2012年8月31日金曜日

フランケルの次走で引退レースは10月20日の英チャンピオンS.に決定

フランケルの次走で引退レースが10月20日に行われるG1英チャンピオンS.(アスコット競馬場・芝10ハロン)に決定されました。

Frankel camp opt for Champion Stakes - Racing Post

フランケルのオーナーであるカリッド・アブドゥラ殿下のレーシングマネージャー、テディグリムソープ氏が述べたところによると「アブドゥラ殿下とセシル調教師が話し合い、フランケルの次走を10月20日の英チャンピオンS.に決めた」とのこと。

これにより凱旋門賞出走はなくなりました。

念のために述べておくとチャンピオンS.は伝統の1戦であるだけでなく、賞金額は"キングジョージ"を超え、英ダービーに次ぐ英国2番目の高額賞金レースです。

昨年の英チャンピオンS.ソーユーシンクやスノーフェアリー、ナサニエルらを負かして優勝したシリュスデゼーグルもチャンピオンS.2連覇を目指して出走する予定です。足の負傷で今年5月の仏G1イスパーン賞2着以来出走していませんが、9月8日のG1愛チャンピオンS.で復帰できる可能性があるようです。

2012年8月30日木曜日

今年の仏オークス馬ヴァリヤラ Valyra が安楽死

8月28日、今年の仏G1ディアヌ賞(仏オークス)を勝ったヴァリヤラ Valyra が右後肢の大腿骨を骨折し、安楽死の処置がとられました。

Arc hope Valyra put down after beach accident - Racing Post

ドーヴィルの海岸での調教中に起きた事故で、"at a session of relaxing"や"they go for a little walk"とあるから、もしかしてただ歩いていただけのときに起こってしまったのでしょうかね。

9月16日の仏G1ヴェルメイユ賞から凱旋門賞に向かう予定で、凱旋門賞は11倍程度のオッズに支持されていました。

2012年8月28日火曜日

チェコセントレジャー、アタックが優勝。タイガーカフェ産駒スターバックが2着

8月26日に行われた準重賞チェコセントレジャー(芝2800m、3歳)は、G3スロバキアダービー2着のアタックが2着に3馬身差をつけて快勝し、2カ国あわせてクラシック4戦目で初勝利を挙げました。

チェコで種牡馬入りしたタイガーカフェの産駒であるスターバックは最後の直線で一度は先頭に立ちましたが2着。G3チェコダービー馬でスロバキアダービー6着だったカディーニが1番人気3着でした。スロバキア2000ギニー勝ち馬でチェコダービー2着のムーヴユアヴィジョンは出走取り消し。


スターバックはタイガーカフェの初年度産駒で、母スイートアンサー(スロバキア1000ギニー2着)、母の父パントレセレブルという血統のチェコ産馬。Lisadell=Specialの5×4。 4代母がストームバードの母サウスオーシャンです(1着アタックはドイツ産馬で血統はこちら)。


チェコ競馬は英愛仏独産馬が実力の高さを示すことが多く、チェコ産馬は今年のクラシック5競走でオークスの1勝のみで、特に牡馬の2冠は2000ギニーの7着が最先着でした。チェコダービーの1、4、5、6、7着馬が出走したこのセントレジャーで2着に入れたのはタイガーカフェの今後にとって良い材料でしょう。実際チェコのこの記事はスターバックについて「間違いなくチェコ産の3歳馬でベスト」と書いています。

タイガーカフェは2011年のチェコ・ファーストクロップリーディングサイアー(チェコ繋養種牡馬限定、以下同)だったそうです。というより、チェコのジョッキークラブのサイトの見方を間違っていなければ2011年の2歳リーディングです。また、今年のチェコリーディングサイアーは今のところ2010年もリーディングだったルックハニーで、その AEI アーニングインデックスは0.7。タイガーカフェも0.7です(AEI は外国繋養種牡馬も含む統計から算出されているためチェコ繋養種牡馬は1.0を下回る)。ルックハニーは昨年12歳で死亡しており、産駒数さえ増やせれば来年か再来年くらいにはリーディングサイアーも狙えそうです。

チェコで種牡馬入りしているポップロックとともに出来るだけ長く活躍してほしいですね。


ちなみにスターバックは約3ヶ月ぶりに出走した前走の2000m戦で古馬と混じって走り、昨年9-11ハロンの英G3を2勝したグリーンデスティニーから約5馬身差の5着していました(3歳最先着)。同2着は3月にG2ドバイシティーオブゴールド(芝2410m)を勝ち、8月25日に2000mの独G3シュパルカッセン賞を勝ったミハイルグリンカ。スターバックは5馬身も離されたからあまり参考にならないと考えることも、休み明けでそれだけ走れれば十分でドイツの準重賞などでも活躍できる可能性を示していると考えることも出来そうな結果です。年内に独仏伊あたりで走ってみてくれないかなと。

2012年チェコセントレジャーのレース映像。


チェコセントレジャー(67. ST. LEGER S PRAHOU 5)
2012年8月26日、チェコ・ベルカフフレ競馬場、芝2800m
3歳、準重賞、16頭、レース結果、総賞金50万チェコクローネ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アタック
Atack
3牡
5倍
J.Línek3分00秒379戦【2-3-1-3】
チェコダービー5着
2スターバック
Starbuck
3牡
20倍
G.Hind38戦【2-1-0-5】
3カディーニ
Kadyny
3牡
2.5倍
J.Chaloupka3/412戦【3-1-2-6】
仏G3シェーヌ賞3着

ディープ産駒バロッチが2着。フサイチゼノン産駒ゼノンズスターが米ステークス2連勝

8月26日に米アルバカーキ競馬場で行われたドン・フアン・デ・オニャーテS.(ダート6ハロン、ニューメキシコ州産馬限定、3歳)は、中団5番手追走した1番人気ゼノンズスターが最後の直線で外から差し切って優勝し、米ステークス2連勝しました。

2着のスピーディーカラカルと2番人気3着のリーガルストームは前走同じロードランナーH.(ダート5.5ハロン)に出走し、それぞれ大差11着と約4馬身差5着だったから今回のレベルは高くなさそうですが。


ゼノンズスターは父フサイチゼノン、母ミストリクシー(ステークス1勝)、母の父ビージーズドローン(G3で2着1回)という血統。5月のダインS.(ダート6.5ハロン)でステークス初勝利を挙げており、今回はそれ以来の出走でした。ちなみにダインS.で1馬身差3着だったザッツフーが上述ロードランナーH.で1番人気3着しています。

ちなみに父フサイチゼノン、母フサイチナデシコ(未出走)、母の父フサイチペガサスという血統で、I C U Danという馬名の4歳セン馬が5月末に初勝利を挙げています。


ドン・フアン・デ・オニャーテS.のレース映像。5番手追走、芦毛の赤い勝負服がゼノンズスター。

ドン・フアン・デ・オニャーテ・ステークス(Don Juan de Onate Stakes)
2012年8月26日、アメリカ・アルバカーキ競馬場、ダート6ハロン
ニューメキシコ州産馬3歳、ステークス、7頭、レース結果(PDF)、総賞金5万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ゼノンズスター
Zenon's Star
3セン
2.3倍
A.フアレス1分10秒7013戦【4-2-1-6】
ステークス2勝目
2スピーディーカラカル
Speedy Caracal
3セン
10.3倍
C.ランバート112戦【1-5-3-3】
デビュー2戦目の
ステークス2着
3リーガルストーム
Legal Storm
3セン
3.5倍
A.メデリン2・3/49戦【1-1-2-5】
ステークス3着



またその約1時間後にサラトガ競馬場で行われたアローワンスオプショナルクレーミング戦(芝9.5ハロン、3歳以上)にディープインパクト産駒のバロッチ Barocci が単勝1.9倍の1番人気で出走しましたが、先に抜け出したボンバギアを3/4馬身差捕らえられず2着に終わりました。

バロッチは前走3着だったレースでボンバギアに1馬身差先着しています。これで米移籍後は2着1着3着、2着という成績です。相手なりに走れる馬だと思うので、G1、G2はまだ厳しいかもしれないがG3を試しに数回使ってみるほうがいいのではないかと思いますね。

レース映像。青の勝負服、シャドウロール装着馬がバロッチ。

Allowance Optional Claiming
2012年8月26日、アメリカ・サラトガ競馬場、芝9.5ハロン
3歳以上、全馬同斤量、7頭、レース結果(PDF)、総賞金9万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ボンバギア
Bombaguia
4セン
4.8倍
E.プラード1分53秒4316戦【3-1-3-8】
重賞未出走
2バロッチ
Barocci
4牡
1.9倍
J.ルパルー3/411戦【2-4-1-4】
G2プランスドランジュ賞2着
3シェアアウト
Share Out
4セン
39.2倍
R.マラージ3/46戦【2-0-2-2】
3走前アローワンス1着

米G1パシフィッククラシックS.、3歳デュラハンがG1競走3勝目。ゲームオンデュードが2着

8月26日に行われた米G1パシフィッククラシックS.(AW10ハロン、3歳以上)は1番人気ゲームオンデュードが向う正面で先頭を奪い、最終コーナーで抜け出して逃げ込みを図りましたが、後方3,4番手を追走した3番人気デュラハンが最終コーナーで大外を回って進出すると残り50mでゲームオンデュードを差し切ってG1競走3勝目を挙げました。これでデビューから3勝すべてAWのG1となりました。

2走前に7月の米G1ハリウッドゴールドカップ(AW10ハロン)でゲームオンデュードから1・1/2馬身差2着だった、2009年、2010年のパシフィッククラシックS.勝ち馬リチャーズキッドが3着。アルゼンチン出身のサジェスティヴボーイは6着。チリのアマニは7着でした。


デュラハンは父イーヴンザスコア、母マイニングマイオウン、母の父スマートストライクという血統。09年のケンタッキーダービー馬マインザットバードの半弟です。デビューから米2歳G1ディキシアナフューチュリティS.で初勝利。今年4月に米G1ブルーグラスS.を勝って挑んだケンタッキーダービーは3着でした。ベルモントS.は7着。前走のG1ハスケル招待H.は5着。オールウェザー馬場は今回の勝利で3戦3勝です。

デュラハンの次走は不明。来年はオールウェザーのドバイワールドカップを目指すとのこと。リチャーズキッドはアメリカのオールウェザーでG1を勝ててもドバイのAWは駄目でしたが、デュラハンはどうなるか。

2012年パシフィッククラシックS.のレース映像。5番枠がデュラハン。


パシフィッククラシックステークス(TVG Pacific Classic Stakes)
2012年8月26日、アメリカ・デルマー競馬場、AW10ハロン
3歳以上、G1、10頭、レース結果(PDF)、総賞金100万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1デュラハン
Dullahan
3牡
6.3倍
J.ロサリオ
53.5kg
1分46秒5612戦【3-2-3-4】
G1競走3勝目
2ゲームオンデュード
Game On Dude
5セン
2.3倍
C.サザーランド
56.2kg
1/219戦【8-5-1-5】
G1競走3勝
3リチャーズキッド
Richard's Kid
7牡
5.8倍
V.エスピノーザ
56.2kg
2・3/436戦【11-3-8-14】
2010米G1グッドウッドS.1着

米G1パーソナルエンスンS.、軽斤量ラブアンドプライドがロイヤルデルタらを退けG1初勝利

8月26日に行われた米G1パーソナルエンスンS.(ダート9ハロン、3歳以上牝馬)は先頭にほぼ並ぶ2番手を先行したラブアンドプライドが最後の直線で抜け出すと、昨年の最優秀3歳牝馬ロイヤルデルタの追い上げを1/2馬身差凌いで優勝し、G1初勝利を挙げました。

5月の米G1オグデンフィップスS.1着以来の出走だったG1競走3勝馬イッツトリッキーはスタート直後に大きく躓いたものの何とか落馬せず、道中すぐに押し上げてロイヤルデルタの直後にポジションを取り、最終コーナー出口で最内を突いて見せ場を作りましたがロイヤルデルタに交わされて3着。


ラブアンドプライドは父エーピーインディ、母イルドフランス(G1サンタアニタオークス3着)、母の父ストームキャットという血統。2走前の米G3オービアS.(ダート9ハロン)を逃げ切って重賞初勝利。前走の米G2デラウェアH.(ダート10ハロン)も逃げましたが勝ったロイヤルデルタより約4kg軽い斤量で約10馬身差の4着に敗れていました。

今回はロイヤルデルタより約4.5kg(イッツトリッキーより4kg)とさらに軽い斤量でした。それよりも、コースが違うので単純に比較は出来ませんが、デラウェアH.より4ハロン通過地点で2秒、6ハロン通過地点で1.5秒近く遅いラップで進めたので最後まで粘り通せたのでしょう。

ラブアンドプライドのプレッチャー調教師は「これまでの彼女の最善のレースは逃げ馬を見る位置で競馬をしたときでした。今回はそうした位置につけることが出来ました」と述べています。それからうまく訳せないですが、考えがあってブリンカーを外したのも良かっただろうと。またロイヤルデルタのスミス騎手は「もう一度このレースに乗るなら前走のようにもう少し早く仕掛けたでしょう」と述べています。次走は不明。

2012年パーソナルエンスンS.のレース映像。


パーソナルエンスンハンディキャップ(Personal Ensign Handicap
2012年8月26日、アメリカ・サラトガ競馬場、ダート9ハロン
3歳以上牝馬、G1、6頭、レース結果(PDF)、総賞金60万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ラブアンドプライド
Love and Pride
4牝
11倍
J.ヴェラスケス
51.7kg
1分49秒2215戦【6-2-4-3】
重賞2勝目
2ロイヤルデルタ
Royal Delta
4牝
1.75倍
M.スミス
56.2kg
1/213戦【7-3-1-2】
G1BCレディースクラシック1着
3イッツトリッキー
It's Tricky
4牝
3.25倍
E.カストロ
55.8kg
113戦【8-3-1-1】
G1競走3勝

2012年8月26日日曜日

米G1トラヴァースS.、アルファとゴールデンチケットがレース史上初の1着同着

8月25日に行われた米G1トラヴァースS.(ダート10ハロン、3歳)は、4番手追走の9番人気ゴールデンチケットが最後の直線入り口で最内の隙間を抜け出して先頭に立つと、3番手追走で最終コーナーは外を回った1番人気アルファもしぶとく伸びてもう一度追い上げゴールデンチケットに並んだところがゴール。トラヴァースS.史上初の1着同着となりました。2頭ともG1初勝利。

(ただし14ハロン戦だった1874年に Attila と Acrobat が1着同着し、その日の最終レース後に同距離で優勝決定戦を行って Attila が勝者になったことがあるとのこと。公式に2頭が勝者になったのは今年が初めて、という意味です)

8番人気のファストファルコンが最後方から差してクビ差の3着。前走米G1ハスケル招待H.約4馬身差2着だったノニオスは2番人気6着(5馬身差)。前走の米G2ジムダンディS.でアルファから2馬身差2着だったネックンネックは3番人気7着でした。


ゴールデンチケットは父スパイツタウン、母ビジネスプラン(4戦未勝利)、母の父デピュティミニスターという血統米G2タンパベイダービー2着後、米G3レキシントンS.は5着で賞金が足りずケンタッキーダービー出走ならず。今回はそのケンタッキーダービー当日のアローワンス2着以来の出走でこれが重賞初勝利です。

アルファは父バーナーディニ、母 Munnaya(英準重賞オークストライアル1着)、母の父ニジンスキーという血統米G1ウッドメモリアルS.2着。ケンタッキーダービー12着。ここまでに挙げた重賞3勝の米G3ウィザースS.、米G2ジムダンディS.、トラヴァースS.はいずれも父子制覇となりました。ちなみに昨年も同産駒のステイサースティがジムダンディS.とトラヴァースS.を連勝しています。


2頭の次走は不明。ここにハスケル招待H.勝ち馬ペインター、ウッドメモリアルS.勝ち馬ジェモロジスト、ブルーグラスS.勝ち馬でケンタッキーダービー3着のデュラハンを加えたあたりが現在の米3歳牡馬中距離トップなので、故障馬続出の路線を盛り上げるために無事にがんばってほしい。ペインターとジェモロジストの2頭は9月22日のペンシルヴァニアダービーで対戦する可能性があります。

2012年トラヴァースS.のレース映像。


トラヴァースステークス(Travers Stakes)
2012年8月25日、アメリカ・サラトガ競馬場、ダート10ハロン
3歳、全馬同斤量、G1、11頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金10万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ゴールデンチケット
Golden Ticket
3牡
34.5倍
D.コーエン2分02秒7410戦【2-4-1-3】
重賞初勝利
1アルファ
Alpha
3牡
3.4倍
R.ドミンゲス同着9戦【5-2-0-2】
G1シャンペンS.2着
G1ウッドメモリアルS.2着
3ファストファルコン
Fast Falcon
3牡
33.5倍
J.アルヴァラードクビ7戦【1-2-1-3】
G2ドワイヤーS.2着

米G1キングズビショップS.、中2日のウィリービーミンが重賞初勝利

8月25日に行われた米G1キングズビショップS.(ダート7ハロン、3歳)は、後方7,8番手追走のウィリービーミンが残り100mで外から差し切って優勝し、重賞初勝利をG1で挙げました。

中団追走の2頭が2,3着。前走の米G3アムステルダムS.(ダート6.5ハロン)でその2頭に2馬身以上をつけて優勝していたG1馬カレンシースワップは1番人気に支持されましたが、3番手追走から6着に敗れています。2番人気馬トリニバーグも逃げて9着だから前に厳しい展開だったのでしょう。


ウィリービーミンは父スアーヴ、母ビッグティーズ(ステークス1勝)、母の父ゴールドトークンという血統。デビューから5戦は【1-0-0-4】でしたが、6戦目(3月)のクレーミング競走1着後に2万5000ドルで現オーナーに購入されると、その後このキングズビショップS.を含めて5戦5勝、ステークス3連勝しました。前走は8月22日のアルバニーS.(ダート8.5ハロン)で今回はなんと中2日での出走でした。

現オーナーは「信じられない。走るたびにどんどん良くなっていくよ」と。たった5ヶ月で購入額の20倍を稼ぎ出してくれたのだから当然の驚きです。次走は不明ですが、「それほど間隔は開かないと思う」とオーナーは述べています。

2012年キングズビショップS.のレース映像。最内枠、赤の帽子・勝負服がウィリービーミン。


キングズビショップステークス(Foxwoods King's Bishop Stakes)
2012年8月25日、アメリカ・サラトガ競馬場、ダート7ハロン
3歳、G1、10頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金50万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ウィリービーミン
Willy Beamin
3セン
12.4倍
A.ガルシア
54kg
1分22秒0211戦【7-0-0-4】
重賞初出走
2フォートラウドン
Fort Loudon
3牡
15.4倍
J.アルヴァラード
53.1kg
1/216戦【7-1-2-6】
2走前にG3勝ち
3アンブライドルズノート
Unbridled's Note
3牡
12.1倍
J.ルパルー
53.1kg
ハナ6戦【2-0-2-2】
前走G3で3着

米G1テストS.、コンテステッドがG1競走2勝目

8月25日に行われた米G1テストS.(ダート7ハロン、3歳牝馬)は1番人気のコンテステッドが少し離れた3番手追走から直線入り口で前との差を詰めると、残り1ハロンで先頭に立って優勝し、G1競走2勝目を挙げました。

2番手追走した6番人気ジプシーロビンが2馬身差2着。4番手追走の重賞初出走ビューティフルバットブルーが3着。


コンテステッドは父ゴーストザッパー、母ゴールドヴォールト、母の父アーチという血統。半兄に米G1競走2勝馬ポメロイがいます。米G3エイトベルズS.(ダート7ハロン)、米G1エイコーンS.(ダート1マイル)を連勝して出走した前走の米G1マザーグースS.(ダート8.5ハロン、以上すべて3歳牝馬)は5着に敗れ、デビュー6戦目ではじめて連対を外していました。距離的にはマイル以下のほうが向いているのかもしれません。

今回は前走アローワンスを勝ったばかりの重賞初出走馬が2番人気になった(7着)ようにトップクラスの実績がある相手は少なかったですが、コンテステッドは他馬と最少でも1kgの斤量差があって2馬身差勝ちだから完勝です。ベハラーノ騎手は「スタートはあまり良くなかったのですが、良いポジションは確保できましたし、直線に向いたときにはレースは(わたしたちの勝利で)終わっていました」と述べています。次走は不明。

2012年テストS.のレース映像。


テストステークス(Test Stakes)
2012年8月25日、アメリカ・サラトガ競馬場、ダート7ハロン
3歳牝馬、G1、10頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金50万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1コンテステッド
Contested
3牝
2.0倍
R.ベハラーノ
55.3kg
1分22秒477戦【5-1-0-1】
G1競走2勝目
2ジプシーロビン
Gypsy Robin
3牝
16.8倍
J.ヴェラスケス
54.4kg
28戦【4-1-0-3】
3走前に米G2勝ち
3ビューティフルバットブルー
Beautiful But Blue
3牝
10.9倍
J.アルヴァラード
52.6kg
1/210戦【5-0-1-4】
重賞初出走

米G1バレリーナS.、タービュレントディセントがG1競走4勝目

8月24日に行われた米G1バレリーナS.(ダート7ハロン、3歳以上)は、3,4番手追走した1番人気タービュレントディセントが最終コーナーで先頭を捕らえるとそのまま押し切って優勝し、G1競走4勝目を挙げました。

後方から追い込んだダーウィンズスターは1・1/4馬身差2着。逃げたオールデューリスペクトが3着。前走の米G1プリンセスルーニーH.(ダート7ハロン)で1・2馬身差2着だったニコールエイチは2番人気5着。


タービュレントディセントは父コングラッツ、母ロジャーズスー(未出走)、母の父フォレストリーという血統。2歳時にG1ハリウッドスターレットS.(AW8.5ハロン)、昨年の3歳時にG1サンタアニタオークス(ダート8.5ハロン)、G1テストS.(ダート7ハロン)を勝っています。前走6月のAW6ハロンステークス戦1着が今年初出走で、その後にクールモアが購入していました。

次走は昨年5着に終わったBCフィリー・アンド・メア・スプリントになる模様。ただしその前に1走する可能性もあると。

2012年バレリーナS.のレース映像。5番枠発走がタービュレントディセント。


バレリーナステークス(Ballerina Stakes)
2012年8月24日、アメリカ・サラトガ競馬場、ダート7ハロン
3歳以上、G1、6頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金50万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1タービュレントディセント
Turbulent Descent
4牝
1.45倍
J.ヴェラスケス
54kg
1分22秒1312戦【8-2-0-2】
G1競走4勝目
2ダーウィンズスター
Derwin's Star
5牝
9.2倍
D.コーエン
53.1kg
1・1/419戦【8-2-2-7】
2走前に重賞初勝利
3オールデューリスペクト
All Due Respect
5牝
21倍
J.ロザリオ
53.1kg
3/420戦【4-5-6-5】
重賞【0-3-5-2】

2012年8月25日土曜日

米ボーディマイスターが引退。ハンセンも? 米3歳牡馬トップがほぼ全滅

今年のケンタッキーダービープリークネスS.でどちらも1番人気2着だったボーディマイスター Bodemeister が引退すると発表されました。左肩の末梢神経を損傷しているということのようです。すでにウィンスターファームで種牡馬入りすることが決まっていました。

Bodemeister retired with shoulder injury - Thoroughbred Times

ボブ・バファート調教師によると、数週間前の調教中につまづいて騎手を落馬させたことがあり、そのときから本来の走りが見られなかったとのこと。診断の結果は回復に約60日が必要であるというものでした。「彼をブリーダーズカップに勝たせたかったです」と述べています。

日本輸入種牡馬エンパイアメーカーの産駒であるボーディマイスターは6戦2勝2着4回。ケンタッキーダービーの前走の米G1アーカンサスダービーは9馬身差で圧勝しました。ベルモントS.はパス。7月のG1ハスケル招待H.は直前に熱発で回避しており、プリークネスS.が最後のレースとなりました。


また昨年の米G1 BCジュベナイル勝ち馬ハンセン Hansen も左前足の屈腱炎が判明しており、引退の可能性が高いです。

Hansen out of Travers, likely retired, with tendon injury - Thoroughbred Times

今年の米3歳馬ではすでに2冠馬アイルハヴアナザーベルモントS.勝ち馬ユニオンラグズも引退しています。またベルモントS.2着馬でG1ハスケル招待H.を勝ったペインターもその後の熱発で調整が間に合わず、今月25日のトラヴァースS.を見送っています(ただし調教をこなしており9月末のペンシルヴァニアダービーなどに出走する予定)。


日本で例えると、レース施行順が少し入れ替わりますが天皇賞・秋やジャパンカップなどで古馬と対戦する前に、皐月賞、日本ダービーの1,2着馬(アイルハヴアナザー、ボーディマイスター)、菊花賞勝ち馬(ユニオンラグズ)、朝日杯勝ち馬(ハンセン)が故障して引退し、菊花賞2着馬でNHKマイルカップ勝ち馬(ペインター)が調整不十分で神戸新聞杯を使えない、といったあたりの非常事態です。

英G1ナンソープS.、豪オルテンシアが優勝し、今年の英短距離G1はオセアニア産馬が席巻

8月24日に行われた英G1ナンソープS.(芝5ハロン、2歳以上)は後方追走した1番人気オルテンシアがゴール直前でデットーリ騎乗スピリットクォーツをクビ差差し切って優勝し、G1競走3勝目を挙げました。前走の英G2キングジョージS.(芝5ハロン)と同じ1,2着で決着。昨年人気薄で2着したハミッシュマクゴナガルが3着。

前走の英G1キングズスタンドS.(芝5ハロン)など英加の短距離G1で2着4回しているベイテッドブレスは6着。2年前のこのレース勝ち馬ソールパワーは7着。昨年の仏G1アベイユドロンシャン賞勝ち馬タンジェリンツリーズは10着。


オルテンシアは父テスタロッサ、母エアレーツピック、母の父ピクニッカーという血統のオーストラリア産馬。昨年11月の豪G1ウィンターボトムS.でG1初勝利を挙げると、それ以来の出走だった3月のドバイG1アルクォーツスプリントも勝ちました。

その後は英G1を目指して渡英したもののキングズスタンドS.は9着に、英G1ジュライカップ(芝6ハロン)は8馬身差4着に敗れていました。しかしその後はこれで英重賞2連勝でG1も勝ち遠征は完全に成功しました

次走は9月の英G1スプリントカップになる見込みで、ジュライカップを5馬身差で勝ったメイソンも出走する予定です。


ちなみに今年のイギリス短距離G1はここまで4レース行われ、キングズスタンドS.をニュージーランド産馬で香港馬のリトルブリッジが、英G1ダイヤモンドジュビリーS.を豪ブラックキャビアが勝っており、オルテンシアを合わせて豪新生産馬が3勝と大活躍しています。

2012年ナンソープS.のレース映像(YouTube)。スタート直後に後方に下げられる、黒の帽子、白の勝負服がオルテンシア。

ナンソープステークス(Coolmore Nunthorpe Stakes)
2012年8月24日、イギリス・ヨーク競馬場、芝5ハロン
2歳以上、G1、19頭、Good、レース結果、1着賞金14万1775ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1オルテンシア
Ortensia
7牝
4.5倍
W.ビュイック57秒6233戦【12-3-4-14】
豪・ドバイ・英でG1を1勝ずつ
2スピリットクォーツ
Spirit Quartz
4セン
15倍
F.デットーリクビ17戦【4-5-3-5】
キングズスタンドS.5着
3ハミッシュマクゴナガル
Hamish McGonagall
7セン
15倍
D.アレン1・1/453戦【10-9-8-26】
2走前同コースの準重賞勝ち

英G1ヨークシャーオークス、JC7着のシャレータがG1初勝利。今年も凱旋門賞へ

8月23日に行われた英G1ヨークシャーオークス(芝12ハロン、3歳以上牝馬)は、逃げたシャレータが1200m地点でワズに先頭をいったん譲りましたが、最後の直線で馬場の真ん中から先頭に立った1番人気ザフューグをゴール直前で首差差し切って優勝し、G1初勝利を挙げました。

英オークス馬ワズが3着、同2着のシロッコスターは4着(ザフューグは同1番人気3着)。このレースで昨年のエリザベス女王杯以来の復帰予定だったダンシングレインは出走見送っています。


シャレータは父シンダー、母シャワラ、母の父バラシアという血統。牝馬G1を2勝したシャワンダの3/4同血であり、ちなみにそのシャワンダの子エンケが前日の英G2グレートヴォルティジュールS.(芝12ハロン)で3着しています。

昨年の凱旋門賞で2着した次走、ジャパンカップにも出走し7着でした。前走6月の仏G1サンクルー大賞はミアンドルから1・1/4馬身差の2着に入り、ガリコヴァ、デインドリームの2頭のG1馬に先着していました。

今年も凱旋門賞出走が検討されていますが、アラン・ド・ロワイエ=デュプレ調教師によるとシャレータは柔らかい馬場を好んでないので馬場状態に条件付きとしています

2012年ヨークシャーオークスのレース映像。埋め込み不可なのでリンク先で。アガカーン殿下の緑と赤の勝負服、シャドウロール装着馬がシャレータ。

ヨークシャーオークス(Darley Yorkshire Oaks)
2012年8月23日、イギリス・ヨーク競馬場、芝12ハロン
3歳以上牝馬、G1、6頭、Good To Firm、レース結果、1着賞金17万5801ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1シャレータ
Shareta
4牝
3倍
C.ルメール
60.3kg
2分33秒87 13戦【4-5-2-2】
重賞2勝目。仏G1ヴェルメイユ賞3着
2ザフューグ
The Fugue
3牝
2.75倍
W.ビュイック
55.8kg
クビ7戦【3-2-1-1】
前走の英G1ナッソーS.1着
3ワズ
Was
3牝
6.5倍
S.ヘファナン
55.8kg
1・3/46戦【2-0-3-1】
G1愛オークス4着、ナッソーS.3着

2012年8月22日水曜日

英G1インターナショナルS.、フランケル Frankel が7馬身差の大楽勝

8月22日に行われた英G1インターナショナルS.(芝10ハロン88ヤード、約2092m)は、マイルより長い距離初出走でも単勝1.1倍に支持されたフランケルはスタートで出遅れ、後方3番手からの競馬になりましたが、最後の直線の残り2ハロンで馬なりのまま先頭に並びかけ、2着に7馬身差をつけて優勝しました。

2012年インターナショナルS.のレース映像(YouTube、埋め込み不可なのでリンク先で)

英G1エクリプスS.でナサニエルに1/2馬身差2着しているファーが2着。前走の英G1キングジョージで1・1/2馬身差3着だったセントニコラスアビーが3着に入っています。

ナサニエルやシリュスデゼーグル、スノーフェアリーら10ハロンの強豪が出走していたとしても今日のフランケルには勝てなかったでしょう。

フランケルの次走は10月20日の英G1クイーンエリザベス2世S.(芝1マイル)かG1英チャンピオンS.(芝10ハロン)のどちらかで、それが引退レースになる予定であると発表されています。米ブリーダーズカップは無し。 ただこの楽勝だと予定も変わるかもしれませんが。凱旋門賞に出るか、オルフェーヴルが英チャンピオンS.に向かうかして対戦してくれないものか。

インターナショナルステークス(Juddmonte International Stakes)
2012年8月22日、イギリス・ヨーク競馬場、芝10ハロン88ヤード
3歳以上、G1、9頭、Good To Firm、レース結果、1着賞金41万1148ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1フランケル
Frankel
4牡
1.1倍
T.クウィリー2分06秒5913戦【13-0-0-0】
英G1サセックスS.など
G1競走9勝目
2ファー
Farhh
4牡
11倍
F.デットーリ77戦【3-3-1-0】
英G1エクリプスS.2着
3セントニコラスアビー
St Nicholas Abbey
5牡
6倍
J.オブライエンハナ16戦【7-2-5-2】
BCターフなどG1競走4勝

英G2グレートヴォルティジュールS.、ソウトワーシーが兄弟制覇

8月22日に行われた英G2グレートヴォルティジュールS.(芝12ハロン、3歳牡セン)は、逃げた英ダービー4着のソートワーシーが英ダービー2着のメインシークエンスの追い込みを首差抑えて重賞初勝利を挙げました。

前走の英G2キングエドワード7世S.(芝12ハロン)でソートワーシーを3着に下していたトーマスチッペンデールは5着。同2着で前走の英G3ゴードンS.(芝12ハロン)を勝っているフランケルの全弟ノーブルミッションは後方から追い込みきれず4着。

13秒台連発のドスローでソートワーシーは残り4ハロンから2ハロンの間で10秒台のラップを刻んでいますから、後ろの馬が届かないのは当たり前。

ソートワーシーは父ダイナフォーマー、母Vignette(英1勝)、母の父ダイイシスという血統。英ダービー4着、キングエドワード7世S.3着からグレートヴォルティジュールS.に挑んでいました。ちなみに全兄ルカルノ4着→2着として1戦はさんでからグレートヴォルティジュールS.を勝ち、続く英セントレジャーも勝っています。

グレートヴォルティジュールS.
(Neptune Investment Management Great Voltigeur Stakes)
2012年8月22日、イギリス・ヨーク競馬場、芝12ハロン
3歳牡セン、G2、6頭、Good To Firm、レース結果、1着賞金89872ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ソートワーシー
Thought Worthy
3牡
10倍
W.ビュイック2分35秒966戦【3-1-1-1】
重賞初勝利
2メインシークエンス
Main Sequence
3牡
2.62倍
T.ダンカンクビ7戦【4-2-0-1】
前走の仏G1パリ大賞4着
3エンケ
Encke
3牡
8倍
M.バルザローナ25戦【2-2-1-0】
英G2ゴードンS.2着

フランケル出走、英インターナショナルS.のネット中継サイト

フランケルが出走する英インターナショナルステークスは日本時間23時40分の発走予定です。以下のサイトのうちどれかで見れると思います。見れなかったらごめんなさい。

http://www.tjk.org/Content/CanliYayin.aspx
(トルコ競馬の公式サイト、ページ上部にフランケルが出走するぞとわざわざ書いてあるので見れるんじゃないかと)

http://www.vipbox.tv/watch/69099/1/channel-4-racing---newyork-live-stream-online.html
http://www.coolsport.tv/stream5.php
(英チャンネル4の競馬中継の勝手配信)

http://com.nicovideo.jp/community/co57827
http://com.nicovideo.jp/community/co1685673
(ニコ生、配信時にはページ上のほうに赤文字で「生放送中」と書かれています。上の配信を直接見るよりこちらを見るほうが元サイトへの負荷が小さくなるのでみんなが幸せになれるはず)


英インターナショナルS 2012 出走馬展望 (International Stakes)(出馬表)

フランケル以外では昨年の覇者で中距離G1を4勝しているトワイスオーヴァー、昨年のBCターフなどこちらもG1を4勝のセントニコラスアビー、エクリプスS.3着のファーなどが有力。

フランケルと同馬主のトワイスオーヴァーは得意のコースでも去年に比べて力は落ちていそうですが。12Fに実績のあるセントニコラスアビーにA.オブライエン調教師はペースメーカーを2頭用意しておりハイペースのスタミナ勝負に持ち込むのでしょう。


ナサニエルはエクリプスS.からキングジョージが中1週だったことと硬い馬場を嫌って回避しました。昨年の凱旋門賞も良馬場で回避した陣営なので。

シリュスデゼーグルは今月7日時点でかかとの負傷が癒えておらず、曳き運動しかしていないという状態だったので回避。10月20日の(昨年ソーユーシンク相手に勝った)英G1チャンピオンS.でフランケルと戦えればと陣営は望んでいるとのこと。

米G1アーリントンミリオン、リトルマイクがG1競走2勝目

8月18日に行われた米G1アーリントンミリオン(芝10ハロン、3歳以上)は、逃げたリトルマイクが直線入り口で後続に5馬身差のセーフティーリードを築き、最後は1・1/2馬身差で逃げ切ってG1競走2勝目を挙げました。レースラップは25.10 - 24.85 - 25.08 - 24.51 - 22.90でちょっと楽に行かせすぎましたね。

5月に伊G1共和国大統領賞2着がある英アフサリが1・1/2馬身差の2着。さらに1・1/2馬身差の3着は2頭同着。共和国大統領賞の勝ち馬クラッカーキングジャックは5着。昨年米G1セクレタリアトS.を勝っている愛ダービー馬トレジャービーチは6着。トレジャービーチは前走の米G1マンノウォーS.も5着で、今年は遠征がうまく行きませんでした。


リトルマイクは父スパニッシュステップス、母ヘイジュード、母の父ウェヴェリングモナークという血統。2走前に米G1ターフクラシックS.(芝9ハロン)を8番人気で逃げ切ってG1初勝利。前走の米G1シューメーカーマイルS.(芝1マイル)も逃げましたが約2馬身差の3着でした。9-10ハロンくらいのほうが良さそうですね。ただ今後はもっとマークされるでしょうし、同型の米芝最強馬アクラメーション相手だとまだ厳しいかもしれません。

父スパニッシュステップスは未出走馬ですが、アンブライドルズソングの全弟だからだと思いますが2005年から種牡馬入りしており、現6歳が初年度産駒。リトルマイクが唯一の米重賞勝ち馬です。

2012年アーリントンミリオンのレース映像。


アーリントンミリオンステークス(Arlington Million Stakes)
2012年8月18日、アメリカ・アーリントンパーク競馬場、芝10ハロン
3歳以上、G1、11頭、レース結果(PDF)、総賞金100万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1リトルマイク
Little Mike
5セン
4.9倍
R.ドミンゲス2分02秒4419戦【11-2-1-5】
重賞5勝
2アフサリ
Afsare
5セン
6.6倍
K.ファロン1・1/214戦【4-5-0-5】
英準重賞2勝
3ラーイズトラダ
Rahystrada
8セン
16.7倍
J.ルパルー1・1/239戦【13-3-8-15】
前走の米G3含む米重賞4勝
3コロンビアン
Colombian
4牡
10.6倍
W.ビュイック同着13戦【3-1-4-5】
英G3ゴードンリチャードS.1着

米G1ビヴァリーD.S.、英アイムアドリーマーがG1初勝利

8月18日に行われた米G1ビヴァリーD.ステークス(芝9.5ハロン、3歳以上牝馬)は、中団につけた英アイムアドリーマーが最終コーナーで外を回って前を捕らえにかかり、残り300mで先頭に立つと外から追い上げた米重賞3勝馬マーケティングミックスをアタマ差抑えて優勝し、G1初勝利を挙げました。

女性騎手のヘイリー・ターナー騎手は米G1初勝利で、それ以前の2勝はどちらも昨年イギリスで挙げています。今回もG1初勝利時のD.シムコック調教師の管理馬でした。


3着のジョヴィアリティも英からの遠征馬。また、独G3勝ち馬で昨年10月の伊G1リディアテシオ賞(芝2000m)3着以来の出走だったカピテールが4着。唯一の3歳馬でA.オブライエン調教師のアップは逃げて6着。

米G1スピンスターS.(AW9ハロン)勝ち馬アルーナが1番人気でしたが、スタートで出遅れ後方のまま最下位に敗れています。地元アメリカ馬は10頭中6頭が出走し、2、5、7、8、9、10着。欧州からの遠征馬は4頭が出走し1、3、4、6着。

欧州馬はそれぞれG1で入着したことはあるとはいえ、たとえば(スノーフェアリーが勝った)同日の仏G1ジャンロマネ賞に出走したG1馬5頭に比べると明かに格下。一方で迎えたアメリカ勢も前走重賞勝ち馬が4頭いたもののマーケティングミックスとアルーナをのぞけばG1実績は欧州馬より少なく、欧州馬が安定して走ったのも当然だったと思います。フミノイマージンが出走していれば勝ったかも。

2012年ビヴァリーD.S.のレース映像。 アイムアドリーマーは2番枠。


ビヴァリーD.ステークス(Beverly D. Stakes)
2012年8月18日、アメリカ・アーリントンパーク競馬場、芝9.5ハロン
3歳牝馬、G1、10頭、レース結果(PDF)、総賞金75万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アイムアドリーマー
I'm A Dreamer
5牝
7.3倍
H.ターナー1分55秒2914戦【5-1-3-5】
加G1E.P.テイラーS.2着
2マーケティングミックス
Marketing Mix
4牝
4.4倍
J.ルパルーアタマ14戦【7-3-1-3】
重賞3勝
今回含め米G1【0-2-0-0】
3ジョヴィアリティ
Joviality
4牝
7.5倍
W.ビュイック3/410戦【2-2-2-4】
英重賞2勝

米G1セクレタリアトS.、仏ベイリルがG1初勝利

8月19日に行われた仏G1セクレタリアトS.(芝10ハロン、3歳)は、フランスからの遠征馬ベイリルがスタートで出遅れましたが、向こう正面で内ラチ沿いから徐々に進出し、直線入り口で前の3頭の外に持ち出されると残り1ハロンで差し切ってG1初勝利を挙げました。クリストフ・ルメール騎手は米G1初勝利。

前走G2ヴァージニアダービー(芝10ハロン)勝ち馬で1番人気に支持されたシルヴァーマックスは逃げて6馬身差5着。他馬より重い斤量と、1,2着馬は半マイル地点で最後方にいた2頭だから展開も少し厳しかったでしょうか。UAEダービー勝ち馬ダディロングレッグズが最下位8着。

ちなみにハットトリック産駒のハウグレートは2着フィネガンズウェイクに米G3アメリカンターフS.で先着したことがありますが、3着のサマーフロントに米G3ヒルプリンスS.で敗れています。


ベイリルは父メディシアン、母バランキヤ(仏1勝)、母の父ダルシャーンという血統のフランス産馬。前走の仏G2ユジェーヌアダム賞(芝2000m)で重賞初出走初勝利していました。5戦して1回しか負けていないので今後が楽しみですが次走は不明。

2012年セクレタリアトS.のレース映像。外から2頭目の発走がベイリル。


セクレタリアトステークス(Secretariat Stakes)
2012年8月19日、アメリカ・アーリントンパーク競馬場、芝10ハロン
3歳、G1、8頭、レース結果(PDF)、総賞金50万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ベイリル
Bayrir
3牡
4.2倍
C.ルメール2分02秒925戦【4-0-0-1】
重賞2連勝
2フィネガンズウェイク
Finnegans Wake
3牡
9.5倍
J.レスカノ1・1/49戦【2-1-2-4】
前走G2ヴァージニアD.3着
3サマーフロント
Summer Front
3牡
3.6倍
R.ドミンゲス1・1/48戦【5-1-1-1】
米G3ヒルプリンスS.1着

米G1アラバマS.、クエスティングが9馬身差圧勝でG1連勝

8月18日に行われた米G1アラバマS.(ダート10ハロン、3歳牝馬)は、1-4番人気の4頭が5番手以下を大きく離して先行すると、逃げた2番人気クエスティングが最終コーナーで後続を徐々に引き離し始め最後は9馬身差をつけて圧勝しました。

4番手追走のインランジェリーが2着。後方追走のヴィアヴィラッジオがさらに8馬身差の3着。米G1マザーグースS.勝ち馬ゾーインプレッシヴが4番人気4着。前走の米G2デラウェアオークス(ダート8.5ハロン、3歳牝馬)でヴィアヴィラッジオに3・3/4馬身差をつけて勝っていたグレースホールは1番人気5着でした。ちなみにインランジェリーとグレースホールはどちらもエンパイアメーカー産駒です。


クエスティングは父ハードスパン、母シャシュエーズ(仏準重賞2勝)、母の父シーキングザゴールドという血統のイギリス産馬。父は米国繋養種牡馬で、シャシュエーズがハードスパンの子を受胎したままイギリスに移動して産まれたのがクエスティングです。

デビューから3戦はイギリスで走り、7ハロンの英2歳G3を2戦して、いずれも1/4馬身差の3着と2着。BCジュベナイルフィリーズ5着後は米移籍しており、前走の米G1 CCAオークス(ダート9ハロン、3歳牝馬)はそれ以来4走振りの重賞出走で優勝していました。ダートはこれで3戦3勝でアメリカに移ったのは大正解でしたね。

前日に負傷してという20歳のオルティズ騎手は「(22.84 - 46.01 - 1.09.74のペースについて)そんなに速いとは感じませんでした。(クエスティングは)ずっとリラックスして走っていました」とのこと。

マクローリン調教師によると次走は9月22日の米G1コティリオンS.が有力なようですが、オーナー・ゴドルフィンのレーシングマネージャーと相談してからとのこと。どこかのタイミングで牡馬混合戦にも出走してほしいなと。

(ゾーインプレッシブはレース後、右前足の骨折が判明し命にかかわる症状ではないもののこのまま引退する可能性がある程度の症状だそうです)

2012年アラバマS.のレース映像。6番ゲート、青の勝負服がクエスティング。


アラバマステークス(Alabama Stakes)
2012年8月18日、アメリカ・サラトガ競馬場、ダート10ハロン
3歳牝馬、全馬同斤量、G1、7頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金60万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1クエスティング
Questing
3牝
3.2倍
I.オルティズ2分01秒299戦【4-1-1-3】
英G3オーソーシャープS.2着
2インランジェリー
In Lingerie
3牝
7.1倍
J.ヴェラスケス96戦【3-2-1-0】
G3G2を1勝ずつ
前走CCAオークス3着
3ヴィアヴィラッジオ
Via Villaggio
3牝
13.1倍
C.ナカタニ813戦【3-4-4-2】
米G3レイルバードS.1着

米G1ソードダンサー招待S.、ポイントオブエントリーがG1連勝

8月18日に行われた米G1ソードダンサー招待S.(芝12ハロン、3歳以上)は、逃げた2番人気ターボコンプレッサーの2,3馬身後ろを内ラチ沿いで追走した1番人気のポイントオブエントリーが残り1ハロン強で前3頭に並びかけると2着を4馬身突き放して優勝し、米G1マンノウォーS.(芝11ハロン)に続きG1連勝しました。

ターボコンプレッサーは直線入り口で力尽きて最下位9着。マンノウォーS.2着で2番手追走したセンターディヴァイダーは7着、同3着のタホーレイクは5着でした。

ポイントオブエントリーとターボコンプレッサーは約55.8kg、4着のニュースダッドが約54.4kg、ほかの6頭が約52.6kgという斤量で、3着馬ブリリアントスピードは近走いまいちでも昨年のBCターフ3着馬。この条件で楽勝したポイントオブエントリーはアクラメーションと並んで、BCターフに挑むトレイルブレイザーのアメリカ最大のライヴァルとなりそうです。


ポイントオブエントリーは父ダイナフォーマー、母マトラチャパス(米3戦2勝)、母の父シーキングザゴールドという血統。半姉に米G1を2勝したパインアイランド。最新の記事で栗山求さんがお書きになっていることであり、私は @masaminh さんのツイートで気づいたのですが、ポイントオブエントリーとバーディバーディとはそっくりな血統です。

次走は9月29日の米G1ジョー・ハーシュ・ターフクラシックS.(芝12ハロン)になる模様。

ソードダンサー招待S.のレース映像。2番枠、赤の帽子、黒の勝負服がポイントオブエントリー。


ソードダンサー招待ステークス(Sword Dancer Invitational Stakes)
2012年8月18日、アメリカ・サラトガ競馬場、芝12ハロン
3歳以上、G1、9頭、Firm、レース結果(PDF)、総賞金60万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ポイントオブエントリー
Point of Entry
4牡
2.4倍
J.ヴェラスケス
55.8kg
2分26秒4013戦【6-2-1-4】
重賞3連勝
2アルカリ
Al Khali
6牡
8.2倍
J.アルヴァラード
52.6kg
432戦【7-4-5-16】
前走含む米芝G1で3着2回
3ブリリアントスピード
Brilliant Speed
4牡
6.5倍
J.カステリャーノ
52.6kg
2・1/219戦【3-3-6-7】
米G1ブルーグラスS.1着
昨年のBCターフ3着

米G1デルマーオークス、レディオブシャムロックがG1連勝

8月18日に行われた米G1デルマーオークス(芝9ハロン、3歳牝馬)は1番人気レディオブシャムロックが最後方追走から3コーナーで大外を回って進出すると、同じく後方を追走した9頭立て9番人気ストーミールーシーを半馬身抑えて優勝し、前走の米G1アメリカンオークスに続きG1を連勝しました。

3月の米G1ラスヴァージネスS.(ダート1マイル、3歳牝馬)3着馬オープンウォーターが8番人気で3着に入り1着以外は波乱の結果に。同勝ち馬で芝初出走だった前走のG2サンクレメンテH.も勝っていたエデンズムーンが2番人気5着。アメリカンオークス2着馬マイジージーは3番人気4着。同3着ベストプレゼントエヴァーは4番人気9着。5番手以降を追走した馬が上位4頭独占だから逃げたエデンズムーンには厳しい展開だったのでしょう。


レディーオブシャムロックは父スキャットダディ、母ブラッシングイシュー(米3戦未勝利)、母の父ブラッシングジョンという血統。スキャットダディは昨年の米新種牡馬リーディングサイヤーでレディオブシャムロックのアメリカンオークスが産駒のG1初勝利でした。

重賞5戦して3勝目で、マイク・スミス騎手が騎乗した芝重賞に限ると3戦3勝です。次走は9月29日の米G1ロデオドライヴS.(旧イエローリボンS.、芝10ハロン)か10月13日の米G1クイーンエリザベス2世チャレンジカップ(芝9ハロン、3歳牝馬)の予定

2012年デルマーオークスのレース映像。2番枠がレディオブシャムロック。


デルマーオークス(Del Mar Oaks)
2012年8月18日、アメリカ・デルマー競馬場、芝9ハロン
3歳牝馬、全馬同斤量、G1、9頭、Firm、レース結果(PDF)、総賞金30万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1レディオブシャムロック
Lady of Shamrock
3牝
2.0倍
M.スミス1分46秒3010戦【6-1-1-2】
G1競走2勝目、G3を1勝
2ストーミールーシー
Stormy Lucy
3牝
44.1倍
M.ペドロザ1/211戦【4-1-1-5】
G3で3着
3オープンウォーター
Open Water
3牝
26.7倍
A.デルガディロ2・1/29戦【2-1-3-3】
G2サンクレメンテH.2着

スノーフェアリー、エリザベス女王杯3連覇は目指さず米BCへ

今年初出走だった8月19日の仏G1ジャンロマネ賞を勝ったスノーフェアリーについて、管理するE.ダンロップ調教師が「彼女は日本ですでに2回勝っている。もう一度出走する必要があるだろうか? 」と述べ、今年はエリザベス女王杯に出走しない意向であることを明らかにしました。

At The Races - Dunlop eager for Breeders' trip


「彼女はスノーフェアリーであって、並みの馬とは違う。だから(9月8日の)G1愛チャンピオンS.でも間隔が詰まりすぎているとは思わない。これから状態を見て、たくさんある選択肢から計画を立てます。」「昨年の凱旋門賞で素晴らしく印象的だったデインドリームは今年"キングジョージ"も勝った。凱旋門賞はオプションのひとつだが、米ブリーダーズカップのことも考えています。」「彼女は日本ですでに2回勝っている。もう一度そこに戻って出走する必要はない。だからブリーダーズカップを目指すつもりであり、その前に仏G1ヴェルメイユ賞へ向かうかもしれない」


スノーフェアリーはすでに英・愛・日・香港・仏でG1を勝っているのでBCも制した場合、6カ国でG1勝利となります。

スノーフェアリーがBCのどのレースを目指すかは言明されていませんが、BCターフ(芝12ハロン、11月3日)かBCフィリー・アンド・メア・ターフ(芝11ハロン、同2日)の2択で、スノーフェアリーなら前者でも勝てる可能性は十分高く、後者なら確勝です。

スノーフェアリーはBC産駒登録がされていないため10万ドルの追加登録料が必要。そのほかにBCターフであれば9万ドルの、BCフィリーアンドメアターフであれば6万ドルの出走登録料も必要です。ただし10月22日までに追加登録し、BCチャレンジレース(よく見かける"Win and You're In"というレース)である愛チャンピオンS.を勝てばBCターフの、仏G1オペラ賞を勝てばBCフィリーアンドメアターフの出走登録料は免除され、遠征費用として2万ドルの補助も提供されます。

というわけで今後のローテーションは「9/8愛チャンピオンS.  or 9/16ヴェルメイユ賞」→「10/7旋門賞 or 同日オペラ賞」→11/2・3米ブリーダーズカップでしょう。ちなみに昨年は7月のナッソーS.で2着したあと、9/3愛チャンピオンS.2着、10/2凱旋門賞3着、10/15英チャンピオンS.3着、11/13エリザベス女王杯1着と走りました。


出来ればその後はジャパンカップに出走してほしいですけどね。ダンロップ調教師は2年連続でウィジャボードをBCフィリーアンドメアターフ→ジャパンカップと使ったことがあります。JCに出ないにしてもオペラ賞ではディープインパクト産駒で仏1000ギニー勝ち馬のビューティーパーラーと、BCターフでトレイルブレイザーと対戦する可能性があるのでこれも楽しみです。

2012年8月19日日曜日

仏G1ジャンロマネ賞、エリザベス女王杯以来のスノーフェアリーが優勝

8月19日に行われた仏G1ジャンロマネ賞(芝2000m、3歳以上牝馬)は昨年のエリザベス女王杯以来の今季初出走だったスノーフェアリーが後方3、4番手を追走すると、最後の直線で最後方追走イジートップに外から並ばれましたが追い比べを制して優勝しました。

英G1ファルマスS.(芝1マイル)の勝ち馬で1番人気だったジオフラは6着。

追記
ジャンロマネ賞は薬物規定違反のため、優勝が取り消されました。イジートップが繰り上がり優勝です。この記事のここより下部は取り消し前のものをそのまま掲載しています。
追記ここまで

スノーフェアリーは父インティカブ、母ウッドランドドリーム、母の父チャーンウッドフォレストという血統。一昨年の3歳時に英オークス愛オークス、エリザベス女王杯、香港カップとG1を4勝。昨年はエリザベス女王杯の1勝のみでしたが、愛チャンピオンS.でソーユーシンクに1/2馬身差に迫るなどしていました。

いくら休み明けとはいえ単勝6倍は付きすぎ。17日時点の記事では「愛チャンピオンS.、英チャンピオンS.、凱旋門賞に登録しています。またBCも登録しており、今後の選択肢はたくさんあります」と述べられているだけなので、エリザベス女王杯3連覇を目指すと決めているわけではなさそうです。来て欲しいですけどね。

2012年ジャンロマネ賞の連続写真。レース映像

Darley Prix Jean Romanet - Snow Fairy 投稿者 Booooooma

ジャンロマネ賞(DARLEY PRIX JEAN ROMANET)
2012年8月19日、フランス・ドーヴィル競馬場、芝2000m
3歳以上牝馬、G1、9頭、レース結果、総賞金25万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1スノーフェアリー
Snow Fairy
5牝
6倍
R.ムーア2分06秒3020戦【8-4-4-4】
G1競走6勝目
2イジートップ
Izzi Top
4牝
7.5倍
W.ビュイック3/411戦【5-2-2-2】
愛G1プリティーポリーS.1着
昨年のG1英オークス3着
3ガリコヴァ
Galikova
4牝
3.5倍
O.ペリエ1/210戦【5-1-2-2】
仏G1ベルメイユ賞1着

仏G1モルニー賞、レックレスアバンダンが重賞3連勝でG1初勝利

8月19日に行われた仏G1モルニー賞(芝1200m、2歳)は、英仏で重賞連勝中だったレックレスアバンダンが先行しラチ沿いから抜け出すと3/4馬身差をつけて勝ちました。これで4戦4勝、重賞3勝目でG1初勝利です。

A.オブライエン調教師の2頭ジョージヴァンクーヴァーとパーリアメントスクエアが9番人気と10番人気の人気薄で2,3着に入っています。(といっても20倍強ですが)

ハットトリック産駒で前走準重賞を勝っているゼンジ Zenji は3番人気に支持されましたが中団のまま8着に終わりました。


レックレスアバンダンは父エクスチェンジレイト、母サントエレナ(英2勝)、父の父エフィシオという血統英G2ノーフォークS.(芝5ハロン)、仏G2ロベールパパン賞(芝1100m)の勝ち馬です。


2012年モルニー賞の連続写真

モルニー賞(Darley Prix Morny)
2012年8月19日、フランス・ドーヴィル競馬場、芝1200m
2歳、牡57kg、牝G1、11頭、レース結果、35万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1レックレスアバンダン
Reckless Abandon
2牡
2.4倍
G.モッセ1分09秒604戦【3-0-0-0】
重賞3勝目
2ジョージヴァンクーヴァー
George Vancouver
2牡
22倍
R.ムーア3/44戦【1-1-0-2】
重賞初出走
3パーリアメントスクエア
Parliament Square
2牡
21倍
W.ビュイック短クビ6戦【2-0-2-2】
前走愛準重賞勝ち

スノーフェアリーがジャンロマネ賞で復帰。同日2歳G1にハットトリック産駒が出走

8月19日に行われる仏G1ジャンロマネ賞(ドーヴィル競馬場・芝2000m、3歳以上牝馬)にスノーフェアリーが出走する予定です。出走すれば昨年のエリザベス女王杯1着以来のことです。

ジャンロマネ賞出走馬一覧 - France Galop

英G1ファルマスS.(芝1マイル)の勝ち馬ジオフラ、昨年の同レース勝ち馬で前走の英G1ナッソーS.(芝約10ハロン)2着馬タイムピース、愛G1プリティーポリーS.(芝10ハロン)勝ち馬イジートップ、昨年の仏G1ヴェルメイユ賞(芝2400m)勝ち馬ガリコヴァと計5頭のG1馬が出走予定です。

完調ならそれでもスノーフェアリーが抜けていると思いますが。


また同日行われる仏2歳G1モルニー賞(ドーヴィル・芝1200m)にハットトリック産駒で前走フランスの準重賞を勝ったゼンジが出走予定です。イギリスとフランスで重賞を連勝しているレックレスアバンダンが最大のライバルとなるでしょう。ほかにも重賞勝ち馬が3頭います。

モルニー賞出走馬一覧 - France Galop

昨年のこのレースはダビルシムが制しており、ゼンジにはハットトリック産駒による2連覇がかかっています。

2012年8月14日火曜日

武豊騎手、フランス準重賞で吉田照哉氏所有の最低人気馬に乗り3着。勝己氏のバラダセールが仏初戦7着

武豊騎手がシャーガーカップ後の12日と13日にフランスで騎乗しました。騎乗成績は次のとおり。

月日 競馬場 - 距離 騎乗馬 着順/頭数 人気
8/12 ドーヴィル 8R AW1900m 条件戦 Negramaro 9着/15頭 12番人気
8/13 クレールフォンテーヌ 1R 芝1800m 条件戦 Ultra Appeal 11着以下
18頭
10番人気
同上 同上 4R 芝1800m 準重賞 Gypsy Highway 3/9頭 9番人気

13日の2レースはどちらも吉田照哉氏の所有馬。また12日の Negramaro は川田騎手が7月4日にAW2400m戦で騎乗して7番人気5着しています。


13日の第4レースは準重賞の"Prix Luth Enchantée"。4歳以上牝馬限定で、2012年3月以降に準重賞1着または重賞2,3着のある馬は出走不可という条件のレースです。出走馬のうち1頭は昨年9月に、1頭は今年1月に準重賞を勝っています。

武豊騎手が騎乗したジプシーハイウェイ Gypsy Highway は好スタートから逃げると途中で勝ち馬の Nid d'Amour に先頭を譲りましたが2番手で最後の直線に向き3着に粘っています。

ジプシーハイウェイは吉田照哉氏の生産所有馬で2010年に仏2歳G3ミエスク賞2着しました。2011年は12月に1走のみ。今年はすでに3走しており、2走前の条件戦でルメール騎手が騎乗して1年半年振りの通算2勝目を挙げていましたが、上のクラスに上がった前走の芝1850m戦に再びルメール騎手で出走すると8着に終わっていました。人気がないのは当然、ただ「復活」しても不思議ではない成績で、騎乗できたタイミングも良かったでしょう。

ちなみにこのレースの1番人気馬は昨年のアルゼンチン3歳牝馬2冠バラダセールで、C.スミヨン騎手が騎乗し、G2 UAEダービー6着以来の出走で7着でした。他馬より1.5kg重い斤量で出走しており、これは2011年1月以降に重賞勝ちがあるため規定により2kg増、南半球産のため0.5kg減ということかなと思います。

昨年11月に亜G1セレクシオン大賞(ダート2000m)11馬身差圧勝すると12月に吉田勝己氏が購入しています。芝のデビュー戦で負けたあとダートで5戦し無敗の5勝。重賞3勝含めいずれも楽勝・圧勝だった名牝を芝がメインのフランスで走らせる理由が分からなくて、アメリカのダートでいいじゃないかと思うのですが、勝己氏一流の考えがあるのでしょうか。

亜G1ドスミルギネアス大賞、ジョニーギターが兄弟制覇

8月4日に行われた亜G1ドスミルギネアス大賞(芝1600m、3歳牡)は、前走この競馬場の亜G1グランクリテリウム大賞(芝1600m、2歳)を8馬身差で圧勝し単勝1.3倍と圧倒的1番人気に支持されたウイニングプライズが2番手追走から残り300mあたりで一度は抜け出しましたが、直後を追走していた2番人気ジョニーギターが残り1ハロン過ぎで交わし、最後は2・1/2馬身差をつけて優勝しました。



前走の条件戦でジョニーギターに先着していたミュージックバンが3着に入っています。3戦3勝で、前走ジョニーギターを負かしていたダブリーマスターが4着。ヨハネスブルグ産駒の Chamuyero John は7番人気で最下位8着。


ジョニーギターは父ロード、母ジョリーカレス(1戦未勝利)、母の父セプティエムシエルという血統。これが重賞初勝利です。全兄のジョールイス Joe Louis も2006年にこのレースを制しています。

ウイニングプライズは2ヵ月半ぶりが良くなかったでしょうか。2頭の次走は不明。

2012年ドスミルギネアス大賞のレース映像。


ドスミルギネアス大賞(Gran Premio Dos Mil Guineas)
2012年8月4日、アルゼンチン・サンイシドロ競馬場、芝1600m
3歳牡、全馬56kg、G1、8頭、Heavy、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ジョニーギター
Johnny Guitar
3牡
6.95倍
P.Falero1分39秒757戦【2-2-1-2】
準重賞2着2回
2ウイングプライズ
Winning Prize
3牡
1.35倍
J.Ricardo2・1/25戦【3-1-0-1】
芝G1を2勝
3ミュージックバン
Music Van
3牡
10.65倍
J.Ruiz Diaz27戦【2-2-2-1】
重賞初出走

亜G1ミルギネアス大賞、エンプレスジャッキーがG1初勝利

8月4日に行われた亜G1ミルギネアス大賞(芝1600m、3歳牝馬)は、2番手追走したエンプレスジャッキーが残り600mの最後の直線入り口で2馬身ほど抜け出すとその差を保ったままゴールして優勝し、G1初勝利を挙げました。

前走の亜G1ホルヘデアトゥーチャ大賞(ダート1500m、2歳牝馬)2着馬で前々走の亜G1エストレジャス大賞ジュベナイルフィリーズ(ダート1600m、2歳牝馬)3着だったサンドパースが芝初出走で2着。後者6着だったガーリーが3着。

亜G1ポトランカス大賞(芝1600m、2歳牝馬)勝ち馬キャンディネバダは出走取り消し。同2着の1番人気サンデーナイトは4着。(サンデーナイトのオッズは同馬主のもう1頭とカップルなので、0.2倍差のエンプレスジャッキーが実質1番人気かも)


エンプレスジャッキーは父サザンヘイロー、母エンジョイラブ(4戦2勝、亜G2勝ち)、母の父オーペンという血統。ヘイローの2×5。サンドパースとはダートG1で2度対戦し2度とも先着されていましたが、芝での初対戦で逆転しました。

2走前にダートG3で重賞初勝利を挙げています。次走は9月に行われるアルゼンチン1000ギニー相当のG1ポージャ・デ・ポトランカス(ダート1600m)に向かうとのこと。ところでミルギネアス大賞は直訳すると「1000ギニー大賞」とややこしいので注意。

ちなみに昨年のミルギネアス大賞は母の父サザンヘイローのストーミーニングナが勝っています。

2012年ミルギネアス大賞のレース映像。


ミルギネアス大賞(Gran Premio Mil Guineas)
2012年8月4日、アルゼンチン・サンイシドロ競馬場、芝1600m
3歳牝馬、全馬56kg、G1、8頭、Heavy、レース結果

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1エンプレスジャッキー
Empress Jackie
3牝
3.0倍
A.Giannett1分39秒857戦【3-0-0-4】
G1で4着2回(うち1回は芝)
2サンドパース
Sand Puce
3牝
3.75倍
R.Blanco2・1/25戦【1-2-2-0】
G1で2着2回3着2回
3ガーリー
Girlie
3牝
3.95倍
A.Domingos1/25戦【1-1-1-2】
前走G1で6着

シャーガーカップ、世界選抜チームが優勝。武豊、C.デムーロ、C.サザーランドの3騎手が騎乗停止

8月11日に行われたシャーガーカップは武豊騎手がキャプテンを務めた世界選抜チームがポイント獲得数で他3チームを大きく離して優勝しました。武騎手は24ポイントで個人成績4位。チャドウィック騎手が2位以下をぶっちぎる45ポイントでシルバーサドル賞(最多ポイント獲得騎手)を獲得しています。

「シャーガーカップ」武 豊騎手の騎乗成績 - JRA

全騎手×全レース結果は「2012 シャーガーC Shergar Cup」をどうぞ。


武豊騎手が騎乗した全4レースの成績は次のとおり。レース名はレース映像へのリンクで、黄色一色の帽子が武騎手です。
レース名 距離 騎乗馬 着順(ポイント) 着差 人気
SCステイヤーズ 2マイルBecausewecan5着(3P)6・1/46人気
SCダッシュ 直5ハロンAhtoug3着(7P)1/27人気
SCクラシック 12ハロンAhzeemah2着(10P)14人気
SCチャレンジ 12ハロンLife and Soul7着(0P)8・1/25人気
*SC=シャーガーカップ
上2レースは同オッズの馬がもう1頭ずついました。

第1レース「SCマイル」で騎乗予定馬(取り消し時点でおそらく2番人気、もしかすると僅差3番人気)がゲート入りを拒んで競走除外となり4ポイントが与えられています。第2レースの「SCステイヤーズ」でも前走同じコース、同じクラスで2着していた前日1番人気馬が取り消して補欠馬での出走でした。

仮に第1レースと第2レースで武騎手が1勝2着1回し、両レースで2着だったチャドウィック騎手がどちらも3着に下がっていれば武騎手が個人トップだったのですが。しかし武騎手がその2レースで2着2回だったとしても2ポイント届かないくらいチャドウィック騎手の無双だった1日でした。


ちなみにシャーガーカップにおいて武豊、クリスチャン・デムーロ、シャンタル・サザーランドの3騎手が鞭の過剰使用により、8月25日から8月28日までの4日間騎乗停止になっています(BHA英国競馬統括機構のサイト、サザーランド騎手の「Saturday 25(25日土曜日)」となるべきところが誤って「Saturday 2」と記載されているので注意)。日本での適用期間は今後JRAから発表されます。

キングジョージでも上位3頭のA.シュタルケ、W.ビュイック、J.オブライエンが同じ理由で騎乗停止を課され、たとえばシュタルケ騎手は独オークスで勝ったサロミナに騎乗出来ませんでしたが、ほんとにつまらないルールですね。

2012年8月13日月曜日

独G1バイエルン大賞、テミーダがG1初勝利

8月12日に行われた独G1バイエルン大賞(芝2400m、3歳以上)は、6頭立て5番手を追走した最低人気テミーダが最終コーナーで最内を回って前との差をつめると、逃げた昨年の勝ち馬アールオブティンスダルらを並ぶ間もなく差し切って優勝しG1初勝利を挙げました。

G2伊ダービー勝ち馬でG1独ダービー10着、独G1ダルマイヤー大賞5着のフォイアーブリッツが2着。アールオブティンスダルが1番人気3着。独ダービー4着のバルチックロックが2番人気5着でした。


テミーダは父オラトリオ、母インテリムペイメント、母の父レッドランサムという血統で、母の半弟に米G1馬ミッドシップス。オラトリオ産駒4頭目のG1馬です。昨年の独1000ギニー3着馬で同年10月に伊G3ヴェルツィエレ賞(芝2000m)で重賞初勝利を挙げました。今年に入ってからは2200mのドイツ準重賞を2、1着しており好調だったのかもしれませんが、昨年9月の独G3ケルン秋季牝馬賞(芝2200m)で6着に終わっているので、G1初出走、2400m初出走のバイエルン大賞で全然人気がなかったのも当然です。

次走はデインドリームおよび独G1ダルマイヤー大賞8馬身差圧勝したパストリオスも予定している独G1バーデン大賞(芝2400m)に向かう模様独G1ベルリン大賞1着後にバーデン大賞へと述べていた仏ミアンドル陣営はやはりニエル賞へ向かうようです。

2012年バイエルン大賞のレース映像。


バイエルン大賞
(Wettkontor München - Großer Preis von Bayern (vormals Rheinland-Pokal))
2012年8月12日、ドイツ・ミュンヘン競馬場、芝2400m
3歳以上、G1、6頭、レース結果、総賞金15万5000ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1テミーダ
Temida
4牝
14.5倍
F.ミナリク
58.5kg
2分26秒8310戦【4-2-1-3】
重賞2勝目
2フォイアーブリッツ
Feuerblitz
3牡
8.7倍
A.スボリッチ210戦【2-4-1-3】
G2伊ダービー1着
3アールオブティンスダル
Earl Of Tinsdal
4牡
2.1倍
E.ペドロザ311戦【5-2-2-2】
G1競走2勝前走G1で2着

愛G1フェニックスS.、ペドロザグレートが優勝

8月12日に行われた愛G1フェニックスS.(芝6ハロン、2歳牡牝)は後方を追走した4番人気ペドロザグレートが残り1ハロンで抜け出すと2着に2・3/4馬身差をつける快勝で重賞初勝利を挙げました。A.オブライエン調教師はこのレースなんと12勝目。

前走の愛G2レイルウェイS.で5着だったペドロザグレートに5馬身差をつけて勝っていたプロバブリーが1番人気でしたが4着。同2着で僅差2番人気のクリストフォロコロンボは同馬主のプロバブリーを交わそうとして進路が狭くなりJ.オブライエン騎手が落馬しています。人馬ともに大きな怪我はないそうです。前走英G3モールコムS.勝ち馬バングルインザジャングルが5着。

ちなみに6頭立て4,5,6番人気で決着しました。


ペドロザグレートは父ヘンリーザナヴィゲーター、母グラティサント(英G3勝ち)、母の父レインボウクエストという血統で、半兄に英2000ギニー勝ち馬フットステップスインザサンドがいます。同産駒初のG1勝ち馬となりました。

ヘファナン騎手「前走5着時に私たちは馬場(Soft to Heavy)に敗因を求めましたが、(今回 Soft の馬場で勝ったので)私が下手に乗っていたのかもしれません」と述べています。オブライエン調教師によると次走は9月15日の愛G1ナショナルS.の予定。クリストフォロコロンボは切り傷があるとのことで少し間隔が開くかもしれません。

2012年フェニックスS.のレース映像(要登録)。

フェニックスステークス(Keeneland Phoenix Stakes)
2012年8月12日、アイルランド・カラ競馬場、芝6ハロン
2歳牡牝、G1、6頭、Soft、レース結果、1着賞金11万0200ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ペドロザグレート
Pedro The Great
2牡
11倍
S.ヘファナン1分19秒054戦【2-0-0-2】
重賞2戦目
2レイターモア
Leitir Mor
2牡
13倍
K.マニング2・3/47戦【0-5-1-1】
英G2コヴェントリーS.7着(22頭)
3ロティードッド
Lottie Dod
2牝
26倍
P.スマレン1・3/45戦【0-2-1-2】
準重賞5着。重賞初出走

仏G1ジャックルマロワ賞、エクセレブレーションがG1競走2勝目

8月12日に行われた仏G1ジャックルマロワ賞(芝1600m、3歳以上)は、1番人気のエクセレブレーションが先行し、残り200mで逃げたイルーシヴケイトとそれに並びかけていたシティースケープを交わすと最後は1・1/4馬身差をつけて快勝して、昨年の仏G1ムーランドロンシャン賞(芝1600m、3歳以上)以来となるG1競走2勝目を挙げました。

騎乗予定だったR.ムーア騎手が2レース前に落馬したためスミヨン騎手に乗り替わっていました。A.オブライエン調教師はこのレース初勝利。

昨年8着のシティースケープが2着に、前走の仏G1ロートシルト賞(芝1600m)勝ち馬イルーシヴケイトが3着に粘っています。仏G1モーリスドゲスト賞(芝1300m)1着から連闘で出走したムーンライトクラウドは後方で少し不利もあり4着まで。昨年の勝ち馬イモータルヴァースは8着に終わっています。


エクセレブレーションは父イクシードアンドエクセル、母サンシャワー(1戦未勝利)、母の父インディアンリッジという血統のアイルランド産馬。この勝利で13戦7勝2着4回3着1回としました。敗れた6戦のうちデビュー戦4着を除く5戦の勝ち馬はいずれもフランケルで、他に1頭に先着されたことがあるだけです。

今後は9月の仏G1ムーンランドロンシャン賞と10月の英G1クイーンエリザベス2世S.(芝1マイル)のどちらか、または両方を使う予定であるとのこと

2012年ジャックルマロワ賞の連続写真。レース映像。紫の勝負服がエクセレブレーション。

12.08.2012 Deauville (FR) 5.Race Prix Jacques le... 投稿者 HorseRaceSports

ジャックルマロワ賞(Prix du Haras de Fresnay-le-Buffard - Jacques le Marois)
2012年8月12日、フランス・ドーヴィル競馬場、芝1600m
3歳以上、G1、11頭、レース結果、総賞金60万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1エクセレブレーション
Excelebration
4牡
3.2倍
C.スミヨン
59kg
1分34秒6013戦【7-4-1-1】
G1【2-3-1-0】
2シティースケープ
Cityscape
6牡
26倍
J.ドイル
59kg
1・1/420戦【6-8-1-5】
G1ドバイDF1着
3イルーシヴケイト
Elusive Kate
3牝
6.8倍
F.デットーリ
54.5kg
クビ9戦【5-1-1-2】
仏G1マルセルブサック賞1着

2012年8月11日土曜日

伯G1ロベルト&ネルソン・グリマルディ・セアブラ大賞、ラディフェンスが重賞初勝利

8月4日に行われたブラジルG1ロベルト&ネルソン・グリマルディ・セアブラ大賞(芝2000m、4歳以上牝馬)は、3番手追走の9番人気ラディフェンスが最後の直線入り口で最内を抜け出すと、後方から追いこんだラフランセズをクビ差抑えて優勝し、重賞初勝利をG1で挙げました。

2000mのG1で2着がある Vanua Levu が1番人気でしたが約4馬身差8着。


ラディフェンスは父ワイルドイヴェント、母Dear Celina(未出走)、母の父ロワノルマンドという血統。母の半兄 Art Variety は伯2歳G1ジョッキー・クラブ・ブラジレイロ大賞(芝1600m)の勝ち馬で、後に米G3で3着3回しています。

2走前の伯G1ディアーナ大賞(芝2000m、3歳牝馬)で3着。前走の伯G1ゼリア・ゴンザガ・ペイショト・デ・カストロ大賞(芝2400m、3歳牝馬)は5着に敗れていました。今回の勝利でデビューからの3勝すべて2000mです。

2012年ロベルト&ネルソン・グリマルディ・セアブラ大賞のレース映像。10番枠、青と白の勝負服がラディフェンス。


ロベルト&ネルソン・グリマルディ・セアブラ大賞
(Grande Premio Roberto E Nelson Grimaldi Seabra)
2012年8月4日、ブラジル・ガヴェア競馬場、芝2000m
4歳以上牝馬、南半球4歳58kg、北半球4歳59kg、5歳以上59kg
G1、14頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ラディフェンス
La Defense
4牝
19.2倍
M.Cardoso
58kg
1分59秒5910戦【3-2-3-2】
重賞初勝利
2ラフランセズ
La Francaise
4牝
8.7倍
M.Mazini
58kg
クビ8戦【2-4-1-1】
G2で2着1回
3ジェットクイーン
Jet Queen
4牝
3.5倍
V.Borges
58kg
3/411戦【3-1-3-4】
G1で3着2回目
前走2000mG2で3馬身差勝ち

アントレラベイビー、アグネスゴールド産駒2頭目のブラジル重賞勝ち馬に。

8月4日に行われたブラジルG3ジョアオ・アデマール・デ・アルメイダ・プラド大賞(芝1600m、3歳牝馬)は後方を追走した3番人気アントレラベイビーが残り100mで差し切って優勝し重賞初勝利を挙げました。

ブラジルG1イメンシティ大賞(芝1600m、2歳牝馬)で4馬身差3着だったスターマジックがアントレラベイビーから3/4馬身差の2着に、また同4着だったアフターロードが1番人気4着に入っています。


アントレラベイビーは父アグネスゴールド、母オンユアオウン(未出走)、母の父キャンディストライプスという血統のブラジル産馬。半姉がブラジルG2勝ち馬。デビュー戦2着の後、2連勝していました。

アントレラベイビーはアグネスゴールドのブラジルにおける初年度産駒で、すでに重賞2勝しているエネルジアエレガンテに続き同産駒2頭目のブラジル重賞勝ち馬となりました。ちなみに今シーズンに予定されている種付け相手に2010-2011シーズン最優秀2歳牝馬でG1を3勝しているアルタヴィスタ(血統)も含まれるとのこと

次走は不明ですが、9月9日にサンパウロ・ジョッキー・クラブ3歳牝馬3冠の第1戦、G1 GP Barao de Piracicaba(芝1600m、3歳牝馬)があるのでこれに出走するかもしれません。

2012年ジョアオ・アデマール・デ・アルメイダ・プラド大賞のレース映像。ゲート向かって左から5頭め、赤の帽子、青と白の勝負服がアントレラベイビーです。


ジョアオ・アデマール・デ・アルメイダ・プラド大賞
(Grande Premio Joao Adhemar E Nelson De Almeida Prado)
2012年8月4日、ブラジル・ガヴェア競馬場、芝1600m
3歳牝馬、G3、11頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アントレラベイビー
Antonella Baby
3牝
4.3倍
D.Duarte1分33秒444戦【3-1-0-0】
重賞初出走
2スターマジック
Star Magic
3牝
4.1倍
V.Leal3/47戦【3-2-2-0】
前走G1で3着、前々走G2で2着
3アクリアドラタ
Aquila Dorata
3牝
5.7倍
H.Fernandes1・1/27戦【1-3-2-1】
重賞2着2回

伯G1サッコー少佐大賞、ピッパがG1初勝利

8月4日に行われたブラジルG1サッコー少佐大賞(芝1000m、3歳以上)は、先行し最後の直線で先に抜け出した1,2番人気の2頭を中団追走のピッパがゴール直前で差し切って優勝し、G1初勝利を挙げました。

2、3番追走した1番人気のタップイズバックは逃げたアスプラシオンを最後まで捕まえきれず3着。


父ビロングトゥミー、母Madour(智G3を1勝)、母の父ユソネットという血統。重賞2戦目だった前走のG3で重賞初勝利を挙げたばかりでした。

2012年サッコー少佐大賞のレース映像。ゲート向かって右から6頭目の発走、赤の帽子がピッパです。


サッコー少佐大賞(Grande Premio Major Suckow)
2012年8月4日、ブラジル・ガヴェア競馬場、芝1000m
3歳以上、G1、14頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ピッパ
Pippa
4牝
7.4倍
V.Leal
58kg
54秒5910戦【7-0-2-1】
前走重賞初勝利
2アスピラシオン
Aspiracion
3牝
4.5倍
M.Martins
51kg
1/25戦【1-1-1-2】
重賞初出走
3タップイズバック
Tap Is Back
3牡
2.7倍
V.Borges
53kg
1/25戦【3-0-1-1】
前走1000mG2勝ち

2012年8月7日火曜日

G1独オークス、無敗のサロミナが優勝。凱旋門賞からジャパンカップへ?

8月5日に行われた独G1ディアナ賞(独オークス)は、中団内を追走した1番人気サロミナが最後の直線入り口で最内を突いて先頭に立つと2着に3・1/2馬身差をつけて優勝し、デビューから4戦無敗でクラシック勝利を挙げています。

2着にニムフィアが入り、2頭出しシールゲン調教師のワンツー。独1000ギニー3着馬ヴァルドトラウトがまたも3着でした。

5月の独G2ディアナトライアル1位入線馬で、のちに追加登録時の不備で?失格となっていたモナミは8着。


サロミナは父ロミタス、母Saldentigerin(独オークス3着、独重賞1勝)、母の父タイガーヒル(その父デインヒル)という血統。ちなみにデインドリームは、ロミタス×デインヒルのシールゲン調教師管理馬だから基本は良く似てます。

前走の独G3 Großer Preis von LOTTO Hamburg (芝2200m、3歳牝馬)後にオーストラリアの Luke Murrell 氏と Jamie Lovett 氏が購入しています。名義はそのうち Australian Bloodstock に変わるのでしょう。ちなみに両氏はこのオークスでC.ウィリアムズ騎手を乗せることも検討していたようです

独オークス後に豪移籍か欧州残留を決めるとしていた Murrell 氏は「私たちはマウィンゴ(豪G1ドゥームベンカップ1着)とルーカスクラナッハ(昨年のメルボルンカップ3着)というメルボルンカップを十分に狙える2頭も所有しています。サロミナを移籍させるとオーストラリアでは4歳馬として走らなければならず斤量面で不利です。凱旋門賞なら(当然)3歳馬扱いで、凱旋門賞では3歳牝馬が恐ろしく素晴らしい成績を上げています」と述べ、凱旋門賞を目指す方針であることを表明しています。

また「(重賞1勝馬だった)購入時点ではとても高額な買い物でしたが、今のように凱旋門賞やジャパンカップを狙える段階までくるとそれほど高くはなかったといえます」とし、凱旋門賞後はジャパンカップも考慮しているようです。

2012年ディアナ賞のレース映像。スタート直後は内から5,6頭目、黄色の帽子、緑の勝負服がサロミナ。


ディアナ賞(154. Henkel-Preis der Diana - Deutsches Stuten-Derby)
2012年8月5日、ドイツ・デュッセルドルフ競馬場、芝2200m
3歳牝馬、G1、13頭、レース結果、総賞金40万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1サロミナ
Salomina
3牝
3.4倍
F.ミナリク2分15秒734戦【4-0-0-0】
重賞2勝目
2ニムフィア
Nymphea
3牝
12.4倍
A.スボリッチ3・1/24戦【1-2-1-0】
独G2ディアナトライアル繰上り2着
3ヴァルドトラウト
Waldtraut
3牝
13.9倍
J.ビョーコ3/45戦【1-1-3-0】
G2独1000ギニー3着

仏G1モーリスドゲスト賞、ムーンライトクラウドが5馬身差圧勝で2連覇

8月5日に行われた仏G1モーリスドゲスト賞(モーリスドギース賞、芝1300m、3歳以上)は、前走の英G1ダイヤモンドジュビリーS.で豪ブラックキャビアにハナ差まで迫ったムーンライトクラウドが3番手追走から残り1ハロンで先頭に立つと後続を5馬身突き放して優勝し、重賞5勝目、G1競走2勝目を挙げました。

前走の英G1キングズスタンドS.10着に敗れたものの昨年の仏G1アベイユドロンシャン賞で1・1/2馬身差5着のあるウィズキッドが2着に入っています。9頭立て9番人気で3位入線した3歳馬アメリカンデヴィルは4着降着。前走英G1ジュライカップ2着のザチェカが繰り上がり3着。ダイヤモンドジュビリーS.1/2馬身差3着だったレスティアダージェントは2番人気5着。


ムーンライトクラウドは父インヴィンシブルスピリット、母ヴェンチュラ(準重賞3着)、母の父スペクトラムという血統の4歳牝馬。2代母がジェネラスやオースミタイクーンの半姉です。昨年のこのレースも4馬身差で勝っており、これで2連覇です。ちなみに2年とも道悪馬場(昨年は Soft)で行われました。

F.ヘッド調教師は「今週末の仏G1ジャックルマロワ賞に連闘することをオーナーに相談します」「(昨年の英1000ギニー9馬身差7着以来のマイル戦だが)今ならマイル戦もこなせると考えています」とのこと。BCマイルも少しは考えているようで、もし勝てばヘッド調教師はゴルディコヴァの3連覇と合わせて5年で4勝ととんでもないことになります。

2012年モーリスドゲスト賞の連続写真レース映像(有料)。白の帽子、白地に緑一本輪の勝負服がムーンライトクラウド。

モーリスドゲスト賞(Prix Maurice de Gheest)
2012年8月5日、フランス・ドーヴィル競馬場、芝1300m
3歳以上、G1、9頭、Very Soft、レース結果、総賞金25万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ムーンライトクラウド
Moonlight Cloud
4牝
1.8倍
T.ジャルネ1分15秒5012戦【7-2-0-3】
重賞5勝目
2ウィズキッド
Wizz Kid
4牝
11倍
G.モッセ12戦【3-3-0-6】
仏G3グロシェーヌ賞2連覇
仏G1アベイユドロンシャン賞5着
3ザチェカ
The Cheka
6セン
17倍
O.ペリエアタマ
+1・3/4
24戦【4-6-4-10】
前走英G1ジュライカップ2着

米G1アルフレッド・G・ヴァンダービルトH.、ポセイドンズウォリアーが重賞初勝利

8月5日に行われた米G1アルフレッド・G・ヴァンダービルトH.(ダート6ハロン)は、外の3番手を追走した7番人気ポセイドンズウォリアーが、最終コーナーで最内を回って進出したジャスティンフィリップとの追い比べを首差制して優勝し、重賞初勝利をG1で挙げました。リード調教師もG1初勝利。

前走米G1メトロポリタンH.(ダート1マイル)勝ち馬で1番人気のシャックルフォードは向こう正面出口ですでに付いていけず最下位に敗れています。ローマンズ調教師によると、「"Muddy"(重馬場)は3戦未勝利だから」とのこと。プリークネスS.勝ち馬でもあるわけで距離も7ハロンはあったほうがいいと思いますが。


ポセイドンズウォリアーは父スパイツタウン、母ポイズドトゥパウンス(米3勝、重賞未出走)、母の父スマーテンという血統。重賞は今回が2戦目で初出走は昨年8月の米G1キングズビショップS.6着に終わっていました。ちなみにそのときの3着馬が今回2着のジャスティンフィリップで、前走も同馬に先着されていました。

2012年アルフレッド・G・ヴァンダービルトH.のレース映像。スタート直後に数秒間、先頭に立つ黒い帽子がポセイドンズウォリアー。


アルフレッド・G・ヴァンダービルト・ハンディキャップ
(Alfred G. Vanderbilt Handicap)
2012年8月5日、アメリカ・サラトガ競馬場、ダート6ハロン
3歳以上、G1、8頭、Muddy、レース結果(PDF)、総賞金40万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ポセイドンズウォリアー
Poseidon's Warrior
4牡
37.25倍
I.オルティス
51.2kg
1分09秒4017戦【7-2-2-6】
重賞初勝利
2ジャスティンフィリップ
Justin Phillip
4牡
7.0倍
R.ドミンゲス
52.2kg
クビ20戦【4-4-6-6】
米G2を1勝
3エムシー
Emcee
4牡
3.5倍
A.ガルシア
52.2kg
クビ6戦【3-0-2-1】
米G1カーターH.4着

2012年8月6日月曜日

米G2ウェストヴァージニアダービー、マッチョマッチョが重賞初勝利。ハンセンは4着

8月4日に行われたウェストヴァージニアダービー(ダート9ハロン、3歳)は、3番手追走したマッチョマッチョが残り100mで逃げた圧倒的1番人気のハンセンを捕らえると、最内を突いて伸びたバーボンカレッジを1/2馬身差抑えて優勝し、重賞初勝利を挙げました。

G3アイオワダービー(ダート8.5ハロン)10馬身差圧勝し単勝1.6倍だったハンセンは1着から2・1/2馬身差の4着。同2,3着だった2頭はそれぞれ5,7着でハンセンから大きく遅れているので、ハンセン自身のパフォーマンスは距離延長でもそれほど悪くなってないかなと。今後メンバー弱化のダート9ハロン戦で距離だけを理由に人気を落とすことがあればおいしい馬券を狙えそう。前走米G3ペガサスS.勝ち馬ルバーナーディンは最下位9着に終わりました。


マッチョマッチョは父マッチョウノ、母ダズリングコントラスト(米1勝)、母の父ジェネラルミーティングという血統。これが2走前の米G3マットウィンS.3着以来となる重賞2戦目でした。

2012年ウェストヴァージニアダービーのレース映像。


ウェストヴァージニアダービー(West Virginia Derby)
2012年8月4日、アメリカ・マウンテニア競馬場、ダート9ハロン
3歳、G2、9頭、レース結果(PDF)、総賞金75万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1マッチョマッチョ
Macho Macho
3牡
5.8倍
C.ナカタニ
53.5kg
1分49秒987戦【3-2-1-1】
米G3マットウィンS.3着
2バーボンカレッジ
Bourbon Courage
3牡
6.7倍
D.パーカー
52.6kg
1/25戦【2-1-0-2】
重賞3戦目で初連対
3コールドトゥサーヴ
Called to Serve
3セン
13.4倍
D.センテノ
52.6kg
1/27戦【2-0-2-3】
米G2スワップS.5着

米G1プライオレスS.、エマズアンコールがG1初勝利

8月4日に行われた米G1プライオレスS.(ダート6ハロン)は、最後方追走のエマズアンコールがゴール直前でジュディザビューティーをハナ差差し切って優勝し、G1初勝利を挙げました。

1番人気のアガヴェキスは逃げましたが直線半ばでジュディザビューティーにつかまり3着で、エマズアンコールに2連敗。


エマズアンコールは父コングラッツ、母フレンチオペラ(米1戦未勝利)、母の父ワイルドアゲインという血統。重賞2戦目だった前走の米G3ヴィクトリーライドS.(ダート6ハロン)では、当時6戦6勝だった圧倒的1番人気のアガヴェキスを5着に下し重賞初勝利を挙げていました。

2010年のキーンランドセールにおいてわずか2000ドルで落札され、デビュー4戦目のクレーミング戦では5万ドルのプライスタグをつけて走っていたような馬ですが、その次走で初勝利を挙げるとこのG1勝ちを含めすでに約34万ドルを稼ぎ出しています。

A.ジャーケンズ殿堂入り調教師は5年ぶりのG1勝利。ジャーケンズ師によると、8月25日の米G1テストS.を予定しているとのこと

2012年プライオレスS.のレース映像。


プライオレスステークス(Prioress Stakes)
2012年8月4日、アメリカ・サラトガ競馬場、ダート6ハロン
3歳牝馬、G1、6頭、レース結果(PDF)、総賞金30万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1エマズアンコール
Emma's Encore
3牝
6.2倍
J.アルバラード
55.3kg
1分09秒3510戦【4-1-0-5】
重賞2連勝
2ジュディザビューティー
Judy the Beauty
3牝
4.0倍
J.ロザリオ
54.4kg
ハナ6戦【3-3-0-0】
米G1スピンアウェイS.2着
3アガヴェキス
Agave Kiss
3牝
1.9倍
R.ドミンゲス
54.4kg
1・3/48戦【6-0-1-1】
米G3シカーダS.1着
重賞1勝

米G1クレメント・L・ハーシュS.、インクルードミーアウトがG1競走2勝目。智アマニが移籍緒戦で3着

8月4日に行われた米G1クレメント・L・ハーシュS.(AW8.5ハロン)は、中団追走の1番人気インクルードミーアウトが最後の直線入り口で先頭に立つと、ゴール直前で差を詰めたスタービリングをクビ差抑えて優勝し、G1競走2勝目を挙げました。

チリでダートG1を4勝したアマニが3着に入っています。この通算12戦目で初めて連対を外しましたが、米移籍緒戦で初AW戦としては十分な結果でしょう。


インクルードミーアウトは父インクルード、母ドントトリックハー、母の父メイゼルトリックという血統。半姉に米GガーデンシティーS.勝ち馬チェックザラベル。3月に米G1サンタマルガリータ招待S.(ダート9ハロン)でG1初勝利。前走6月の米G1ヴァニティH.(AW9ハロン)でも2着していました。

次走は9月29日の米G1ゼニヤッタS.(旧レディースシークレットS.)で、その次走に11月2日の米G1 BCレディースクラシックを予定しています。どちらもサンタマルガリータ招待S.と同じサラトガ競馬場で行われます。

2012年クレメント・L・ハーシュS.のレース映像。最内1番枠がインクルードミーアウト。


クレメント・L・ハーシュステークス(Clement L. Hirsch Stakes)
2012年8月4日、アメリカ・デルマー競馬場、AW8.5ハロン
3歳以上牝馬、G1、8頭、レース結果(PDF)、総賞金30万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1インクルードミーアウト
Include Me Out
4牝
2.6倍
J.タラモ1分41秒9611戦【6-3-0-2】
重賞4勝目
2スタービリング
Star Billing
4牝
10.3倍
R.ベハラノクビ9戦【3-3-1-2】
米G1メイトリアークS.1着
米G1デルマーオークス2着
3アマニ
Amani
4牝
3.3倍
G.ゴメス1・1/212戦【10-1-1-0】
牝馬G1を3勝。牡馬混合1勝

米G1ホイットニー招待H.、フォートラーンドがG1初勝利

8月4日に行われた米G1ホイットニー招待H.(ダート9ハロン)は、3番手追走した5番人気フォートラーンドが最終コーナーで先頭に立つと、G1馬3頭による2着争いを尻目に1・1/4馬身差で優勝し、G1初勝利を挙げました。もうすぐ通算1000勝のブライアン・ヘルナンデス・ジュニア騎手もG1初勝利で、2006年以来のG2インディアナダービー以来の重賞2勝目。

3月の米G1サンタアニタH.と6月の米G1スティーヴンフォスターH.勝ち馬ロンザグリークが1番人気でしたが最後方から外を追い込んで届かず2着。昨年の米G1ジョッキークラブゴールドカップ勝ち馬でその次走のBCクラシック1番人気5着だったフラットアウトがアタマ差の3着。2月の米G1ドンH.勝ち馬ヒムブックが4着。


フォートラーンドは父イードバイ、母Arlucea(米1勝)、母の父ブロードブラッシュという血統。デビュー13戦目で重賞初出走するとここまで重賞5連戦して【3-1-0-1】。2走前の米G1スティーヴンフォスターH.(ダート9ハロン)はロンザグリークの8着に敗れていました。ウィルクス調教師によると次走は9月1日の米G1ウッドワードS.へ。

2012年ホイットニー招待H.のレース映像。


ホイットニー招待ハンディキャップ(Whitney Invitational Handicap)
2012年8月4日、アメリカ・サラトガ競馬場、ダート9ハロン
3歳以上、G1、9頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金75万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1フォートラーンド
Fort Larned
4牡
8.2倍
B.ヘルナンデス
53.1kg
1分47秒7617戦【7-2-0-8】
重賞3勝目
2ロンザグリーク
Ron the Greek
5牡
3.7倍
J.レスカノ
54.4kg
1・1/420戦【7-5-1-7】
G1競走2勝
3フラットアウト
Flat Out
6牡
5.0倍
R.ナプラヴニク
52.6kg
アタマ18戦【5-4-2-7】
米G1ウッドワードS.2着

2012年8月5日日曜日

英G1ナッソーS.、ザフューグがG1初勝利

8月4日に行われた英G1ナッソーS.(9ハロン192ヤード、3歳以上牝馬)は、後方を追走した2番人気ザフューグが逃げ粘るるタイムピースを残り100mで差し切って優勝し、G1初勝利を挙げました。5月の英G3ムシドラS.(芝10.5ハロン)以来の重賞2勝目。英オークスは僅差3着、前走の英G2リブルスデイルS.(芝12ハロン)は6馬身差の2着で、10ハロンくらいのほうが良いのかもしれません。

先行した英オークス馬ワズは3着。前走の愛G1プリティーポリーS.勝ち馬イジートップは1番人気5着。3着もありそうでしたがザフューグに交わされるときに狭くなった後は追うのを止めており、着順ほどは負けていませんが。

ちなみにレース映像に表示された6ハロンから9ハロンまでのセクショナルタイムは11.31-11.16-11.29 の計33秒76。3日の英G3グロリアスS.(芝12ハロン)もこの区間33秒48でした。フランケルがサセックスS.のこの区間で32秒台を刻んだことが取りざたされていますが、そもそもグッドウッド競馬場の直線は下り坂なのでペース次第で極端に速い上がり時計が出やすいコースです。


ザフーガの生産者兼馬主は「オペラ座の怪人」などの作曲家であるアンドリュー・ロイド=ウェバー氏とその妻。同氏のG1勝ちは、2010年のG1ドバイシーマクラシックをダーレミが勝って以来のこと。父ダンシリ、母の父サドラーズウェルズという血統。母は英重賞2着馬で、その半姉と半兄はG1勝ち馬です。 ダンシリ産駒のG1馬は11頭目。

2012年ナッソーS.のレース映像。後方2,3番手追走、薄ピンクの帽子、勝負服がザフューグ。

ナッソーステークス(Markel Insurance Nassau Stakes)
2012年8月4日、イギリス・グッドウッド競馬場、9ハロン192ヤード
3歳以上、G1、8頭、Good、レース結果、1着賞金10万4913ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ザフューグ
The Fugue
3牝
3.25倍
R.ヒューズ2分09秒616戦【3-1-1-1】
英G3ムシドラS.1着
G1英オークス3着
2タイムピース
Timepiece
5牝
17倍
T.クウィリー119戦【6-5-2-6】
英G1ファルマスS.1着
3ワズ
Was
3牝
6.5倍
R.ムーア1・3/45戦【2-0-2-1】
G1英オークス1着

2012年8月3日金曜日

英G2グッドウッドカップ、サドラーズロックが重賞2勝目

8月2日に行われた英G2グッドウッドカップ(芝2マイル、3歳以上)は、英G1アスコットゴールドカップ勝ち馬カラーヴィジョンと同3着サドラーズロックの再戦ムード。今回は約1.8kgのハンデを貰えたサドラーズロックが単勝0.5倍差で1番人気に支持され、3番手追走から残り2ハロンで先頭に立つと、後方から追い込んだアスカータウを1馬身抑えて優勝し、重賞2勝目を上げました。

カラーヴィジョンはサドラーズロックの直後を追走したもののあまり差を詰められず、1・3/4馬身差の3着に敗れました。


サドラーズロックは父サドラーズウェルズ、母グレシアンブライド(未出走)、母の父グルームダンサーという血統。昨年の英G2ドンカスターカップ(芝18ハロン)では、当時長距離重賞2連勝中で、2年連続(11年、12年)アスコットゴールドカップで2着するオピニオンポールに4馬身差をつけて勝っていました。

オックス調教師は「ロンズデールカップ、ドンカスターカップ、カドラン賞、英BCロングディスタンスカップ、愛セントレジャー」など向いていそうなレースはたくさんあると述べています

2012年グッドウッドカップのレース映像

グッドウッドカップ(Artemis Goodwood Cup)
2012年8月2日、イギリス・グッドウッド競馬場、芝2マイル
3歳以上、G2、10頭、Good、レース結果、5万6710ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1サドラーズロック
Saddler's Rock
4牡
3倍
J.ムルタ
60.3kg
3分30秒839戦【4-1-2-2】
英G2ドンカスターカップ1着
2アスカータウ
Askar Tau
7セン
26倍
G.ベイカー
60.3kg
126戦【8-2-1-15】
英長距離重賞3勝
3カラーヴィジョン
Colour Vision
4セン
3.5倍
F.デットーリ
62.1kg
3/419戦【6-1-4-8】
英G1含む重賞2勝

英G2リッチモンドS.、ヘヴィメタルが重賞初勝利

8月2日に行われた英G2リッチモンドS.(芝6ハロン、2歳)は、2番手先行したヘヴィメタルが残り2ハロンでわずかに先頭に立つと、後方を進んだマスターオブウォーにほぼ並びかけられましたが最後まで抜かされることなく1/2馬身差で勝ち、重賞初勝利を挙げました。

英G2ノーフォークS.5着、英G2ジュライS.3着のアハーンが1番人気7着。


へヴィメタルは英G2コヴェントリーS.でマスターオブウォーに、英G2ノーフォークS.でアハーンにそれぞれ先着されていたため離れた4番人気に甘んじていました。父イクシードアンドエクセル、母ロックオペラ、母の父レクチャーという血統。父は豪生まれ豪スプリントG1勝ち馬で、母は南アフリカ産まれの同国2歳牝馬チャンピオンという英重賞勝ち馬としては珍しい組み合わせ。

この勝利でイクシードアンドエクセル産駒はこのグロリアスグッドウッド開催の2歳重賞2勝目となりました。1勝目は7月31日の英G3モールコムS.(5ハロン)でバングルインザジャングルが勝ち、同産駒がワンツーしています。

2012年リッチモンドS.のレース映像。赤い帽子、緑の勝負服がヘヴィメタル。

リッチモンドステークス(Audi Richmond Stakes)
2012年8月2日、イギリス・グッドウッド競馬場、芝6ハロン
2歳、全馬同斤量、G2、8頭、レース結果、1着賞金3万9697ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ヘヴィメタル
Heavy Metal
2牡
10倍
J.ファニング1分11秒417戦【3-1-0-3】
準重賞ウッドコートS.2着
2マスターオブウォー
Master Of War
2牡
4倍
R.ヒューズ1/25戦【2-1-0-2】
準重賞ローズボウルS.1着
英G2コヴェントリーS.9着
3ケイヴァーディー
Cay Verde
2牡
5倍
W.ビュイック25戦【2-0-1-2】
準重賞マーブルヒルS.1着
英G2ノーフォークS.6着

英G3リリーラングトリーS.、ワイルドココが優勝。女王のエスティメイト3着

8月2日に行われた英G3リリーラングトリーS.(芝14ハロン、3歳以上牝馬)は、中団外を追走した昨年の5着馬ワイルドココが残り300m弱で先頭に立つと2着に2・3/4馬身差をつけて優勝し、重賞初勝利を挙げました。

セシル調教師とクウィリー騎手は今年のグロリアスグッドウッド開催で重賞4勝目。

エリザベス女王の所有馬で、前走ロイヤルアスコットの英G3クイーンズヴァーズ(芝2マイル)を勝っていたエスティメイトはゴール直前でジャンヌダルク(ジャハンヌダーク)約3馬身差の3着に敗れています。


ワイルドココは父シロッコ、母ワイルドサイド(独G2勝ち)、母の父シュテルンケーニッヒという血統のドイツ産馬。前走は昨年の8月18日の準重賞8頭立て7着で、それ以来約1年ぶりの出走でした。

ワイルドココは英G1ヨークシャーオークスへ。エスティメイトについてスタウト調教師は「関係者と話し合ってからになるが英G1セントレジャーに向かわないだろう」と述べています。エリザベス女王はシルヴァージュビリーの年に英セントレジャーを勝っていました。

2012年リリーラングトリーS.のレース映像

リリーラングトリーステークス(Lillie Langtry Stakes)
2012年8月2日、イギリス・グッドウッド競馬場、芝14ハロン
3歳以上、G3、12頭、Good、レース結果、1着賞金3万1190ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ワイルドココ
Wild Coco
4牝
7倍
T.クウィリー
59.4kg
3分03秒396戦【3-1-0-2】
英準重賞1勝
2ジャンヌダルク
Jehannedarc
4牝
26倍
A.ハメリン
59.4kg
2・3/4 11戦【2-1-4-4】
仏G3クレオパトル賞4着
3エスティメイト
Estimate
3牝
4倍
R.ムーア
54.8kg
アタマ4戦【2-0-1-0】
前走重賞初勝利

英G2ヴィンテージS.、オリンピックグローリーが重賞連勝

8月1日に行われた英G2ヴィンテージS.(芝7ハロン、2歳)は、中団追走のオリンピックグローリーが残り1ハロンで前にいた7,8頭を一気に差し切って優勝し、前走の英G2スーパーレイティヴS.(芝7ハロン、2歳)に続いて重賞2連勝です。

スーパーレイティヴS.で4着のアルティジアーノと7着のルヘイフがそれぞれ2,3着。同2着だったバードマンは7着。デビュー戦を勝ったばかりで1番人気に支持されたグレアールは5着。


オリンピックグローリーは父ショワジール(Choisir)、母アシダンセラ、母の父アルザオという血統。デビュー2戦目の前走の英G2コヴェントリーS.(芝6ハロン)で3/4馬身差2着して折り、これで重賞は3戦して【2-1-0-0】という成績。

前走はアタマ差、今回は1/2馬身差と着差は大きくないですが、今回は前走の同斤量と違って1頭だけ約1.4kg重い斤量を背負っての勝利だから完勝といっていいでしょう。

ハノン調教師「オリンピックグローリーはデビュー戦をこのコースで勝っていますが、そのときは直線コースでした。馬体の大きい馬なのでコーナーが心配でしたが、彼は大きいだけでなく良い馬だったようです。英G2シャンペンS.から英G1デューハーストS.へ向かうつもりです」と述べています

2012年ヴィンテージS.のレース映像。右から2頭目の発走、赤の勝負服がオリンピックグローリー。

ヴィンテージステークス(Veuve Clicquot Vintage Stakes)
2012年8月1日、イギリス・グッドウッド競馬場、芝7ハロン
2歳、G2、10頭、Good、レース結果、1着賞金3万4026ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1オリンピックグローリー
Olympic Glory
2牡
3.75倍
R.ヒューズ
58.5kg
1分27秒704戦【3-1-0-0】
重賞2連勝
2アルティジアーノ
Artigiano
2牡
8倍
L.デットーリ
57.1kg
1/25戦【1-1-1-2】
重賞3戦目初連対
3ルヘイフ
Luhaif
2牡
81倍
S.ヒッチコット
57.1kg
アタマ6戦【1-0-4-1】
重賞2戦目