2011年4月29日金曜日

ペッパーズプライドがディストーテッドヒューモア産駒を出産

19連勝というアメリカ競馬の連勝記録を持つペッパーズプライド Peppers Pride が2月19日にディストーテッドヒューモア産駒の牝馬を出産しています。


Peppers Pride Produces Distorted Humor Filly | BloodHorse.com

ペッパーズプライドが持つ19連勝は近代アメリカ競馬の連勝記録で、昨年ゼニヤッタに並ばれるまでは単独の記録でした。

ディストーテッドヒューモアは08年にはエーピーインディー、ストームキャットと並ぶ 30万ドルの全米最高の種付け料が設定されていた人気種牡馬です。ペッパーズプライドは2009年にティズナウの仔を受胎しましたが、後に流産していました。


ペッパーズプライドの記録は19戦すべてがニューメキシコ州産馬限定競走・牝馬限定競走だったため、質の高さはあまり評価されては無いですが、走る仔を出して素質の高さを改めて証明してほしいものです。

2011年4月28日木曜日

注目血統のイギリス3歳馬2頭

ジョージワシントン唯一の産駒デイトウィズデスティニー Date With Destiny が4月14日に行われた Tattersalls Millions 3-Y-O Trophy に出走し、1着から5・1/4馬身差の8着でした。

Tattersalls Millions 3-Y-O Trophy
英ニューマーケット競馬場、芝・約2000m(1マイル2ハロン)
3歳以上混合、14頭
着順馬名性齢主な成績
1.Auld Burns3・セン次走G3 bet365 Classic Trial で3着
2.Measuring Time3・牡昨年 G3 ソラリオステークスで2着、
次走G3 bet365 Classic Trial で2着
5.Together3・牝英2歳牝馬G1 フィリーズマイル2着
8.デイトウィズデスティニー3・牝

重賞勝ち馬は牝馬の Together だけというメンバーでしたが、上位2頭は次走の G3戦で2,3着しており、それほどレベルは低くなかったように思います。デイトウィズデスティニーに約1馬身差先着し、牝馬では最先着だった Together(父ガリレオ)の重賞成績(いずれも牝馬限定)は以下の通り。
愛G3 シルヴァーフラッシュステークス1着(2着に1馬身差)
愛G2 デビュタントステークス3着(1着から4馬身差、1着馬はシルヴァーフラッシュステークスの2着馬)
愛G1 モイグレアスタッドステークス4着(1着から1・3/4馬身差)
英G1 フィリーズマイル2着(1着から1/4馬身差)
米G2 BCジュベナイルフィリーズターフ(1着から6馬身差)


デイトウィズデスティニーは昨年デビュー戦を勝ったあと、G3 で7頭立て 4・1/4馬身差6着、G2 で10頭立て 4・1/4馬身差5着(いずれも7ハロン約1400m)と、期待ほどは良いところがありませんでしたが、 今年初出走で、Together 相手にこれだけやれるなら今年は重賞戦線で活躍が期待できそうに思えます。ちなみに Together も今年初出走でお互いどれぐらい仕上がっていたのか分かりませんが。デイトウィズデスティニーは、以前も書きましたが、母父が中長距離型のレインボウクエストなので、今回は距離が伸びたのも良かったのでしょう。

デイトウィズデスティニーは英オークス(6月3日)に登録があり、Together は英愛1000ギニーおよび英オークスに登録されています。




また、英愛オークスなどG1を7勝し、引退レースのジャパンカップでディープインパクトの3着に入ったウィジャボードの初仔であるブードゥープリンス Voodoo Prince が4月16日、英ニューベリー競馬場の未勝利馬戦に出走しましたが、13頭立て6着(1着から7・3/4馬身差)でした。母ウィジャボードはもちろん、父もキングマンボという良血ですが、まだ気性が幼いそうで、そちらの成長が待たれます。いちおう英ダービーに登録があります。

2011年4月26日火曜日

天皇賞・春に出走予定のジェントゥーについて

今年の天皇賞・春にはフランス長距離G1競走2勝のジェントゥー Gentoo が出走します。日本の馬場適正が気になりますが、ジェントゥー は鋭い末脚を武器にしているだけに、意外と侮れないかもしれません。

ジェントゥー疲れ見せず体調良好/天皇賞 - 競馬ニュース : nikkansports.com
【天皇賞・春】~ジェントゥー(フランス)の調教状況 | ラジオNIKKEI

ジェントゥーは6歳だった昨年の4月までは下級条件を走り、33戦して【6-4-4-16】の成績で、この間、グループ(グレード)競走には一度も出走がありませんでした。快進撃が始まったのは昨年5月以降のことで、9戦して【4-5-0-0】とパーフェクト連対しています。特に3000m以上のレースに使われ始めると5戦して4勝2着1回という成績で、ステイヤーとして完全に開花しました。

通算39戦目の G3 Prix Gladiateur で初めて重賞挑戦および初めて 3000m以上のレースに出走するとこれを2馬身差で快勝、続くカドラン賞(4000m)ではほぼ最後方から直線鋭く抜け出し 2着に2・1/2馬身差をつけて G1初優勝(レース映像)、さらにロイヤルオーク賞(3100m)に出走すると、中団待機からきっちり差し切ってG1競走2勝目を挙げています(レース写真)。


今年は1走のみで、ロイヤルオーク賞以来となったリステッド(準重賞)Prix Right Royal(3100m)ではこれも後方待機から直線で追い込みましたが、ほぼ同じ位置から競馬をしたカスバーブリス Kasbah Blissを交わしきれず、3/4馬身差の2着に敗れています。カスバーブリスは2010年カドラン賞でジェントゥーの3着があるほかに、09年にはカドラン賞2着と香港ヴァースで3着(4着は日本馬ジャガーメイル)、また今年3月にG3ドバイシティーオブゴールド(芝2485m)で4着しているなかなかの実力馬です。カスバーブリスにとっては Prix Right Royal が今年2戦目で有利だったかもしれません。

フランスの長距離馬といえば昨年、フランスからオーストラリアに遠征し、オーストラリア競馬の祭典メルボルンカップに優勝したアメリカイン Ameicainがいますが、アメリケインは Prix Right Royal でカスバーブリスから 5・1/2馬身差6着でした。

勝ったアメリカインはフランスからの遠征馬で、8月の仏G2ケルゴルレイ賞を含む3000mレースを3連勝したあと、メルボルンカップを目指して渡豪。前走の豪G3ギーロンC(芝2400m)でも優勝していた。ほかに Prix Vicomtesse Vigier(仏G2、芝3200m、2009年)を勝ち、2008年には仏G3 Prix de Lutece(芝3000m)1位入線2着降着があるなど、3000mを超えるレースを得意としている。このあとは香港ヴァースに向かう模様。
2010年メルボルンカップのレース映像(日本馬トウカイトリック出走)

アメリカインはメルボルンカップ優勝の後、G1香港ヴァース(シャティン競馬場2400m)に出走し3着しています(日本からジャガーメイルが出走し4着、過去記事、レース映像あり)。



というわけでジェントゥーの実力は確かです。ただしジェントゥーが勝ったカドラン賞とロイヤルオーク賞はどちらも日本でいえば不良馬場で行われています。

3000m以上のレースにおける持ち時計は以下の通りです。
年/月/日距離馬場状態勝ち時計
10/06/27ハンデ戦3100Good To Soft3'15''50
10/09/12G33100Soft 3'34''10
10/10/03G14000Very Soft4'40''80
10/10/24G13100Soft3'36''00
11/04/08準重賞3100mGood To Soft3'22''80(+3/4馬身)

馬場状態は Racing Post の物を使用。上4レースは全勝、一番下のレースのみ 3/4馬身差2着なのでプラス0.1秒ぐらいでしょう。比較的馬場状態の良かった昨年6月に、61kgを背負って 3100mを3分15秒50(2着と短クビ差)で走っているのが最速です。また、前走 Prix Right Royal もマシな馬場状態でしたが、3100mのレースで3分22秒80の勝ちタイムでした。京都競馬場・外回りで行われ、良馬場なら上がり3ハロン33秒台も当たり前の天皇賞・春だけに切れ味が要求される展開になるとまだ未知数ではあります。それでもゆっくり追走して直線ではじけるように伸びるという天皇賞で良く見られる好走パターンはジェントゥーのレース振りと一致し、レースはしやすいでしょう。


ジェントゥーの血統表(英語)
父の父リアファンはロベルト系で、中山で行われた02年ジャパンカップ2着馬サラファンの父でもある。母の母の父レインボウクエストは天皇賞・春(96年)の勝ち馬サクラローレルの父としておなじみです。さらにジェントゥーの4代母 Bold Lady はサクラローレルの祖母であり、つまりジェントゥーの母母はサクラローレルと3/4同血です。

2011年4月24日日曜日

ディープインパクト産駒バロッチは仏G3で僅差4着

仏2000ギニーの前哨戦である仏G3フォンテンブロー賞(Prix de Fontainebleau、ロンシャン競馬場・芝1600m)にディープインパクト産駒のバロッチ Barocci が出走し、一度は先頭に立ったものの、最後は交わされて 1着から約1馬身差の4着に敗れました。勝ちタイムは1分39秒69。次の画像がゴール前のものです。

フォンテンブロー賞のゴール前

勝ったのは Glaswegianで、重賞は初勝利。これまで3戦して1勝2着1回6着1回の成績で、バロッチのデビュー戦プリンスビオ賞で6着、前走マチャド賞(非重賞、今回と同距離・同コース)で2着していました。

3頭いた、いずれも今年初出走の2歳G1競走2着馬はそれぞれ、Tin Horse(モルニ賞2着、ジャン・リュック・ラガルデール賞2着)が3着、Salto(クリテリウムアンテルナシヨナル2着)が6着、Maiguri(ジャン・リュック・ラガルデール賞2着、クリテリウムアンテルナシヨナル3着)が8着でした。

無料で見れるレース映像は今のところないと思います。以下の画像が最後の数百メートルのようすです。

1着 Glaswegian ピンクの帽子
2着 Rosanabad 緑の帽子
3着 Tin Horse 白の帽子、赤地に白のラインが入った勝負服
4着 バロッチ シャドウロール装着馬
6着 Salto 白帽、青地に白袖の勝負服
8着 Maiguri 白帽、緑地に黄袖の勝負服








2011年4月23日土曜日

バロッチ出走予定フォンテンブロー賞の出走馬確定

追記 フォンテンブロー賞の結果はこちらからどうぞ
ディープインパクト産駒バロッチは仏G3で僅差4着
追記ここまで


ディープインパクト産駒バロッチ Barocci が出走予定の仏G3フォンテンブロー賞の出走馬が確定したようです。出走馬には前走で負かした相手であるプライベートジェット(2着)、タンオタン(Temps Au Temps、5着)のほかに、仏2000ギニーへの最重要トライアルのひとつであるレースだけに G1で好走がある Maiguri、Tin Horse、Salto が出走予定で、バロッチが G1クラスの相手にも通用するか注目です。

フォンテンブロー賞(またはフォンテーヌブロー賞)はロンシャン競馬場・芝1600mで行われます。日本時間4月24日、午後10時40分頃の発走で、バロッチは馬番5番の7番枠から出走予定です。騎手は前走に続きクリストフ・スミヨン(オーナーと優先騎乗契約をしている)です。

以下、他の出走馬のG1での対戦成績表です。カッコ内は1着との着差。今回は強敵ですね。
MaiguriTin HorseSaltoPrivate Jet
モルニ賞
(2歳G1、ドーヴィル競馬場・芝1200m、11頭)
2着(1.5)
ジャン・リュック・ラガルデール賞
(2歳G1、ロンシャン競馬場・芝1400m、9頭)
2着(2.5)同着2着(2.5)
クリテリウムアンテルナシヨナル
(2歳G1、サンクルー競馬場・芝1600m、10頭)
3着(6.5)2着(1.5)6着(19)

2011年4月20日水曜日

フェイムアンドグローリーが今季初戦を勝利

4月17日にアイルランド・ナヴァン競馬場で行われたリステッド(準重賞)に欧州G1競走4勝のフェイムアンドグローリー Fame And Glory が出走し、今年初戦を勝利で飾りました。これで通算10勝目、グループ(グレード)レースでない勝利はデビュー戦以来のことです。

Vintage Crop S.
Vintage Crop S.

5頭立てで行われた芝約2600mの Vintage Crop Stakes は、フェイムアンドグローリーのほかに重賞入着馬が2頭いるだけのレースでしたが、フェイムアンドグローリーが 61.2kg を背負ったのに対して、他の出走馬では3着フィクショナルアカウントの 58.1kgが最高、2着のネビュラストームは57.6kgと、すこし斤量差もあり、辛勝でした。

レース映像はこちらから(英語サイト、無料会員登録が必要)

この後はG1コロネーションカップ(昨年優勝)やG1アスコットゴールドカップなどに向かうつもりのようです。凱旋門賞は09年6着、2010年5着であまり得意としていない印象があり、むしろこれまで出走したことのないキングジョージの方が向いている感じがあるので、キングジョージ出走も期待したいところです。


ところでフェイムアンドグローリーのオーナーには、このレースから Fitri Hay が加わりました。Fitri Hay は夫の Jim Hay とともに、ドバイを拠点とした建設、ライフスタイル、資産運用会社の JMH Group を経営し、総資産は330億円に上るとのこと。Fitri Hay 夫妻は、昨年の愛ダービーおよびアイリッシュチャンピオンステークスでG1競走2勝したケープブランコ Cape BlancoドバイWCはヴィクトワールピサの4着)の権利も大部分を購入しており、今後も競馬界に大きな投資をおこなっていくだろうと考えられています。

2011年4月16日土曜日

ディープ産駒サンデーベスがイギリスで4着

英ニューベリー競馬場で行われた牝馬限定未勝利戦(11頭立て、約2000m)に、ディープインパクト産駒の牝馬サンデーベス Sunday Bess が2番人気で出走し、1着から6・1/4馬身差の4着でした。

レース映像

サンデーベスは2番枠から発走、中団内目でレースを進めましたが、勝負どころで抜け出すことが出来ず、前の馬を交わしてからは良く伸びているものの、壁をさばくまでのロスも大きく3着から4馬身差の4着に敗れました。スムーズならもう少しやれたと思いますが、スペースを抜ける一瞬の脚が使えなかった点は今後の課題になりそうです。

サンデーベスはヨーロッパでデビューしたディープインパクト産駒3頭のうちの1頭で、昨年10月28日には約1400m(オールウェザー)のレースでハナ差の2着でした。今回はそのとき以来の出走で、初めての芝のレース(良馬場)でした。サンデーベスのデビュー戦や血統紹介は次の過去記事でどうぞ。
Sunday Bess の新馬戦を画像で紹介(英デビューしたディープインパクト産駒)



ヨーロッパでデビューしたディープ産駒のうち、他の2頭はすでに初勝利を挙げており、3頭の通算成績はこれで 7戦2勝2着2回3着2回4着1回になりました。
【詳報】ディープ産駒バロッチが仏リステッド戦オムニウムII賞に優勝
ディープインパクト産駒モンスターミュンシーがイギリスで初勝利!


ディープインパクト産駒では他に、アクアマリン Aquamarineティーピー Teepee の2頭がフランスに輸出されており、前者はマクフィシャラナヤといったG1馬も管理していたミケル・デルザングル調教師、馬主はバロッチと同じウィルデンシュタイン家で、後者は馬主ニアルコス・ファミリー、調教師は仏G1・5勝馬ディヴァインプロポーションズや2010年ドバイWC勝ち馬グロリアデカンペオンを管理していたパスカル・バリー調教師で登録されている模様ですが、今後の出走予定などは不明です。


来週24日にはフランス2000ギニーの前哨戦G3フォンテンブロー賞にバロッチが出走予定で、これを勝てばG1勝利も見えてくるだけに奮起を期待したいです。

2011年4月10日日曜日

モンスターミュンシー初勝利のレース写真6枚

ディープインパクト産駒モンスターミュンシーが勝ったレースの様子を、レース映像のキャプチャ画像でご紹介します。無料の会員登録が必要ですが、レース映像はこちらから見れます。画質が粗いのは元からです。

追記
この記事では馬名を「モンスターミュンシー」と表記していますが、レース実況を聞く限り「モンスターマンチー」または「モンスターマンシー」が正しいです。母馬「Muncie」が日本語公式では「ミュンシー」なので、「Monster Munchie」もそのまま「ミュンシー」と読んでいたのですが。よくみると「h」も入っていてスペルも違いました。今後、モンスターマンチーが日本に遠征してくることがあったとして、その場合にカタカナでどう表記されるかは分かりませんが。
追記ここまで

モンスターミュンシー初勝利のレース画像。スタート時。一番右、他の出走馬よりすこし前に出ているのがモンスターミュンシー
スタート時。一番右、他の出走馬よりすこし前に出ているのがモンスターミュンシー

モンスターミュンシー初勝利のレース画像。スタートから先頭に立っていたモンスターミュンシーは向こう正面に入ったところで、3着馬レッドホットドックに先頭を譲る
スタートから先頭に立っていたモンスターミュンシーは向こう正面に入ったところで、3着馬レッドホットドックに先頭を譲る

モンスターミュンシー初勝利のレース画像。レッドホットドックが2番手以下を大きく離して3コーナーに入ります
レッドホットドックが2番手以下を大きく離して3コーナーに入ります

モンスターミュンシー初勝利のレース画像。最後の直線に入ってすぐ。モンスターミュンシーがレッドホットドックにほぼ並び、2着シズル(白い帽子)もそのすぐ後ろに
最後の直線に入ってすぐ。モンスターミュンシーがレッドホットドックにほぼ並び、2着シズル(白い帽子)もそのすぐ後ろに

モンスターミュンシー初勝利のレース画像。残り200m付近でモンスターミュンシーが先頭に
残り200m付近でモンスターミュンシーが先頭に

モンスターミュンシー初勝利のレース画像。ゴール
ゴール

過去記事
ディープインパクト産駒モンスターミュンシーがイギリスで初勝利!
バロッチが勝ったオムニウム2世賞のレース写真11枚
Sunday Bess の新馬戦を画像で紹介(英デビューしたディープインパクト産駒)

ディープインパクト産駒モンスターミュンシーがイギリスで初勝利!

英ウォルヴァーハンプトン競馬場で行われた牝馬限定未勝利戦(オールウェザー約1900m)にディープインパクト産駒モンスターミュンシーが1番人気で出走し、2着に1・1/4馬身差をつけ、デビュー3戦目にして初勝利を挙げました。ヨーロッパでディープ産駒が勝ったのは、先日フランスで勝利したバロッチに続く2頭目(2勝目)で、イギリスでの勝利は今回が初めてです。


モンスターミュンシー Monster Munchie は、06年天皇賞・春で3着に入ったストラタジェム(父サンデーサイレンス)の半妹で、母ミュンシー、母の父サドラーズウェルズという血統です。


追記
この記事では馬名を「モンスターミュンシー」と表記していますが、レース実況を聞く限り「モンスターマンチー」または「モンスターマンシー」が正しいです。母馬「Muncie」が日本語公式では「ミュンシー」なので、「Monster Munchie」もそのまま「ミュンシー」と読んでいたのですが。よくみると「h」も入っていてスペルも違いました。今後、モンスターマンチーが日本に遠征してくることがあったとして、その場合にカタカナでどう表記されるかは分かりませんが。
追記ここまで


モンスターミュンシーは今年2月9日のリングフィールド競馬場オールウェザー約2000m戦でデビューし、8頭立て3着(1着から3・1/4馬身差)でした。2戦目は2月26日、リングフィールド競馬場オールウェザー約2400m戦で5頭立て3着(1着から6・3/4馬身差)で両レースとも牡馬混合戦でした。

レ-ス映像(無料会員登録が必要)1戦目2戦目3戦目(初勝利)

2戦目は最終コーナーを回るときに内の馬の動きにあわせて外に膨らんだため、1,2着馬に比べて距離損が大きかったですね。3戦目の今回は前2走と違って前での競馬で、後続を大きく離すことこそ無かったものの危なげない勝利でした。モンスターミュンシーの次走は今のところ不明です。



またイギリスでデビューしたディープインパクト産駒のもう1頭、サンデーベス Sunday Bess は、出走は未確定ですが4月15日にニューベリ競馬場の芝約2000mで行なわれる牝馬限定未勝利戦に登録しています。デビュー戦だった前走で2着しており、モンスターミュンシーに続く勝利を期待したいです。

2011年4月9日土曜日

豪 Black Caviar が12連勝

オーストラリアの牝馬ブラックキャビア Black Caviar が4月9日、豪G1・TJスミスステークスに優勝し12戦無敗、G1競走5勝目を挙げました。

下がレース映像で、ブラックキャビアは先行3番手、逃げた馬が2着に入ったハイリストです。


T・J・スミスステークス TJ Smith Stakes
ロイヤルランドウィック競馬場、芝1200m、3歳以上
賞金総額 約6250万円
着順馬名英語表記性・齢主な成績
1着ブラックキャビアBlack Caviar4牝12戦12勝
2着ハイリストHay List5セン豪G1マニカトS.など重賞5勝
3着トリプルオナーTriple Honour6セン豪G1ドンカスターH.など重賞3勝

ブラックキャビアの次走は5月14日の BTCカップ(G1、ドゥーベン競馬場、芝1200m)、さらに5月28日のドゥーベン10000(G1、ドゥーベン競馬場、芝1350m)に出走する模様です。これも連勝すれば G1競走7連勝で、1945年に Bernborough(オーストラリア殿堂入り)が打ち立てた記録に並ぶことになるらしい

ハイリストもかなり強い馬ですが、ブラックキャビアに歯が立たないですね。

最低人気のトリプルオナーが3着に食い込んでいます。08年の豪G1ドンカスターH.(芝1600m)勝ちがあるものの近走は2000m付近のレースばかり使われており、人気の盲点だったか。



以下ブラックキャビアのレース映像一覧です。重賞以上で見つかったものだけですが。
G2 デインヒルS.(芝1200m)レース映像なし
G2 オーストラリアS(芝1200m)、予備1
G2 スキラッチS(芝1000m)、予備
G2 シュウェップスS(芝1200m)、予備
G1 パティナックファームクラシック(芝1200m)、予備
G1 ライトニングS(芝1000m)、予備
G1 ニューマーケットH(芝1200m)、予備
G1 ウィリアム・レイドS(芝1200m)、予備

ライトニングS.ニューマーケットH.で見せた強さはすごい。この2走があったから、今回のTJスミスステークスも楽勝ながら、「ブラックキャビアにしては抜け出すのに手間取ったな」という感想です。

おまけバリアトライアルデビュー戦

2011年4月4日月曜日

メイセイオペラ産駒が勝った韓国・KRAカップマイルのレース映像

メイセイオペラ産駒ソスルッテムン Soseuldaemun が優勝した韓国クラシック第1弾KRAカップマイル(ダート1600m)のレース映像(YouTube)です。KRA とは韓国馬事会の事です。



最内の1番枠から発走がソスルッテムンで、日本の内田利雄騎手が騎乗していました。内田騎手はこれが韓国での通算99勝目(騎乗回数508回)でした。ミスター・ピンクの愛称の通り、ピンクの勝負服を着ていて分かりやすい。韓国の競馬ブログもミスター・ピンク"Mr Pink"と普通に書いていて、向こうでもこの呼び方は浸透しているのでしょうか。ちなみに韓国も日本の地方競馬と同じ、騎手ごとに決まった勝負服を着る「騎手服」制度のようですね。

また、4番枠発走で好スタートから3,4番手で競馬し6着でゴールした Haengunui Mannam には、短期免許を取得して韓国で騎乗している宮下瞳騎手(名古屋競馬)が騎乗していました。

宮下騎手のブログ→騎乗前のインタビューKRAカップマイルの写真不利が無かったもう少し上位に来れた



ソスルッテムンは、父メイセイオペラ、母 This Ole Way(アメリカで7戦0勝)という血統の韓国産馬(血統表)。クラシックはどうも韓国産馬しか出走できないようですね。母の父は米G1・3勝の Vigors、母の母 Thus 'N So はアメリカで1戦0勝。さらに母母父はミスワキで、母母母父は Ack Ack ですが、このミスワキ×Ack Ack という構成はサイレンススズカの母ワキアと同じです。


メイセイオペラは2006年、韓国に種牡馬として輸出され、2010年には韓国でファーストクロップリーディング3位に入りました。ソスルッテムンは韓国における初年度産駒で、メイセイオペラ産駒が韓国の重賞を勝つのは、今回が初めてとのこと。

ちなみにメイセイオペラを退けて2010年のファーストクロップリーディングに輝いた Menifee がKRAマイルカップに5頭の産駒を送り込んでいましたが、2着 Double Light が最高成績でした。Menifee はハスケル招待とブルーグラスS.を制して米G1・2勝。他にケンタッキーダービーとプリークネスステークスでも2着して、米G1・2勝2着3回3着1回してします。



2009年の KRAカップマイルも日本人の西村栄喜騎手が騎乗した Sangseung Ilro が優勝しました。韓国クラシックを外国人騎手が勝ったのはこのときが初めてだったそうですが、Sangseung Ilro は「韓国ダービーに外国人騎手では出走させるなと調教師の方に圧力があったようで、調教師から謝罪されて韓国の騎手でダービーに」出走し、圧勝したという過去があります。上でもリンクしたこちらの韓国競馬関係者が書いているらしいブログでは、「今回はそんなことは起こらないだろう」としていますが、内田騎手が2冠目のダービーでも騎乗できるのかは今後に注目です。

2011年4月2日土曜日

バロッチが勝ったオムニウム2世賞のレース写真11枚

3月31日にディープインパクト産駒バロッチ Barocci が勝利したフランスのリステッド(準重賞)、オムニウム2世賞のレースの模様です。レース映像は有料プラン(最低2ユーロ、240円)で見れるのですが、無料のは見つかりませんでした。とりあえず写真だけ紹介します。

オムニウム2世賞のレース結果や他の出走馬については以下の記事をどうぞ。
ディープ産駒バロッチがフランスのリステッド競走で優勝
【詳報】ディープ産駒バロッチが仏リステッド戦オムニウムII賞に優勝


1枚目は上位馬の勝負服で、上から順に1-5着です。2枚目以降はスタートからゴールまでです。バロッチはシャドウロールを装着しているので分かりやすい。いずれも Paris Turf から引用(引用の範囲は明らかに超えていますが)














2着だったデビュー戦と同じように後方からレースを進めましたが、今度はきっちり差しきって初勝利を挙げました。

バロッチは父ディープインパクト、母バステット、母の父ジャイアンツコーズウェイという血統。ジャイアンツコーズウェイは2009年、2010年の北米リーディングサイアーで、それ以外にも世界中で産駒が活躍している種牡馬です。

バロッチの母の母ベネディクションは、オーストラリアの名種牡馬ザビールとの間に中長距離で活躍した豪G1・7勝のマイトアンドパワーを産んでいる。また孫にはG1香港マイルでローエングリンらを破って優勝したラッキーオーナーズらがいます。

バロッチの次走は仏2000ギニーと同じロンシャン競馬場の芝1600mで行なわれる前哨戦フォンテンブロー賞(G3、4月24日)で、その後は仏2000ギニー(G1、5月15日)へ向かう予定です。

【詳報】ディープ産駒バロッチが仏リステッド戦オムニウムII賞に優勝

オムニウム2世賞にディープインパクト産駒バロッチが優勝-左シャドウロール装着馬がバロッチ、黄色の勝負服は2着馬Private Jet
オムニウム2世賞にディープインパクト産駒バロッチが優勝-左シャドウロール装着馬がバロッチ、黄色の勝負服は2着馬Private Jet

ディープ産駒バロッチがフランスのリステッド競走で優勝」の続きです。

2011年オムニウム2世賞(3歳牡セン、定量58kg)
サンクルー競馬場、芝1600m、重
1番人気はバロッチで2.4倍
着順馬名騎手着差主な成績
1.BarocciC.スミヨン1'48''902戦1勝
2.Private JetM.ギュイヨン短クビG3 Prix Thomas Bryon 5頭立て2着
G1 クリテウムインターナショナルは10頭立て18馬身差6着、9戦3勝2着2回
3.Two For TwoT.テュリエ2デビュー勝ち、これが2戦目で2戦1勝
4.Ch'tio BiloteC.ルメールクビ前走で初勝利、5戦1勝
5.Temps au TempsG.ベノワ1/2前走G2クリテウムドメゾンラフィットは10馬身差7着
昨年リステッドで3戦1勝2着2回、7戦2勝2着2回
6.UldikoF.スパヌ3/422戦4勝
7.MoncofarI.メンディザバル85戦3勝2着1回、初の大敗
8.Spirit of BattleM.バルザローナ16戦1勝2着1回3着2回G2クリテウムドメゾンラフィット8½馬身差6着
G3エクリプス賞1/2馬身差6頭立て3着


バロッチが優勝したオムニウム2世賞(またはオムニウム2賞など、Prix Omnium II)は仏サンクルー競馬場の芝1600mで行われるリステッドレース(準重賞)です。G(グループ、グレード)のつかない競走ですが、過去の優勝馬には次のとおりG1戦線で活躍した馬が多数おり、仏2000ギニー路線へ向かう馬を中心に素質馬がシーズン初戦に選ばれることも多いレースのひとつです。

馬名オムニウム2世賞後の成績
1992年Arazi仏G1と米BCジュベナイルのG1・4連勝後ここに出走
1993年Big StoneG1・4勝、メイショウドトウの父
1995年Petit Poucet米G1ターフクラシック2着、仏G1・2000ギニー3着
2002年Medicis仏2000ギニー、フォレ賞とG1・2着2回
2004年American Post仏2000ギニー優勝
2005年Helios Quercus仏2歳G1クリテリウム・アンテルナシオナル優勝後このレースに出走
2009年Silver Frost仏2000ギニー優勝

上の表はその後G2、G3を勝っただけの数頭は抜いてあります。ほかに2007年の2着馬 Literato はのちに仏ダービー2着、英G1チャンピオンステークス優勝、2010年の3着馬 Behkabad が仏3歳G1パリ大賞典を優勝するなどしています。

Arazi と American Post は2歳G1優勝、Silver Frost は2歳重賞を制し2歳G1で3着していました。それに比べると今年は重賞勝ち馬が出走して来なかったため、バロッチがG1クラスかどうか判断するにはまだまだ早いですが。American Post と Silver Frost はオムニウム2賞を勝ったあと、仏2000ギニーと同じロンシャン競馬場の芝1600mで行なわれるG3フォンテンブロー賞を優勝して仏2000ギニーに向かっており、バロッチもフォンテンブロー賞に向かう予定で、このレース振りに期待しましょう。今年のフォンテンブロー賞は 4月24日、仏2000ギニーは 5月15日です。

バロッチの勝利で気になるのは、オムニウム2世賞の30分前に同距離同コースで行われたオムニウム2世賞の3歳牝馬版レース、カマルゴ賞より勝ち時計が1秒4遅いことですね。重馬場だったときの時計など良馬場時の参考にはならないですが、バロッチは 2馬身差2着したデビュー戦も重馬場で、そのときの勝ち時計は 1分50秒ジャストとまだ時計が速くなったときの適正は未知数です。


スポニチによると、管理するルルーシュ師は「まだかなりソエが出ている状態で良くなってくればもっと走れるよ。」と話しているとのこと。(仏で輝き始めた!ディープ産駒、海外初勝利 ― スポニチ Sponichi Annex 競馬


追記:
レース写真を追加しました。
バロッチが勝ったオムニウム2世賞のレース写真11枚

過去記事:
ディープインパクト産駒 Barocci の仏デビュー戦を写真で紹介

2011年4月1日金曜日

ディープ産駒バロッチがフランスのリステッド競走で優勝

フランスでデビューしたディープインパクト産駒バロッチが2戦目となるオムニウム2世賞に出走し、短首差で優勝しました。馬主は大馬主ウィルデンシュタイン・ファミリー、騎手は今年から専属契約のクリストフ・スミヨンでした。スミヨンにとってはこの契約における2勝目だそうです。オムニウム2世賞はG外のリステッド(準重賞)レースですが、なかなかの出世レースで、バロッチの今後がさらに楽しみになりました。ちょっと時間がないので続きは明日に更新します。とりあえずレース決勝線の写真だけ。シャドウロールを装着している4番のゼッケンがバロッチです。

続き→「【詳報】ディープ産駒バロッチが仏リステッド戦オムニウムII賞に優勝

仏2戦目オムニウム2世賞に優勝したバロッチ(ディープインパクト産駒)
仏2戦目オムニウム2世賞に優勝したバロッチ(ディープインパクト産駒)