2012年5月31日木曜日

トルコG3でディヴァインライト産駒がワンツー

5月27日に行なわれたトルコのローカルG3ブルハン・カラメフメット賞(AW1500m)は、逃げた6番人気ムラザンベイが直線に入ると外に寄れましたが、体勢を立て直すと後続を突き放し、3・1/2馬身差で重賞初勝利を挙げました。2,3番手を追走したキャシュポイントが2着に入り、ディヴァインライト産駒のワンツー決着となりました。

G1トルコ2000ギニー(芝1600m)14着馬が4着に、同6着馬が7着に、同13着馬が9着に入っています。その2000ギニーにはディヴァインライト産駒など日本で走った馬の産駒は出走しませんでした。

2012年ブルハン・カラメフメット賞のレース映像。9番枠がムラザンベイ。キャッシュポイントは1番枠。ゴール直後に放馬しているのもムラザンベイ。

ムラザンベイは31日現在、レーティング順ではダービー登録馬の中で15位タイ(4頭)のようです。ムラザンベイが出走するかどうかは分かりませんでした。ムラザンベイの母はトルコで2勝(重賞未出走)。キャッシュポイントは兄弟にG3・4着馬が1頭と、3歳牝馬G1で15頭立て6着馬が1頭います。


ちなみにトルコで日本関連馬が走ったときの情報はnetkeibaなら「一番いい配当を頼むさん」を、ツイッターなら「@sesame_milk」をフォローしておけばだいたい分かると思います。ブルハン・カラメフメット賞のこともお二人の投稿で知りました。

ブルハン・カラメフメット賞(BURHAN KARAMEHMET)
2012年5月27日、トルコ・競馬場、AW1500m
3歳、ローカルG3、10頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ムラザンベイ
Murathanbey
3牡
5.8倍
M.GÜNDÜZELİタイム11戦【4-1-0-6】
4連勝、重賞初出走
2キャッシュポイント
Cash Point
3牡
7.35倍
G.GÖKÇE3・1/213戦【3-3-1-6】
重賞初出走
3ソコル
Sokollu
3牡
5.5倍
U.Polat2・1/25戦【1-0-3-1】
前走G3で3着

フサイチゼノン産駒ゼノンズスターが米ステークス勝利

5月27日に行われた米ダインステークス(ダート6.5ハロン)は3番手追走の4番人気ゼノンズスターが最後の直線入り口で逃げた2番人気デュエリングドムに並びかけて交わし、1/2馬身差をつけて優勝しました。

ゼノンズスターは父フサイチゼノン、母ミストリクシー(ステークス1勝)、母の父ビージーズドローン(G3で2着1回)という血統の3歳牡馬。2010年のセールにおいて3200ドルで購入されました。今回の勝利で米ニューメキシコ州の種牡馬であるフサイチゼノンの2頭目のステークス勝ち馬となりました。ゼノンズスターは4走前にもステークスで2着しています。

26日にフサイチゼノンの全弟であるアグネスゴールドの産駒エネルジアエレガンテがブラジルで重賞2勝目を挙げたばかりです。

2012年ダインS.のレース映像。芦毛がゼノンズスターです。


フサイチゼノンは2000年の弥生賞を1番人気で勝ちましたが、脚部不安で皐月賞を回避。それをめぐって馬主と調教師間でごたごたがあり、田原厩舎から森厩舎に移籍しました。さらに翌年はアメリカに移籍し、G1マンノウォーS.で4着した後、2003年からカリフォルニア州で種牡馬入りしました。2007年からニューメキシコに移動。ステークス勝ち馬2頭はどちらも2009年生まれというのが面白い。産駒は通算でも25頭で、それほど良い繁殖を集めたとも思えないので、良くやっているほうだと思いますね。

1頭目のステークスウィナーはホンシュウシティー Honshu City という名の3歳セン馬で、昨年9月にジョージマルーフフューチュリティ(ダート6ハロン、総賞金5万0000ドル)を勝ちました(同9着がゼノンズスター)。こちらは1月を最後に出走していません。

ちなみにホンシュウシティーはその次走で総賞金14万ドルのニューメキシコクラシックカップ・ジュベナイル・コルトアンドゲルディング(ダート6ハロン)でも1・1/2馬身差2着しました。また前年の同レースではサイレントサンデー Silent Sunday というフサイチゼノン産駒がクビ差2着しています。


ホンシュウシティーはノーザンテースト≒ストームバード≒ニジンスキーの3×3×4。
ゼノンズスターはノーザンテースト≒Barachoisの3×4。
サイレントサンデーはノーザンテースト≒ニジンスキーの3×4でノーザンダンサーの4×5×5。
テーストを強めにいじった方が良いということかもしれません。

ダインステークス(Dine Stakes)
2012年5月27日、アメリカ・サンレイパーク競馬場、ダート6.5ハロン
3歳、ステークス、8頭、レース結果(PDF)、総賞金6万5000ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ゼノンズスター
Zenon's Star
3牡
12.4倍
A.Juarez1分17秒7212戦【3-2-1-6】
ステークス5走【1-1-0-3】

仏G1イスパーン賞、ゴールデンライラックがシリュスデゼーグルを下す

5月27日に行われた仏G1イスパーン賞(芝1850m)は、1番人気シリュスデゼーグルが8馬身差で圧勝した前走の仏G1ガネー賞とおなじように逃げましたが、最後の直線で3番手追走ゴールデンライラックが外からわずかに交わすと叩き合いを3/4馬身差制してG1競走3勝目を挙げました。

昨年のガネー賞勝ち馬で、前走G1ドバイワールドカップ3着だったプランテュールが3着に入っています。昨年の仏2000ギニー勝ち馬ティンホースは6着、昨年の仏ダービー勝ち馬リライアブルマンは7着でした。

ゴールデンライラックは父ガリレオ、母グレイリラ、母の父デインヒルという血統。昨年は仏G3グロット賞で重賞初勝利し、続けてG1仏1000ギニーG1仏オークスも勝ち、デビューから無敗で牝馬2冠を制しました。オークスの次走G2ギョームドルナーノ賞はのちにG1ヴェルメイユ賞を勝つガリコヴァの3着に敗れており、イスパーン賞はそれ以来となる約9ヶ月ぶりの出走でした。

アンドレ・ファーブル調教師は次走について「英G1プリンスオブウェールズS.も考えられるが(高額の)追加登録料が必要なので、8月の仏G1ジャックルマロワ賞まで待つかもしれない」と述べています

2012年イスパーン賞のレース映像。逃げ馬がシリュスデゼーグル。3番手の内を先行する赤と緑の勝負服がゴールデンライラック。


イスパーン賞(Prix D'Ispahan)
2012年5月27日、フランス・ロンシャン競馬場、芝1850m
4歳以上、G1、8頭、レース結果、総賞金25万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ゴールデンライラック
Golden Lilac
4牝
5.3倍
M.ギュイヨン1分51秒857戦【6-0-1-0】
仏3歳牝馬2冠
2シリュスデゼーグル
Cirrus Des Aigles
6セン
1.8倍
O.ペリエ3/443戦【15-17-5-6】
英G1チャンピオンS.1着
3プランテュール
Planteur
5牡
5倍
C.スミヨン1/216戦【5-4-2-5】
仏G1ガネー賞1着

愛G1タターソールズゴールドカップ、ソーユーシンクがG1競走9勝目

5月27日に行われた愛G1タターソールズゴールドカップ(芝10.5ハロン)は、ドバイワールドカップ4着以来の出走だったソーユーシンクが単勝1.2倍の圧倒的1番人気に支持され、3番手追走から馬なりのまま最後の直線入り口で先頭に立つと、軽く追われただけで後続を6馬身突き放してこのレース2連覇、G1競走9勝目を挙げました。

6馬身差2着にG3を9勝しているフェイマスネームが入っています。ちなみにフェイマスネームは昨年のこのレースでソーユーシンクから7馬身差3着、G1愛チャンピオンS.で6・1/2馬身差3着していた相手なので、今回はメンバーのレベルが低すぎたための圧勝でもある。

ソーユーシンクの次走は昨年2着に敗れた6月20日の英G1プリンスオブウェールズS.の予定。さらに今年後半にオーストラリアで種牡馬入りすることが決まっているため、エイダン・オブライエン調教師によると、昨年勝った7月7日の英G1エクリプスS.が欧州最後のレースになるだろうとのこと。種牡馬入り前にオーストラリアで走るということはまず考えられないので、つまりエクリプスS.が引退レースです。またフランケルの10ハロン初挑戦はエクリプスS.が予定されているのでソーユーシンクとの最初で最後の対戦が見られそうです。

2012年タターソールズゴールドカップのレース映像(予備、要登録)


タターソールズゴールドカップ(Tattersalls Gold Cup)
2012年5月27日、アイルランド・カラ競馬場、芝10.5ハロン
4歳以上、G1、5頭、レース結果、総賞金21万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ソーユーシンク
So You Think
6牡
1.2倍
J.オブライエン2分15秒6022戦【13-4-1-4】
G1は豪5勝、愛3勝、英1勝
2フェイマスネーム
Famous Name
7牡
8倍
P.スマレン633戦【16-8-5-4】
G3を9勝もG2以上は0勝
3ロビンフッド
Robin Hood
4牡
34倍
S.ヘファナン7・1/211戦【2-1-4-4】
前走愛G3で約5馬身差4着

G1愛1000ギニー、サミターがG1初勝利

5月27日に行われたG1愛1000ギニーは、3番手追走サミターが、逃げた英1000ギニー勝ち馬ホームカミングクイーンと2番手追走した愛G1フェニックスS.勝ち馬ラコリーナのあいだから抜け出すとそのまま押し切って優勝し、G1初勝利を挙げました。ミック・シャノン調教師およびマーティン・ハーリー騎手はクラシック初勝利。21歳のハーリー騎手は昨年67勝して最多勝利見習い騎手になっていました。

英1000ギニーのR.ムーア騎手からJ.オブライエン騎手に乗り替わったホームカミングクイーンは4着。2番人気ラコリーナは6着。前走1000ギニートライアルを勝ったイエローローズバドが3番人気7着。R.ムーア騎乗アフターは4番人気5着。

サミターは父ロックオブジブラルタル、母アイリーンズギフト、母の父レインボウクエストという血統。ロックオブジブラルタル産駒のG1勝ち馬は9頭めで欧州クラシックはこれが初制覇。昨年6月にデビュー2戦目の英G2アルバニーS.(2歳牝馬、芝6ハロン)で初勝利を挙げ、9月に英G1フィリーズマイル(2歳牝馬、芝1マイル)でアタマ差2着しました。また今回より賞金が高いタターソールズ2歳牝馬トロフィーも勝っています。ちなみに半姉ニジュームドバイもアルバニーS.で初勝利を挙げていました。

次走は英G1コロネーションS.へ。またオーナーが米国在住とのことで9月にアメリカ移籍か遠征するとのこと。

サミターは前走の仏1000ギニーでビューティーパーラーから8馬身差の9着(13頭)。大きく負けた理由は前に厳しい競馬を逃げたからとはっきりしているですが、愛1000ギニーと同日の仏G1サンタラリ賞でもビューティーパーラーが負かしたサガワラが勝っており、ますますビューティーパーラーの評価が上がった1日になりました。

2012年G1愛1000ギニーのレース映像(予備はこちら。要登録)。オレンジの勝負服の2頭のうち、外目から発走するのがサミター。



愛1000ギニー(Etihad Airways Irish 1,000 Guineas)
2012年5月27日、アイルランド・カラ競馬場、芝1マイル
3歳牝馬、G1、8頭、Good、レース結果、総賞金30万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1サミター
Samitar
3牝
13倍
M.ハーリー1分38秒509戦【3-2-2-2】
重賞2勝目
2イシュヴァーナ
Ishvana
3牝
34倍
S.ヘファナン1・1/29戦【2-3-1-3】
前走愛G3で7馬身差3着
3プリンセスシネイド
Princess Sinead
3牝
26倍
F.ベリー2・1/48戦【1-2-3-2】
G3で3着2回

米G1ゲームリーS.、ベルロイヤルが重賞初勝利。母父SSクワイエットオアシスが2着

5月28日の米G1ゲームリーS.(芝9ハロン、3歳以上牝馬)は、後方追走の2番人気ベルロイヤルが残り1ハロンで前の壁の外に持ち出されると、先に抜け出して粘る2頭をゴール直前で差し切って重賞初勝利をG1で挙げました。母の父サンデーサイレンスで、前走G3ウィルシャーH.を勝っているクワイエットオアシスが1/2馬身差2着に入り、イギリスからの移籍馬がワンツー。昨年の米G1アメリカンオークス勝ち馬で1番人気のネレイドは6着。

ベルロイヤルは父ヴァルロイヤル、母カヤージモル、母の父ブリーフトゥルースという血統。イギリス時代の準重賞以上は最下位近くばかりでしたが、最後の3戦(いずれもハンデ条件戦)を3連勝。前走のアメリカ移籍初戦でステークス勝ちを収めていました。次走は8月のG1ビヴァリーD.S.を予定

2012年ゲームリーS.のレース映像。


ゲームリーS.(Gamely Stakes)
2012年5月28日、アメリカ・ハリウッドパーク競馬場、芝9ハロン
3歳以上牝馬、G1、8頭、Firm、レース結果(PDF)、総賞金25万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ベルロイヤル
Belle Royale
4牝
3.3倍
J.ロザリオ
約53.1kg
1分47秒8426戦【10-7-0-9】
重賞初勝利
2クワイエットオアシス
Quiet Oasis
4牝
7.1倍
M.グティエレス
約53.1kg
1/29戦【3-2-1-3】
G2でハナ差2着
前走G3ウィルシャーH.1着
3キャピタルプラン
Capital Plan
4牝
7.9倍
B.ブラン
約54kg
1/211戦【4-2-1-4】
前走G2優勝

米G1メトロポリタンH.、シャックルフォードがG1競走2勝目

5月28日に行われた米G1メトロポリタンH.(ダート1マイル、3歳以上、通称「メットマイル」)は、逃げた3番人気シャックルフォードが、離れた最後方追走から大外を急襲したケイレブスポッセをハナ差凌いで、重賞2連勝、G1競走2勝目を挙げました。2番手追走した1番人気のトゥオナーアンドサーヴは3着。

4月の米G1カーターH.(ダート7ハロン)でケイレブスポッセとシャックルフォードを2,3着に負かしていたジャクソンベンドは5着。

シャックルフォードは父フォレストリー、母の父オートシー、母の父アンブライドルドという血統。半姉にG1馬がいます。昨年はケンタッキーダービー4着したあとG1プリークネスS.を勝ち、G1 BCダートマイルではケイレブスポッセから4馬身差2着していました。前走G2チャーチルダウンズS.(ダート7ハロン)では、BCスプリント勝ち馬アマゾンビーを下して優勝しています。カーターH.の1・1/2馬身差を見てケイレブスポッセとの後先は簡単に変わらなさそうだと思ったばかりだったのですが、斤量差が詰まった今回いきなり逆転しました。まあケイレブスポッセが後方過ぎただけかもしれません。

シャックルフォード陣営はメットマイルを今年前半の目標にしていたとのこと。すでに短期放牧に出されており、次走は8月4日のG1ホイットニー招待H.を考えているとのこと

2012年メトロポリタンH.のレース映像。


メトロポリタンハンディキャップ(Metropolitan Handicap)
2012年5月28日、アメリカ・ベルモントパーク競馬場、ダート1マイル
3歳以上、G1、頭、レース結果(PDF)、総賞金75万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1シャックルフォード
Shackleford
4牡
4.4倍
J.ヴェラスケス
約54kg
1分33秒3016戦【5-4-1-6】
G1【2-3-1-4】
2ケイレブスポッセ
Caleb's Posse
4牡
2.95倍
R.マラージ
約54.8kg
ハナ19戦【8-5-2-4】
G1競走2勝
3トゥオナーアンドサーヴ
To Honor and Serve
4牡
2.65倍
J.レスカーノ
約54.4kg
313戦【7-1-3-2】
G1シガーマイルH.1着

米G1エイコーンS.、コンテステッドがG1初勝利

5月28日に行われたニューヨーク牝馬3冠の第1戦、G1エイコーンS.(ダート1マイル、3歳牝馬)は、1番人気コンテステッドが2番手以下を数馬身離して逃げ、最終コーナーで後続をひきつけると最後の直線に入って再び大きく差を広げ、5馬身差で楽勝しています。先行したゾーインプレッシヴとオウビーケーがそれぞれ2,3着に入っています。

重賞3勝馬で前走G1ケンタッキーオークス5着のオンファイアベイビーは2番人気4着。

コンテステッドは父ゴーストザッパー、母ゴールドヴォールト、母の父アーチという血統。半兄に米G1競走2勝馬ポメロイがいます。デビュー戦で2着に敗れましたが2戦目からここまで4連勝でG1初勝利です。その4勝で2着に付けた着差は合計22馬身。前走はG3エイトベルズS.(ダート7ハロン)を1番人気で逃げ切っていました。ボブ・バファート調教師の管理馬で、妻のナタリー・ジル・バファート氏の所有馬です。バファート調教師も「いつも10万ドルで勝って5000ドルで売るばかりだから、このような良い馬を所有するのは慣れてない」と述べており、調教師として勝つのとはまた別の喜びでおそらくかなりご機嫌でしょう。

コンテステッドの次走は6月23日のG1マザーグースS.(ダート8.5ハロン)、または7月4日のG1プリオレスS.(ダート6ハロン)から8月4日のテストS.(ダート7ハロン)が考えられていると。前者はケンタッキーオークス勝ち馬ビリーヴユーキャンも出走予定。

2012年エイコーンS.のレース映像。


エイコーンステークス(TVG Acorn Stakes)
2012年5月28日、アメリカ・ベルモントパーク競馬場、ダート1マイル
3歳牝馬、G1、6頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金30万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1コンテステッド
Contested
3牝
2.05倍
J.カステリャーノ1分34秒615戦【4-1-0-0】
重賞2勝目
2ゾーインプレッシヴ
Zo Impressive
3牝
5.0倍
R.マラージ54戦【2-2-0-0】
前走G2で6馬身差2着
3オウビーケー
Aubby K
3牝
5.3倍
E.プラード1・1/44戦【2-0-1-1】
2走前にG3で4着

米G1オグデンフィップスH.、イッツトリッキーがG1競走3勝目

5月28日に行われた米G1オグデンフィップスH.(ダート8.5ハロン、3歳以上牝馬)は2番手追走の2番人気イッツトリッキーが残り200mで逃げたキャッシュフォークランカーズをようやく交わし、G1競走3勝目を挙げました。

昨年の勝ち馬で1番人気のオーサムマリアは3,4番手追走も差を詰められず3着に終わり、連勝は6でストップ。ま、これは大きな斤量差があったとはいえ重賞初出走で良く粘ったキャッシュフォークランカーズを褒めるべきかもしれません。

イッツトリッキーは父マインシャフト、母キャットボート(G3勝ち馬)、母の父テイルオブザキャットという血統。昨年G1エイコーンS.とG1 CCAオークスを勝ったほか、G1アラバマS.BCレディースクラシックとで2着しました。今年はG2を2連勝しています。次走は7月21日の米G1デラウェアH.の可能性もあるとのこと

2012年オグデンフィップスH.のレース映像。青の勝負服がイッツトリッキー。芦毛がオーサムマリア。


オグデンフィプスハンディキャップ(Ogden Phipps Handicap)
2012年5月28日、アメリカ・ベルモントパーク競馬場、ダート8.5ハロン
3歳以上牝馬、G1、5頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金40万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1イッツトリッキー
It's Tricky
4牝
3.1倍
E.カストロ
約55.3kg
1分41秒7312戦【8-3-0-1】
G1競走3勝目
2キャッシュフォークランカーズ
Cash for Clunkers
4牝
7.6倍
A.ガルシア
約51.7kg
3/47戦【4-2-1-0】
ステークス1着
3オーサムマリア
Awesome Maria
5牝
1.75倍
J.ヴェラスケス
約56.2kg
1・1/215戦【9-3-2-1】
重賞7勝

ゴドルフィンも世代交代。デットーリはもはや不動のファーストジョッキーではない

バルザローナ騎手とプルモワ。英ダービーの決勝線。ソース:Racing Post
ゴドルフィンのレーシングマネージャー Simon Crisford 氏が、今後はデットーリ、バルザローナ、デソウサの3騎手が均等な騎乗機会を得ると述べ、デットーリ騎手がゴドルフィンで自動的に最優先される騎手ではなくなったことを表明しました。

実際には3月にバルザローナ騎手が加わった時点でも「3人は騎乗機会を分け合う」「優先順位がどうとかいうことにはならない」と述べられており、すでに内部ではそうした合意があることは仄めかされていましたが、ここ2週間ほどいろいろ騒がしかったので改めて表明したということです。

Frankie Dettori happy to share rides with other Godolphin jockeys | The Guardian

ゴドルフィンは今年2月にシルヴェスター・ デ・ソウサ騎手と、3月にミカエル・バルザローナ騎手と騎乗契約を結んでいます。

クリスフォード氏は「私たちは若い二人の騎手と新しく契約しました。2人に機会を与えることは当然、重要です。何年ものあいだ、フランキーは私たちにとって唯一の主戦騎手でした。他の騎手を良く乗せることはあっても非公式な契約でした。この2人は正式な専属騎手です。もし3人の内の誰かがある馬で勝てば、次走はその騎手が続けて乗るということを明確にお伝えしておこうと考えました」

(デットーリ騎手以外にも新しく契約騎手を採用した理由について)「わたしたちには以前より多くの出走馬がいます。サイード・ビン・スルール調教師一人だったときよりはるかに多く、(マームード・アル・ザルーニ調教師もあわせると)350頭にもなります」

デットーリとバルザローナのエージェントであるレイ・コクレーンは、デットーリ騎手は新体制になんら不満を見せなかったし、二人は友人だと述べたそうです。また「フランキーは乗りたい競馬場で騎乗します。例えば月曜日にレッドカー競馬場で走る予定の馬がレイセスター競馬場で走る馬より良い成績を残せそうでも、フランキーが必ずレイセスターにいくわけではありません。彼は『遠くまで出かけずに、近くで4着になりそうな馬に乗ることを選ぶときがあるよ』と言っています。できるだけ自宅と家族の近くにいたいのです。ミカエルがレッドカーで騎乗し、フランキーがレイセスターで騎乗するのを見て、人々が『ミカエルのほうが良い馬に乗ってるよ』と思うかもしれませんが、そういうことでは無いのです」


デットーリ騎手は現在41歳。遅かれ早かれ、体力の衰えを技術と経験で補いきれなくなるときは来ますが、以前ほど出なくてもまだまだ乗れると思うし、優秀なジョッキーを3人も抱えておきながらダービーとオークスに1頭ずつしか出走させられないチームに居続けるメリットがあるかどうかという疑問もあり、例えば来年は機会を求めてゴドルフィンを離れることも考えられる。

シルヴェスター・ デ・ソウサ騎手はブラジル出身の31歳。ブラジルでチャンピオン見習い騎手になった後、アイルランドを拠点に2年間騎乗し、2006年からイギリスに移ると昨年2011年は首位と4勝差で最多勝利騎手を逃しましたが161勝を挙げて平地勝利数で2位になりました。

ミカエル・バルザローナ騎手は19歳だった昨年、プルモワをフランス調教馬としては35年振りとなる英ダービー勝利に 導きました。また今年3月、ゴドルフィンと騎乗契約を結び、フランスからイギリスに拠点を移しています。G1は通算4勝、ドバイWCも勝ち、大一番で強いことは証明済みです。デソウサ騎手よりも良い馬に乗る機会が明らかに多く、実質的にバルザローナ騎手がゴドルフィンのファーストジョッキーであると考えることができます。英ダービーやドバイ WCで見せた「早すぎる立ち上がりガッツポーズ」がトレードマークで、「フライングディスマウントからスタンディングボルトアップライトへ」というのが頭に浮かんだものの、いまいち語呂が悪い。

フランス競馬界の新星バルザローナ騎手(フランス)【開催・運営】 - 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル
バルザローナ騎手、ニューマーケットのゴドルフィンを拠点に(イギリス) - 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル


ちなみにすこし前からゴドルフィンのファーストジョッキーが誰かについて憶測がありました。過去2週間の出来事を紹介してこの記事を終えます。

まず英オークスに出走するゴドルフィン馬カイラニ Kailani についてです。カイラニは前走の英準重賞プリティーポニーS.(芝10ハロン)を7馬身差で圧勝し、追加登録料2万ポンド(約250万円)を支払って6月1日の英オークスに出走すること、またデットーリ騎手ではなくバルザローナ騎手が騎乗することが26日にあきらかになりました。

バルザローナ騎手は2日のG1コロネーションカップでも、前走ドバイワールドカップを勝ったゴドルフィンのモンテロッソに騎乗する予定です。

デットーリ騎手は6月1日の英オークス、2日の英ダービーとコロネーションカップに騎乗予定がないという事態に。英ダービーに騎乗しないとすれば直前に飛行機墜落事故にあった2000年以来のこと。同年を除けば、英オークス・ダービーともに騎乗しないのは1990年以来のことだそうです。カイラニやモンテロッソは前走もバルザローナ騎手が騎乗して完勝しているので理解できなくもない。

しかし英ダービーについても明白な出来事が起きていました。昨年の仏2歳G1クリテリウム・ド・サンクルー(芝2000m)はモハメド殿下のマンダヤン Mandaean がM.ギュイヨン騎手騎乗で優勝。マンダヤンはその後、フランスのA.ファーブル調教師からイギリスのM.アルザルーニ調教師のもとに移籍し、ゴドルフィン名義となって英ダービーを目指すことになりました。マンダヤンは5月、今年初戦として英G2ダンテS.に出走し、モハメド殿下が新ジョッキーとしてバルザローナ騎手を指名しました。このときデットーリ騎手も同じ日に同じ競馬場で騎乗しており、しかしダンテS.には騎乗しませんでした。

結局マンダヤンはダンテS.で6着に敗れたので英ダービーに出走しません。ダンテS.前にバルザローナ騎手が騎乗することについてアルザルーニ調教師は「(昨年までフランスで騎乗していた)バルザローナ騎手にイギリス競馬に慣れてもらうためです」と述べ、ゴドルフィンのレーシングマネージャーは「マンダヤンが勝てばデットーリ騎手でダービーに行くこともあります」と述べていましたが、オークスのカイラニを見れば実際にはその可能性も低かったことが明らかでした。この時点ではまだゴドルフィンのファーストジョッキーはデットーリということになっていましたが、将来、このダンテS.はバルザローナがゴドルフィンのNo.1になった瞬間と見なされるでしょう。

ちなみにモンテロッソ、マンダヤン、カイラニはいずれもマームード・アル・ザルーニ調教師の管理馬であり、調教師についてもゴドルフィンは(こちらはもうすでに)変化の時期が到来していました。

2012年5月27日日曜日

仏G1サンタラリ賞、サガワラが重賞初勝利

5月27日に行われた仏G1サンタラリ賞(芝2000m)は、道中2,3番手を追走したサガワラが最後の直線入り口で先頭に立つと、後方から一気に差を詰めたラジュワを残り2ハロンのあいだ最後までしぶとく抜かせず押さえ込んで重賞初勝利を挙げました。

デビューから5連勝中、準重賞2連勝で1番人気に支持されたラパンチュールは最後方から大外を追い上げましたが4着まで。


サガワラは父シャマルダル、母サガリナ、母の父リナミックスという血統。母は凱旋門賞馬サガミックスの全妹です。前走の仏G3ヴァントォー賞(3歳牝馬、芝1850m)でクビ差2着していました。今回が重賞初勝利。このサガワラは昨年9月30日の条件戦エスメラルダ賞でデビューしており、それを3・1/2馬身差で負かしたのが、エスメラルダ賞がデビュー2戦目だったディープインパクト産駒ビューティーパーラーです。

ディープ産駒ビューティーパーラーがフランスでデビュー2連勝


サガワラは一度負かした相手ではありますが、ディアヌ賞(仏オークス、6月17日)では、仏G3ヴァントォー賞勝ち馬トワリュンヌ(?、Trois Lunes)や仏G3ぺネロープ賞(芝2100m)勝ち馬ワルドレルシェ Waldlerche あたりとともに仏オークスの有力馬として警戒が必要です。もっとも強力な相手は仏G3クレオパトル賞(芝2100m、3歳牝馬)を勝ったダルタヤでしょう。

2012年サンタラリ賞の連続写真(こちらこちら)。アガカーン殿下の緑と赤の勝負服がサガワラです。

サンタラリ賞(Montjeu Coolmore - Prix Saint-Alary)
2012年5月27日、フランス・ロンシャン競馬場、芝2000m
3歳牝馬、G1、8頭、レース結果、総賞金25万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1サガワラ
Sagawara
3牝
3.1倍
C.ルメール
57kg
2分04秒374戦【2-2-0-0】
重賞初勝利
2ラジュワ
Rjwa
3牝
8.5倍
T.ジャルネ
57kg
短クビ5戦【2-1-1-1】
G3ペネロープ賞3着
3フォースオブダークネス
Forces Of Darkness
3牝
20倍
G.ベノワ
57kg
短クビ8戦【3-0-2-3】
前走2100m条件戦勝ち

G1愛2000ギニー、パワーがG1競走2勝目

5月26日に行われたG1愛2000ギニー(芝1マイル)は、道中5,6番手を追走したパワーが残り2ハロンから左に右に進路を変えながら1頭ずつ交わしていき、一緒に上がってきたフォックストロットロミオに1馬身差をつけて優勝しました。

3着に英2歳G1ミドルパークS.3着以来の出走だったリプライが入りました。UAEダービー勝ち馬で逃げたダディーロングレッグスは4着、アーバンシー最後の産駒ボーントゥシーは5着、前走英2000ギニー4着で1番人気に支持されたトランペットメジャーは最下位10着。また人気のパリッシュホールは直前に後脚(の皮膚でしょうけど)に感染が見つかったとのことで愛2000ギニーおよび来週の英ダービーは見送ることになりました。


パワーは父オアシスドリーム、母フラッペ、母の父インチナーという血統。母の半弟にG1英2000ギニー勝ち馬フットステップスインザサンドがいる良血馬です。前走の今年初戦、英2000ギニーは17着に敗れましたが、昨年は愛G1ナショナルS.(芝7ハロン)を勝ったほか、英愛G1で2着2回していました。

ジョセフ・オブライエン騎手は昨年のロデリックオコナーに続きこの競走2連覇。まだ18歳なんですがね。ちなみにロデリックオコナーについて以前、インドで種牡馬入りするかも?とお伝えしましたが、普通にアイルランドで種牡馬入りしています。

しかしまあ、UAEダービー勝ち馬ダディーロングレッグスとG1 BCジュベナイルターフ勝ち馬ロウトをペースメーカー風に使えるんだからオブライエン厩舎はやはりおそろしいですね。

2012年愛2000ギニーのレース映像(要登録)。パワーは3番枠からの発走。

愛2000ギニー(Abu Dhabi Irish 2000 Guineas)
2012年5月26日、アイルランド・カラ競馬場、芝1マイル
3歳、G1、10頭、Good、レース結果、総賞金30万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1パワー
Power
3牡
6倍
J.オブライエン1分39秒048戦【5-2-0-1】
G1は5戦2勝2着2回
2フォックストロットロミオ
Foxtrot Romeo
3牡
34倍
N.マックラー14戦【1-1-0-2】
英G2ミルリーフS.4着
今年初出走
3リプライ
Reply
3牡
26倍
F.ベリー3/47戦【2-0-3-2】
G1ミドルパークS.3着

豪G1ドゥームベン10000、シーサイレンがG1連勝

5月26日に行なわれた豪G1ドゥームベン10000(芝1350m)は、2番手を先行したバファリングが最後の直線入り口で先頭に立ちましたが、3番手の内を追走したシーサイレンが内から馬体を合わせて追い比べに。残り50mでシーサイレンが競り勝って前走BTCカップに続きG1連勝です。バファリングはBTCカップを挫石で取り消していたのでその影響があったかもしれません。

3着に2走前に豪G1ザ・ギャラクシーを勝ち、前走BTCカップは9着に敗れていたテンプルオブブームが、4着にその半弟スピリットオブブームが入っています。

シーサイレンは父ファストネットロック、母エクスプレスアスマイル、母の父サクセスエクスプレスという血統。次走は6月9日の豪G1ストラドブロークH.(1400m)を考えているとのこと

2012年ドゥームベン10000のレース映像。プルダウンメニューから「Australia(C)」を選択。「25日」の第7レースを選んでください。レース開催日は26日ですが、25日を選んでください。

ドゥームベン10000(Carlton Mid Doomben 10,000
2012年5月26日、オーストラリア・ドゥームベン競馬場、芝1350m
3歳以上、G1、16頭、レース結果、総賞金65万豪ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1シーサイレン
Sea Siren
3牝
4.25倍
J.キャシディ
55kg
1分19秒097戦【5-1-1-0】
重賞2勝目
2バファリング
Buffering
4セン
4.75倍
J.ボウマン
59kg
短クビ25戦【9-6-4-6】
G1で2着3回目
3テンプルオブブーム
Temple Of Boom
5セン
21倍
J.マクドナルド
59kg
231戦【10-4-6-11】
重賞3勝

2012日本ダービーはディープブリランテが優勝


 2012年 日本ダービー


5月27日に行われた第79回東京優駿(日本ダービー)は、4番手追走ディープブリランテが2番手追走から直線入り口で先頭に立ったトーセンホマレボシを残り200mで交わすと、ゴール直前で外から追い上げたフェノーメノをハナ差抑えて優勝し、G1初勝利を挙げました。

トーセンホマレボシが3着に粘りこみ、1番人気ワールドエースと2番人気ゴールドシップは後方から直線よく追い込んだが4着と5着。上位3頭は道中7番手以内につけていました。

ディープブリランテは父ディープインパクト、母ラヴアンドバブルズ、母の父 Loup Sauvage  という血統。パカパカファームの生産馬で、2009年のセレクトセールでノーザンファームが3,100万円(税込価格3,255万円)で購入しました。半姉にG3フラワーカップ2着のハブルバブルがいます。3代母はバブルガムフェローの半姉。

ディープインパクト産駒は13日の仏G1プール・デッセ・デ・プーリッシュ(仏1000ギニー)を勝ったビューティーパーラー、20日の優駿牝馬(オークス)を勝ったジェンティルドンナに続き3週連続クラシック制覇。ジェンティルドンナは桜花賞も制しているので、クラシック競走は今年4勝目です。


個人的にはゴールドシップ1着固定だったのでもう正直、2コーナー回った時点で外れたなと。さらに2着のフェノーメノも買っていないし、トーセンホマレボシとワールドエースの後先も合ってないので惜しくもなんともない結果に。せめて対抗のディープブリランテを本命にしておけば格好がついたのですが思い切れなかった。

内田騎手は前で競馬するだろうと考えていたのですが、レース数分前にNHK中継で流れたインタビューで「長く良い脚を使える」と言っており、検索してみると例えば数日前のギャロップの記事で「いい脚を長く使えるのでペース次第では自分から動いてもいい。要はペース配分と仕掛けどころ」と述べているので、事前に後ろから行くと決めていたという事ですね。私が勝手に「共同通信杯のように競馬をするだろう」思いこんでいただけで、実際にどう考えているか記事からうかがえるのだからちゃんと確認しておくべきでした。

岩田騎手はJRA移籍7年目(6年3ヶ月)で日本ダービー初勝利。これまでのG1勝利も早めに先頭に立って押し切る騎乗の方が印象に残っている騎手で、トーセンのウィリアムズ騎手は少し仕掛けるのが早かったように思いますが、後ろを待たずにそれを追い掛けてねじ伏せたのは岩田騎手らしい勝ち方だったなと。おめでとうございます。

東京優駿(日本ダービー)
2012年5月27日、日本・東京競馬場、芝2400m
3歳牡牝、G1、18頭、レース結果、1着賞金1億5000万円
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ディープブリランテ
Deep Brillante
3牡
8.5倍
岩田康誠2分23秒86戦【3-2-1-0】
G1皐月賞3着
2フェノーメノ
Fenomeno
3牡
14.6倍
蛯名正義ハナ6戦【3-1-0-2】
G2青葉賞
3トーセンホマレボシ
Tosen Homareboshi
3牡
15.0倍
C.ウィリアムズ3/47戦【3-2-1-1】
G2京都新聞杯
4ワールドエース
World Ace
3牡
2.5倍
福永祐一クビ6戦【3-2-0-1】
G1皐月賞2着
5ゴールドシップ
Gold Ship
3牡
3.1倍
内田博幸クビ7戦【4-2-0-1】
G1皐月賞1着

アグネスゴールド産駒エネルジアエレガンテがブラジル重賞2連勝

5月26日に行われたブラジルG3フランシスコ・ヴィエラ・デ・ポーラ・マチャド大賞(芝1500m、2歳牝馬)にアグネスゴールド産駒エネルジアエレガンテ Energia Elegante が2番人気で出走し、2着に2・1/2馬身差をつけて快勝しました。

エネルジアエレガンテは3月の2歳牝馬G3 ルイス・フェルナンド・シルネ・リマ大賞(芝1400m)を2着に4・1/4馬身差をつけて勝って以来の出走で重賞2連勝です。

エネルジアエレガンテはアグネスゴールドの初年度産駒。アグネスゴールドは2011年の種付け数がわずか7頭だったようですが、エネルジアエレガンテの活躍で2012年度は大きく増やせるのではないでしょうか。

エネルジアエレガンテの次走は不明。6月10日、24日、30日にブラジル2歳G1が計5レースあります。いずれも芝1600m戦。10日と30日にはシダーデジャルディン競馬場で牡馬戦と牝馬戦がそれぞれ行われます。24日はガベア競馬場で牡牝混合戦。

ただエネルジアエレガンテの過去3走はすべてガベア競馬場で走っているので、24日のブラジルジョッキークラブ大賞に出走する可能性が高いかなと。

2012年フランシスコ・ヴィエラ・デ・ポーラ・マチャド大賞のレース映像。3番枠がエネルジアエレガンテ。


フランシスコ・ヴィエラ・デ・ポーラ・マチャド大賞
(Grande Premio Francisco Vilella De Paula Machado)
2012年5月26日、ブラジル・ガベア競馬場、芝1500m
2歳牝馬、G2、11頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1カタカナ
Energia Elegante
2牝
2.5倍
C.Lavor1分28秒333戦【3-0-0-0】
重賞2連勝
2アクリアドラタ
Aquila Dorata
2牝
10.3倍
J.Pierre2・1/25戦【0-3-1-1】
重賞2着2回目
3アリゾナジプシー
Arizona Gipsy
2牝
6.9倍
H.Fernandes23戦【2-0-1-0】
前走アクリア(上)に先着

ヴィータローザ産駒とペールギュント産駒が仏でデビュー

ラジオたんぱ賞、中山金杯を制したヴィータローザの初年度産駒カートゥーンルージュ Cartoon Rouge が、4月28日に仏・ラテストドブッシュ競馬場で行なわれた2歳未勝利馬戦に出走し9頭立て9着しました。これが英仏愛米加独伊西におけるヴィータローザ産駒初出走で、おそらく世界でも初出走だと思われます(他国は未確認)。

カートゥーンルージュはその後スペインで4馬身差2着しています。 またブレーズローズ Blades Rose が5月21日の英未勝利馬戦に出走して8頭立て6着となり、これがイギリス初出走です。

ヴィータローザは2008年に引退し、2009年からイギリスで種牡馬入りしました。2010年からはイタリアで繋養されています。ここで繋養されている種牡馬は5月26日現在、現在ヴィータローザ1頭だけのようですね。



また、デイリー杯2歳S.とシンザン記念を勝ち、G1高松宮記念でも2着に入ったペールギュントの初年度産駒オーロラベレー Aurore Bere(オロールベレー?)が5月23日に仏シャンティイ競馬場で行なわれた2歳条件戦に出走し10頭立て9着しました(via @okuyoshi2)。これが英仏愛米加独伊西におけるペールギュント産駒の初出走であり、おそらく世界初出走です。

ペールギュントは2009年に引退し、フランスへわたって同年から種牡馬入りしました。

カートゥーンルージュが最下級戦でのデビューであるのに対してオーロラベレーは上級条件戦でのデビューなので、フランスでも1勝くらいはできるのではないでしょうか。

グロリアスデイズの血統・成績・レース映像紹介(安田記念出走予定)

6月3日に行なわれる安田記念に出走予定の香港馬グロリアスデイズ Glorious Days (5歳セン馬)について紹介します。

安田記念出走外国馬(香港馬)の成績(2005年以降)」で書いたように、好走条件にグロリアスデイズは当てはまっています。


香港の国際マイルG1を外国馬が制したのは、ハットトリックが香港マイルを勝った2005年が最後です。それだけレベルの高い香港マイル路線で、今年5月6日の国際G1チャンピオンズマイルはグロリアスデイズが2着、ラッキーナインが3着しました。

グロリアスデイズはニュージーランドでデビュー戦を勝ち香港へ移籍。条件戦を全て1番人気で4連勝し、重賞を3戦連続2着。通算8戦してパーフェクト連対中。重賞3走とも、昨年12月のG1香港マイル覇者エイブルワンに先着しています。グロリアスデイズは重賞未勝利馬ですがトップクラスで良績を残しており、全く侮れない相手です。

グロリアスデイズの成績(JRA公式PDF香港公式
通算8戦3勝【5-3-0-0】
年月日レース名着順/
頭数
馬場勝ちタイム
(着差)
騎手
2011年
3月19日
ニュージーランド・新馬戦
テラパ競馬場・芝1200m
1着/11頭G1分09秒70
3馬身
V.コルガン
11月5日クラス3(ハンデ戦)
香港シャティン競馬場・芝1400m
1着/14頭GF1分22秒57
3・1/2馬身
D.ホワイト
11月27日クラス3(ハンデ戦)
香港シャティン競馬場・芝1400m
1着/14頭G1分21秒74
1・3/4馬身
D.ホワイト
12月17日クラス2(ハンデ戦)
香港シャティン競馬場・芝1400m
1着/14頭GF1分22秒00
1・1/4馬身
D.ホワイト
2012年
1月25日
クラス1(ハンデ戦)
香港シャティン競馬場・芝1400m
1着/8頭GY1分22秒89
短アタマ
D.ホワイト
3月4日LG1クイーンズシルバージュビリーC.
香港シャティン競馬場・芝1400m
2着/11頭G1分21秒30
アタマ
D.ホワイト
4月1日LG2チェアマンズトロフィー
香港シャティン競馬場・芝1600m
2着/9頭G1分34秒43
クビ
D.ホワイト
5月6日G1チャンピオンズマイル
香港シャティン競馬場・芝1600m
2着/14頭G1分35秒23
1/2馬身
F.コーツィー
G=Good(良)、GF=Good To Firm(堅良)、GY=Good To Yield(稍重)
安田記念の斤量は58kg。グロリアスデイズのG1・2戦は約57kgでしたが、11月27日からの条件戦3戦は約59kgを背負って勝っています。


勝ちタイムを日本流換算値にするには1.4秒減じればOKと。表中のタイムは減らしていませんが、換算すると持ち時計は1400mで1分19秒9、1600mで1分33秒0ですね。次に述べるようにマイル2戦はペースが遅かったので、タイムを縮めることは可能だと思いますが。安田記念の過去4年の勝ち時計は次のとおりです。

2008年:1分32秒7
2009年:1分33秒5
2010年:1分31秒7
2011年:1分32秒0


重賞3走のラップと通過順位は次の表をご覧ください。1400mのクイーンズシルヴァージュビリーカップは前傾ラップ、マイル2戦はいずれも後傾ラップでした。特にチャンピオンズマイルは2004年以降でもっとも遅い前半800mです。安田記念は過去4年とも前傾ラップであり、グロリアスデイズがそのペースでもマイル戦をこなせるか試されたことがありません。

しかし東京競馬場の芝マイルが下って上るコース形態だから自然と前傾ラップになりやすいのだろうし、グロリアスデイズもシルヴァージュビリーカップで前傾ラップ戦を刻んでいるので追走すること自体は当然可能。また同レースの猛烈なハイペースを見ると安田記念のマイルなら持ちそうかなとは思うのですが、この辺はご自分で判断してください。

着順 馬名 1st Sec. 2nd Sec. 3rd Sec. 4th Sec.
クイーンズシルヴァージュビリーC.(1400m)勝ち馬から0.04秒差
- レースラップ 13.16 34.39 57.50 1.21.30
- 区間ラップ 13.16 21.23 23.11 23.80
1 ラッキーナイン 13.36(3) 21.35(3) 22.91(3) 23.68(1)
2 グロリアスデイズ 13.72(8) 21.55(10) 22.55(6) 23.52(2)
チェアマンズトロフィー(1600m)勝ち馬から0.03秒差
- レースラップ 25.11 48.49 1.11.68 1.34.43
- 区間ラップ 25.11 23.38 23.19 22.75
1 アドミレーション 25.47(4) 23.58(4) 23.15(4) 22.23(1)
2 グロリアスデイズ 25.67(6) 23.58(5) 23.11(5) 22.10(2)
チャンピオンズマイル(1600m)勝ち馬から0.08秒差
- レースラップ 25.05 49.36 1.13.00 1.35.23
- 区間ラップ 25.05 24.31 23.64 22.23
1 エクステンション 25.25(3) 24.35(3) 23.56(4) 22.07(1)
2 グロリアスデイズ 25.61(7) 24.39(8) 23.48(9) 21.83(2)
3 ラッキーナイン 25.09(2) 24.39(2) 23.56(2) 22.36(3)
安田記念の過去4年
08 レースラップ 23.2 46.2 1.09.3 1.32.7
- 区間ラップ 23.2 23.0 23.1 23.4
09 レースラップ 22.6 45.3 1.09.5 1.33.5
- 区間ラップ 22.6 22.7 24.2 24.0
10 レースラップ 22.7 44.9 1.07.6 1.31.7
- 区間ラップ 22.7 22.2 22.7 24.1
11 レースラップ 23.0 45.4 1.08.2 1.32.0
- 区間ラップ 23.0 22.4 22.8 23.8


2012年クイーンズシルヴァージュビリーカップのレース映像。2頭いる緑の勝負服のうち、手前側の枠からの発走がグロリアスデイズ。以下同じ勝負服。


2012年チェアマンズトロフィーのレース映像



2012年チャンピオンズマイルのレース映像



グロリアスデイズの血統5代血統表、豪州産馬)
HussonetMr.ProspectorRaise A Native
Gold Digger
SacahuistaRaja Baba
Nalees Flying Flag
San CenturyCentaineCentury
Rainbeam
SandaracGrosvenor
Sellou

ヒューソネット Hussonet はチリで00年から7年連続リーディングサイアーになり、2003年からはオーストラリアに移っています。G1馬は28頭、うちチリ産馬23頭、オーストラリア産馬4頭、アルゼンチン産馬1頭という内訳。チリ生まれの2頭は米G1も勝っています。

チリ時代の産駒G1勝ちは、ざっと見た感じではダートが芝より多そうかなというくらいで大きな偏りは無さそう。チリはダートG1の方が数レース多いからこれを反映しているだけでしょう。1頭は米G1ターフマイルS.(芝1マイル)を勝ちました。馬場・距離を問わずG1を勝ちまくっており、まさに「チリの大種牡馬」(『世界の種牡馬』全訂第4版ヒューソンの項より)。

オーストラリアでは4頭がG1を10勝。うち1頭が、G1を7勝し年度代表馬になったウィークエンドハスラーです。同馬のG1勝利は1600mが2勝、1500mで1勝、1800mで1勝など。2000mG1は8着、2400mG1は12着に敗れています。他3頭は1200m以下のG1を1勝ずつ。G2、G3、準重賞でも1400m以下での勝ち鞍がほとんどなのは気になる。

ヒューソネットはまだ現役種牡馬で、2012年度の種付け料は2万5000豪ドルとブラックキャビアの父ベルエスプリを10%下回るだけ。しかしこれはピーク時の1/5まで下がった水準です。ちなみに後継種牡馬ヒューソンは2011-2012豪ファーストクロップリーディングで現在2位です。

母の父センテイン Centaine はニュージーランドの名種牡馬で、母の父としても20頭ほどのG1馬を出しておりニュージーランドのリーディングBMSに3年連続含む5回なっています。直近の活躍馬としては、ジミーシューが2010から2011年にニュージーランド3歳2冠など豪・新併せてG1競走5勝し、うち3勝はマイルG1でした(昨年の香港マイルは2・1/2馬身差9着)。

グロリアスデイズの半姉スパーセント Spurcent (父フライングスパー)はG1豪1000ギニー(芝1600m)3馬身差3着馬。重賞は9戦して3着2回が最高でした。

ちなみに母の全姉の産駒で最もよく走ったのは香港のキルデア(父オライリーは今シーズンNZリーディングサイアー)だと思いますが、 1000mの香港ローカルG3を勝つなど、特に1000mで活躍しました。



オーストラリアでの実績では父にスプリント色が強く、それを補うほど母方に長い距離への適性があるとも言い切れない感じでしょうか。「極端なハイペースの1600m」に対しては少し不安があるように思うのですが。ただ実際に国際マイルG1で2着しているので、過度に気にする点でもなさそう。もうひとつの不安点は近走の競馬でスタートが悪くないのにいつも後方に下げている点で、こちらは安田記念当日の東京競馬場が前がとまらない馬場だったときに差し損ねる懸念がありますね。

とはいえ、実力上位だと思いますのでそれを含めても3、4番手以内の評価には出来ると思っています。

安田記念出走外国馬(香港馬)の成績(2005年以降)

この記事の下に2005年以降に安田記念に出走した外国馬(全て香港馬)の前走や前々走の成績をまとめたので紹介します。

19回の出走で【1-1-2-1-14】という成績。連対率は約10%。3着以内率は約21%。

ここで条件を
  1. 前走のチャンピオンズマイルまたは前年の香港マイルにおいて
  2. 9.9倍以下の人気で3着以内に入っていた
に限定すると、7戦【0-1-2-1-3】とかなり効率よく拾えます。

抜けている1着ブリッシュラックにしても、前年の安田記念で0.2秒差4着し、また前走チャンピオンズマイルで2着につけた1・1/4馬身差はエイブルワンと並んで2005年以降に安田記念した馬の中では最大の着差であり、また前年の香港マイルは1番人気で出走(4着)していたので、つまり地元の最重要マイルG1であるチャンピオンズマイルか香港マイルで人気を集めて好走できる馬でないと安田記念は通用しないということです。人気薄で大レースを好走したからといって(調子に乗って)海外遠征しても結果はでないというのは、日本馬を例に考えれば当たり前のことです。


で、今年日本に来る2頭の香港馬ラッキーナインとグロリアスデイズについては次のとおり。

ラッキーナイン
チャンピオンズマイル 12倍3着(4番人気)
香港スプリント 4.3倍1着(2番人気)
グロリアスデイズ
チャンピオンズマイル 6.6倍2着(3番人気)

グロリアスデイズは条件クリア。ラッキーナインは香港スプリントを香港マイルと同等に考えるならクリア。また2011年のチャンピオンズマイルでは4.1倍の1番人気で1/2馬身差2着しており、そのときと比べて実力が落ちているとは思えないので、ほとんど好走パターンに相当するように思えます。ただラッキーナインはチャンピオンズマイルが1年ぶりのマイル戦で、その間はずっとスプリント路線で走っていたのは気になります。

2011年
ビューティーフラッシュ(6セン)
- 日本 安田記念 0.5秒差9着 7人気
前走 香港 G1チャンピオンズマイル 3/4馬身差4着 (7.2倍)
2走前 ドバイ G1ドバイデューティーフリー 5・3/4馬身差8着 (3.6倍)
3走前 香港 L-G1クイーンズシルヴァージュビリーC. 1/2馬身差1着 (4.2倍)
前年 香港 G1香港マイル 3/4馬身差1着 (10倍)

サムザップ(7セン)
- 日本 安田記念 0.7秒差11着 13人気
前走 香港 G1チャンピオンズマイル 4馬身差10着 (8.5倍)
2走前 香港 L-G2チェアマンズトロフィー 3/4馬身差2着 (2.3倍)
前年 香港 G1香港マイル 2・1/4馬身差6着 (3.7倍)

2010年
サイトウィナー(7セン)
- 日本 安田記念 0.2秒差5着 15人気
前走 香港 G1チャンピオンズマイル 2・1/2馬身差4着 (48倍)
2走前 香港 L-G2チェアマンズトロフィー 2・1/2馬身差6着 (29倍)
3走前 香港 L-G1クイーンズシルヴァージュビリーC. 6・3/4馬身差6着 (16倍)
前年 香港 G1香港マイル 3・3/4馬身差11着 (22倍)

ビューティーフラッシュ(5セン)
- 日本 安田記念 0.9秒差11着 4人気
前走 香港 G1チャンピオンズマイル 1・1/2馬身差3着 (7倍)
2走前 香港 L-G2 チェアマンズトロフィー(1600m) 2・1/2馬身差5着 (3.7倍)
前年 香港 L-G1香港クラシックマイル 2・3/4馬身差1着 (3.1倍)

2009年
サイトウィナー(6セン)
- 日本 安田記念 0.7秒6着 9人気
前走 香港 G1チャンピオンズマイル 短アタマ差1着 (65倍)
2走前 香港 L-G2チェアマンズトロフィー 2・1/2馬身差5着 (23倍)
3走前 香港 L-G1クイーンズシルヴァージュビリーC. 3・3/4馬身差4着 (99倍)
前年 香港 G1香港マイル 8馬身差8着 (22倍)

アルマダ(8セン)
- 日本 安田記念 0.9秒8着 13人気
前走 香港 G1チャンピオンズマイル 3馬身差9着 (28倍)
2走前 香港 L-G2チェアマンズトロフィー 2・1/4馬身差4着 (7.8倍)
3走前 香港 L-G1クイーンズシルヴァージュビリーC. 4馬身差5着 (26倍)
前年 香港 G1香港マイル 3・3/4馬身差6着 (2.1倍)

2008年
アルマダ(7セン)
- 日本 安田記念 0.6秒2着 5人気
前走 香港 G1チャンピオンズマイル 1馬身差2着 (3.7倍)
2走前 香港 L-G2チェアマンズトロフィー クビ差1着 (3.6倍)
3走前 香港 L-G1クイーンズシルヴァージュビリーC. 5・1/2馬身差8着 (11倍)

ブリッシュラック(9セン)
- 日本 安田記念 1.7秒差14着 13人気
前走 香港 G1チャンピオンズマイル 3馬身差3着 (49倍)
2走前 ドバイ G1ドバイデューヒーフリー(1777m) 7馬身差13着 (26倍)

グッドババ(6セン)
- 日本 安田記念 2.4秒差17着 3人気
前走 香港 G1チャンピオンズマイル 1馬身差1着 (1.6倍)
2走前 香港 L-G1クイーンズシルヴァージュビリーC. 1/2馬身差1着 (3.8倍)
前年 香港 G1香港マイル 短アタマ差1着 (3.8倍)

2007年
グッドババ(5セン)
- 日本 安田記念 0.5秒差7着 7人気
前走 香港 G1チャンピオンズマイル 2・1/2馬身差5着 (2.3倍)
2走前 香港 L-G2チェアマンズトロフィー 1/2馬身差1着 (3.8倍)

ジョイフルウィナー(7セン)
- 日本 安田記念 0.7秒差9着 4人気
前走 香港 G1チャンピオンズマイル 1・1/4馬身差2着 (9.0倍)
2走前 香港 L-G1クイーンズシルヴァージュビリーC. 1・1/4馬身差1着 (2.4倍)
前年 香港 G1香港マイル 2・1/2馬身差6着 (15倍)

エイブルワン(5セン)
- 日本 安田記念 0.9秒差12着 10人気
前走 香港 G1チャンピオンズマイル 1・1/4馬身差1着 (33倍)
2走前 香港 L-G3プレミアプレート(1800m) 4・3/4馬身差5着 (1.9倍)

ザデューク(8セン)
- 日本 安田記念 1.0秒差15着 8人気
前走 香港 G1チャンピオンズマイル 1・1/4馬身差3着 (14倍)
2走前 香港 L-G1クイーンズシルヴァージュビリーC. 1・1/4馬身差2着 (7倍)
前年 香港 G1香港マイル アタマ差1着 (15倍)

2006年
ブラッシュラック(7セン)
- 日本 安田記念 0.4秒差1着 3人気
前走 香港 G1チャンピオンズマイル 1・1/4馬身差1着 (12倍)
2走前 香港 G1QEIIカップ 3・1/2馬身差5着 (18倍)
前年 香港 G1香港マイル 2・1/2馬身差4着 (3.7倍)

ジョイフルウィナー(6セン)
- 日本 安田記念 0.4秒差3着 8人気
前走 香港 L-G1チャンピオンズマイル 2・1/2馬身差3着 (5.8倍)
2走前 香港 L-G1クイーンズシルヴァージュビリーC. 1/2馬身差1着 (1.7倍)

ザデューク(7セン)
- 日本 安田記念 1.6秒差15着 15人気
前走 香港 プレミアクラス(1200m) 3馬身差5着 (11倍)
2走前 香港 L-G1香港ゴールドカップ(2000m) 6・1/4馬身差7着 (74倍)
前年 香港 G1香港マイル 1・1/4馬身差2着 (39倍)

2005年
サイレントウィットネス(6セン)
- 日本 安田記念 0.0秒差3着 5人気
前走 香港 L-G1チャンピオンズマイル 短アタマ差2着 (1.2倍)
2走前 香港 L-G2クイーンズシルヴァージュビリーC. 1・3/4馬身差1着 (1.0倍)
前年 香港 G1香港スプリント(1200m) 1・3/4馬身差1着 (1.3倍)

ブリッシュラック(6セン)
- 日本 安田記念 0.2秒差4着 6人気
前走 香港 G1チャンピオンズマイル 短アタマ差1着 (9.3倍)
2走前 香港 G1QEIIカップ 3・1/2馬身差6着 (10倍)
前年 香港 G1香港マイル 短アタマ差2着 (21倍)

ボウマンズクロッシング(6セン)
- 日本 安田記念 0.7秒差13着 15人気
前走 香港 L-G1チャンピオンズマイル 3・1/2馬身差4着 (99倍)
2走前 香港 クラス1(1800m) 2馬身差3着 (20倍)
前年 香港 G1香港カップ(2000m) 11・1/2馬身差14着 (17倍)

2012年5月24日木曜日

エリザベス女王のモーメンタリーが準重賞フィリーズトライアルS.優勝

5月18日に行われた英オークストライアルのひとつ、準重賞フィリーズトライアルS.(10ハロン、3歳牝馬)は4月のデビュー戦を4着しただけだったモーメンタリーが8頭立て7番人気の低評価を覆し、短頭差で初勝利を挙げました。

G1英2000ギニー2着の1番人気スタースコープが3・3/4馬身差の3着に入り、昨年の英G1フィリーズマイル3着だったファードウズは2番人気7着に終わっています。


モーメンタリーは父ネイエフ、母フリーティングメモリー、母の父デインヒル、母の母の父サドラーズウェルズという血統。エリザベス女王の生産所有馬です。

昨年はダンシングレインがフィリーズトライアルS.2着から英オークスを制し、またディープインパクトの母ウインドインハーヘアは1994年にこのレースを勝ち次走英オークス2着していますが、モーメンタリーは英オークス登録がなくロイヤルアスコットの英G2リブルスデイルS.(6月21日)に向かいます。

2012年フィリーズトライアルS.のレース映像。4番枠発走、黒の帽子がカールトンハウス。


ちなみにエリザベス女王所有馬で昨年の英G2ダンテS.を勝ち、英ダービーでも1馬身差3着したカールトンハウス Carlton House愛ダービー4着以来出走していませんでしたが、スタウト調教師の下に帰厩しています。5月上旬には「月末のレースで復帰も」という記事がありましたから、5月中か6月には1年ぶりの出走が見られる可能性が高そうです(カールトンハウスはダーレー生産馬。ドバイ・モハメド殿下からエリザベス女王に贈られた1歳馬4頭の内の1頭

フィリーズトライアルステークス(Swettenham Stud Fillies' Trial Stakes)
2012年5月18日、イギリス・ニューベリー競馬場、芝10ハロン6ヤード
3歳牝馬、準重賞、8頭、Good To Soft、レース結果、総賞金3万3000ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1モーメンタリー
Momentary
3牝
34倍
H.ターナー2分11秒282戦【1-0-0-1】
未勝利馬戦9頭立て4着
2シロッコスター
Shirocco Star
3牝
6倍
D.ホランド短アタマ3戦【1-2-0-0】
準重賞以上初出走
3スタースコープ
Starscope
3牝
2.2倍
J.フォーチュン3・3/44戦【1-1-1-1】
英G3ネルグウィンS.1馬身差4着

英G2ダンテS.、ボンファイアが重賞初勝利。英ダービーへ

5月17日に行われた英G2ダンテS.(芝10.5ハロン)は、2番手追走ボンファイアに最後方追走エクティハームが残り3ハロンあたりで外から並びかけ、ゴールまで追い比べ。最後は並ばれるのを余裕で待っていたボンファイアがゴール前で約1馬身前に出て、重賞初勝利を挙げています。

仏2歳G1クリテリウム・ド・サンクルー(芝2000m)勝ち馬で2番人気のマンダヤンは6着に、1番人気アーネストヘミングウェイは最下位7着に敗れました。


ボンファイアは父マンデュロ、母ナイトフロリック、母の父ナイトシフトという血統。マンデュロはワールドエースの母の半弟で、現3歳が初年度産駒。マンダヤンはその初のG1勝ち馬です。ボンファイアも仏2歳G1クリテリウムアンテルナシオナル(芝1600m)で不利を受けながら1・3/4馬身差3着していました(勝ち馬フレンチフィフティーンは英2000ギニーでキャメロットからクビ差2着)。ボンファイアの半姉に昨年の英G3ミュジドラS.勝ち馬で英G1ファルマスS.2馬身差4着のジョヴィアリティーがいます。

次走は6月2日の英ダービーへ。ブックメーカー各社のオッズによると、キャメロットは1倍台後半から2倍程度の1番人気に、ボンファイアは6倍前後の2番人気に支持されています。3番人気以降のオッズは二桁。キャメロット相手は楽ではないですが、もしボンファイアが勝てばワールドエースの種牡馬としての価値は大きく上がります(自身が先に日本ダービーを勝つ可能性もありますが)

2012年ダンテS.のレース映像(予備)。2番手追走黒い帽子がボンファイア。



参考:クリテリウムアンテルナシオナルのレース映像。ボンファイアはゲート向かって1番右からの発走。


ダンテステークス(Betfred Dante Stakes)
2012年5月17日、イギリス・ヨーク競馬場、芝10ハロン88ヤード
3歳、G2、7頭、Good、レース結果、総賞金15万ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ボンファイア
Bonfire
3牡
4倍
J.フォーチュン2分10秒523戦【2-0-1-0】
仏2歳G1で3着
2エクティハーム
Ektihaam
3牡
7倍
T.オシーア3/45戦【3-1-0-1】
英2歳G1で9頭立て9着
3フェンシング
Fencing
3牡
4.5倍
W.ビュイック45戦【1-0-3-1】
英G1レーシングポストT.3着
G1英2000ギニー6着

2012年5月22日火曜日

フランケル、デインドリーム、ダビルシムらの次走

今年初戦の英G1ロッキンジS.を5馬身差で勝ったフランケル Frankel次走もマイルの可能性が高い。10ハロンはその次から。というわけで、今後2走はほぼ次のとおり。
  • 6月19日 英G1クイーンアンS.(芝1マイル)
  • 7月7日 英G1エクリプスS.(芝10ハロン)

今年初戦の独G2バーデン企業大賞を3/4馬身差で勝ったデインドリーム Danedream はまだ80%の出来だったと。次走はドイツ国外になりそう
  • 6月24日 仏G1サンクルー大賞典(芝2400m、56.5kg)
  • 7月21日 英G1"キングジョージ"(芝12ハロン、59kg)
カッコ内はデインドリームが背負う斤量で、キングジョージは牡馬より軽いとはいえ過去最高の斤量となり、出走すればデインドリームが斤量負けするかどうか判断できる1戦になるでしょう。


エリザベス女王杯を2連覇した後、香港での調教中に負傷して香港ヴァーズを回避したスノーフェアリーは乗り運動はしているがダンロップ厩舎にまだ戻っておらず、帰厩までもう数週間かかる見込みであると。今年初戦は8月の英G1ナッソーS.を考えているとのこと


英2000ギニー勝ち馬キャメロット Camelot は6月2日の英ダービーへ(すでに単勝1倍台)。英1000ギニー勝ち馬ホームカミングクイーン Homecoming Queen は5月27日のG1愛1000ギニーへ。


仏G1プール・デッセ・デ・プーラン(仏2000ギニー) 勝ち馬ルカヤン Lucayan は7月1日の仏G1ジャンプラ賞(芝1600m)へ。仏G1プール・デッセ・デ・プーリッシュ(仏1000ギニー)勝ち馬ビューティーパーラー Beauty Parlour の次走について、「オーナーと相談後に仏オークスに行くと思う」というルルーシュ調教師のコメントは以前紹介しましたが、決定したとは伝えられていないようです。まあ仏オークスだと思いますが。


仏2000ギニー6着に敗れたダビルシム Dabirsim は、「登録してある英G1ジュライカップには向かわず、8月5日の仏G1モーリスドゲスト賞(芝1300m、3歳以上)になるかもしれない」と。これは長い休養が必要だからではなく、単に適したレースが無いからであるとのこと。また鞍上には再びデットーリ騎手を迎えるため交渉中であるということです。


ケンタッキーダービーおよびプリークネスS.を制したアイルハヴアナザー I'll Have Another はもちろん6月9日の米G1ベルモントS.で34年ぶりの3冠達成を狙います。一方2冠とも2着だったボーディマイスター Bodemeister(エンパイアメーカー産駒)は問題は無いがベルモント出走を見送ることが決定。プリークネスS.はパスしたデュラハン Dullahan (ダービー3着)やユニオンラグス Union Rags(同2番人気7着)などが対抗馬です。なおデュラハンは、予定していたデザーモ騎手が先日の呼気検査でアルコールが検出された問題を考慮してでしょう、現在リーディング首位のJ.カステリャーノ騎手に乗り替わることになりました


ディープインパクト産駒アクアマリン Aquamarine は、5月28日の仏G2コリーダ賞に登録しており、仏G3アレフランス賞から連勝を狙います。登録馬はこちら。22日現在、ガリコヴァが登録してなかったり、27日のイスパーン賞などにも登録している馬もいますが、フランス古馬牝馬中距離路線のトップクラスがほぼ全頭揃っている状況です。

伊G2イタリアダービー、ドイツ馬フォイアーブリッツが重賞初勝利

5月20日に行われた第129回ダービーイタリアーノ(伊ダービー、芝2200m)は2番手追走のワイルドウルフが残り400mで一度先頭に立ちましたが、4番手追走フォイアーブリッツがじわじわと差を詰めて残り200mで並びかけると短クビ差差し切って優勝し、重賞初勝利を挙げました。逃げたスモーキングジョーが3着に粘っています。

伊ダービートライアルの準重賞ボッティチェリ賞を5馬身差で勝っていたリアルソリューション(F.デットーリ)は1番人気6着。同2着馬は9着。ワイルドウルフはその4着馬でした。M.デムーロ騎乗2番人気ソプランモンティエリはダービー8着。


フォイアーブリッツは父ビッグシャッフル、母フラミンゴアイランド、母の父アカテナンゴという血統のドイツ馬。ビッグシャッフルはドイツリーディングサイアー4回の名種牡馬(09年末に死亡)。母の全妹フラミンゴロードが独G2ディアナ賞(独オークス)勝ち馬です。フォイアーブリッツは前走のドイツダービートライアルで3馬身差2着していました(YouTube)。7月1日のG1ドイチェスダービーに登録しています。

2012年ダービーイタリアーノのレース映像。4番手追走、ピンクの胴、黒の袖の勝負服がフォイアーブリッツ。


ダービーイタリアーノ(Derby Italiano)
2012年5月20日、イタリア・カパネッレ競馬場、芝2200m
3歳、G2、11頭、レース結果、総賞金55万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1フォイアーブリッツ
Feuerblitz
3牡
10.9倍
R.ハヴリン2分19秒007戦【2-3-1-1】
2歳時4戦2着2回
2ワイルドウルフ
Wild Wolf
3牡
26倍
U.リスポリ短クビ6戦【3-0-2-1】
重賞初出走
3スモーキングジョー
Smoking Joe
3牡
13.5倍
F.ブランカ1・1/46戦【3-1-1-1】
前走準重賞2着

愛G2ダービートライアルS.、ライトヘヴィーが重賞連勝

5月13日に行われた愛G2ダービートライアルS.は、2番手追走のライトヘヴィーが残り2ハロンで逃げたタワーロックに並びかけると、ライトヘヴィーがクビ差だけ先着し、前走の愛3歳G3バリーサックスS.に続く重賞2連勝です。タワーロックもその3着馬でした。

1番人気ロウトはライトヘヴィーの直後を追走も直線で付いて行けず7馬身差3着。G1 BCジュベナイルターフ勝ちがある分だと思いますが他馬より1.5kg重い斤量と、UAEダービー帰り初戦とコンディションも不利でした。

ライトヘヴィーは父テオフィロ、母 Siamsa、母の父クエストフォーフェイムという血統。同じ父テオフィロで英G1デューハーストS.勝ち馬パリッシュホールの母の半弟にあたります(パリッシュホールと3/4同血)。昨年はデビュー戦を2着しただけで終え、今年に入ってからはこれで3連勝です。今年初戦で負かした相手はG3愛2000ギニートライアルS.勝ち馬で、仏2000ギニーでも僅差3着したファーナーズグリーンだから価値が高い。

次走は予定通りG1愛ダービーへ。キャメロットが出て来なければかなり有力でしょう。ロウトは26日の愛2000ギニーへ。ちなみにパリッシュホールが現在、愛2000ギニー2番人気です。

2012年愛ダービートライアルS.のレース映像。2番手追走がライトヘヴィー。

ダービートライアルステークス(Derrinstown Stud Derby Trial Stakes)
2012年5月13日、アイルランド・レパーズタウン競馬場、芝10ハロン
3歳、G2、5頭、Good To Soft、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ライトヘヴィー
Light Heavy
3牡
2.875倍
K.マニング
58.5kg
2分11秒504戦【3-1-0-0】
今年に入って3連勝
2タワーロック
Tower Rock
3牡
10倍
S.ヘファナン
58.5kg
クビ5戦【1-1-2-1】
前走G3で3着
3ロウト
Wrote
3牡
1.6倍
R.ムーア
59.9kg
7・1/27戦【3-0-4-0】
BCジュベナイルターフ1着

G3愛1000ギニートライアル、イエローローズバドが重賞初勝利

5月13日に行われたG3愛1000ギニートライアル(芝1マイル)は、後方を追走したイエローローズバドが最終コーナーで内を回り最後の直線入り口で開いた内を突いて抜け出すと、ゴール前で外から追い込んだデヴォーションを1馬身抑えて重賞初勝利を挙げました。

イエローローズバドは父ジェレミー、母ネブラス、母の父グリーンデザートという血統。母はG1馬の半妹。また重賞2勝、英G1クイーンアンS.2着のジェレミーの初年度産駒であり初の重賞勝ち馬となりました。

次走は27日のG1愛1000ギニーへ。昨年の仏G1マルセルブサック賞は4着に敗れていますが、「そのときは馬場が速すぎたから」とのことで、カラ競馬場ならと考えているようです。ただ時計がかかった場合は英1000ギニーを9馬身差圧勝したホームカミングクイーンの方が有利では?とも思いますが。

2012年愛1000ギニートライアルのレース映像(要登録)。黄色の帽子がイエローローズバド。

愛1000ギニートライアル(Derrinstown Stud 1,000 Guineas Trial)
2012年5月13日、アイルランド・レパーズタウン競馬場、芝1マイル
3歳牝馬、G3、10頭、Good To Soft、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1イエローローズバド
Yellow Rosebud
3牝
7.5倍
P.スマレン1分42秒944戦【2-1-0-1】
愛G3デビュタントS.2着
2デヴォーション
Devotion
3牝
26倍
S.ヘファナン17戦【1-1-1-4】
準重賞4着、G1で6着(8頭)
3コーラルウェーヴ
Coral Wave
3牝
6倍
D.マクドノー短アタマ5戦【2-1-1-1】
愛G3ウェルドパークS.1着

愛G3ブルーウィンドS.、プリンセスハイウェイが重賞初勝利

5月10日に行なわれた愛G3ブルーウィンドS.(芝10ハロン)は、2番手追走したプリンセスハイウェイが残り2ハロンで抜け出すとそのまま押し切って優勝し、重賞初出走で初勝利を挙げました。2着に前走10ハロンの準重賞で8馬身差2着に敗れていたアアラスが、3着に昨年8月にデビュー戦を勝って以来の出走だったワズが入っています。

プリンセスハイウェイは父ストリートクライ、母イレシスティブルジュウェル、母の父デインヒルという血統で、前走のデビュー2戦目で初勝利を挙げています。そのときの2着馬ベターベターベターが次走で初勝利すると、さらに準重賞でも僅差2着しています。今回のメンバーは低調でしたが。

次走はロイヤルアスコットの英G2リブルスデイルS.で、昨年はブルーウィンドS.の勝ち馬バニンパイヤが制したレースです。また2002年にはイレシスティブルジュウェルが、同じ馬主・騎手・調教師で勝ったレースでもあります。


2012年ブルーウィンドS.のレース映像。2番手追走する赤の帽子がプリンセスハイウェイ。

ブルーウィンドステークス
(Irish Stallion Farms European Breeders Fund Blue Wind Stakes )
2012年5月16日、アイルランド・ナース競馬場、芝10ハロン
3歳以上牝馬、G3、6頭、Good To Yielding、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1プリンセスハイウェイ
Princess Highway
3牝
4.5倍
P.スマレン2分17秒643戦【2-0-0-1】
重賞初出走
2アアラス
Aaraas
3牝
13倍
D.マクドノー17戦【1-2-1-3】
愛G3キラヴーランS.3着
3ワズ
Was
3牝
4.5倍
S.ヘファナン1・3/42戦【1-0-1-0】
重賞初出走

仏G2オカール賞、トップトリップが重賞初勝利

5月13日に行われた仏G3オカール賞(芝2200m、3歳牡牝)は、道中最後方を追走したトップトリップが最後の直線で4頭の間を通って追い込み、ゴール直前で1番人気マスターストロークを差し切って優勝しました。

トップトリップは父ドバイデスティネーション、母トプカ、母の父カヤージという血統。ヌレイエフの4×5。前走の準重賞では、のちに仏G2グレフュール賞を勝つケサンプールから2馬身差2着していました。次走は6月3日の仏ダービーのようです。

2012年オカール賞の連続写真。赤の帽子がトップトリップ。

オカール賞(Prix Hocquart)
2012年5月13日、フランス・ロンシャン競馬場、芝2200m
3歳、G2、6頭、Good To Soft、レース結果、総賞金13万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1トップトリップ
Top Trip
3牡
17倍
T.フエ2分18秒335戦【3-2-0-0】
重賞初出走
2マスターストローク
Masterstroke
3牡
1.83倍
M.ギュイヨン1/23戦【2-1-0-0】
準重賞以上は初出走
3サージェイド
Sir Jade
3牡
17倍
C.スミヨンクビ7戦【2-2-1-2】
前走準重賞2着

2012年5月21日月曜日

独G2バーデン企業大賞、デインドリームが今年初戦を勝利

5月20日に行われた独G2バーデン企業大賞(芝2200m)は、4番手を追走したデインドリームが400m強の直線入り口で先頭に並びかけすぐに抜け出すと、残り1ハロンで外から2頭に追い上げられましたが、3/4馬身差先着して今年初戦を勝っています。重賞5勝目。

今年初戦のオヴァンボクイーン(独牝馬G3を2勝)が2着に、今年4月の独G2で1馬身差2着していたシルヴァナーが3着に入っています。一昨年の独G1ドイチェスダービー3着馬で、昨年このレース1/4馬身差2着していたロシアンタンゴは5着でした。


デインドリームは凱旋門賞前の2走はいずれも古馬牡馬相手に2400mの独G1を走り、5馬身差、6馬身差と前年までのドイツ年度代表馬2頭に大きな差をつけて快勝していました。今回は今年初戦で他馬より重い58kgを背負ったとはいえ少し物足りない印象。過去の成績(Racing Postnetkeiba)を見ても斤量負けする傾向がありそうで、相手が強くなる今後がちょっと心配ですね。

2012年バーデン企業大賞のレース映像。9番枠発走がデインドリーム。


独G2バーデン企業大賞(Grosser Preis der Badischen Unternehmer)
2012年5月20日、ドイツ・バーデンバーデン競馬場、芝2200m
4歳以上、G2、10頭、レース結果、総賞金7万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1デインドリーム
Danedream
4牝
1.4倍
A.シュタルケ
58kg
2分16秒5914戦【6-0-4-4】
凱旋門賞1着
2オヴァンボクイーン
Ovambo Queen
5牝
8.2倍
A.デフリース
56kg
3/414戦【6-5-2-1】
独牝馬G3を2勝2着2回
3シルヴァーナー
Silvaner
4牡
8.5倍
T.ヘリアー
57.5kg
11戦【3-1-3-4】
G1ラインラントポカル3着

2012年5月20日日曜日

星G1シンガポール航空国際カップ、シンションがG1競走2勝目

5月20日に行われた星G1シンガポール航空国際カップは、後方の内を追走したシンションが直線では数頭分外に出されると鋭く伸び残り150mで先頭に立ち、優勝しました。最終コーナーで狭いながらもスペースのあった内を回って距離を稼げたのも勝因でしょうが、抜け出すときの脚は素晴らしいものでした。

2着にルーラーシップが勝ったG1香港クイーンエリザベス2世カップで4着だったザイダンが、3着に前走星G2クイーンエリザベス2世カップ2着だったフラックスが入っています。2走前にシリュスデゼーグルを下しているザズーは4着でした。

ステイゴールド産駒エルドラドはザズーと半馬身差の5着、シンコウキング産駒サムザップは9着でした。ドバイデューティーフリー3着のシティースタイルはゲート入り後にバルザローナ騎手を振り落として除外となりました。

シンションは父マルジュ、母ジャラマ(愛国産)、母の父へクタープロテクターという血統のアイルランド産馬。フランスで重賞3勝、また米G1ユナイテッドネイションズS.を勝っています。昨年のこのレースは5着。前走G1香港クイーンエリザベス2世カップは8着に敗れていました。

2012年シンガポール航空国際カップのレース映像。ゼッケン6番、ゲートは7番枠がシンション。

シンガポール航空国際カップ
(Singapore Airlines International Cup)
2012年5月20日、シンガポール・クランジ競馬場、芝2000m
3歳以上、G1、12頭、レース結果、総賞金300万シンガポールドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1シンション
Chinchon
7セン
5.8倍
O.ドゥルーズ
57kg
2分04秒4327戦【7-4-4-12】
米G1を1勝
2ザイダン
Zaidan
4セン
10.2倍
J.マクドナルド
57kg
3馬身18戦【5-2-1-10】
L-G1香港クラシックマイル1着
3フラックス
Flax
5セン
11.8倍
J.ヴェレンズエラ
57kg
1着から
3.5馬身
8戦【5-1-1-1】
星G2QEIIカップ2着

星G1クリスフライヤーインターナショナルスプリント、アトウがG1初勝利

5月20日に行なわれた星G1クリスフライヤーインターナショナルスプリント(芝1200m)は、内ラチ沿い3番手を追走したアトウが逃げ粘るミスタービッグを残り100mで交わして優勝し、重賞2勝目、G1初勝利を挙げました。P.ショウ調教師は大本命ロケットマンを脚部不安のため出走取り消しましたがアトウで勝利と。

前走ローカルG1ライオンシティカップ2着し、2走前のG3クランジスプリントではアトウを2着に退けていたミスタービッグが2着に入り、前走G1アルクォーツスプリント6着だったシークレットアセットが3着に入りました。G1ドバイゴールデンシャヒーンでロケットマンを負かして優勝したクリプトンファクターが1番人気でしたが、出負けして後方からの競馬になりいくらか盛り返しただけの5着に終わっています。



アトウは父ロイヤルアカデミー、母アナザーレジェンド、母の父リファーズウィッシュという血統の南アフリカ産馬。今年はドバイ出走が検討されていましたが、輸送による疲労を嫌って直前で取りやめ、国内のレースを目標に絞っていました。前走ライオンシティカップは4着で、その2,3着馬もいるここは少し人気薄でした。

2012年クリスフライヤーインターナショナルスプリントのレース映像。5番がアトウ。

クリスフライヤーインターナショナルスプリント
(KRISFLYER INTERNATIONAL SPRINT)
2012年5月20日、シンガポール・クランジ競馬場、芝1200m
3歳以上、G1、9頭、レース結果、総賞金100万シンガポールドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アトウ
Ato
4牡
17倍
B.ヴォスター
57kg
1分10秒5720戦【7-6-2-5】
重賞8ヶ月ぶり2勝目
2ミスタービッグ
Mr Big
3セン
8.8倍
S.バスター
55.5kg
1.5馬身14戦【7-4-3-0】
重賞3勝
G1ライオンシティC.2着
3シークレットアセット
Secret Asset
7セン
13.6倍
G.ベイカー
57kg
2.8馬身42戦【6-5-5-26】
G1アベイユドロンシャン2着

G1韓国ダービー、イングランディーレ産駒チグミスンガンが重賞初勝利

5月20日に行われた韓国の3歳クラシック第2戦、ローカルG1韓国ダービー(ダート1800m)は、イングランディーレ産駒チグミスンガンが重賞初勝利を挙げました。第1戦G2 KRAカップマイルは1着から4馬身差5着していました。

福山競馬の楢崎功祐騎手が騎乗した8番人気ノーブルが2着に、第1戦G2 KRAカップマイル(ダート1600m)の勝ち馬で1番人気に支持されたギョンブデロが3着に入っています。安部幸夫騎手騎乗の9番人気 Pillipは8着。Mega Tsunami という名前の馬が6着に入っています。

2012年韓国ダービーのレース映像(高画質→ http://ikra.kra.co.kr/kra_video/20120520/s8_r.wmv、DLに数分必要です)。外から4頭目の発走、中団を進むオフサイドトラップやエルコンドルパサーと同じ勝負服(韓国は騎手服制度)がチグミスンガンです。


ちなみにこの日の釜山競馬場・第6レースに、ハットトリック産駒でデビューから4連勝中だったスモーキングガン(3歳牡馬)が出走しましたが4馬身差2着に敗れました。勝ち馬は父ラムタラ、母シスタースルー(netkeiba)、母の母ロジータという血統の日本産馬 Haengbok Dream(6歳牡馬)でした。

韓国ダービー(The Korean Derby)
2012年5月20日、韓国・ソウル競馬場、ダート1800m
3歳、韓国産馬限定、牡馬57kg、牝馬55kg、ローカルG1、14頭、総賞金6億ウォン
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1チグミスンガン
Jigeum I Sungan
3牡
7.6倍
Moon Se
Young
1分58秒111戦【4-4-1-2】
重賞初勝利
2ノーベルポップン
Nobel Pokpung
3牡
29.3倍
楢崎功祐110戦【3-4-1-2】
重賞初出走
3ギョンブデロ
Gyeongbudaero
3牡
2.2倍
Choi Si
Dae
クビ10戦【5-2-1-2】
G2 KRAカップマイル1着

豪G1ドゥームベンカップ、マウィンゴがG1初勝利

5月19日に行なわれた豪G1ドゥームベンカップは、中団内を追走したマウィンゴが最後の直線でも内を突いて、先に抜け出したライツオヴヘヴンを差し切って優勝し、G1初勝利を挙げました。G1競走3連勝した後、前走のG1クイーンエリザベス2世S.は2着だった1番人気マニガーは直線入り口で外に回るロスも大きく3着に敗れています。さすがにお疲れでしょうか。

2番人気シーズシンセーショナルは7着。ということで、豪G2 A.D.ホリンデイルS.(芝2000m)の1,2,3着馬がそれぞれドゥームベンカップ7,2,1着という結果になりました。

マウィンゴは父テルトゥリアン(その父ミスワキ)、母モンフルール、母の父サドラーズウェルズという血統。テルトゥリアンはアーバンシーと3/4同血で、仏独伊で重賞を勝ったあとドイツで種牡馬入りしています。

マウィンゴもドイツ生まれで、昨年の独G1ドイチェスダービー4着、伊G1ローマ賞5着した後、オーストラリアに移籍し、3戦目の今回がG1初出走でした。テルトゥリアン産駒初のG1馬となりました。

2012年ドゥームベンカップのレース映像。

18.05.2012 Doomben (AUS) 7.Race Kirks Doomben... 投稿者 HorseRaceSports

ドゥームベンカップ(Kirks Doomben Cup)
2012年5月19日、オーストラリア・ドゥームベン競馬場、芝2000m
4歳以上、G1、12頭、レース結果、総賞金50万豪ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1マウィンゴ
Mawingo
4牡
8倍
N.ラウィラー
59kg
2分02秒0310戦【4-1-3-2】
独G3を1勝
G1ドイチェスダービー4着
2ライツオブヘヴン
Lights Of Heaven
4牝
8倍
D.オリヴァー
57kg
短クビ12戦【4-3-1-4】
G1オーストラリアンオークス1着
3マニガー
Manighar
6セン
1.7倍
L.ノーレン
59kg
1.8馬身28戦【10-5-4-9】
仏G2と豪G3それぞれ1勝

米G1プリークネスS.、アイルハヴアナザーが2冠

5月19日に行われた米3歳クラシック第2戦、G1プリークネスS.(ダート9.5ハロン)は、3,4番手を追走した2番人気アイルハヴアナザーがケンタッキーダービー同様に逃げ粘る1番人気ボーディマイスターをゴール直前で差し切って優勝し、2冠を達成しました。ダービー5着のクリエイティヴコーズが2着から約9馬身差の3着に入っています。

2012年プリークネスS.のレース映像。アイルハヴアナザーは9番枠。ボーディマイスターは7番枠。

3冠最終戦ベルモントS.は6月9日に行なわれます。3冠を達成すれば1978年のアファームド Affirmed  以来、34年ぶりのことです。

アイルハヴアナザーは父フラワーアレイ、母アーチズギャルイーディス、母の父アーチという血統。フラワーアレイはブルーミングアレー、トーセンラー、スピルバーグらの半兄でもあります。今年に入ってからG2ロバートBルイスS.(ダート8.5ハロン)、G1サンタアニタダービーG1ケンタッキーダービーを重賞4連勝です。


なお、この日の第5レース、アローワンス戦でビリーヴ産駒コランダムが出走しましたが、8着に敗れています(YouTube)。先日初勝利を紹介した後、4月20日のアローワンス戦で2着していました(YouTube)。

第137回プリークネスステークス(Preakness Stakes )
2012年5月19日、アメリカ・プリークネス競馬場、ダート9.5ハロン
3歳、全馬同斤量、G1、11頭、レース結果(PDF)、総賞金100万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アイルハヴアナザー
I'll Have Another
3牡
4.2倍
M.グティエレス1分55秒947戦【5-1-0-1】
重賞4連勝
2ボーディマイスター
Bodemeister
3牡
2.7倍
M.スミス6戦【2-4-0-0】
3歳G1優勝
3クリエイティヴコーズ
Creative Cause
3牡
7.3倍
J.ロザリオ8・3/410戦【4-2-3-1】
G1ノーフォークS.1着

英G1ロッキンジS.、今年初戦のフランケルが楽勝

5月19日に行われた英G1ロッキンジS.(芝1マイル)は、昨年のカルティエ賞欧州年度代表馬フランケルが2番手追走から残り2ハロン過ぎで仕掛けられると後続を楽々と5馬身差をつけて優勝しました。

昨年の仏G1ムーランドロンシャン賞勝ち馬で、今年初戦の前走愛G3グラッドネスS.(芝7ハロン)を3馬身差で楽勝していたエクセレブレーションが2着に、英2000ギニーでフランケルの2着があるドバウィゴールドが3着に入り、人気順どおりに決着しています。2頭ともフランケルの後をマークするように追走し、フランケルが追われ始めるのに合わせて仕掛けられましたが、あっという間に突き放されてしまいました。


2012年ロッキンジS.のレース映像。YouTubeはこちら。ピンクの帽子がフランケル。紫の帽子・勝負服がエクセレブレーション。赤の帽子がドバウィゴールド。ちなみに逃げたのはフランケルの半兄ブレットトレインで最低人気でしたが4着に粘っています。


フランケルは父ガリレオ、母カインド、母の父デインヒルという血統。これで10戦10勝で、G1は6勝目。これまでの5勝は、いずれも英G1のデューハーストS.、英2000ギニーセントジェームズパレスS.サセックスS.クイーンエリザベス2世S.と、7ハロンのデューハーストS.を除いて1マイル戦です。G1の6戦で2着につけた着差合計は23馬身。

次走は6月19日の英G1クイーンアンS.(芝1マイル)、そして7月7日の英G1エクリプスS.で10ハロン初出走の可能性がもっとも高いようです。

ロッキンジステークス(JLT Lockinge Stakes)
2012年5月19日、イギリス・ニューベリー競馬場、芝1マイル
4歳以上、全馬同斤量、G1、6頭、Good to Soft、レース結果、総賞金17万5000ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1フランケル
Frankel
4牡
1.3倍
T.クウィリー1分38秒1410戦【10-0-0-0】
G1競走6勝目
2エクセレブレーション
Execelebration
4牡
3.3倍
J.オブライエン511戦【6-3-1-1】
対フランケル【0-3-1-0】
3ドバウィゴールド
Dubawi Gold
4牡
17倍
R.ヒューズ420戦【5-3-1-11】
G1英2000ギニー2着
G1香港マイル4着

2012年5月19日土曜日

インランジェリーが米G2ブラックアイドスーザンS.を勝ち、エンパイアメーカー産駒が3連覇

5月18日に行われた米G2ブラックアイドスーザンS.(ダート9ハロン)は、スタートで躓いて後方からの競馬になった3番人気インランジェリーが半マイル過ぎから進出し、残り約300mの直線入り口で先頭に並ぶとそのまま押し切って優勝しました。2着にインランジェリーの少し前を追走していたディスポーザルプレジャーが入り、プレッチャー厩舎のワンツー。前走の米G2ファンタジーS.(ダート8.5ハロン)を勝っていた1番人気のマンマキンボは逃げて4着でした。

インランジェリーは父エンパイアメーカー、母キャットチャット(米G2を1勝)、母の父ストームキャットという血統。3月18日の米G3バーボネットオークス(ダート1マイル)を6馬身差で勝っており、これで重賞2連勝です。そういえばケンタッキーオークスに出走していませんでしたが、オークス数日前にプレッチャー調教師が「わずか3戦のキャリアでオークスに出走させることはこの馬のためにならないから」と述べて回避していました。

ブラックアイドスーザンS.をエンパイアメーカー産駒が制するのは、2010年アクティングハッピー、2011年ロイヤルデルタに続き3年連続。現地時間19日には米3歳クラシック第2戦、プリークネスS.がピムリコ競馬場・ダート9.5ハロンで行なわれる予定で、ケンタッキーダービー1番人気2着だったエンパイアメーカー産駒ボーディマイスターも出走します。またエンパイアメーカーは、BloodHorse集計の北米リーディングサイアーで5月18日現在、現在首位に立っています(日本、香港の賞金除く)。

ちなみに同日のヒルトップS.(芝8.5ハロン、3歳牝馬、総賞金10万ドル、非重賞)も同産駒クー Coup (クー)が勝ちました(YouTube)。


2012年ブラックアイドスーザンS.のレース映像。7番枠がインランジェリー。前走と勝負服が違いますが、オーナーが替わったわけではなく、今回の勝負服のほうをよく使っているっぽいですね。

ブラックアイドスーザンステークス(Black-Eyed Susan Stakes)
2012年5月18日、アメリカ・ピムリコ競馬場、ダート9ハロン
3歳牝馬、G2、9頭、レース結果(PDF)、総賞金30万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1インランジェリー
In Lingerie
3牝
4.9倍
J.ヴェラスケス1分52秒074戦【3-1-0-0】
重賞連勝
2ディスポーザルプレジャー
Disposablepleasure
3牝
10倍
J.カステリャーノ1・1/47戦【2-2-1-2】
ダート9fG2を1勝
3ワイルドキャッツスマイル
Wildcat's Smile
3牝
12倍
R.ナプラヴニク1・3/48戦【3-3-2-0】
同上G2で2着

G1シンガポールギニー、スーパーイージーが3冠達成。タイキシャトル産駒が3着

5月18日に行われたローカルG1シンガポールギニー(芝1600m)は、中団を追走した1番人気のスーパーイージーが最後の直線で進路がなく内に外に進路を変えながらも少しずつ進出し、残り100mで先頭のシャトルマンを差し切って優勝しました。追い込んだキャッシュラックがゴール直前でシャトルマンを交わして2着に上がっています。2,3番人気だった母の父サンデーサイレンスの2頭は3,4着でした(後述)。

スーパーイージーは父ダルシブラーマ(その父デインヒル)、母パルフォア、母の父ゴールドブローズという血統のニュージーランド産馬。3月にローカルG3シンガポール3歳スプリント(芝1200m)を、4月にローカルG2シンガポール3歳クラシック(芝1400m)を制しており、ギニーを勝ってシンガポール3歳チャレンジ3冠を達成しました。これでシンガポール移籍後は10戦10勝です。調教師によると今後は休養を挟んでオーストラリア遠征となりそうです。

ちなみにシンガポール3歳チャレンジ3冠が現行の体系になったのは2010年からで2010年にはベターザンエヴァーが、2011年にはジンジャーブレッドマンが三冠を制しています。


2番人気4着はシンガポール3歳クラシック4着だったベターライフ(高岡秀行厩舎)。唯一の牝馬で、父スマーティージョーンズ、母の父がサンデーサイレンスの豪州産馬。

3番人気3着は重賞初出走のシャトルマン。北半球産のため、4kg減での出走でした。父タイキシャトル、母サンデーキッス(netkeiba)、母の父サンデーサイレンスの日本産馬。2010年HBAサマーセールにて525万円で購買されていました。前走は5着に敗れていましたが、2走前までデビューから3連勝していました。ちなみに2走前の2着馬はベターライフです。2頭ともよく頑張りましたが、さすがに相手が悪かった。


2012年シンガポールギニーのレース映像(音量注意)。スーパーイージーは1番。シャトルマンは13番。ベターライフは12番です。

参考:
第1戦シンガポール3歳スプリントのレース映像
第2戦シンガポール3歳クラシックのレース映像

シンガポールギニー(Singapore Guineas)
2012年5月18日、シンガポール・クランジ競馬場、芝1600m
3歳、ローカルG1、13頭、Yielding、レース結果、総賞金50万シンガポールドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1スーパーイージー
Super Easy
3牡
1.4倍
J.モレイラ
57kg
1分36秒5713戦【11-1-0-1】
シンガポール3歳3冠
2キャッシュラック
Cash Luck
3セン
19.6倍
S.バスター
57kg
0.3馬身14戦【5-2-1-6】
ドバイ準重賞6着
3シャトルマン
Shuttle Man
3セン
12.8倍
J.サイミー
53kg
1.1馬身5戦【3-0-1-1】
重賞初出走
4ベターライフ
Better Life
3牝
8.6倍
A.ムンロ
55.5kg
2.4馬身6戦【3-1-0-2】
シンガポール3歳クラシック4着

2012年5月18日金曜日

馬用スーツの着せ方動画


馬用スーツを着せている動画を見つけました。着せ初めからで無く、数秒しかないのが残念ですが、以前に紹介したとおり、下から履かせているのではなくジッパーで閉じているところは映っています。



該当部分(54秒ー)を時間指定したURLはこちら
スーツを着て歩いている(24秒ー)ところはこちら(上と同じ動画の少し前)

下の動画も少し気になる。冒頭部分と、特に8分10秒あたりから。頭から首までだけでなく、さらに下のほうまでつながっているように見えるんですよね。馬服着せられているので見えないのですが。

伊G1イタリア共和国大統領賞、クラッカーキングジャックがG1初勝利

5月13日に行われた伊G1イタリア共和国大統領賞(芝2000m)は、後方を追走した1番人気クラッカーキングジャックが残り200mで先頭のアフセレを交わして優勝し、G1初勝利を挙げました。重賞勝ちは昨年の伊G2イタリアダービー以来のこと。

クラッカーキングジャックの所有権の50%をAustralian Thoroughbred Bloodstockが今年から購入しており、それにあわせてイギリスに転厩しています。今後はエクリプスS.、インターナショナルS.、米アーリントンミリオンを選択肢に考えており、また豪コックスプレートを目標にしているとのこと。

2012年イタリア共和国大統領賞のレース映像。前半は分かりにくいですが、後方にいる芦毛の馬がクラッカーキングジャックです。


イタリア共和国大統領賞(Premio Presidente Della Repubblica Gbi Racing)
2012年5月13日、イタリア・カパネッレ競馬場、芝2000m
4歳以上、G1、8頭、レース結果、総賞金20万9000ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1クラッカーキングジャック
Crackerjack King
4牡
2.6倍
F.ブランカ
58kg
2分01秒308戦【7-0-0-1】
仏ダービー15着
2アフセレ
Afsare
5セン
5.1倍
K.ファロン
58kg
2・1/211戦【3-3-0-5】
前走英G3で9頭立て4着
3クイザクイザクイザ
Quiza Quiza Quiza
6牝
5.8倍
C.デムーロ
56.5kg
2・1/223戦【10-5-4-4】
伊G1リディアテシオ賞1着

米G2ピーターパンS.、マークヴァレスキーが重賞初勝利

5月12日に行われた米G2ピーターパンS.は、6番手追走したマークヴァレスキーが最終コーナーを楽な手ごたえで進出し、直線入り口で先頭に立つと2着に1・1/4馬身差をつけて重賞初勝利を挙げました。

次走は6月9日の米G1ベルモントS.でG1初出走する予定です。5代血統表。母は9ハロンG1ベルデイムS.7頭立て3着馬。父がプラウドシチズンで、ナプラヴニク騎手、オーナーブリーダーであるブレントン・ジョーンズ氏とラリー・ジョーンズ調教師という4者は今月の米G1ケンタッキーオークスを勝ったビリーヴユーキャンと同じ組み合わせです。

2012年ピーターパンS.のレース映像。道中5,6番手の外目を追走するピンクと黒の勝負服がマークヴァレスキー。


ピーターパンステークス(Peter Pan Stakes)
2012年5月12日、アメリカ・ベルモントパーク競馬場、ダート9ハロン
3歳、G2、10頭、レース結果(PDF)、総賞金20万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1マークヴァレスキー
Mark Valeski
3牡
2.35倍
R.ナプラヴニク
52.6kg
1分48秒316戦【3-2-0-1】
米G3リズンスターS.2着
米G2ルイジアナダービー2着
2ライトトゥヴォート
Right to Vote
3セン
48.7倍
A.ソリス
53.5kg
1・1/45戦【2-2-1-0】
米2歳G1シャンペンS.3着
3ストリートライフ
Street Life
3牡
14倍
J.レスカーノ
52.6kg
1/25戦【2-0-1-2】
米G1ウッドメモリアルS.6着

2012年5月17日木曜日

アンドリュー・ロイド=ウェバー氏のザフーガが英G3ムシドラS.完勝

5月16日に行われた英G3ムシドラS.(芝10.5ハロン、3歳牝馬)は、残り2ハロンで1番人気トワールと2番人気のザフーガ(ザフューグ)The Fugue が抜け出すと、すでに目一杯追われていたトワールに対して、ほぼ馬なりのまま併走していたザフーガは鞍上のビュイック騎手が追い始めるとすぐさまトワールを突き放し、4馬身差で重賞初勝利を挙げました。2着にトワールが、さらに3・3/4馬身差に英G3ネルグウィンS.(7ハロン、3歳牝馬)勝ち馬エッセンティーピーが入っています。

ザフーガの生産者兼馬主は「オペラ座の怪人」などの作曲家であるアンドリュー・ロイド=ウェバー氏とその妻。同氏所有馬の重賞勝ちは、2010年のG1ドバイシーマクラシックをダーレミが勝って以来だろうと思います。ちなみにダーレミは08年ムシドラS.3着でしたが、09年に牝馬G1を2勝(さらに1位入線5着降着1回あり)しました。

ザフーガは、父ダンジリ、母の父サドラーズウェルズという血統。母は英重賞2着馬で、その半姉はG1勝ち馬です。前走のG1英1000ギニーで、9馬身差圧勝したホームカミングクイーンから11馬身差の4着していました。ゴスデン調教師によると次走は英オークスだが、馬場が良い方が向くと考えているのでエプソムが柔らかい馬場になるなら仏オークスに向かうことにするとのこと。ビューティーパーラーにとって厄介な相手がまた1頭現れました。

2012年ムシドラS.のレース映像。ピンクの勝負服がザフーガ。

ムシドラステークス(Tattersalls Musidora Stakes)
2012年5月16日、イギリス・ヨーク競馬場、芝10ハロン88ヤード
3歳牝馬、G1、6頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ザフーガ
The Fugue
3牝
2.875倍
W.ビュイック2分11秒363戦【2-0-0-1】
英1000ギニー4着
2トワール
Twirl
3牝
1.83倍
J.オブライエン4・1/24戦【1-2-1-0】
英G3パークエクスプレスS.2着
3エッセンティーピー
Esentepe
3牝
21倍
R.ヒューズ3・3/413戦【2-3-6-2】
前走の準重賞最下位

シンコウキングが死亡

97年の高松宮記念勝ち馬で、ニュージーランドで種牡馬として繋養されていたシンコウキングが死亡しました。蹄葉炎が悪化したため、安楽死の処置が取られたとのこと。21歳でした。

Chronic laminitis claims life of Shinko King | UK Bloodstock News | Racing Post

シンコウキングは2000年までシャトル種牡馬として日本とニュージーランドで供用されていましたが、 それ以降はニュージーランドでのみ供用されてきました。蹄葉炎を患ったのはそのシャトル時だったと。症状は管理できていたが、今回は著しく悪化したということです。

G1を勝った産駒5頭はいずれもニュージーランド生産馬でした。

Bramble Rose(03新G1ニュージーランドオークス)
Eskimo Queen(07豪G1クイーンズランドオークス、08豪G1クールモアクラシック)
C'Est La Guerre(08新G1ニュージーランドダービー)
Barinka(11新G1ブリーダーズS.)
Thumbs Up(09ローカルG1香港クラシックマイル。先日の国際G1 QEIIカップでルーラーシップの2着)

ザムザップが20日のG1シンガポール航空国際カップに出走予定です。