2013年4月29日月曜日

香港G1クイーンエリザベス2世カップ、ミリタリーアタックが国際G1初勝利。エイシンフラッシュ3着

4月28日に行われた香港G1クイーンエリザベス2世カップ(芝2000m)は、5番手先行のミリタリーアタックが内から先頭に立ったカリフォルニアメモリーらを残り200mで差し切って優勝し、ローカル重賞含む重賞4勝目、国際G1初勝利を挙げました。

日本から参戦したエイシンフラッシュは最後方追走から直線は内を突いて良く追い上げましたが1着から1・3/4馬身差の3着に終わり、昨年のルーラーシップに続く日本馬連覇はなりませんでした。

前走ローカルG1香港ダービーを勝ち1番人気に支持されたアキードモフィードは5着。一昨年の勝ち馬で昨年はG1香港マイルも勝っている2番人気アンビシャスドラゴンは6着。同馬は残り250mで前のカリフォルニアメモリーが斜行した影響を受けましたが、不利がなくても着順は変わらなかったとして降着は無し。ただしカリフォルニアメモリーのチャドウィック騎手は8万香港ドル(約100万円)と3日間の騎乗停止になりました。

ところでグリーンチャンネル中継の中で合田さんがアキードモフィードについて「愛ダービーで4着」と2回ほど紹介していましたが、「勝ったキャメロットから約20馬身離された5頭立て4着」なのでたいした実績とは言えないかと。まあそれを除けば香港ダービー1着以外に特別言及できる実績もないので理解できますが。


ミリタリーアタックは父オラトリオ、母アルマーシ(英2戦未勝利)、母の父ダンシングブレーヴという血統のアイルランド産馬。甥に同日の天皇賞・春で3着したレッドカドーがいます。また2代母は愛1000ギニー勝ち馬。母の半弟に英2000ギニー、英チャンピオンS.勝ち馬ハーフドがいる良血。

イギリスで6戦3勝2着1回(重賞未出走)した後、香港に移籍。移籍から最初の9戦は条件戦2勝、ローカルG1香港ダービー6着、G1香港カップ5着などでしたが、10戦目でローカルG3(ハンデ)を勝つと、2敗を挟んで2走前のローカルG1香港ゴールドカップ(芝2000m)を勝ち、前走のローカルG3プレミアプレート(芝1800m)もトップハンデで勝って重賞連勝していました。

次走は星G1シンガポール航空国際カップ(芝2000m)へ。

また22歳のトミー・ベリー騎手はオーストラリアの騎手で、香港の今シーズン末までの騎手免許をもらってこれが遠征初日でした。この4月は2歳戦としては世界最高賞金の豪G1ゴールデンスリッパー(総賞金 350万豪ドル)、豪マイルG1最高賞金のドンカスターH.(総賞金200万豪ドル)、そして今回の勝利と大活躍です。

2013年クイーンエリザベス2世カップのレース映像。3番枠発走、緑の勝負服がミリタリーアタック。カリフォルニアメモリーは1番枠の芦毛。エイシンフラッシュは外から2頭目の13番枠。


クイーンエリザベス2世カップ(Audemars Piguet Queen Elizabeth II Cup)
2013年4月28日、香港・シャティン競馬場、芝2000m
4歳以上、G1、14頭、Good、レース結果、総賞金1400万香港ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ミリタリーアタック
Military Attack
5セン
11倍
T.ベリー2分02秒1521戦【9-3-1-8】
重賞4勝目
2カリフォルニアメモリー
California Memory
7セン
14倍
M.チャドウィック1・3/431戦【10-5-6-10】
香港カップ2連覇
3エイシンフラッシュ
Eishin Flash
6牡
11倍
M.デムーロハナ24戦【5-3-6-10】
日本ダービー、天皇賞秋

2013年4月28日日曜日

エイシンフラッシュ13番枠よりカリフォルニアメモリー1番枠のほうが脅威

香港クイーンエリザベス2世カップはエイシンフラッシュに十分勝機があり期待していますが、カリフォルニアメモリーがまた1番枠に入ったちょっと怖いですね。

ほぼ後方から追い込んで届かずという競馬が多いカリフォルニアメモリーもシャティンの芝2000mで1番枠のときは前目につけることが出来て2戦2勝で、その2勝が2011年と2012年の国際G1香港カップ2連覇です。シャティンの芝2000mはスタートしてすぐ1コーナーがあるから1番枠だと少し主張するだけでかんたんに先行できるんですよね。

◎エイシンフラッシュ
○カリフォルニアメモリー
▲アンビシャスドラゴン
△サッジャー
△アキードモフィード
△ミリタリーアタック
で。

エイシンフラッシュ出走G1香港クイーン・エリザベスII世カップ、グリーンチャンネル、ネット中継など

2011年香港カップのレース映像


2012年香港カップのレース映像


(参考)2012年クイーンエリザベス2世カップのレース映像(1着ルーラーシップ)

27日の豪G1で母父SS系の3頭が2,3着に入る

個別の結果紹介は後日にするつもりですが、4月27日はオーストラリアで6つのG1が行われ、そのうちモーフェットヴィル競馬場の2レースで次のとおり、母の父がサンデーサイレンスの1頭が2着に、また母の父がフジキセキの2頭が別のレースで2,3着に入りました。

ロバートサングスターS.(芝1200m、3歳以上牝馬)
3/4馬身差2着 Angelic Light (重賞初出走。父ホーリーローマンエンペラー)
クビ差3着  Yosei(G1競走3勝。父インヴィンシヴルスピリット)
以上は母の父フジキセキ。

シュウェップスオークス(芝2000m、3歳牝馬)
2・1/2馬身差の2着 Grand Daughter(重賞初出走。父リダウツチョイス、母の父SS)

2013年4月24日水曜日

エイシンフラッシュ出走G1香港クイーン・エリザベスII世カップ、グリーンチャンネル、ネット中継など

エイシンフラッシュが出走予定のG1香港オーデマ・ピゲ・クイーン・エリザベスII世カップ(4月28日、芝2000m)の視聴方法等まとめです。

発走時刻は日本時間17時35分ですが、香港の中継は数分遅れるはずですから、現地組のツイッターなどでネタばれを食らわないようにご注意ください。

出走予定馬
クイーンエリザベスII世C 2013 出走馬展望 【おうまのアイコン wire-to-wire】

中継
グリーンチャンネル (17時00分から18時00分)
2013香港クイーンエリザベスⅡ世カップ中継~中央競馬を見るならグリーンチャンネル~

ネット
鯛尾の競馬放送室 時々、天鳳(ω・ミэ )Э-ニコニコミュニティ(放送予定にQEII記載)

東京競馬場・京都競馬場、ウインズ札幌・ウインズ道頓堀
4月28日(日)は競馬場・ウインズでオーデマ・ピゲ・クイーン・エリザベスII世カップを放映 - JRA

豪G1ドンカスターH.、セイクリッドフォールズがG1競走2勝目。引退ピエロは2着

4月20日に行われた豪G1ドンカスターH.(芝1600m、3歳以上)は、中団内につけた1番人気ピエロが最後の直線で内から先頭に立ちましたが、最後方追走の8番人気セイクリッドフォールズがさらに内から3/4馬身差し切って優勝し、昨年11月の新G1 NZ2000ギニー以来となる勝利でG1競走2勝目を挙げました。

豪G1ヴァイナリースタッドS.(芝2000m、3歳牝馬)でG1競走2勝目を挙げていたノルジタが直線で一度はピエロを交わす勢いで並びかけましたが、さらに3/4馬身差の3着でした。

前走豪G1クイーンオブザターフS.(芝1500m、3歳以上牝馬)でG1競走3勝目を挙げていたアピアランスが2番人気でしたが約4馬身差の7着。同2着のレッドトレーサーと同3着のストリーマ(G1競走2勝)が同オッズの3番人気でそれぞれ15着と4着。

母の父ペンタイアで、G1を5勝昨年2着のシュートアウトは58kgのトップハンデで6着。なお、昨年の勝ち馬で母の父サンデーサイレンスのモアジョイアスはピエロとの斤量差を嫌って、27日の豪G1オールエイジドS.に回っています。

総賞金200万豪ドルのドンカスターH.は豪マイルG1で最高賞金レースで、2番目に高額なマイルG1は100万豪ドルです。22歳のT.ベリー騎手は4月6日に2歳戦としては世界最高賞金の豪G1ゴールデンスリッパーも制しています。


セイクリッドフォールズは父オライリー、母イグアスズガール、母の父リダウツチョイスという血統のニュージーランド産馬。

デビューから6連勝、重賞3連勝で新2000ギニーを制しましたが、その後3ヶ月の休養をはさんで豪で3連敗。一応前走の豪G1ローズヒルギニー(芝2000m)は2着でしたが勝ち馬イッツアダンディールに7馬身差をつけられていたこともあり、今回は人気が落ちていました。


まあ今回は同じ3歳のピエロより4kg軽い斤量だったのも大きいと思いますが。次走は不明。

なお、昨年のゴールデンスリッパーなどG1競走5勝を挙げたピエロはこれで引退です。3歳で57kgだから実質トップハンデでの2着で、勝てないまでも実力は示しました。これから各種馬場と交渉し繋養先を決めるとのこと。

2013年ドンカスターH.のレース映像(YouTube)。手前から2頭目、赤の帽子がピエロ。黄色のメンコ装着がセイクリッドフォールズ。

ドンカスターハンディキャップ(Bmw Doncaster Handicap)
2013年4月20日、オーストラリア・ランドウィック競馬場、芝1600m
3歳以上、G1、18頭、Heavy10、レース結果、総賞金200万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1セイクリッドフォールズ
Sacred Falls
3牡
21倍
T.ベリー
53.0g
1分37秒9910戦【7-1-0-2】
重賞4勝目
2ピエロ
Pierro
3牡
3.5倍
N.ラウィラー
57.0kg
3/414戦【11-2-1-0】
G1競走5勝
3ノルジタ
Norzita
3牝
11倍
C.ウィリアムズ
53.0kg
3/411戦【4-3-2-2】
G1競走2勝

豪G1オーストラリアンオークス、ロイヤルディセントが10馬身差圧勝

4月20日に行われた豪G1 AJCオーストラリアンオークス(芝2400m、3歳牝馬)は、各馬が最終コーナーでやや外目を回る中、後方追走の2番人気ロイヤルディセントが一番内を進んで距離を稼ぎ直線入り口で先頭に立つと後続を10馬身突き離して圧勝し、重賞2連勝、G1初出走初勝利を挙げました。

昨年11月の豪G1クラウンオークス(芝2500m、3歳牝馬、複数ある「オークス」で最高賞金)ディアデミが2着。さらに2馬身差の3着に一昨年の豪G1サウスオーストラリアンダービー(芝2500m)勝ち馬ザビーリオネアの全妹ゴンドコロ(母の父カーネギー)が入っています。

1番人気のG1 NZダービー(芝2400m)勝ち馬ハビビは4着。


ロイヤルディセントは父リダウツチョイス、母ムーランプリンセス(豪G2勝ち)、母の父カープスタッドという血統。リダウツチョイスの22頭目のG1勝ち馬となりました。母ムーランプリンセスの3/4同血に豪G1馬ゴールデンソードがいます。

2011年に豪マジックミリオンズ・ゴールドコースト・イヤリングセールに上場されるも主取り35万豪ドルに1万豪ドル届かず生産者の Gerry Harvey 氏が馬主となってデビュー。

3走前の豪G2サラウンドS.(芝1400m、3歳牝馬)はディアデミの4馬身差4着に敗れましたが、前走の豪G3アドリアンノックスS.(芝2000m、3歳牝馬)は2着に2・1/2馬身差をつけて快勝し重賞初勝利を挙げていました。

オーストラリアは良馬場から不良馬場まで1-10の数字で馬場状態を表しますが、今回は10まで悪化しており(ほとんどの場合3-5程度)、こういう馬場が得意なのかもしれません。また距離も2000m以上は2戦2勝となりました。来シーズンも現役を続けるとのこと。


ちなみにこの日、イーグルファーム競馬場で母の父がアグネスワールドのベターザンレディ Better Than Ready が準重賞3勝目を挙げています。前走の豪G1ニューマーケットH.(芝1200m)は5馬身差5着(13頭)していたから順当勝ち。これで通算10戦6勝です。次走は5月11日の豪G1 BTCカップ(イーグルファーム・芝1200m)が検討されています。

2013年オーストラリアンオークスのレース映像(YouTube)。手前から2頭目の発走がロイヤルディセント。

オーストラリアンオークス(Patinack Farm Australian Oaks)
2013年4月20日、オーストラリア・ランドウィック競馬場、芝2400m
3歳牝馬、全馬56kg、G1、10頭、レース結果、総賞金55万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ロイヤルディセント
Royal Descent
3牝
4.5倍
N.ラウィラー2分34秒197戦【4-1-1-1】
重賞2勝目
2ディアデミ
Dear Demi
3牝
7.5倍
J.キャシディ1020戦【5-4-4-7】
G1【1-3-1-2】
3ゴンドコロ
Gondokoro
3牝
17倍
R.マクロード211戦【1-0-2-8】

2013年4月19日金曜日

初音ミクが馬名由来の?プリンセサミクがチリで初勝利

Princesa Miku broke her maiden
画像ソース:elturf.com(要登録)

4月11日に行われたチリの未勝利馬戦(ダート1200m、2歳牝馬)は3番人気のプリンセサミク Princesa Miku が2着に3・1/2馬身差をつけて優勝し、デビュー3戦目で初勝利を挙げました。ここまでの2戦は芝で4着と5着でしたがダート替わりで一変しています。1歳上の全兄に昨年の智G1で11頭立て5着したYepetto がいます。ちなみにデビュー戦の勝ち馬はシーキングザダイヤ産駒です。


"Princesa Miku"で検索すると初音ミクが上位に、その下に馬のプリンセサミクがらみの結果が表示されるだけなので、初音ミクに由来する馬名なのかなと。検索結果を見るにスペイン語圏で初音ミクに関して"Princesa Miku"という文字列がごくまれに使われてるっぽいですが、詳しくないのでよくわかりません。

ところで以前から、チリの条件戦にニッケイ Nikkei という馬名の馬がいることが気になっていましたが(昨年12月に勝利後は出走していません)、ニッケイのデビュー当初の馬主はプリンセサミクと同じです。elTurf.comで調べられる範囲だとその馬主は過去20年で300頭ほどを所有し、その中にケンイチ Kenichi という馬もいるため、日本の事柄にちなんで命名することがあるのは確実で、やはりプリンセサミクは初音ミクがらみだと考えるのが妥当でしょう。

それがどうした、と言われても困るのですが、プリンセサミクのおかげで「ニッケイはやっぱり日経(平均株価)を、もしかすると日系のことを指してるんだなぁ」と疑問を一つ解消できました。

プリンセサミクの次走は不明。2歳牝馬なので今後はシーキングザダイヤ産駒でチリ重賞2勝のサファウィと対戦する機会もあるでしょう。

レース映像。一番手前から発走の逃げ馬、ピンクの勝負服がプリンセサミク。

米G1アップルブロッサムH.、オンファイアベイビーがG1初勝利もジョンソン騎手は騎乗停止

4月12日に行われた米G1アップルブロッサムH.(ダート8.5ハロン、4歳以上牝馬)は、逃げた5番人気オンファイアベイビーに対して1番人気グレースホール、3番人気サマーアプローズの2頭が3コーナーで並びかけましたが、オンファイアベイビーが直線入り口で振り切ると後方から追い込んだティズミズスーを1/2馬身差抑えて重賞4勝目、G1初勝利を挙げました。

ティズミズスーの一つ前を進んでいたドントテルソフィアがさらに4馬身差の3着。エンパイアメーカー産駒でG1勝ち馬のグレースホールは最下位7着に敗れています。


なお、騎手生活23年目のジョンソン騎手はこれがG1初勝利でしたが、最初のコーナーで後方に十分な進路がないのに内に切れ込み、1番人気グレースホールの進路を妨害したとして4月17日から19日まで3日間の騎乗停止となりました。何の審議もなく結果が確定し、ほかの陣営からの公式な抗議もなかったのに翌日に騎乗停止が発表されるという事態に、DRFのコメント欄はジョンソン騎手を祝福しつつ「採決は間違いを認めたようなものだ」「降着無しの騎乗停止?」「せめて当日に審議しろよ」という声が多いですね。

Apple Blossom: Joe Johnson suspended three days for winning ride aboard On Fire Baby | Daily Racing Form


オンファイアベイビーは父スモークグラッケン、母オルネイト(芝ステークス1勝含む米7勝)、母の父ギルデッドタイムという血統。半姉ハイヒールズは米G2を1勝したほか米G1ケンタッキーオークス3着。ちなみに別の半姉フレンチキスが09年にこのレース4着しています(5頭立てですが)。

昨年3月までに重賞3勝を挙げて出走したケンタッキーオークスは2番人気5着と、3着グレースホール、4着サマーアプローズに3馬身以上遅れ、その次走の米G1エイコーンS.(ダート1マイル)も2番人気で10馬身差の4着に敗れていました。

アップルブロッサムH.はそのエイコーンS.以来約11ヶ月ぶりの競馬ということもあり人気がありませんでしたが、この競馬場この距離は昨年G3を2馬身差で勝っており、それを含めダート8.5ハロンは3戦3勝(すべて重賞)となりました。

次走は5月3日の米G2ラトロワンヌS.(ダート8.5ハロン)へ。2着ティズミズスーも参戦する可能性があるとのこと。

2013年アップルブロッサムH.のレース映像。芦毛がオンファイアベイビー。


アップルブロッサムハンディキャップ(Apple Blossom Handicap)
2013年4月12日、アメリカ・オークローン競馬場、ダート8.5ハロン
4歳以上牝馬、G1、7頭、レース結果(PDF)、総賞金50万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1オンファイアベイビー
On Fire Baby
4牝
13.2倍
J.ジョンソン
52.6kg
1分44秒139戦【5-0-1-3】
重賞4勝目
2ティズミズスー
Tiz Miz Sue
6牝
6.0倍
J.ロッコ
53.1kg
1/231戦【7-10-4-10】
前走で重賞2勝目。昨年3着
3ドントテルソフィア
Don't Tell Sophia
5牝
4.5倍
R.アルバラード
53.1kg
414戦【6-2-2-4】
前走ティズミズスーの2着

2013年4月18日木曜日

米G1ウッドメモリアルS.、ヴェラザノが無敗の4連勝でG1初勝利

4月6日に行われた米G1ウッドメモリアルS.(ダート9ハロン、3歳)は、ここまで3戦3勝、前走の米G2タンパベイダービー(ダート8.5ハロン)を3馬身差で逃げ切ったヴェラザノが2番手追走から800m過ぎで先頭に立つと、中団から追い上げた3番人気ノルマンディーインヴェイジョンを3/4馬身抑えて優勝し、重賞2連勝、G1初勝利を挙げました。

ここまで無敗の4連勝、ダート重賞2連勝中のヴァイジャックが2番人気で道中ヴェラザノをマークしていましたが、直線で差を縮めることが出来ず、ノルマンディーインヴェイジョンにもクビ差交わされ3着でした。


ヴェラザノは父モアザンレディ、母エンチャンテッドロック(米1戦未勝利)、母の父ジャイアンツコーズウェイという血統。2代母が米9ハロンG1勝ち。1歳上の半兄に先日引退が決まったばかりのエルパドリーノ(昨年の米G2リズンスターS.(ダート8.5ハロン)1着、米G1フロリダダービー4着、ケンタッキーダービー12着)がいます。

前述の米G2タンパベイダービーで2着に下したジャヴァズウォーはその次走4月13日の米G1ブルーグラスS.(AW9ハロン)を優勝。

またノルマンディーインヴェイジョンも前走3ヶ月ぶりの米G2リズンスターS.(ダート8.5ハロン)こそ2馬身差5着でしたが、その前走、昨年11月の米G2レムゼンS.(ダート9ハロン)では、4月13日に米G1アーカンサスダービーを勝つオーバーアナライズとハナ差の2着しており(斤量は約1kg軽かったですが)、これら2頭を下したヴェラザノが本番でも1番人気か2番人気に支持されるでしょう。

2013年ウッドメモリアルS.のレース映像。


ウッドメモリアルステークス(Wood Memorial Stakes)
2013年4月6日、アメリカ・アケダクト競馬場、ダート9ハロン
3歳、G1、10頭、レース結果(PDF)、総賞金100万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ヴァラザノ
Verrazano
3牡
1.8倍
J.ヴェラスケス1分50秒274戦【4-0-0-0】
重賞初出走
2ノルマンディーインヴェイジョン
Normandy Invasion
3牡
4.7倍
J.カステリャーノ3/45戦【1-2-0-2】
重賞2着2回目
3ヴァイジャック
Vyjack
3セン
4.35倍
J.ロザリオクビ5戦【4-0-1-0】
重賞2勝

米G1カーターH.、スワガージャックが重賞初勝利

4月6日に行われた米G1カーターH.(ダート7ハロン、3歳以上)は、6頭立てでやや離れた5番人気だったスワガージャックが直線入り口で1番人気ディスクリートダンサーを交わして優勝し、重賞初勝利をG1で挙げました。

ダート6ハロンと7ハロンで重賞2連勝中だった2番人気サハラスカイが最後方から追い込んで2着に入り、後方の2頭によるワンツー。3月の米G2ガルフストリームパークH.(ダート1マイル、4歳以上)でスワガージャックを5馬身差2着に下していたディスクリートダンサーが3着でした。


スワガージャックは父スマートストライク、母リリカルプレイヤー(未出走)、母の父ザミンストレルという血統。半姉がG2勝ち。

デビュー2戦目で初勝利をあげた後は、芝やAW中心に9戦してアローワンス(ダート1マイル)1勝のみ。4走前からダート1マイル以下だけを使われるようになり、今回含め5戦3勝2着2回。2着2回はどちらも重賞で、前走だけでなく2走前の米G3ガルフストリームパークスプリントチャンピオンシップS.(ダート7ハロン、4歳以上)も2着していました。

前走のガルフストリームパークH.はスワガージャックがディスクリートダンサーより約1kg重い斤量で、今回は反対に1kg軽いハンデでしたが、それで逆転できる差には見えなかったですけどね。

次走は5月27日の米G1メトロポリタンH.(ダート1マイル)へ。

2013年カーターH.のレース映像。ピンクの勝負服がスワガージャック。


カーターハンディキャップ(Carter Handicap)
2013年4月6日、アメリカ・アケダクト競馬場、ダート7ハロン
3歳以上、G1、6頭、レース結果(PDF)、総賞金40万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1スワガージャック
Swagger Jack
5牡
16.8倍
I.オルティズ
52.6kg
1分21秒4416戦【5-3-0-8】
近2走連続G2で2着
2サハラスカイ
Sahara Sky
5牡
2.9倍
J.ロザリオ
54.4kg
3/415戦【6-3-4-2】
重賞2勝
3ディスクリートダンサー
Discreet Dancer
4牡
2.0倍
J.カステリャーノ
53.5kg
16戦【4-0-2-0】
前走G2で重賞初勝利

米G1アシュランドS.、エンパイアメーカー産駒エモリエントが9馬身差圧勝

4月6日に行われた米G1アシュランドS.(AW8.5ハロン、3歳牝馬)は、逃げた3番人気のエモリエントが3コーナーから徐々に後続との差を広げると最後は2着に9馬身差をつけて逃げ切り、重賞初勝利をG1で挙げました。

中団を追走した2頭、2番人気トゥッティパエーシと4番人気キトゥンズポイントがそれぞれ2着と3着。この2頭は前走の米G3ヒアカムズザブリッジS.(芝9ハロン、3歳牝馬)で順に3着、1着していました。

昨年10月にここキーンランドで米G1アルシバイアディーズS.(AW8.5ハロン、2歳牝馬)を勝っているスプリングインジエアーが1番人気でしたが4番手追走から9着。エモリエント以外の先行馬は総崩れの展開が厳しかったでしょう。


エモリエントは父エンパイアメーカー、母スージングタッチ(米6戦未勝利)、母の父タッチゴールドという血統。母の母が仏米で重賞2着2回。と言いますか、Raise The Standard → Natalma → Almahmoud と遡る名牝系。

前走の米G2ガルフストリームオークス(ダート9ハロン、3歳牝馬)は、20馬身差圧勝したドリーミングオブジュリアから30馬身差の5着に敗れ、ここには連闘で出走してきました。関係者は「前走は走らなかった。理由は分からない。今回走れたのも分からないがそれも競馬」と述べています。次走は5月3日の米G1ケンタッキーオークスへ。

ドリーミングオブジュリアにちぎられたのは気になりますが、大敗したのはこれまでその1戦だけ。昨年11月の米G2ドゥモアゼルS.(ダート9ハロン、2歳牝馬)で1・1/4馬身差の2着に入ったときの勝ち馬アンリミテッドバジェットは4月15日時点で4戦無敗、重賞3連勝中のケンタッキーオークス有力馬だからそれなりにやれるかもしれません。

ちなみに昨年このレースを勝ったカルロヴィヴァリは次走ケンタッキーオークス12着含めその後6戦してアローワンスオプショナルクレーミングを勝ったのみです。

2013年アシュランドS.のレース映像。


アシュランドステークス(Central Bank Ashland Stakes)
2013年4月6日、アメリカ・キーンランド競馬場、AW8.5ハロン
3歳牝馬、G1、13頭、レース結果(PDF)、総賞金50万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1エモリエント
Emollient
3牝
7.2倍
M.スミス1分43秒496戦【3-2-0-1】
重賞初勝利
2トゥティパエーシ
Tuttipaesi
3牝
5.6倍
A.ガルシア98戦【4-1-2-1】
伊から移籍。前走米G3で3着
3キトゥンズポイント
Kitten's Point
3牝
7.4倍
E.プラード1・1/46戦【2-2-1-1】
前走G3で重賞初勝利

米G1サンタアニタダービー、ゴールデンセンツがG1初勝利

4月6日に行われた米G1サンタアニタダービー(ダート9ハロン、3歳)は、2番手追走のゴールデンセンツが直線抜け出すと、4,5番手から差した1番人気のフラッシュバックに1・1/4馬身差をつけて優勝し、重賞3勝目、G1初勝利を挙げました。

オニール調教師は昨年のアイルハヴアナザーに続き2連覇。G1初勝利でケンタッキーダービーにも続けて騎乗するクリガー騎手は「この馬と歴史を作るつもりです。これは始まりにすぎない」と述べています。ちなみにアイルハヴアナザーも昨年のこのレースでグティエレス騎手にG1初勝利をプレゼントしています。

逃げた2番人気スーパーナインティナインはさらに8・1/2馬身差の3着。


ゴールデンセンツは父イントゥミスチフ、母ゴールデンワークス(米2勝)、母の父バンカーズゴールドという血統

昨年デビュー2戦目の米G1シャンペンS.(ダート1マイル、2歳)2着。続く米G3デルタダウンズジャックポットS.(ダート8.5ハロン、2歳)と米G3シャムS.(ダート1マイル、3歳)を連勝して臨んだ前走の米G2サンフェリペS.(ダート8.5ハロン、3歳)は2番手先行から4着に敗れていました。

サンフェリペS.はゴールデンセンツが逃げ、フラッシュバックが直後を追走し、それぞれ4着と2着。今回は当時より800m、1200m通過で0.5秒遅いペースで進み、前に居たゴールデンセンツが先着しました。

オニール調教師はレース前に「いくらか抑えが利くように教えてきた」と述べ、レース後に「(クリガー騎手は)最初の2ハロンでペースが速くなっても慌てず脚を溜めてくれた」と述べているので、教育の成果でしょうかね。


なお、サンフェリペS.の勝ち馬でサンタアニタダービー出走予定だったヒアーザゴーストはひざの故障で直前に回避し4ヶ月休養に入り、今回2着のフラッシュバックもひざの骨折で2ヶ月休養とのことでどちらもクラシックも出走しません。


ちなみに父のイントゥミスチフは現3歳が初年度産駒で、ゴールデンセンツのほかに重賞2連勝、米G1ウッドメモリアルS.3着のヴァイジャックを送り出しており、2頭をケンタッキーダービーに送り込むことに成功しました。

2013年サンタアニタダービーのレース映像。予備(BloodHorse)。ゲート向かって右から4頭目、ゼッケン5番がゴールデンセンツ。


サンタアニタダービー(Santa Anita Derby)
2013年4月6日、アメリカ・サンタアニタパーク競馬場、ダート9ハロン
3歳、G1、8頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金75万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ゴールデンセンツ
Goldencents
3牡
7.5倍
K.クリガー1分48秒766戦【4-1-0-1】
重賞3勝目
2フラッシュバック
Flashback
3牡
2.1倍
G.ゴメス1・1/44戦【2-2-0-0】
デビュー2戦目で米G2勝ち
3スーパーナインティナイン
Super Ninety Nine
3牡
5.8倍
M.ガルシア8・1/27戦【3-1-1-2】
2走前に米G3で重賞初勝利

米G1サンタアニタオークス、ビホールダーが逃げ切りG1連勝

4月6日に行われた米G1サンタアニタオークス(ダート8.5ハロン、3歳牝馬)は、前走3月の米G1ラスヴァージネスS.(ダート1マイル、3歳牝馬)を3・3/4馬身差で逃げ切ったビホールダーが、ここも2着に2・3/4馬身差をつけて逃げ切り、G1競走3勝目を挙げました。

離れた4番人気の重賞初出走アイオタパが2着。ラスヴァージネスS.2着のフィフティーシェイズオブヘイがさらにクビ差の3着。


ビホールダーは父ヘニーヒューズ、母レスリーズレディ(ステークス1勝含む米5勝)、母の父トリッキークリークという血統。3代母は昨年の米3歳2冠馬アイルハヴアナザー(血統)の3代母と7/8同血。またこの4レース後に米G1サンタアニタダービーを勝ったゴールデンセンツの父イントゥミスチフは、ビホールダーの半兄です。

3走前に米G1 BCジュベナイルフィリーズ(ダート8.5ハロン)も勝っており、これでダート1マイル以上は3戦3勝(いずれもG1)という成績です。次走はケンタッキーオークスへ。

2013年サンタアニタオークスのレース映像。予備(BloodHorse)。


サンタアニタオークス(Santa Anita Oaks)
2013年4月6日、アメリカ・サンタアニタパーク競馬場、ダート8.5ハロン
3歳牝馬、G1、6頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金30万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ビホールダー
Beholder
3牝
1.3倍
G.ゴメス1分43秒168戦【5-2-0-1】
G1【3-1-0-0】
2アイオタパ
Iotapa
3牝
17.1倍
J.タラーモ2・3/43戦【2-1-0-0】
重賞初出走
3フィフティーシェイズオブヘイ
Fiftyshadesofhay
3牝
4.6倍
R.ベハラーノクビ8戦【2-2-2-2】
2走前に米G3勝ち

2013年4月17日水曜日

25連勝のブラックキャビア引退。初年度種付けはフランケルではない

4月13日の豪G1 T.JスミスS.を勝ってデビューから無敗の25連勝としたブラックキャビアについて、オーナーグループとピーター・ムーディー調教師が協議した結果、同レースを最後に引退すると発表されました。20日(土曜日)にコーフィールド競馬場でファンへのお披露目の機会が設けられるとのこと。

Black Caviar has been retired after 25 straight wins | Herald Sun
(会見映像)Black Caviar to make farewell appearance on Saturday

ブラックキャビアはT.JスミスS.で豪調教馬最多記録を更新するG1競走15勝目を挙げており、「現役を続けることも検討したが、成すべきことは全て達成したと考えており、引退させることにした」としています。

子を売る気はなく、現オーナーグループが所有して走らせるそうです。ブラックキャビアのサーモンピンク地に黒の水玉模様の勝負服を使うことはもうないとも述べられています。


なお、初年度の交配相手は未定で、注目されているフランケルの可能性は低いとのこと。

私の予想ではオーナー代表のニール・ウェレット氏は豪ヴァイネリースタッドのオーナーの一人でもあるので、その繋養種牡馬の代表格であるモアザンレディが選ばれるのではないかと思っていますが、ブラックキャビアはデインヒルを持たないので、ダーレーのエクシードアンドエクセルやクールモアのファストネットロック、アローフィールドのリダウツチョイスなど、日本のSS系のように豪リーディング上位を占めるデインヒル系種牡馬を何でも選べます(ファストネットロックだとロイヤルアカデミーIIの3×3になってしまいますが)。

ハットトリック産駒ダビルシム引退種牡馬入り

ハットトリック産駒のダビルシム Dabirsim は、昨年の仏G1プール・デッセ・デ・プーラン(仏2000ギニー、3歳牡馬、芝1600m)6着を最後に引退することが決まりました。

今年4月9日の仏G3エドモンブラン賞(芝1600m)での復帰を目指して調教を再開していたはずが(via 一番いい配当を頼むさんのひとこと日記)、出走しなかったのでどうかしたのかと思っていましたが、フェルランド調教師は「もう走らないのは残念です。しかしこれが馬のために最善です。脚に問題があるのです」と述べており脚部不安だったと。

種牡馬入りするとの事ですが、繋養先は未定なのか言及されていません。

ダビルシムは2歳時に仏G3カブール賞(芝1200m)、仏G1モルニー賞(芝1200m)1着、仏G1ジャンリュックラガルデール賞(芝1400m)1着の重賞3勝を含む5戦無敗でシーズンを終えると、カルティエ賞欧州最優秀2歳牡馬およびフランス年度代表馬に選ばれました。

3歳は2戦して仏G3フォンテーヌブロー賞(芝1600m)を短頭差2着に敗れ、仏2000ギニーは1馬身差の6着に敗れていました。

モルニー賞のレース映像

"Darley Prix Momy 2011" Dabirsim / F... 投稿者 DIRECTVISION1

ジャンリュックラガルデール賞のレース映像

2013年4月15日月曜日

伯G1ゼリアゴンザガペイショトデカストロ大賞、アビジャンが勝ってアグネスゴールド産駒のワンツー

4月14日に行われたブラジル・リオデジャネイロ3歳牝馬3冠第3戦、伯G1ゼリアゴンザガペイショトデカストロ大賞(芝2400m)は、第1戦と第2戦どちらも1/2馬身差の2着だったアビジャンが、第1戦G1エンリケポッソロ大賞(芝1600m)の勝ち馬アントネラベイビーを内から交わすと3馬身差をつけて優勝し、重賞初勝利をG1で挙げました。

エンリケポッソロ大賞以来となる3冠2度目のアグネスゴールド産駒のワンツーです。第2戦G1ディアナ大賞(芝2000m)勝ち馬スーティルがさらに6馬身離れた3着。2分37秒84もかかる重馬場で、過去にアグネスゴールド産駒が何度か凡走したパターンでしたが関係なかったですね。


アビジャンは父アグネスゴールド、母ニナプレタ、母の父ニューコロニーという血統のブラジル産馬。 母ニナプレタは伯G3ダービークラブ大賞(芝3500m)1着など長距離重賞で活躍しており、ここからスタミナを受け継いだのでしょう。

管理する V.Nahid 調教師は昨年3冠のオールドチューン、および今年のアントネラベイビーと合わせ、リオデジャネイロ3歳牝馬3冠をこの2年で5勝目です。オールドチューンはこの後アメリカに移籍し、2月の初戦と3月の2戦目でどちらも牝馬G3を勝っています。4月13日の3戦目はG1で7着。


ちなみに同じアグネスゴールド産駒でブラジルで2歳牝馬重賞を2勝し、オーストラリアに移籍したエネルジアエレガンテは4月13日の3歳限定芝1400m戦で移籍2戦目を迎えましたが、8馬身差11着に敗れました。


なお、この2レース後に行われたダービーに相当するリオデジャネイロ3歳牡馬3冠第3戦の伯G1クルゼイロ・ド・スル大賞(芝2400m)は、2番人気のモジトが中団から抜け出して重賞2勝目、G1初勝利を挙げました。

第1戦勝ち馬アエロゾルおよび第2戦勝ち馬ホールディンググローリーは出走せず。その2戦で1・3/4馬身差の3着および同2着のエイジビューティフルが今回は3馬身差の3着。

父ドバイダスト、母フォーフリーダム(未出走)、母の父ガディアという血統。母母が伯G1勝ち馬。

2013年ゼリアゴンザガペイショトデカストロ大賞のレース映像。ゲート向かって1番左がアビジャン。一番右がアントネラベイビー。


2013年クルゼイロ・ド・スル大賞のレース映像。


ゼリアゴンザガペイショトデカストロ大賞
(Grande Prêmio Zélia Gonzaga Peixoto de Castro)
2013年4月14日、ブラジル・ガベア競馬場、芝2400m
3歳牝馬57kg、G1、重、5頭、レース結果、総賞金10万980ブラジルレアル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アビジャン
Abidjan
3牝
2.6倍
D.Duarte2分37秒849戦【3-3-2-1】
3走前G3で3着
2アントネラベイビー
Antonella Baby
3牝
4.0倍
M.Cardoso3・1/49戦【5-2-0-2】
重賞3勝
3スティル
Sutil
3牝
1.7倍
V.Borges6・3/48戦【4-3-1-1】
重賞3勝


クルゼイロ・ド・スル大賞(Grande Premio Cruzeiro Do Sul)
2013年4月14日、ブラジル・ガベア競馬場、芝2400m
3歳(牝2kg減)、G1、重、12頭、レース結果、総賞金15万7080ブラジルレアル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1モジト
Mojito
3牡
4.4倍
V.Borges2分35秒559戦【6-1-0-2】
重賞2勝目
2アトラスムンジ
Atlas Mundi
3牡
20.4倍
B.Reis26戦【2-1-0-3】
重賞初出走
3エイジビューティフル
Age Beautiful
3牡
3.8倍
H.Fernandes110戦【2-4-2-2】
4走前マイルG2勝ち

2013年4月13日土曜日

米年度代表馬ワイズダン、今年初戦の米G1メイカーズ46マイルS.快勝

2012年のエクリプス賞米年度代表馬に選ばれたワイズダンが今年初戦として4月13日の米G1メイカーズ46マイルS.(芝1マイル、4歳以上)に出走し、3番手追走から最後の直線入り口で先頭に立つと、昨年の勝ち馬で最後方から追い込んだ2番人気のデータリンクに1馬身差をつけて勝ち、G1競走5勝目を挙げました。

父の父がサンデーサイレンスで、前走の米G1フランクE.キルローマイルS.(芝1マイル)はハナ差2着のサイレンティオが3番人気でしたが逃げて最下位5着。同4着のミスターコモンズは3着で、サイレンティオは3着から2馬身差。ここ向こう正面で後ろの3頭が上位3頭を占めた展開だから、展開も厳しかったのかもしれません。


ワイズダンは父ワイズマンズフェリー、母リサダニエル(米1勝)、母の父ウルフパワー(南ア年度代表馬)という血統。1歳上の半兄に、米G2アリシーバS.をコースレコードで勝ち、2009年の米G1クラークH.で1位入線3着降着だったサクセスフルダンがいます。

昨年9月の加G1ウッドバインマイルS.を3・1/4馬身差、10月の米G1シャドウェルターフマイルS.を2馬身差で、11月の米G1 BCマイルを1・1/2馬身差で勝ち、これで芝マイルG1を4連勝しています。また一昨年米G1クラークH.(ダート9ハロン)を勝ち、昨年唯一ダートを走った米G1スティーヴンフォスターH.(ダート9ハロン)は勝ち馬より約1.8kg、3着馬より2.3kg重い斤量で1着から頭差2着しています。

次走はそのスティーヴンフォスターH.へ。今年も目標はBCですがどのレースかは決めていないとのことで、昨年はBCクラシック出走も検討されていましたし、スティーヴンフォスターH.次第でその後はBCクラシックを目指すローテが組まれる可能性も考えられます。

2013年メーカーズ46マイルS.のレース映像。黄色の勝負服がワイズダン。


メイカーズ46マイルステークス(Maker's 46 Mile Stakes)
2013年4月13日、アメリカ・キーンランド競馬場、芝1マイル
4歳以上、G1、5頭、Firm、レース結果(PDF)、総賞金30万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ワイズダン
Wise Dan
6セン
1.4倍
J.レスカーノ
55.8kg
1分36秒3721戦【14-1-0-6】
重賞10勝目
2データリンク
Data Link
5牡
4.6倍
J.カステリャーノ
54.4kg
117戦【8-2-1-6】
昨年の勝ち馬
3ミスターコモンズ
Mr. Commons
5牡
10.8倍
C.ナカタニ
53.5kg
219戦【5-5-3-6】
BCマイル2年連続5着

豪G1オーストラリアンダービー、イッツアダンディールが楽勝でG1競走4勝目

4月13日に行われた豪G1オーストラリアンダービー(芝2400m、3歳)は後方2番手追走の圧倒的1番人気イッツアダンディールが最後の直線に向くと軽く追われただけで大外から突きぬけ、2着に6馬身差をつけて楽勝しました。

2着に前走3月のアリスタークラークS.(芝2040m、3歳)で重賞初勝利を挙げたばかりの2番人気フィリッピが入っています。


イッツアンダンディールは父ハイシャパラル、母スタリール(未出走)、母の父ザビールという血統のニュージーランド産馬。2代母がNZオークスなど新G1を2勝。

デビューから5連勝で豪G1スプリングチャンピオンS.(芝2000m)優勝。その後は豪G1ヴィクトリアダービー(芝2500m)7着など2連敗し、4ヶ月ぶりの3走前、豪G2ホバートヴィルS.(芝1400m)を4着して豪G1ロイヤルランドウィックギニー(芝1600m、3歳)を半馬身差で、前走の豪G1ローズヒルギニー(芝2000m、3歳)を6・3/4馬身差で勝っていました。これで史上5頭目のシドニー秋の3冠達成となりました。ロイヤルランドウィックギニーから装着しているブリンカーの効果も絶大だったようで、2000mより長い距離のレースはこれが3戦目で初勝利。

先週の豪G1ザ・BMW(芝2400m、3歳以上)も勝っているヴィクトリアダービー勝ち馬ファイヴアンドアハーフスターとの再戦が楽しみだったのですが、同馬は8日に右前脚の球節を捻挫していることが分かり、このレースを見送っていて残念でした。


次走は4月27日の豪G1クイーンエリザベスS.(芝2000m、3歳以上)の可能性もあるが未定。ちなみにマクドナルド騎手は先週の騎乗が原因でその週末は騎乗停止処分を食らっており騎乗できません。

2013年オーストラリアンダービーのレース映像。ゲート向かって右から3頭目がイッツアダンディール。

オーストラリアンダービー(David Jones Australian Derby)
2013年3月13日、オーストラリア・ランドウィック競馬場、芝2400m
3歳、全馬56.5kg、G1、10頭、レース結果、総賞金150万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1イッツアダンディール
It's A Dundeel
3牡
1.25倍
J.マクドナルド2分33秒4911戦【8-1-0-2】
G1競走4勝目
2フィリッピ
Philippi
3牡
9倍
L.ノーレン68戦【4-2-0-2】
前走重賞初勝利
3キングダムズ
Kingdoms
3牡
101倍
M.ロッド1・1/46戦【1-1-1-3】
これが重賞初出走

豪G1サイアーズプロデュースS.、ゲルフが母娘制覇

4月13日に行われた豪G1サイアーズプロデュースS.(芝1400m、2歳)は、先週の2歳戦世界最高賞金の豪G1ゴールデンスリッパー(芝1200m)勝ち馬で逃げたオーバーリーチを4番手追走のスカンディヴァが残り100mで捕らえましたが、そこから2番人気ゲルフが3馬身差を差し切って重賞2勝目、G1初勝利を挙げました。

上位3頭を牝馬が独占。また勝ちタイムは昨年より約2秒遅く、この日のランドウィック競馬場は馬場が悪かったですね。


ゲルフは父エクシードアンドエクセル、母カマリラ、母の父イルーシヴクオリティという血統。デインヒルの2×4。

前走ゴールデンスリッパーはオーバーリーチから3・1/2馬身差の4着でした。3走前に豪G3ブルーダイヤモンドプレリュード・フィリーズ(芝1100m)で重賞初勝利を挙げており、今回で重賞2勝目。この2重賞は現役時代に重賞2勝した母カマリラの勝った重賞です。

ちなみに2着のスカンディヴァは前走の豪G2マジックナイトS.(芝1200m、2牝)で重賞初出走初勝利。ブラックキャビアの叔母にあたります。ブラックキャビアは父の父がロイヤルアカデミー。スカンディヴァは父の母の父がロイヤルアカデミーだから全体的にやや似ている血統です。

2013年AJCサイアーズプロデュースS.のレース映像

サイアーズプロデュースS.(Inglis Sires Produce Stakes)
2013年4月13日、オーストラリア・ランドウィック競馬場、芝1400m
2歳、牡56.5kg、牝54.5kg、G1、12頭、Dead4、レース結果、総賞金 50万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ゲルフ
Guelph
2牝
9.0倍
K.マカヴォイ1分23秒226戦【3-1-0-2】
重賞2勝目
2スカンディヴァ
Scandiva
2牝
67.0倍
P.ロブル3/45戦【2-1-0-2】
前走重賞初出走初勝利
3オーバーリーチ
Overreach
2牝
1.36倍
T.ベリー1/25戦【3-1-1-0】
重賞2勝

豪G1 TJスミスS.、ブラックキャビアが無敗の25連勝

4月13日に行われた豪G1 TJスミスS.(芝1200m、3歳)は、3、4番手先行のブラックキャビアがいつもどおり楽に抜け出し、デビューから無敗の25連勝を達成しました。これがG1競走15勝目で、キングズトンタウンに並んでいた豪調教馬のG1最多勝記録を更新しました。

唯一の3歳馬で豪G1ゴールデンローズ(芝1400m、3歳)勝ち馬のエポレットが半年振りも関係なく、後方2番手から追い込んで2着。3月の豪G1ザ・ギャラクシー(芝1100m、3歳以上)勝ち馬ベルスプリンターが中団から差して3着。

昨年の豪G1マニカトS.(芝1200m、3歳以上)など豪短距離G1を3勝しているシーサイレンが5着。豪G1で3勝2着5回、2着5回のうち4回はブラックキャビアの2着であるハイリストは故障明け以降で初のブラックキャビアとの対戦でしたが、10着に終わっています。


ブラックキャビアが1番枠なのでみんなで必死に閉じ込めるかと思ってましたが、全然そんなことは無く、すんなりと外に持ち出せました。ただブラックキャビアが外に持ち出されるとすぐに、ハイリストのスコフィールド騎手(10番枠)が外から被せに行ったことに(元)ナンバー2の意地が見れて良いレースでした。

「次走以降のことはT.J.スミスS.後に決める」と以前から言及されており、次走は不明。

2013年T.J.スミスS.のレース映像またはYouTube。22秒ごろ、一番右の赤の帽子がハイリストです。

T.J.スミスステークス(Darley T.J. Smith Stakes)
2013年4月13日、オーストラリア・ランドウィック競馬場、芝1200m
3歳以上、G1、11頭、Dead4、レース結果、総賞金100万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ブラックキャビア
Black Caviar
6牝
1.14倍
L.ノーレン56.5kg1分09秒6525戦【25-0-0-0】
G1競走15勝目
2エポレット
Epaulette
3牡
41倍
K.マカヴォイ56.5kg39戦【4-2-2-1】
豪G1ゴールデンローズ1着
3ベルスプリンター
Bel Sprinter
5セン
13.0倍
H.ボウマン58.5kg2・1/415戦【7-1-1-6】
前走G1勝ち。豪G3を1勝

2013年4月10日水曜日

池添騎手、フランス今年初戦は着外。スミヨン騎手との対比が鮮明

池添謙一騎手が4月9日のフランス・サンクルー競馬場、第1レース(芝2100m、ハンデ)で16頭立て15番人気(38倍)の7歳牡馬 Risquillo に騎乗しましたが、後方追走のままおそらく最下位に終わっています。

フランス今年初戦の池添謙一騎手

フランス今年初戦の池添謙一騎手


池添 謙一騎手の海外における騎乗成績【4月9日(火)】 - JRA

Risquilloはもともとスペイン調教馬で4走前からフランスに移籍。移籍後AWで2着していますが、2走前に I.メンディザバル騎手が騎乗して今回と同じサンクルーの芝2100mに出走したときも今回と同じように後方追走からまったく伸びず最下位に終わっていました。

レースの連続写真はこちら。上記2走前3月19日のレース分はこちら。勝負服は上の画像を参考にしてください。


ちなみにクリストフ・スミヨン騎手がこの第1レースと続く第2レースを1番人気馬で2連勝しており、2人の対比が鮮明な遠征初日となりました。この差をいくらかでも埋めるための渡仏なのでがんばってほしいですね。


過去記事「川田将雅騎手のフランス騎乗成績まとめてみたらそれほど悪くなかった」もどうぞ。同時期にアメリカ遠征していた福永祐一騎手の全騎乗成績はブログ「ピンク帽の不思議」さんがまとめてくれています。

ピンク帽の不思議 福永騎手の今渡米における全騎乗成績

2013年4月9日火曜日

ブラックキャビア半弟が500万豪ドルで落札。豪1歳馬セールレコードを更新

4月9日に行われたイングリス・オーストラリアン・イースターイヤリングセールの第1日目にブラックキャビアの半弟であるHelsing の2011(父リダウツチョイス)が登場し、豪1歳馬セール史上最高の500万豪ドル(約5億1700万円、4月9日時点で1豪ドル=約103円)で落札されました。以前のレコードは300万豪ドルだったそうです

Inglis – Australia's Leading Bloodstock Auctioneers - Lot 131 - Redoute s Choice Helsinge
Black Caviar's little brother fetches record $5 million at Inglis Easter Yearling Sales | Herald Sun


落札者のBC3 Thoroughbreds は昨年もブラックキャビアの半妹(父リダウツチョイス)を260万豪ドルで落札しています(約2億1580万円、当時1豪ドル=83円だからだいぶ円安になりました)。

昨年のこのセール後にブラックキャビア(父ベルエスプリット)が英ロイヤルアスコット遠征を成功させ、また半弟の現3歳オールトゥハード(父カジノプリンス)も豪G1コーフィールドギニー(芝1600m、3歳)、豪G1C.F.オーアS.(芝1400m、3歳以上)、豪G1フューチュリティS.(芝1400m、3歳以上) を勝ち、豪G1コックスプレート(芝2040m、3歳以上)で2着するというすばらしい活躍を見せており、300万豪ドルのレコード更新は当然期待されていました。


BC3によると調教師は未定。1つ上の姉と同じように数パーセントのシェアは複数の希望者に販売するとのことなので、そのうちサイトに案内されるでしょう。1%でも500万円超えますが。

2013年4月8日月曜日

豪G1ジョージライダーS.、ピエロがG1競走5勝目

4月6日に行われた豪G1ジョージライダーS.(芝1500m、3歳以上)は、大外枠から逃げたG1競走10勝のキングムファサがしぶとく粘りましたが、1番人気のピエロが残り100mで交わしてクビ差で勝ち、G1競走5勝目を挙げました。

キングムファサが10着だった3月の豪G1チッピングノートンS.(芝1600m、3歳以上)の勝ち馬シュートアウトが3着に入っています。2番人気に支持された、前走豪G1ロイヤルランドウィックギニー(芝1600m、3歳)4馬身差4着のレベルデインは2・1/2馬身差の10着。

ちなみにキングムファサは父ペンタイア、シュートアウトは母の父ペンタイアです。


ピエロは父ロンロ、母ミスライトノート(仏豪1勝ずつ)、母の父デイラミという血統の3歳牡馬。母の半兄は仏G1イスパーン賞などG1競走2勝のレイヴロック。

1年前に2歳戦世界最高賞金の豪G1ゴールデンスリッパー(芝1200m)など1マイル以下で豪G1を3勝。デビュー9戦目の豪G1コーフィールドギニー(芝1600m、3歳)はブラックキャビア半弟のオールトゥハードに1/2馬身差の2着でデビュー以来初めて負けると、その次走の豪G1コックスプレート(芝2040m、3歳以上)も距離が合わなかったか4馬身差の3着と連敗しました。

前々走3歳限定G2で3走ぶりに勝利し、前走の豪G1カンタベリーS.(芝1300m、3歳以上)でG1競走4勝目を挙げていました.

次走は4月20日の豪G1ドンカスターH.(芝1600m、3歳以上)へ。オールトゥハードが出てこないのが惜しいですが、1番人気で強い競馬を期待したい。


またこのレース5回目、今回で2着1回3着2回4着1回(10着1回)となったキングムファサはここ数走がいまいちで、さらに前走後に気道の手術を受けたばかり。人気は当然、下から3頭目、ブックメーカーによって90倍から100倍ほどの人気薄でしたが、見事に復活しました。G1に限れば昨年12月以来4走ぶりの連対です。このあとはG1香港チャンピオンズマイルへ。

2013年ジョージライダーS.のレース映像(YouTube)。赤の帽子と袖、青の胴の勝負服がピエロ。青の袖、白の胴がキングムファサ。

ジョージライダーステークス(Daily Telegraph George Ryder Stakes)
2013年4月6日、オーストラリア・ローズヒル競馬場、芝1500m
3歳以上、G1、12頭、Slow7,レース結果、総賞金40万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ピエロ
Pierro
3牡
1.36倍
N.ラウィラー
56.5kg
1分31秒0813戦【11-1-1-0】
重賞10勝目
2キングムファサ
King Mufhasa
8セン
101倍
M.ロッド
59.0kg
クビ60戦【20-8-6-26】
新豪でG1を10勝
3シュートアウト
Shoot Out
6セン
13倍
J.ボウマン
59.0kg
3/434戦【10-5-6-13】
G1競走5勝

豪G1ゴールデンスリッパー、オーバーリーチがG1初勝利

4月6日に行われた2歳戦世界最高賞金の豪G1ゴールデンスリッパー(芝1200m、2歳)は、2番手集団の最内を先行した1番人気のオーバーリーチが最後の直線半ばで最内から抜け出すと2着に1・3/4馬身差をつけて完勝し、重賞2連勝でG1初勝利を挙げました。

オーバーリーチのすぐ後ろを追走していたサイドステップも内を突いて2着。先行したスイートアイディアが3着に粘っています。

前走3月の新G1ダイヤモンドS.(芝1200m、2歳)勝ち馬でC.ウィリアムズ騎手騎乗のルードアウェイケニングが2番人気でしたが15着と大敗しました。


オーバーリーチは父エクシードアンドエクセル、母バヒア(豪4戦4勝)、母の父スニペッツという血統の2歳牝馬。母の現役時代の所有者による生産所有馬です。また3年連続でダーレーAUSの種牡馬の産駒による優勝となりました。

デビュー戦の準重賞で2着に敗れた後、2戦目の準重賞を6馬身差圧勝。その次走G2のモエシャンドンS.(芝1200m)は、デビュー戦の勝ち馬ヴィラヴェルデを4・1/2馬身差の2着に負かして勝っていました。ちなみにヴィラヴェルデは今回7着に敗れています。

次走は4月13日の豪G1 AJCサイヤーズプロデュースS.(芝1400m)が検討されています。その後は4月27日の豪G1 AJCシャンペンS.(芝1600m、2歳)へ。オーバーリーチの馬主"Corumbene Stud"の所有者は2003年にハスナ Hasna でゴールデンスリッパー3着から上二つのレースを連勝しています。

2013年ゴールデンスリッパーのレース映像(YouTube)。最内から好スタートを決めるのがオーバーリーチ。

ゴールデンスリッパー(Tooheys New Golden Slipper)
2013年4月6日、オーストラリア・ローズヒル競馬場、芝1200m
2歳、G1、頭、Slow7、レース結果、総賞金 350万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1オーバーリーチ
Overreach
2牝
2.75倍
T.ベリー
54.5kg
1分11秒004戦【3-1-0-0】
重賞2連勝
2サイドステップ
Sidestep
2牡
11倍
K.マケヴォイ
56.5kg
1・3/45戦【1-2-1-1】
前走G2で初勝利
3スイートアイディア
Sweet Idea
2牝
10倍
J.キャシディ
54.5kg
16戦【2-3-1-0】
前走G2勝ち。G3で2着

豪G1クイーンオブザターフS.、アピアランスがG1連勝

4月6日に行われた豪G1クイーンオブザターフS.(芝1500m、3歳以上)は、前走豪G1クールモアクラシック(芝1500m)の勝ち馬アピアランスが同2着馬レッドトレーサーを1/2馬身差し切ってG1競走3勝目を挙げました。

G1競走8勝、母の父サンデーサイレンスのモアジョイアスが1番人気でしたが直線で大きな不利を受けて5着に敗れ、この競走3連覇ならず。


アピアランスは父コマンズ、母ディスガイズ(豪条件戦3勝)、母の父グランドロッジという血統の4歳牝馬。

昨年11月の豪G1マイヤークラシック(芝1600m、3歳以上牝馬)でG1初勝利。前走クールモアクラシックはレッドトレーサーより2.5kg軽い斤量でハナ差の勝利。今回は同斤量でしたが1/2馬身差と逆転を許しませんでした。

前走時に書いたことを更新すると「重賞4勝はいずれも1500m以上でのもので、また1500m以上は4戦全勝。叩き3戦目以降は5戦4勝(いずれも重賞)」となりました。

この後は20日の豪G1ドンカスターH.(芝1600m、3歳以上)へ。牡馬混合重賞は昨年9月の芝1200mG2で2馬身差3着したとき以来2度目の出走です。ドンカスターH.でおそらく1番人気に支持されるピエロはこの2レース後に同距離のG1に出走して1着。ただし、勝ち時計はアピアランスのほうが0.35秒速いです。重馬場だったので参考にならない可能性が高いですが。

2013年クイーンオブザターフS.のレース映像(YouTube)。中団の外を追走するエンジ色の胴、白の袖のモハメド殿下の勝負服がアピアランス。このレース映像は公式アカウントのものですがゴール前で切れています。

クイーンオブザターフステークス(Inglis Queen Of The Turf Stakes)
2013年4月6日、オーストラリア・ローズヒル競馬場、芝1500m
3歳以上牝馬、全馬57.0kg、G1、11頭、Slow7、レース結果、総賞金40万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アピアランス
Appearance
4牝
10倍
K.マケヴォイ1分30秒7313戦【6-2-1-4】
重賞4勝目
2レッドトレーサー
Red Tracer
5牝
7倍
C.ブラウン1/226戦【10-6-5-5】
重賞4勝。G1で3着1回
3ストリーマ
Streama
4牝
13倍
J.ボウマン1/219戦【7-6-3-3】
豪G1で2勝

豪G1ザ・BMW、ファイヴアンドアハーフスターが勝ち9年ぶりに3歳馬が優勝

4月6日に行われた豪2400m最高峰のレース、G1ザ・BMW(芝2400m、3歳以上)は、逃げた1番人気ファイヴアンドアハーフスターが最終コーナーでケリーニにまくられましたが同馬を直線で競り落とすと、最後方追走から最内を突いて伸びたサイレントアチーヴァーを頭差抑えて優勝し、G1競走2勝目を挙げました。3歳馬の優勝は2004年以来のこと。また同一シーズンに豪G1ヴィクトリアダービーとザ・BMWを制したのは史上初だそうです。

前走の豪G1ランヴェットS.(芝2000m、3歳以上)でファイヴアンドアハーフスターを1/2馬身差負かして勝っていたフォアテラーが1・1/2馬身差の5着でした。そのランヴェットS.の上位7頭がここの6着まで(と9着を)占めています。


ファイヴアンドアハーフスターは父ホテルグランド、母クリプティックミス(豪1勝)、母の父スニペッツという血統。2011年1月に2万豪ドルで落札されていました。

次走は13日の豪G1オーストラリアンダービー(芝2400m)へ。3月30日の豪G1ローズヒルギニー(芝2000m、3歳)を約7馬身差で勝ったイッツアダンディールも出走予定です。イッツアダンディールはヴィクトリアダービーでファイヴアンドアハーフスターから7馬身差の5着に敗れており、2000mを超える距離はそれ以来となる2度目の出走です。

2013年ザ・BMWのレース映像(YouTube)。逃げる緑の勝負服がファイヴアンドアハーフスター。黄色の勝負服がサイレントアチーヴァー。

ザ・BMW(The BMW)
2013年4月6日、オーストラリア・ローズヒル競馬場、芝2400m
3歳以上、G1、12頭、Slow7、レース結果、総賞金225万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ファイヴアンドアハーフスター
Fiveandahalfstar
3セン
4.5倍
J.ボウマン
54.5kg
2分33秒7920戦【4-6-1-9】
G1【2-2-0-0】
2サイレントアチーヴァー
Silent Achiever
4牝
7.5倍
J.マクドナルド
56.5kg
アタマ16戦【6-3-2-5】
NZダービー1着
3サングスター
Sangster
4セン
12倍
S.アーノルド
58.5kg
121戦【6-3-3-9】
G1競走3勝

豪G1ヴァイナリースタッドS.、ノルジタがG1競走2勝目

4月6日に行われた豪G1ヴァイナリースタッドS.(芝2000m、3歳牝馬)は、2番手先行の8番人気ロングポートを中団追走の1番人気ノルジタが残り250mで交わして優勝し、G1競走2勝目を挙げました。

ロングポートがしぶとく粘ってクビ差の2着。前走G1 NZダービー(芝2400m)勝ち馬で2番人気のハビビは道中ノルジタのすぐ後ろを追走しましたが、ロングポートからさらに2・3/4馬身差の3着。


ノルジタは父ソーンパーク、母ヴィシケー、母の父クエストフォーフェイムという血統のニュージーランド産馬。

前走の豪G1クールモアクラシック(芝1500m、3歳以上牝馬)で古馬と初対戦し1着から1/4馬身差の3着で3歳最先着。当時の1,2着馬はこの2レース後の豪G1クイーンオブザターフS.(芝1500m、3歳以上牝馬)でも1,2着しました。

またロングポートとワンツーするのはこれが3度目。1度目の豪G2ティーローズS.(芝1500m、3牝)はノルジタがハナ差で1位入線するも2着降着。その次走で昨年10月の豪G1フライトS.(芝1600m、3牝)はロングポートに2・1/2馬身差をつけて快勝していました。今回はそれ以来の対戦で、つまりノルジタの3戦とも1位入線しています。

ティーローズS.当時はロングポートのキャシディ騎手がレース後に「不利を受けた。それが無ければ頭差から1/2馬身差くらいで勝っていた」と訴え、ノルジタのブラウン騎手が「接触はわずかで着順に影響なかった」と反論したものの採決がノルジタの降着を決めましたが、その後G1で2回対戦してノルジタが2勝だから、降着が妥当だったかどうかは別にして「着順に影響はなかった」というのは本当だったかもしれません。

J.カミングス師によると次走は4月20日の豪G1ドンカスターH.(芝1600m)へ。同日の豪G1オーストラリアンオークス(芝2400m)という選択肢もありますが、マイルのフライトS.の勝ちっぷりがこれまでで最も良かったからと。

2013年ヴァイナリースタッドS.のレース映像(YouTube)。黄色の袖、白と黒の格子状の帽子・胴の勝負服がノルジタ。

ヴァイナリースタッドステークス(Vinery Stud Stakes)
2012年4月6日、オーストラリア・ローズヒル競馬場、芝2000m
3歳牝馬56.0kg、G1、14頭、レース結果、総賞金 40万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ノルジタ
Norzita
3牝
3倍
J.ボウマン2分06秒1210戦【4-3-1-2】
重賞2勝はいずれもG1
2ロングポート
Longport
3牝
26倍
C.リースクビ11戦【3-3-1-4】
G1豪1000ギニー3馬身差4着
3ハビビ
Habibi
3牝
4.25倍
V.コルガン2・3/48戦【6-0-2-0】
NZダービーなど重賞3勝

シーキングザダイヤ産駒サファウィが智G3を2連勝

4月6日に行われた智G3ファンカヴィエレスメリャ賞(ダート1300m、2歳牝馬)は、3番手追走の1番人気サファウィが、2番手追走からしぶとく粘るジプシーフェリスを残り100mで何とか交わして3/4馬身差で優勝し、前走の智G3セレクシオン・デ・ポトランカス賞(ダート1200m、2歳牝馬)に続き重賞2連勝、デビューから無敗の3連勝としました。

同G3で1番人気に支持されたもののサファウィから約8馬身差の5着に敗れていたサヴォリタが、今回サファウィから3馬身差の3着。


サファウィは父シーキングザダイヤ、母シレナデルエヘオ(智下級条件5勝)、母の父インディアンリッジという血統のチリ産馬。母の半弟が智G1エルエン セーヨ(芝2400m、3歳)2着馬です。

前々走1月のデビュー戦で既走馬相手に12馬身差をつけて勝ち、前走の智G3セレクシオン・デ・ポトランカス賞は追い込んで2着に3・1/2馬身差で勝っていました。

シーキングザダイヤは現在チリの新種牡馬リーディング2位。1位のスキャットダディ(2011年の米新種牡馬リーディング首位)には勝ち馬数と勝ち上がり率で負けていますが、ここまでチリで3戦(おそらく)行われたチリ2歳重賞のうち2つをサファウィが勝っています。

まあスキャットダディ産駒は米重賞だと芝AWの1マイル以上で活躍する馬がほとんどなので、ダート1400m以下の重賞しか行われていない今の時点で比べても仕方ないですが。

次走は不明。チリの2歳牝馬ダートG1は6月15日のタンテーオデポトランカス(ダート1500m)が唯一です。芝なら牡馬混合ですが早いもので5月にG1がありますがどうするでしょうね。

2013年ファンカヴィエレスメリャ賞のレース映像。5番枠発走、赤の帽子、シャドーロール装着馬がサファウィ。


ファンカヴィエレスメリャ賞(Juan Cavieres Mella)
2013年4月6日、チリ・チリ競馬場、ダート1300m
2歳牝馬、G3、7頭、レース結果、1着賞金580万チリペソ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1サファウィ
Safawi
2牝
1.6倍
H.I.Berrios1分19秒483戦【3-0-0-0】
重賞2連勝
2ジプシーフェリス
Gipsy Feliz
2牝
5.8倍
B.Leon3/42戦【1-1-0-0】
前走デビュー戦3馬身差勝ち
3サヴォリタ
Savorita
2牝
4.6倍
G.Ulloa2・1/43戦【1-0-1-1】
前走G3で5着

ハットトリック産駒サパタ Zapataが亜G1ラウル&ラウル・E.・チェヴァリエ大賞優勝

4月6日に行われた亜G1ラウル&ラウル・E.・チェヴァリエ大賞(芝1400m、2歳牡馬)は、ハットトリック産駒の2番人気サパタ Zapataが同じ勝負服の1番人気2頭に挟まれての追い比べを頭差制して優勝し、デビューから2連勝、重賞初出走でG1勝利を挙げました。

5月10日追記)レース後の検体からラシックスが検出されたため、最下位に降着となりました。2位入線フォルツァキーが繰り上がり優勝。追記ここまで


サパタは父ハットトリック、母ゼータ(米ステークス1勝(PDF)含む米4勝)、母の父ユーアンドアイという血統のアルゼンチン産馬で、母がアルゼンチンに輸入された後では初めての産駒。米国産の上3頭がアメリカで下級戦ですがそれぞれ複数回勝っています。ちなみに1歳下に全妹がいます。

ハットトリック産駒としては5頭目の重賞勝ち馬となりました。

2月15日のデビュー戦(芝1200m)を6馬身差で勝っており、そのときの2着馬はその次走で勝ち上がっています(3-5着は1戦ずつして未勝利)。

今回3着のトードータンゴキーはここまで無敗の4連勝。デビュー2戦目からG3、G2と連勝し、前走4戦目は亜G1サンティアゴルーロ大賞(芝1200m)を1・1/2馬身差で勝っていました。

トードータンゴキーだけでなく、今回6馬身差5着のサハリアン Saharien は前々走G3で3着、前走G1でトードータンゴキーの2着していたというメンバーだったから、1頭の有力馬の凡走のおかげの勝利などではなく、サパタには今後もG1路線で十分期待できます。ちなみに昨年の勝ち馬ウイニングプライズはその後さらにG1を2勝しました。

2013年ラウル&ラウル・E.・チェヴァリエ大賞のレース映像。後方追走の赤の帽子、赤の胴、白の袖がサパタ。


ラウル&ラウル・E.・チェヴァリエ大賞(Gran Premio Raul y Raul E. Chevalier)
2013年4月6日、アルゼンチン・サンイシドロ競馬場、芝1400m
2歳牡馬55kg、G1、7頭、レース結果、1着賞金14万5千アルゼンチンペソ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1サパタ
Zapata
2牡
4.5倍
J.G.Ruiz Diaz1分24秒912戦【2-0-0-0】
重賞初出走
2フォルツァキー
Forza Key
2牡
1.8倍
J.C.Villagra3戦【1-2-0-0】
前走2戦目を7馬身差で初勝利
3トードータンゴキー
Todo Tango Key
2牡
1.8倍
R.G.Blanco5戦【4-0-1-0】
初敗戦

2,3着馬は同馬主のため、馬券上は一組扱い。

2013年4月6日土曜日

米G1フロリダダービー、オーブが重賞連勝

3月30日に行われた米G1フロリダダービー(ダート9ハロン、3歳)は、4番手追走の1番人気イッツマイラッキーデイが最終コーナーで押し上げ直線入り口で先頭に立ちましたが、道中すぐ後ろをマークする位置を追走していた3番人気オーブが残り1ハロンで捕らえると2着イッツマイラッキーデイに2・3/4馬身差をつけて完勝し、重賞2連勝、G1初勝利を挙げました。

先行した7番人気のメリットマンがさらに2・1/4馬身差の3着。9戦未勝利馬が勝って「BCなのにレベル低すぎ」と言われ、(出走馬の分散を防ぐためもあって)今年から廃止が決まったBCジュベナイルスプリントの1番人気2着馬です。7ハロン以上初出走だったんですけどね。


米G1 BCジュベナイル(ダート8.5ハロン)勝ち馬で、前走の米G3ホーリーブルS.(ダート8.5ハロン)はイッツマイラッキーデイの2馬身差2着に敗れていたシャンハイボビーが2番人気5着で、同陣営はケンタッキーダービーにはむかわないと発表しました。


オーブは父マリブムーン、母レディリバティ、母の父アンブライドルドという血統

デビューから3戦は勝てませんでしたが、デビュー戦はヴァイオレンスの3着、3戦目はヴァイジャックの4着で、その2頭はケンタッキーダービー有力候補だからそう悪くない結果(ヴァイオレンスはすでに故障で引退しましたが)。

4戦目で初勝利を挙げると、2連勝で臨んだ前走6戦目の米G2ファンテンオブユースS.(ダート8.5ハロン)で前述ヴァイオレンスを1/2馬身差下し、3着にはさらに6・3/4馬身差をつけて重賞初出走初勝利を挙げていました。ダート8.5ハロン以上では今回含め3戦3勝です。

次走はケンタッキーダービーへ。問題はヴェラスケスが騎乗してくれるか分からないことで、同騎手は4月6日(日本時間7日)の米G1ウッドメモリアルで騎乗予定の無敗馬ヴェラザノとの間で迷っているのでウッドメモリアルにはそういう点でも注目です。

2013年フロリダダービーのレース映像(YouTube)。ゲート手前から5頭目の発走がオーブです。

フロリダダービー(Besilu Stables Florida Derby)
2013年3月30日、アメリカ・ガルフストリームパーク競馬場、ダート9ハロン
3歳、G1、10頭、レース結果(PDF)、総賞金100万米ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1オーブ
Orb
3牡
3.9倍
J.ヴェラスケス1分50秒877戦【4-0-1-2】
重賞2連勝
2イッツマイラッキーデイ
Itsmyluckyday
3牡
2.7倍
E.トルヒーヨ2・3/410戦【5-2-1-2】
ステークス4勝
3メリットマン
Merit Man
3牡
30.1倍
K.デザーモ2・1/46戦【3-1-1-1】
前走7ハロンG3で4着

米3歳牝馬G2でドリーミングオブジュリアが約22馬身差圧勝。ケンタッキーオークスへ

3月30日に行われた米G2ガルフストリームオークス(ダート9ハロン、3歳牝馬)は、2番手追走のドリーミングオブジュリアが最終コーナーで先頭に立つと、後続をぐんぐん突き離し、2着に21・3/4馬身差をつけて圧勝しました。重賞2勝目。勝ちタイムはこの4レース後に行われた3歳牡馬のG1フロリダダービーより1.9秒速いものでした。逃げた2番人気のライブライブリーが2着に入っています。

この時期にこの勝負服でこの圧勝だからレイチェルアレクサンドラを思い出しましたが、よく考えるとレイチェルが10馬身差以上で圧勝したのはケンタッキーオークスの20・1/4馬身差が最初であり、またこの勝負服に変わったのはその次のプリークネスS.からでしたね。


ドリーミングオブジュリアは父エーピーインディ、母ドリームラッシュ、母の父ワイルドラッシュという血統。母ドリームラッシュは6ハロンと7ハロンの米G1を1勝ずつしています。

デビューから3連勝で米G1フリゼットS.(ダート1マイル、2歳牝馬)勝ち。続く米G1 BCジュベナイルフィリーズ(ダート8.5ハロン)は約5馬身差の3着。さらに米G2デヴォナデールS.(ダート8.5ハロン)は約2kg軽い斤量だったライブライブリーに1・1/2馬身差で逃げ切りを許していました。

あまりの圧勝にプレッチャー調教師は「昨年までと同じ選出システムであればケンタッキーダービー出走も考えたかもしれないね」とコメント。昨年までは重賞での賞金獲得額が単純に多いほうから出走できましたが、今年からはポイント制に変わり、指定競走で着順に応じて得たポイント順で出走できるようになりました。

ここで重要な点はダービーとオークスではトライアル競走が区別されていることで、ドリーミングオブジュリアはオークスでは4月6日時点で優先順位2位ですが、ダービーは0ポイントのため、出走するためには4月6日のウッドメモリアルまたはサンタアニタダービー、13日アーカンサスダービーまたはブルーグラスS. を使って最低でも2着1回が必要で、もしかすると2着2回または1勝以上が必要です。さすがにそんなことはしないと。

というわけで5月3日のケンタッキーオークスに向かいます。

2013年ガルフストリームオークスのレース映像(YouTube)。

ガルフストリームオークス(Gulfstream Oaks)
2013年3月30日、アメリカ・ガルフストリームパーク競馬場、ダート9ハロン
3歳牝馬、G2、6頭、レース結果(PDF)、総賞金30万米ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ドリーミングオブジュリアDreaming of Julia3牝
2.6倍
J.ヴェラスケスタイム6戦【4-1-1-0】
重賞2勝目
2ライブライブリー
Live Lively
3牝
2.8倍
R.マラージ21・3/45戦【3-1-1-0】
前走重賞初勝利
3キューザムーン
Cue the Moon
3牝
9.0倍
R.ナプラヴニク43戦【1-1-1-0】
前走重賞2着

母の父サンデーサイレンスのクワイエットオアシスが約9ヶ月ぶりに復帰し米G2で3着

3月24日に行われた米G2サンタアナS.(芝9ハロン、4歳以上牝馬)は、5番手追走した2番人気ティズフラテーシャスが逃げた3番人気クワイエットオアシスをゴール直前で交わすと、最後方(6番手)から追い込んだ1番人気レディオブシャムロックに1馬身差をつけ重賞初勝利を挙げました。

クワイエットオアシスはレディオブシャムロックからアタマ差の3着。


勝ったティズフラテーシャスは父ティズバッド、母マスカレードベル(未出走)、母の父ヴィクトリーギャロップという血統の5歳牝馬。ティズバッドは米G2で3着1回しただけですが、ティズナウの全弟で種牡馬入り。これが産駒の重賞初勝利です。ちなみにティズフラテーシャス以外で唯一重賞2着があるニーナズドラゴンにもシアトルスルーのクロスがあります。

3走前の米G1メイトリアークS.(芝1マイル、3歳以上牝馬)2着など、今回含め重賞4戦して【1-2-1-0】、芝に限れば3戦【1-2-0-0】と安定しています。次走は5月27日の米G1ゲームリーS.(芝9ハロン、4歳以上牝馬)になる模様。


昨年のゲームリーS.で1/2馬身差2着し、その次走7月の米G2ロイヤルヒロインマイルS.(芝1マイル)1着以来の出走だったクワイエットオアシスは9ヶ月ぶりでも1着から約1馬身差の3着。

膝の骨片摘出手術を受けたための休養でしたが、その影響も無いようですね。アメリカンオークス(芝10ハロン)、デルマーオークス(芝9ハロン)と米G1を2勝し、米G1 BCフィリーアンドメアターフでも欧州からの移籍・遠征馬に混じって5着したレディオブシャムロックと同斤量でアタマ差ならまたすぐ重賞を勝てるでしょう。

2013年サンタアナS.のレース映像

サンタアナステークス(Santa Ana Stakes)
2013年3月24日、アメリカ・サンタアニタパーク競馬場、芝9ハロン
4歳以上、G2、6頭、レース結果(PDF)、総賞金15万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ティズフラテーシャス
Tiz Flirtatious
5牝
3.0倍
J.ルパルー
53.5kg
1分46秒629戦【6-2-1-0】
重賞初勝利
2レディオブシャムロック
Lady of Shamrock
4牝
2.0倍
M.スミス
54.4kg
112戦【6-2-1-3】
米G1競走2勝
3クワイエットオアシス
Quiet Oasis
5牝
6.9倍
M.グティエレス
54.4kg
アタマ11戦【4-2-2-3】
米芝重賞2勝

米G1サンタマルガリータS.、ジョイフルヴィクトリーが逃げ切りG1初勝利

3月16日に行われた米G1サンタマルガリータS.(ダート9ハロン、4歳以上牝馬)は、1番人気のジョイフルヴィクトリーが2着に4馬身差をつけて逃げ切り、重賞は約2年ぶり3勝目、G1競走初勝利を挙げました。

後方追走の2頭が最終コーナーでジョイフルヴィクトリーの直後まで追い上げましたが、最後の直線に入ると再び突き放され、2番人気モアチョコレートが2着に入り、3番人気のブラッシュドバイアスターがさらに5・1/4馬身差の3着に入っています。


ジョイフルヴィクトリーは父タピット、母ワイルドルーシーブラック(米7戦1勝)、母の父ワイルドアゲインという血統の5歳牝馬。

ここまでケンタッキーオークス4着、マザーグースS.およびゼニヤッタS.でどちらも2着と好走を続けてきましたが、G1出走7戦目でようやく勝ちました。

ちなみに前走1月のヒューストンレディーズクラシックS.(ダート8.5ハロン、非重賞、PDF)の総賞金はこのサンタマルガリータS.より10万ドル高い40万ドルで、2着ブラッシュドバイアスターに4・1/4馬身差をつけレコードタイムで勝っていました。

これでジョイフルヴィクトリーとブラッシュドバイアスターは近4走を同じレースで走り、ブラッシュドバイアスターが昨年7月にG2を勝っているため4走ともジョイフルヴィクトリーより斤量を背負っていますが、最初の2戦はブラッシュドバイアスターが1着、2着でジョイフルヴィクトリーが2着、3着し、後半の2戦かつ賞金の高いほうの2戦はジョイフルヴィクトリーが連勝し、ブラッシュドバイアスターが2着、3着という結果です。

G1に限らず2012年は重賞5戦して2着3回3着2回という結果でしたが、今年は2戦全勝。またこのサンタアニタ競馬場ではG1ゼニヤッタS.2着、ヒューストンレディーズクラシックS.1着、そしてサンタマルガリータS.1着と3戦2勝2着1回となりました。秋の最大目標である米G1 BCレディーズクラシックに備えて休養に入るとのことで次走は不明。

2013年米G1サンタマルガリータS.のレース映像。芦毛がジョイフルヴィクトリー。

サンタマルガリータステークス(Santa Margarita Stakes)
2013年3月16日、アメリカ・サンタアニタ競馬場、ダート9ハロン
4歳以上牝馬、G1、5頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金30万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ジョイフルヴィクトリー
Joyful Victory
5牝
2.1倍
R.ナプラヴニク
約53.5kg
1分49秒5317戦【6-5-3-3】
重賞3勝目
2モアチョコレート
More Chocolate
4牝
3.2倍
M.ガルシア
約53.5kg
49戦【3-2-1-3】
前走米G2勝ち
3ブラッシュドバイアスター
Brushed by a Star
5牝
5.1倍
V.エスピノーザ
約54.4kg
5・1/422戦【6-7-3-6】
米G2を2勝

豪G1ザ・ギャラクシー、ベルスプリンターがG1初勝利

3月30日に行われた豪G1ザ・ギャラクシー(芝1100m、3歳以上)は、後方2番手追走のベルスプリンターが最後の直線で大外から差し切り、2着に3・1/4馬身差をつけて重賞2勝目、G1初勝利を挙げました。

昨年の勝ち馬テンプルオブブームが5着。昨年の豪G1マニカトS.(芝1200m)勝ち馬シーサイレンは約4ヶ月ぶりの出走でも2番人気でしたが8着に敗れています。


ベルスプリンターは父ベルエスプリット、母ガブローシュ、母の父スニペッツという血統の5歳セン馬。ブラックキャビアの父でもあるベルエスプリット産駒としては3頭目のG1勝ち馬になりました。ちなみにブラックキャビアの母の母の父がスニペッツです。

今回8着のシーサイレンとは過去2戦の前述マニカトS.および豪G1パティナックファームクラシック(芝1200m)でも対戦し、シーサイレンが1,2着に対して、ベルスプリンターが3・1/2馬身差着と7馬身差9着という結果で、スニツァーランドは後者で5馬身差6着。

スニツァーランドとは当時の7kg差から同斤量に変わったのが当然有利として、それ以外にパティナックファームクラシック後に行ったのど鳴りの手術が良かったとウォーレン調教師が述べています。同師がこれがG1初勝利でした。

次走は4月14日の豪G1 T.J.スミスS.でブラックキャビアと初対戦する予定。あまり間隔を詰めて使いたくはないがブラックキャビアと対戦できる機会はもうほとんど無いからとのことで、やる気があって好感が持てます。

その後は星G1クリスフライヤー国際S.の招待を受諾しており、ダッシャーゴーゴーにとっては強敵が1頭加わることになりました。

2013年ザ・ギャラクシーのレース映像(YouTube)。

ザ・ギャラクシー(The Galaxy)
2013年3月30日、オーストラリア・ローズヒル競馬場、芝1100m
3歳以上、G1、13頭、レース結果、総賞金35万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ベルスプリンター
Bel Sprinter
5セン
10倍
K.マケヴォイ
53.5kg
1分02秒8714戦【7-1-0-6】
豪G3を1勝
2スニツァーランド
Snitzerland
3牝
3.75倍
C.ブラウン
53.5kg
3・1/413戦【7-3-0-3】
G1ゴールデンスリッパー2着など
3デシジョンタイム
Decision Time
5セン
17倍
J.マクドナルド
55.0kg
3/417戦【8-3-2-4】
豪重賞2勝2着3回

豪G1ローズヒルギニー、イッツアダンディールが圧勝でG1競走3勝目

3月30日に行われた豪G1ローズヒルギニー(芝2000m、3歳)は圧倒的1番人気のイッツアダンディールが後方2番手から直線に向くと1頭だけ違う脚で大外を突きぬけ、2着に6・3/4馬身差をつけて圧勝しました。前走の豪G1ロイヤルランドウィックギニー(芝1600m、3歳)に続きG1連勝(通算3勝目)です。

ロイヤルランドウィックギニー5着のセイクリッドフォールズが後方3番手から内を差して2番人気5着、同3馬身差3着のタトラが4番人気3着に入っています。


イッツアンダンディールは父ハイシャパラル、母スタリール(未出走)、母の父ザビールという血統のニュージーランド産馬。2代母がNZオークスなど新G1を2勝。


デビューから5連勝で豪G1スプリングチャンピオンS.(芝2000m)優勝。その後は豪G1ヴィクトリアダービー(芝2500m)7着など2連敗し、4ヶ月ぶりの前々走、豪G2ホバートヴィルS.を4着して豪G1ロイヤルランドウィックギニーを勝っていました。大きく負けたのはそのヴィクトリアダービーとホバートヴィルS.の2戦だけ。

次走は4月13日の豪G1オーストラリアンダービー(芝2400m)へ。2000mより長い距離はここまで2戦2敗で距離克服なるか。ヴィクトリアダービー勝ち馬ファイヴアンドアハーフスターも4月6日の豪G1ザ・BMW(芝2400m)を勝って参戦予定で、これは楽しみな再戦です。

2013年ローズヒルギニーのレース映像(YouTube)。内から3頭目、ゼッケン2番がイッツアダンディール。

ローズヒルギニー(M.J. Bale Rosehill Guineas)
2013年3月30日、オーストラリア・ローズヒル競馬場、芝2000m
3歳56.5kg、G1、8頭、レース結果、総賞金50万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1イッツアダンディール
It's A Dundeel
3牡
1.3倍
J.マクドナルド2分02秒2510戦【7-1-0-2】
G1競走2勝目
2セイクリッドフォールズ
Sacred Falls
3牡
10倍
L.イネス6・3/49戦【6-1-0-2】
G1新2000ギニー1着
3タトラ
Tatra
3牡
13倍
K.マケヴォイアタマ14戦【3-1-4-6】
豪3歳マイルG2勝ち

エリザベス女王のカールトンハウス、豪移籍初戦は13着

エリザベス女王の所有馬カールトンハウスが3月30日の豪G2エイジャックスS.(芝1500m、3歳以上ハンデ)で豪移籍緒戦を迎えましたが、出遅れ気味のスタートから中団のまま伸びず5・1/2馬身差の13着に終わりました。

逃げたハヴァナレイが1着、2番手追走のモントンが3着という前残りの展開も合わなかっただろうし、トップハンデ、初の1500mという条件での結果なので参考外ですね。

なお、レース後に左前跛行も見られたということでまたしばらく出走しないとのこと。

2013年エイジャックスS.のレース映像。 ゼッケン1番、黒の帽子、紫の胴、赤の袖がカールトンハウス。

2013年4月5日金曜日

サイレントネーム産駒セットルアがブラジル2歳G3で2着

3月31日に行われた伯G3マリオ・デ・アゼヴェド・リベイロ大賞(芝1400m、2歳牡セン)に出走したサイレントネーム産駒のセットルアが逃げ、最後の直線で2番手追走の1番人気バルアバリには交わされましたがしぶとく粘って後続を押さえ込み、2馬身差の2着に入っています。

サイレントネーム産駒がブラジル重賞2着など、週末の日本関係馬の成績

セットルアは父サイレントネーム(その父サンデーサイレンス)、母ナヤラゴールド(伯G2を1勝、伯G3を2勝)、母の父ノウハイツという血統のブラジル産馬。

デビュー2戦目の前走で2着に5・1/2馬身差をつける快勝で初勝利を挙げ、今回は2番人気に支持されていました。ここまで2戦2勝、前走の準重賞も3・1/4馬身差で快勝していたバルアバリには力の差を見せ付けられましたが、その準重賞2,3着馬には先着しており、今後も重賞で活躍出来そうです。


サイレントネームは2009年にブラジルで供用され、イルーシヴクオリティーと並んで同年最多タイの116頭に種付け。同3位がバルアバリの父プットイットバックの106頭です。

ブラジルで2010年に生まれた産駒ではプットイットバックがこれまでバルアバリのほかに準重賞勝ち馬が1頭(バルアバリとあわせて準重賞2勝)。イルーシヴクオリティーも重賞勝ち馬1頭。一方サイレントネーム産駒は準重賞勝ち馬が2頭(計2勝)とセットルアが代表産駒で、プットイットバックのほうがやや活躍しています。

ただプットイットバックは2009年の種付けシーズン以前にブラジルで何頭もG1を出した実績がすでにあり、イルーシヴクオリティーも産駒のレイヴンズパスが前年のBCクラシックを勝つなどしていましたから、繁殖の質はほぼ間違いなく2頭>サイレントネームと思われるのに(実際どうかは分かりませんが)、これだけやれるなら十分でしょう。

ちなみにアメリカでのサイレントネーム産駒には3月の米芝マイルG1でハナ差2着したサイレンティオがいます。

2013年マリオ・デ・アゼヴェド・リベイロ大賞のレース映像。芦毛がセットルア。赤の帽子がバルアバリ。

マリオ・デ・アゼヴェド・リベイロ大賞
(Grande Premio Mario De Azevedo Ribeiro)
2013年3月31日、ブラジル・ガベア競馬場、芝1400m
2歳牡セン、56kg、G3、7頭、レース結果、総賞金5万2000ブラジルレアル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1バルアバリ
Bal A Bali
2牡1.8倍V.Borges1分27秒453戦【3-0-0-0】
重賞初勝利
2セットルア
Set Lua
2牡
4.6倍
A.Mendes22戦【1-1-0-1】
デビュー戦4着
3ホジェデマニャ
Hoje De Manha
2牡
5.6倍
C.Lavor1・1/24戦【0-3-1-0】

仏G3アンプリュダンス賞、サンデーブレイク産駒ホーリーダズルが2着

4月4日に行われた仏G3アンプリュダンス賞(芝1400m、3歳牝馬)は中団追走の1番人気ワットアネームがクビクビの接戦を制して重賞2勝目を挙げました。

またサンデーブレイク(その父フォーティナイナー。ファレノプシス、キズナの半兄弟) 産駒のホーリーダズルが10頭立て9番人気で2着に入っています。

仏G3勝ち馬で、仏G1マルセルブサック賞(芝1600m)は1番人気で1・3/4馬身差5着に敗れたピースバーグが2番人気でしたが、3着からさらに1/2馬身差の4着でした。


ワットアネームは父ミスターグリーリー、母ボニーバイアリー、母の父デイジュールという血統のアイルランド産馬。祖母が米G1勝ち馬、半兄に米G1で2着のあるディアボリカルがいます。

2走前に仏G3ラロシェット賞(芝1400m)で重賞初勝利(ちなみにこのとき2着馬は父の父がサンデーサイレンス)を挙げ、続く仏G1ジャンリュックラガルデール賞(芝1400m)も1・1/4馬身差の2着に入って2戦連続牡馬相手に好走していました。牝馬限定戦に戻った今回は僅差でしたが順当な勝利です。

次走は英1000ギニーか仏1000ギニーかで、おそらく前者に向かうとのこと。


ホーリーダズルは昨年11月の仏G3ミエスク賞(芝1400m、2歳牝馬)でも3着に入っており、これで2走連続重賞で好走。ちなみにミエスク賞の1,2着馬は今回それぞれ7着、5着でした。レーシングポスト表記でHeavy(不良)だった当時に比べGood to Soft(やや重ー重)の今回は同コースなのに勝ち時計は6秒も速く、馬場適正の差による逆転でしょう。

2009年に仏G1イスパーン賞(芝1850m)を勝つなどしたネバーオンサンデー以来となるサンデーブレイク産駒の重賞活躍馬だと思います。ホーリーダズルとネバーオンサンデーは母の父がグレイソヴリン系で(といっても6代前と7代前ですが)、母が4代内にヴェイグリーノーブルを持っている点が共通しています。ヴェイグリーノーブルはサンデーブレイク(やビワハヤヒデ、ナリタブライアン)の3代母フィジーと共通点の多い血統であり、これが理由で相性がいいのかもしれません。

次走は不明ですが、仏1000ギニーに出て欲しいですね。昨年はディープインパクト産駒ビューティーパーラーが勝ったので、日本産種牡馬による2年連続勝利がかかっています。

2013年インプルーデンス賞のレース映像。


アンプリュダンス賞(Prix Imprudence)
2013年4月4日、フランス・メゾンラフィット競馬場、芝1400m
3歳牝馬57kg、G3、10頭、レース結果、総賞金8万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ワットアネーム
What A Name
3牝
2.6倍
C.ルメール1分26秒675戦【3-1-1-0】
重賞2勝目
2ホーリーダズル
Holy Dazzle
3牝
25倍
R.トーマスクビ8戦【2-2-3-1】
ほかに準重賞3着
3スピンエーカー?
Spinacre
3牝
17倍
G.モッセクビ6戦【2-1-1-2】
愛G3で4着

G2ゴドルフィンマイル、ソフトフォーリングレインが無敗の7連勝で重賞3勝目

3月30日に行われたG2ゴドルフィンマイル(AW1600m)は4,5番手追走のハーセクが最後の直線で抜け出しましたが、8番手追走のソフトフォーリングレインが残り100mで外から差し切って優勝し、デビューから無敗の7連勝、重賞3勝目を挙げました。

昨年の米G1トラヴァースS.1着同着のアルファは4馬身差の5着。昨年のG1ジェベルハッタ勝ち馬でエイシンアポロン半弟のマスターオブハウンズが15着など。


ソフトフォーリングレインは父ナショナルアセンブリー、母ガーデナーズデライト、母の父ジャイアンツコーズウェイという血統の南アフリカ産馬。この3レース後のG1アルクォズスプリント勝ち馬シェイシェイも南ア産馬で、その父の父がナショナルアセンブリーです。

昨年4月の南アG1 SAナースリー(芝1160m)を4馬身差で勝ち、デビューから4戦無敗としてドバイ遠征へ。9月ぶりの出走だった今年1月のドバイ初戦UAE2000ギニートライアル(AW1400m)を勝ち、ドバイ2戦目で前走のG3 UAE2000ギニー(AW1600m)も2・1/2馬身差で完勝していました。

UAEダービーに出走することも出来ましたが、距離を考えてこちらへ。「考えていたより外を回らされてしまったが」とハナガン騎手。「この勝利は私にとって最高の勝利です。これ以前には昨年の英G1ジュライカップがそうでした」と述べています。

この後はロイヤルアスコットの英G1クイーンアンS.(芝1マイル)か英G1ダイヤモンドジュビリーS.(芝6ハロン)へ向かうとのこと。M.デコック調教師は「素晴らしいスピードの持ち主なので、距離延長は考えていません」と。

2013年ゴドルフィンマイルのレース映像。


ゴドルフィンマイル(Godolphin Mile Sponsored By Etisalat )
2013年3月30日、ドバイ・メイダン競馬場、AW1600m
G2、16頭、レース結果、総賞金100万米ドル

馬名性齢騎手着差通算成績
主な成績
1ソフトフォーリングレイン
Soft Falling Rain
3牡P.ハナガン
55.0kg
1分39秒977戦【7-0-0-0】
重賞3勝目
2ハーセク
Haatheq
6牡R.フレンチ
57.0kg
3/432戦【7-10-4-11】
昨年5着
3ムーンウォークインパリ
Moonwalk In Paris
5センA.アジュテビ
57.0kg
114戦【5-5-3-1】
仏マイル重賞【1-2-1-0】

G3ドバイゴールドカップ、キャバルリーマンが重賞3勝目。春天は辞退

3月30日に行われたG3ドバイゴールドカップ(芝3200m)は、6番手追走のキャバルリーマンが最終コーナーで置かれたように見えましたが、残り300mから200mで素晴らしい伸びを見せ、2着に3馬身差をつけて快勝し、通算7勝目、重賞は2009年の仏G2ニエル賞以来となる3勝目を挙げました。

2着のアージマーは武豊騎手が昨年のシャーガーカップで騎乗して4番人気2着(1馬身差)だった馬です。それが12ハロン初出走で、それ以降、今回まで12ハロン以上で6戦連続走り、【2-4-0-0】、前走G3ナドアルシバトロフィー(芝2810m)で重賞初勝利という成績。

昨年の仏G1パリ大賞(芝2400m、3歳)勝ち馬インペリアルモナークは6着。昨年の  
英G1アスコットゴールドカップ(芝20ハロン)3着馬で英G2グッドウッドカップ(芝2マイル)勝ち馬のドラーズロックが7着。


キャヴァルリーマンは父ホーリング、母シルヴァーソード、母の父ハイエストオナーという血統のイギリス産馬。ちなみに2代母の1歳下の全弟がシルヴァーエンディング。

2009年に仏G1パリ大賞と仏G2ニエル賞を連勝して出走した仏G1凱旋門賞は3着。それ以降は2010年に独G1バーデン大賞(芝2400m)、伊G1ジョッキークラブ大賞(芝2400m)でどちらも3着になったものの、勝ち鞍は準重賞2勝にとどまっていました。

これでメイダン芝は5戦して【1-1-1-3】。着外2回はいずれもG1で、G2、G3クラスなら安定しています。

4月28日の天皇賞春に選出されていましたが辞退し、次走は登録している5月17日の英G3ヨークシャーカップ(芝14ハロン)が有力です。

2013年ドバイゴールドカップのレース映像。青の帽子・勝負服がキャヴァルリーマン。


ドバイゴールドカップ(Dubai Gold Cup Sponsored By Al Tayer Motors )
2013年3月30日、ドバイ・メイダン競馬場、芝3200m
G3、10頭、レース結果、総賞金100万米ドル

馬名性齢騎手着差通算成績
主な成績
1キャヴァルリーマン
Cavalryman
7牡S.デソウザ57.0kg3分25秒3130戦【7-4-4-15】
2009年仏G1パリ大賞
2アージマー
Ahzeemah
4センK.ファロン54.5kg314戦【4-6-2-2】
前走G3勝ち
3ヴェレマ
Verema
4牝C.ルメール52.5kg1/48戦【2-1-1-4】
前走10月仏長距離G1で4着
3走前に仏長距離G3勝ち

2013年4月2日火曜日

G2 UAEダービー、ラインズオブバトルが勝ち、ケンタッキーダービーへ。ダイスフレイバー8着。ケイアイレオーネ10着

3月30日に行われたG2 UAEダービー(AW1900m)は、序盤は先頭グループを形成したラインズオブバトルが3角で2馬身差の3番手に下げましたが、最終コーナーで前を捉えにかかると残り300mで抜け出し、内から迫ったエレヴァルをゴール前もう一度突き放して1・1/2馬身差をつけ重賞初勝利を挙げました。

日本人オーナーの米国調教馬ダイスフレイバーと、日本から遠征したケイアイレオーネは中団、後方につけましたが、最終コーナーですでに遅れ始め、それぞれ8着、10着に敗れました。

前哨戦の準重賞アルバスタキヤ(AW1900m)勝ち馬シークレットナンバーが3着。G3 UAE2000ギニー(AW1600m)2着、アルバスタキヤ3着のスノーボーダーが4着。10月の伊G1グランクリテリウム(芝1600m)勝ち以来の出走だったロウエンフォースメントが5着。G2 UAEオークス(AW1900m)勝ち馬シュルクが7着。米G1 BCジュベナイル(ダート8.5ハロン)頭差2着も米AW重賞は2戦して良いところ無しのヒーズハドイナフはケイアイレオーネから1/2馬身差の11着。


ラインズオブバトルは父ウォーフロント、母ブラックスペック(仏6戦1勝)、母の父アーチという血統のケンタッキー州産馬。ダンジグの2×4。半弟に仏G1ジャンリュックラガルデール賞2着のバトルペイントがいます。

デビュー3戦目の愛G3ティロスS.(芝7ハロン、2歳)はクビ差2着。その次走、愛AW7ハロン準重賞を2馬身差で勝ち、米G1 BCジュベナイルターフ(芝1マイル)は前にやや厳しい展開を先行して7着に敗れています。今回はそれ以来の出走でした。これでオールウェザーは2戦2勝です。

次走は米G1 ケンタッキーダービーに向かう模様。同じA.オブライエン調教師の管理馬で昨年のUAEダービー馬ダディロングレッグズもケンタッキーダービーに出走して最下位20着に敗れました。当時は数日前にアメリカに到着。今年はより早く輸送することも考えているとのこと。

母ブラックスペックはダイナフォーマーの半妹で、その父アーチの代表産駒ブレイムはケンタッキーダービーと同じチャーチルダウンズの10ハロンで行われたBCクラシックでゼニヤッタを負かしました(まあブレイムは3代母がスペシャル、2代母がヌレイエフの3/4同血であることのほうが重要でしょうが)。

父ウォーフロントにはスプリントからマイル付近で強い産駒が多いですが今回1900mで勝ちましたし、母がダイナフォーマー半妹のアーチ産駒ならケンタッキーダービーのペースでも10ハロンはこなせそうで、あとは初ダートがどうかだけですかね。

2013年 UAEダービーのレース映像。4番、緑の勝負服がラインズオブバトル。


UAEダービー
(UAE Derby Sponsored By The Saeed & Mohammed Al Naboodah Group )
2013年3月30日、ドバイ・メイダン競馬場、AW1900m
3歳、G2、12頭、レース結果、総賞金200万米ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ラインズオブバトル
Lines Of Battle
3牡R.ムーア
55.0kg
2分02秒056戦【3-1-0-2】
2走前に愛AW準重賞勝ち
2エレヴァル
Elleval
3センF.リンチ
55.0kg
1・1/210戦【2-3-0-5】
デビュー6戦目の愛AWで初勝利
3シークレットナンバー
Secret Number
3牡S.デソウサ
55.0kg
1/23戦【2-0-1-0】
重賞初出走

G1アルクォズスプリント、シェイシェイがG1競走3勝目

3月30日に行われたG1アルクォズスプリント(芝1000m)は6,7番手追走のシェイシェイが先に抜け出した昨年の3着馬ジョイアンドファンを3/4馬身差し切って優勝し、南ア時代とあわせてG1競走3勝目を挙げました。

前走1月の香港ローカルG1センテナリースプリントカップ(芝1000m)を勝って同レース2連覇したイーグルレジメントは、レース直前に脚部不安で2年連続で回避の可能性も伝えられましたが、出走してなんと3着。

調教国は南ア→香港→香港の1,2,3着で、また南半球産馬が5頭出走して1,2,3,5着という芝短距離らしい結果になりました。

昨年このレース2着、2010年に英G1勝ち、前走シェイシェイの2着だったソールパワーが4着。昨年の星G1クリスフライヤー国際スプリント(芝1200m)2着のミスタービッグが5着。昨年の英G1ナンソープS.(芝5ハロン)2着スピリットクォーツが8着。


シェイシェイは父ナショナルエンブレム、母ヤンキークリッパー、母の父ジャラッドという血統の南アフリカ産馬。

2011年に南アG1ゴールデン・ホース・カジノ・スプリント(芝1200m)を、昨年2012年に南アG1コンピュタフォームスプリント(芝1000m)を勝ち、ドバイ遠征へ。半年近い検疫含む9ヶ月ぶりに出走したドバイ緒戦のハンデ戦は60kgを背負って7着に敗れましたが、前走ドバイ2戦目のメイダンスプリントはソールパワーやスピリットクォーツを相手に2・1/2馬身差で完勝していました。

この後は6月の英G1キングズスタンドS.(芝1200m)へ。昨年のアルクォズスプリント勝ち馬オルテンシアも同レースをその次走に選び9着でしたが、香港調教馬のリトルブリッジが勝ちました。シェイシェイももちろん有力ですが豪ブラックキャビアも出てくる可能性もあるのでこの対戦は楽しみです。

2013年アルクォズスプリントのレース映像。右から7頭目発走の黄色の帽子がシェイシェイ。


アルクォズスプリント(Al Quoz Sprint Sponsored By Emirates NBD )
2013年3月30日、ドバイ・メイダン競馬場、芝1000m
G1、16頭、レース結果、総賞金100万米ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1シェイシェイ
Shea Shea
5センC.スミヨン56秒4119戦【10-2-3-4】
南アで重賞3勝
2ジョイアンドファン
Joy And Fun
9センT.アングランド3/458戦【12-6-5-35】
G3だった2010年の勝ち馬
香港スプリント2,3,4着を1回ずつ
3イーグルレジメント
Eagle Regiment
5センO.ドゥルーズ3/413戦【7-3-1-2】
前走の香港ローカルG1を2連覇

G1ドバイゴールデンシャヒーン、タイセイレジェンド12着。レイナルドザウィザードがG1初勝利

3月30日に行われたG1ドバイゴールデンシャヒーン(AW1200m)は、4番手追走のレイナルドザウィザードが残り350mで先頭に立つと、内から差したバルモントマストを1/4馬身差抑えて優勝し、重賞2連勝、G1初勝利を挙げました。昨年の勝ち馬クリプトンファクターが3着で、3月のドバイG3マハーブ・アル・シマール(AW1200m)の1着、3着、2着の順で決まっています。

日本から遠征したタイセイレジェンドは約15馬身差の12着。ただし昨年の米G1 BCスプリント勝ち馬トリニバーグには鼻差敗れただけです。

昨年の豪G1パティナックファームクラシック(芝1200m)勝ち馬で、2月のドバイG3(AW1200m)で今回の2、3着を負かしていたメンタルがそれ以来の出走でまさかの10着。昨年の仏G1フォレ賞(芝1400m)勝ち馬ゴードンロードバイロンが7着。昨年12月の米G1マリブS.(ダート7ハロン)2着プライヴェートゾーンが約5馬身差9着など。


勝った7歳馬レイナルドザウィザードは父スパイツタウン、母ホリデイランナー、母の父メドウレイクという血統のケンタッキー州産馬。アメリカでデビューし2戦目の米G2で7馬身差3着。2010年-12年はドバイAWの1200m-1600mで9戦し条件戦で3勝、ただし重賞出走はありませんでした。

今年になってブリンカーつけてから一変し今回で3戦3勝。前走3月のドバイG3マハーブ・アル・シマール(AW1200m)でクリプトンファクターに4馬身差をつけ重賞初勝利を挙げたばかりでした。R.マレン騎手も「ヘッドギア(ブリンカー)をつけてから本領を発揮できるようになったようだ」と述べています

また2着の5歳馬バルモントマストもアイルランドでAWの準重賞を1勝しただけで欧州では重賞出走経験なし(まあバルモントマストがドバイ前の2戦連続で負かした相手であるノクターナルアフェアは安定感はないですが昨年のG1アルクォズスプリント6着という実績が一応あるのですが)。しかしドバイでの近4走は条件戦2着→前々走G3でメンタルの4着→前走G3で3着→今回2着で、前々走除き勝ち馬はレイナルドザウィザードだから、今年初めにこんな結果になると予想できた人は誰もいないはずで、馬場適正や調子、試行錯誤の重要性をこの日最も強く示したレースでした。


2013年 ドバイゴールデンシャヒーンのレース映像。右から5頭目、黄色地の勝負服がレイナルドザウィザード。


ドバイゴールデンシャヒーン(Dubai Golden Shaheen Sponsored By Gulf News)
2013年3月30日、ドバイ・メイダン競馬場、AW1200m
G1、13頭、レース結果、総賞金200万米ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1レイナルドザウィザード
Reynaldothewizard
7センR.マレン1分12秒4618戦【7-1-2-8】
08年に米G2で7馬身差3着
2バルモントマスト
Balmont Mast
5センJ.ムルタ1/425戦【4-5-5-11】
愛AW1200m準重賞1勝
3クリプトンファクター
Krypton Factor
5センK.ファロン1/225戦【8-6-5-6】
昨年の勝ち馬

2013年4月1日月曜日

G1ドバイデューティーフリー、牝馬サッジャーがG1連勝

3月30日に行われたG1ドバイデューティーフリー(芝1800m)は、前哨戦のG1ジェベルハッタ(芝1800m)の1,2着馬がそのままワンツーし、サッジャーはG1競走2勝目を挙げました。

昨年の英G1ファルマスS.(芝1マイル、3歳以上牝馬)勝ち馬で、牡馬相手の仏G1ガネー賞(芝2100m)、G1香港カップ(芝2000m)どちらも2着しているジオフラが3着に入っています。

南ア年度代表馬の牝馬イグーグーは5着。ここまでドバイ2戦では良いところがありませんでしたが、今回は昨年3着、前走ジェベルハッタ3着のシティースタイルにも先着し、G1馬10頭中では4番目でゴールで、陣営の期待ほどではなかったでしょうが、長い検疫の間に馬が終わったわけではないと分かった、悪くない結果です。


米G1ビヴァリーD.S.(芝9.5ハロン)勝ち馬アイムアドリーマーが7着。加G1ノーザンダンサーターフS.(芝12ハロン)2勝のウィグモアホールが8着。仏G1クリテリウム・アンテルナシオナル(芝1600m、2歳)勝ち馬で昨年の英2000ギニー2着馬フレンチフィフティーンが9着。昨年の米G1 BCターフ(芝12ハロン)勝ち馬リトルマイクが11着。コックスプレートなど新豪でG1競走5勝のオーシャンパークが12着。昨年の仏G1ジャンプラ賞(芝1600m、3歳)勝ち馬イソップスフェイブルズが最下位14着。


サジハーは父キングズベスト、母アナーミル(2戦1勝)、母の父ダルシャーンという血統のイギリス産馬。2代母が英オークス2着。

3走前にG2ケープヴェルディ(芝1600m)を、前々走G2バランシーン(芝1800m)を勝っており、ドバイでは4戦全勝となりました。2010年の伊G3とあわせて重賞5勝目です。

この後はイギリスに戻って向いたレースを探し、年後半は米フラワーボウルS.や加 E.P.テイラーS.などの牝馬G1を目指すとのこと。英では昨年の英G2でイジートップから1・1/2馬身差の2着があったりと重賞勝ちは無いですがなかなか良い結果を残していて今の状態ならG1でも注目が必要です。

2013年ドバイデューティーフリーのレース映像。内から5頭めの発走、3番手につける青の帽子、青の勝負服がサッジャーです。


ドバイデューティーフリー(Dubai Duty Free Sponsored By Dubai Duty Free )
2013年3月30日、 ドバイ・メイダン競馬場、芝1800m
G1、14頭、レース結果、総賞金500万米ドル

馬名性齢騎手着差通算成績
主な成績
1サッジャー
Sajjhaa
6牝S.デソウサ
55.0kg
1分47秒9317戦【8-4-0-5】
G1競走2連勝
2ジアパッチ
The Apache
5牡C.スミヨン
57.0kg
1・3/418戦【7-4-1-6】
2011年に南アG1を2勝
前走もサッジャーの2着
3ジオフラ
Giofra
5牝M.ギュイヨン
55.0kg
3/410戦【4-2-2-2】
英G1ファルマスS.1着

ドバイシーマクラシック、ジェンティルドンナ2着。セントニコラスアビーがG1競走5勝目。

3月30日に行われたG1ドバイシーマクラシック(芝2410m)は、2番手追走のセントニコラスアビーが3番手追走のジェンティルドンナに最終コーナーで半馬身差まで迫られましたが、最後は突き離して2・1/4馬身差をつけて優勝し、昨年6月の英G1コロネーションカップ(芝12ハロン10ヤード)以来となるG1競走5勝目を挙げました。

カタールローカルG1を2連勝して挑んだベリーナイスネームが人気薄で3着しペリエ騎手はさすが。一昨年の豪G1メルボルンカップ勝ち馬ドゥナデンが4着。昨年の英G1ヨークシャーオークスおよび仏G1ヴェルメイユ賞勝ち馬シャレータが6着。昨年の独G1オイロパ賞勝ち馬ジローラモが8着。

中団前目追走のトレイルブレイザーは残り600mですでに苦しく最下位11着に敗れています。鼻出血再発も疑いましたが、4月1日時点ではそのような報告は無いですね。


セントニコラスアビーは父モンジュー、母ハリーピングウォーター(未出走。半弟がG1馬)、母の父シュアブレードという血統

一昨年の米G1 BCターフなどこれでG1競走5勝目。昨年の英G1コロネーションカップでは、この1レース後のドバイワールドカップで2馬身差2着したレッドカドーに4・1/4馬身差をつけて完勝しています。

昨年のBCターフはトレイルブレイザーに1馬身先着する3着に終わっていましたが、ここは昨年シリュスデゼーグルに1/4馬身差2着した得意といっても良い舞台でもあり、「ジェンティルドンナを負かせるのはこの馬だけだなー」と思っていたら本当に負かされてしまいました。いつもより前につけたのはオーナーのデリック・スミス氏の指示によるものだそうです。


Trakus によると、ジェンティルドンナは外枠の分、セントニコラスアビーより9m、約3・1/2馬身分だけ長い距離を走っており、それで2・1/4馬身差だから、枠が逆だったらどうだったのかと、たらればを言いたくなりますね。

時計の話をすると、上位2頭の1600m以降のラップは次のとおり。全馬ラップはこちら。1800m地点をジェンティルドンナがセントより0.01秒速く通過していることになっているのでやや信用しにくいですが。
47.44(11.97)-35.47(11.46)-24.01(11.43)-12.58
47.60(11.80)-35.80(11.60)-24.20(11.34)-12.86

最後は200mではなく210mなので、残り200mを単純に計算すると(21で割って20を掛けると)、セントが約11.98、ジェンティルドンナ約12.25 です。

ジェンティルドンナにとっては不良馬場で2着だったデビュー戦以来の上がりのかかるレースで、去年のジャパンカップほど条件は合ってなかったでしょう。

まあでも、ジェンティルドンナについてニューヨーク競馬協会(NYRA)のハンデキャッパーがレース前に「今日ドバイで走る中で最も優れた馬であるといって問題ないだろう」とツイートするなど注目を浴びただけの走りはしたと思います。今後は宝塚記念を検討されているとのことで、オルフェーヴル、ゴールドシップとの3強対決が楽しみです。

2013年ドバイシーマクラシックのレース映像。内から6頭目、紫の帽子・勝負服がセントニコラスアビー。


ドバイシーマクラシック(Dubai Sheema Classic Presented By Longines )
2013年3月30日、ドバイ・メイダン競馬場、芝2410m
4歳以上、G1、11頭、レース結果、総賞金500万米ドル

馬名性齢騎手着差通算成績
主な成績
1セントニコラスアビー
St Nicholas Abbey
6牡J.オブライエン
57.0kg
2分27秒7020戦【8-2-7-2】
BCターフなどG1競走5勝
2ジェンティルドンナ
Gentildonna
4牝岩田康誠
54.5kg
2・1/410戦【7-2-0-1】
牝馬3冠、ジャパンカップ
3ベリーナイスネーム
Very Nice Name
4牡O.ペリエ
56.5kg
1・1/413戦【6-1-5-1】
カタールローカル重賞4勝