エイダン・オブライエン調教師はダービー3勝目、また今年の英クラシック4冠(英1000ギニー、2000ギニーオークス、ダービー)勝利。ジョセフ・オブライエン騎手は英ダービー初勝利で、昨年のバルザローナ騎手に続き10代騎手の勝利です。父子コンビの優勝は史上初めてだそうです。オーナーのDerrick Smith, Mrs. John Magnier & Michael Tabor は昨年のプルモワに続き連覇。
バルザローナ騎手については次を参考「ゴドルフィンも世代交代。デットーリはもはや不動のファーストジョッキーではない」
2012年英ダービーのレース映像はこちら(予備)。日本語出馬表と勝負服一覧はこちら。キャメロットは後方2番手、紫の勝負服。
今年3月に死亡した父モンジューは昨年のプルモワに続き2年連続で英ダービー馬を輩出。またモティヴェイター(05年)、オーソライズド(07年)の父でもあるので産駒の英ダービー勝利は4頭目。レーシングポストによると、これまでに英ダービー馬を4頭出した種牡馬は Sir Peter Teazle(1784生)、Waxy(1790)、Cyllene(1895)、Blandford(1919)の4頭なので、史上5頭目、約100年ぶりの快挙です(正確に何年ぶりかは知りません)。
キャメロットは父モンジュー(今年3月に死亡)、母ターファー(英G3優勝)、母の父キングマンボ、母母父デインヒルという血統。2歳時にデビュー2戦目でG1レーシングポストトロフィーを勝っています。これで4戦4勝、G1競走3勝目。
出走各馬の血統については「英ダービー出走馬・血統診断(3頭回避、追記あり) | 血統馬鹿」で詳しく解説されているのでご覧ください。
日本ダービーのディープブリランテについて、父ディープインパクトで馬主サンデーレーシングなのにノーザンファーム生産馬ではなく、外部のパカパカファームによる上場馬をノーザンファームがセレクトセールで購入したものであることに「さすがだなぁ」という反応があったわけですが、キャメロットは、そして英オークス勝ち馬ワズ(父ガリレオ)も同じようにクールモア陣営がタターソールズオクトーバーセールで買っていた2頭であるということも注目に値するでしょう(ちなみにワズが120万ギニー、キャメロットが52万5000ギニー)。
またオーナーの一人デリック・スミス氏は「英セントレジャーは考えています。オブライエン調教師と相談する必要がありますが、皆さんが見たいと思っていることは分かっています。『出走させる』と今ここで言ってしまうのは簡単ですが、プレッシャーが大きすぎる(ので、出走させる合意が内部でできるまでそうすることはできません)」と述べており、英クラシック3冠挑戦もあるかもしれないので出走が実現することを期待しましょう。ご存知のとおり、最後に英クラシック3冠を達成したのは1970年のニジンスキーが最後です。
追記「英2冠馬キャメロットのセントレジャーについて陣営のコメント」もどうぞ。
「キャロットが英クラシック3冠達成するか」という賭けのオッズ(ベットフェアー社)は現在で「No」「Yes」ともに1.4倍。まあ数日前に見たときは前者1.01倍、後者3倍だったので参考程度に。「No」が低いのは、もちろん、その能力がないからではなくそもそも出走しないことを反映したオッズです。「ヨーロッパではクラシック3冠が形骸化している」といわれますが、3冠に興味を持っている人は当然います。
なお、英ダービーは今年から総賞金132万5000ポンド(約1億6000万円)、1着賞金75万ポンド(約9000万円、1ポンド=約120円として)に増額され、チャンピオンS.を抜いて再びイギリス最高額レースになっています。
英ダービー(Investic Derby)
2012年6月2日、イギリス・エプソム競馬場、芝12ハロン10ヤード
3歳牡牝、全馬126ポンド(約57.1kg)
G1、9頭、レース結果、総賞金132万5000ポンド
着順 | 馬名 | 性齢 オッズ | 騎手 | 着差 | 通算成績 主な成績 |
1 | キャメロット Camelot | 3牡 1.6倍 | J.オブライエン | 2分33秒90 | 4戦【4-0-0-0】 G1競走3勝目 |
2 | メインシークエンス Main Sequence | 3牡 10倍 | T.ダーカン | 5 | 5戦【4-1-0-0】 英G3ダービートライアルS.1着 |
3 | アストロロジー Astrology | 3牡 7.5倍 | R.ムーア | 短アタマ | 5戦【2-0-3-0】 英G3ディーS.1着 |
2 件のコメント:
はじめまして。私のサイトがこちらで紹介されたと知人から聞き、記事を拝見させていただきました。世界の競馬情報がわかりやすくまとめてあり、私のサイト訪問者にもぜひ紹介したく、さっそくリンクを貼らせていただきました。今後も記事を楽しみにしております。
sasakiken さんのサイトは昨年の2000ギニーのころだったでしょうか、そのころから存じており、機会があれば紹介しようと思っていました。こちらもサイドバーからリンクを貼りました。今後ともよろしくお願いします。
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