2010年3月30日火曜日

ゼニヤッタに半妹が誕生

09年のブリーダーズカップ・クラシック勝ち馬、ゼニヤッタ / Zenyatta に半妹が誕生しました。

Vertigineux Foals Half-Sister to Zenyatta - BloodHorses.com

ブラッドホースの記事によると、ゼニヤッタの母Vertigineux がヘンリーザナヴィゲーターの子を無事に産んだとのこと。Vertigineux 産駒には、先日のサンタマルガリータH.でデビュー以来無敗の15戦15勝としたゼニヤッタの他に、GI 3勝のバランス(父・サンダーガルチ)がいる。


ヘンリーザナヴィゲーターといえば、先日の記事「カジノドライヴに甥が誕生」でも紹介したとおり、2007年に牝馬としては102年ぶりの牡馬クラシック第3戦ベルモントステークス優勝を成し遂げたラグストゥリチッズもヘンリーザナヴィゲーター産駒を産んでいます。


うっとりするような豪華な血統のこの子どもたちがデビューするのは2012年です。

2010年3月28日日曜日

2010年ドバイ4競走のレース動画

日本馬4頭が出走したドバイのゴドルフィンマイル、ゴールデンシャヒーン、シーマクラシック、ワールドカップのレース映像です。4つとも YouTube から。

ゴドルフィンマイル(AW 1600m、GII)Godolphin Mile
グロリアスノアは内から5頭目の発走。赤いメンコ。



ゴールデンシャヒーン(AW 1200m、GI)Golden Shaheen
ローレルゲレイロは内から4頭目の発走。オレンジ帽。



シーマクラシック(芝2410m、GI)Sheema Classic
ブエナビスタは外から6頭目の発走。赤い帽子。サンデーレーシングのおなじみの勝負服。



ドバイワールドカップ(AW 2000m、GI)World Cup
レッドディザイアは内から3頭目の発走。赤い帽子。

これはもっと高画質のものを見つけたら差し替えます。

ドバイワールドカップ(GI)の外国出走馬

以前、ドバイワールドカップ出走馬のうち外国馬10頭を紹介しましたが、他の3頭の詳細も追加し、枠順どおりに並べます。


1. アリバーAllybar、15戦5勝2着1回3着4回)
ゴドルフィンの持ち馬です。09年5月に重賞初出走してから、いずれもフランスでグレフュール賞(3歳GII、サンクルー競馬場芝2000m)3着、ダフニ賞(GIII、芝1800m)2着、ユージーンアダム賞(GII、芝2000m)6着、ギョーム・ドルナノ賞(GII、芝2000m)3着、プランス・ドランジュ賞(GIII、芝2000m)3着。つまり重賞勝ちなし。今年2010年初戦をメイダン競馬場で迎え、GI 1勝2着2回3着1回のプレスヴィスを7馬身突き放して圧勝(ただしハンデ戦でプレスヴィス60kgに対してアリバーは54kg)。マクトゥームチャレンジラウンド2(GII)1着。マクトゥームチャレンジラウンド3でレッドディザイアの1馬身差4着。

フランスでの成績は平凡だが、メイダン競馬場での適性は高い。ミスターブロックと同程度の評価だが、まだ4歳だから成長力に期待できる。


2. ジターノエルナンド(Gitano Hernando、8戦5勝2着2回)
イギリス馬だが、09年3月にアメリカの3歳牡馬クラシック第3弾ベルモントステークスに出走を表明したユニークな経歴の持ち主。09年9月にグッドウッドステークス(GI、サンタアニタ競馬場オールウェザー1800m)で GI に初出走し優勝。ブリーダーズカップ・クラシックの有力候補に躍り出たが、ドバイの方を優先するとして BC は回避した。復帰戦の2月27日の英リングフィールド競馬場オールウェザー2000m戦(準重賞)は4馬身差圧勝。グッドウッドステークスで1/4馬身差2着に負かしたコロニアルジョンは次走、BC クラシックで4・1/2馬身差5着。またグッドウッドS.3着はリチャーズキッド。この2頭をものさしに実績を評価すると米国勢では3番手だが、キャリアが浅くまだ化ける可能性がある。


3. レッドディザイア
勝てるだろうと期待しています


4. ジオポンティGio Ponti、17戦9勝2着5回)
08年の3歳時は GII 1勝2着2回の成績どまりだったが、09年になって本格化。フランク・E・キルローマイルH.(芝1600m)、マンハッタンH.(芝2000m)、マンノウォーS.(芝2200m)、アーリントンミリオンS.(芝2000m)と GI 4連勝を記録。その後はジョー・ハーシュ・ターフ・クラシックS.(GI、芝2400m)2着のあと、ブリーダーズカップ・クラシック(GI、オールウェザー2000m)でゼニヤッタの2着。09年のエクリプス賞(全米年度代表馬顕彰)最優秀芝牡馬に選ばれた。2010年2月20日に今年初戦を迎えタンパベイ・ブリーダーズカップS.(芝1700m)でまさかの2着。まあこれは距離が短かったのだろうと思います。2000mぐらいが適距離で、オールウェザーの BC クラシック2着であり、最有力の1頭です。


5. グロリアデカンペオンGloria De Campeao、23戦8勝2着5回3着3回)
ブラジル生産馬。ブラジルでの競走馬時代は8戦5勝、GI 3着2回、GII 1勝、GIII 1勝。その後フランスのバリー厩舎に移籍する。がキャリアの半分ほどはドバイ・ナドアルシバ競馬場でのもので、08年マクトゥームチャレンジラウンド1(GIII、ダート1600m)9馬身差2着、マクトゥームチャレンジラウンド3(GII、ダート2000m)2着、ドバイWC(GI)8着。その後フランスドゥーヴィル競馬場でオールウェザー1900m戦(一般戦)を3着、凱旋門賞当日のドラール賞(仏GII、ロンシャン競馬場芝2000m)で8頭中最下位だった。

6歳になった09年は再びナドアルシバ競馬場で、マクトゥームチャレンジラウンド1(GIII、ダート1600m)12馬身差5着、マクトゥームチャレンジラウンド2(GIII、ダート1800m)6馬身差4着、メイダンホテルトロフィー(一般戦、1800m)した後、ドバイワールドカップ(GI、ダート2000m)でウェルアームドから14馬身差の2着に入った。その後シンガポール航空インターナショナルカップ(GI、クランジ競馬場芝2000m)をレコード勝ち、次の8月アーリントンミリオン(GI)はジオポンティから9馬身離された8頭立て7着だった。今年2010年はマクトゥームチャレンジラウンド1(GIII、オールウェザー1600m)1着、マクトゥームチャレンジラウンド3(GII、オールウェザー2000m)でレッドディザイアの2着だった。

芝2000mで GI 勝ちがあるのはドバイに向けて好材料である。一方08年ドラール賞、09年アーリントンミリオンで不可解なほど負けている。ハマれば怖いがどうだろうか。


6. ヴィジョンデタVision d'Etat、13戦9勝2着1回3着1回)
08年のジョッケクルブ賞(仏ダービー、GI、芝2100m)勝ち馬。次走、凱旋門賞の3歳馬トライアル競走ニエル賞(GII、芝2400m)に優勝して通算6戦6勝とし、凱旋門賞に出走したがザルカヴァの5着に敗れた。09年初戦のアークール賞(GII)は3着に敗れたが、ガネー賞(仏GI、芝2100m)、プリンス・オブ・ウェールズS.(英GI、芝2000)と GI 連勝。その後フォア賞(仏GII、芝2400m)2着、凱旋門賞でシーザスターズの10着だったが、エリザベス女王杯勝ち馬クイーンスプマンテも出走した香港カップ(GI、芝2000m)に優勝した。2400mは距離が長い印象。2000mならかなり強い。芝の経験しかないが、オールウェザーが芝馬向きなのは上の2頭からも明らかでドバイでも問題ないはず。今年未出走。ドバイWC ではペリエが騎乗する予定。


7. リザーズディザイア(Lizard's Desire、16戦6勝2着4回3着2回)
南アフリカで GIII(芝1400m)2着、GI(芝1600m)11着、GIII(芝2400m)1着、GI(芝2000m)10着、GII(芝2400m)2着がある。その後、メイダン競馬場で3走し、一般戦(1900m、2000m)をそれぞれ2・1/2馬身、2・1/4馬身差で勝利。マクトゥームチャレンジラウンド3でレッドディザイアから1・1/4馬身差5着。これは格下扱いで問題ないと思う。


8. ファーゼストランドFurthest Land、18戦8勝2着1回3着1回)
09年のブリーダーズカップ・ダートマイル(GI、オールウェザー1600m)1着。その前走ケンタッキーカップクラシック(GII、オールウェザー1800m)もクビ差1着。他に重賞勝ちはない。今年2010年に入って2戦しており、サンパスケルハンデキャップ(GII、オールウェザー1700m)1着から5馬身差の7着、サンアントニオH.でリチャーズキッド(上記)から1馬身差5着。BC ダートマイルは09年から GI になったレースで、2着のレディースエコーも GI と GII では3着まで、GIII では2着までの実績しかなかったブービー人気の馬で、荒れた結果だった。ファーゼストランドもドバイではさすがに厳しいだろう。


9. クラウデッドハウスCrowded House、8戦2勝2着3回)
2歳の08年、4戦目のレーシングポストトロフィー(GI、ドンカスター競馬場、芝1600)を3・1/2馬身差で優勝した。3歳は2戦のみ。5月のダンテS.(GII、ヨーク競馬場、芝2100m)を1着から 4・1/2馬身差の8着。6月の英ダービー(GI、エプソム競馬場、芝2400m)を1着馬から 8・1/4馬身差の12頭立て6着だった。4歳の今年はいずれもメイダン競馬場で2戦して、Al Rashidiya(GIII、芝1800) 3・1/2馬身差の2着、マクトゥームチャレンジラウンド2(GII、オールウェザー2000m)をアリーバーから 1/2馬身差の2着だった。


10. リチャーズキッドRichard's Kid、8戦2勝2着1回3着1回)
8戦のうち、09年7月のレディーリードH.(米GI、1800)が唯一の芝のレースで、8頭立て7着だった。それ以外はオールウェザーに出走し、09年9月からパシフィッククラシック(GI、オールウェザー2000m)1着、グッドウッドS.(GI、オールウェザー2000m)3着、BC クラシック6着。年明け初戦のサンアントニオH.(GII、オールウェザー1800m)1着。
BC クラシックでは、2着のジオポンティから4・1/2馬身差、3着のトワイスオーバーから3・1/4馬身差だった。米国勢では4番手評価が妥当だが、ドバイ・メイダン競馬場は、アメリカの競馬場に比べて大回りだから適正によっては逆転もある。


11. トワイスオーバーTwice Over、16戦7勝2着1回3着5回)
3歳だった08年にクレイヴンS.(英GIII、芝1600m)1着(2着は同年の BC クラシック勝ち馬レイヴンパス)、セントジェームズパレスS.(英GI、芝1600m)3着、ユージーンアダム賞(仏GII、芝2000m)1着、チャンピオンS.(英GI、芝2000m)2着。09年はロッキンジS.(英GI、芝1600m)3着、チャンピオンS.(英GI、芝2000m)1着、BCクラシックでゼニヤッタの3着。安定感に欠けるが走るときは強い。今年は未出走でドバイWC にはぶっつけで参戦する。


12. マスタリーMastery、9戦3勝2着1回3着4回)
ゴドルフィンの持ち馬。昨年、イタリアダービー、Derby Italiano Better(GII、芝2200m)をデットーリ騎乗で優勝。アスコット競馬場のクイーンズヴァース(GIII、芝3200m)に出走して、4・3/4馬身差の3着だった。7月にパリ大賞典(GI、ロンシャン競馬場、芝2400m)をキャバルリーマンの3着。2400mの芝GII 2着を挟んで、英セントレジャー(ヨーク競馬場、芝3000m)で GI 初制覇。BC マラソン(サンタアニタ競馬場、オールウェザー2800m)は 2・1/4馬身差3着だった。完全に長距離向きっぽいので要らないかなと思います。


13. ミスターブロック(Mr Brock、37戦8勝2着6回3着2回)
こちらも南アフリカを中心に走ってきた。08年7月から非国際グレードレース GI(芝1600m)、GIII(芝2050m)、GI(芝2300m)を3連勝している。09年にフランス芝1600m(GIII)で2着が目立つ程度。2010年にマクトゥームチャレンジラウンド2(GIII、オールウェザー1800)4・1/4馬身差4着、マクトゥームチャレンジラウンド3(GII)でレッドディザイアの1馬身差3着。他にメイダン競馬場の一般戦を2勝。リザーズディザイアよりちょっと強い程度だと思われる。


14. アモールデポブレ(AMOR DE POBRE、おそらく7戦3勝2着2回3着2回)
この馬についてはよくわからないですが。チリなどで走り、2400m のGI で1勝3着1回。2000m の GII を1勝2着1回のようです。

2010年3月26日金曜日

バンベラ、少なくとも3週間の静養が必要

スペイン語の記事によると、バンベラは歩行に問題は見られないが、少なくとも3週間ほど休養するようです。詳細な検査がその間に行われるとのこと。アップルブロッサムに出走しゼニヤッタと対戦する可能性は完全になくなりました。

バンベラはベネズエラなどで走って18戦16勝、古馬牡馬相手を含む GI 10勝を上げて、米国遠征を行い、3月20日のランパートステークス(GIII、ダート1800m)に出走したが、スタート直後につまずいて、完走したものの最下位に終わっていた。


(以下、Google 翻訳に頼って記事を紹介しています。内容に誤りはたぶんないと思いますが、正確性に欠けるのでご注意を)

1つ目の21日付の記事は、上に貼ったバンベラの右前脚の傷の画像を紹介しています。また、バンベラに騎乗したエドガー・ペレス騎手が「スタートでつまずいて落馬してもおかしくなかった。体勢を立て直して、馬群について行こうとしたが、バンベラの異常に気づいて追うのをやめた」とコメントしています。

2つ目の23日付の記事の内容は
バンベラはランパートステークスで負った負傷が原因で数週間休養に入る。Pablo Andrade 調教師のコメント『ゲートから出た直後につまずいて前足を交差させ、右前脚のかかと付近に外傷を負った。(22日に)患部に腫れが見られたので、獣医師が抗生物質を静脈注射した。歩行に困難はなく、カイ食いも悪くないが、患部は腫れたままである。もっともセンシティヴな腱に問題がないかは、もう少し待たないとわからない。挫傷がひどいため、観察するまでに5,6日必要だ。腱に傷はないと思う。炎症が収まれば、金曜日(26日)に超音波検査を行う予定だ。調教を再開するまでに少なくとも20日は必要だろう』しかしその3週間で調教に戻れるかは定かでない。調教師『腱に問題がないかどうかによる。炎症が収まって、エコー検査の結果を待つしかない。バンベラの歩行に問題がないのは良い点だ』

ということで、日本時間27日に精密検査がおこなわれれば、2,3日後に続報をお届けできると思います。

2010年3月24日水曜日

ザルカヴァがシーザスターズの子を受胎した

2008年に無敗で凱旋門賞を勝ったザルカヴァが、2009年の凱旋門賞馬シーザスターズの子を受胎したことが確認されました。ちなみに先日、ザルカヴァの母ザルカシャもシーザスターズの子を受胎したと確認されています。

Zarkava in Foal to Sea The Stars - BloodHorse.com

ザルカヴァ×シーザスターズは日本でいうと、ダイワスカーレット×ディープインパクトに相当する豪華な産駒の誕生が期待されます(ダイワ×ディープがサンデーサイレンスの3×3と濃い目のインブリードだからこれは実現しないかもだが)。

ザルカヴァ - Wikipedia
シーザスターズ - Wikipedia

過去記事: 08 年凱旋門賞ザルカヴァの初仔は牝馬

2010年3月21日日曜日

バンベラ、北米デビュー戦敗れる、レース中に故障か

日本時間3月21日に 米GIII ランパートステークスで北米デビューしたバンベラですが、スタートでつまずいて8頭立て8着に終わりました。完走したものの、レース中に故障を発生していた模様です。

Rampart S. | Races |BloodHorse.com

レース映像は上のページに有ります。最内枠発走の黄色帽、青色の勝負服がバンベラ。半マイルまでは最後方を追走していたがそのあたりから遅れ始め、4コーナーでは先頭から大きく離されています。

追記: YouTube はこちら



レース後にバンベラの調教師が語ったことによると(下に原文)、バンベラはスタート直後に腱を切った模様。英語で"cut her tendon"というとき、どういう症状を指すのかわたしは知りませんが、もしかすると屈腱の断裂(おそらく一部)かもしれません。ただし「それほど悪くないようだ。今詳しく調べている」とのことで、続報が入り次第お伝えします。

"She cut her tendon," trainer Pablo Andrade said of Bambera. " (Jockey) Edgar (Perez) told me that it happened when she was coming out of the gate. It doesn't look too bad, and my vet is looking at it now."


バンベラはベネズエラなどで走って18戦16勝、牡馬GI を含むGI 10勝を挙げた牝馬で、ランパートステークスはアメリカでの初出走だった。この後、昨年の BC クラシックを牝馬としては初めて制したゼニヤッタとアップルブロッサムで対戦する予定でした。昨年の米年度代表馬レイチェルアレクサンドラがアップルブロッサムを回避することに決まって、ゼニヤッタとの最強牝馬決定戦が実現しなくなっても、ゼニヤッタにバンベラが挑むという好カードが期待されていたわけですが、バンベラも回避するかもしれません。



ランパートステークス(GIII、ガルフストリームパーク競馬場ダート1700m、牝馬限定)に勝ったのはアンライバルドベルで、これで7戦4勝2着2回。09年11月にガゼルS.(GI、アケダクト競馬場ダート1800m、3歳牝馬限定)を4・1/4馬身差2着。次走今年2月のラカナダS.(GII、サンタアニタ競馬場オールウェザー1800m、牝馬限定)は4着だった。これまでの3勝全てをあげていたダートに戻ったのが良かったのか、ランパートS.ではスイスイと逃げ切り、最後は2着のシャンパンアイズに1・3/4馬身差をつけて快勝。2着のシャンパンアイズはこれで15戦4勝2着3回で、ランパートS.以前に重賞3着以内はなかった。


アンライヴァルドベルの次走にはアップルブロッサムも候補に上がっている。

2010年3月19日金曜日

ベネズエラ最強牝馬バンベラ、3月20日にアメリカで初出走

2009年のベネズエラ年度代表馬に輝いたバンベラ / Bambera が3月20日(日本時間3月21日)に行われるランパートステークス(Rampart Stakes、GIII、ガルフストリームパーク競馬場ダート1800m、4歳以上牝馬限定戦)に出走します。バンベラは、ゼニヤッタも出走する4月9日のアップルブロッサム招待ステークスに出走する見込みで、ランパートステークスは試金石の一戦です。

Bambera Adds International Flavor to Rampart

バンベラはベネズエラなどで走って通算18戦16勝の名牝。この馬については詳しい記事があるので引用する。
今年の世界名牝十傑 - 名牝達の後宮 - 創造は力」より
牝馬三冠緒戦のラリンコナダ競馬場賞を6馬身差で圧勝すると、その翌週には牡馬三冠緒戦のホセアントニオパエス賞も4馬身半差で快勝。2週間後の牝馬二冠目プレンサイピカナシオナル賞を5馬身3/4差で勝って、翌週の牡馬二冠目クリアナシオナル賞へ挑んだ。しかし、連戦の疲れが出たのか、ゴール前で Harriman に強襲されてダブル二冠はならず。しかし、それでもへこたれない Bambera は、中2周で挑んだ牝馬三冠最終戦のホアキンクレスポ将軍賞で牝馬三冠を達成すると、牡馬三冠最終戦のヴェネズエラボリヴァル賞は12馬身差ぶっちぎって五冠を達成した。その後古馬相手のG1も制した彼女は、クラシコデルカリブでメキシコの三冠牝馬 Vivian Record との激闘を制し10個目のG1タイトルを獲得している。


バンベラが最後に出走した09年12月6日のクラシコデルカリブは古馬牡馬も出走した一戦でこれも楽勝(下がその動画)。



バンベラはこの1戦のあとアメリカに移動して調整されており、ランパートS.がアメリカでの初出走となる。その後は上述通りゼニヤッタとアップルブロッサムで対戦する模様。ランパートS.でバンベラは自身初となる121ポンド(54.8kg)を背負うと記事は書いていますが、アップルブロッサムではおそらく123ポンド(55.8kg)の斤量になるので軽く克服して欲しいところです。


他の有力な出走馬では、ランパートS.と同じガルフストリームパーク競馬場で前走重賞を勝っているオーロラライツあたりが要注意か。

オーロラライツ / Aurora Lights
09年9月の Selene Stakes(カナダGIII、オールウェザー1700m)で、GI 馬 Hooh Why などを相手に勝利。今年2月27日の Sabin Stakes(GIII、ガルフストリームパーク競馬場ダート1600m)にも勝ち、重賞2勝としている。

ドントフォーゲットジル / Don't Forget Gil
昨年09年3月のフロリダオークス(3歳牝馬GIII、タンパベイダウンズ競馬場ダート1700m)をレースレコードで勝利、同年7月にコーチングクラブアメリカンオークス(GI、ベルモントパーク競馬場ダート2000m)でクビ差2着がある。他に GII 戦で2着。今年初戦、2月27日の Wayward Lass Stakes(一般戦、ダート1700、4歳以上牝馬限定)を 2・1/2馬身で快勝している。

2010年3月18日木曜日

カジノドライヴに甥が誕生

久しぶりにカジノドライヴの話題です。カジノドライヴに甥が誕生しました。

Rags to Riches Delivers Colt

カジノドライヴの半姉で、牝馬としては102年ぶりに牡馬クラシック第3戦ベルモントステークス(GI、ダート2400m)に優勝したラグズトゥリッチズ (Rags to Riches)に父ヘンリーザナヴィゲーター産駒が誕生したと BloodHorse が伝えています。

ヘンリーザナヴィゲーター - Wikipedia より
ヘンリーザナヴィゲーター(Henrythenavigator)はアイルランドの元競走馬で2009年より種牡馬になった馬である。主な勝ち鞍は2008年の2000ギニー、アイリッシュ2000ギニー、セントジェームズパレスステークス、サセックスステークス。
上の4戦はいずれもGI。他に08年ブリーダーズカップ・クラシック(GI、2000m)でレイヴンズパスの2着がある。ヘンリーザナヴィゲーターの血統はエルコンドルパサーと同じ、父キングマンボ母父サドラーズウェルズです。


ヘンリーザナヴィゲーターとの間に生まれた子はラグズトゥリッチズの2番仔で、すでにジャイアンツコーズウェイ産駒がおり、リッチズコーズウェイ(Riches Causeway)と名づけられている(牝馬、現在1歳)。ちなみにラグズトゥリッチズの母ベターザンオナーとジャイアンツコーズウェイの仔には09年にブリーダーズカップ・マラソン(オールウェザー2800m、非重賞)を勝ったマンオブアイアン(Man Of Iron)がおり、リッチズコーズウェイの配合も相性は悪くないと思われる。


ラグズトゥリッチズはヘンリーザナヴィゲーターの仔を受胎したあと、アイルランドに移されており、今年はアイルランド繋養の種牡馬ガリレオ(Galileo)との交配が予定されている。ガリレオは2001年に英愛ダービー、キングジョージを3連勝した。半弟にシーザスターズがいる超良血馬。

2010年3月17日水曜日

ドバイワールドカップは14頭フルゲートの予定

日本からレッドディザイアが参戦する今年2010年のドバイワールドカップ(GI、メイダン競馬場オールウェザー2000m)は14頭立てフルゲートで行われる見込みのようです。

Full Field Expected For Dubai World Cup - BloodHorse.com

BloodHorse のこの記事に挙げられている11頭について簡単に紹介していきます(11頭にレッドディザイアが入っていないのは、日本馬を侮りすぎているように思うのですが)。


わたしが馬券を買うならレッドディザイア、ジオポンティを中心に、トワイスオーバー、ヴィジョンデタ、グロリアデカンペオン、ジターノエルナンド、アリバーに流す。


ジオポンティGio Ponti、17戦9勝2着5回)
08年の3歳時は GII 1勝2着2回の成績どまりだったが、09年になって本格化。フランク・E・キルローマイルH.(芝1600m)、マンハッタンH.(芝2000m)、マンノウォーS.(芝2200m)、アーリントンミリオンS.(芝2000m)と GI 4連勝を記録。その後はジョー・ハーシュ・ターフ・クラシックS.(GI、芝2400m)2着のあと、ブリーダーズカップ・クラシック(GI、オールウェザー2000m)でゼニヤッタの2着。09年のエクリプス賞(全米年度代表馬顕彰)最優秀芝牡馬に選ばれた。2010年2月20日に今年初戦を迎えタンパベイ・ブリーダーズカップS.(芝1700m)でまさかの2着。まあこれは距離が短かったのだろうと思います。2000mぐらいが適距離で、オールウェザーの BC クラシック2着であり、最有力の1頭です。


トワイスオーバーTwice Over、16戦7勝2着1回3着5回)
3歳だった08年にクレイヴンS.(英GIII、芝1600m)1着(2着は同年の BC クラシック勝ち馬レイヴンパス)、セントジェームズパレスS.(英GI、芝1600m)3着、ユージーンアダム賞(仏GII、芝2000m)1着、チャンピオンS.(英GI、芝2000m)2着。09年はロッキンジS.(英GI、芝1600m)3着、チャンピオンS.(英GI、芝2000m)1着、BCクラシックでゼニヤッタの3着。安定感に欠けるが走るときは強い。今年は未出走でドバイWC にはぶっつけで参戦する。


ヴィジョンデタVision d'Etat、13戦9勝2着1回3着1回)
08年のジョッケクルブ賞(仏ダービー、GI、芝2100m)勝ち馬。次走、凱旋門賞の3歳馬トライアル競走ニエル賞(GII、芝2400m)に優勝して通算6戦6勝とし、凱旋門賞に出走したがザルカヴァの5着に敗れた。09年初戦のアークール賞(GII)は3着に敗れたが、ガネー賞(仏GI、芝2100m)、プリンス・オブ・ウェールズS.(英GI、芝2000)と GI 連勝。その後フォア賞(仏GII、芝2400m)2着、凱旋門賞でシーザスターズの10着だったが、エリザベス女王杯勝ち馬クイーンスプマンテも出走した香港カップ(GI、芝2000m)に優勝した。2400mは距離が長い印象。2000mならかなり強い。芝の経験しかないが、オールウェザーが芝馬向きなのは上の2頭からも明らかでドバイでも問題ないはず。今年未出走。ドバイWC ではペリエが騎乗する予定。


リチャーズキッドRichard's Kid、8戦2勝2着1回3着1回)
8戦のうち、09年7月のレディーリードH.(米GI、1800)が唯一の芝のレースで、8頭立て7着だった。それ以外はオールウェザーに出走し、09年9月からパシフィッククラシック(GI、オールウェザー2000m)1着、グッドウッドS.(GI、オールウェザー2000m)3着、BC クラシック6着。年明け初戦のサンアントニオH.(GII、オールウェザー1800m)1着。
BC クラシックでは、2着のジオポンティから4・1/2馬身差、3着のトワイスオーバーから3・1/4馬身差だった。米国勢では4番手評価が妥当だが、ドバイ・メイダン競馬場は、アメリカの競馬場に比べて大回りだから適正によっては逆転もある。


ファーゼストランドFurthest Land、18戦8勝2着1回3着1回)
09年のブリーダーズカップ・ダートマイル(GI、オールウェザー1600m)1着。その前走ケンタッキーカップクラシック(GII、オールウェザー1800m)もクビ差1着。他に重賞勝ちはない。今年2010年に入って2戦しており、サンパスケルハンデキャップ(GII、オールウェザー1700m)1着から5馬身差の7着、サンアントニオH.でリチャーズキッド(上記)から1馬身差5着。BC ダートマイルは09年から GI になったレースで、2着のレディースエコーも GI と GII では3着まで、GIII では2着までの実績しかなかったブービー人気の馬で、荒れた結果だった。ファーゼストランドもドバイではさすがに厳しいだろう。



テイクザポイントTake the Points、13戦4勝2着2回3着1回)
09年8月にセクレタリアトS.(GI、芝2000m)で重賞初勝利を上げると、10月にジャマイカブリーダーズカップH.(米GI、芝1800m)も勝って3歳 GI を連勝。次走ハリウッドダービー(3歳GI、芝2000m)は1着の"The Usual Q. T."から5馬身差の7着、その次に出走した今年2010年2月のガルフストリームパークターフH.(GI、芝1800m)では GI 2勝馬コートヴィジョンを1馬身突き放して1位入線したが、5着に降着となった。


グロリアデカンペオンGloria De Campeao、23戦8勝2着5回3着3回)
ブラジル生産馬。ブラジルでの競走馬時代は8戦5勝、GI 3着2回、GII 1勝、GIII 1勝。その後フランスのバリー厩舎に移籍する。がキャリアの半分ほどはドバイ・ナドアルシバ競馬場でのもので、08年マクトゥームチャレンジラウンド1(GIII、ダート1600m)9馬身差2着、マクトゥームチャレンジラウンド3(GII、ダート2000m)2着、ドバイWC(GI)8着。その後フランスドゥーヴィル競馬場でオールウェザー1900m戦(一般戦)を3着、凱旋門賞当日のドラール賞(仏GII、ロンシャン競馬場芝2000m)で8頭中最下位だった。

6歳になった09年は再びナドアルシバ競馬場で、マクトゥームチャレンジラウンド1(GIII、ダート1600m)12馬身差5着、マクトゥームチャレンジラウンド2(GIII、ダート1800m)6馬身差4着、メイダンホテルトロフィー(一般戦、1800m)した後、ドバイワールドカップ(GI、ダート2000m)でウェルアームドから14馬身差の2着に入った。その後シンガポール航空インターナショナルカップ(GI、クランジ競馬場芝2000m)をレコード勝ち、次の8月アーリントンミリオン(GI)はジオポンティから9馬身離された8頭立て7着だった。今年2010年はマクトゥームチャレンジラウンド1(GIII、オールウェザー1600m)1着、マクトゥームチャレンジラウンド3(GII、オールウェザー2000m)でレッドディザイアの2着だった。

芝2000mで GI 勝ちがあるのはドバイに向けて好材料である。一方08年ドラール賞、09年アーリントンミリオンで不可解なほど負けている。ハマれば怖いがどうだろうか。


ジターノエルナンド(Gitano Hernando、8戦5勝2着2回)
イギリス馬だが、09年3月にアメリカの3歳牡馬クラシック第3弾ベルモントステークスに出走を表明したユニークな経歴の持ち主。09年9月にグッドウッドステークス(GI、サンタアニタ競馬場オールウェザー1800m)で GI に初出走し優勝。ブリーダーズカップ・クラシックの有力候補に躍り出たが、ドバイの方を優先するとして BC は回避した。復帰戦の2月27日の英リングフィールド競馬場オールウェザー2000m戦(準重賞)は4馬身差圧勝。グッドウッドステークスで1/4馬身差2着に負かしたコロニアルジョンは次走、BC クラシックで4・1/2馬身差5着。またグッドウッドS.3着はリチャーズキッド。この2頭をものさしに実績を評価すると米国勢では3番手だが、キャリアが浅くまだ化ける可能性がある。


リザーズディザイア(Lizard's Desire、16戦6勝2着4回3着2回)
南アフリカで GIII(芝1400m)2着、GI(芝1600m)11着、GIII(芝2400m)1着、GI(芝2000m)10着、GII(芝2400m)2着がある。その後、メイダン競馬場で3走し、一般戦(1900m、2000m)をそれぞれ2・1/2馬身、2・1/4馬身差で勝利。マクトゥームチャレンジラウンド3でレッドディザイアから1・1/4馬身差5着。これは格下扱いで問題ないと思う。


ミスターブロック(Mr Brock、37戦8勝2着6回3着2回)
こちらも南アフリカを中心に走ってきた。08年7月から非国際グレードレース GI(芝1600m)、GIII(芝2050m)、GI(芝2300m)を3連勝している。09年にフランス芝1600m(GIII)で2着が目立つ程度。2010年にマクトゥームチャレンジラウンド2(GIII、オールウェザー1800)4・1/4馬身差4着、マクトゥームチャレンジラウンド3(GII)でレッドディザイアの1馬身差3着。他にメイダン競馬場の一般戦を2勝。リザーズディザイアよりちょっと強い程度だと思われる。


アリバーAllybar、15戦5勝2着1回3着4回)
ゴドルフィンの持ち馬です。09年5月に重賞初出走してから、いずれもフランスでグレフュール賞(3歳GII、サンクルー競馬場芝2000m)3着、ダフニ賞(GIII、芝1800m)2着、ユージーンアダム賞(GII、芝2000m)6着、ギョーム・ドルナノ賞(GII、芝2000m)3着、プランス・ドランジュ賞(GIII、芝2000m)3着。つまり重賞勝ちなし。今年2010年初戦をメイダン競馬場で迎え、GI 1勝2着2回3着1回のプレスヴィスを7馬身突き放して圧勝(ただしハンデ戦でプレスヴィス60kgに対してアリバーは54kg)。マクトゥームチャレンジラウンド2(GII)1着。マクトゥームチャレンジラウンド3でレッドディザイアの1馬身差4着。

フランスでの成績は平凡だが、メイダン競馬場での適性は高い。ミスターブロックと同程度の評価だが、まだ4歳だから成長力に期待できる。

2010年3月15日月曜日

レイチェルアレクサンドラ、ゼニヤッタとの対戦を回避

日本時間3月14日に行われたニューオーリンズレディースステークスで2着に敗れたレイチェルアレクサンドラは、ゼニヤッタとの初対戦が予定されていた4月9日のアップルブロッサム招待ステークスを回避するとのこと。

Rachel Alexandra Out of Apple Blossom

レイチェルアレクサンドラのオーナー、ジェス・ジャクソンがスティーヴン・アスムッセン調教師との会合の後に発表しました。『昨日のレースは残念だったが、レイチェルの現在のコンディションを知ることができた。健康だが、予想していた通り最高の状態ではない。だから4月9日のオークローン招待(アップルブロッサム招待ステークスのこと)には出走させない。スティーヴ(アスムッセン調教師)とは十分に話し合い、アップルブロッサムに間に合わせようと調教を急ぎすぎたことを後悔している。今シーズンはまるまる残っており、レイチェルの素晴らしさを証明する機会はまだあります。次のレースがいつになるかはレイチェルが教えてくれるでしょう。』


レイチェルアレクサンドラ陣営は大雨で馬場が閉鎖されるなどした1,2月の天候不順のため、アップルブロッサムには行かないと一旦表明、その後レース開催日を4月3日から9日に遅らせるという提案を受けて出走することに合意した経緯があります。ギリギリのところでレイチェルの調整をしていたのでしょう。対戦を見たいのはもちろんですが、無事が第一なので仕方ないです。


アスムッセン調教師のコメント「彼女は明らかに以前の状態にはなかった。また戻ってきます。昨日から失望し続けている」


ゼニヤッタの調教師で、またニューオーリンズLS でレイチェルを負かしたザルダナの調教師でもあるジョン・シェリフ調教師はレイチェルアレクサンドラが出走しなくてもゼニヤッタを出走させるつもりだと話しています。


オークローン競馬場のリリース「当然ですが、レイチェルアレクサンドラの回避を残念に思っています。彼女の残りのシーズンが素晴らしいものになるように祈っています。またアップルブロッサム招待S.でゼニヤッタが、シガーとサイテーションとの現代アメリカ競馬における最高連勝記録『16』に並ぶ挑戦することを楽しみにしています」


ゼニヤッタのオーナー、ジェリー・モスのコメント「アップルブロッサムでの対戦ができなくなって残念に思っています。しかしまた機会があるでしょう。私たちはスティーヴ(アスムッセン調教師)とジャクソン氏をホースマンとして尊敬しており、彼らは自分の所有馬に最善のことをしています。誰かが口出しできることではありません。私たちは予定通りアップルブロッサムに向かいます」


アップルブロッサムにはベネズエラで牡馬相手のGI優勝を含む18戦16勝の最強牝馬 Bambera も出走を予定しています。

2010年3月14日日曜日

ゼニヤッタ、2010年初戦サンタマルガリータ招待ハンデも優勝(レース映像あり)

昨年09年のブリーダーズカップ・クラシックを牝馬として初めて優勝したゼニヤッタがサンタマルガリータ招待ハンデ(GI、サンタアニタ競馬場オールウェザー1800m、4歳以上牝馬限定戦)に出走しました。ゼニヤッタの2010年の初戦でしたが、危なげなく勝利して通算15戦15勝(GI 9勝)とし、4月9日に行われる予定の、09年米年度代表馬レイチェルアレクサンドラとの初対戦に向けて順調なスタートを切りました。


サンタマルガリータ招待ハンデキャップ Santa Margarita Invitational H. (gr. 1)でゼニヤッタは最も重い 57.6kgの斤量で出走、その次に重い Striking Dancer(11戦4勝、GII 1勝)が 52.2kgとハンデ差が心配材料だったものの、いつもどおり後方のレースから直線内を割って抜け出し、2着のダンストゥマイチューンに1馬身1/4差をつけて快勝しました。


YouTube からのレース映像。外枠のシャドーロール装着馬がゼニヤッタ。

レイチェルアレクサンドラ、ザルダナに敗れる(レース映像)

昨年の米年度代表馬レイチェルアレクサンドラ / Rachel Alexandra が日本時間3月14日、フェアグラウンズ競馬場で行われたニューオーリンズレディースステークス(ダート1700m)に出走しました。09年9月のウッドワードS.以来、6カ月ぶりの出走だったレイチェルは単勝1.1倍の断然人気に押されたものの、伏兵ザルダナ / Zardanaに 3/4馬身差の2着に負けてしまいました。レイチェルから11馬身3/4差の3着には Unforgotton(GII 2着1回)が入った。


勝ったザルダナはニューオーリンズレディースS. に出走した5頭のうち、レイチェル以外で唯一重賞勝ちのあった馬で、ブラジル産馬。07年3月にブラジルの準重賞 Classico Luiz Alves de Almeida(1200m)に優勝、その後に米移籍。これまでアメリカでは全14走したが、すべて芝か合成馬場(オールウェザー、以下 AW)での競走であり、ダートに出走したのは今回が初めてだった。2走前09年11月の Bayakoa Handicap(GII、ハリウッドパーク競馬場 AW1700m、3歳以上牝馬限定戦)を1・1/4馬身差の1着で重賞初勝利。前走2010年2月13日のサンタマリアハンデ(GII、サンタアニタ競馬場 AW1700m、4歳以上牝馬限定戦)は4着だった。

アメリカの競馬場では西海岸を中心に、ダートの代わりにオールウェザー馬場が導入されてきましたが、08年09年とオールウェザーで行われたブリーダーズカップでヨーロッパからの遠征馬の活躍が目立つなど「芝馬向きの馬場では」と言われています。ザルダナは実績的にはレイチェルアレクサンドラに格下の馬ですが、これまでアメリカで走っていたオールウェザーに適性がなかった、ということでしょうか。


ニューオーリンズレディースステークスのレース映像(YouTube)です。うちから2頭目の発走がレイチェルアレクサンドラ、3頭目がザルダナ。


レイチェルアレクサンドラが敗れるのは2歳の08年11月のポカホンタスステークス(GIII、Pocahontas S.)以来、1年4ヶ月ぶりのこと。それ以降、
などGI 5勝、GII 3勝など9戦無敗だった。3歳時は8戦8勝で、牝馬としては初めてブリーダーズカップ・クラシックを勝ったゼニヤッタを投票で上回って09年の米年度代表馬に輝いた。4月9日にはそのゼニヤッタとの初対戦がアップルブロッサムインビテーショナルで行われる予定です。

ニューオーリンズレディースステークスとサンタマルガリータ招待ハンデキャップの出走馬

レイチェルアレクサンドラが出走するニューオーリンズレディースステークスと、ゼニヤッタが出走するサンタマルガリータ招待ハンデキャップについてです。レースはネットで中継されます。詳しくはひとつ前の記事「NTRA.com で生中継、レイチェルとゼニヤッタの今年初戦」をご覧下さい。


ニューオーリンズレディースステークス New Orleans Ladies S.
フェアグラウンズ競馬場ダート1700m、4歳以上牝馬限定戦
賞金総額20万ドル(約1800万円)、グレードなし
出走馬 09年の米年度代表馬レイチェルアレクサンドラが出走(2番枠)
1.Fighter Wing53.1kg牝513戦4勝
2.Rachel Alexandra55.8kg牝414戦1勝(GI 5勝)
3.Zardana (BRZ)54.9kg牝617戦7勝(GII 1勝)
4.Unforgotten53.1kg牝631戦5勝(GII 2着1回)
5.Clear Sailing53.1kg牝44戦3勝



サンタマルガリータ招待ハンデキャップ Santa Margarita Invitational H. (gr. 1)
サンタアニタ競馬場オールウェザー1800m、4歳以上牝馬限定戦
賞金総額25万ドル(約2250万円)
出走馬 09年のブリーダーズカップ・クラシック勝ち馬ゼニヤッタが出走(8番枠)
1.Dance to My Tune50.3kg牝626戦4勝
2.Pretty Katherine50.3kg牝414戦3勝
3.Made for Magic50.3kg牝528戦6勝
4.Pretty Unusual51.3kg牝414戦3勝(GII 1勝)
5.Striking Dancer52.2kg牝411戦4勝(GII 1勝)
6.Powerofvoodoo49.0kg牝643戦2勝
7.Gripsholm Castle50.8kg牝4米5戦2勝(英4勝)
8.Zenyatta57.6kg牝614戦14勝(GI 8勝)
9.Floating Heart50.3kg牝49戦3勝(GII 3着1回)

ゼニヤッタは斤量差が気になるが、勝ってくれるでしょう。

2010年3月13日土曜日

NTRA.com で生中継、レイチェルとゼニヤッタの今年初戦

現地時間3月13日に行われるレイチェルアレクサンドラゼニヤッタの今年初戦が、全米サラブレッド競馬協会 NTRA のウェブサイト、NTRA.com でライブ配信されます。日本時間3月14日午前8時から1時間の放送予定で、レイチェルアレクサンドラが出走するニューオーリンズレディースステークスが午前8時15分頃から、ゼニヤッタが出走するサンタマルガリータ招待ハンデキャップが8時35分ごろの発走です。

Watch Rachel, Zenyatta live on NTRA.com

NTRA Live! と名づけられたこの配信をみるには、NTRA のアカウントを作成する必要があるようです(無料)。上のページに下の画像があるので、すでにアカウントがある場合は"Click here to enter NTRA Live"からログインを、アカウントをまだ持っていない場合は、https://www.ntra.com/register/index/から登録してください。




NTRA のアカウントを持っていない場合、https://www.ntra.com/register/index/からアカウントを作成します。次の画像のようなページにいくので、
Login Name ⇒ 好きに決めてください、ユーザー名のことです。
First Name、Last Name ⇒ 名、姓
E-Mail ⇒ メールアドレス、右は確認用にもう一回入力
Password ⇒ パスワードを決めます、右は確認用にもう一回入力
Zip Code ⇒ 日本の郵便番号を入れるとエラーではじかれるので、適当に"10001"と入れておけばいいです
Cell Phone ⇒ 入力不要
画像に表示されている文字列をその下の入力欄に記入します。

その下のチェックボックスは、上が「NTRA からお知らせメールを受け取るときは、画像を使わないテキストだけのメールが良いです」、下は「携帯電話の SMS にお知らせを送ってください」です。(オススメは上だけチェックを入れて)"Continue"をクリックします。


次は NTRA のサービス選択画面です。NTRA Live! の映像を見るだけなら有料プランに加入する必要は(おそらく)ありません。最初から付いている左のチェックだけを確認して、"Continue"をクリックします。


あとは、アカウントを有効化するために、登録したメールアドレス宛へ送られてきたアドレスをクリックして完了です。NTRA Live! のページには日本時間3月14日午前8時から、このページの大きな"Live!"をクリックして入れるようです。

2010年3月5日金曜日

レッドディザイアのドバイWC のライバル候補

3月27日に開催されるドバイワールドカップ(Dubai World Cup、メイダン競馬場オールウェザー2000m)と同じコース・距離で行われた前哨戦マクトゥームチャレンジ・ラウンド3(GII)にウオッカとレッドディザイアが出走し、ご存知の通りレッドディザイアが鋭い末脚を見せて優勝しました。ウオッカは8着でした。


レッドディザイアは、ここを叩いてドバイWC 当日に行われるドバイシーマクラシック(芝2410m)に出走する予定でしたが、今回マクトゥームチャレンジ・ラウンド3を勝ったことでドバイWC の方に追加招待される可能性も出てきました。管理する松永幹夫調教師もレース直後にドバイWCの方への参戦可能性を聞かれても、即座に否定するということはありませんでした。


マクトゥームチャレンジ・ラウンド3 の2着馬グロリアデカンペオンは昨年09年のドバイWC に出走しており、勝ち馬のウェルアームド / Well Armed からは14馬身離されたものの2着になっています。


というわけで、レッドディザイアがもしドバイワールドカップの方に出てきてもかなりやれそうに思うのですが、ライバルになりそうな出走予定馬を確認しておきましょう。

ギターノエルナンド / Gitano Hernando
このブログでも以前紹介した英国馬ギターノエルナンドは、昨年09年10月にアメリカ遠征し初戦のGIグッドウッドS.(サンタアニタ競馬場、AW 1800m)に優勝、一躍ブリーダーズカップ・クラシックの有力候補に躍り出ましたが、「翌年のドバイワールドカップへの備えに専念する」としてBCを回避しました。グッドウッドS.以来のレースとなった2010年2月のBetdaq The Betting Exchange Winter Derby Trial Stakes(リングフィールド競馬場、AW 2000m)を4馬身1/2差で快勝。すこぶる順調のようです。


ヴィジョンデタ / Vision D’Etat
08年の仏ダービー(仏GI、2100m)、09年のガネー賞(仏GI、2100m)、プリンスオフウェールズS.(英GI、芝10f)、香港カップ(香GI、芝2000m)と2000m付近のGI を4勝。凱旋門賞は08年5着、09年10着と距離に限界があるようです。しかしオールウェザーで行われた08年のブリーダーズカップ・クラシック(2000m)で、ヨーロッパから遠征してきた、芝マイルでしか実績のないレイヴンズパスとヘンリーザナビゲーターの2頭が1,2着を決めたのは記憶に新しいところ。芝向きのスピードと同時にパワーが要求されるオールウェザーでは、ヴィジョンデタのように欧州中距離で優れた実績があることは極めて有利な材料です。


ジオポンティ / Gio Ponti
1600mから2200mまでの芝GIを4連勝したあと、芝2400mの GI を2着、そのあと09年のブリーダーズカップ・クラシックでゼニヤッタの2着。ジオポンティも芝馬が持つオールウェザーコースへの高い適性を証明した1頭です。2010年2月にタンパベイブリーダーズカップで鼻差2着。ブックメイカー各社はジオポンティをドバイWCの1番人気に支持しているようです。


ライフイズスウィート / Life is Sweet
昨年09年11月のブリーダーズカップ・レディースクラシック(牝馬限定GI、サンタアニタ競馬場AW 1700m)を2着に2馬身1/2の差をつけて快勝。今年初戦は2月のサンタマリアハンデ(牝馬限定、GII、サンタアニタ競馬場AW 1700m)に出走したが、最も重いハンデを背負った影響か2着に敗れた。09年3月にはオールウェザー(AW)のサンタマルガリータ招待ハンデ(牝馬限定GI)を2馬身1/2差で優勝するなど合成馬場を得意としている(ゼニヤッタには3度対戦して一度も勝てなかったが)。管理する調教師はドバイWC の距離(2000m)に問題は無いとしており、上記3頭には劣るが無視はできない存在である。


他に中東や香港、南米、南アフリカの馬も気になるのだが、私の観測範囲ではないため、コメントはしません。