2010年3月17日水曜日

ドバイワールドカップは14頭フルゲートの予定

日本からレッドディザイアが参戦する今年2010年のドバイワールドカップ(GI、メイダン競馬場オールウェザー2000m)は14頭立てフルゲートで行われる見込みのようです。

Full Field Expected For Dubai World Cup - BloodHorse.com

BloodHorse のこの記事に挙げられている11頭について簡単に紹介していきます(11頭にレッドディザイアが入っていないのは、日本馬を侮りすぎているように思うのですが)。


わたしが馬券を買うならレッドディザイア、ジオポンティを中心に、トワイスオーバー、ヴィジョンデタ、グロリアデカンペオン、ジターノエルナンド、アリバーに流す。


ジオポンティGio Ponti、17戦9勝2着5回)
08年の3歳時は GII 1勝2着2回の成績どまりだったが、09年になって本格化。フランク・E・キルローマイルH.(芝1600m)、マンハッタンH.(芝2000m)、マンノウォーS.(芝2200m)、アーリントンミリオンS.(芝2000m)と GI 4連勝を記録。その後はジョー・ハーシュ・ターフ・クラシックS.(GI、芝2400m)2着のあと、ブリーダーズカップ・クラシック(GI、オールウェザー2000m)でゼニヤッタの2着。09年のエクリプス賞(全米年度代表馬顕彰)最優秀芝牡馬に選ばれた。2010年2月20日に今年初戦を迎えタンパベイ・ブリーダーズカップS.(芝1700m)でまさかの2着。まあこれは距離が短かったのだろうと思います。2000mぐらいが適距離で、オールウェザーの BC クラシック2着であり、最有力の1頭です。


トワイスオーバーTwice Over、16戦7勝2着1回3着5回)
3歳だった08年にクレイヴンS.(英GIII、芝1600m)1着(2着は同年の BC クラシック勝ち馬レイヴンパス)、セントジェームズパレスS.(英GI、芝1600m)3着、ユージーンアダム賞(仏GII、芝2000m)1着、チャンピオンS.(英GI、芝2000m)2着。09年はロッキンジS.(英GI、芝1600m)3着、チャンピオンS.(英GI、芝2000m)1着、BCクラシックでゼニヤッタの3着。安定感に欠けるが走るときは強い。今年は未出走でドバイWC にはぶっつけで参戦する。


ヴィジョンデタVision d'Etat、13戦9勝2着1回3着1回)
08年のジョッケクルブ賞(仏ダービー、GI、芝2100m)勝ち馬。次走、凱旋門賞の3歳馬トライアル競走ニエル賞(GII、芝2400m)に優勝して通算6戦6勝とし、凱旋門賞に出走したがザルカヴァの5着に敗れた。09年初戦のアークール賞(GII)は3着に敗れたが、ガネー賞(仏GI、芝2100m)、プリンス・オブ・ウェールズS.(英GI、芝2000)と GI 連勝。その後フォア賞(仏GII、芝2400m)2着、凱旋門賞でシーザスターズの10着だったが、エリザベス女王杯勝ち馬クイーンスプマンテも出走した香港カップ(GI、芝2000m)に優勝した。2400mは距離が長い印象。2000mならかなり強い。芝の経験しかないが、オールウェザーが芝馬向きなのは上の2頭からも明らかでドバイでも問題ないはず。今年未出走。ドバイWC ではペリエが騎乗する予定。


リチャーズキッドRichard's Kid、8戦2勝2着1回3着1回)
8戦のうち、09年7月のレディーリードH.(米GI、1800)が唯一の芝のレースで、8頭立て7着だった。それ以外はオールウェザーに出走し、09年9月からパシフィッククラシック(GI、オールウェザー2000m)1着、グッドウッドS.(GI、オールウェザー2000m)3着、BC クラシック6着。年明け初戦のサンアントニオH.(GII、オールウェザー1800m)1着。
BC クラシックでは、2着のジオポンティから4・1/2馬身差、3着のトワイスオーバーから3・1/4馬身差だった。米国勢では4番手評価が妥当だが、ドバイ・メイダン競馬場は、アメリカの競馬場に比べて大回りだから適正によっては逆転もある。


ファーゼストランドFurthest Land、18戦8勝2着1回3着1回)
09年のブリーダーズカップ・ダートマイル(GI、オールウェザー1600m)1着。その前走ケンタッキーカップクラシック(GII、オールウェザー1800m)もクビ差1着。他に重賞勝ちはない。今年2010年に入って2戦しており、サンパスケルハンデキャップ(GII、オールウェザー1700m)1着から5馬身差の7着、サンアントニオH.でリチャーズキッド(上記)から1馬身差5着。BC ダートマイルは09年から GI になったレースで、2着のレディースエコーも GI と GII では3着まで、GIII では2着までの実績しかなかったブービー人気の馬で、荒れた結果だった。ファーゼストランドもドバイではさすがに厳しいだろう。



テイクザポイントTake the Points、13戦4勝2着2回3着1回)
09年8月にセクレタリアトS.(GI、芝2000m)で重賞初勝利を上げると、10月にジャマイカブリーダーズカップH.(米GI、芝1800m)も勝って3歳 GI を連勝。次走ハリウッドダービー(3歳GI、芝2000m)は1着の"The Usual Q. T."から5馬身差の7着、その次に出走した今年2010年2月のガルフストリームパークターフH.(GI、芝1800m)では GI 2勝馬コートヴィジョンを1馬身突き放して1位入線したが、5着に降着となった。


グロリアデカンペオンGloria De Campeao、23戦8勝2着5回3着3回)
ブラジル生産馬。ブラジルでの競走馬時代は8戦5勝、GI 3着2回、GII 1勝、GIII 1勝。その後フランスのバリー厩舎に移籍する。がキャリアの半分ほどはドバイ・ナドアルシバ競馬場でのもので、08年マクトゥームチャレンジラウンド1(GIII、ダート1600m)9馬身差2着、マクトゥームチャレンジラウンド3(GII、ダート2000m)2着、ドバイWC(GI)8着。その後フランスドゥーヴィル競馬場でオールウェザー1900m戦(一般戦)を3着、凱旋門賞当日のドラール賞(仏GII、ロンシャン競馬場芝2000m)で8頭中最下位だった。

6歳になった09年は再びナドアルシバ競馬場で、マクトゥームチャレンジラウンド1(GIII、ダート1600m)12馬身差5着、マクトゥームチャレンジラウンド2(GIII、ダート1800m)6馬身差4着、メイダンホテルトロフィー(一般戦、1800m)した後、ドバイワールドカップ(GI、ダート2000m)でウェルアームドから14馬身差の2着に入った。その後シンガポール航空インターナショナルカップ(GI、クランジ競馬場芝2000m)をレコード勝ち、次の8月アーリントンミリオン(GI)はジオポンティから9馬身離された8頭立て7着だった。今年2010年はマクトゥームチャレンジラウンド1(GIII、オールウェザー1600m)1着、マクトゥームチャレンジラウンド3(GII、オールウェザー2000m)でレッドディザイアの2着だった。

芝2000mで GI 勝ちがあるのはドバイに向けて好材料である。一方08年ドラール賞、09年アーリントンミリオンで不可解なほど負けている。ハマれば怖いがどうだろうか。


ジターノエルナンド(Gitano Hernando、8戦5勝2着2回)
イギリス馬だが、09年3月にアメリカの3歳牡馬クラシック第3弾ベルモントステークスに出走を表明したユニークな経歴の持ち主。09年9月にグッドウッドステークス(GI、サンタアニタ競馬場オールウェザー1800m)で GI に初出走し優勝。ブリーダーズカップ・クラシックの有力候補に躍り出たが、ドバイの方を優先するとして BC は回避した。復帰戦の2月27日の英リングフィールド競馬場オールウェザー2000m戦(準重賞)は4馬身差圧勝。グッドウッドステークスで1/4馬身差2着に負かしたコロニアルジョンは次走、BC クラシックで4・1/2馬身差5着。またグッドウッドS.3着はリチャーズキッド。この2頭をものさしに実績を評価すると米国勢では3番手だが、キャリアが浅くまだ化ける可能性がある。


リザーズディザイア(Lizard's Desire、16戦6勝2着4回3着2回)
南アフリカで GIII(芝1400m)2着、GI(芝1600m)11着、GIII(芝2400m)1着、GI(芝2000m)10着、GII(芝2400m)2着がある。その後、メイダン競馬場で3走し、一般戦(1900m、2000m)をそれぞれ2・1/2馬身、2・1/4馬身差で勝利。マクトゥームチャレンジラウンド3でレッドディザイアから1・1/4馬身差5着。これは格下扱いで問題ないと思う。


ミスターブロック(Mr Brock、37戦8勝2着6回3着2回)
こちらも南アフリカを中心に走ってきた。08年7月から非国際グレードレース GI(芝1600m)、GIII(芝2050m)、GI(芝2300m)を3連勝している。09年にフランス芝1600m(GIII)で2着が目立つ程度。2010年にマクトゥームチャレンジラウンド2(GIII、オールウェザー1800)4・1/4馬身差4着、マクトゥームチャレンジラウンド3(GII)でレッドディザイアの1馬身差3着。他にメイダン競馬場の一般戦を2勝。リザーズディザイアよりちょっと強い程度だと思われる。


アリバーAllybar、15戦5勝2着1回3着4回)
ゴドルフィンの持ち馬です。09年5月に重賞初出走してから、いずれもフランスでグレフュール賞(3歳GII、サンクルー競馬場芝2000m)3着、ダフニ賞(GIII、芝1800m)2着、ユージーンアダム賞(GII、芝2000m)6着、ギョーム・ドルナノ賞(GII、芝2000m)3着、プランス・ドランジュ賞(GIII、芝2000m)3着。つまり重賞勝ちなし。今年2010年初戦をメイダン競馬場で迎え、GI 1勝2着2回3着1回のプレスヴィスを7馬身突き放して圧勝(ただしハンデ戦でプレスヴィス60kgに対してアリバーは54kg)。マクトゥームチャレンジラウンド2(GII)1着。マクトゥームチャレンジラウンド3でレッドディザイアの1馬身差4着。

フランスでの成績は平凡だが、メイダン競馬場での適性は高い。ミスターブロックと同程度の評価だが、まだ4歳だから成長力に期待できる。

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