2012年10月30日火曜日

愛G3を12勝したフェイマスネームが引退。全妹ビッグブレイクが同日G3勝ち

08年の仏ダービー頭差2着など愛独仏のG1で2着5回したフェイマスネームが27日の準重賞トリゴS.1着を最後に引退、種牡馬入りすることが発表されました。

フェイマスネームはムーランドロンシャン賞2着などG1での好走が複数あり、G3を勝ちまくるなかで、今年8月のロイヤルウィップS.を勝つまでG2制覇がなかったことが(ネタ的に)注目を集めました。といってもG2出走は生涯で5回だけでG1出走回数より少ないのですが。

通算成績38戦【21-8-5-4】、重賞に限っても30戦【13-8-5-4】という成績(つまり準重賞以下は8戦8勝)で、重賞勝ちはすべてアイルランド重賞でした。


ちなみにトリゴS.の2時間20分前に同じ競馬場で行われた愛G3キラヴーランS.(芝7ハロン、2歳)でフェイマスネームの全妹ビッグブレイクが2着に3・3/4馬身差をつけて勝ち、重賞初勝利を挙げました。キラヴーランS.は07年にフェイマスネームが2着だったレースです。

ビッグブレイクはフェイマスネームと馬主・生産者・調教師・主戦騎手が同じ。デビュー戦が7月だからフェイマスネームのG2勝ち以前に馬名登録されています。

英語では"break one's maiden"が初勝利や未勝利脱出を意味し、"break one's group one duck(など)"でG1初勝利という意味だから(ただし普通に first win と言うほうが断然多い)、"Big Break"は「G2以上を勝てるように」という願いが込められた馬名かもしれないと思っていたのですが、上述どおりフェイマスネームはG2を勝ったのでビッグブレイクには兄が果たせなかったG1制覇を期待したい。

仏G1ロワイヤルオーク賞、レボーフが重賞初勝利

10月28日に行われた仏G1ロワイヤルオーク賞(芝3100m、3歳以上)は、2番手以下を数馬身離して逃げたレボーフが最終コーナーでいったん後続をひきつけ、最後の直線に入るとまた突き放して4・1/2馬身差で勝つ一人舞台の競馬を見せ、重賞初勝利をG1で挙げています。


ほぼ最後方を追走していたシルヴァーヴァルニーが直線で最内を突いて2着。

1番人気のダルカラは5着。昨年の2着馬ミスラーゴは6着。昨年のG1英セントレジャー2着、今年の愛セントレジャー3着のほか、"キングジョージ"で4馬身差7着だったブラウンパンサーが2番人気8着。


父アプシス、母ヨーマンリー、母の父ソーマレズという血統のフランス産馬。前走は凱旋門賞前日の仏G2ショードネイ賞(芝3000m、3歳)で重賞初出走し1/4馬身差の2着。凱旋門賞ウィークのロンシャンはご存知のとおり"Very Soft"の重馬場でしたし、このロワイヤルオーク賞はさらに悪い"Heavy"の不良馬場で、レボーフが重の長距離で強いのは明らか。

ロワイヤルオーク賞(Prix Royal-Oak)
2012年10月28日、フランス・ロンシャン競馬場、芝3100m
3歳以上、G1、9頭、Heavy、レース結果、総賞金25万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1レボーフ
Les Beaufs
3セン
10倍
J.ギロション3分36秒228戦【2-2-1-3】
前走G2で2着
2シルヴァーヴァルニー
Silver Valny
6セン
41倍
T.メッシーナ4・1/223戦【3-3-2-15】
仏G1カドラン賞5着。昨年9着
3ロレックスボルゲット
Rollex Borget
3セン
17倍
T.ジャルネ1・1/48戦【2-1-2-3】
仏3歳G3で5着2回

デインドリーム、引退前にドバイシーマクラシックへ

伝貧問題で今年の凱旋門賞に出走できなかったデインドリームについて共同オーナーである吉田照哉氏が引退前にドバイシーマクラシック(芝2410m)に出走させると述べました。
「繁殖入りの予定だったが、調教師に泣きつかれたから、年明けのシャンティイ(仏)で行われるオールウェザーのレースをステップに、ドバイシーマカップを使って引退させる。」
11年凱旋門Vデインドリーム引退撤回/競馬・レース/デイリースポーツ online
2月末に仏シャンティイ競馬場で行われる前哨戦を使いラストランに挑む。「種付シーズンはまだ4、5月だから、それまでは走らせることにした」と吉田照哉氏。
デインドリーム現役続行、来春ドバイがラストラン ― スポニチ

今年はシリュスデゼーグルが3月初めの一般戦メイダンホテル賞(シャンティイ競馬場・AW1900m)2着からドバイシーマクラシックを制しています。

まあデインドリーム(などケルン在厩馬)の場合、1月の再検査をクリアしないと移動できないですが、クリアすればシールゲン調教師の強い希望により?引退前にドバイ遠征するとのこと。


ドイツのRaceBets.comによるとシールゲン調教師も(Google翻訳を通して読むと)「もし現役で居られたらドバイが目標だ」と述べています。またドイツ GaloppOnline の29日付の記事によると、シールゲン師は29日朝に「まだ日本から正式な決定を聞いていないのではっきりしたことは言えないが、私たちが現役を続けさせたいと思っているのは皆さんのご存知のとおりです」と述べています。

2012年ブリーダーズカップターフ(など)のネット中継サイト(トレイルブレイザー出走予定)

11月3日(日本時間4日)に行われる予定のブリーダーズカップ・ターフに日本からトレイルブレイザーが出走します。武豊騎手が騎乗。日本時間4日(日曜日)午前7時18分ごろの発走予定です。

出馬表
BCターフ(G1)、BCクラシック(G1)の出馬表が確定 - JRA
BCターフ 2012 出走馬展望 【おうまのアイコン wire-to-wire】

テレビ放送(スクランブル放送=有料
グリーンチャンネル(この放送時間だとクラシックなど他のレースの放送は無し)
11月4日(日)     7:00~8:00(日本時間)
※     発走時刻 7:18予定(日本時間)
※     日本馬の出走状況により放送予定が変更になる場合があります。
※     スクランブル放送(有料)となります。
「2012ブリーダーズカップターフ」を生中継【グリーンチャンネル】
解説者:合田直弘
司会:坂田博昭
実況:吉本靖
2012ブリーダーズカップターフ生中継~中央競馬を見るならグリーンチャンネル~

ネット中継
公式サイト(http://www.breederscup.com/
放送時間中はリンク先のページ上部に"Live Stream"が現われます。


ニコ生(非公式)
http://com.nicovideo.jp/community/co57827
(BCターフ、マイル、クラシックを配信予定だそう。その間のスプリントはどうするのか)
http://com.nicovideo.jp/community/co1685673
(1日目、2日目の全競走を配信予定とのこと)


仏サイト
https://www.genybet.fr/#live
(レース映像だけ)

米サイト
http://www.drf.com/drf/live_video/breeders/232907
(Facebook やTwitterなどのアカウントでログインが必要)


At the Races(有料)
http://www.attheraces.com/home/
日本から視聴するにはHideIPVPN などのプロキシーが必要。

2012年10月29日月曜日

伊G1リディアテシオ賞、 ソルティレージュがG1初勝利

10月28日に行われた伊G1リディアテシオ賞(芝2000m、3歳以上牝馬)は、中団追走したブービー人気のドイツ馬ソルティリージュが最後の直線で横に広がった馬群の真ん中を伸び、イタリア3歳牝馬2冠馬チェリーコレクトに1馬身差をつけて優勝、重賞初勝利をG1で挙げました。アツェーニ騎手はG1初勝利。

前走イタリアのマイルG3を勝っている、吉田照哉氏所有のノヴァホークがさらに1馬身差の3着に入っています。

ディープインパクト産駒アクアマリンは後方を進みましたが直線でまったく伸びず10着。昨年の勝ち馬キサキサキサは9着。前走イギリスの準重賞を11馬身差で勝っていた3番人気のオペラギャルは後続を数馬身離して逃げましたが、残り400mで後続に捕まり7着でした。


ソルティレージュは父タイガーヒル、母サヘル、母の父モンズンという血統のアイルランド産馬。母サヘルは2頭の独ダービー馬、1頭の独オークス馬の全兄弟。それらを産んだ2代母SacarinaはThong≒Ridanの5×2。

前走フランスの準重賞を牡馬相手に勝ってここに出走していました。3走前に不良馬場の仏G2ラクープ賞(芝2000m)で2着ミアンドル(フォワ賞でオルフェーヴルの2着)から8馬身差ですが3着しており、今回は不良馬場が向いたかもしれません。ちなみに「Premio Lydia Tesio - Wikipedia」によると今回は、1980年以降でもっとも遅い勝ちタイムでした。

一方でディープインパクト産駒であるアクアマリンや、前走不良馬場の仏G1オペラ賞で惨敗していたキサキサキサは馬場が合わなかったのかも。馬場状態も調べずに的外れた予想を晒してすいません。


チェリーコレクトは2着も実質イタリア牝馬最強を証明。これで10戦8勝、2着2回ですが、レース後に?吉田勝己氏が同馬を購入したと伝えられており、日本で繁殖入りするらしくフランスでこのあとすぐに検疫に入る模様

2012年リディアテシオ賞のレース映像。赤の帽子、黒の胴の勝負服がソルティレージュ。
Premio Lydia Tesio - Wikipedia, the free encyclopedia

リディアテシオ賞(Premio Lydia Tesio Longines)
2012年10月28日、イタリア・カパネッレ競馬場、芝2000m
3歳以上牝馬、G1、11頭、Heavy、レース結果、総賞金20万9000ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ソルティレージュ
Sortilege
4牝
13.5倍
A.アツェーニ
57kg
2分07秒7011戦【4-1-2-4】
重賞初勝利
2チェリーコレクト
Cherry Collect
3牝
3.5倍
F.ブランカ
55.5kg
110戦【8-2-0-0】
イタリア3歳牝馬2冠
3ノヴァホーク
Nova Hawk
4牝
5.5倍
O.ペリエ
57kg
118戦【4-3-2-9】
英G1コロネーションS.2着

香港ローカルG2シャティントロフィー、アンビシャスドラゴンが楽勝

10月28日に行われた香港ローカルG2シャティントロフィー(芝1600m)は、ハンデ戦であること、有力馬のシーズン初戦だったこと、エクステンションやラッキーナインがいないことを除けばほとんど香港古馬最強決定戦という豪華メンバーでしたが、トップハンデの2番人気アンビシャスドラゴンが5,6番手追走から1頭だけ楽な手ごたえのまま残り300mで先頭に並びかけ、追われ始めると残り200mまでに早くも抜け出して楽勝し、ローカル含む重賞7勝目を挙げました。

1・1/2馬身差の2着に1番人気のグロリアスデイズ(安田記念14着)が、さらに1/2馬身差の3着にアンビシャスドラゴンから9kg軽い最軽斤量だったヘレンスピリットが入っています。

昨年の勝ち馬でその2走後にG1香港カップ(芝2000m)も勝ったカリフォルニアメモリーは5着。5月のローカルG1チャンピオンズ&チャーターカップ(芝2400m)でアンビシャスドラゴンを負かして優勝したリベレイターは12着など。


アンビシャスドラゴンはさすが2年連続で年度代表馬に選ばれただけのことはあります。このあとはG2ジョッキークラブマイルから、香港国際競走の香港マイルまたは香港カップへ。

2012年シャティントロフィーのレース映像。1番枠がアンビシャスドラゴン。


シャティントロフィー(The Oriental Watch Sha Tin Trophy)
2012年10月28日、香港・シャティン競馬場、芝1600m
4歳以上、ローカルG2、14頭、レース結果、総賞金300万香港ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アンビシャスドラゴン
Ambitious Dragon
6セン
4.5倍
Z.パートン
60.3kg
1分33秒5921戦【11-4-0-6】
G1クイーンエリザベス2世C.1着
2グロリアスデイズ
Glorious Days
5セン
3.8倍
D.ホワイト
58.5kg
1・1/29戦【4-4-0-1】
G1チャンピオンズマイル2着
3ヘレンスピリット
Helene Spirit
5セン
14.7倍
C.Tong
51.3kg
1/212戦【2-1-5-4】
2走前にローカルG3で3着
成績は香港移籍後のみ。

2012年10月28日日曜日

ディープ産駒アクアマリンが28日の伊G1リディアテシオ賞出走予定

ディープインパクト産駒のアクアマリンが28日(日本時間29日)の伊G1リディアテシオ賞(芝2000m)に出走予定です。発走時間は日本時間29日0時55分ごろの予定。

Premio Lydia Tesio Longines (Group 1) (3yo+ Fillies & Mares) (Turf)

アクアマリンは前走の伊G2フェデリコテシオ賞(芝2200m、3歳以上)で牡馬相手に1馬身差の3着と好走しており、G1制覇の可能性は結構ありそう。genybet.fr では21時30分現在、3番人気です。

他の出走馬は、今年の伊3歳牝馬2冠馬チェリーコレクトが1番人気、吉田照哉氏の所有馬で昨年の仏1000ギニー4着、英G1コロネーションS.2着のノヴァホークが2番人気。また昨年の勝ち馬で今年は牡馬相手に伊G1ミラノ大賞(芝2400m)2着もあるキサキサキサは前走オペラ賞で惨敗したからか22倍のブービー人気など。

◎アクアマリン
○キサキサキサ
▲オペラギャル(前走英準重賞11馬身差圧勝)
△チェリーコレクト

海外ディープ産駒2頭目のG1勝ちに期待してアクアマリン本命。キサキサキサの前走の敗因は馬場であると考えるのが妥当なので、人気はないですが一番警戒すべき相手だと思います。チェリーコレクトが勝ったら8戦7勝2着1回となりスター牝馬誕生ですね(すでにそうだろうけど)。

レースのネット中継(無料)は次のURLで見れます。At The Races(有料)は普通に中継するはず。その時間まで起きていられるかが問題ですが。水色の勝負服がアクアマリン。

https://www.genybet.fr/?target=/faces/live/live.html#about:blank

英G1レーシングポストトロフィー、キングズバーンズが2戦目でG1勝利

10月27日に行われた英G1レーシングポストトロフィー(芝1マイル、2歳)は、17日前のデビュー戦を7馬身差楽勝したばかりのキングズバーンズが1番人気に支持され、逃げ馬の直後の3番手を進むと、残り2ハロンで前の馬を捕らえにかかり残り1ハロンで楽に交わして先頭に立つと2着に1・3/4馬身差をつけて完勝しました。

ヴァンデルニーアが差して2着。前走英G2ロイヤルロッジS.(芝1マイル)を勝っていたスティーラーが逃げ粘り3着でした。もう1頭逃げたトレーディングレザーは2番人気で5着。


キングズバーンズは父ガリレオ、母ベルティサール、母の父ベルメッツという血統のアイルランド産馬。半姉に米G3勝ち馬スウィータースティル。半兄に愛障害G2勝ちのギムリスロック。ちなみに2代母イティサールは日本に輸入されており、その仔のユーワインパルスがJRA2勝し、またトーホウビーナスがJRA5勝馬を2頭産んでいます。

この勝利で来年の英ダービー前売り1番人気に支持されています。2000ギニーのオッズは出していないブックメーカーが多いので2000ギニーには向かわないようですね。

騎手、調教師、馬主はこのレース2連覇。生産者はオブライエン調教師の妻です。ちなみに昨年の勝ち馬キャメロットも2戦目でここを勝利し、ダービー前売り1番人気になって、今年の英2冠を制しました。

2012年レーシングポストトロフィーのレース映像。濃紺の勝負服がキングズバーンズ。

レーシングポストトロフィー(Racing Post Trophy)
2012年10月27日、イギリス・ドンカスター競馬場、芝1マイル
2歳牡牝、G1、7頭、Soft、レース結果、総賞金12万2493ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1キングズバーンズ
Kingsbarns
2牡
2.875倍
J.オブライエン1分40秒322戦【2-0-0-0】
重賞初出走
2ヴァンデルニーア
Van Der Neer
2牡
6倍
R.ヒューズ1・3/43戦【2-1-0-0】
重賞初出走
3スティーラー
Steeler
2牡
4.5倍
K.ファロン短アタマ6戦【3-2-1-0】
重賞【1-1-1-0】

英G1デューハーストS.、ドーンアプローチが6戦無敗のG1競走2連勝

10月13日に行われた英G1デューハーストS.(芝7ハロン、2歳牡牝)は、3番手追走した1.3倍の圧倒的1番人気ドーンアプローチが逃げた同厩舎のレティモアに2・3/4馬身差をつけて完勝し、デビューから6連勝でG1競走2勝目を挙げました。

重賞初出走の2番人気アシュダンは4着。2走前の仏G1モルニー賞(芝1200m)で3/4馬身差2着だったジョージバンクーヴァーが3着。

最後の1ハロンはドーンアプローチの12.68秒が最速で、次に速いのが3着ジョージバンクーヴァーの13.05秒だから1頭だけ脚が衰えませんでした。


ドーンアプローチは父ニューアプローチ、母ヒムンオブザドーン、母の父フォーントリックという血統。 ロイヤルアスコットの英G2コヴェントリーS.で重賞初勝利し、それ以来約3ヶ月ぶりの出走だった前走の愛G1ナショナルS.(芝7ハロン)も勝ってデビューから無敗の5戦5勝としました。コヴェントリーS.後にゴドルフィンが購入、来シーズンもボルジャー調教師が継続して管理することが発表されています。

マニング騎手はもっと長い距離でも持つと。ボルジャー氏も来年はマイルから初めて距離を伸ばしていくと述べています。10月28日時点で来年の英2000ギニー(芝1マイル)1番人気。2番人気は27日の英G1レーシングポストトロフィー(芝1マイル)勝ち馬キングズバーンズですが、これはオッズを出していないブックメーカーも多く2000ギニーに出走しない可能性があるから高めのオッズもついてるのでしょう。

ちなみにナショナルS.からデューハーストS.を勝ったのは父ニューアプローチも同じ。そのニューアプローチは英愛2000ギニーでどちらも2着のあと、英ダービーを制しています。

2012年デューハーストS.のレース映像(YouTube)。ゴドルフィンの青の勝負服がドーンアプローチ。

デューハーストステークス(Dubai Dewhurst Stakes)
2012年10月13日、イギリス・ニューマーケット競馬場、芝7ハロン
2歳、G1、6頭、Good To Soft、レース結果、総賞金17万0130英ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ドーンアプローチ
Dawn Approach
2牡
1.3倍
K.マニング1分24秒006戦【6-0-0-0】
重賞4勝目
2レティモア
Leitir Mor
2牡
34倍
R.ウィーラン2・3/412戦【1-7-3-1】
G1【0-2-1-0】
3ジョージバンクーヴァー
George Vancouver
2牡
17倍
J.オブライエン3/46戦【1-1-1-3】
前走G3でレティモアの6着

英G1ミドルパークS.、レックレスアバンダンが5戦無敗で英仏G1制覇

10月13日に行われた英G1ミドルパークS.(芝6ハロン、2歳牡)は、逃げたレックレスアバンダンが中団から差してきたムーハージムをクビ差抑えて優勝し、重賞4連勝、デビューから無敗の5連勝でG1競走2勝目を挙げました。

3着に3頭出しA.オブライエン厩舎の最低人気で出走10頭中ブービー人気のゲールフォーステンが入りました。仏G1モルニー賞でレックレスアバンダンの3着だったパーリアメントスクエアは5着。


レックレスアバンダンは父エクスチェンジレイト、母サントエレナ(英2勝)、父の父エフィシオという血統英G2ノーフォークS.(芝5ハロン)、仏G2ロベールパパン賞(芝1100m)を勝ち、前走の仏G1モルニー賞(芝1200m、2歳)も勝っていました。

今回の勝利でデビューから無敗の5連勝。2着につけた着差はデビュー戦の2馬身差が最大で派手さはないですが、 強いですね。コックス調教師は「ドンカスター(のデビュー戦)のあと何か特別なものがあると感じていましたが、1戦ごとに肉体的に強くなり驚いています。どこまでなら距離が持つのか分からないため来シーズンの予定はまだ検討している段階です」とのことで、やはりまだ6ハロン(1200m)までの経験しかないのがネックと。

2012年ミドルパークS.のレース映像(YouTube)。黒地に白の水玉模様がレックレスアバンダン。

ミドルパークステークス(Vision.ae Middle Park Stakes)
2012年10月13日、イギリス・ニューマーケット競馬場、芝6ハロン
2歳牡(セン馬除く)、G1、10頭、Good To Soft、レース結果、総賞金8万5065英ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1レックレスアバンダン
Reckless Abandon
2牡
3.25倍
G.モッセ1分11秒065戦【5-0-0-0】
重賞4勝目
2ムハージム
Moohaajim
2牡
3.25倍
A.カービークビ4戦【2-1-0-1】
英G2ミルリーフS.1着
3ゲールフォーステン
Gale Force Ten
2牡
34倍
C.オドノヒュークビ6戦【1-1-2-2】
英G2ノーフォークS.2着

2012年10月27日土曜日

豪G1コックスプレート、オーシャンパークがG1競走4連勝

10月27日に行われたオーストラリア中距離最強決定戦の豪G1コックスプレート(芝2040m、3歳以上)は、中団追走した3番人気オーシャンパークが最終コーナーで前との差を詰めると、3番手追走から残り200mで先頭に立っていたオールトゥハードを残り50mで差しきりG1競走4連勝を挙げています。

ブラックキャビアの半弟オールトゥハードがクビ差2着。さらに3・3/4馬身差の3着に前走の豪G1コーフィールドギニー(芝1600m)でオールトゥハードの2着だった2番人気ピエロが入っています。この3歳の2頭は今回含めて4回対戦し最初の2戦1400m以下でピエロの2戦2勝、あとの2戦1600m以上だとオールトゥハードの2戦2勝です。距離か成長力か。

4月の豪G1オーストラリアンダービー勝ち馬(芝2400m)エチオピアが4着。前走の豪G1ターンブルS.(芝2000m)勝ち馬で1番人気のグリーンムーンが7着。母の父サンデーサイレンスのモアジョイアスが4番人気11着でした。


オーシャンパークは父ソーンパーク、母サイーダ(新2勝)、母の父ザビールという血統のニュージーランド産馬。3月の豪G1ローズヒルギニー(芝2000m)2着以来となる5ヶ月ぶりの復帰戦だった新G1マクフィチャレンジS.(芝1400m)でG1初勝利を挙げると、2走前の豪G1アンダーウッドS.(芝1800m)、前走の豪G1コーフィールドS.(芝2000m)も勝って3連勝でここに臨んでいました。

同一年にアンダーウッドS.、コーフィールドS.、コックスプレートを制するのは1938年の Ajax など史上6頭目。5頭目は2010年のソーユーシンクです。

ソーユーシンクほど強いとはまったく思いませんが、今年の欧州3歳が弱いとするなら来年の古馬戦はレベルが低いと予想されるから、今年ソーユーシンクが勝ったロイヤルアスコットの英G1プリンスオブウェールズS.にオーシャンパークが出走したらどうなるか見てみたくはある。豪新は5月中旬から9月下旬まで中距離G1がない時期ですしね。まあ行かないでしょうけど。次走は不明。


ちなみに2月の新G3ワイカトS.(芝2000m)でオーシャンパークを2着に負かしていたG1ニュージーランドダービー勝ち馬サイレントアチーバーがコックスプレートの1レース前の豪G2クリスタルマイル(芝1600m)を3/4馬身差で勝っています。サイレントアチーバーはローズヒルギニー(芝2000m)でも2着オーシャンパークから0.2馬身差3着と接戦しており、コックスプレートに出走していたらどうだったのかなと思わせる結果でした。来年はコックスプレートに出るかもしれないようです


追記:馬主の二人が香港人なのは知っていましたが、こんな経緯があったとは知らなかった。
ヘネシー調教師はオーシャンパークがコックスプレートのような大レースを勝てる可能性があることを信じて、また近年は上級馬が海外に流出することが増えていることを懸念してニュージーランドで走らせるように説得したとのこと。


2012年コックスプレートのレース映像(YouTube)。9番枠の赤い帽子がオーシャンパーク。

コックスプレート(Sportingbet Cox Plate)
2012年10月23日、オーストラリア・ムーニーヴァレー競馬場、芝2040m
3歳以上、G1、14頭、Dead、レース結果、総賞金300万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1オーシャンパーク
Ocean Park
4牡
6倍
G.ボス
57.5kg
2分04秒1411戦【7-3-0-1】
G1競走4勝目
2オールトゥハード
All Too Hard
3牡
9倍
C.ムンス
49.5kg
クビ9戦【4-2-1-2】
前走G1初勝利
3ピエロ
Pierro
3牡
5.5倍
C.ブラウン
49.5kg
3・3/410戦【8-1-1-0】
豪G1ゴールデンスリッパー
など重賞7勝

豪G1マニカトS.、シーサイレンがG1競走3勝目

10月26日に行われた豪G1マニカトS.(芝1200m、3歳以上)は、3番手追走の2番人気シーサイレンが残り200mで先頭に立つと、最内から差したG1初出走のメンタルをクビ差抑えて優勝し、G1競走3勝目を挙げました。

逃げた1番人気のバファリングは6着。


シーサイレンは父ファストネットロック、母エクスプレスアスマイル、母の父サクセスエクスプレスという血統の4歳牝馬。3走前の豪G1BTCカップ(芝1200m)でG1初勝利。2走前のドゥームベン10000(芝1350m)も勝ち、前走6月の豪G1ストラドブロークH.(芝1400m)は9着。

次走は11月10日の豪G1パティナックファームクラシック(芝1200m)の予定で、その後はG1香港スプリント遠征の可能性もあるとのこと。

2012年マニカトS.のレース映像(YouTube、レース途中から)。3番手の青とピンクの勝負服がシーサイレン。

マニカトステークス(Sportingbet Manikato Stakes)
2012年10月26日、オーストラリア・ムーニーヴァレー競馬場、芝1200m
3歳以上、G1、10頭、Dead、レース結果、総賞金75万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1シーサイレン
Sea Siren
4牝
5.5倍
J.キャシディ
56.5kg
1分11秒329戦【6-2-0-1】
重賞4勝目
2メンタル
Mental
4セン
13倍
K.マケヴォイ
58.5kg
クビ11戦【6-1-1-3】
4走前にG3勝ち
3ウィアゴナロック
We're Gonna Rock
6セン
10倍
M.ロッド
58.5kg
2・1/417戦【5-3-1-8】
G1【0-3-1-2】

2012年10月25日木曜日

豪G1コーフィールドカップ、ドゥナデンがG1競走3勝目

10月20日に行われた豪G1コーフィールドカップ(芝2400m)は後方3番手で最終コーナーを回った昨年の豪G1メルボルンカップ(芝3200m)勝ち馬ドゥナデンが最後の直線だけで15頭を大外から差し切って優勝し、G1競走3勝目を挙げました。ウィリアムズ騎手はこのレース2連覇。

前走豪G1コーフィールドS.(芝2000m)2着のアルコポップがここも2着。昨年の豪G1シュウェップスオークス(芝2400m)勝ち馬ライツオブヘヴンが3着。一昨年のメルボルンカップ勝ち馬アメリカインが4着。

前走豪G1ザメトロポリタン(芝2400m)を勝っていたグレンキャダムゴールドは逃げて15着。昨年のこのレースをレコード勝ちしたサザンスピードは出走取り消し。特に異常は無いが牝馬の連覇は1955年以来無いこと、斤量が重いこと、外枠に入ったことなどを考慮して出走しないことにしたと


ドゥナデンは父ニコバー、母ラマリア、母の父カルドゥネヴェという血統のフランス産馬。昨年フランスでG3を1勝したあとオーストラリアに遠征し、豪G3ジーロンカップ(芝2400m)とメルボルンカップを連勝。

G1香港ヴァーズ1着でG1連勝した後は英仏で4戦し2着(英G2ハードウィックS.)が最高でしたが、さすがに"キングジョージ"3・1/2馬身差6着だけあって、中間の一頓挫も大外枠も関係なく、オーストラリアの中距離だと実力が違いました。このあとは2連覇をめざしてメルボルンカップへ。

ただここを勝ったため、昨年より4.5kgも重い59kgのハンデが課されることになりました。過去40年で16頭が59kgかそれ以上を背負いましたが勝ち馬は1頭もいないとのことで(ただし牝馬のマカイビーディーヴァが58kgで勝っています)、厳しい条件になっています。

ウィリアムズは昨年のメルボルンカップでドゥナデンに騎乗予定でしたが、騎乗停止でルメール騎手に替わっていました。ウィリアムズ騎手は意外にもメルボルンカップ未勝利。今年は乗れるといいですけどね。

ちなみにドゥナデンが豪3戦で稼いだ545万豪ドルは、フランケルが全14戦で稼いだ299万8302英ポンドを上回ります(2012年10月25日現在のレートだと545万豪ドルは約350万英ポンド)。

コーフィールドカップ(Caufield Cup)
2012年10月20日、オーストラリア・コーフィールド競馬場、芝2400m
3歳以上、G1、18頭、レース結果、総賞金250万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ドゥナデン
Dunaden
6牡
14倍
C.ウィリアムズ
58kg
2分28秒8234戦【10-9-6-9】
豪G1メルボルンカップ1着
G1香港ヴァーズ1着
2アルコポップ
Alcopop
8セン
16倍
D.ターナー
52.5kg
1/232戦【9-4-0-19】
G1で2着3回目
3ライツオブヘヴン
Lights of Heaven
5牝
11倍
L.ノーレン
53kg
3/418戦【6-3-3-6】
G1含む重賞4勝
豪G1ドゥームベンカップ2着

G1豪1000ギニー、コマンディングジュエルが優勝し2年連続の姉妹制覇

10月17日に行われたG1豪1000ギニー(芝1600m、3歳牝馬)は、中団前目6番手を追走したコマンディングジュエルが馬群の真ん中から突き抜け、2着に2・3/4馬身差をつけて優勝し重賞初勝利をG1で挙げました。

後方4番手追走から直線で最内を突いたディアデミが2着、 後方3番手追走から大外を追い込んだザイデコがさらにハナ差の3着でした。上位3頭は父か母の父がザビールです。

コマンディングジュエルの2走前の豪G31000ギニープレリュード(芝1400m)勝ち馬で重賞連勝中だったレディーオブハロッズは8着。コマンディングジュエルの前走の豪G2マニフォールドS.(芝1610m)勝ち馬メイビーディスクリートは2番人気11着。G2勝ち馬で1番人気のモルトベネは10着。


コマンディングジュエルは父コマンズ、母リガード(豪3戦2勝)、母の父ザビールという血統。3/4同血の半姉アトランティックジュエルは、昨年のこのレースなどG1を2勝し現在7戦7勝の無敗馬(負傷のため休養中)。リガードは今年8月に10歳で死亡してしまっているのは残念です。

コマンズはこれが50頭めのステークス勝ち馬となりました。次走は不明。

2012年1000ギニーのレース映像(YouTube)。内から6頭めの発走、黄色の勝負服、オレンジ色の帽子がコマンディングジュエル。

豪1000ギニー(Schweppes Thousand Guineas)
2012年10月17日、オーストラリア・コーフィールド競馬場、芝1600m
3歳牝馬、G1、16頭、Good、レース結果、総賞金50万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1コマンディングジュエル
Commanding Jewel
3牝
10倍
D.オリヴァー
55.5kg
1分37秒175戦【3-1-1-0】
重賞初勝利
2ディアデミ
Dear Demi
3牝
11倍
J.キャシディ
55.5kg
2・3/413戦【3-3-3-4】
G1【0-2-1-0】
3ザイデコ
Zydeco
3牝
12倍
M.ロッド
55.5kg
ハナ4戦【1-0-1-2】
前走のG2で5着

豪G1コーフィールドギニー、ブラックキャビア半弟オールトゥハードがG1初勝利。ピエロの無敗が途切れる

10月13日に行われた豪G1コーフィールドギニー(芝1600m)は、単勝1.2倍の圧倒的1番人気ピエロが出遅れるもラウィラー騎手が気合をつけて2番手先行し残り300mでいったん2馬身以上抜け出しましたが、道中ほぼ最後方を追走していたオールトゥハードが残り50mで差し切って優勝し、G1初勝利を挙げました。G1競走3勝含むデビューから8連勝中だったピエロの連勝が途切れています。

2走前に豪G1ゴールデンローズ(芝1400m)を勝っていたエポレットがピエロから3馬身ほど後方の中団追走から3着し、人気の3頭で決着。


オールトゥハードは父カジノプリンス、母ヘルシング(未出走)、母の父デザートサンという血統。半姉がブラックキャビアです。豪イースターイヤリングセールにおいて102万5000ドルで落札されていました。

2歳G2を2連勝して挑んだ豪G1サイアーズプロデュースS.(芝1400m)はピエロから1・3/4馬身差の2着。その後3連敗していましたが、前走の豪G1ジョージメインS.(芝1600m)は古馬相手に軽斤量とはいえ3馬身差4着で、もしかするとマイルのほうがいいのかな、くらいの印象はありました。まあ今回はピエロが先行するまでに脚を使いすぎた

上位3頭は27日の豪G1コックスプレート(芝2040m)へ。オールトゥハードはC.マンス騎手が、ピエロは陣営がC.ウィリアムズ騎手を熱望していましたが断られC.ブラウン騎手が騎乗する予定。ともに49.5kgでの出走です。

ピエロは前走、コックスプレートとおなじムーニーヴァレー競馬場の豪G2ビルスタットS.(芝1600m)で5馬身差圧勝しており、コックスプレートでも1番人気に支持されています。


ちなみにブラックキャビアの全妹が10月23日、誕生しています(写真あり)。またブラックキャビアの半弟が来年4月の豪セールに上場されることも発表されました。 今年、260万豪ドル(当時のレートで約2億1500万円)で落札されたブラックキャビアの半妹の、その全弟です(父リダウツチョイス)。オールトゥハードもG1を勝ったし、これからまた勝つかもしれないわけで高額になるのは間違いない。

2012年コーフィールドギニーのレース映像(YouTube)。

コーフィールドギニー(Beck Caulfield Guineas)
2012年10月13日、オーストラリア・コーフィールド競馬場、芝1600m
3歳、G1、8頭、Good、レース結果、100万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1オールトゥハード
All Too Hard
3牡
12倍
D.ダン56.5kg1.36.058戦【4-1-1-2】
重賞3勝目
2ピエロ
Pierro
3牡
1.2倍
N.ラウィラー56.5kg1/29戦【8-1-0-0】
豪G1ゴールデンスリッパー
など重賞7勝
3エポレット
Epaulette
3牡
12倍
K.マカヴォイ56.5kg1・3/48戦【4-1-2-1】
豪G1ゴールデンローズ1着

豪G1コーフィールドS.、オーシャンパークがG1競走3連勝

10月13日に行われた豪G1コーフィールドS.(芝2000m)は、4番手追走のオーシャンパークが最終コーナー出口で先頭に並びかけると、最後の直線で外からせまるアルコポップに3/4馬身差をつけて勝ち、新G1チャレンジS.(芝1400m)、豪G1アンダーウッドS.(1800m)につづきG1競走3連勝を挙げています。

オーシャンパークは父ソーンパーク、母サイーダ(新2勝)、母の父ザビールという血統のニュージーランド産馬。次走は27日の豪G1コックスプレート(芝2040m)へ。24日現在で3番人気のようです。

ちなみにアルコポップは翌週20日の豪G1コーフィールドカップ(芝2400m)でも1/2馬身差の2着に入りました。

2012年コーフィールドステークスのレース映像(YouTube)。赤の帽子がオーシャンパーク。

コーフィールドステークス(Cathay Pacific Caulfield Stakes)
2012年10月13日、オーストラリア・コーフィールド競馬場、芝2000m
3歳以上、G1、6頭、レース結果、総賞金40万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1オーシャンパーク
Ocean Park
4牡
1.5倍
G.ボス58.0kg2分04秒7010戦【6-3-0-1】
重賞4勝目
2アルコポップ
Alcopop
8セン
21倍
D.ターナー59.0kg3/431戦【9-4-0-18】
2000mG1の2着2回目
3シンシーロ
Sincero
5セン
5倍
M.ロッド59.0kgハナ25戦【12-2-0-11】
1500m以下の豪G1を2勝

豪G1トゥーラックH.、ソルジェニーツィンがG1初勝利

10月13日に行われた豪G1トゥーラックH.(芝1600m)は、中団6番手追走したソルジェニーツィンが最後の直線で外から差しきりG1初勝利を挙げました。

半年前に豪重賞2連勝していたスピリットソングがクビ差2着。 G1豪1000ギニーなど豪G1を3勝している母父フジキセキのヨーセイがさらにクビ差の3着に入り、上位3頭は52.5kgまでの軽斤量馬が占めています。

一昨年の勝ち馬でドンカスターマイルなどG1を8勝している母の父サンデーサイレンスのモアジョイアスが1番人気でしたが60kgを背負わされて4着。昨年の勝ち馬でG1競走10勝のペンタイア産駒ムファサは59.5kgで5着でした。


ソルジェニーツィンは父セントピーターズバーグ、母トリヴィクトリー(新14戦未勝利)、母の父ヴィクトリーダンスという血統のニュージーランド産馬。豪G2勝ち馬セントピーターズバーグの産駒ではG1初勝利。重賞を勝ったのはソルジェニーツィンだけ。

4走前に重賞2戦目だった豪G3メイヤーズカップ(芝1600m)優勝。それを含め4連勝で挑んだ前走の豪G1サールパートクラークS.(芝1400m)は3馬身差の3着に敗れていました。

次走は10月27日の豪G2クリスタルマイル(芝1600m)から11月10日の豪G1エミレーツS.(芝1600)へ。

2012年トゥーラックH.のレース映像(YouTube、埋め込み不可なのでリンク先で)。

トゥーラックハンディキャップ(David Jones Toorak Handicap)
2012年10月13日、オーストラリア・コーフィールド競馬場、芝1600m
3歳以上、G1、10頭、Good、レース結果、総賞金40万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ソルジェニーツィン
Solzhenitsyn
6セン
5倍
C.ブラウン
52kg
1分35秒2524戦【11-2-5-6】
重賞2勝目
2スピリットソング
Spirit Song
5牝
21倍
C.ウィリアムズ
52kg
クビ23戦【7-7-1-8】
重賞4戦【2-2-0-0】
3ヨーセイ
Yosei
5牝
13倍
G.ボス
52.5kg
クビ29戦【4-1-3-21】
豪G1を3勝

2012年10月21日日曜日

G1英チャンピオンS.、フランケル Frankel が無敗のG1競走10勝目で引退レースを飾る

10月20日に行われたG1英チャンピオンS.(芝10ハロン)は、フランケルが2馬身ほど出遅れて中団4番手の追走。昨年のこのレースでソーユーシンクやスノーフェアリーを負かしたシリュスデゼーグルが1,2番手を先行し、最後の直線に向くとフランケルが残り2ハロンで並びかけ、残り1ハロンで仕掛けられるとシリュスデゼーグルに1・3/4馬身差をつけて勝ち、デビューから無敗の14戦14勝としました。

お互いのデビュー戦で1/2馬身差の1,2着して以来の再戦だったナサニエルがさらに2・1/2馬身差の3着。3走前に独G1ダルマイヤー大賞8馬身差圧勝の独ダービー馬パストリアスは4着。エイシンアポロンの半弟マスターオブハウンズが5着。6戦連続でフランケルのペースメーカーを務めたフランケルの半兄ブレットトレインが最下位6着。

重馬場で圧勝を続けていたシリュスデゼーグル相手にこの馬場でしたから、さすがにこれまでとは違って見た目の派手な勝ち方にはなりませんでしたがまともに追われたのは最後の1ハロン強だけで完勝でした。


フランケルは父ガリレオ、母カインド、母の父デインヒルという血統。これで14戦14勝で、G1は10勝目。これまでの9勝は、いずれも英G1のデューハーストS.、英2000ギニーセントジェームズパレスS.サセックスS.クイーンエリザベス2世S.ロッキンジS.クイーンアンS.サセックスS.と、デューハーストS.を除いてここまで1マイル戦と、前走の英G1インターナショナルS.が約10.5ハロン。またその10勝で2着につけた着差合計は48と3/4馬身。

フランケルはこれで引退が確定的。一応内部では馬主のカリッド・アヴドゥラ殿下の決定待ちのようですが、「米BCがまだオールウェザーだったら出たかもしれない」とおっしゃているだけのようだから引退するでしょう。

(追記:レーシングポストによるとアヴドゥラ殿下が「これが最後のレース。彼は引退する」すると述べた。)

なお、レース前に公式レーティングでダンシングブレーヴの141を超えるにはシリュスデゼーグルに6馬身をつけて勝つ必要があるとの予測がなされており、今回の着差では142どころか140未満にしかならないと思われる。

2012年の英チャンピオンS.のレース映像(YouTube)。
At the Races


チャンピオンステークス(Qipco Champion Stakes)
2012年10月7日、イギリス・アスコット競馬場、芝10ハロン
3歳以上、G1、6頭、Soft、レース結果、総賞金73万7230英ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1フランケル
Frankel
4牡
1.2倍
T.クウィリー
58.5kg
2分10秒2214戦【14-0-0-0】
G1競走10勝目
2シリュスデゼーグル
Cirrus Des Aigles
6セン
5.5倍
O.ペリエ
58.5kg
1・3/445戦【16-17-5-7】
重賞10勝昨年の勝ち馬
3ナサニエル
Nathaniel
4牡
12倍
W.ビュイック
58.5kg
2・1/210戦【4-4-1-1】
英G1"キングジョージ"1着
英G1エクリプスS.1着

2012年10月20日土曜日

英G1クイーンエリザベス2世S.、エクセレブレーションがG1競走3勝目

10月20日に行われた英G1クイーンエリザベス2世S.(芝1マイル、3歳以上)は、中団追走のエクセレブレーションが残り2ハロンで進路が開くと軽く仕掛けられただけで先頭に並びかけ、まともに追われたのは残り1ハロンだけでしたが、先行したシティースケープに3馬身差、逃げたイルーシヴケイトにさらに3・1/4馬身差をつけて楽勝し、G1競走3勝目を挙げました。

8月の仏G1ジャクルマロワ賞(芝1600m)の1,2,3着で決まっています。エリザベス女王のカールトンハウスは4着。

エクセレブレーションはジャックルマロワ賞以来の出走。シティースケープは前走9月の加G1ウッドバインマイルS.(芝1マイル)3着を、イルーシヴケイトは前走9月の英G1サンチャリオットS.(芝1マイル)2着をそれぞれはさんでの出走でした。


エクセレブレーションは父イクシードアンドエクセル、母サンシャワー(1戦未勝利)、母の父インディアンリッジという血統のアイルランド産馬。この勝利で14戦8勝2着4回3着1回としました。敗れた6戦のうちデビュー戦4着を除く5戦の勝ち馬はいずれもフランケルで、他に1頭に先着されたことがあるだけです。

フランケルがいないレースなら圧倒的に強いのにどれだけ勝っても主役になれない感がすごい。次走米G1 BCマイルへ。

2012年クイーンエリザベス2世S.のレース映像は、この記事上部でそのうちみれるようになるはずです。またはこちら(要登録)。

クイーンエリザベス2世ステークス
(Queen Elizabeth II Stakes Sponsored By Qipco)
2012年10月20日、イギリス・アスコット競馬場、芝1600m
3歳以上、G1、8頭、Soft、レース結果、総賞金56万7100英ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1エクセレブレーション
Excelebration
4牡
1.9倍
J.オブライエン
58.5kg
1分42秒3314戦【8-4-1-1】
G1【3-3-1-0】
2シティースケープ
Cityscape
6牡
6倍
J.ドイル
58.5kg
3 22戦【6-9-2-5】
G1ドバイDF1着
3イルーシヴケイト
Elusive Kate
3牝
5.5倍
W.ビュイック
55.8kg
3・1/411戦【5-2-2-2】
仏G1マルセルブサック賞1着

2012英チャンピオンS.のネット中継サイト(フランケル引退レース)

10月20日(土曜日)に行われるG1英チャンピオンS.(芝10ハロン)のネット中継を見られそうなサイト一覧です。

まず出馬表など(勝負服確認は上の二つで)
The 4.05 Ascot Full Race Card - 20 October 2012 | Racing Post
英チャンピオンS 2012 出走馬展望【おうまのアイコン wire-to-wire】
2012英チャンピオンS.出走馬紹介

不良馬場の10ハロンならシリュスデゼーグルがやってくれるかもしれない。発走は現地時間午後4時05分、日本時間21日午前0時05分の予定。


ニコ生(非公式)
http://com.nicovideo.jp/community/co57827
http://com.nicovideo.jp/community/co1685673


BBC
BBC One で中継するから iPlayer で見れるでしょう。要プロキシー(3時間無料プラン)。
BBC iPlayer - Racing from Ascot: 2012: British Champions Day

BBCの非公式
http://www.vipboxsports.eu/horse-racing/91459/1/racing-from-ascot-live-stream-online.html


未確認ですが、次の仏サイトでも見れるかもしれません。
http://www.leturf.fr/index_video.php
(internationalをクリック、ただし下のリンク推奨。レース映像しか流さずそれ以外は静止画です)
http://pgratuit.free.fr/TV/Sport/TV_Courses_Pro_1.html
(上のリンクのミラー。勝手に配信しているサイトだと思いますが、上のリンクはあまり大きい負荷をさばけないことが分かっているので、ミラー配信を通したほうがいいです。)
https://www.genybet.fr/?target=/faces/live/live.html#about:blank
(映像は上と同じ。その前後にすこし解説等があります。)


期待のトルコ
http://w3.tjk.org/Content/CanliYayin.aspx


有料サイト
At the Races
無料会員登録後に月額5.99英ポンドの有料登録へ進んでください。要プロキシー。

Racing UK
月額15英ポンド(要プロキシー)→http://www.racinguk.com/online
月額24.99英ポンド(プロキシー不要)→http://intl.racinguk.com

2012英チャンピオンS.出走馬紹介(フランケル引退レース)

フランケルの引退レースに予定されている英G1チャンピオンS.に出走する全6頭についてです。ペースメーカー1頭を除く5頭がG1勝ち馬。日本時間21日午前0時05分発走予定。ネット中継サイトはこちらをご覧ください。

なお、馬場状態を陣営が確認した結果、フランケルが出走することが日本時間19時10分ごろに明らかにされています。

Today's Racing Cards & Runners | 20 October 2012 | Racing Post
英チャンピオンS 2012 出走馬展望【おうまのアイコン wire-to-wire】

◎フランケル(単勝オッズ1.28倍程度)
○シリュスデゼーグル(5倍)
▲パストリアス(51倍)
△ナサニエル(12倍)

フランケル Frankel
13戦13勝。G1は8連勝含む通算9勝。前走の英G1インターナショナルS.でマイルを超える距離初出走したが7馬身差で圧勝した。公式レーティングでダンシングブレーヴの141にまだ届いていないが、140以上を2回出したのはフランケルが史上初めてである。

雨で Heavy の不良馬場になることも予想されていたが、20日朝時点で基本 Soft、場所によりHeavyと発表されている

フランケル自身はデビュー戦で一度だけ Softの馬場を走ったことがあり、2着ナサニエルに着差こそ1/2馬身差であったが楽勝している。しかし当日はその1時間前まで、よりましな"Good To Soft"の馬場状態でもあった。

今回はそれよりはるかに悪い馬場であり、また後述シリュスデゼーグルは重馬場を得意にしている。


シリュスデゼーグル Cirrus Des Aigles
2011年の本格化後は、「2010年ジャパンカップ9着」が冗談に聞こえるほどの実績で、昨年のこのレースではソーユーシンク、スノーフェアリー、ナサニエルらを負かしてG1初勝利を挙げた。欧州最優秀古馬にも選ばれている。公式レーティングで現役世界2位で、フランケルとはこれが初対戦である。

特に重・不良馬場に強く、仏G3ゴントートビロン賞(芝2000m)8馬身差、仏G2ドーヴィル大賞(芝2500m)10馬身差、仏G1ガネー賞(芝2100m)8馬身差で勝っており、前走、凱旋門賞前日の仏G2ドラール賞(芝1950m)も9馬身差で勝っている。

今年はAW良馬場でそれぞれ1回ずつ取りこぼし、また順調に使えない時期も合ってドラール賞が4ヶ月ぶりの競馬ではあったが、何とか間に合って雨の恵みもある。最も力を発揮できる条件で一発なるか。


ナサニエル Nathaniel
デビュー戦でフランケルの1/2馬身差2着。これはフランケルの全13勝のうち最小着差である。2頭の再戦はそのデビュー戦以来のこと。

昨年の"キングジョージ"勝ち馬。今年は英G1エクリプスS.を制し、"キングジョージ"でもデインドリームのハナ差2着した。G1愛チャンピオンS.でスノーフェアリーの1・1/4馬身差2着したが凱旋門賞は熱発のため回避。

7ヶ月ぶりの出走だったエクリプスS.で1/2馬身差2着に負かしたファーがインターナショナルS.でフランケルの7馬身差2着。そのインターナショナルS.でファーからハナ差の3着だったセントニコラスアビーは愛チャンピオンS.でナサニエルから3/4馬身差の3着。普通の馬場ならフランケルとは明らかに分が悪いが。

Soft より悪い馬場で走るのはデビュー戦以来のことだが陣営はナサニエルについて以前から硬い馬場を嫌っていた。また全妹のグレートヘヴンズが Soft のG1愛オークスを3馬身差で完勝し、Heavy の凱旋門賞でも11馬身差6着に入っており、シリュスデゼーグルのように得意かはまだ分からないが、フランケルとの馬場適性の比較では特に不利でもないはず。

なお、騎乗予定のW.ビュイック騎手はフランケルが勝つと明言している


パストリアス Pastrius
デットーリ騎手に乗り替わって初コンビで参戦。上の3頭とはこれが初対戦。また6頭中唯一の3歳馬である。

今年のG1独ダービー(芝2400m)優勝。その次走、古馬初対戦の独G1ダルマイヤー大賞(芝2000m)は8馬身差で圧勝した。独G1バーデン大賞(芝2400m)でデインドリームから1馬身差の3着。前走の独G3で重賞4勝目を挙げた。

今年唯一重馬場(Soft)を走ったのがダルマイヤー大賞であり、その勝ちタイム2分12秒04は過去10年で2番目に遅く、かなり馬場状態が悪かったと考えられる。そのときの2着馬で前年の勝ち馬ダーバンサンダーは前走、良馬場のG3でパストリアスの1・1/4馬身差に入って差を詰めている(斤量差も詰まったのだが)。パストリアスは良馬場でもドイツトップクラスだが重馬場も得意である可能性が高い。

父ソルジャーホロウは現役時代、重馬場に強く、母の父モンズンも初期の産駒の活躍が重馬場で目立った。また1999年以来の悪い馬場だった今年の凱旋門賞当日でも、父モンズンのシラソルが仏G1マルセルブサック賞1着し、同産駒のマスターストロークとイエローアンドグリーンが凱旋門賞3,5着、また2代母がモンズンの全妹モリーマローンが仏G1カドラン賞1着と人気以上に走っていた。

今回はダルマイヤー大賞以来の重・不良馬場。今回がドイツ国外で初出走だが力を発揮できればナサニエルを負かす可能性はある。


マスターオブハウンズ Master Of Hounds
 エイシンアポロンの半弟である。

昨年の米G1ケンタッキーダービー5着。今年ドバイでG1ジェベルハッタ(芝1800m)優勝。ドバイワールドカップ8着以来の出走だった前走9月のトルコローカルG2で頭差1着からの参戦で、R.ムーア騎手とはG2 UAEダービーのハナ差2着以来となる1年半ぶり2度目のコンビ。

芝10ハロンを走るのはこれが初めて。また芝の重馬場も初めてだが、キングマンボ×サドラーズウェルズの血統だから重馬場が大得意の可能性もある。良から稍重ならG1馬とはいえ5番手評価にすんなり落ち着くのだが。


ブレットトレイン Bullet Train
フランケルの1歳上の半兄(3/4同血)。弟を先導してやるのも今回が最後。 

 2010年に英G3ダービートライアルS.1着。同レースは"Good to Firm"の硬い馬場だった。

その次走、5番人気で出走したG1英ダービーで12頭立て最下位に敗れるとそれ以降低迷を続け、昨年の英G1クイーンエリザベス2世S.から前走のインターナショナルS.まで5戦連続でフランケルのペースメーカーを務めるようになった。

ちなみにその5戦のうち、G1クイーンアンS.で11頭立て6着、G1インターナショナルS.では9頭立て5着と、他のペースメーカー以外の馬、たとえば前走G2勝ち馬などにも先着することがあった。

2013凱旋門賞はロンシャンで。シャンティイ競馬場での凱旋門賞は2015年

来年2013年と翌2014年の凱旋門賞はロンシャン競馬場で開催され、ロンシャン競馬場の改修のため別の競馬場で凱旋門賞が行われるのは2015年のようです。

その凱旋門賞ですが、現在のままのロンシャン競馬場で行われるのは、2013年までということが明らかになりました(今のところは、ですが)。
2013年の凱旋門賞が終わった後に工事に入り、2015年夏に完工となる予定です。よって、どこで行われるのかが決定していないのは、2014年の凱旋門賞、ということになります。
ニュー・ロンシャン計画: 『華麗なるフランス競馬』公式ブログ(2011年の記事)

工事は2014年に始まる。1回の凱旋門賞は別の競馬場で行われ、まだ決まっていないがシャンティイ競馬場が妥当だ(と書いてあるようです。Google翻訳経由)
Rencontre avec Bertrand Bélinguier - Paris-Turf (2012年7月の記事)

2014年の凱旋門賞終了後に一旦閉場し、2016年の同レースに間に合うようにオープンすることが予定されているロンシャン競馬場改修計画
ロンシャン競馬場の改修計画が前進(フランス)[開催・運営] - 海外競馬ニュース(2012/07/19)【開催・運営】 | 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル

『華麗なるフランス競馬』公式ブログさんが
今年(2011年)10~11月に競馬協会会長の選挙があるので、それが終わるまではこの「ニュー・ロンシャン計画」の進行もはかばかしくありません。その後もあまりぐずぐずしていると、もっと遅れる可能性も出てきます。
 と続けていて、そのとおり改修予定時期が遅れた、ということですかね。


仏G1ジャンリュックラガルデール賞を勝ったオリンピックグローリーについて「コース経験も作れたので同厩舎の使い分けが必要なときは英2000ギニーではなく仏2000ギニーに行くかも」というコメントがあったので、「2013年はロンシャン改修じゃないの」と思って調べたのですけどね。

今年の凱旋門賞後に「来年はシャンティイ競馬場で」と言われていましたし、私もそう思っていましたが、それは古い知識で間違いっぽいということです。

ちなみにロンシャン競馬場のスタンド改修案に関するコンペの優勝作品は次のリンク先で見れます。このまま採用されるのかは知りません。
dominique perrault: new longchamp racecourse

シャドウゲイトがアイルランド移籍初戦を快勝

10月19日に行われたアイルランドの3歳以上別定戦(AW約2150m)にシャドウゲイトが出走し4,5番手を追走すると、逃げたアーネストヘミングウェイを残り1ハロンで差し切って優勝しアイルランド移籍初戦を勝利で飾りました。児玉敬調教師は2010年7月のポップロック以来の勝利を挙げています。

3走前のデビュー戦でこのコース・距離を10馬身差で圧勝し、前走の凱旋門賞16着だったアーネストヘミングウェイが2・1/2馬身差の2着。

前走やはり同コース・距離の愛G3ダイアモンドS.で4馬身差6着していた Banna Boirche がシャドウゲイトから4・1/2馬身差3着。同G3で3・3/4馬身差4着のブレンダンブラッカンが1番人気でしたが8・1/2馬身差の6着に敗れました。


ちなみにアーネストヘミングウェイには、エイダン・オブライエン調教師の娘で先月末にデビューしたばかりのアナスタシア・オブライエンが騎乗していました。経験のあるジョッキーならシャドウゲイトももう少し厳しい競馬だったかもしれません。


シャドウゲイトの斤量はBanna Boircheより約3.1kg軽く、3歳のブレンダンブラッカンと比べても約0.9kg軽い斤量でした。その2頭の前走G3における他馬との斤量差は1頭を除いて性差・年齢差に基づいた差だけだったから単純な比較は出来ませんが、今回の勝利で準重賞くらいなら勝てる目処もついたように思います。

レース結果。レース映像。

2012年10月19日金曜日

米G3バーボンS.、バランスザブックスが重賞連勝。母は日本で16戦1勝

10月7日に行われた米G3バーボンS.(芝8.5ハロン、2歳)は、後方2番手を追走した単勝1.9倍の1番人気バランスザブックスが直線入り口でも最後方でしたが大外を追い込み、ゴール直前でハナ差差し切って優勝しました。昨年、最後の直線でいったん抜け出しながら馬が寄れて内ラチに衝突しラチ外に投げ出されて落馬したルパルー騎手が騎乗していました。

2番手追走からハナ差2位入線した人気薄のリアリーシャープは最後の直線で右に寄れて2頭に激しく接触し6着に降着。ステークス勝ち馬の2番人気ブラウンオールマイティが2着に繰り上がっています。

バランスザブックスは斜行の影響をほとんど受けていない分、2-4着に対して有利ではありましたが、一方で前走の米G2ウィズアンティシペーションS.(芝8.5ハロン)を勝っていたため他馬より約1.8kg重い斤量での出走でした。差し引きゼロとは言いませんが。


バランスザブックスは父レモンドロップキッド、母クライスレリアーナ、母の父シーキングザゴールドという血統。ミスプロの3×3、バックパサーの4×4。

母クライスレリアーナ(netkeiba)は日本で走りデビュー3戦目で未勝利勝ち。その後、500万下を13戦し2着1回3着1回し、2001年から2004年までJRA通算16戦1勝しました。その母が、牡馬相手の英G1エクリプスS.でオペラハウスに1・1/2馬身差をつけて勝つなど英愛独でG1を4勝したクーヨンガです。

バランスザブックス自身はデビュー戦は後方から追い込んで2着。回避馬が出たため補欠から繰り上がって出走した前走の米G2ウィズアンティシペーションS.も大外から追い込んでデビュー2戦目で初勝利。未勝利馬だったため2-4着馬より約1.8kg軽い斤量で出走していました。

ウィズアンティシペーションS.で頭差2着に下したジョハはその次走の米G1ディキシアナブリーダーズフューチュリティ(AW8.5ハロン)を1馬身差で逃げ切って優勝しています。この2頭は米G1 BCジュベナイルターフ(芝1マイル)で再戦する可能性が高いです。

ここまで3戦すべて芝8.5ハロンを走り、ほぼ最後方から追い込む競馬しかしていないのでわずか100mとはいえ距離短縮はあまり向きそうもないですが、でも日本で1勝しか出来なかった牝馬の子が米G1、それもブリーダーズカップ競走を勝つかもしれません。ジュベナイルターフは日本時間11月4日午前3時55分の発走。


ちなみにイギリスに日本で未勝利だったマチカネハマチドリの子ビクトリクスルードラム Victrix Ludorumという2歳馬がおり、高額賞金レースを2連勝中です。

2012年バーボンS.のレース映像。スタート直後に後方に下がる赤の帽子、白と赤の勝負服がバランスザブックス。


参考:ウィズアンティシペーションS.のレース映像

バーボンステークス(Bourbon Stakes)
2012年10月7日、アメリカ・キーンランド競馬場、芝8.5ハロン
2歳、G3、12頭、Firm、レース結果(PDF)、総賞金15万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1バランスザブックス
Balance the Books
2牡
1.9倍
J.ルパルー1分45秒153戦【2-1-0-0】
2勝はどちらも重賞
2ブラウンアルマイティ
Brown Almighty
2牡
6.3倍
F.トーレスハナ+
1・1/2
4戦【2-2-0-0】
ステークス1勝
3ソノファサムライ
Sonofasamurai
2牡
8.8倍
D.コーエン23戦【1-0-2-0】
前走初勝利

加G1カナディアン国際S.、ジョシュアツリーが2年ぶり2勝目。ジャパンカップ2回目の参戦へ

10月14日に行われた加G1カナディアンインターナショナルS.(芝12ハロン、3歳以上)は前走の仏G2フォワ賞でオルフェーヴルの3着だったジョシュアツリーが1/2馬身差逃げ切って優勝し、このレース2年ぶり2勝目、重賞4勝目を挙げました。デットーリ騎手は「逃げて自分たちのペースに落とす、予定通りの競馬でした」と。

前走の英G3セプテンバーS.(AW12ハロン) で1年半ぶりの重賞2勝目を挙げていたダンディーノが2着に入り、イギリス調教馬のワンツー決着でした。ちなみにこの2頭は2010年のG1ジャパンカップ(芝2400m)で10着11着していました(そのひとつ前の9着が現在レーティング世界2位のシリュスデゼーグル)。

今年の仏G1パリ大賞(芝2400m)1着以来の出走だったインペリアルモナークは1番人気6着。9月の加G1ノーザンダンサーターフS.(芝12ハロン)勝ち馬ウィグモアホールが4着。同3着のフォルテデイマルミがここでも3着。


ジョシュアツリーは父モンジュー、母マデイラミスト(加G3で1勝)、母の父グランドロッジという血統のアイルランド産馬。 モンジュー産駒は昨年のサラリンクスと合わせてこのレース3連覇。

前述どおり一昨年のこのレースの勝ち馬。また不良馬場で行われた昨年も出走していましたが、スミヨン騎手騎乗のサラリンクスにうまく最内から抜け出され4馬身差の2着でした(サラリンクスは次走のJCで0.9秒差12着)。

次走は11月25日に行われるG1ジャパンカップ(芝2400m)へ。カナディアン国際を勝ったため、ジャパンカップで3着以内に入った場合、1着8000万円、2着3200万円、3着2000万円の報奨金(ボーナス)が用意されています。

2010年のジャパンカップ10着は前走カナディアン国際を勝っていたとはいえデビューからわずか7戦目、3歳時のもの。また東京競馬場で中団を追走して切れ味勝負で日本馬にかなうわけも無く、最近は先行することが増えているし今回のように逃げればまた違った結果が出るかもしれない(まあ5着に入るのも難しいと思いますが)。フォワ賞でも騎乗していたデットーリ騎手と来日して欲しいですね。

2012年カナディアン国際S.のレース映像。ゲート手前から3頭目、8番がジョシュアツリー。


カナディアンインターナショナルステークス
(Pattison Canadian International Stakes)
2012年10月14日、カナダ・ウッドバイン競馬場、芝2400m
3歳以上、G1、10頭、Good、レース結果(PDF)、総賞金150万カナダドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ジョシュアツリー
Joshua Tree
5牡
5.35倍
L.デットーリ2分30秒8924戦【6-6-3-9】
重賞4勝
2ダンディーノ
Dandino
5牡
26.4倍
J.クロウリー1/221戦【7-6-1-7】
英12ハロン重賞2勝
3フォルテデイマルミ
Forte Dei Marmi
6セン
9.35倍
J.ヴェラスケス1/225戦【7-1-5-12】
前走米G2で1着

加G1EPテイラーS.、シユーマがG1連勝。マイルチャンピオンシップへ来日予定

10月14日に行われた加G1E.P.テイラーS.(芝10ハロン、3歳以上牝馬)は4,5番手を追走した1番人気シユーマが残り400mで抜け出して優勝し、G1連勝しました。

前走の独G3で重賞初勝利を挙げていたパジェラが3番手内を追走し直線でも内を突いて2着。中団後方追走した昨年の3着馬で2番人気のドリームピースは外から差して3着でした。

これで欧州からの遠征または移籍馬が6年連続の勝利。6年前の勝ち馬ミセスリンジーは米ペンシルヴァニア州産馬ですが、それ以降は欧州産馬が5年連続の勝利です。今回も上位6頭までが遠征または移籍馬でした。


シユーマは父メディシアン、母シキーラ(仏2勝)、母の父デインヒルという血統のアイルランド産馬。半兄のシユーニは仏G1ジャンリュックラガルデール賞勝ち馬で、仏G1ジャンプラ賞2着、仏G1ムーランドロンシャン賞3着馬です。また母シキーラは仏G1ムーランドロンシャン賞(芝1600m)など仏伊でG1を4勝したスリックリーの半妹という良血。

3走前に英G1ファルマスS.(芝1マイル)で3着。その次走の仏G1ジャンロマネ賞(芝2000m) はスノーフェアリーから1・3/4馬身差の5着。前走の英G1サンチャリオットS.(芝1マイル)はG1馬4頭を相手に2番手追走から押し切って重賞初勝利を挙げていました。


次走は11月18日のG1マイルチャンピオンシップ(京都・芝1600m)に出走予定です。ドゥーメン調教師は「サンチャリオットS.を勝っているため、勝てばボーナス賞金がある。またマイルCSまで1ヶ月しかないが、日曜日(のEPテイラー)は楽なレースで肉体的にも精神的にも厳しいレースにならなかったから」と述べています

2012年の報奨金額はマイルCSの場合、1着5000万円、2着2000万円、3着1300万円です。

サンチャリオットS.は昨年までサプレザが3連覇。そのサプレザはマイルCSに3年連続出走し、3着、4着(タイム差なし)、3着と3年連続で好走しました。

サンチャリオットS.の勝ちタイムもサプレザ1分34秒40(09年)に対し、シユーマ1分34秒66で遜色なく、マイルCSでも上位争いできておかしくない。

2012年E.P.テイラーS.のレース映像。3番がシユーマ。



参考:前走の英G1サンチャリオットS.のレース映像。ゲート向かって1番左がシユーマ。

E.P.テイラーステークス(E. P. Taylor Stakes)
2012年10月14日、カナダ・ウッドバイン競馬場、芝10ハロン
3歳以上牝馬、3歳5ポンド減、G1、13頭、レース結果(PDF)、総賞金100万カナダドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1シユーマ
Siyouma
4牝
3.85倍
G.モッセ2分03秒0410戦【4-0-3-3】
重賞2勝はどちらもG1
2パジェラ
Pagera
4牝
14.2倍
O.ペリエ1・3/414戦【3-3-0-8】
重賞7戦【1-1-0-5】
3ドリームピース
Dream Peace
4牝
4.0倍
R.ドミンゲスクビ15戦【4-2-6-3】
仏重賞1勝
米加G1【0-1-3-0】

加G1ニアークティックS.、重賞初出走ネクストクエスチョンが逃げ切る

10月14日に行われた加G1ニアークティックS.(芝6ハロン、3歳以上)は、これが通算7戦目の4歳セン馬ネクストクエスチョンが逃げ切り、ステークス初出走でG1勝利を挙げました。

2着に遠征馬の英ナイトカーネーション(昨年英G3勝ち。今年の英G1キングズスタンドS.22頭立て6着。また前走で英仏G1競走2勝馬リーガルパレードを負かしている)。

1頭だけ約1.8kg重い斤量だった1番人気ビッグバンドサウンドは外から追い上げましたが1・1/2馬身差の4着。昨年の2歳G1で2着2回、また愛重賞3勝している愛3歳牝馬ファイヤリリーは2番人気10着に終わっています。4歳牝馬のナイトカーネーションより斤量が重いのはさすがに厳しかったでしょうね。


ネクストクエスチョンは父ストーミーアトランティック、母シアトルスターダスト(米4戦未勝利)、母の父スルーシティスルーという血統のアメリカ産馬。シアトルスルーの3×3。母シアトルスターダストは2004年のBCマイル勝ち馬シングレタリーの半妹です。

前走のアローワンスオプショナルクレーミング(芝7ハロン)で5馬身差圧勝。その前の2走はアローワンスで4着と5着でしたがどちらも大きな不利を受けていたようです。

次走は米G1 BCターフスプリント(芝6.5ハロン)へ。

2012年ニアークティックS.のレース映像。並んで逃げる2頭の外側、7番がネクストクエスチョン。


ニアークティックステークス(Nearctic Stakes)
2012年10月14日、カナダ・ウッドバイン競馬場、芝6ハロン
3歳以上、G1、11頭、Good、レース結果(PDF)、総賞金50万カナダドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ネクストクエスチョン
Next Question
4セン
17.05倍
R.ドミンゲス
53.1kg
1分09秒327戦【3-1-1-2】
重賞初出走
2ナイトカーネーション
Night Carnation
4牝
5.65倍
J.ヴェラスケス
51.7kg
1/217戦【5-3-1-8】
英G3を1勝
3ベアタフタイガー
Bear Tough Tiger
4セン
10.85倍
J.スタイン
53.1kg
1/211戦【6-2-1-2】
加重賞2戦5着と6着

米G1クイーンエリザベス2世チャレンジカップS.、デイアットザスパが逃げ切りG1初勝利

10月13日に行われた米G1クイーンエリザベス2世チャレンジカップS.(芝9ハロン、3歳牝馬)は、 大外枠発走から逃げた2番人気デイアットザスパが2着に2馬身差をつけて逃げ切り重賞3勝目、G1初勝利を挙げました。

カステリャーノ騎手は「ペースが落ち着いてくれました」と述べています。上がり3ハロンが34.06秒。

昨年の米G1アルシバイアディーズS.米G2 BCジュベナイフィリーズターフを連勝し、この前走もG2を勝っているステファニーズキトゥンが1番人気6着。ちなみにそのG2レイクプラシッドS.(芝9ハロン)の2、5着馬がここで2,3着したセンターコートとベターラッキーで、当時はステファニーより重い斤量で出走していました。今回は同斤量。

愛1000ギニー米ガーデンシティーS.(芝9ハロン)と今年G1を2勝しているサミターは3番人気4着。そのガーデンシティーS.2,3着馬は5,8着でした。


デイアットザスパは父シティージップ、母エムレディードク(7戦未勝利)、母の父ドクズリーダーという血統。 母の全兄に米G3サラナックH.勝ち馬ファイベータドク。

3月の米G3ヒアカムズザブリッジS.(芝9ハロン)、4月の米G3アパラチアンS.(芝1マイル)を含めステークス5連勝となりました。いずれも逃げ、2番手先行策からの勝利。デビューからの通算成績は8戦6勝2着1回。

唯一連対をはずしたのが昨年の米G2 BCジュベナイフィリーズターフ(9着)ですが、今年はBCには出走せず11月25日の米G1メイトリアークS.(芝1マイル)に向かう予定だそうです。BCに行くなら F&Mターフ(芝10ハロン)くらいしか選択肢が無く、10ハロンも古馬との対戦も未経験だし、ナーレインやアイムアドリーマーなど欧州組を中心に相手も揃いそうだから、ということでしょう。

2012年クイーンエリザベス2世チャレンジカップS.のレース映像。


クイーンエリザベス2世チャレンジカップステークス
(Queen Elizabeth II Challenge Cup Stakes)
2012年10月13日、アメリカ・キーンランド競馬場、芝9ハロン
3歳牝馬、全馬同斤量、G1、8頭、Firm、レース結果(PDF)、総賞金40万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1デイアットザスパ
Dayatthespa
3牝
4.3倍
J.カステリャーノ1分48秒998戦【6-1-0-1】
重賞3勝目
2センターコート
Centre Court
3牝
6.8倍
J.ルパルー28戦【3-4-0-1】
6,7月に米重賞2連勝
3ベターラッキー
Better Lucky
3牝
15.4倍
S.ブリッジモハン1/28戦【3-1-2-2】
6月に米G2勝ち
7月G2でセンターコートの2着

2012年10月17日水曜日

シャドウゲイトが19日の愛レースに登録

アイルランドの児玉敬厩舎に移籍したシャドウゲイトが10月19日に行われるアイルランドのレースに登録されています。

The 9.25 Dundalk (AW) Full Race Card - 19 October 2012 | Racing Post

AW約2150mのレースで1着賞金1万0350ユーロ。この賞金額でも19日のダンダーク競馬場で2番目に高い。出走すればシャドウゲイトにとって昨年2011年12月のG3中日新聞杯4馬身差10着以来となる約10ヶ月ぶりのレースです。

昨年ほかにG3中京新聞杯2着(16頭)、G3新潟大賞典5着(15頭)していますが、10ヶ月ぶりの10歳でどれだけやれるでしょうか。

米G1スピンスターS.、エンパイアメーカー産駒インランジェリーがG1初勝利

10月7日に行われた米G1スピンスターS.(AW9ハロン、3歳以上牝馬)は4番手の内を追走した1番人気インランジェリーが最後の直線で外に持ち出されると2着に2馬身差、3着にさらに2・1/4馬身差をつけて完勝し、重賞3勝目、G1初勝利を挙げました。

2走前に米G2を勝ったミスティカルスターが3番人気2着。昨年の勝ち馬アルーナが2番人気でしたが中団後方のまま6着でした。


インランジェリーは父エンパイアメーカー、母キャットチャット(米G2を1勝)、母の父ストームキャットという血統。祖母はBCジュベナイルフィリーズ勝ち馬。エンパイアメーカー産駒のスピンスターS.勝利はこの4年で3頭目。

米G3バーボネットオークス(AW1マイル)、米G2ブラックアイドスーザンS.(ダート9ハロン)を連勝し、米G1 CCAオークス(ダート9ハロン)3着、米G1アラバマS.(ダート10ハロン)2着してここに臨んでいました。

次走はBCレディースクラシック(ダート9ハロン)かフィリーアンドメアターフ(芝10ハロン)かですが、まだ決定されていません。前者だと2連覇を狙うロイヤルデルタや、アラバマS.でインランジェリーに9馬身差をつけて勝ったクエスティングなど強敵との対戦。

それならバーボネットオークス6馬身差楽勝など今回含めてオールウェザーは3戦3勝だから初芝でもF&Mターフのほうが勝てる可能性があるんじゃないか、と考えているようです。


ちなみにこの前日の米G2インディアンオークスを同産駒のグレースホールが約6馬身差で勝ち、重賞4勝目を挙げました。 2着は前走G2勝ち、3着はG1含む重賞2勝馬でした。次走はBCレディースクラシック。

なお11月5日のファシグティプトン11月セールに上場予定(71番。そのすぐ下の76番は昨年の米年度代表馬ハヴルドグレース。86番がインランジェリー)。

2012年スピンスターS.のレース映像。


スピンスターステークス(Juddmonte Spinster Stakes)
2012年10月7日、アメリカ・キーンランド競馬場、AW9ハロン
3歳以上牝馬、G1、10頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金50万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1インランジェリー
In Lingerie
3牝
3.4倍
J.ヴェラスケス1分49秒427戦【4-2-1-0】
重賞3勝目
2ミスティカルスター
Mystical Star
4牝
5.8倍
J.レスカノ210戦【4-2-0-4】
前走G1で8着
3アッパーライン
Upperline
5牝
9.8倍
J.グラハム2・1/425戦【8-5-4-8】
重賞2勝

米G1サンタアニタスプリントチャンピオンS.、コイルがG1競走2勝目

10月6日に行われた米G1サンタアニタスプリントチャンピオンシップS.(ダート6ハロン、3歳以上)は、4番手追走のコイルが最終コーナーで前まで1馬身差に詰め、最後の直線入り口で先頭に立つと、さらに後方を追走し外から追い込んだキャピタルアカウントを頭差抑えて優勝し、G1競走2勝目を挙げました。

7月の米G1ビングクロスビーS.1着以来の出走だった昨年の勝ち馬アマゾンビー(昨年までエイシェントタイトルS.のレース名)は、最後の直線で一度は2番手まで上がりましたが2頭に交わされ4着。 1,2着馬より約2.2kg重い斤量で1着から約1・1/2馬身差だから健闘しており、BCスプリント2連覇の可能性も十分。

6月の米G1トリプルベンドS.(ダート7ハロン)勝ち馬キャンプヴィクトリーもアマゾンビーと同斤量で約7馬身差6着とこちらは大敗。


コイルは父ポイントギヴン、母エヴァースマイル(米10戦1勝)、母の父シアトリカルという血統

昨年の米G1ハスケル招待H.(ダート9ハロン)1着。トラヴァースS.10着を挟んで古馬初対戦の米G1グッドウッドS.(ダート9ハロン)はゲームオンデュードから2馬身差の3着。

今年は距離短縮し、今年初戦のアローワンス(AW7ハロン)1着、前走の米G2パットオブライエンS.(AW7ハロン)はキャピタルアカウントから1/2馬身差の2着でした。この2頭は同じバファート厩舎でBCスプリントに向かう模様。

2012年サンタアニタスプリントチャンピオンシップS.のレース映像。3番枠、赤の勝負服がコイル。


サンタアニタスプリントチャンピオンシップステークス
(Santa Anita Sprint Championship Stakes)
2012年10月6日、アメリカ・サンタアニタ競馬場、ダート6ハロン
3歳以上、G1、7頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金25万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1コイル
Coil
4牡
8.6倍
M.ガルシア
54kg
1分09秒8911戦【6-2-2-1】
G1競走2勝目
2キャピタルアカウント
Capital Account
5牡
8.0倍
D.フロレス
54kg
アタマ10戦【5-3-2-0】
前走G2勝ち
2走前にG1でアマゾンビーの3着
3ジミークリード
Jimmy Creed
3牡
8.0倍
G.ゴメス
53.5kg
3/45戦【2-2-1-0】
前走ステークス2着

米G1シャドウェルターフマイルS.、ワイズダンが芝マイルG1連勝

10月6日に行われた米G1シャドウェルターフマイルS.(芝1マイル、3歳以上)は、中団7番手の内を追走した圧倒的1番人気ワイズダンが最終コーナーで前を捕らえると最後の直線半ばで4,5馬身抜け出し、最後は重賞2勝のウィルコックスインが2馬身差まで詰めましたが、楽勝でG1連勝(通算3勝目)、重賞8勝目を挙げています。

4月の米G1メーカーズ46マイルS.(芝1マイル)勝ち馬データリンクは2番人気5着。重賞3勝含むステークス5連勝した3歳シルヴァーマックスが3番人気9着。前走のG1セクレタリアトS.に続き2連敗でG1は家賃が高いか。


ワイズダンは父ワイズマンズフェリー、母リサダニエル(米1勝)、母の父ウルフパワー(南ア年度代表馬)という血統。1歳上の半兄に、米G2アリシーバS.をコースレコードで勝ち、一昨年のクラークH.で1位入線3着降着だったサクセスフルダンがいます。

前走の加G1ウッドバインマイルS.も今回と同じようなレース振りで3・1/4馬身差完勝し、芝マイルG1連勝。ただし昨年米G1クラークH.(ダート9ハロン)を勝ち、また今年唯一ダートを走った米G1スティーヴンフォスターH.(9ハロン)は勝ち馬より約1.8kg、3着馬より2.3kg重い斤量で1着から頭差2着しており、BCマイルを優先しつつまだクラシックも選択肢のようです。

2012年シャドウェルターフマイルS.のレース映像。中団追走、黄色の勝負服がワイズダン。


シャドウェルターフマイルステークス(Shadwell Turf Mile Stakes)
2012年10月6日、アメリカ・キーンランド競馬場、芝1マイル
3歳以上、同斤量、3歳3ポンド減
G1、12頭、Firm、レース結果(PDF)、総賞金75万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ワイズダン
Wise Dan
5セン
1.6倍
J.レスカノ1分34秒9419戦【12-1-0-6】
重賞8勝目。昨年4着
2ウィルコックスイン
Willcox Inn
4牡
49.3倍
J.グラハム2・1/413戦【5-2-2-4】
重賞2勝
3スリップアンドドライヴ
Slip and Drive
4牡
101.6倍
A.シントロン2・3/411戦【4-3-2-2】
重賞初出走
ステークス2着1回

米G1ディキシアナブリーダーズF.、ジョハが重賞初勝利

10月6日に行われた米G1ディキシアナブリーダーズフューチュリティ(AW8.5ハロン、2歳)は最内枠から逃げたジョハが中団から差してきたダイナミックスカイに1馬身差をつけて勝ち、重賞初勝利をG1で挙げました。

2番手追走した1番人気ティズレーサーは最終コーナーでついていけなくなり12着に敗れています。前走米G3アーリントンワシントンフューチュリティ勝ち馬パタキーキッドは3番手追走し4着。


ジョハは父ジョハー、母ムジャド(英米4勝)、母の父ムジャディルという血統。ジョハー産駒のG1勝ちはジェイセピナの新G1テレグラフH.以来2勝目。

2走前に加コリンS.(AW6ハロン)でステークス初出走初勝利。前走の米G2ウィズアンティシペーションS.(芝8.5ハロン)は逃げて頭差2着でした。次走はG1 BCジュベナイル(ダート8.5ハロン)かG1 BCジュベナイルターフ(芝1マイル)だが後者の可能性が高いようです

2012年ディキシアナブリーダーズフューチュリティのレース映像。最内枠がジョハ。


ディキシアナブリーダーズフューチュリティ(Dixiana Breeders' Futurity)
2012年10月6日、アメリカ・キーンランド競馬場、AW8.5ハロン
2歳、G1、13頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金40万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ジョハ
Joha
2牡
9.7倍
R.マラージ1分44秒526戦【3-2-1-0】
2走前に加ステークス初勝利
2ダイナミックスカイ
Dynamic Sky
2牡
8.5倍
L.コントレラス13戦【1-1-1-0】
前走カナダでステークス勝ち
3ジャバズウォー
Java's War
2牡
13.2倍
R.エラミア3/44戦【2-0-1-1】
前走米ステークス勝ち

米G1ファーストレディS.、タピッツフライがG1競走2勝目

10月6日の米G1ファーストレディS.(芝1マイル、3歳以上牝馬)は、4番手追走したタピッツフライが最後の直線入り口で前の3頭に並びかけると2番手先行していたデイジーディヴァインとの追い比べを1/2馬身差制し、重賞3勝目、G1競走2勝目を挙げました。

1番人気のハングリーアイランドは道中タピッツフライの1,2馬身後ろの最後方を追走していましたが残り1ハロンで突き放され1着から4馬身差の3着。


タピッツフライは父タピット、母フライングマーリン(米4勝、重賞1戦5着)、母の父マーリンという血統。3代母はオークス2着ベッラレイアの2代母です。09年にBCジュベナイルフィリーズターフ1着 (当時グレード格無し)。1年以上の長期休養を挟んで、2011年1月に復帰すると復帰11戦目、今年3月の米G2ハニーフォックスS.で重賞初勝利を挙げていました。

6月の米G1ジャストアゲームS.(芝1マイル、3歳以上牝馬)を逃げ切ってG1初勝利。その後の2走は先行して凡走していましたが、今回は後方に下げて、といっても6頭立て4番手ですが、再びG1勝利。自在性があるという感じでもないですが。

ちなみに5月の米G2チャーチルディスタフターフマイルS.(芝1マイル)はタピッツフライ2着、デイジーデヴァイン5着、ハングリーアイランド1着。同じメンバーでレースごとに順番が入れ替わるレースが繰り返されていて抜けた馬はいない路線ですね。

2012年ファーストレディS.のレース映像。芦毛がタピッツフライ。


ファーストレディステークス(First Lady Stakes)
2012年10月6日、アメリカ・キーンランド競馬場、芝1マイル
3歳以上牝馬、全馬同斤量、G1、6頭、Firm、レース結果(PDF)、総賞金35万ドル 

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1タピッツフライ
Tapitsfly
5牝
3.8倍
J.レスカノ1分35秒4424戦【7-6-4-7】
重賞3勝目
2デイジーデヴァイン
Daisy Devine
4牝
5.1倍
J.グラハム1/214戦【7-2-1-4】
米G1ジェニーワイリーS.1着
3ハングリーアイランド
Hungry Island
4牝
2.4倍
J.ルパルー3・1/216戦【5-3-6-2】
重賞2勝。G1の3着2回目

米G1アルシバイアディーズS.、スプリングインジエアーが重賞初勝利

10月5日に行われた米G1アルシバイアディーズS.(AW8.5ハロン、2歳牝馬)は、中団を追走した1番人気スプリングインジエアーが直線で大外に持ち出されると、さらに後方から追い込んだブロークンスペルに1馬身差をつけて勝ち、重賞初勝利をG1で挙げました。

2番人気マジカルムーンは3番手追走から直線でいったん抜け出しましたが交わされて、さらに2馬身差の3着。


スプリングインジエアーは父スプリングアットラスト、母アンブライドルドラン(米7戦未勝利)、母の父アンブライドルドという血統のカナダ産馬。スプリングアットラストは08年の米G1ドンH.の勝ち馬。現2歳が初年度産駒で10月17日現在、米ファースト クロップリーディングで首位につけています。

前走の加G2ナタルマS.(芝1マイル、2歳牝馬)は1・3/4馬身差の2着。ちなみにそのときの勝ち馬もスプリングアットラスト産駒のスプリングベンチャーで、同馬はその次走の加G3マザリンS.(AW8.5ハロン、2歳牝馬)も勝ちデビューから3戦3勝としました。この2頭は母がファピアノ持ちという共通点もあります。

スプリングインジエアーは米G1 BCジュベナイルフィリーズに向かう模様。ダート替わりがどうか。スプリングベンチャーは米G1 BCジュベナイルターフへ。

2012年アルシバイアディーズのレース映像。ゲート手前から6頭め、薄い黄色の勝負服がスプリングインジエアー。


アルシバイアディーズステークス(Darley Alcibiades Stakes)
2012年10月5日、アメリカ・キーンランド競馬場、ダート8.5ハロン
2歳牝馬、G1、14頭、レース結果(PDF)、総賞金40万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1スプリングインジエアー
Spring in the Air
2牝
5.3倍
P.ハズバンズ1分44秒334戦【2-2-0-0】
加G2ナタルマS.2着
2ブロークンスペル
Broken Spell
2牝
22.1倍
R.マラージ16戦【1-2-0-3】
前走ステークス2着
3マジカルムーン
Magical Moon
2牝
5.7倍
R.ナプラヴニク23戦【1-0-1-1】
前走10馬身差で初勝利

仏G1カドラン賞、モリーマローンが重賞初勝利

10月7日に行われた仏G1カドラン賞(芝4000m、4歳以上)は前半3番手、後半2番手を先行した7番人気モリーマローンが残り200mで先頭に立ち2着に1・1/2馬身差をつけて優勝し、重賞初勝利をG1で挙げました。

中団追走の1番人気ハイジンクスが2着で英G2の2戦を含む4戦連続2着。2,3番手先行した英G1アスコットゴールドカップ勝ち馬カラーヴィジョンは3着。一昨年のこのレース勝ち馬で昨年は約1馬身差6着、また天皇賞・春9着のジェントゥーは9着でした。


モリーマローンは父ロミタス、母ムーンライトメロディ(独1戦未勝利)、母の父ローソサエティという血統のフランス産馬。2代母はモンズンの全妹。この日のロンシャン競馬場で6レース行われたG1はアイルランド産馬4勝、仏産馬2勝となりました。またモンズン産駒はシラソルがマルセルブサック賞を勝ちスターストロークが凱旋門賞3着と活躍しました。

ちなみにカラーヴィジョンの母の父もモンズンで、上位3頭とも母はドイツ産馬です。

前走仏G2ドーヴィル大賞(芝2500m)はマスターストロークから2・1/2馬身差の5着。5月の仏G3エドーヴィル賞(芝2400m)は1着から頭差の2位入線しましたが3着降着になり、そのとき3馬身差3位入線から2着に繰り上がったのがこの3時間前に凱旋門賞を勝ったソレミアでした。

2012年カドラン賞のレース映像。シャドーロール装着、青の帽子がモリーマローン。


カドラン賞(Qatar Prix du Cadran)
2012年10月7日、フランス・ロンシャン競馬場、芝4000m
4歳以上、G1、11頭、Heavy、レース結果、総賞金30万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1モリーマローン
Molly Malone
4牝
15倍
U.リスポリ4分43秒609戦【3-2-3-1】
準重賞2着1回
2ハイジンクス
High Jinx
4牡
3.3倍
G.リー2・1/210戦【2-4-2-2】
英G2ロンズデールカップ2着
英G2ドンカスターカップ2着
3カラーヴィジョン
Colour Vision
4セン
4.5倍
L.デットーリ1/221戦【6-1-5-9】
英重賞2勝

仏G1フォレ賞、ゴードンロードバイロンが重賞初勝利

10月7日に行われた仏G1フォレ賞(芝1400m、3歳以上)は、1万8000ユーロの追加登録料を支払って出走した1番人気ゴードンロードバイロンが5番手追走し残り400mで仕掛けられると、先行して先に抜け出していた3番人気ペニテントを1・1/2馬身交わして優勝して重賞初勝利をG1で挙げました。11頭立て最後方から追い込んだ10番人気ケンダムがさらにクビ差の3着に入っています。

仏1400m重賞でここまで3戦2勝2着1回、前走の仏G1ロートシルト賞(芝1600m、3歳以上牝馬)で5頭立て3着だったマシューラが2番人気でしたが約6馬身差の5着でした。


ゴードンロードバイロンは父バイロン、母ボアエストレラ、母の父インティカブという血統のアイルランド産馬。当歳時にわずか2000ユーロで購入されていたと。バイロン産駒初のG1勝ち馬となりました。母ボアエストレラの半妹シャイアンスターは愛重賞2勝。

これが22戦目でしたが重賞は3走目で、そのうちの1回、前走の英G1スプリントカップ(芝6ハロン)で3/4馬身差2着。さらにその2走前の愛G3も1/2馬身差2着でした。ちなみにシャイアンスターの重賞初勝利は4歳時、2勝目は5歳時でした。

7ハロンはデビュー戦をのぞけば4戦【2-2-0-0】となりました。次走はBCマイルか香港マイルの予定でマイル戦を走るのは約1年1ヶ月から2ヶ月ぶり。未勝利馬戦を3戦して4馬身差2着、3馬身差3着、11馬身差5着があるだけですが「高速馬場で強いから」と調教師

2012年フォレ賞のレース映像(公式)。濃いピンクの勝負服がゴードンロードバイロン。

フォレ賞(Qatar Prix de la Foret)
2012年10月7日、フランス・ロンシャン競馬場、芝1400m
3歳以上、G1、11頭、Heavy、レース結果、総賞金30万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ゴードンロードバイロン
Gordon Lord Byron
4セン
3.5倍
W.ビュイック
58kg
1.25.1722戦【6-6-4-6】
準重賞1勝
2ペニテント
Penitent
6セン
7倍
D.タドホープ
58kg
1・1/223戦【8-5-2-8】
英G2ベット365マイル1着
英G2ジョエルS.1着
3ケンダム
Kendam
3牝
34倍
M.ギュイヨン
55.5kg
クビ16戦【2-4-3-7】
仏G3エクリプス賞1着

2012年10月15日月曜日

仏G1オペラ賞、リダジーナが完勝しG1初勝利

10月7日に行われた仏G1オペラ賞(芝2000m、3歳以上牝馬)は、中団後方の内を追走したリダジーナがフォルスストレートで徐々に進出し、先に抜け出していたジオフラを残り200mで捕らえると後方2番手から追い込んだ1番人気イジートップに3・1/2馬身差をつけて快勝しG1初勝利を挙げました。5年連続で3歳馬の勝利です。ルメール騎手はこのレース初勝利。

愛G1プリティーポリーS.(芝10ハロン)勝ち馬で、その2走後8月の仏G1ジャンロマネ賞(芝2000m)でスノーフェアリーから3/4馬身差2着していたイジートップが2着。英G1ファルマスS.(芝1マイル)勝ち馬ジオフラは2番人気3着。

昨年の仏G1ヴェルメイユ賞勝ち馬ガリコヴァはジオフラと同オッズで6着。今年の仏G1サンタラリ賞勝ち馬サガワラは10着。


リダジーナは父モティヴェーター、母リダファ(仏1勝)、母の父ダルシャーンという血統のフランス産馬。モティヴェーターは産駒のG1初勝利。ちなみに母はトルコに輸出されておりリダファの2012はディヴァインライト産駒の牡馬のようです。

 2走前の仏G3クロエ賞を勝ちデビュー3連勝で重賞初勝利。その次走でここの前走の仏G2ノネット賞はクロエ賞2着馬ロマネティカ(ガリレオ×デインヒルで母がバンクスヒルの超良血)から2・1/4馬身差の5着に敗れていました。ただルメール騎手がG1馬サガワラではなくG3馬を選んだのはそれだけ魅力があったということなんでしょうね。

エリザベス女王杯に予備登録していますが、デルザングル調教師は米BCについて「来年も現役予定だから今年はこれが最後かも」と述べているので来日もなさそうか。

2012年オペラ賞のレース映像(公式)。ゲート向かって左から5頭目がリダジーナ。


オペラ賞(Prix de l'Opera Longines)
2012年10月7日、フランス・ロンシャン競馬場、芝2000m
3歳以上牝馬、G1、13頭、Heavy、レース結果、総賞金40万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1リダジーナ
Ridasiyna
3牝
13倍
C.ルメール2分11秒135戦【4-0-0-1】
重賞2勝目
2イジートップ
Izzi Top
4牝
3倍
W.ビュイック3・1/212戦【5-3-2-2】
英愛仏で重賞4勝
3ジオフラ
Giofra
4牝
5.5倍
C.スミヨン短クビ8戦【4-1-1-2】
不良馬場の仏G1ガネー賞2着

仏G1ジャンリュックラガルデール賞、オリンピックグローリーが重賞3連勝でG1初勝利

10月7日に行われた仏G1ジャンリュックラガルデール賞(芝1400m、2歳牡牝)は、中団4,5番手の内を追走した1番人気オリンピックグローリーが残り400m過ぎで外に持ち出されると、先に先頭に立ったインディアンジェイドを交わし、外から追い込んだワットアネームに1・1/4馬身差をつけて優勝し、G1初勝利を挙げました。


オリンピックグローリーは父ショワジール、母アシダンセラ、母の父アルザオという血統のアイルランド産馬。デビュー2戦目の前走の英G2コヴェントリーS.(芝6ハロン)で3/4馬身差2着。その後英G3スーパーレイティヴS.英G2ヴィンテージS.(どちらも芝7ハロン)を連勝していました。

コヴェントリーS.の勝ち馬は愛G1ナショナルS.を5馬身差で勝ち、13日の英G1デューハーストS.も勝って6戦6勝としたドーンアプローチ。欧州2歳路線はこの2頭と、仏G1モルニー賞、英G1ミドルパークS.を連勝した5戦5勝のレックレスアバンダンが現在のトップですね。

前走後にカタールの Sheikh Joaan Bin Hamad Al Thani が購入しており、同オーナーはこれがG1初勝利。2着馬のオーナーもカタールの王族。

10月27日の英G1レーシングポストトロフィーに登録があります。また英2000ギニーについては同厩舎に複数の候補がいるためコース経験を作れたオリンピックグローリーは仏2000ギニーに向かわせる可能性があると述べられています


ちなみに3着インディアンジェイドの母はUAE生まれのジェイドロバリー産駒です。また逃げたアヴァンテージはレイマン産駒(その父サンデーサイレンス)で前走の仏G3ラロシェット賞はワットアネームの2着でした。

2012年ジャンリュックラガルデール賞のレース映像(公式)。ゲート向かって右から4頭目の発走、ゼッケン1番がオリンピックグローリー。


ジャンリュックラガルデール賞(Prix Jean-Luc Lagardère - Grand Critérium)
2012年10月7日、フランス・ロンシャン競馬場、芝1400m
2歳牡牝、G1、8頭、レース結果、総賞金35万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1オリンピックグローリー
Olympic Glory
2牡
2.2倍
R.ヒューズ
57kg
1分25秒735戦【4-1-0-0】
重賞3連勝
2ワットアネーム
What A Name
2牝
4倍
C.ルメール
55.5kg
1・1/44戦【2-1-1-0】
仏G3ラロシェット賞1着
3インディアンジェイド
Indian Jade
2牡
46倍
J.スペンサー
57kg
クビ6戦【2-0-1-3】
前走高額賞金レース4着

仏G1マルセルブサック賞、ペリエのシラソルが逃げ切り重賞初勝利

10月7日に行われた仏G1マルセルブサック賞(芝1600m、2歳牝馬)は、後方待機の2頭トパズブランシュとアルテリテが外から追い込み、残り100mで逃げたシラソルを交わす勢いで並びかけましたが、シラソルが粘り腰を見せ頭差残して優勝し、重賞初勝利をG1で挙げました。

シラソルの1,2馬身後ろ、3番手先行していた1番人気のピースバーグ(前走G3勝ち)はシラソルから約2馬身差の5着でした。


シラソルは父モンズン、母ストーミナ、母の父ガルチという血統のアイルランド産馬。3代母はこの3レースあとに凱旋門賞を勝つソレミアの母です。

デビュー2戦目の前走1600m戦を単勝20倍で制し、初勝利を挙げたばかりでした。ちなみに2着トパズブランシュはここまで2連勝していましたが、シラソルの前走のほうが格上のレースです。

2012年マルセルブサック賞のレース映像(公式)。ゲート向かって左から4頭目、白の帽子がシラソル。


マルセルブサック賞(Total Prix Marcel Boussac - Criterium des Pouliches)
2012年10月7日、フランス・ロンシャン競馬場、芝1600m
2歳牝馬、全馬56kg、G1、頭、Heavy、レース結果、総賞金30万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1シラソル
Silasol
2牝
14倍
O.ペリエ1分44秒623戦【2-0-0-1】
前走初勝利
2トパズブランシュ
Topaze Blanche
2牝
9.3倍
L.デットーリ4戦【2-2-0-0】
重賞初出走
3アルテリテ
Alterite
2牝
7倍
C.スミヨン5戦【2-1-1-1】
前走準重賞4馬身差完勝

2012年10月8日月曜日

凱旋門賞馬ソレミア、次走はBCへ。ターフならトレイルブレイザーと対戦

凱旋門賞を勝ったソレミアについてオーナーがレース後、次走は米ブリーダーズカップへ向かうと述べたとのこと

ブリーダーズカップならトレイルブレイザーと対戦することになります。

2012年10月7日日曜日

2012年凱旋門賞、ソレミアが1着。オルフェーヴルはクビ差2着

10月7日に行われた凱旋門賞(芝2400m、3歳以上)は、オルフェーヴルはほぼ最後方追走し最後の直線で外から追い上げるといったん2馬身ほど抜け出しましたが、残り100mからいったん交わしたはずのペリエ騎手騎乗ソレミアが追い上げて差し返されました。

4番手追走していたソレミアが1着、オルフェーヴルが2着。さらに7馬身離れた3着にゴドルフィンのマスターストロークが入り3歳最先着。英2冠馬キャメロットは7着。昨年の2着馬シャレータは9着でした。

また挑戦すればいいですよ。オルフェーヴルは日本の競馬の水準でも規格外の1頭だけど、こんな負け方を出来るのは欧州でも規格外の存在です。というか、このまま残ってその規格外の怪物フランケルと英チャンピオンS.で対戦してほしい。フランケルを負かせばその年の世界一どころか21世紀最強馬を名乗れるんだぞと。


勝ったソレミアは父ポリグロート、母ブルックリンズダンス、母の父シャーリーハイツという血統のアイルランド産馬。父父サドラーズウェルズだから欧州でおなじみのニックスに、グリーンダンサーの母を通してVal De Loirの4×4。父の種牡馬実績はともかく2代母はグリーンダンサーの3/4同血だし良い配合です。

重賞初出走だった昨年10月の仏G2コンセイユドパリ賞(ロンシャン芝2400m)で牡馬相手に2着。今年仏G3エドゥーヴィル賞(ロンシャン芝2400m)で再び牡馬相手に頭差2着すると、次走の仏G2コリーダ賞で(芝2100m)シャレータをハナ差下し重賞初勝利を挙げています。

その後1戦はさんで前走9月の仏G1ヴェルメイユ賞(芝2400m)はシャレータから2・1/4馬身差の3着。準重賞4馬身差勝利を含め、ロンシャン競馬場の芝2400mは凱旋門賞含め5戦し「2-2-1-0」となりました。

2012年凱旋門賞のレース映像。先行するシャドーロール装着馬がソレミア。


凱旋門賞(Qatar Prix de l'Arc de Triomphe)
2012年10月7日、フランス・ロンシャン競馬場、芝2400m
3歳以上、G1、18頭、レース結果、総賞金400万ユーロ

馬名性齢騎手着差通算成績
主な成績
1ソレミア
Solemia
4牝
42倍
O.ペリエ
58kg
2.37.6813戦【5-3-2-3】
仏G2コリーダ賞1着
仏G1ヴェルメイユ賞3着
2オルフェーヴル
Orfevre
4牡
4.5倍
C.スミヨン
59.5kg
クビ16戦【9-4-2-1】
日本でG1競走5勝
3マスターストローク
Masterstroke
3牡
14倍
M.バルザローナ
56kg
77戦【4-2-1-0】
前走G2ドーヴィル大賞1着
4ハヤランダ
Haya Landa
4牝
133倍
F.ブロンデル
58kg
115戦【1-3-1-10】
仏G2アレフランス賞2着
(勝ち馬はディープ産駒)
5イエローアンドグリーン
Yellow And Green
3牝
23倍
T.テュリエ
54.5kg
1/26戦【1-2-1-2】
仏G2マルレ賞1着
仏G1ヴェルメイユ賞4着
6グレートヘヴンズ
Great Heavens
3牝
8.5倍
W.ビュイック
54.5kg
2・1/26戦【4-1-0-1】
G1愛オークス1着
7キャメロット
Camelot
3牡
4.8倍
L.デットーリ
56kg
17戦【5-1-0-1】
英2冠などG1競走4勝
8シームーン
Sea Moon
4牡
16倍
R.ムーア
59.5kg
ハナ10戦【5-2-1-2】
BCターフ2着
キングジョージ5着
9シャレータ
Shareta
4牝
12倍
C.ルメール
58kg
14戦【5-5-2-2】
昨年の凱旋門賞2着
英G1ヨークシャーO.1着
仏G1ヴェルメイユ賞1着
10ベイリル
Bayrir
3牡
36倍
G.モッセ2・1/27戦【4-1-0-2】
米G1セクレタリアトS.1着
仏G2ニエル賞2着
11セントニコラスアビー
St Nicholas Abbey
5牡
37倍
J.オブライエンクビ17戦【7-2-6-2】
BCターフなどG1競走4勝
12ミアンドル
Meandre
4牡
15倍
M.ギュイヨン2・1/217戦【5-5-1-6】
仏G1パリ大賞1着
仏G1サンクルー大賞1着
13ケサンプール
Kesampour
3牡
88倍
G.ベノワ27戦【4-0-0-3】
仏G2グレフュール賞1着
G1仏ダービー4着
14ミカイルグリンカ
Mikhail Glinka
5牡
144倍
M.デムーロ大差25戦【5-5-2-13】
ドバイ独で重賞3勝
15サオノワ
Saonois
3牡
6.5倍
A.ハムリン714戦【7-1-2-4】
G1仏ダービー1着
仏G2ニエル賞1着
16アーネストヘミングウェイ
Ernest Hemingway
3牡
142倍
C.オドノヒュー43戦【1-0-0-2】
英G2ダンテS.1人気7着
17アヴェンティーノ
Aventino
8牡
114倍
A.クラストゥス大差51戦【4-3-5-39】
準オープンで3着2回
18ロビンフッド
Robin Hood
4牡
148倍
S.ヘファナン1216戦【2-1-4-9】
愛G1で3着1回

2012年凱旋門賞の予想(オルフェーヴル出走)

2012年凱旋門賞の予想。出走馬紹介は書くのを忘れていたので無し。「凱旋門賞 2012 出走馬展望【おうまのアイコン wire-to-wire】」をご覧いただくか、「馬名 site:casinodrive-usa.blospot.com」で検索すると当ブログの過去記事が見つかります。

◎オルフェーヴル
○キャメロット
▲グレートヘヴンズ
△サオノワ
△イエローアンドグリーン
△ソレミア

オルフェーヴル以外は3歳を上位に。今年の3歳は弱いのではと言われていますが、そう言われる年も3歳が頻繁に勝つ、上位に来るから凱旋門賞は3歳有利と知られているわけで、例年通り3歳中心で決まると考えます。デインドリームやスノーフェアリーが回避したことと同じくらい、あるいはそれ以上に今年の仏G1パリ大賞勝ち馬インペリアルモナークが回避したことのほうが重要だよねと。


展開は、4番枠アーネストヘミングウェイ、8番枠アヴェンティーノ、12番枠ロビンフッドのペースメーカーに加え、アガカーン3頭出しの1頭、15番枠ケサンプールもおそらくペースを引っ張ると思われ、その直後にシャレータが続くでしょう。

大外18番枠に入ってしまったオルフェーヴルもその流れなら前に行くつもりであれば6-8番手を無理なく取れそうで、何頭分も外を終始回されるという可能性は少なそう。



オルフェーヴル Orfevre(4牡)
日本の3冠馬としてはディープインパクト以来の凱旋門賞出走。昨年のような硬い馬場のほうが良かったと思いますが柔らかい馬場を苦にするタイプではない、と思っていたらモンジューとエルコンドルパサーの1999年以来の不良馬場でどうでしょうか。

キャメロット Camelot(3牡)
セントレジャーで2着に敗れ、ニジンスキー以来の英3冠はならなかった。ただ3ヶ月ぶりのレースだったし、最後の直線も前が塞がれ、開いたスペースは先に仕掛けてそのまま押し切ったエンケが開けたものだった。ゴール前は良く追い上げており、特に評価を下げる必要はない。

グレートヘヴンズ Great Heavens(3牝)
昨年のキングジョージ勝ち馬で今年同2着だったナサニエルの全妹で、ナサニエルが熱発で直前に回避したため追加登録で凱旋門賞に出走してきた。

2ヵ月半ぶりの出走だが、どちらも柔らかい馬場で行われた英G2ランカシャーオークス5馬身差圧勝、G1愛オークスは3馬身差で完勝しており、馬場を考えると怖い。

サオノワ Saonois(3牡)
今年の仏G1ジョッケクルブ賞(仏ダービー)勝ち馬で、前走の仏G2ニエル賞も快勝。どちらも狭い内をうまく抜け出して差しきりで凱旋門賞向きのタイプ。

ただダービーの前走で4着に敗れた仏G2グレフュール賞が今回と同じような不良馬場でそれだけが気になる。


ミアンドルとシャレータはもちろん有力ですがこれだけ重い馬場は向かないと思う。マスターストロークは前走古馬と5kg差。今回は3.5kg差で強く押せない。他の穴っぽい2頭を拾って。

イエローアンドグリーン Yellow And Green(3牝)
前走の仏G1ヴェルメイユ賞は後方から追い込んでシャレータの4着。3歳馬では最先着だった。

ドイツの伝貧問題があるからドイツっぽい血統を1頭。父は最近死亡したモンズン。Alchimist≒Arjaman≒Aditi が2×4×5のLiterat と、母はフランス産馬ですがAlchimist≒Aditiの2×4×4 のSayonara が絡み合うのが気に入ったというだけで、特に推す理由は無いのですが。

ソレミア Solemia(4牝)
ヴェルメイユ賞はシャレータの3着。6月の仏G2コリーダ賞(芝2100m)でシャレータを下しています。これもサドラー系×シャーリーハイツ、Val De Loirの4×4でこの馬場で逆転期待。

2012年凱旋門賞は1999年に近い極悪不良馬場か

ロンシャン競馬場はここまで4つのG1が行われました。勝ち時計はそれぞれ次のとおり。

一番右は2000年から昨年2011年までの間で最も時計がかかった年のタイムです。ジャンリュックラガルデール賞が1400mで行われるようになったのは2001年からです。
レース2012年1999年-
アベイユドロンシャン賞1分01秒171分01秒401分00秒30(2001)
マルセルブサック賞1分44秒621分44秒901分43秒00(2001)
ジャンリュックラガルデール賞1分25秒621分24秒50(2003)1分23秒00(2010)
Prix de l'Abbaye de Longchamp - Wikipedia, the free encyclopedia
Prix Marcel Boussac - Wikipedia, the free encyclopedia
Prix Jean-Luc Lagardère - Wikipedia, the free encyclopedia

2001年も特に時計がかかった年ですが、それと比較しても1999年に近い。モンジューとエルコンドルパサーで決まった1999年の凱旋門賞はものすごく悪い馬場でしたが、それ以来の悪い馬場状態ですねこれは。

1999年の凱旋門賞が勝ちタイム2分38秒5、2000年以降でもっとも遅かったのがやはり2001年で2分36秒1です。

仏G1アベイユドロンシャン賞、ウィズキッドがG1初勝利

10月7日に行われた仏G1アベイユドロンシャン賞(芝1000m、2歳以上)は、英G1ジュライカップ(芝6ハロン)5馬身差圧勝以来の出走だった1番人気のメイソンと、前走英G1ナンソープS.(芝5ハロン)3着の7番人気ハーミシュマクゴナガルとの先行した2頭が抜け出しメイソンがやや優勢でしたが、中団追走していたウィズキッドが残り1ハロンを1頭だけ違う脚で追い込み、ゴール直前で差し切って優勝し、重賞3勝目、G1初勝利を挙げました。

ナンソープS.2着のスピリットクォーツが2番人気11着。昨年の3着馬で一昨年のナンソープS.勝ち馬ソールパワーが3番人気5着に入っています。

勝ちタイム1分01秒17は1999年にアグネスワールドが勝ったときの1分01秒4以来の遅いタイム。それ以降は1分00秒台が2001年の1回、59秒台も2003年だけで、これもしかしてすごく馬場が悪いのでは。


ウィズキッドは父ウィッパー、母リダンスキー、母の父ソヴィエトスターという血統のアイルランド産馬。仏コレ調教師の管理馬で、昨年のこのレース5着でした。

仏G3グロシェーヌ賞2連覇したほか、昨年の英G1ナンソープS.(芝5ハロン)2馬身差5着、今年2走前の仏G1モーリスドゲスト賞で2着していました。

2012年アベイユドロンシャン賞のレース映像

アベイユドロンシャン賞(Qatar Prix de l'Abbaye de Longchamp)
2012年10月7日、フランス・ロンシャン競馬場、芝1000m
2歳以上、G1、18頭、Heavy、レース結果、総賞金35万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ウィズキッド
Wizz Kid
4牝
9.3倍
G.モッセ
60.5kg
1分01秒1714戦【4-3-0-7】
G1初勝利
2メイソン
Mayson
4牡
3倍
P.ハナガン
62kg
クビ18戦【5-4-3-6】
英G3パレスハウスS.1着
3ハーミッシュマクゴナガル
Hamish Mcgonagall
7牡
24倍
D.アラン
62kg
1/255戦【10-9-10-】
英G1ナンソープS.で2,3着

星ローカルG1クランジマイル、母父SSのベターライフがスーパーイージーを負かして優勝

10月7日に行われた星ローカルG1クランジマイル(芝1600m)は唯一の牝馬ベターライフが中団後ろを追走から最終コーナーで前との差を詰めると、最後の直線は大外から差し切って重賞初勝利を挙げました。

2着にローカルG1シンガポールギニー(芝1600m)などシンガポール移籍後12戦12勝だったスーパーイージーで、シンガポールで初敗戦。3着に国際G1クリスフライヤーインターナショナルスプリント(芝1200m)勝ち馬で、ローカルG1パトロンズボウル(芝1600m)勝ち馬アトーが入っています。


ベターライフは父スマーティージョーンズ、母クワイエットライフ、母の父サンデーサイレンスという血統の豪産馬。豪セールにおいて15万豪ドルで購入され、シンガポールでデビュー。デビュー5戦目の1400m重賞で4着したあと、シンガポールギニーに出走しスーパーイージーから2・1/2馬身差の4着していました。今回はそれ以来の3走ぶりの重賞出走でした。

この半年以内でマイルのローカルG1を勝っている2頭を負かしての勝利。エルドラド(史上2頭目のシンガポールゴールドカップ3勝馬)が引退した高岡秀行厩舎に新スター登場です。

2012年クランジマイルのレース映像。音量注意

クランジマイル(Panasonic Kranji Mile)
2012年10月7日、シンガポール・クランジ競馬場、芝1600m
3歳以上、G1、13頭、Good、レース結果、総賞金50万シンガポールドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ベターライフ
Better Life
4牝
8倍
A.ムンロ
56kg
1分35秒968戦【5-2-0-1】
重賞初勝利
2スーパーイージー
Super Easy
4牡
1.4倍
J.モレイラ
57.5kg
1・1/216戦【13-2-0-1】
シンガポール13戦目で初敗戦
3アトー
Ato
5牡
10.4倍
B.ヴォースター
58kg
1/424戦【8-6-3-7】
国際スプリントG1勝ち