2012年6月9日土曜日

ハットトリック産駒の良血馬ゼンジが仏2戦目で勝ちあがり

6月8日に行なわれた仏アリストン賞(芝1100m、条件戦)でハットトリック産駒のゼンジ Zenji (またはゼンジー)が2着に3/4馬身差をつけて勝ち、デビュー2戦目で初勝利を挙げました。4月24日のデビュー戦(芝1000m、新馬戦)は1・3/4馬身差の3着に敗れていました。

フランスで登録されたハットトリック産駒は2009年産が2頭、2010年産が5頭。ダビルシムの影響で増えたのでしょう。ゼンジは2010年産駒としてはいまのところフランスで唯一出走しています。

ゼンジは父ハットトリック、母ジンジベリンヌ、母の父ザイーテンという血統の米国産馬。アンドレ・ファーブル調教師の管理馬で、馬主はファーブル氏の妻エリザベスの名義。母はG3エクリプス賞とG2クリテリウム・ド・メゾンラフィットと仏2歳重賞を2勝したほか、2歳重賞で1馬身差以内の2着3回しています(G1モルニ賞は6頭立て4馬身差4着)。3歳以降は仏G3で2着1回がある程度。

またゼンジの半兄に仏G3カブール賞(昨年はダビルシムが優勝)を勝ったザンジバリがいます。もう1頭の半兄は仏準重賞を1勝し、香港に移籍してホーレスズエンパイアという名前でローカルG1香港クラシックマイル10頭立て6着(2馬身差)しています。


フランスの競馬では、準重賞未満がレベルごとに上からコースA→コースGに分かれています(コースCはトロットのみ?)。例えばダビルシムが10馬身差で勝ったデビュー戦はコースGで、3/4馬身差で勝った2戦目はコースDです。アリストン賞は「コースD」のレースで、「コースD以上で勝利」または「コースE以下3勝以上」した馬は出走不可という条件のレース。

2着クヌンジャは前走ケントラの2着。3着ケントラは2勝馬(コースFとE)で、コースBでは2・3/4馬身差の3着に敗れていました(ちなみにそのときの2着馬は次走コースA優勝)。

ゼンジの次走は不明。

アリストン賞の連続写真レース映像(有料)

アリストン賞(Prix Ariston)
2012年6月8日、フランス・メゾンラフィット競馬場、芝1100m
2歳、6頭、レース結果、総賞金2万9000ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ゼンジ
Zenji
2牡
2.7倍
P.ブドー
56.5kg
1分07秒502戦【1-0-1-0】
初勝利
2クヌンジャ
Koonunja
2牝
3倍
O.ペリエ
55kg
3/42戦【0-2-0-0】
前走未出走馬戦(コースF)2着
3ケントラ
Kentra
2牝
5.8倍
J.ヴィクトワール
55kg
14戦【2-1-1-0】
コースEとFで1勝ずつ

2 件のコメント:

イルカ さんのコメント...

こんにちは!
フランスでサンデーの血の勢いがすごいですね!
いくつかの要因が重なっていると想像しているんですが

母父サンデーなども最近活躍するようになったんでしょうか?
それとフランスの馬場が高速化してイギリスほどタフじゃないし合うんでしょうかね?

イギリス、アイルランドでは活躍が全然聞きませんが、イギリスアイルランドでは評価されておらず産駒数も少ないんでしょうかね?

HARADA さんのコメント...

最近仏ダービーで母父サンデーが2着しましたね。一方で英愛で母父サンデーはあまり走ってないように思います。

サンデーの導入度合いの違いについては、馬場の違いもあるでしょうが、ディヴァインライト産駒ナタゴラが英1000ギニーを勝ったことからイギリスで全く走れないわけではないので、その前に海外から馬を買う頻度の違いが大きいんじゃないでしょうか。

イギリスの大レースをフランス生産馬が勝つ場合に比べて、フランスの大レースを英愛生産馬が勝つ場合のほうがずっと多く、フランスの馬主と調教師が自国の大レースを英愛生産馬で勝つのは良くあることです。

だから日本でサンデーサイレンスが良く走っていると聞いて熱心に導入する(した)のはフランスだったということでしょう。フランスにサンデー系種牡馬が7頭もいることからもそれがうかがえます。