2009年6月30日火曜日

レイチェルアレクサンドラ、マザーグース後の出走予定

Blood-Horse の記事によると、マザーグースステークスを19馬身差で圧勝したレイチェルアレクサンドラ/ Rachel Alexandra の今後の出走予定として、次の各レースが挙がっています。調教師のアスムッセンは、どのレースが有力かは明言せず、レイチェルの体調にあわせて出走させるとしています。


【次走候補】
7月25日 CCA オークス(GI、ベルモント競馬場ダート10ハロン、3歳牝、賞金総額30万ドル)
8月1日 ジムダンディS.(GII、サラトガ競馬場ダート9ハロン、3歳、50万ドル)
8月2日 ハスケル招待ハンデ(GI、モンマスパーク競馬場ダート9ハロン、3歳、100万ドル)


【次々走候補】
8月22日 アラバマステークス(GI、サラトガ競馬場ダート10ハロン、3歳牝、60万ドル)
8月29日 トラヴァースステークス(GI、サラトガ競馬場ダート10ハロン、3歳、100万ドル)
8月30日 パーソナルエンスンステークス(GI、サラトガ競馬場ダート10ハロン、3歳以上牝、40万ドル)


ちなみに、レイチェルのブリーダーズカップ参戦について、オーナーのジェス・ジャクスンは合成馬場(プロライド、オールウェザー)を嫌って、「今年のブリーダーズカップには出走させない」と話しています。過去記事「レイチェルアレクサンドラ、今年のブリーダーズカップには出走せず」参照。

2009年6月29日月曜日

2009年世界のクラシックレース、YouTube動画まとめ

現地時間28日、アイルランド・カラ競馬場で行われた愛ダービーは、一番人気のフェイムアンドグローリー/ Fame and Glory が5馬身差で圧勝。海外競馬の主要なクラシックレース(春開催分)はすべて終了。YouTube にあるレース動画をまとめました(牡馬路線のみ牝馬路線も加えました。)。一部レースは動画の埋め込みが出来ない設定になっているため、その場合はレース名をYouTubeへのリンクにしています。

日本
皐月賞(GI、中山競馬場芝2000m)16番アンライバルドがスプリングS.に続く連勝で1冠目を制す



日本ダービー(GI、東京競馬場芝2400m、不良馬場)1枠1番ロジユニヴァースが皐月賞1番人気14着から巻き返す



桜花賞(GI、阪神競馬場芝1600m)5枠9番ブエナビスタが1冠



オークス(GI、東京競馬場芝2400m)ブエナビスタは4枠7番、到底届かないと思われた位置から差して2冠目。凱旋門賞へ?




アメリカ
Kentucky Derby(ケンタッキーダービー、GI、チャーチルダウンズ競馬場ダート2000m)マインザットバード/ Mine That Bird が道中最後方から差しきって1着。



Preakness Stakes(プリークネスステークス、GI、ピムリコ競馬場ダート9・1/2ハロン)勝ち馬レイチェルアレクサンドラ/ Rachel Alexandra は大外枠スタートの黄色の勝負服。ケンタッキーオークス20馬身差圧勝のあと、牝馬ながらここに出走。鞍上のボレル騎手はケンタッキーダービーをマインザットバードで勝つも、引き続きレイチェルアレクサンドラに乗ることを選んだ。過去記事「2009プリークネスステークス『キ○タマなんて飾りです。偉い人にはそれが分からんのです!』



Belmont Stakes(ベルモントステークス、GI、ベルモントパーク競馬場ダート2400m)勝ち馬サマーバード/ Summer Bird は赤い帽子で青の勝負服。内から4頭めの発走。プリークネスステークス馬レイチェルアレクサンドラは回避。過去記事「2009年ベルモントステークス、マインザットバード3着 勝ったのはサマーバード!




イギリス
2000 Guineas Stakes(英2000ギニー、GI、ニューマーケット競馬場芝8ハロン)母が凱旋門賞馬アーバンシー、半兄に英愛ダービー、キングジョージ勝ち馬のガリレオがいる良血シーザスターズ/ Sea The Stars (黄色の勝負服)が1着。(サンスポ


Epsom Derby(英ダービー、GI、エプソム競馬場芝12f10y)勝ち馬シーザスターズ/ Sea The Stars は黄色の勝負服。英クラシック2冠達成


1000 Guineas Stakes(英1000ギニー、GI、ニューマーケット競馬場芝8ハロン)2戦1勝重賞初挑戦のガナーティ/ Ghanaati が7番人気1着。


Epsom Oaks(英オークス、GI、エプソム競馬場芝12f10y)英1000ギニー馬ガナーティはオークスには出走せず、マイル路線のコロネーションS.へ(1着)。前走 G3 ミュージドラS.(ヨーク競馬場、芝10f88y)で重賞初勝利を挙げたサリスカ/ Sariska が1番人気に支持され勝利。


フランス
Poule d'Essai des Poulains(仏2000ギニー、GI、ロンシャン競馬場芝1600m)ここまでGIII3勝(1200m戦1勝、マイル戦2勝)のシルヴァーフロスト/ Silver Frost(シャドーロール着用、真ん中の枠からスタート)が1着(netkeiba



Prix du Jockey Club(フランスダービー、GI、シャンティ競馬場芝2100m)前走フランス20000ギニー2着だったルアーヴル/ Le Havre(ルメール騎乗、白い勝負服、内から4頭目スタート)が1着。2000ギニー勝ち馬シルヴァーフロストは6着だった。



Poule d'Essai des Pouliches(フランス1000ギニー、GI、ロンシャン競馬場芝1600m)イルーシヴウェーヴ/ Elusive Wave が1着(このあとはフランスオークスではなく、マイル戦のコロネーションS.に出走し、英1000ギニー馬ガナーティの4着に敗れる)。



Prix de Diane(フランスオークス、GI、シャンティ競馬場芝2100m)スタセリタ/ Stacelita が無敗のままここも勝利。これで5戦5勝。





アイルランド
Irish 2000 Guineas(愛2000ギニー、GI、カラ競馬場芝1マイル)英2000ギニーで5着に終わるも昨年の欧州2歳戦でGI2勝のマスタークラフツマン/ MasterCraftsman が楽勝。(参考



Irish Derby(愛ダービー、GI、カラ競馬場芝12ハロン)英ダービー1番人気2着のフェイムアンドグローリー/ Fame and Glory(ムルタ騎乗、濃紺の帽子、内から2頭めスタート)(netkeiba)が残り150mで先頭に立つと後続をぐんぐん引き離し5馬身差の圧勝。これで6戦5勝(GI2勝2着1回)



Irish 1000 Guineas(愛1000ギニー、GI、カラ競馬場芝1マイル)前年同じカラ競馬場のGIモイグレアスタッドS.(芝7ハロン)を勝利しているアゲイン/ Again が、今年緒戦ながら1着。このあとは英仏愛の1000ギニー馬がそろったコロネーションS.に出走するが、7着だった。




Coronation Stakes(コロネーションステークス、GI、英アスコット競馬場芝1マイル)クラシックではないですが前述どおり英仏愛1000ギニー馬がそろって出走したマイル戦。英1000ギニー馬ガナーティが1着。

落馬で負けた馬が、レース後に勝ち馬の騎手に復讐する動画

2009年4月3日(金)、イギリスの競馬場で、落馬した馬がレース直後、勝ち馬の騎手に復讐するという事件が起こりました。まずは YouTube 動画をご覧ください。



この復讐事件(笑)があったのは、世界でもっとも過酷な競馬レースといわれる「グランドナショナル」の開催場所として有名なイギリスのエイントリー競馬場

2009年のグランドナショナル前日に行われたあるレースで、1頭の馬から騎手が落馬。落馬した馬(「カラ馬」と言う)には騎手の誘導はありませんが、馬には群れで走る習性があり、怪我が無ければ大抵の場合、落馬後もレース中の他の馬とコースを回ります。


Irish Raptor が1着でゴールする。騎手はパディ・ブレナン。黄色の勝負服(騎手の服のこと)
Irish Raptor win at Aintree


その4秒後にカラ馬がゴール版を通過する(もちろん失格)。
Angry Horse's Revenge at Aintree


レース後、言葉を交わす1着馬の騎手(左)と2着馬の騎手(右)
Angry Horse's Revenge at Aintree


2頭に近づくカラ馬(1,2着馬の向こうの29のゼッケンの馬)
Angry Horse's Revenge at Aintree


カラ馬に頭突きされ、体制を崩すブレナン騎手。そのまま落馬しました。
Angry Horse's Revenge at Aintree


ブレナン騎手はその後、自力で再度馬にまたがっており、特に大怪我することも無かったようです。

2009年6月28日日曜日

レイチェルアレクサンドラ、マザーグースS.を19馬身差で圧勝(レース映像)



牝馬にしてプリークネスS.馬、レイチェルアレクサンドラが6月27日(現地時間)、マザーグースステークス(GI、3歳牝馬限定、ベルモントパーク競馬場、9ハロン、3頭立て)に出走し、19-1/4馬身差で圧勝しました。

レイチェルは出足が付かず、2頭の3馬身後方でレースを進めたが、4コーナー手前で進出開始、直線入り口で先頭に並ぶと、馬なりのまま後続を引き離し、約20馬身差の圧勝。1分46秒33 の勝ち時計は従来の記録を 0.07 秒上回る、15年ぶりのレースレコードでした。

2着の Malibu Prayer (血統)は、これで5戦2勝2着1回3着2回。重賞成績は今回のマザーグースS.2着のみ。3着の Flashing (血統)は、6戦4勝。これまでに Nassau County S. (GIII、ベルモント競馬場、7ハロン)勝ちがある。

レイチェルアレクサンドラの次走は、マザーグースS.数日前のオーナーの会見によると、8月29日のトラヴァースS.(GI、サラトガ競馬場、3歳限定、10ハロン)が最有力候補に挙げられている。過去記事「レイチェルアレクサンドラ、今年のブリーダーズカップには出走せず」参照。

2009年6月25日木曜日

レイチェルアレクサンドラ、今年のブリーダーズカップには出走せず

牝馬ながらプリークネスステークスを勝ったレイチェルアレクサンドラのオーナーの一人、ジェス・ジャクスンは、今年のブリーダーズカップにレイチェルを出走させない意向を表明しました。

今年の BC は去年と同じ、「プロライド」(または、Synthetic(=合成)やオールウェザー)と呼ばれる人工馬場を採用しているサンタアニタ競馬場で行われます(11月6日、7日)。レイチェルのオーナー、ジェス・ジャクスンは去年のBCクラシックで敗れたカーリンのオーナーでもあり、合成馬場を嫌っていることでも知られています(カーリンを凱旋門賞に出走させようとしたこともありました)。BC 回避もこれが理由のようです。
“I have a very strong dislike for plastic surfaces. I’ve seen dirt horses run on plastic – they struggle over it. Curlin did last year. I think plastic favors turf horses.”
私は合成馬場が嫌いだ。これまで多くのダート馬が合成馬場を走るのを見てきたが、馬場と格闘する羽目になっている。去年のカーリンもそうだった。合成馬場は芝馬に有利に思える。
レイチェルは今週末の3歳牝馬限定戦マザーグースステークスに出走予定ですが、これは5頭立てのレースになりました。プリークネスステークスに続きボレロ騎手が騎乗する予定。

また、今年中に少なくとももう一度、牡馬混合戦に出走する意向も表明されました。8月2日のハスケル招待ハンデか8月29日のトラヴァースS.の名前が挙がっています。他の次走候補として、7月19日のデラウェアハンディキャップ(3歳以上牝馬限定)、7月25日のアメリカンオークス(3歳牝馬、ダート10ハロン)、8月22日のアラバマステークス(3歳牝馬、ダート10ハロン)が挙げられていますが、第1候補はトラヴァースS.とのこと。


レイチェルアレクサンドラは来年も現役を続行する予定であることも表明されました。チャーチルダウンズで行われる来年のブリーダーズカップについては前向きな姿勢を示しています。

No Breeders' Cup for Rachel Alexandra | Blood-Horse.com

2009年6月18日木曜日

レイチェルアレクサンドラの次走がマザーグースSに決定

レイチェルアレクサンドラの次走は、6月27日のマザーグースステークス/ Mother Goose Stakes(GI、ベルモントパーク競馬場、ダート9ハロン、3歳牝馬限定)に決定した模様。

Mother Goose Next Start for Rachel Alexandra

レイチェルのオーナーの一人である Jess Jackson は、「レイチェルは6月23日にベルモント競馬場に到着する予定。レイチェルは状態も良く、走る準備はできている。」と発表しています。

レイチェルアレクサンドラは、1924年の Nellie Morse 以来となる、牝馬によるプリークネスステークスを制覇を達成。プリークネスS.の1走前、ケンタッキーオークスは20馬身差の圧勝。11戦8勝の成績。

騎手についての発表はまだありません。レイチェルの主戦ボレル騎手はケンタッキーダービーをマインザットバードで優勝しながら、プリークネスS.でレイチェルアレクサンドラに騎乗したことも話題を呼びました。(レイチェルが回避したベルモントS.は、再びマインザットバードに乗り、3着でした

先日の記事「マザーグースSがレイチェルアレクサンドラの次走候補に」で紹介しましたが、マザーグースS.はニューヨーク牝馬3冠の第1戦。マザーグースS.に出てくるなら、7月に開催される第2戦、CCAオークス(GI、ベルモントパーク競馬場、10ハロン)にも出てくるかもしれません。ニューヨーク牝馬3冠の第3戦はアラバマステークス(GI、サラトガ競馬場、10ハロン)で、8月の開催です。

2009年6月9日火曜日

マザーグースSがレイチェルアレクサンドラの次走候補に

(6月18日追記「レイチェルアレクサンドラの次走がマザーグースS.に決定」をどうぞ)

ベルモントS.を回避したレイチェルアレクサンドラの次走に、6月27日の3歳牝馬限定戦、マザーグースステークス(GI、ベルモントパーク、9ハロン)が候補に挙がっているようです。

Asmussen on Rachel Work: 'She Went Beautiful' | BloodHorse.com

マザーグースS.はニューヨーク牝馬3冠の第1戦。選択肢の一つである、と表明された段階ですが、レイチェルはまだ、夏を迎える前の3歳牝馬ですから、プリークネスSを勝ったからといって、牡馬相手のレースばかりを選んだりはしない、ということはわかりました。

マザーグースS.に出てくるなら、7月に開催される第2戦、CCAオークス(GI、ベルモントパーク競馬場、10ハロン)にも出てきそうですね。ニューヨーク牝馬3冠の第3戦はアラバマステークス(GI、サラトガ競馬場、10ハロン)で、8月の開催です。

2009年6月7日日曜日

2009年ベルモントステークス、マインザットバード3着 勝ったのはサマーバード!

現地時間6月6日、ベルモント競馬場で米クラシック3冠最終戦、ベルモントステークスが行われました。ケンタッキーダービー6馬身差圧勝、プリークネスステークス2着のマインザットバードは単勝2倍の1番人気に押されましたが、3着に終わりました。



勝ったのは1勝馬の Summer Bird 。鞍上はおなじみケント・デザーモ。父 Birdstone、母は未勝利馬の Hong Kong Squall、母父 Summer Squall という血統。3月1日にデビュー、3月19日の2戦目で初勝利を挙げる。次走、4月11日のアーカンソーダービー(GII)では3着だった。その後、ケンタッキーダービー6着から、プリークネスステークスを回避して、ベルモントS.に直行、2馬身差の勝利でクラシックホースに。これで通算5戦2勝3着1回の成績。父 Birdstone は2004年のベルモントS.勝ち馬で、親子2代制覇となった。K. K. Jayaraman と V. Devi Jayaraman の共同持ち馬でオーナー生産馬である。

2着は Dunkirk。スタートから先手を取って逃げたが、4コーナーではマインザットバードにまくられ、いったん交わされる。しかしゴール前で巻き返し2着に残った。父は Unbridles Song、母の Secret Status はケンタッキーオークス勝ち馬、母父は A.P.Indy という良血馬で(当歳時に?)370万ドルで落札されている。ケンタッキーダービー11着から、1着のサマーバードと同じく、プリークネスS.をパスしてここに出走していた。他にフロリダダービー(GI)2着がある。

3着に入ったマインザットバードは、6馬身差圧勝のケンタッキーダービーではるか後方に負かした2頭に退けられる結果となりました。上位2頭がプリークネスS.を回避して、フレッシュな状態だったのに対して、マインザットバードはプリークネスS.を使い、ケンタッキーオークス20馬身差圧勝のレイチェルアレクサンドラと1馬身差の2着と目いっぱいの競馬をした事で、疲れがあったのでしょうか? レイチェルアレクサンドラ陣営が「レイチェルには休養が必要だ」として、ベルモントSに出てこなかったのは、正解だったかもしれません。

ちなみに、1着サマーバードと3着マインザットバードの父は同じ Birdstone ですが、Birdstone の2代父は Unbridled。また、2着馬の父 Unbridles Song の父も Unbridled であり、Unbridled 系が上位3頭を占める結果となりました。Unbridled は、ミスプロ系ではキングマンボと並んで底力のある血統だけに、さすがの結果です。

過去記事:
レイチェルアレクサンドラ、ベルモントステークス回避!
2009プリークネスステークス「キ○タマなんて飾りです。偉い人にはそれが分からんのです!」