1-3】
準重賞1勝2着1回
3ヨーセイ
Yosei
5牝
26倍
M.ペイン
56.5kg
クビ33戦【4-1-4-24】
豪G1を3勝


ザ・グッドウッド(The Distinctive Homes Goodwood)
2013年5月11日、オーストラリア・モーフェットヴィル競馬場、芝1200m
3歳以上ハンデ、G1、16頭、Good3、レース結果、総賞金50万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1プレートレット
Platelet
4牝
9倍
B.メルハム
56.5kg
1分09秒6519戦【7-5-5-2】
重賞3勝目
2コンサバトリウム
Conservatorium
5セン
67倍
J.ボウディッチ
54.5kg
1/223戦【6-3-1-13】
一昨年3馬身差6着
3アルター
Altar
4牝
13倍
V.ダリック
52.5kg
短クビ13戦【1-2-2-8】
G2を1勝

(4月)豪G1オールエイジドS.、オールトゥハードが優勝しG1競走3連勝。英ロイヤルアスコット遠征せずに引退

4月27日に行われた豪G1オールエイジドS.(芝1400m、3歳以上)は、逃げ粘るレインアフェアーを4番手追走した1番人気オールトゥハードが残り50mで差し切って優勝し、これで1400mのG1競走3連勝としました。

昨年の仏G1フォワ賞(芝2400m)でオルフェーヴルの4着だったフィオレンテ(母の父ピルサドスキー)が、昨年の豪G1メルボルンカップ(芝3200m)2着以来の出走で3着。

母の父サンデーサイレンスの豪G1競走8勝馬モアジョイアスは2番人気でしたが、7着に敗れています。

ちなみに2着レインアフェアーはこの次走の豪G1 BTCカップ(芝1200m)で5馬身差の2着に入り、芝G1で2着4回目(未勝利)を記録しています。


オールトゥハードは父カジノプリンス、母ヘルシング(未出走)、母の父デザートサンという血統。ブラックキャビアの半弟であり、豪イースターイヤリングセールにおいて102万5000ドルで落札され、4走前、昨年10月の豪G1コーフィールドギニー(芝1600m、3歳)でG1初勝利を上げています。

その次走、同11月の豪G1コックスプレート(芝2040m)2着後にヴァイナリースタッドが財政難のネイサン・ティンクラー氏から、報道によって幅がありますが2500万豪ドルから3100万豪ドルで購入(1豪ドル=約100円、2013年5月12日現在)。

その後、豪G1 C.F.オーアS.(芝1400m、3歳以上)で姉弟制覇。その次走で2月の豪G1フューチュリティS.(芝1400m、3歳以上)を勝ち、今回はそれ以来の出走でした。

この後はロイヤルアスコットの英G1クイーンアンS.(芝1マイル)に出走が検討されていましたが、すでに北半球からも種牡馬としてのオファーがあるから遠征することに大きな意味がないとして取り止めに。5月18日の豪G1ドゥームベンカップ(芝2000m)出走もありえるとのことでしたが、G1を4勝しており、もう十分であるとして引退することになりました。

初年度種付け料は6万6000豪ドルに決定されています。一方、同期のピエロがクールモアに3500万豪ドルで購入され、初年度種付け料7万7000豪ドルとなりました。豪競馬は景気いいですね。


2013年オールエイジドS.のレース映像。外枠の濃緑の勝負服がオールトゥハード。

オールエイジドステークス(Yarraman Park All Aged Stakes)
2013年4月27日、オーストラリア・ランドウィック競馬場、芝1400m
3歳以上、G1、8頭、Good3、レース結果、総賞金 40万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績(4/27終了時点)
主な成績
1オールトゥハード
All Too Hard
3牡
2.75倍
D.ダン
56.5kg
1分22秒8912戦【7-2-1-2】
G1競走4勝目
2レインアフェアー
Rain Affair
5セン
11倍
C.ウィリアムズ
59.0kg
1/220戦【11-4-0-5】
G2を3勝、G3を1勝
3フィオレンテ
Fiorente
5セン
51倍
T.ベリー
59.0kg
1・1/411戦【2-4-1-4】
英G2勝ち

(4月)豪G1シドニーカップ、ムーラヤンがG1初勝利

4月27日に行われた豪G1シドニーカップ(芝3200m、3歳以上、ハンデ)は、5,6番手追走の5番人気ムーラヤンが最後の直線で外に出されると、先行し内から伸びた8番人気ノールスキーを3/4馬身差し切って優勝し、G1初勝利を挙げました。

C.ウィリアムズ騎手騎乗、唯一の牝馬で6番人気タイだったアリヤナティルダがさらに短頭差の3着。このアリタナティルダは2000mより長い距離だとこれ以前に2戦して、2012年の豪G1オーストラリアンオークス2着、前走の豪G3チェアマンズH.(芝2600m)3着と3着以内を外しておらず長距離のほうが良いんでしょうね。まあ2走前に1900mで重賞初勝利を挙げていますが。昨年の勝ち馬ニウォットはトップハンデで9着に敗れています。


ムーラヤンは父アルハース、母ムーラマラ、母の父カヤージという血統のアイルランド産馬。アガカーン殿下の生産所有馬として愛ダービー3着、重賞2着3回などしたあと、2010年から現オーナーに買われオーストラリアに移籍。

2010年に豪G1メトロポリタン(芝2400m)で、2011年に豪G1ザ・BMW(芝2400m)と豪G1マッキノンS.(芝2000m)でそれぞれ2着しており、G1出走11戦目でようやくG1のタイトルを獲得しました。

重賞勝利も2012年10月の豪G3クレイヴンプレート(芝2000m)以来となる2勝目です。

ちなみにオーストラリアには3200mのG1が2つあり、もう一方のメルボルンカップを昨年勝ったこれも移籍馬のグリーンムーンはムーラヤンと同オーナー、同調教師です。ムーラヤンはそのメルボルンカップで5馬身差7着していました。

この後は休養を挟んで来シーズンに備えるとのこと。

2013年シドニーカップのレース映像。手前から2頭目、白の帽子、紺の勝負服がムーラヤン。

シドニーカップ(Schweppes Sydney Cup)
2013年4月27日、オーストラリア・ランドウィック競馬場、芝3200m
3歳以上、G1、10頭、Good3、レース結果、総賞金50万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績(5/24終了時点)
主な成績
1ムーラヤン
Mourayan
7牡
12倍
J.ボウマン
58.0kg
3分24秒2938戦【5-8-5-20】
重賞2着7回
2ノールスキー
Norsqui
6セン
21倍
C.シモンズ
55.0kg
3/438戦【8-7-3-20】
2走前に3200m重賞勝ち
3アリヤナティルダ
Aliyana Tilde
4牝
16倍
C.ウィリアムズ
54.5kg
短アタマ19戦【3-2-5-9】
2走前に1900m重賞勝ち

(4月)豪G1シャンペンS.、ゲルフがG1連勝

4月27日に行われた豪G1シャンペンS.(芝1600m、2歳)は、後方追走した1番人気のゲルフが逃げ、2番手先行の2頭をゴール直前でハナ差差し切り、重賞3勝目を挙げました。前走の豪G1サイアーズプロデュースS.(芝1400m)との連勝は、牝馬としては1992年以降で4頭目です

2着は10番人気、3着6番人気タイのヒモ荒れ決着。

豪G1ゴールデンスリッパー(芝1200m)でゲルフを4着に下し、サイアーズプロデュースS.は3着だったオーバーリーチは出走せず。サイアーズプロデュースS.2着馬でブラックキャビアの叔母にあたるスカンディヴァは3番人気9着。


ゲルフは父エクシードアンドエクセル、母カマリラ、母の父イルーシヴクオリティという血統。デインヒルの2×4。オーバーリーチも同産駒です。これにより2011年以降はシドニー2歳3冠(ゴールデンスリッパー、サイアーズプロデュースS.、シャンペンS.)をダーレーの種牡馬が全勝しています。

4走前に勝った豪G3ブルーダイヤモンドプレリュード・フィリーズ(芝1100m)とサイアーズプロデュースS.は、現役時代に重賞2勝した母カマリラの勝った重賞でした。母が3着だったここでG1勝利をもう一つ上積みして母を超えたと言えますね。

次走は不明。いちおう2歳G1は6月8日に豪G1ザ・TJスミス(芝1600m) が残っていますが、5月24日時点で狙っているという話も聞かないです。

2013年シャンペンS.のレース映像。ゼッケン11番がゲルフ。

シャンペンステークス(Moet & Chandon 150th Champagne)
2013年4月27日、オーストラリア・ランドウィック競馬場、芝1600m
2歳、G1、13頭、Good3、レース結果、総賞金40万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績(5/24終了時点)
主な成績
1ゲルフ
Guelph
2牝
2.5倍
K.マカヴォイ
54.5kg
1分36秒287戦【4-1-0-2】
重賞3勝目
2フェルザ
Fuerza
2牡
26倍
J.キャシディ
56.5kg
ハナ7戦【0-4-1-2】
2走前にG2で3着。重賞初連対
3エクエイター
Equator
2セン
21倍
N.ラウィラー
56.5kg
短クビ3戦【2-0-1-0】
重賞初出走

(4月)豪G1クイーンエリザベスS.、仏ダービー馬リライアブルマンがG1競走2勝目。イッツアダンディール2着

4月27日に行われた豪G1クイーンエリザベスS.(芝2000m、3歳以上)は2番手先行からいったん4番手まで下がった2番人気リライアブルマンが最後の直線は外から楽に抜け出して優勝し、2011年のG1仏ダービー以来となるG1競走2勝目を挙げました。

2走前の豪G1ローズヒルギニー(芝2000m)を7馬身差、前走の豪G1オーストラリアンオークス(芝2400m)を6馬身差で圧勝していたイッツアダンディールが重賞で古馬と初対戦でも単勝1.3倍の圧倒的1番人気に支持されましたが2着どまりでした。

昨年11月に豪G1エミレーツS.(芝1600m、3歳以上)を勝っているハッピートレイルズが3着。豪G1で3連勝し、つづけて昨年のこのレース2着したマニガーは7着。


リライアブルマンは父ダラカニ、母オンフェアステージ(愛準重賞1勝)、母の父サドラーズウェルズという血統のイギリス産馬。

2011年にデビュー3戦目、重賞初出走で仏G1ジョッケクルブ賞(仏ダービー、芝2100m)を制しています。その後も仏G1パリ大賞3着仏G1ガネー賞3着英G1キングジョージ4着と好走して豪移籍。移籍緒戦の前走豪G1ジョージライダーS.(芝1500m)は1・1/2馬身差の6着していました。

今回レース後に騎手が下馬。レース直後に伝えられたよりは軽症だったようですが、5月上旬の見込みよりは経過が悪く、5月20日時点の情報ではオファー次第でこのまま種牡馬入りする可能性があり、現役続行の場合も怪我の治療のため少なくとも来シーズンの春(日本の秋)は休養するだろうとのこと。

2013年クイーンエリザベスS.のレース映像(YouTube)。手前から2頭目の発走、青地の勝負服がリライアブルマン。

参考)2011年仏ダービーのレース映像


クイーンエリザベスステークス(Santos Coffee Queen Elizabeth Stakes)
2013年4月27日、オーストラリア・ランドウィック競馬場、芝2000m
3歳以上、G1、8頭、Good3、レース結果、総賞金50万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1リライアブルマン
Reliable Man
5牡
12倍
J.ボウマン
59.0kg
2分01秒8014戦【5-1-2-6】
重賞3勝目
2イッツアダンディール
It's A Dundeel
3牡
1.29倍
M.ロッド
55.5kg
2・1/212戦【8-2-0-2】
G1競走4勝
3ハッピートレイルズ
Happy Trails
5セン
41倍
G.スコフィールド
59.0kg
1/233戦【5-6-6-16】
重賞3勝

2013年5月23日木曜日

香G1チャンピオンズマイル、ダンエクセルがG1初勝利。2着ヘレンスピリットと4着グロリアスデイズは安田記念に

5月5日に行われた香G1チャンピオンズマイル(芝1600m)は、3番手内を先行したダンエクセルが逃げ粘る人気薄のヘレンスピリットを短アタマ差交わして優勝し、G1初勝利を挙げました。

ダンエクセルの直後を追走していた1番人気のグロリアスデイズは4着(昨年2着)。前走ダンエクセルを2着に下して香港重賞2勝目を上げていた2番人気パッキングウィズが後方2番手追走から3着に入っています。内ラチ沿いを進んだ4頭が上位4着までを占めました(ヘレンスピリット以外は人気の3頭ですが)。

昨年の勝ち馬エクステンションは6着。ニュージーランドから遠征したG1競走10勝のキングムファサは最下位9着。

9頭立て8番人気の2着ヘレンスピリットと、4着グロリアスデイズは安田記念出走のため、5月21日に来日しています。
【安田記念】香港の2頭が競馬学校に到着 | 競馬実況web | ラジオNIKKEI


ダンエクセルは父シャマルダル、母ラブエクセリング、母の父ポリッシュプレジデントという血統のアイルランド産馬。母の半姉にG1英オークス勝ち馬ラヴディヴァイン。

ダンボインエクスプレスの名前で走っていたアイルランド時代は愛G3を2勝。他にG1愛2000ギニー6馬身差5着、G1愛ダービー5馬身差5着、G1愛チャンピオンS.10馬身差4着など。

香港に移籍してからはぱっとしませんでしたが、昨年末にG1香港カップ4着したあとは前走まで重賞4連戦して2着3回と安定していました。今回含めここ数戦は移籍直後に比べて馬体が10kgほど少ない状態を維持できており、これぐらいが適正なのかもしれません。

チャンピオンズマイルの次走は星G1シンガポール航空国際カップ(芝2000m)に出走し、同じ香港のミリタリーアタックに3馬身差をつけられたものの2着に入っています。この後の予定は不明。


2013年チャンピオンズマイルのレース映像。1番枠、黒の帽子がダンエクセル。逃げる赤の勝負服がヘレンスピリット。2番枠、濃い緑の勝負服がグロリアスデイズ。


チャンピオンズマイル(The Champions Mile)
2013年5月5日、香港・シャティン競馬場、芝1600m
3歳以上、G1、9頭、Good、レース結果、総賞金1200万香港ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ダンエクセル
Dan Excel
5セン
5.6倍
W.マーウィング1分33秒4226戦【4-7-2-13】
G1チャンピオンズマイル1着
2ヘレンスピリット
Helene Spirit
6セン
75倍
M.チャドウィック短アタマ30戦【5-6-7-12】
香港G3を1勝
3パッキングウィズ
Packing Whiz
5セン
3.7倍
B.プレブル1・1/221戦【9-1-4-7】
香港重賞2勝

星G1シンガポール航空国際カップ、ミリタリーアタックが国際G1連勝

5月19日に行われた星G1シンガポール航空国際カップ(芝2000m、3歳以上)は、6番手追走のミリタリーアタックが最後の直線入り口でぽっかりと開いた内から残り300mで早くも抜け出すと、同じ香港調教馬で前走G1チャンピオンズマイル勝ち馬のダンエクセルに3・1/4馬身差をつけて快勝し、前走のG1香港クイーンエリザベス2世カップに続いて国際G1連勝、ローカル含め重賞5勝を挙げました。

勝ちタイム1分59秒58と、一つ前のG1クリスフライヤー国際スプリントの1分08秒71はどちらも歴代2位の好タイム。ちなみに両レースともレコードが2009年に、歴代3位が2008年に記録されています。

母の父サンデーサイレンスで高岡秀行調教師のベターライフが7着。天皇賞春3着のレッドカドーが8着。前走で仏G1ガネー賞(芝2100m)を勝っていたパストリアスが12着。仏独でG1を3勝のミアンドルが9着。ドバイG1アルマクトゥームチャレンジR3勝ち馬ハンターズライトが6着など。


ミリタリーアタックは父オラトリオ、母アルマーシ(英2戦未勝利)、母の父ダンシングブレーヴという血統のアイルランド産馬。レッドカドーは甥です。また2代母は愛1000ギニー勝ち馬。母の半弟に英2000ギニー、英チャンピオンS.勝ち馬ハーフドがいる良血。

3走前のローカルG1香港ゴールドカップ(芝2000m)を勝ち、前々走のローカルG3プレミアプレート(芝1800m)もトップハンデで勝利し、前走の香港QEIIカップはエイシンフラッシュや前年の覇者カリフォルニアメモリーらを下して国際G1初勝利していました。

海外遠征に積極的で昨年も2着していたジョン・ムーア調教師はこれが海外G1初勝利で「ザック・パートン騎手がこれまでで最高の騎乗をしてくれた」と述べています。

「オーストラリア出身の私にとって次の目標は豪G1を勝つことで、ミリタリーアタックなら豪G1コックスプレートからG1香港カップの路線もこなせるかもしれない」とも述べていますが、どうするでしょうね。ここで負かした相手を考えるとコックスプレートも高速馬場になればチャンスはありそうですが。

2013年シンガポール航空国際カップのレース映像。4番枠、緑の勝負服がミリタリーアタック。


シンガポール航空国際カップ(Singapore Airlines International Cup)
2013年5月19日、シンガポール・クランジ競馬場、芝2000m
3歳以上、G1、13頭、Good、レース結果、総賞金300万シンガポールドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ミリタリーアタック
Military Attack
5セン
3.4倍
Z.パートン1分59秒5822戦【10-3-1-8】
重賞5勝目
2ダンエクセル
Dan Excel
5セン
19.6倍
W.マーウィング3・1/427戦【5-7-2-13】
G1チャンピオンズマイル1着
3マウィンゴ
Mawingo
5牡
27倍
H.ボウマンアタマ19戦【4-2-5-8】
豪G1ドゥームベンカップ1着

2013年5月20日月曜日

星G1クリスフライヤー国際スプリント、ラッキーナインが完勝。ダッシャーゴーゴーは最下位

5月19日に行われた星G1クリスフライヤー国際スプリント(芝1200m、3歳以上)は、内ラチ沿い3番手を先行したラッキーナインが直線に入ってすぐ前の2頭の外に持ち出されると、2着に3馬身差をつけて完勝し、G1競走2勝目(香港ローカル含めると5勝目)を挙げました。

2走前に豪G1ザ・ギャラクシー(芝1100m)を勝っているベルスプリンターが後方から追い込んで2着。ラッキーナインの1馬身後ろを追走し、残り200mではラッキーナインに並びかける勢いもあった1番人気で地元馬のスーパーイージーはゴール直前でベルスプリンターに頭差交わされ3着。

日本から遠征したダッシャーゴーゴーは完走10頭の中では最下位10着。G1ドバイゴールデンシャヒーン(AW1200m)1/4馬身差2着だったバルモントマストが4着など。


ラッキーナインは父ドバウィ、母ビールジャント、母の父グリーンデザートという血統のアイルランド産馬。5月12日にJRAの葵S.(3歳オープン)を勝ったティーハーフの半兄です。

日本で4戦して、すでにおなじみの存在。昨年の国際G1香港スプリント(芝1200m)はロードカナロアから3馬身差の5着。ちなみに今回3着のスーパーイージーが同10着。

今年に入って3走前のローカルG1チェアマンズスプリント(芝1200m)を勝っていましたが、前走のローカルG2は、1頭だけ重い斤量かつ大外11番枠もあり2馬身差の7着に敗れていました。

2010年のグリーンバーディー以来となるこの競走2勝目となったファウン調教師は「日本遠征では運も向かなかったが、今回は全てが上手く行ってとてもうれしい」「この後は休養させるつもりで、来シーズンを楽しみに待ちます」と述べています。ということで6月の英G1に登録がありますが出走しないようですね。

2013年クリスフライヤー国際スプリントのレース映像。内から4頭めの発走、赤の帽子、白と赤の勝負服がラッキーナイン。



クリスフライヤー国際スプリント(KrisFlyer International Sprint)
2013年5月19日、シンガポール・クランジ競馬場、芝1200m
3歳以上、G1、11頭、レース結果、総賞金100万シンガポールドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ラッキーナイン
Lucky Nine
6セン
5.4倍
B.プレブル1分08秒7133戦【11-7-5-10】
ローカル含めG1競走5勝目
2ベルスプリンター
Bel Sprinter
6セン
3.8倍
H.ボウマン316戦【7-2-1-6】
2走前の豪G1で重賞2勝目
3スーパーイージー
Super Easy
5牡
3.2倍
J.モレイラアタマ18戦【13-1-2-2】
前走含め星ローカルG1を2勝

伊G2イタリアダービー、ビズザナースが4馬身差で勝ち重賞初勝利

5月19日に行われた伊G2イタリアダービー(芝2200m、3歳牡牝)は、中団追走の2番人気ビズザナースが残り400mで外から先頭に立つと、2着ウィッシュカムトゥルーに4馬身差をつけて快勝しました。

伊G3パリオーリ賞(伊2000ギニー、芝1600m)の勝ち馬ベストタンゴが1番人気7着。同2着のフェアリーネイエフが9着。同3着のロドヴィコイルモーモが2000ギニー出走組では最先着の4着に入っています。


ビズザナースは父オラトリオ、母ビズバー、母の父トゥブーグという血統のアイルランド産馬。父の父デインヒルの2頭がワンツーで、また4着までアイルランド産馬が独占し、イタリア産馬は5着が最高でした。またこの日のカパネッラ競馬場では他に重賞が2つ行われましたが、その2つも父父デインヒルが勝っています。

デビュー戦を勝ち、2戦目の伊G3グイドベラルデリ賞(芝1800m)はウィッシュカムトゥルー(3着)、ベストタンゴ(4着)に先着される5着で2歳を終えると、前走3歳初戦の準重賞(芝2100m)では、ダービー3着エインシェントキングに2馬身差をつけて勝っていました。

不良馬場だったグイドベラルデリ賞を除くと3戦全勝で良馬場のほうが良さそうですね。

S.ボッティ厩舎は先週の伊G1共和国大統領賞に続いて3着まで独占し素晴らしい成績です。

2013年イタリアダービーのレース映像。後方につける白の帽子・勝負服で、シャドウロール装着馬がビズザナース。


デルビーイタリアーノ(Derby Italiano Better)
2013年5月19日、イタリア・カパネッレ競馬場、芝2200m
3歳牡牝(牡58kg)、G2、12頭、Good、レース結果、総賞金77万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ビズザナース
Biz The Nurse
3牡
4.27倍
A.アッゼニ2分17秒044戦【3-0-0-1】
重賞初勝利
2ウィッシュカムトゥルー
Wish Come True
3牡
5.86倍
M.エスポジート48戦【3-1-2-2】
G3で3着1回
3エインシェントキング
Ancient King
3牡
5.86倍
C.フィオッチ210戦【4-4-2-0】
準重賞【0-2-1-0】

2013年5月19日日曜日

ローカルG1韓国ダービー、藤井勘一郎騎手騎乗の牝馬スピーディファーストが優勝

5月19日に行われたローカルG1韓国ダービー(ダート1800m、韓国産馬限定3歳)は藤井勘一郎騎手が騎乗した2番人気のスピーディーファーストが5,6番手追走から最後の直線で内から抜け出し重賞初勝利を挙げました。

2馬身差2着にイングランディーレ産駒で母もJRA2勝のシルバーミーティアという血統の ウンヘ。ちなみに昨年はイングランディーレ産駒のチグミスンガンが勝っていました。

3冠初戦のKRAカップマイル勝ち馬スティングレイが1.1秒差の6着。安部幸夫騎手のラストムデ(母ホワイトアロアはJRA3戦未勝利)は16頭立て最低人気で7着。


スピーディファーストは父メニフィー、母スピーディーディーディ(米ステークス1勝)、母の父ヴィクトリーギャロップという血統。メニフィー産駒はダービーの16頭中6頭を占めていました。

2頭出走した牝馬のうちの1頭で、牝馬としては2009年以来のダービー勝利。ちなみにその2009年の勝ち馬 Sangseung Ilro も同じKim Young Kwan調教師の管理馬で同氏は今回でダービー2勝目。

昨年12月のデビュー戦で3着に敗れて以降は4連勝。1500mまでの経験しかなく初の1800mがどうかでしたが問題なかったですね。外枠でしたが、距離ロスを最小に抑えた騎乗でした。オークスは8月に、3冠最終戦のミニスターズカップは10月にあります。

藤井騎手は昨年、韓国の最強馬決定戦であるローカルG1グランプリ(ダート2300m、2歳以上)も牝馬のガンドゲバダで勝っており、そのグランプリ、今回のダービーとも藤井騎手が外国人騎手としては初勝利という素晴らしい成績を挙げています。

騎手免許は9月まで更新されているとのことですが藤井騎手が今回騎乗したのは主戦騎手が1番人気のスティングレイの主戦でもあったからで、オークスでは元の騎手に戻るかもしれません。


(英語記事、写真数枚あり)Joe Fujii Wins The Korean Derby On Filly Speedy First | Horse Racing in Korea

2013年韓国ダービーのレース映像。予備(公式)。13番枠、赤の帽子がスピーディファーストです。


韓国ダービー(Korean Derby)
2013年5月19日、韓国・釜山競馬場、ダート1800m
3歳、ローカルG1、16頭、不良、レース結果(9Rを選択)、1着賞金3億30000万ウォン

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1スピーディーファースト
Speedy First
3牝
5.1倍
藤井勘一郎
55kg
1分58秒56戦【5-0-1-0】
重賞初勝利
2ウンヘ
Unhae
3牡
47.8倍
H.LEE SANG
57kg
28戦【3-2-2-1】
1800mで2連勝
3メジャーキング
Major King
3牡
21.0倍
M.YOU HYUN
57kg
1・3/47戦【4-1-2-0】
前走1800mで3着

ダッシャーゴーゴー出走、クリスフライヤー国際スプリントのネット中継(グリーンチャンネルは無い)

5月19日に行われる国際G1クリスフライヤー国際スプリント(芝1200m)に日本からダッシャーゴーゴーが出走予定です。

またその約1時間後の国際G1シンガポール航空国際カップ(芝2000m)は、日本からの出走はありませんが、地元シンガポール組の代表が母の父サンデーサイレンス、高岡秀行厩舎、馬主は日本人のSuzuka Racing Stable のベターライフでこれも注目。

(20時50分ごろ)クリスフライヤー国際スプリント 2013 出走馬展望
◎ベルスプリンター○ラッキーナイン▲ダックススカラー△ミスタービッグ

(21時40分ごろ)シンガポール航空国際カップ 2013 出走馬展望
◎パストリアス○レッドカドー▲ハンターズライト△メアンドル


ライヴ中継は次のリンクで見れると思います。2つ目はマカオジョッキークラブの公式配信ですが、大量にアクセスすると大きくカクツいてみんな見れないという事態になりかねないので、配信されていれば一つ目のニコ生のほうをどうぞ。

http://com.nicovideo.jp/community/co57827
http://www.mjc.mo/race_en/info/live.php
http://www.tjk.org/TR/YarisSever/Static/Page/Canli(トルコ。配信するか不明)
http://www.amwestentertainment.com/singapore/live-video/(一応リンク。昨年配信も今年は無さそう)

英G1ロッキンジS.、ファーが4馬身差完勝しG1初勝利

5月18日に行われた英G1ロッキンジS.(芝1マイル、4歳以上)は先行から中団前目に位置したファーが残り2ハロンで先頭に立つと、後方から追い込んだ11番人気ソヴリンデットに4馬身差をつけて完勝し、G1初勝利を挙げました。S.デソウサ騎手は英G1初勝利。

1番人気のデクラレーションオブウォーはファーのすぐ後ろを追走していましたが11馬身差の5着。昨年のG1ドバイデューティーフリー勝ち馬シティースケープは最下位12着。

昨年のG1仏1000ギニー(芝1600m)勝ち馬でG1仏オークス(芝2100m)2着のディープインパクト産駒ビューティーパーラーは馬場が固すぎるとして回避。出走していれば転厩初戦昨年9月の英G1サンチャリオットS.(芝1マイル、3歳以上牝馬)約9馬身差7着以来となる今年初出走だったのですが。


ファーは父ピヴォタル、母ゴンバルダ(独G1を2勝)、母の父ランドという血統

昨年は英G1エクリプスS.(芝10ハロン)、英G1サセックスS.(芝1マイル)、英G1インターナショナルS.(10ハロン88ヤード)、仏G1ムーランドロンシャン賞(芝1600m)で4戦連続2着。

間の2戦の勝ち馬はフランケルでそれぞれ6馬身差、7馬身差でしたが、エクリプスS.はナサニエルから1/2馬身差、ムーランドロンシャン賞はムーンライトクラウドから頭差だから、そのムーランドロンシャン賞以来となる今年初戦とはいえデクラレーションオブウォーに1番人気を譲ったのがそもそもおかしな評価で、順当な勝利だったと思います。

次走はロイヤルアスコット開催の英G1クイーンアンS.(芝1マイル)か英G1プリンスオブウェールズS.(芝10ハロン)かであるが、どちらに出るかは1週前まで決めないだろうと。昨年のプリンスウェールズS.では勝ったソーユーシンクから2・3/4馬身差、2着のカールトンハウスから1/2馬身差しました。


ちなみに単勝80倍で2着のソヴリンデットは前走準重賞2着、過去にG3で2着1回がある程度で、昨年の英G1クイーンエリザベス2世S.(芝1マイル)で8頭立て5着以来となる2度目のG1出走でした。当時はエクセレブレーションから7馬身離されるも、イルーシヴケイトやカールトンハウスらG1でも好走するメンバーと1馬身差以内でしたから、G1の流れのほうが向いているのかもしれません。

2013年ロッキンジS.のレース映像。ゴドルフィンの勝負服がファー。


ロッキンジステークス(JLT Lockinge Stakes)
2013年5月18日、イギリス・ニューベリー競馬場、芝1マイル
4歳以上、G1、12頭、Good to Firm、レース結果、1着賞金11万ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ファー
Farhh
5牡
4.3倍
S.ソウザ1分35秒439戦【4-4-0-1】
G1【1-4-1-0】
2ソヴリンデット
Sovereign Debt
4牡
81倍
A.カービー415戦【4-4-0-7】
G3で2着1回
3アルジャマヒア
Aljamaaheer
4牡
17倍
P.ハナガンクビ8戦【2-1-4-1】
これ以前の重賞3戦とも3着

米G1プリークネスS.、オックスボウがG1初勝利

5月18日に行われた米3歳3冠第2戦目の米G1プリークネスS.(ダート9ハロン、3歳)は、9頭立て8番人気のオックスボウが逃げ切って重賞2勝目、G1初勝利を挙げました。勝ち時計の1分57秒54 は、1961年の1分57秒3/5以来52年ぶりに57秒台に入る遅い時計です。

今年7年ぶりに現役復帰した50歳のゲイリー・スティーヴンス騎手はプリークネスS.3勝目。「われわれは自信があった。7年の引退を経てクラシックを勝つより素晴らしいことはないだろうね」と述べています。ルーカス調教師はこのレース6勝目で、3冠14勝目は史上最多。ちなみにスティーヴンス騎手の3冠初勝利はルーカス調教師のウィニングカラーズに騎乗した1988年のケンタッキーダービーでした。


先行した2番人気のイッツマイラッキーデイが2着。マイルートが差して3着。

ケンタッキーダービー馬で1番人気のオーブは後方につけ向こう正面でいったん前との差を詰めましたが3コーナー辺りで離され、さらに6・3/4馬身差の4着。最後の直線も2頭ほど交わしたように完全にばてていたわけではなかったですが勝負どころでついていけず万事休す。


オックスボウは父オーサムアゲイン、母ティズアメイジング(未出走。ティズナウの全妹)、母の父シーズティジーという血統。昨年7月の米G1ハスケル招待S.(ダート9ハロン、3歳)を先行して勝ったペインターも父オーサムアゲイン、母がティズナウの全姉ティズソーという血統です。

デビューから6戦目、重賞2戦目だった米G3ルコンテS.(ダート1マイル70ヤード)は後にケンタッキーダービー2着するゴールデンソウルに11馬身差をつけて圧勝し重賞初勝利。

その次走の米G2リズンスターS.は1頭だけ重い斤量で1馬身差の4着。米G2レベルS.は頭差の2着。米G1アーカンサスダービーはいつもと違った後方からの競馬で5馬身差の5着。前走のケンタッキーダービーは2番手先行して6着に粘りこむ健闘。

今回2着のイッツマイラッキーデイもケンタッキーダービーは中団前目につけて15着と敗れており、一方オーブとマイルートはダービーほぼ最後方追走から1着5着していたから、先行馬がほぼ総崩れの流れだったケンタッキーダービーで前に行った組の巻き返しという、オーブが負けるとすればこうなると大方が予想したとおりの結果になりました。

(ちなみに3月の米G1フロリダダービー(ダート9ハロン)は先に先頭に立ったイッツマイラッキーデイをオーブが差し切って優勝)

ルーカス調教師によると「オーナーがとても前向き」だそうでベルモントS.出走はありそう。またオーブはマゴーヒー調教師が「レース後の状態が良く、オーナーが望むなら」とのこと。

2013年プリークネスS.のレース映像(YouTube)。1番枠がオーブ、6番枠がオックスボウ。


なお、この1レース前に行われた米G3ディキシーS.(芝9ハロン、3歳以上)もゲイリー・スティーヴンス騎手騎乗の11頭立て8番人気スカイリングが逃げ切って重賞初勝利を挙げています。ルーカス調教師、馬主カルメットファームというのもオックスボウと同じ。

ハットトリック産駒のハウグレートはスカイリングから1・1/2馬身差の4着。2着オプティマイザー3着ウィルコックスインはどちらも重賞2勝以上で、過去1年以内に芝G1で2着がある2頭だから、なかなか頑張りました。

2013年ディキシーS.のレース映像(YouTube)。右から6頭めの発走(7番のゲート)がハウグレート。

プリークネスステークス(Preakness Stakes)
2013年5月18日、アメリカ・ピムリコ競馬場、ダート9.5ハロン
3歳、G1、9頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金100万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1オックスボウ
Oxbow
3牡
16.4倍
G.スティーヴンズ1分57秒5411戦【3-1-1-6】
重賞2勝目
2イッツマイラッキーデイ
Itsmyluckyday
3牡
9.5倍
J.ヴェラスケス1・3/412戦【5-3-1-3】
重賞1勝
3マイルート
Mylute
3牡
11.9倍
R.ナプラヴニク1/211戦【2-3-3-3】
G2で2着1回
4オーブ
Orb
3牡
1.7倍
J.ロザリオ6・3/48戦【5-0-1-2】
重賞3勝

2013年プリークネスS.のネット中継

オーブの2冠がかかる米3歳3冠2戦目、米G1 プリークネスS.(ダート9.5ハロン、3歳)は日本時間19日の午前7時20分ごろの発走です。

プリークネスS 2013 出走馬展望 【おうまのアイコン wire-to-wire】
http://www.drf.com/events/live-video-preakness-2013


ほかに米G3ディキシーS.(芝9ハロン、3歳以上、午前6時25分ごろ)にハットトリック産駒のハウグレートが出走予定。前走は一般戦を勝っています。今回は相手が強くてさすがに連勝は難しそうですが、プリークネスS.の一つ前のレースなので早起きできればあわせてどうぞ。

2013年5月14日火曜日

伊G1共和国大統領賞、ヴェデラーゴがG1初勝利。JRA5勝ピロマティア産駒が3着

5月12日に行われた伊G1イタリア共和国大統領賞(芝2000m、4歳以上)は、1番人気のヴェデラーゴが先に抜け出したオルペロをゴール直前で1/2馬身差し切って重賞3勝目、G1初勝利を挙げました。外から追い込んだパタヤがオルペロに頭差の3着で、3頭出しS.ボッティ調教師が上位3着まで独占しました。


ヴェデラーゴは父レッドクラブズ、母クイーンシャイ(伊準重賞2着)、母の父マルジューという血統のアイルランド産馬。

伊G3勝ちを含むデビューから4連勝で出走した2011年の伊G1グランクリテリウム(芝1600m、2歳)は3/4馬身差の3着。年明け2連勝で挑んだ2012年の伊G3パリオリ賞(伊2000ギニー、芝1600m、3歳)は短頭差の2着と肝心なところで惜しくも勝利を逃す成績でした。

とはいえパリオリ賞の次走、昨年5月の伊G2カルロヴィッタディーニ賞(芝1600m、3歳以上)は唯一の3歳馬として出走し、それまで独重賞9勝していたアリアンサスを負かして優勝したように実力は確かで、今回は特に父の産駒傾向から距離延長で初の2000mだけが課題でしたが問題なくこなしてビッグタイトルを手にしました。

現4歳が初年度産駒のレッドクラブズは先週の英1000ギニーを3歳牝馬スカイランタンが勝ったばかりで、これで2週連続G1勝利。2世代しか産駒を残せなかったのが残念です。



また、3着のパタヤは父がJRAで5勝したピロマティアであるという血統のイタリア産馬。ピロマティアは引退後イタリアで種牡馬入りし、現在はスウェーデンに移動しています。

パタヤは前々走4月の準重賞チルコ・マッシモ賞(芝2100m)を昨年に続き2連覇しているピロマティア産駒の出世頭で、国際グレード/グループレース3着以内は同産駒としてはおそらくこれが初めて。パタヤ自身もここまで重賞2戦して、昨年の伊G3カルロダレッシオ賞(芝2400m)3馬身差4着。前走の伊G3アンブロシアーノ賞(芝2000m)は4馬身差勝利のオルペロから18馬身離された最下位6着していただけでした。

そのアンブロシアーノ賞は不良馬場で今回は良馬場であり、過去の成績からも良馬場のほうが良さそうだから、2分01秒台の決着も向いたんじゃないでしょうか。

ちなみにピロマティアはエイシンダンカークとともにスウェーデンの”Ravdansens Stuteri ”で供用されています

2013年イタリア共和国大統領賞のレース映像。ゲート向かって左から2頭目、黒の帽子がヴェデラーゴ。外枠から出遅れる赤の帽子がパタヤ。


イタリア共和国大統領賞(Premio Presidente Della Repubblica GBI Racing)
2013年5月12日、イタリア・カパネッレ競馬場、芝1600m
4歳以上、全馬58kg、G1、9頭、レース結果、総賞金20万9000ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ヴェデラーゴ
Vedelago
4牡
2.75倍
M.エスポージト2分01秒5012戦【9-1-1-1】
重賞3勝目
2オルペロ
Orpello
4牡
4.2倍
F.ブランカ1/221戦【4-5-4-8】
前走2000mの伊G3勝ち
3パタヤ
Pattaya
5牡
9.6倍
G.ビエトリーニアタマ26戦【10-4-3-9】
準重賞2勝

G1英1000ギニー、スカイランタンがG1競走2勝目

今年で200回目を迎えたG1英1000ギニー(芝1マイル、3歳牝馬)が5月5日に行われ、中団追走の4番人気スカイランタンが3番人気ジャストザジャッジをゴール直前で差し切って、G1競走2勝目を挙げました。

前走4月の英G3ネルグウィンS.(芝7ハロン、3歳牝馬)でスカイランタンを2・1/4馬身差2着に負かして優勝していたホットスナップが1番人気9着。前走仏G3アンプリュダンス賞(芝1400m、3歳牝馬)勝ち馬で、昨年は仏G1ジャンリュックラガルデール賞(芝1400m)は牡馬相手に2着していたワットアネームが2番人気7着。


スカイランタンは父レッドクラブズ、母シャワニ(1勝)、母の父シャリーフダンサーという血統。1歳時に7万5000ユーロで落札されていました。シャワニの子はスカイランタンを含め10頭が勝ちあがり、うち4頭がステークス勝ち、さらにそのうち3頭が重賞勝ちと素晴らしい繁殖成績です。

昨年9月の愛G1モイグレアスタッドS.(芝7ハロン、2歳牝馬)は2・1/2馬身差で勝って重賞初勝利。その次走の米G1 BCジュベナイルフィリーズ(芝1マイル、2歳牝馬)は後に仏1000ギニーを勝つフロティラの8着に敗れていました。

ここニューマーケット競馬場では、前述した前走4月の今年初戦と、さらに昨年6月の英2歳牝馬G3でどちらも2着で勝ったことが無かったというのも人気をやや落としていた理由でしょう。

スカイランタンとジャストザジャッジは英オークスではなく5月26日のG1愛1000ギニーへ。3着のモス(父ガリレオ。3代母がデインドリームと共通)が英オークス1番人気です。

2013年英1000ギニーのレース映像。7番枠発走の芦毛がスカイランタン。


英1000ギニー(Qipco 1000 Guineas Stakes)
2013年5月5日、イギリス・ニューマーケット競馬場、芝1マイル
3歳牝馬、G1、15頭、レース結果、総賞金24万ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1スカイランタン
Sky Lantern
3牝
10倍
R.ヒューズ1分36秒388戦【4-3-0-1】
重賞2勝目
2ジャストザジャッジ
Just The Judge
3牝
8倍
J.スペンサー1/24戦【3-1-0-0】
前走10月の英G2勝ち
3モス
Moth
3牝
10倍
J.オブライエン1・1/24戦【1-0-3-1】
前走初勝利。重賞初出走

2013年5月13日月曜日

G1仏1000ギニー、フロティラが米仏G1連勝

5月12日に行われた仏G1プール・デッセ・デ・プーリッシュ(仏1000ギニー、3歳牝馬、芝1600m)は、中団追走した1番人気エソテリケが残り200mで抜け出しましたが、その直後を追走していた5番人気フロティラがゴール直前でクビ差差し切って優勝し、G1競走2勝目を挙げました。

昨年の仏G1マルセルブサック賞(芝1600m、2歳牝馬)でフロティラに1・1/4馬身差先着する2着3着していたトパズブランシュとアルテリテはそれぞれ4番人気13着、2番人気10と大敗しています。そのマルセルブサック賞勝ち馬シラソルを4月の仏G3ヴァントー賞(芝1850m)で2着に負かしていたのが4月9日にデビュー戦を勝って2戦目だったエソテリケです。


フロティラは父ミゼンマスト、母ルーヴァン(米G3勝ち)、母の父シンダーという血統のフランス産馬。

仏G3オマール賞(芝1600m)で2・3/4馬身差5着、仏G1マルセルブサック賞(芝1600m)1・3/4馬身差4着と連敗して遠征した米G1 BCジュヴェナイルフィリーズターフ(芝1マイル、2歳牝馬)は6番人気でしたが、2着に1・1/4馬身差をつけて快勝し重賞初勝利を挙げていました。この仏1000ギニーはそれ以来となる半年振りの出走でした。

オマール賞とマルセルブサック賞は重馬場、BC と今回は良馬場で血統的にも時計の速い馬場のほうが合っているのでしょう。

フロティラは仏オークスへ、エソテリケはマイル路線にとどまるようですがよく分かりません。

2013年仏1000ギニーのレース映像。左から5頭目の発走、青の帽子、青地に白の星の勝負服がフロティラ。


参考:2012年BCジュベナイルフィリーズターフのレース映像。


プール・デッセ・デ・プーリッシュ(Poule d'Essai des Pouliches)
2013年5月12日、フランス・ロンシャン競馬場、芝1600m
3歳牝馬、G1、20頭、Good、レース結果、総賞金45万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1フロティラ
Flotilla
3牝
14倍
C.ルメール1分34秒776戦【3-0-0-3】
重賞2勝はどちらもG1
2エソテリケ
Esoterique
3牝
3倍
M.ギュイヨンクビ3戦【2-1-0-0】
前走G3勝ち
3タサデイ
Tasaday
3牝
8.8倍
M.バルザローナ45戦【3-1-1-0】
2歳重賞1勝

G1仏2000ギニー、スタイルヴェンドームが5連勝でG1初勝利

5月12日に行われた仏G1プール・デッセ・デ・プーラン(仏2000ギニー、3歳牡馬、芝1600m)は、内の5,6番手を進んだスタイルヴェンドームが残り400m辺りでいったん置かれましたが残り200mから盛り返して先頭にたつと、内から差したダスタホンをクビ差押さえてG1初勝利を挙げました。

(フランス語読みだと「スティルヴァンドーム」のほうが近いかも)

BCマイル3連覇などG1競走15勝したゴルディコヴァの全弟でペリエ騎手騎乗のアノディンが7着。ちなみに前走の条件戦でそのアノディンの1・1/4馬身差2着だったのがダスタホンです。

1番人気のオリンピックグローリーは1着から5馬身差の11着。同馬は昨年6月の英G2コヴェントリーS.で、のちに英2000ギニーを5馬身差圧勝するドーンアプローチから3/4馬身差2着に負けた以外は負け無しの重賞4勝、仏G1ジャンリュックラガルデール賞(芝1400m、2歳牡牝)も勝っていたのですが、ここは外枠発走からずっと外を回らされてしまいました。

仏G1クリテリウム・ド・サンクルー(芝2000m、2歳)を7馬身差圧勝したモランディは2番人気6着。


スタイルヴェンドームは父アナバー、母プレイスヴェンドーム、母の父ドクターフォングという血統のフランス産馬。アナバー産駒としては2001年に当時まだ2400mの仏ダービーを勝ったアナバーブルー以来となる2頭目のフランスクラシック勝ち馬となりました。またアナバーは2009年に死亡しているため、現3歳が最後の世代です。

デビュー戦2着後は4連勝。そのうち、今年2戦目で前走の仏G3ジェベル賞(芝1400m、3歳牡セン)は2・1/2馬身差で完勝していました。ちなみにデビュー戦の勝ち馬は今回14着でした。

この後は6月2日の仏G1ジョッケクルブ賞(仏ダービー、芝2100m)か6月18日の英G1セントジェームズパレスS.(芝1マイル)へ。

2013年仏2000ギニーのレース映像。予備(有料の仏公式動画)。


Poule d'Essai des Poulains(Poule d'Essai des Poulains)
2013年5月12日、フランス・ロンシャン競馬場、芝1600m
3歳牡馬58kg、G1、18頭、レース結果、総賞金55万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1スタイルヴェンドーム
Style Vendome
3牡
6.8倍
T.テュリエ1分34秒686戦【5-1-0-0】
重賞2連勝
2ダスタホン
Dastarhon
3牡
40倍
U.リスポリクビ4戦【1-3-0-0】
重賞初出走
3インテロ
Intello
3牡
9倍
M.ギュイヨンアタマ4戦【3-0-1-0】
前走準重賞勝ち。重賞初出走

2013年5月10日金曜日

ハットトリック産駒サパタ、ラシックス検出で亜G1勝ちが取り消し

ハットトリック産駒のサパタ Zapata について、4月6日の亜G1ラウル&ラウル・E.・チェヴァリエ大賞(芝1400m、2歳牡馬)1着後の尿検体からラシックスが検出されたため、最下位7着に降着処分となりました。2位入線のフォルツァキーが繰り上がり優勝。

サパタを管理する Nicolas A. Gaitan 調教師は「デビュー戦でラシックスを使ったが、G1でも誤ってそのまま使ってしまった」と弁解しており、この記事によるとアルゼンチンは重賞でのみラシックスの使用を禁止しているとのこと。デビュー戦の結果は1着そのままですし。

経緯としては、レース翌日の4月7日に検出→13日にマスコミがその事実を知り14日に記事にする→翌15日にサンイシドロ競馬場が失格を発表、かと。


「異端血統最前線」さんが4月17日に「最下位に降着」と追記していて、でも調べると5月9日に調教師出席の何かがあるようなので「決定ではないのかな?」とこのブログで記事にするのを見送っていましたが、本日10日に改めて調べるとやはり4月15日時点で失格は確定していたっぽいですね(16日付の公式PDF)。まあ私はスペイン語を英語に機械翻訳して読んでいるので正確さに欠けますが、「異端血統最前線」さんが言っているのだから信用しておけばいいのです。

同調教師は処分期間によっては、5月25日の亜G1グランクリテリウム(芝1600m)から6月29日のエストレージャス大賞ジュベナイル(同) へ向かいたいと述べていましたが、公式な処分結果がよく分からないので不明です。

英2冠馬キャメロット、2013年初戦の愛G3を快勝。2着の母は日本調教馬

5月6日の愛G3ムーアズブリッジS.(芝10ハロン、4歳以上)で今季初戦を迎えた昨年の英2冠馬キャメロットは最後方追走から直線で差し切り、自厩舎のペースメーカーであるトライアンファントに1・3/4馬身差をつけて快勝しました。

2011年の英G1デューハーストS.(芝7ハロン、2歳)の勝ち馬で、それ以来の出走だった今年4月にここと同距離同コースの愛準重賞を勝っていたパリッシュホールが2番人気でしたが、トライアンファントを交わせずさらに頭差の3着でした。


キャメロットは昨年の英2000ギニー英ダービーを制して2冠達成。しかし愛ダービーも勝ってニジンスキー以来の牡馬3冠に挑んだ英セントレジャーは2着。その次走の凱旋門賞は約12馬身差の7着と生涯初の大敗を喫し、さらにその後、疝痛で手術を受けるという踏んだり蹴ったりのシーズン後半を過ごしていました。

ムーアズブリッジS.は昨年、厩舎の先輩セントニコラスアビーがペースメーカーを捕らえられず2着に敗れてしまったレースでしたが、無事にこなして今後2走はどちらも10ハロンの愛G1タターソールズゴールドカップ(5月26日)から英G1プリンスオブウェールズS.(6月19日)へ。その後は7月の同じく10ハロン、英G1エクリプスS.も登録しています。


ちなみに、netkeibaで知ったことですが、2着トライアンファント(血統)の母ミークアピール Meek AppealJRA2勝の日本調教馬。その母がトライマイベスト、エルグランセニョールの半妹という良血だから海外で繁殖入りすることになったのでしょう。くわしくはサラブレッド探偵さんの投稿で

トライアンファントは2011年5月にデビューして今回が5戦目。兄弟も出走回数が少なくこれは遺伝的な体質の弱さがあるかもしれません。2走前、昨年5月の愛準重賞(7ハロン、3歳)は5頭立て3着していました。次走は不明。


2013年ムーアズブリッジS.のレース映像。最後方、紫の勝負服がキャメロット。逃げているのがトライアンファント。下に貼り付けたYouTube動画は最初の十数秒が切れています。ゲートからの動画はこちら(要登録)


ムーアズブリッジステークス
(High Chaparral European Breeders Fund Mooresbridge Stakes )
2013年5月6日、アイルランド・カラ競馬場、芝10ハロン
4歳以上、G3、5頭、Good to Yielding、レース結果

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1キャメロット
Camelot
4牡
1.33倍
A.オブライエン
60.8kg
2分16秒278戦【6-1-0-1】
G1競走4勝
2トライアンファント
Triumphant
4セン
21倍
S.ヘファナン
58.5kg
1・3/45戦【1-1-1-2】
2走前に準重賞3着
3パリッシュホール
Parish Hall
4牡
3.5倍
K.マニング
58.5kg
アタマ7戦【3-2-1-1】
英2歳G1勝ち

仏G1ガネー賞、独パストリアスがG1競走3勝目

4月28日に行われた仏G1ガネー賞(芝2100m、4歳以上)は、3番手追走したパストリアスとやや離れた5番手追走のマキシオスが残り200mで馬体を並べて抜け出すと、ゴール前でパストリアスが1馬身突き放して優勝し、G1競走3勝目を挙げました。ペリエ騎手はこのレース2連覇、5勝目。

最後方から追い込んだ豪G1メルボルンカップ(芝3200m)などG1競走3勝のドゥナデンがさらに1馬身差の3着。

前走G1ドバイデューティフリー3着で、昨年は英G1ファルマスS.(芝1マイル、3歳以上牝馬)を勝ち、牡馬相手の仏G1ガネー賞(芝2100m)、G1香港カップ(芝2000m)どちらも2着していた牝馬ジオフラが1番人気でしたが4着。昨年のG1仏ダービー(芝2100m)馬サオノワが5着など。


パストリアスは父ソルジャーホロウ、母プリンセスリー(独3勝)、母の父モンズンという血統のドイツ産馬。ちなみにこのレースで逃げて8着だった同オーナー・同厩舎のポイントブランクは半兄です(騎手はマリオ・ホーファー調教師の娘ステファニー)。

昨年のG2独2000ギニー約8馬身差7着から挑んだG1独ダービー(芝2400m、3歳)は大本命のノベリストをゴール直前で1/2馬身交わして重賞2勝目、G1初勝利。その次走、古馬初対戦の独G1ダルマイヤー大賞(芝2000m)は前年の勝ち馬に8馬身差をつけてG1連勝。

その後も独G1バーデン大賞(芝2400m)でデインドリームから1馬身差の3着。英G1チャンピオンS.(芝10ハロン)はフランケル、シリュスデゼーグル、ナサニエルに次ぐ4着していました。

今回はG1でしたがチャンピオンS.に比べるとメンバーもかなり弱く、勝っても驚きはないですね。次走は5月19日の星G1シンガポール航空国際S.(芝2000m)へ。5月10日に移動する予定だそうだから、この記事執筆時点でもう飛んでいるかもしれません。

2013年ガネー賞のレース映像。内から3頭目の発走がパストリアス。


ガネー賞(Prix Ganay)
2013年4月28日、フランス・ロンシャン競馬場、芝2100m
4歳以上、牡58kg、牝56.5kg、G1、9頭、レース結果、総賞金30万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1パストリアス
Pastorius
4牡
8.3倍
O.ペリエ2分08秒3912戦【6-2-2-2】
重賞5勝目(独G1競走2勝)
2マキシオス
Maxios
5牡
5倍
S.パスキエ114戦【6-2-0-6】
4月初旬に仏G2勝ち。重賞3勝
凱旋門賞馬バゴの半弟
3ドゥナデン
Dunaden
7牡
12倍
J.スペンサー138戦【10-9-7-12】
豪G1を2勝、香港G1を1勝

米G1ケンタッキーダービー、オーブがG1連勝。フィップス家ダービー初勝利

5月4日に行われた米G1ケンタッキーダービー(ダート10ハロン、3歳)は、水の浮く不良馬場で行われ、向こう正面で後方3番手だった1番人気オーブが最終コーナーで進出すると残り1ハロンで先頭に立って優勝し、前走の米G1フロリダダービー(ダート9ハロン)に続くG1連勝でダービーを制しました。J.ロザリオ騎手、C.マゴーヒー調教師もダービー初勝利。

道中オーブとほぼ同位置にいた16番人気ゴールデンソウルが2・1/2馬身差の2着。米G2ルイジアナダービー(ダート9ハロン)勝ち馬で後方2番手追走した2番人気レヴォリューショナリーはボレル騎手が得意のイン突きでさらに1馬身差の3着に入り、後方追走組が上位3着まで独占。

米G2ルイジアナダービーでレヴォリューショナリーの2着だったマイリュートが5着で、同4着が今回2着のゴールデンソウルですから、まあ展開の影響も大きいですが実はG2のルイジアナダービーが一番レベルの高い前哨戦だったと言えるかもしれません。


他の主要前哨戦組は米G1ウッドメモリアル(ダート9ハロン)勝ち馬ヴェラザノは4番人気14着で、レース中に裂傷を負っていたことが明らかになっています。同2着のノルマンディインヴェイジョンが中団より前に居た組では最先着の4着。

米G1サンタアニタダービー(ダート9ハロン)勝ち馬ゴールデンセンツは先行して3番人気17着。米G1アーカンサスダービー(ダート9ハロン)勝ち馬オーバーアナライズは後方から伸びず7番人気11着。米G1ブルーグラスS.(AW9ハロン)ジャヴァズウォーは最後方から4番人気13着。



オーブは父マリブムーン、母レディリバティ(米G3で4着2回)、母の父アンブライドルドという血統

生産者兼馬主はスチュアート・ジャニー3世およびフィップスステーブル(Stuart S. Janney, III LLC. & Phipps Stable)。前者の両親は悲劇の名牝ラフィアンのオーナーブリーダーであり、後者の父はバックパサー、パーソナルエンスン、イージーゴアなどを所有した大馬主オグデンフィップス。

さらに、フィップスステーブル代表オグデン・ミルズ・”ディニー”・フィップスの父は上述オグデン・フィップス、その母(祖母)がグラディス・フィップス。またスチュアート・ジャニー3世の母の母がグラディス・フィップスで、つまりいとこ同士の共同馬主です。

この一家がケンタッキーダービーを逃してきた歴史は「三重奏: まったり血統派の茶飲み話」をどうぞ。

6代母のボールドアイリッシュ(1948年生)は故アーサー・B・ハンコック氏の生産馬で、スチュアート・ジャニー氏の両親が故グラディス・フィップスから譲り受けた数頭のうちの1頭。その孫がラフィアンで、オーブの4代母はラフィアンと3/4同血の半姉。2代母のメサビメイデンからは故オグデン・フィップス氏も生産所有者に加わり、またマゴーヒー調教師が管理してオーブまで両家が共同所有してきました。母のレディリバティを売ることを考えたときにはセス・ハンコック氏(アーサーの孫)がアンブライドルドの肌なんだからと説得して売るのをやめたということもあったとのこと。オーブはそのセス・ハンコック氏のクレイボーンファームで生まれ育ちました。

勝てなかった歴史を、その歴史とともに受け継いだ牝系で勝つという、「血のドラマ」そのものの勝利ですね。


ちなみに、あまり関係ない話ですがオーブの母レディリヴァティが全23戦で唯一出走したG1はその名もオグデンフィップスH.で5頭立て5着。その2着馬テイクチャージレディの子がこのダービーで8着したウィルテイクチャージです。


オーブはデビューから3戦は勝てませんでしたが、デビュー戦はヴァイオレンスの3着、3戦目はヴァイジャックの4着と、のちにケンタッキーダービー路線で有力とみなされた2頭が勝ち馬で悪くない結果(ちなみに前者は故障で離脱。後者は19着)。

4戦目で初勝利を挙げると、2連勝で臨んだ前々走6戦目の米G2ファンテンオブユースS.(ダート8.5ハロン)で前述ヴァイオレンスを1/2馬身差下し、 3着にはさらに6・3/4馬身差をつけて重賞初出走初勝利。

前走のフロリダダービーも2着に2・3/4馬身差をつけて完勝し、ダート8.5ハロン以上は3戦3勝としていました。

この後はもちろんプリークネスS.で2冠を目指します。

2013年ケンタッキーダービーのレース映像。外から5頭目、赤の帽子、白の胴に赤の袖の勝負服がオーブ。


ケンタッキーダービー(Kentucky Derby Presented by Yum! Brands)
2013年5月4日、アメリカ・チャーチルダウンズ競馬場、ダート10ハロン
3歳、G1、20頭、Sloppy、レース結果(PDF)、総賞金200万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1オーブ
Orb
3牡
6.4倍
J.ロザリオ2分02秒898戦【5-0-1-2】
重賞3連勝
2ゴールデンソウル
Golden Soul
3牡
35.5倍
R.アルバラード2・1/26戦【1-3-0-2】
米G3で2着
3レヴォリューショナリー
Revolutionary
3牡
7.4倍
C.ボレル17戦【3-1-3-0】
重賞2勝

2013年5月5日日曜日

米年度代表馬ワイズダンが5馬身差完勝でG1競走5連勝も注目の対戦は実現せず

5月4日に行われた米G1ターフクラシックS.(芝9ハロン、4歳以上)は、3番手追走した昨年の米年度代表馬ワイズダンが残り1ハロンで前の2頭を交わして先頭に立つと、2番手先行した2番人気オプティマイザーに4・3/4馬身差をつけて力の違いを見せつけG1競走5連勝を達成しました。

後方から追い込んだ7頭立て最低人気のミディーが3着。

なお、昨年2012年に米芝G1を3連勝し、BCターフも2着、前走の米G1ガルフストリームパークターフH.(芝9ハロン)はその次走でドバイワールドカップを勝つアニマルキングダムを下して優勝していたポイントオブエントリーは不良馬場を理由に出走取り消し。

昨年10月にポイントオブエントリーが勝った米G1ジョーハーシュターフクラシック招待S.も12ハロンを2分33秒73、最後の4ハロンが50秒06かかる不良馬場だったから、今回の馬場をさほど問題ないはずなんですけどね。この後のケンタッキーダービーより注目していた人も多くいたと思われるワイズダンとの対戦が見られなかったのは残念でした。


ワイズダンは父ワイズマンズフェリー、母リサダニエル(米1勝)、母の父ウルフパワー(南ア年度代表馬)という血統。1歳上の半兄に、コースレコード含む重賞4勝、2009年の米G1クラークH.で1位入線3着降着だったサクセスフルダンがいます。

昨年9月の加G1ウッドバインマイルS.を3・1/4馬身差、10月の米G1シャドウェルターフマイルS.を2馬身差で、11月の米G1 BCマイルを1・1/2馬身差で、今年初戦4月13日の米G1メイカーズ46マイルS.(芝1マイル、4歳以上)を1馬身差で勝って、芝マイルG1を4連勝していました。

今回は6走ぶりに9ハロンでしたが、一昨年米G1クラークH.(ダート9ハロン)を勝ち、昨年唯一ダートを走った米G1スティーヴンフォスターH.(ダート9ハロン)も頭差2着だから問題なかったですね。

そのスティーヴンフォスターH.は勝ち馬より約1.8kg、3着馬より2.3kg重い斤量での2着でそれを含め近10走は全て重賞の9勝2着1回、G1競走6勝という成績です。


今後は休養を挟むか1戦して夏のサラトガ開催へとのこと。サラトガでは去年も勝った8月10日の米G2フォスターデイヴH.(芝1マイル)でしょうかね。今回と同じ総賞金50万ドルでG2にしては高額です。

また前走のメイカーズ46マイルS.後に「次走は6月のスティーヴンフォスターH.」とも述べられていたので、ちょうど1年ぶりにダートで見られるかもしれません。ただ半兄で同馬主、同調教師のサクセスフルダンもスティーヴンフォスターH.を検討されており、すぐには決められないようです。ちなみに昨年も同じ状況でサクセスフルダンのほうが回避しました。

2013年ウッドフォードリザーヴターフクラシックS.のレース映像。8番枠がワイズダン。


ウッドフォードリザーヴターフクラシックステークス
(Woodford Reserve Turf Classic S)
2013年5月4日、アメリカ・チャーチルダウンズ競馬場、芝9ハロン
4歳以上、G1、7頭、Yielding(不良)、レース結果(PDF)、総賞金50万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ワイズダン
Wise Dan
6セン
1.6倍
J.レスカーノ
56.2kg
1分51秒8422戦【15-1-0-6】
重賞11勝目
2オプティマイザー
Optimizer
4牡
6.0倍
J.ロザリオ
54.4kg
4・3/424戦【5-3-2-14】
重賞3勝
3ミディー
Middie
6セン
27.6倍
F.トーレス
54.4kg
1・3/421戦【5-1-5-10】
AW馬場の米G3を1勝

米G1ヒューマナディスタフH.、オービーケイがG1初勝利

5月4日に行われた米G1ヒューマナディスタフH.(ダート7ハロン、4歳以上牝馬)は、2番手先行したオービーケイが直線入り口で先頭に立つと、すぐ後ろまで来ていたバーボンを振り切って優勝し、重賞2連勝、G1初勝利を挙げました。

バーボンが1・1/2馬身差の2着。最低人気のホリデイソワレが3着。逃げた2番人気のジャマイカンスモークは5着。そのジャマイカンスモークが3着だった前走の米G1マディソンS.(AW7ハロン、4歳以上牝馬)で2着していたバイラマは後方のまま6着。


オービーケイは父ストリートセンス、母リリーカポーティ(米G3を1勝)、母の父カポーティという血統の4歳牝馬。リボーとナスルーラがそれぞれ5×5。ちなみに母の唯一の重賞勝ちもここチャーチルダウンズ競馬場でした。

デビューから3戦で2勝すると、4戦目の米G1エイコーンS.(ダート1マイル、3歳牝馬)とその2走後の米G1テストS.(ダート7ハロン、3歳牝馬)はどちらも1着コンテステッド(社台が輸入)から6馬身以上離された4着と8着。

その後休養が必要と判断され、今年3月の米G2インサイドインフォメーションS.(ダート7ハロン、4歳以上牝馬)で半年振りに出走すると2着に3馬身差をつけて重賞初勝利していました。ちなみにそのときの3着馬と6着馬が今回それぞれ7着、2着しています。

ラルフ・ニックス調教師自身もビル・モット調教師のアシスタントから2004年に独立してこれがG1初勝利。「半兄のフライイングペガサスは道悪が得意でなかったから水の浮く不良馬場を心配していましたが」と述べています。次走は休養を挟んで8月23日の米G1バレリーナS.(ダート7ハロン、3歳以上牝馬)とのこと。

2013年ヒューマナディスタフH.のレース映像。


ヒューマナディスタフH.(Humana Distaff Stakes)
2013年5月4日、アメリカ・チャーチルダウンズ競馬場、ダート7ハロン
4歳以上、G1、9頭、不良馬場、レース結果(PDF)、総賞金30万米ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1オービーケイ
Aubby K
4牝
4.6倍
E.プラード
54.4kg
1分22秒938戦【4-0-1-3】
重賞2勝目
2バーボン
Burban
5牝
9.2倍
J.レスカーノ
53.5kg
1・1/27戦【4-2-0-1】
前走ステークス初勝利
3ホリデイソワレ
Holiday Soiree
4牝
18.3倍
J.カステリャーノ
53.5kg
クビ15戦【4-4-1-6】
前走ステークス9馬身差2着

英2000ギニー、無敗のドーンアプローチが5馬身差快勝 でG1競走3勝目

5月4日に行われたG1英2000ギニー(芝1マイル)は、2歳6戦無敗、G1競走2勝で今年初出走の1番人気ドーンアプローチと、前走4月の英G3クレイヴンS.(芝1マイル)を4馬身差で勝って4戦無敗としていた2番人気トロナドの2頭が抜けた人気に支持され、3,4番手追走したその2頭が逃げた2頭のうちの1頭グローリーアウェイツに残り2ハロンで並びかけるとドーンアプローチが残り1ハロンで抜け出し、2着グローリーアウェイツに5馬身差をつけて快勝しました。

英G1レーシングポストトロフィー(芝1マイル)2着以外は負けていないヴァンデルニーアがゴール直前でトロナドをクビ差交わして3着。2着グローリーアウェイツは単勝150倍の13頭立て最低人気(同オッズにもう1頭)、3着ヴァンデルニーアが同オッズが2頭いる6番人気ですから、勝ち馬以外は波乱の結果になりました。


ドーンアプローチは英ダービー馬ニューアプローチの初年度産駒で、母ヒムンオブザドーン、母の父フォーントリックという血統。 昨年のロイヤルアスコットの英G2コヴェントリーS.で重賞初勝利しゴドルフィンが購入すると、それ以来約3ヶ月ぶりの出走だった9月の愛G1ナショナルS.(芝7ハロン)、続いて10月の英G1デューハーストS.(芝7ハロン)も制してデビューから無敗の6戦6勝としていました。その2つのG1は父子制覇で、今回は父が2着だった2000ギニーも勝ちました。

ご存知のとおり、ゴドルフィンはアルザルーニ調教師が筋肉増強効果のあるアナボリックステロイドを管理馬に投与していたことが発覚し、英1000ギニーの有力候補だったサーティファイなどが10月まで出走停止となり、また同じモールトン厩舎の馬は「関係各所が潔白であると確信できるまで、当厩舎の馬が今季のレースに出走することはない」と発表されて閉鎖中です。

ゴドルフィンが購入した直後は「翌年の調教師はシーズン後に決める」と発表され、実際はデューハーストS.の前にボルジャー師が継続して管理する決定がなされましたが、転厩させていたらとんでもないことになっていた可能性がありました。

Dawn(ドーン)は「夜明け」の意味。ゴドルフィンのサイモン・クリスフォードが「This is a dark day for Godolphin.」と述べたドーピングの暗闇を晴らす勝利となりました。


次走に英ダービーを選ぶかどうかは未定で「数日以内に決めたい」とのこと。関係者は、10ハロンはこなせると思うが12ハロンはどうかと思っているようですね。距離適正に関わるとされるミオスタチン遺伝子多型はドーンアプローチの場合、ボルジャー師が「スプリントタイプであるC:Cとなりました」と明かしています


ちなみに2着グローリーアウェイツについて同じショワジール産駒で仏2歳G1勝ち馬オリンピックグローリーと名前的に関係あるのかと思いましたが、同じオーナーや生産者というわけでもなく偶然一致しただけのようです。グローリーアウェイツも昨年10月の英G3オータムS.(芝1マイル)を逃げて5馬身差4着以来となる今年初出走でした。それ以外の重賞実績は英G2で9頭立て9着だからG1で買えるわけもなく、初ブリンカーの効果は抜群だったようです。

2013年G1英2000ギニーのレース映像(YouTube)。6番枠、ゴドルフィンの青の勝負服がドーンアプローチ。


2000ギニー(Qipco 2,000 Guineas Stakes)
2013年5月4日、イギリス・ニューマーケット競馬場、芝1マイル
3歳、G1、13頭、Good to Firm、レース結果、総賞金35万ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ドーンアプローチ
Dawn Approach
2牡
2.375倍
K.マニング1分35秒847戦【7-0-0-0】
G1競走3勝
2グローリーアウェイツ
Glory Awaits
2牡
151倍
J.スペンサー59戦【1-1-2-5】
重賞3戦目初連対
3ヴァンデルニーア
Van Der Neer
2牡
21倍
W.ビュイック2・1/45戦【3-1-1-0】
今年初戦の前走準重賞1着

2013年5月4日土曜日

新G3ホークスベイゴールドカップ、田中正一騎手のサヴァイヴドが重賞2連勝

4月20日に行われた新G3ホークスベイゴールドカップ(芝2200m、3歳以上ハンデ)は、田中正一騎手が騎乗した1番人気サヴァイヴドが最後の直線で外から突き抜け2着に4馬身差をつけて完勝し、前走の新G3マナワツクラシック(芝2200m、3歳)に続き重賞2連勝。3歳馬の勝利は1977年以来のことだそうです。

前走の新G1イースターH.(芝1600m)5着のシンコウキング産駒サムアップが2番人気4着。昨年の勝ち馬でジャングルポケット産駒のフレミントンは12番人気6着でした。

一昨年2011年にもこのレースを勝っている田中騎手は、2011年8月の新G3ウィンターカップ以来となる重賞勝ちで重賞通算4勝目(2011年のG1ソーンドンマイルのほか3勝は全てG3)。


サヴァイヴドは父ゼド Zed、母リベラル(1勝)、母の父ジェネラスという血統のニュージーランド産馬。前走の新G3マナワツクラシックはJ.リデル騎手が騎乗して重賞2戦目で重賞初勝利を挙げていました。そのマナワツクラシック2着馬は次走の3歳限定豪G3で、3着馬はオーストラリアの準重賞でそれぞれ優勝しています。

田中騎手はサヴァイヴドの2走前にも騎乗して勝利に導いており、今回は主戦のリデル騎手が53kgの斤量では乗れないため、再び田中騎手が騎乗していました。

次走は5月11日の豪G3ラフハビットプレート(芝2000m、3歳)か同25日の豪G3グランプリS.(芝2200m)を使って、6月8日の豪G1クイーンズランドダービー(芝2400m)が検討されています。牡馬(セン馬含む)は57kgなのでリデル騎手に戻ってしまうでしょうが。

またレース前にジョン・ベリー調教師が述べたところによると、来シーズンは新G1チャレンジS.(芝1400m)、新G1ウィンザーパークプレート(芝1600m)、新G1スプリングクラシック(芝2040m)のホークスベイ春3冠から豪G1コックスプレート(芝2040m)を目指すとのこと


ちなみに父のZedはニュージーランドで4戦1勝、G3で6着1回という成績ですが、父がザビール、母が新G1インターナショナルS.(芝2000m)勝ち、母の父デインヒルという良血のため種牡馬入りし、現4歳が初年度産駒ですが2頭の重賞勝ち馬を輩出しています(もう1頭は前述マナワツクラシックの2着で次走の豪G3フランクパッカーS.を勝った Usainity)。

Zed の母エメラルドドリームはザビールの仔を受胎した状態で新G1インターナショナルS.を勝ち、そのお腹の中に居た仔というのが Zed です。


2013年ホークスベイゴールドカップのレース映像(NZ競馬公式サイト。Videoタブを選択)。右から7頭目の発走。勝負服はリンク先参照。

ホークスベイゴールドカップ(Hawke's Bay Gold Cup)
2013年4月20日、ニュージーランド・ヘイスティングス競馬場、芝2200m
3歳以上、G3、14頭、Slow7、レース結果、総賞金7万ニュージーランドドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1サヴァイヴド
Survived
3セン
2.8倍
田中正一
53kg
2分18秒747戦【5-1-0-1】
重賞2連勝
2ボニンスキー
Boninsky
5セン
31.2倍
M.スウィーニー
53kg
4・1/425戦【3-2-3-17】
重賞6戦目初連対
3ダブルオーセヴン
Double O Seven
7セン
50.2倍
V.ジョンソン
53kg
アタマ48戦【4-5-7-】
準重賞以上で初の3着以内

新G1イースターH.、ヴィアダナが重賞2勝目、G1初勝利

4月13日に行われた新G1イースターH.(芝1600m、3歳以上ハンデ)は、中団で並んで追走したヴィアダナが馬群を割って、ポストマンズドーターが外から差すとハナ差の接戦をヴィアダナが制し、重賞2勝目、G1初勝利を挙げました。5歳牝馬のワンツーで、また3月23日の新G2ジャパントロフィー(芝1600m)の2着、3着、1着の順で決まっています。ポストマンズドーターはこれで2年連続の2着。

1番人気のズレラは11着と大敗。


ヴィアダナは父トウケイ、母イャーナー(新1勝)、母の父キンジテという血統。昨年12月に新G3イーグルテクノロジーS.(芝1600m)で重賞初勝利。その後は新G1ソーンドンマイル(芝1600m)2・1/2馬身差の7着、前走の新G2ジャパントロフィー(芝1600m)短アタマ差の2着など勝てないながらもマイル前後で堅実に走っていました。今回は牝馬で57.5kgだから実質トップハンデで勝ちきっています。

ちなみにこの次走4月27日の新G2トラヴィスS.はマイルを超える距離初めての芝2000mが無理だったか7・1/2馬身差の8着に敗れています。

2013年イースターH.のレース映像。「Video」のタブをクリック。

イースターハンディキャップ(Manco Easter Handicap)
2013年4月13日、ニュージーランド・エラズリー競馬場、芝1600m
3歳以上、G1、16頭、Dead4、レース結果、総賞金20万ニュージーランドドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績(4/13終了時点)
主な成績
1ヴィアダナ
Viadana
5牝
8.9倍
M.デュプレシス
57.5kg
1分34秒6221戦【7-4-2-8】
重賞2勝目
2ポストマンズドーター
Postmans Daughter
5牝
20.5倍
R.ハッチングズ
56.5kg
ハナ38戦【5-7-2-24】
G1で2着3回目
3アワフェイマスイヴ
Our Famous Eve
4牝
18.6倍
K.マイヤーズ
53.5kg
3/413戦【3-1-3-6】
前走重賞初勝利

米G1ケンタッキーオークス、プリンセスオブシルマーが重賞初勝利

5月3日に行われた米G1ケンタッキーオークス(ダート9ハロン、3歳牝馬)は、10頭立て9番人気のプリンセスオブシルマーが左から3頭に、右からも3頭に挟まれて後方になる最悪のスタートでしたが、特に不利なく先行し先に抜け出したG1連勝中の5番人気ビホールダーを1/2馬身差し切って優勝し、重賞初勝利をG1で挙げました。プリンセスオブシルマーにこれが初騎乗だったM.スミス騎手はケンタッキーオークス初勝利。

ここまで4戦無敗、重賞3連勝中のアンリミテッドバジェットはさらに2馬身差の3着(4番人気)。

ビホールダーは過去4戦でBCジュベナイルフィリーズ(ダート8.5ハロン)、ラスヴァージネスS.(ダート1マイル)、サンタアニタオークス(ダート8.5ハロン)とG1を3勝しているわりには人気がなかったですね。私が把握してないだけで中間に不安があったのかもしれませんが。

前走の米G2ガルフストリームオークス(ダート9ハロン)を約22馬身差で勝っていたドリーミングオブジュリアが1番人気でしたがいつもより後方の競馬を強いられたことが響いたのか4着。前走のサンランドパークオークス(ダート8.5ハロン、非重賞)を8馬身差で勝っていた重賞初出走のミッドナイトラッキーが2番人気5着。前走の米G2ガゼルS.(ダート8.5ハロン)でプリンセスオブシルマーを2着に下していたクローズハッチーズが5番人気7着。


プリンセスオブシルマーは父マジェスティックウォリアー(米芝ステークス2着1回)、母ストームディキシー、母の父カティナスという血統。父の初年度産駒でその2頭目の米重賞勝ち馬となりました。母の半兄に当時G3のドバイデューティーフリー勝ち馬リズムバンドがいます。

昨年10月のデビュー戦(ダート5.5ハロン)は4着に敗れましたが、距離をマイル以上に伸ばした2戦目以降は4連勝で、ブサンダS.(ダート1マイル70ヤード)、ブッシャーS.(ダート8.5ハロン)をどちらも7馬身差で楽勝していました。

前述どおり前走はクローズハッチーズに3・1/4馬身の2着でしたが、これは約2.2kg重い斤量を背負わされて逃げ切られたもので、極端に緩むラップのなかった今回は差し切れたということでしょうか。2005年に単勝50倍のジャコモ Giacomo でダービーを差し切ったこともあるM.スミス騎手に替わったのも良かったかもしれません。前のJ.カステリャーノ騎手も上手い騎手ですけど、相性は当然ありますし。

2013年ケンタッキーオークスのレース映像。6番枠がプリンセスオブシルマー。参考:ブサンダS.およびブッシャーS.のレース映像。


ケンタッキーオークス(Longines Kentucky Oaks)
2013年5月3日、アメリカ・チャーチルダウンズ競馬場、ダート9ハロン
3歳牝馬、G1、10頭、レース結果(PDF)、総賞金100万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1プリンセスオブシルマー
Princess of Sylmar
3牝
39.8倍
M.スミス1分49秒177戦【5-1-0-1】
重賞初勝利
2ビホールダー
Beholder
3牝
10.0倍
G.ゴメス1/29戦【5-3-0-1】
G1競走3勝
3アンリミテッドバジェット
Unlimited Budget
3牝
5.4倍
J.カステリャーノ25戦【4-0-1-0】
重賞3勝

今年2013年の凱旋門賞もスミヨン騎手がオルフェーヴルに騎乗

今年2013年の凱旋門賞でもスミヨン騎手がオルフェーヴルに騎乗することが決まったようです。

【凱旋門賞】オルフェ鞍上はスミヨン/競馬・レース/デイリースポーツ online
オルフェ秋は今年もスミヨン 宝塚は池添で - 予想王TV@SANSPO.COM

サンスポには
サンデーサラブレッドクラブのホームページで4日に発表されたもの。
とあるから公式に発表があったと。


池添騎手のフランス遠征も今のところあまり騎乗馬がない状態ですが、スミヨン騎手が怪我などで乗れない可能性もあるので、あるいは来年以降のことも考えて、滞在し続けるというのもアリですけどね。

2013年5月3日金曜日

米G1アーカンサスダービー、オーバーアナライズがG1初勝利

4月13日に行われた米G1アーカンサスダービー(ダート9ハロン、3歳)は中団後ろにつけた3番人気オーバーアナライズが最終コーナーで外を回って直線入り口で前を2馬身以内に捉え、残り1ハロンで先頭に立っても末脚衰えずぐんぐん伸びて2着に4・1/4馬身差をつけて重賞3勝目、G1初勝利を挙げました。ベハラーノ騎手が「次走のケンタッキーダービーのことを考えて最後の100mは緩めました」と述べ、オーナーが「こんな勝ち方をするとは想像していなかった」と驚いた楽勝でした。

8番人気フラックダディが先行して2着に残り、7番人気のカーヴが差してさらに1/2馬身差の3着。この2頭はオーバーアナライズより約1.8kg軽い斤量でこれだから完敗。2番人気オクスボウは5着。1番人気のウォーアカデミーは先行するも向こう正面で競走中止しました。


オーバーアナライズは父ディキシーユニオン、母Unacloud(アンアクラウド?未出走)、母の父アンアカウンテッドフォーという血統。2011年のキーンランドセプテンバーセールにおいて38万ドルで落札されていました。半姉に米G1メイトロンS.勝ち馬メドウブリーズ。母母はミスタープロスペクター=ユーコンの2×2。

デビュー2戦目から前走までで重賞5連戦して4着、1着、3着、1着、5着。そして今回1着。次走ケンタッキーダービーは連を外す順番なのですが。

前走の米G2ゴーサムS.(ダート8.5ハロン)はその次走で米G1ウッドメモリアル(ダート9ハロン)3着するヴァイジャックから約4馬身差の5着。しかし前々走の米G2レムゼンS.(ダート9ハロン)はそのウッドメモリアルで3/4馬身差2着するノルマンディインヴェージョンをハナ差下しています。信用は出来ないけど無視は出来ない1頭ですね。本番のケンタッキーダービーは9番枠からの発走です。

2013年アーカンサスダービーのレース映像。


アーカンサスダービー(Arkansas Derby)
2013年4月13日、アメリカ・オークローンパーク競馬場、ダート9ハロン
3歳、G1、10頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金100万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1オーバーアナライズ
Overanalyze
3牡
4.7倍
R.ベハラーノ1分51秒947戦【4-0-1-2】
重賞3勝目
2フラックダディ
Frac Daddy
3牡
24.9倍
V.レブロン4・1/46戦【1-3-0-2】
3走前にG2で2着
3カーヴ
Carve
3セン
23.2倍
R.サンタナ1/24戦【2-0-1-1】
前走G2で6着