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2013年11月3日日曜日

米G1 BCディスタフ、3歳ビホールダーがG1競走5勝目。ロイヤルデルタの3連覇ならず

11月1日に行われた米G1 BCディスタフ(ダート9ハロン、3歳以上牝馬)は、3番手追走した3番人気ビホールダーが4コーナーで先頭に立つと4番手追走した4番人気クロースハッチズに4・1/4馬身差をつけて完勝しました。3歳馬のワンツーです。

前走G1でビホールダーの2着だった6歳オーセンティシティーが3着。

2連覇中(2008年から2012年までBCレディースクラシックの名称で施行)だった1番人気のロイヤルデルタは2番手先行も4コーナーで1,2着馬についていけず8馬身差の4着に敗れ、BC史上2頭目の同一競走3連覇はなりませんでした。

また今年のケンタッキーオークス勝ち馬であり、前走10月の米G1ベルデイムS.(ダート9ハロン、3歳以上牝馬)ではロイヤルデルタに2馬身差をつけて勝ってG1競走4連勝としていたプリンセスオブシルマーは、スタートから後方のまま最下位6着に敗れています。

プリンセスオブシルマーとロイヤルデルタは案外な結果でしたが、前走ベルデイムS.で対戦したことで消耗していたのかもしれません。



ビホールダーは父ヘニーヒューズ(来年から優駿スタリオンステーションで種牡馬)、母レスリーズレディ(ステークス1勝含む米5勝)、母の父トリッキークリークという血統。3代母は昨年の米3歳2冠馬アイルハヴアナザー(血統)の3代母と7/8同血。

昨年の米G1 BCジュベナイルフィリーズ(ダート8.5ハロン、2牝)は逃げ切ってG1初勝利。その後ケンタッキオークスはプリンセスオブシルマーの半馬身差2着に敗れましたが、それを挟んで米G1ラスヴァージネスS.(ダート1マイル、3牝)、米G1サンタアニタオークス(ダート8.5ハロン、3牝)、米G1ゼニヤッタS.(ダート8.5ハロン、3歳以上牝馬)を勝っていました。

これでサンタアニタ競馬場は通算7戦【6-1-0-0】の成績で、2着1回も6.5ハロン戦であり、同競馬場の1マイル以上は6戦無敗です。またG1はすべてサンタアニタでの勝利です。


関係者によると来年もおそらく現役で、ちなみに来年のBCもサンタアニタで行われることが決まっています。

またプリンセスオブシルマーも現役続行の模様。ロイヤルデルタも来年6歳ですが、近いうちに引退するかどうか決めるとのことで、来年も現役の可能性があります。


2013年 BCディスタフのレース映像。


ブリーダーズカップ・ディスタフ(Breeders' Cup Distaff)
2013年11月1日、アメリカ・サンタアニタ競馬場、ダート9ハロン
3歳以上牝馬、G1、6頭、レース結果(PDF)、総賞金200万米ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ビホールダー
Beholder
3牝
3.8倍
G.スティーヴンズ1分47秒7712戦【8-3-0-1】
昨年はBC JF勝ち
2クロースハッチズ
Close Hatches
3牝
8.5倍
J.ロザリオ4・1/48戦【5-2-0-1】
前々走と前走3歳牝馬G1勝ち
3オーセンティシティー
Authenticity
6牝
9.8倍
J.ヴェラスケス1・3/412戦【4-5-2-1】
G1【0-3-1-0】

2013年11月2日土曜日

2013米ブリーダーズカップのネット中継サイト

日本時間11月2日および3日に行われる米ブリーダーズカップのネット中継サイトの紹介です。

ブリーダーズカップ公式
http://www.breederscup.com/
「Watch Now」をクリックでストリーミング配信を視聴可能。

米DRF
http://www.drf.com/events/breeders-cup-classic
ページ右「WATCH LIVE VIDEO」をクリックし、フェイスブックやツイッターなどでログインして視聴可能(な模様)。



ニコ生のコメントでわいわいしながら見たい人向け
http://com.nicovideo.jp/community/co1685673
2日および3日のブリーダーズカップ全競走

http://com.nicovideo.jp/community/co57827
2日(BCディスタフ)、3日(ターフ、マイル、クラシック)の予定の模様
ニコ生も映像・実況自体はアメリカの配信だろうと思います。


日本語出馬表(いずれも「おうまのアイコン」さん)
BCディスタフ 2013 出走馬展望 
BCターフ 2013 出走馬展望
BCマイル 2013 出走馬展望
BCクラシック 2013 出走馬展望

ちなみに1日目(日本時間2日)の第1レース、芝6・1/2ハロンのアローワンス戦(総賞金7万ドル)の勝ち時計は1分12秒42でした。昨年の同コースの米G1 BCターフスプリント(総賞金100万ドル)は1分11秒39でしたから、芝は昨年と同じかそれ以上に速い馬場でしょう。

2013年10月7日月曜日

トレヴについて調教師は「来年の現役と、年内もう1走するなら香港を希望」

凱旋門賞を勝ったトレヴについてツイッターで競馬メディア記者らが伝えるところをまとめると(どちらも信頼できるアカウントです)、ヘッドマーレック調教師は「オーナーの許可があれば来年も現役で凱旋門賞2連覇を目指す」

また「来年も現役なら凱旋門賞2連覇のために休ませることを進言するが、年内にもう1走するなら香港だろう」とのこと。

ジャパンカップにノヴェリストが来日する可能性があるだけにトレヴも来てくれればすごく盛り上がるんですが。東京ならオルフェーヴルやキズナ(やジェネンティルドンナら)とどういう結果になるのか見たいですよねー。

2013年10月6日日曜日

2013年凱旋門賞、トレヴが5馬身差圧勝で5戦無敗、G1競走3連勝。オルフェーヴル2着、キズナ4着

10月6日に行われた仏G1凱旋門賞(芝2400m、3歳以上牡牝)は、後方につけた2番人気トレヴがフォルスストレートで進出し残り500mの直線入り口で先頭に並びかけると、先行したアンテロと後方追走のオルフェーヴルの2頭の叩き合いを尻目に、5馬身差をつけて圧勝しました。

2着にオルフェーヴル、クビ差の3着にアンテロ。

トレヴの直後を追走したキズナはトレヴを追いかけて残り400mぐらいではわずかに2番手まで上がったように見えますが、内から盛り返したオルフェーヴル、アンテロに徐々に遅れてアンテロから2馬身差の4着に敗れました。


他の人気上位馬では今年英愛10ハロンG1を3勝したアルカジームは6着(キズナからは4馬身差)、英ダービー馬ルーラーオブザワールドは7着、パリ大賞勝ち馬フリントシャー8着、ブラジル出身(で南米芝最強クラス)のゴーイングサムウェアが9着、英セントレジャー勝ち馬リーディングライト12着など。


ちなみに私の予想(カッコ内は結果)は、
◎オルフェーヴル(2着)
○キズナ(4着)
▲トレヴ(1着)
△ペンライパビリオン(5着)  
△リーディングライト(12着)
△オコヴァンゴ(14着)
でした。


トレヴは父モティヴェーター、母トレヴィーズ、母の父アナバーという血統のフランス産馬。2代母がトリプティクの3/4同血という良血。半兄が仏G2で3着1回。

昨年9月の未出走馬戦を1・1/2馬身差で、今年5月にデビュー2戦目の条件戦(どちらも牝馬限定芝1600m)を3・1/2馬身差で連勝し、6月に行われた前走の仏G1ディアヌ賞(仏オークス、芝2100m、3歳牝馬)は4馬身差、従来のレコードを2.13秒上回るレコードで圧勝。

その後カタールのJoaan Bin Hamad Al Thani 氏が購入。前走の古馬初対戦だった仏G1ヴェルメイユ賞(芝2400m、3歳以上)も、2着に1・3/4馬身差をつけて完勝していました。

またヴェルメイユ賞で騎乗したデットーリ騎手は水曜日に足首を骨折したため、仏オークスまで騎乗していたジャルネ騎手に戻っていました。同騎手は92年 Subotica、94年カーネギー以来の凱旋門賞3勝目。

次走は不明ですが、オーナーの許可があれば調教師は来年も現役を続けて凱旋門賞2連覇を目指したいと。


凱旋門賞はこれで牝馬による3連覇(2011デインドリーム、2012ソレミア)。ただ牝馬の優勝は今年を入れて近20年で4勝目でもう1例は08年のザルカヴァですからこの6年で牝馬の4勝です。

強いのは分かっていましたが、ロンシャンの馬場とはいえまともに走ったオルフェーヴルに5馬身もつけるほど強い馬だとはちょっと思いませんでしたね。


オルフェーヴルは道中かかったしぐさもやや見られ、トレヴに、続いてキズナに最終コーナーで外から蓋をされましたが、最終的に5馬身差なら完敗。

さすがに来年も現役ということは無いと思うので、体調が許すならジャパンカップ、有馬記念と走って欲しいですが、鼻出血で宝塚記念を回避したわけですから無理せずに。


キズナはトレヴと一緒に上がっていったのが最後に響いての4着で、仕掛けを待てば2着はあったかもしれませんけど、2着になるためにわざわざフランスに行ったわけではないので結果的に4着でもしょうがないかなと。

武豊騎手はオルフェーヴルかトレヴを負かせば勝てると思ってたんじゃないですかね。トレヴが上がっていく以上ついていくしかないし、同時に付いていく事でオルフェーヴルの前に出たトレヴの代わりに勝負どころでオルフェーヴルを蓋することも出来るという素晴らしい騎乗でした。

それでも英ダービー馬や、英愛の10ハロンG1で今年5戦3勝2着1回3着1回のアルカジームには4馬身以上先着していますから、4着でもむちゃくちゃ強いのは間違いないなく、3歳牡馬ならアンテロと並んで世界最強クラスであることは証明できました。

(それにしても武豊騎手はなぜ海外だと、日本で昔得意としていたような自分から前を捕らえに行く競馬をするんでしょうね。近年もこの競馬を日本で出来ていれば例えば菊花賞は今の倍は勝てたんじゃないかと思うんですが)


2013年凱旋門賞のレース映像。ゲート向かって右から3頭目、灰色の勝負服がトレヴ。


凱旋門賞(Qatar Prix de l'Arc de Triomphe)
2013年10月6日、フランス・ロンシャン競馬場、芝2400m
3歳以上牡牝、G1、17頭、重(souple)、レース結果、総賞金480万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1トレヴ
Treve
3牝
5.8倍
T.ジャルネ
54.5kg
2分32秒045戦【5-0-0-0】
G1競走3連勝
2オルフェーヴル
Orfevre
5牡
2.3倍
C.スミヨン
59.5kg
520戦【11-6-1-2】
3歳三冠
有馬記念、宝塚記念
3アンテロ
Intello
3牡
11倍
O.ペリエ
56kg
クビ9戦【6-0-3-0】
仏ダービー
4キズナ
Kizuna
3牡
7.5倍
武豊
56kg
29戦【6-0-1-2】
東京優駿(日本ダービー)
5ペンライパヴィリオン
Penglai Pavilion
3牡
55倍
M.バルザローナ
56kg
28戦【4-0-2-2】
仏G2ドーヴィル大賞2着

2013年凱旋門賞のネット中継(キズナ、オルフェーヴル)

キズナ、オルフェーヴルが出走を予定している2013年凱旋門賞の見れるネット中継サイトです。地上波でもテレビ中継がありますから、テレビの見れる人はJRAのこのページを参考にしてください。

出馬表
凱旋門賞 2013 出走馬展望 【おうまのアイコン wire-to-wire】


2013凱旋門賞の主な出走予定馬紹介と予想



中継サイト
外国語
http://www.amwestentertainment.com/arc-de-triomphe/live-video/(これが1番安定しているはず)

Daily Racing Form Live Video Player(米競馬メディアDRFのサイト)

フランス競馬(ネット競馬の「おにぎりくん」さんという情報通の方のサイトが、フランスの中継サイトを埋め込んでいる)

ニコ生
http://com.nicovideo.jp/community/co57827

まあ地上波中継もあるので以上で十分でしょう。

2014年の凱旋門賞はロンシャンで。シャンティイなど他場での代替開催は2015年以降

昨年も「2013凱旋門賞はロンシャンで。シャンティイ競馬場での凱旋門賞は2015年」という記事を書きましたが、念のため。

凱旋門賞が行われるロンシャン競馬場の改修は現在のところ早くても2014年の凱旋門賞後であり、凱旋門賞がロンシャン以外の競馬場(シャンティイ競馬場が有力)で行われるのは2015年以降のことです。

2013年ディアヌ賞+「ニュー・ロンシャン計画」続報: 『華麗なるフランス競馬』公式ブログ」を参考にどうぞ。

もちろんまた遅れる可能性もあります。


今日の京都大賞典の競馬を見る限りやはりゴールドシップは京都外回りは駄目なようだから、来年のロンシャン遠征はゴールドシップにお願いしましょう。

(ちなみにトーセンラー→ゴールドシップの馬単を本線で買ってましたけど、ゴールドシップはともかくトーセンラーまで3着をはずすとは思いませんでした。)

2013凱旋門賞の主な出走予定馬紹介と予想

2013年10月6日に行われる仏G1凱旋門賞(芝2400m、3歳以上牡牝)の主な出走馬を紹介します。

枠順等はいつもどおり凱旋門賞 2013 出走馬展望 【おうまのアイコン wire-to-wire】でご確認ください。

英ブックメーカーのうち、ウィリアムヒルのオッズ(9月29日時点)の順で並べています。騎手は想定含む。

ちなみに昨年の予想は次のとおりでした。
◎オルフェーヴル(2着)
○キャメロット(7着)
▲グレートヘヴンズ(6着)
△サオノワ(15着)
△イエローアンドグリーン(5着)
△ソレミア(1着)


今年は
◎オルフェーヴル(1人気)
○キズナ(3人気)
▲トレヴ(2人気)
△ペンライパビリオン(同オッズ9人気)  
△リーディングライト(5人気)
△オコヴァンゴ(同オッズ9人気)

です。印をつけてみるとオルフェーヴル以外は自然と3歳馬を選びましたが、3歳有利の斤量を意識したわけではないです。


オルフェーヴル Orfevre(3.5倍 1番人気)
父ステイゴールド、母オリエンタルアート、母の父メジロマックイーン
クリストフ・スミヨン騎手

昨年の凱旋門賞は誰もが勝ったと思ったところから人気薄のソレミアに差し返されての2着。今年はG2大阪杯を勝った後、鼻出血(の前段階?)でG1宝塚記念を回避したが、9月の仏G2フォワ賞を楽勝して凱旋門賞の最有力馬である事を改めて示しました。

過去にフォワ賞を2勝したアレフランス(74-75年)とサガス(84-85年)はどちらも凱旋門賞を勝っており、2頭に続いてそろそろ日本馬の初制覇を見せてもらいたい。


トレヴ Treve(6倍 2番人気)
父モティヴェーター、母トレヴィーズ、母の父アナバー
ティエリ・ジャルネ騎手

6月の仏G1ディアヌ賞(仏オークス、芝2100m、3歳牝馬)を4馬身差、従来のレコードを2.13秒上回るレコードで圧勝し、前走9月の仏G1ヴェルメイユ賞(芝2400m、3歳以上牝馬)は古馬初対戦も、何の問題も無く完勝してデビューから無敗の4連勝。


高速馬場のディアヌ賞でも重馬場のヴェルメイユ賞でも内から鋭く抜け出す圧巻の勝利。内を割るといえば、昨年の凱旋門賞までの2戦(仏ダービー、ニエル賞)で同じようなレース振りを見せて人気を集めたものの15着に敗れたサオノワと同じではあるが、トレヴは他馬を圧倒する強さを見せており、辛勝ばかりだったサオノワよりは一枚上の存在。


(回避)ノヴェリスト Novellist
父モンズン、母ナイトラグーン(独G3勝ち)、母の父ラグナス
ジョニー・ムルタ騎手

英G1"キングジョージ"5馬身差圧勝で凱旋門賞でも人気を集めていたが5日朝に熱発が判明し回避となった。


キズナ Kizuna(8.5倍、3番人気)
父ディープインパクト、母キャットクイル、母の父ストームキャット
武豊騎手

毎日杯、京都新聞杯、日本ダービー、ニエル賞と連勝中。特に前走はロンシャンの重馬場で英ダービー馬ルーラーオブザワールドを下し、当時の凱旋門賞前売り1番人気だったパリ大賞勝ち馬フリントシャーは楽々と交わす強い競馬を見せました。

良馬場であれば、負けはすべて重馬場という成績のフリントシャーの巻き返しも怖かったが、今回も重馬場だから前走どおりを期待していいでしょう。


ルーラーオブザワールド Ruler of the world(10倍、4番人気)
父ガリレオ、母母ラブミートゥルー(愛G3で3着)、母の父キングマンボ
ライアン・ムーア騎手

デビューから3連勝で英ダービーを優勝。その次走の愛ダービーは10馬身差5着、前走ニエル賞はキズナを僅差の2着。

愛ダービーの敗因はおそらく、2001年ガリレオの2分27秒10以来となる好時計という高速馬場での決着だったことで、重馬場だったニエル賞は負けたにしてもきっちり巻き返しました。

最大の問題は凱旋門賞におけるガリレオ産駒の大不振でしょう。同産駒が凱旋門賞で3着以内に入ったのは2008年3着のソルジャーオブフォーチュンだけ。同馬はその前年にも5着に入っていますが、ガリレオ産駒が凱旋門賞で5着以内に入ったことさえその2回しかありません。


アンテロ Intello(12倍、同オッズ5番人気)
父ガリレオ、母アンプレショナント(仏マイルG1で2着2回)、母の父デインヒル
オリビエ・ペリエ騎手

凱旋門賞7回優勝のアンドレ・ファーブル調教師は今年5頭出しで、その中でも最も自信のあるのがこのアンテロだそうです。

今年のフランスダービー馬ですが、その後マイルに戻り、ジャックルマロワ賞3着。前走は2000mの仏G3勝ち。と言うわけで2400mを走るのはデビュー9戦目の今回が初めて。

前述どおりガリレオ産駒であるだけでも不安ですが、活躍馬続出のガリレオ×デインヒルの配合は2400mのG1を勝ったことが無く、2011年のような高速馬場ならともかく距離は持たないでしょう。


リーディングライト Leading Light(12倍、同オッズ5番人気)
父モンジュー、母ダンスパレード、母の父ゴーンウェスト
ジェラルド・モッセ騎手

英愛で重賞3連勝中(10ハロン、16ハロン、14.5ハロン)で、前走は英G1セントレジャー優勝し、凱旋門賞へは追加登録料を支払っての出走。

母のゴーンウェスト×アイリッシュリヴァーなのがちょっと気になるがガリレオ産駒を買うぐらいならモンジューのほうが全然良いでしょう。ちなみにモンジュー×ゴーウェストは英ダービー勝ち馬で凱旋門賞5着のモチヴェーターと同じ。



フリントシャー Flintshire(13倍、7番人気)
父ダンジリ、母ダンスルーティン(仏オークス2着)、母の父サドラーズウェルズ

7月の仏G1パリ大賞(芝2400m)はゴール前でギュイヨン騎手が手綱を押さえる余裕を見せ1・1/2馬身差で完勝。ニエル賞でキズナから1・3/4馬身差の4着に敗れるまで、凱旋門賞の前売り1番人気でした。

ココまで5戦3勝、負けた2回はどちらも重馬場で、今年の凱旋門賞も重馬場。キズナやルーラーオブザワールドとの比較ではやや不利です。アンテロよりは上だと思いますが。


アルカジーム Al Kazeem(17倍、8番人気)
父ドバウィ、母カジーム、母の父ダルシャーン

本命不在だった今年の古馬10ハロン路線を牽引した1頭。愛G1タターソールズゴールドカップ(芝10.5ハロン)、英G1プリンスオブウェールズS.(芝10ハロン)、英エクリプスS.(芝10ハロン7ヤード、3歳以上)とG1を3連勝し、英G1インターナショナルS.(芝約2092m、3歳以上)は3着、愛G1アイリッシュチャンピオンS.(芝10ハロン)も2着でした。

2400m(12ハロン)を走るのは昨年5月の英G2ジョッキークラブS.(芝12ハロン)を4馬身差で勝って以来のことです。そのG2戦におけるアルカジームの区間ラップは

17.02 - 14.45 - 14.38 - 13.90 - 13.32 - 13.26 - 12.51 - 11.86 - 11.68 - 11.84 - 12.23 - 13.21

という超スローでした。今年の10ハロンG1における大活躍を見ればそのペースなら12ハロンG2を完勝するのは当然ともいえ、「凱旋門賞の2400m」をこなせるという保証にはまったくならないだろうと。


オコヴァンゴ Ocovango(34倍、9番人気)
父モンズン、母クリスタルメイズ、母の父ゴーンウェスト

英ダービー5着、パリ大賞3着、ニエル賞3着。ニエル賞ではパリ大賞で負けたフリントシャーに先着した。

6戦して1番負けたのが英ダービーという安定振りで、さりげなく3着に紛れん込んできそうな気がする。


ペンライパヴィリオン Penglai Pavilion(34倍、9番人気)
父モンズン、母メイデンタワー、母の父グルームダンサー

前々走のドーヴィル大賞(芝2500m)はアタマ差2着し、ベリーナイスネーム(フォワ賞2着)、シリュスデゼーグル(英チャンピオンS.など)に先着。

また前走の不良馬場だった仏準重賞テュレンヌ賞(芝2400m)は、2着に3/4馬身差、3着にさらに3馬身差をつけて完勝。その4馬身差5着だったマンダウィはパリ大賞でフリントシャーから1・1/2馬身差の2着。

10ハロン以上では4戦2勝2着2回、負けた2回はどちらもアタマ差でした。重賞出走がドーヴィル大賞だけのため地味な存在ですが、近走のレベルは高く穴馬ならこれだと思う。

ノヴェリスト、熱発で凱旋門賞回避。引退レースにジャパンカップ出走の可能性も

英G1"キングジョージ"5馬身差完勝など伊仏英独でG1を4勝している今年無敗のノヴェリスト Novellist が凱旋門賞を熱発のため回避することになりました。残念です。

ヴェーラー調教師によると「輸送を行うはずだった今朝(5日の朝)まではすべて順調だった。熱があったため輸送を遅らせることで対応できないかと考えたが、体温を測りなおしたところさらに上がっていたため、出走をあきらめることにした」とのこと。

ノヴェリストは3番人気でしたから、英ブックメーカーの凱旋門賞オッズは日本時間6日午前4時30分時点で1番人気オルフェーヴル、2番人気トレヴ、3番人気にキズナです。



なお、同師は「ジャパンカップに登録している(する?)が、それについてどうするか決めるには早すぎる」とも述べています。またノヴェリストのオーナーであるクリストフ・ベルクラー氏も「月曜日にジャパンカップの登録(招待?)を受けとった。ただしまずは体調を回復させることが優先だ」と述べています。二人とも英チャンピオンS.や米ブリーダーズカップ、香港などについては特に言及しなかった模様。

また、数日前の独競馬メディア記事にベルクラー氏のインタビューが掲載されており、これによるとオーナーの凱旋門賞後についての考えは「米ブリーダーズカップは間隔が短すぎる。ジャパンカップについては(登録している?話し合っている?)。今年で現役を終え、来年は種牡馬になるだろう」というものでした。

そのインタビュー記事と回避決定後のベルクラー氏およびヴェーラー師のコメントをあわせて考えると、引退前にもう1走するのであればジャパンカップである可能性がもっとも高いと言えそうです。

このジャパンカップの話は最近になってにわかに出てきたというものではなく、(私は見落としていましたが)バーデン大賞後のドイツの記事でも「凱旋門賞後はBCかジャパンカップもありえる」と書かれていますから、本当に参戦が実現する可能性はあります。

ただし凱旋門賞を回避したからレース間隔を気にしなくて良いとしてBCターフが再び選択肢に浮上する可能性もあるでしょうし、あるいはさらに間隔のある香港カップや香港ヴァーズもあるでしょうし、あるいはこのまま引退するかもしれません。



ちなみにノヴェリストの3代母 Narola はベルグラー氏が初めて所有した競走馬だったらしく、例えば同氏が2011年にアメリカの Stonereath Stud という牧場を購入したときの名義上のオーナーが「Narola LLC」であるというほどに思い入れの強い1頭のようですね。当然ですけど。

先のインタビューで「ノヴェリストは20年にわたるサラブレッド生産の成果なんだ」と述べていましたが、そういう点でもこの回避は相当に無念でしょう。


最後に、前走バーデン大賞勝利時に
このバーデン企業大賞→サンクルー大賞→"キングジョージ"→バーデン大賞は昨年のデインドリームと同じローテーションで、デインドリームは1着4着1着1着でしたが凱旋門賞は出走できませんでした。

と書きましたが、ノヴェリストも回避でこのローテーションは凱旋門賞に関しては呪われてますね。

2013年9月15日日曜日

仏G2フォワ賞、オルフェーヴルが3馬身差快勝で2連覇。5着にステラウインド武豊

9月15日に行われた仏G2フォワ賞(芝2400m、4歳以上)は、逃げたステラウインド(武豊騎乗)を、その直後3番手内ラチ沿いにつけたオルフェーヴルが残り300mで馬なりのまま並びかけて交わすと、ほぼ流して3馬身差で快勝し、このレース2連覇です。追われたのは100m強ぐらいの間という楽勝でした。

今年のドバイシーマクラシック3着のベリーナイスネームが3馬身差の2着。吉田照哉氏の所有馬で、昨年の仏G1ヴェルメイユ賞2着があるピリカがさらに3/4馬身差の3着。

昨年の英2冠馬キャメロットは重馬場のため、出走取り消し。

昨年12月に南米の凱旋門賞ともいわれる亜G1カルロスペリグリーニ大賞(芝2400m)を勝ったゴーイングサムウェアが4着。ステラウインドが5着。昨年の凱旋門賞4着だったハヤランダは6着。

豪と香港でG1を3勝し、今年はドバイシーマクラシック(芝2410m)4着、仏G1ガネー賞(芝2100m)3着、英G1コロネーションカップ(芝12ハロン)2着、仏G1サンクルー大賞(芝2400m)2着と好走を続けていたドゥナデンは2番人気8着に終わっています。


オルフェーヴルは父ステイゴールド、母オリエンタルアート、母の父メジロマックイーンという血統。
3月31日のG2大阪杯以来の出走でしたが、特に問題なく楽勝しました。

勝ちタイム2分41秒47は、ニエル賞の2分37秒64、ヴェルメイユ賞の2分36秒82よりかなり遅いですが、これはステラウインドのペースがかなり遅かったということではないかと。

凱旋門賞は10月6日です。

2013年フォワ賞のレース映像(YouTube)

フォワ賞(Qatar Prix Foy)
2013年9月15日、フランス・ロンシャン競馬場、芝2400m
4歳以上牡牝、G2、9頭、レース結果、総賞金13万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1オルフェーヴル
Orfevre
5牡
1.8倍
C.スミヨン2分41秒4719戦【11-5-1-2】
3歳三冠
有馬記念、宝塚記念
2ベリーナイスネーム
Very Nice Name
4牡
16倍
O.ペリエ316戦【6-2-5-3】
ドバイシーマクラシック3着
3ピリカ
Pirika
5牝
22倍
P.ブドー3/417戦【3-3-2-9】
昨年の仏G1ヴェルメイユ賞2着

仏G1ヴェルメイユ賞、トレヴがデビュー4連勝でG1競走2勝目

9月15日に行われた仏G1ヴェルメイユ賞(芝2400m、3歳以上)は、凱旋門賞前売りでも人気をしていた仏オークス馬トレヴが6,7番手内ラチ沿いを追走し残り400mで前が開くと、英重賞3連勝中だったワイルドココを残り100mで差し切って優勝し、デビューから無敗の4連勝、G1競走2勝目を挙げました。

デットーリ騎手は薬物問題で半年の騎乗停止後、これが初G1勝利です。

1・3/4馬身差の2着にワイルドココ。さらに3・1/2馬身差の3着に、仏1000ギニー4馬身差3着、仏オークス5馬身差4着馬で、その後2000mの仏3歳牝馬重賞を2連勝していたタサデイが入りました。

愛オークス2着、G1ヨークシャーオークス(芝12ハロン、3歳以上牝馬)2着のヴィーナスデミロが2番人気でしたが、8着に終わっています。


トレヴは父モティヴェーター、母トレヴィーズ、母の父アナバーという血統のフランス産馬。2代母がトリプティクの3/4同血という良血。半兄が仏G2で3着1回。

昨年9月の未出走馬戦を1・1/2馬身差で、今年5月にデビュー2戦目の条件戦(どちらも牝馬限定芝1600m)を3・1/2馬身差で連勝し、6月に行われた前走の仏G1ディアヌ賞(仏オークス、芝2100m、3歳牝馬)は4馬身差、従来のレコードを2.13秒上回るレコードで圧勝していました。ちなみにそのオークス2着馬はその次走の愛オークスを勝ちました。

勝ちタイムはキズナが勝ったニエル賞を0.82秒上回りました。まあペースの違いもありますが(追記:それから斤量の違いもありますね。キズナよりトレヴは3.5kg軽い))。古馬初対戦でも強い勝ち方で凱旋門賞でさらに人気を挙げそうです。

ヴェルメイユ賞(Qatar Prix Vermeille)
2013年9月15日、フランス・ロンシャン競馬場、芝2400m
3歳以上牝馬(3歳54.5kg、4歳以上58kg)、G1、10頭、レース結果、総賞金35万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1トレヴ
Treve
3牝
1.7倍
F.デットーリ2分36秒824戦【4-0-0-0】
重賞2連勝
2ワイルドココ
Wild Coco
5牝
15倍
T.クウィリー1・3/49戦【5-2-0-2】
英重賞3連勝
3タサデイ
Tasaday
3牝
13倍
M.バルザローナ3・1/29戦【5-1-2-1】
仏重賞3勝

仏Paris Turf がオルフェーヴルの画像をフランス国内ニュースのアイコンに使用している

フランスの競馬メディア Paris Turf は、今年の3-5月ごろだったと思いますがサイトデザインを大きく変更しました。

この新デザインになって以降、次のようにフランス国内のニュースを示すアイコンにオルフェーヴル@凱旋門賞の画像が使われています。
ACTUALITES(ニュースの意味)→FRANCE


画像のみ。http://cdn1.paris-turf.com/medias/_cached/menu_category_default/images/categories/france.jpg


オルフェーヴルであることは顔や勝負服で明らかですが、フォワ賞ではなく凱旋門賞だとわかる理由は、後方に写っている黄色と青の縦じまの勝負服が凱旋門賞4着のハヤランダ Haya Landa だから。


凱旋門賞を勝った方のソレミアでないのは、ソレミアは引退していてオルフェーヴルが今年2013年の中心になりそうな馬だったから、とかでしょうかね。というわけで本日15日はオルフェーヴルの今年フランス初戦であるフォワ賞です。キズナはすでにフォワ賞の3レース前のニエル賞を勝ちました。

関連:南ア競馬サイトのトップ画像が武豊シンボリクリスエス

仏G2ニエル賞、キズナが優勝。2着に英ダービー馬ルーラーオブザワールド

ソース:http://www.france-galop.com/


9月15日に行われた仏G2ニエル賞(芝2400m、3歳)は、後方2,3番手追走のキズナが最後の直線で、中団追走した仏G1パリ大賞勝ち馬で凱旋門賞前売り1番人気のフリントシャーなどを交わして先頭に立つと、内から盛り返した英ダービー馬ルーラーオブザワールドを短アタマ差だけ押さえて優勝し、遠征初戦を無事に勝利で飾りました。

英ダービー5着、パリ大賞3着馬で4番手先行のオコヴァンゴも内を伸びて、さらに3/4馬身差の3着。フリントシャーがさらに1馬身差の4着。2-4着馬は残り1000mで4-6番手にいた3頭でキズナは9番手(後ろから2番手)でした。仏ダービー19頭立て8着のグレートジャーニー産駒マックスダイナマイトは7着でした。


キズナは父ディープインパクト、母キャットクイル、母の父ストームキャット、半姉に桜花賞などG1競走3勝のファレノプシスがいる血統

これで毎日杯、京都新聞杯、日本ダービーに続き重賞4連勝です。ディープインパクト産駒だから重い芝になってどうか心配でしたが、今回は重馬場で(それとおそらくスローペースでしたが)勝ちタイムは2分37秒64。ルーラーオブザワールドは時計のかかった英ダービーの勝ち馬で、これを僅差とはいえこの馬場で負かせるなら本番の凱旋門賞が雨になっても大いに期待できそうです。

4着に終わったフリントシャーは良馬場のほうが良いタイプだと思うので、一昨年のデインドリームが勝った時のような高速馬場なら本番で巻き返しは十分あると思います。

ちなみにこの Paris Turf のところでキズナにマウスをあわせると現れる画像は、フランスにいる同名馬のキズナでしたが、これで今回の画像に変わるでしょう。

2013年ニエル賞のレース映像(YouTube)。

ニエル賞(Qatar Prix Niel)
2013年9月15日、フランス・ロンシャン競馬場、芝2400m
3歳、G2、10頭、レース結果、総賞金13万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1キズナ
Kizuna
3牡
7.8倍
武豊2分37秒648戦【6-0-1-1】
日本ダービー
毎日杯、京都新聞杯
2ルーラーオブザワールド
Ruler of the World
3牡
8.8倍
R.ムーア短アタマ5戦【3-1-0-1】
G1英ダービー
3オコヴァンゴ
Ocovango
3牡
11倍
O.ペリエ3/46戦【3-0-3-0】
英ダービー5着、パリ大賞3着
4フリントシャー
Flintshire
3牡
2.5倍
M.ギュイヨン15戦【3-1-0-1】
仏G1パリ大賞

愛チャンピオンS.、ザフューグがG1競走3勝目。2年連続牝馬の勝利

9月7日に行われた愛G1アイリッシュチャンピオンS.(芝10ハロン、3歳以上)は4番手追走した2番人気ザフューグが、逃げたトレーディングレザーと2番手先行した1番人気アルカジーム(英インターナショナルS.の2,3着馬)を残り300mあたりで交わすと、アルカジームに1・1/4馬身差をつけて快勝し、G1競走3勝目、牡馬相手のG1初勝利を挙げました。

昨年のスノーフェアリーに続き2年連続で牝馬の勝利です。ちなみにスノーフェアリーより前の牝馬の勝利は、1996年の Timarida までさかのぼる必要があります。


昨年の英G1レーシングポストトロフィー(芝1マイル、2歳)1着以来の出走で、同オッズ2番人気だったキングズバーンズは、最終コーナー手前でず るずると下がって大差の最下位6着。J.オブライエン騎手らによると歩様がおかしかったので無理をさせなかったと。今のところ特に大きな怪我などの情報は 無いです。


ザフューグは父ダンシリ、母の父トワイラサープ、母の父サドラーズウェルズという血統。母は英重賞2着馬で、その半姉と半兄はG1勝ち馬です。

昨年の英G1ナッソーS.(芝10ハロン、3歳以上牝馬)でG1初勝利。前走の英G1ヨークシャーオークス(芝12ハロン、3歳以上牝馬)でG1競走2勝目を挙げていました。

ヨークシャーオークスの前の2戦は牡馬相手に2戦し、英G1プリンスオブウェールズS.(芝10ハロン)、英GエクリプスS.(芝10ハロン)で、アルカジームからそれぞれ3馬身差3着、12馬身差の最下位7着に敗れており、牡馬相手では厳しいのかな、と思っていましたが、

また、前走直後の次走予定は仏G1ヴェルメイユ賞からBCターフとゴスデン調教師が述べていましたが、この愛チャンピオンS.に出走して勝ったことで、この次走は凱旋門賞が有力です。9月15日時点(フォワ賞、ニエル賞前)のオッズで6番人気となっています。


2013年愛チャンピオンS.のレース映像。スタート直後は5番手の、ピンクの勝負服がザフューグ。



アイリッシュチャンピオンステークス(Red Mills Irish Champion Stakes)
2013年9月7日、アイルランド・カラ競馬場、芝10ハロン
3歳以上、G1、6頭、Good、レース結果、総賞金75万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ザフューグ
The Fugue
4牝
5倍
W.ビュイック2分05秒2212戦【5-2-3-2】
重賞3勝目
2アルカジーム
Al Kazeem
5牡
1.9倍
J.ドイル1・1/413戦【7-5-0-1】
G1競走3勝
3トレーディングレザー
Trading Leather
3牡
6倍
K.マニング211戦【4-4-2-1】
愛ダービー

愛G1モイグレアスタッドS.、リジーナがG1初勝利。1人気キヨシが2位入線3着降着

9月1日に行われた愛G1モイグレアスタッドS.(芝7ハロン、2歳牝馬)は、5番手を追走した3番人気のリジーナが残り2ハロンで外に持ち出されると、3/4馬身差し切って優勝し、重賞2勝目、G1初勝利を挙げました。

3番手先行した2番人気タペストリーを4番手追走した1番人気キヨシ(牝馬です)がアタマ差抑えて2位入線しましたが、3着に降着になり、スペンサー騎手は4日間の騎乗停止になりました。タペストリーが繰り上がりで2着。キヨシは前走ロイヤルアスコットの英G3アルバニーS.(芝直線6ハロン、2歳牝馬)でも、抜け出してからですが大斜行していました。


リジーナは父イフラージ、母セレナズストーム(1勝)、母の父スタチューオブリバティという血統のアイルランド産馬。3代母が米G1を11勝したセリーナズソングの全妹です。

デビュー4戦目の英G2クイーンメアリーS.(芝5ハロン、2歳牝馬)を勝ち重賞初勝利。その後、英2歳牝馬G2で2・1/4馬身差2着した後、前走の仏G1モルニ賞(芝1200m、2歳牡牝)で1・3/4馬身差の3着に入っていました。

C.ブリテン調教師は「(自身の管理して1993年の英1000ギニーを勝った)サイエダティと同格の馬だと思っている」と。9月15日時点の1000ギニー前売りで、ブックメーカーによりますが1番人気タペストリーとほぼ同オッズの2番人気です。イフラージ×スタチューで1マイルがぎりぎりかなぁという気もしますが。ちなみにキヨシが3番人気。

また同師によると次走は9月27日の英G1フィリーズマイル(芝1マイル、2歳牝馬)または翌28日の英G1チェヴァリーパークS.(芝6ハロン、同)のどちらかで、15日時点ではまだ決定されていない様子です。

2013年モイグレアスタッドS.のレース映像。黄色の勝負服がライジーナ。


モイグレアスタッドステークス(Moyglare Stud Stakes)
2013年9月1日、アイルランド・カラ競馬場、芝7ハロン
2歳牝馬、G1、7頭、Good to Firm、レース結果、総賞金22万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1リジーナ
Rizeena
2牝
4.5倍
J.ドイル1分22秒917戦【4-1-1-1】
重賞2勝目
2タペストリー
Tapestry
2牝
3倍
J.オブライエン3/4+頭3戦【2-1-0-0】
前走重賞勝ち
3キヨシ
Kiyoshi
2牝
2.6倍
J.スペンサー降着4戦【2-0-1-1】
前走英G2勝ち

独G1バーデン大賞、ノヴェリストが勝ち、仏英独とG1競走3連勝で凱旋門賞へ

9月1日に行われた独G1バーデン大賞(芝2400m、3歳以上)は、押し出されるように先頭に立った圧倒的1番人気のノヴェリストが、向こう正面で一時ザイスモスに先頭を譲りましたが、最後の直線入り口で1馬身ほど前に出ると最後までその差を保って優勝しました。これで仏G1サンクルー大賞、英G1"キングジョージ"に続きG1競走3連勝とし、凱旋門賞に向かいます。

前走の独G1バイエルン大賞(芝2400m)を4馬身差で逃げ切ったザイスモスが3/4馬身差の2着。3番手追走した、仏独でG1を3勝し、昨年のフォワ賞でオルフェーヴルの1馬身差2着があるミアンドルがザイスモスからさらに3/4馬身差の3着に入っています。


ノヴェリストは父モンズン、母ナイトラグーン(独G3勝ち)、母の父ラグナスという血統のアイルランド産馬。

圧倒的1番人気で出走した昨年のG1独ダービーで2着、その次走の独G1バーデン大賞(芝2400m)はデインドリームの4着と昨年2度敗れていますが、さらにその次走の伊G1イタリアジョッキークラブ大賞(芝2400m)は4馬身差完勝してG1初勝利を挙げると、今年初戦だった独G2バーデン企業大賞(芝2200m)、仏G1サンクルー大賞(芝2400m)、英G1"キングジョージ"(芝12ハロン)と4連勝していました。

重馬場のサンクルー大賞でも、従来のレコードを2秒更新した"キングジョージ"でも、今回のように良馬場のスローでも勝ちきるからたいしたものです。なかでも"キングジョージ"の5馬身差が圧倒的で、そのときのように高速馬場で速く流れる展開が一番向くんでしょうか。

ちなみにこのバーデン企業大賞→サンクルー大賞→"キングジョージ"→バーデン大賞は昨年のデインドリームと同じローテーションで、デインドリームは1着4着1着1着でしたが凱旋門賞は出走できませんでした。


次走は凱旋門賞へ。9月15日時点(フォワ賞などの前の時点)のブックメーカー各社のオッズでは、ノヴェリストかフリントシャー(パリ大賞)の2頭がほぼ同オッズで1番人気、オルフェーヴルが単独3番人気、以下トレヴ(仏オークス)、ザフューグ(愛チャンピオンS.)、アンテロ(仏ダービー)、アルカジーム(英愛G1を3勝)、キズナ(日本ダービー)、バンクーバライト(仏G2勝ち)と続いています。


ヴェーラー調教師は「"キングジョージ"後にすこし休ませたから、今回は85-90%程度の出来だった。凱旋門賞に向けて完璧な一叩きが出来ました」、ペドロサ騎手は「私は重圧に対処できるプロです。プランBは(誰も行かないなら)逃げることでした。しかし途中でザイスモスが先頭に立ってくれて楽になりました」と述べています。ちなみに凱旋門賞では"キングジョージ"でも騎乗したJ.ムルタ騎手に戻る予定です。


2013年バーデン大賞のレース映像。黄色と青の勝負服がノヴェリスト。


バーデン大賞(Longines - Grosser Preis Von Baden)
2013年9月1日、ドイツ・バーデン競馬場、芝2400m
3歳以上、G1、5頭、Good、レース結果、総賞金25万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ノヴェリスト
Novellist
4牡
1.3倍
E.ペドロサ60kg2分33秒9011戦【9-1-0-1】
重賞7勝目
2ザイスモス
Seismos
5セン
8.3倍
A.アツェーニ60kg3/416戦【5-3-1-7】
重賞3勝
3ミアンドル
Meandre
5牡
8.1倍
M.デムーロ60kg3/423戦【5-5-4-9】
仏独でG1を3勝

2013年9月1日日曜日

豪G1メムジーS.、16ヶ月ぶりの無敗馬アトランティックジュエルが勝ちG1競走3勝目

8月31日に行われた豪G1メムジーS.(芝1400m、4歳以上)は、16ヶ月ぶりの出走でも1番人気に支持されたアトランティックジュエルが3,4番手先行から最後の直線入り口で前の3頭に並びかけると楽に抜け出し、外から差したフェルラックスに2・1/4馬身差をつけて完勝しました。これでデビューから無敗の8連勝、重賞5連勝、G1競走3勝目です。M.ロッド騎手は「トラブル無く回ってくることだけを考えていた」と述べています。

フェルラックスはペンタイア産駒で、3月の豪G1オーストラリアンギニー(芝1600m、3歳)の勝ち馬です。豪3歳G1を4勝している2番人気イッツアダンディールはアトランティックジュエルから約3馬身差の4着でした。


アトランティックジュエルは父ファストネットロック、母リガード(3戦2勝、2012年に10歳で死亡)、母の父ザビールという血統の5歳牝馬。3/4同血の半妹コマンディングジュエルが豪G1 1000ギニー勝ち馬です。

デビュー3連勝で迎えた2011年の豪G1 1000ギニー(芝160m、3歳牝馬)は、後に牡馬相手の3歳マイルG1を連勝するモシーンに3馬身差をつけて完勝(翌年コマンディングジュエルが勝ち姉妹連覇。ちなみにモシーンは他に豪G1クラウンオークス9馬身差完勝などG1を計4勝し日本に輸入)。

その後、腱を傷めてクラウンオークスは回避し、5ヶ月ぶりに復帰すると重賞を7馬身差、4馬身差で連勝。続く古馬牡馬初対戦だった2012年4月の豪G1オールエイジドS.(芝1400m)も1・1/4馬身差で勝ってG1競走2勝目を挙げましたが、ふたたび腱を故障し長期休養に入っていました。

カヴァナー調教師は「(オーナーの)クールモアが、繁殖牝馬ならたくさんいるがアトランティックジュエルのような競走馬は保有していないからレースに戻したいと考えていたため、じっくり調整することが出来た」と述べています。

このあとの目標は当然、10月26日に行われる豪中距離最強馬決定戦の豪G1コックスプレート(芝2040m)で、次走は9月14日、コックスプレートと同じムーニーヴァレー競馬場の豪G2ダト・タン・チン・ナムS.(芝1600m)の可能性が高いとのこと。

2013年メムジーS.のレース映像。外を先行する紺の勝負服がアトランティックジュエル。動画予備(最後の400mだけ。8レースがメムジーS.。ちなみに4レースの豪G3は1着プレブル騎手が降着なしで12日間の騎乗停止)。


メムジーステークス(Memsie Stakes)
2013年8月31日、アメリカ・コーフィールド競馬場、芝1400m
4歳以上、G1、13頭、Dead4、レース結果、総賞金35万豪ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アトランティックジュエル
Atlantic Jewel
5牝
2.25倍
M.ロッド57kg1分24秒438戦【8-0-0-0】
1400mG1は2勝目
2Ferlax
フェルラックス
4牡
21倍
S.バスター58.5kg2・1/47戦【4-1-0-1】
豪G1を1勝
3スーパークール
Super Cool
4セン
17倍
G.ボス58.5kg短アタマ10戦【4-2-2-2】
前走2000mの豪G1勝ち

米G1パシフィッククラシックS.、ゲームオンデュードが圧勝しG1競走7勝目

8月25日に行われた米G1パシフィッククラシックS.(AW10ハロン、3歳以上)は、逃げた昨年2着馬で1番人気のゲームオンデュードが最後の直線に入ると後続との差を大きく広げ、2着に8・1/2馬身差をつけて圧勝しました。

前々走のG1でゲームオンデュードの1馬身差2着だったケトルコーンが3番人気2着。昨年このレースでレコード勝ちした、AWのG1を3勝しているデュラハンは2番人気8着でした。デュラハンがいたことや、ゲームオンデュード自身が一昨年4着、昨年2着だったとはいえ単勝2.7倍は美味しいですね。

09年10年に2連覇したリチャーズキッドが4着。前走米G1エディーリードS.(芝9ハロン)勝ち馬ジェラニモが9着でした。


ゲームオンデュードは父オーサムアゲイン、母ワールドリープレジャー、母の父デヴィルヒスデューという血統

これでG1はサンタアニタH.(D10f)、グッドウッドS.(D9f、以上2011年)、ハリウッドゴールドカップ(AW10f)、オーサムアゲインS.(旧グッドウッドS.、D9f、以上2012年)、サンタアニタH.、ハリウッドゴールドカップ、今回のパシフィッククラシックで計7勝です。

サンタアニタH.、ハリウッドゴールドカップ、パシフィッククラシックS.の南カリフォルニア古馬三大競走を同一年に制するのは2006年のラヴァマン以来のこと。

次走は昨年7着に敗れバファート師がいつもより控えたベハラノ騎手を「消極的な騎乗」と非難したBCクラシックに直行する模様。今回もバファート師はレース後に「(マーティン・ガルシア騎手に)一番速い馬に乗っているのだから大胆に乗ることを恐れるな、と話した。(ゲームオンデュードを)抑え付けるようなことは誰にもしてほしくないのだ」と述べているのはそういうわけです。

ちなみに今回、昨年のBC クラシック以降5戦連続で騎乗したM.スミス騎手が同日のサラトガ競馬場でロイヤルデルタに騎乗するためにガルシア騎手に乗り替わりました。まあロイヤルデルタは牝馬限定のBCディスタフに行く可能性のほうが高そうだから、おそらくBCクラシックではスミス騎手がゲームオンデュードの鞍上に戻ると思いますが、9月1日現在ではスミス騎手で確定というわけでもなさそうです。


なお、今回の勝ちタイム2分00秒69に対しては 、TimeformUSが「Trakus で計時された1分59秒26の方が実際の勝ちタイムより近い」と表明しましたが、デルマー競馬場も映像を再度精査した結果、修正の必要はないと結論付けました。仮に1分59秒26に近いとすれば、昨年デュラハンが出した公式記録1分59秒54を上回っている可能性がありますが、そもそもTrakus の計時だと昨年のデュラハンは1分59秒03だから、デルマー競馬場の計時とTrakusのどちらを信じるにせよ、昨年のデュラハンのほうが速いです。


2013年パシフィッククラシックS.のレース映像。


パシフィッククラシックステークス(TVG Pacific Classic S)
2013年8月25日、アメリカ・デルマー競馬場、ダート10ハロン
3歳以上、G1、12頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金100万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ゲームオンデュード
Game On Dude
6セン
2.7倍
M.ガルシア2分00秒6927戦【15-5-1-6】
重賞13勝
2ケトルコーン
Kettle Corn
6牡
7.4倍
V.エスピノーザ8・1/226戦【8-6-5-7】
重賞2勝、G1【0-2-1-0】
3ユーノウアイノウ
You Know I Know
4セン
41.8倍
E.マルドナドハナ18戦【5-1-4-8】
重賞初出走

米G1パーソナルエンスンH.、ロイヤルデルタが4馬身差逃げ切りでG1競走6勝目

8月25日に行われた米G1パーソナルエンスンH.(ダート9ハロン、3歳以上牝馬)は、昨年2着の1番人気ロイヤルデルタが2ハロン通過あたりで先頭に立つと危なげなく逃げ切って優勝し、G1連勝、G1競走6勝目を挙げました。

5月の米G1オグデンフィップスH.(ダート8.5ハロン)で1/2馬身差2着だったオーセンティシティーとさらに1馬身差3着だったセンタリングが2,3着に入っています。2走前に米G1アップルブロッサムH.(ダート8.5ハロン)を勝っていたオンファイアベイビーが3番人気4着。


ロイヤルデルタは父エンパイアメーカー、母デルタプリンセス(米G3を3勝)、母の父エーピーインディという血統。一昨年の米G1アラバマS.(ダート10ハロン)と米G1 BCレディースクラシック(以下ダート9ハロン)、昨年の米G1ベルデイム招待S.米G1 BCレディースクラシック、前走の米G1デラウェアH.(ダート10ハロン)などを勝ち、前走までで重賞9勝。

ただし昨年のこのレースは軽ハンデのラブアンドプライドを捕らえられず2着に敗れていました。

このあとは昨年と同じベルデイムS.からBCディスタフ(今年から元の名称に戻る)に向かうと。BCクラシックにも登録していますが、オーナーの希望はディスタフであると。勝てば史上初のディスタフ(レディースクラシック)3連覇。ちなみにルーカス師が85年から87年まで3頭で3連覇し、モット師が2010年のアンライヴァルドベルと昨年一昨年のロイヤルデルタで3連覇中で、今年も勝てば調教師としての連勝記録を更新です。


またベルデイムS.には、米G1ケンタッキーオークス(ダート10ハロン)、米G1 CCAオークス(ダート9ハロン)、米G1アラバマS.(ダート10ハロン、いずれも3歳牝馬)とG1を3連勝中のプリンセスオブシルマーが出走する可能性があります。プリンセスは3歳限定のコティリオンS.に向かう可能性もありますが、オーナーは「プレッチャー師に決定は任せるが、個人的にはベルデイムS.が良い」と述べているので、対戦の可能性は大きく、米牝馬ダート中距離路線の最強馬決定戦が見られるかもしれません。

なお、ロイヤルデルタの来年についてオーナーのレオン氏はBC後に決めると述べているだけで、今年で引退すると決まっているわけではないようです。

2013年パーソナルエンスンH.のレース映像。2番枠がロイヤルデルタ。



パーソナルエンスンハンディキャップ(Personal Ensign Handicap)
2013年8月25日、アメリカ・サラトガ競馬場、ダート9ハロン
3歳以上牝馬、G1、5頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金60万ドル124118114

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ロイヤルデルタ
Royal Delta
5牝
1.55倍
M.スミス
56.2kg
1分48秒3420戦【12-4-1-3】
重賞10勝目
2オーセンティシティー
Authenticity
6牝
3.0倍
J.ヴェラスケス
53.5kg
4・1/210戦【4-4-1-1】
重賞2勝
3センタリング
Centring
5牝
15.5倍
J.カステリャーノ
51.7kg
1・3/412戦【2-4-2-4】
前走G1でロイヤルデルタの4着

米G1テストS.、スウィートルールーがデビュー4連勝、重賞初出走でG1勝利

8月24日に行われた米G1テストS.(ダート7ハロン、3歳牝馬)は、2番手先行した1番人気のスウィートルールーが3コーナーで先頭に立つと、最後の直線では3番手先行した3番人気のワイルドキャットリリーがいったんは交わしましたが、スウィートルールーがアタマ差差し返して優勝し、デビューから無敗の4連勝、重賞初出走初勝利を挙げました。

ダートG1で2着2回の2番人気マイハッピーフェイスが差してさらにクビ差の3着に入っています。7月の米G1プライオレスS.(ダート6ハロン、3歳牝馬)勝ち馬ライトハウスベイがスウィートルールーより約2.7kg重い斤量で約2馬身差の5着。また同2着から4着馬がそれぞれ順に2着、6着、4着でした(つまりワイルドキャットリリーは今回で2戦連続ダートG1で2着)。


スウィートルールーは父ミスターグリーリー、母サクセスフルアウトルック(3戦2勝、米G3勝ち)、母の父オリエンテイトという血統。馬主はカリフォルニア州競馬委員会のスティーヴ・ベネト氏です。

今年5月にデビューし、AW6ハロン戦を3・1/4馬身差、2・1/4馬身差で連勝すると、前走のAW1マイル戦は逃げて4・3/4馬身差で完勝していました。今回は2,3着馬より約0.9kg軽い斤量が最後に効いたと思いますが、それでも重賞初出走、ダート初出走、東海岸への遠征という悪条件で勝ちきったのは立派です。

ホレンドーファー調教師によると、BCフィリーアンドメアスプリント(ダート7ハロン、3歳以上牝馬)が目標も、9月21日の米G1コティリオンS.(ダート8.5ハロン)を使う可能性もあると。その場合、米G1ケンタッキーオークス(ダート10ハロン)、米G1 CCAオークス(ダート9ハロン)、米G1アラバマS.(ダート10ハロン、いずれも3歳牝馬)とG1を3連勝中のプリンセスオブシルマーと対戦する可能性があります。


2013年テストS.のレース映像。ピンクの勝負服がスウィートルールー。


テストステークス(Test Stakes)
2013年8月24日、アメリカ・サラトガ競馬場、ダート7ハロン
3歳牝馬、G1、Fast、8頭、レース結果(PDF)、総賞金50万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1スウィートルールー
Sweet Lulu
3牝
2.8倍
J.ルパルー52.6kg1分23秒454戦【4-0-0-0】
重賞初出走
2ワイルドキャットリリー
Wildcat Lily
3牝
8.3倍
J.ヴェラスケス53.5kgアタマ18戦【5-5-1-7】
2戦連続G1で2着
3マイハッピーフェイス
My Happy Face
3牝
3.0倍
M.スミス53.5kgクビ8戦【3-4-1-0】
G1【0-2-1-0】

米G1キングズビショップS.、9番人気カポバストーンが重賞初勝利

8月24日に行われた米G1キングズビショップS.(ダート7ハロン、3歳)は、2番手追走した3番人気のメンターケーンが最後の直線中ごろで3馬身のリードを作りましたが、後方追走した9番人気のカポバストーンが残り100mで交わて優勝し、重賞初勝利をG1で挙げました。

カポバストーンと同厩舎で1番人気のフォーティーテイルズ(前走G2で4着のメンターケーンに2・1/2馬身差)は後方から4着。2番人気のレットエムシャインは先行し13着。4月の米G1アーカンサスダービー勝ち馬オーヴァーアナライズドは5番人気5着。メンターケーン以外の先行馬は壊滅でした。


カポバストーンは父ストリートボス、母ファイトトゥラブ(米ステークス3着1回)、母の父フィットトゥファイトという血統のケンタッキー州産馬。 半姉に米重賞2戦し2着2回したシージェイズリーリーがいます。米短距離G1を2勝したストリートボスの初年度産駒で、その初のG1勝ち馬となりました。

米G1 BCジュベナイル(ダート8.5ハロン)で3着など2歳時はG1を3走して3着、3着、4着でしたが、前々走の米G3ダービートライアルS.(ダート1マイル)はフォーティーテイルズのクビ差2着に、前走の米G2ウッディースティーヴンズS.(ダート7ハロン)も同じくフォーティーテイルズの約7馬身差7着に敗れていました。

今回フォーティーテイルズより約2.7kg軽い斤量でしたが、それは前走も同じだから人気がなかったのも当然です。 プレッチャー調教師は「(2歳の)良い時期にはこれくらいのことが出来る馬だと見せていました。今回は調教が良かったため、ペースが向くことを期待していました」と述べています。

次走は不明。ちなみに昨年の勝ち馬はその後いまいちですが、2年前のケイレブズポッセはこの2走後に米G1 BCダートマイルを勝ちました。

2013年キングズビショップS.のレース映像。手前から3頭目の発走、黒の帽子、黒地に白の襷の勝負服がカポバストーン。



キングズビショップステークス(Foxwoods King's Bishop Stakes)
2013年8月24日、アメリカ・サラトガ競馬場、ダート7ハロン
3歳、G1、14頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金50万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1カポバストーン
Capo Bastone
3牡
29.25倍
I.オルティズ1分22秒229戦【3-1-2-3】
重賞7戦目初勝利
2メンターケーン
Mentor Cane
3牡
8.9倍
E.プラード25戦【1-2-1-1】
前走G2で4着
3セントラルバンカー
Central Banker
3牡
23.3倍
R.アルバラード3・1/47戦【3-1-2-1】
前々走G3で5着

米G1バレリーナS.、ダンストゥブリストルが重賞3連勝でG1初勝利

8月23日に行われた米G1バレリーナS.(ダート7ハロン、3歳以上牝馬)は、4番手追走した2番人気のダンストゥブリストルが残り1ハロンで先頭に立つと、中団から差した1番人気のブックレビューをわずかにアタマ差抑えて優勝し、これで7連勝、重賞3連勝、G1初出走初勝利を挙げました。

4番人気のヴェラネスカが差してさらに1・1/2馬身差の3着。7月の米G1プリンセスルーニーH.(ダート6ハロン、3歳以上牝馬)を軽ハンデで勝っていた、3番人気のスターシップトラフルズは今度は最も重い斤量で6着に敗れています。


ダンストゥブリストルは父スパイツタウン、母ダンストゥドーン(米11戦1勝)、母の父ルイカトルズという血統の4歳牝馬。ボールドルーラーの5×6×5×5×6です。

スパイツタウン産駒は今年だけで、G1ドバイゴールデンシャヒーン(AW1200m)のレイナルドザウィザード、 7月の米G1プライオレスS.(ダート6ハロン、3歳牝馬)を勝ったライトハウスベイがいて、相変わらず短距離を中心によく走る種牡馬です。

今年5月までに15戦7勝2着7回4着1回、ステークス4勝の成績を挙げると、重賞初出走だった前々走の米G3ベドーロージズH.(ダート7ハロン、3歳以上牝馬)を2・3/4馬身差で、前走の米G2オナラブルミスH.(ダート6ハロン、3歳以上牝馬)はクビ差で勝って重賞連勝していました。

フィギンズ調教師は「勝利への意思が彼女を特別にしている」と。この後はBC(ダート7ハロンのフィリーアンドメアスプリント?)の前にもう1走するつもりであると


2013年バレリーナS.のレース映像。一番手前の発走、黄色と黒の勝負服がダンストゥブリストル。


バレリーナステークス(Ballerina Stakes)
2013年8月23日、アメリカ・サラトガ競馬場、ダート7ハロン
3歳以上牝馬、G1、10頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金50万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ダンストゥブリストル
Dance to Bristol
4牝
2.75倍
X.ペレス54kg1分23秒1118戦【10-7-0-1】
重賞3連勝
2ブックレビュー
Book Review
4牝
2.5倍
R.ベハラノ54kg14戦【6-5-1-2】
7ハロン米G1勝ち
3ヴィラネスカ
Villanesca
4牝
14.6倍
J.ヴェラスケス52.2kg1・1/28戦【4-0-1-3】
重賞初出走

2013年8月26日月曜日

英G1ナンソープS.、単勝40倍のジュワラが重賞初勝利

8月23日に行われた英G1ナンソープS.(芝5ハロン、2歳以上)は先行した13番人気のジュワラが内から差した1番人気シェイシェイと2番人気ソールパワーを1/2馬身抑えて優勝し、重賞初勝利をG1で挙げました。ドラウン騎手は07年以来のG1勝ちです。

昨年の2,3着馬はそれぞれ13着、4着。07年の勝ち馬で今年が6度目の参戦となったキングズゲートネイティヴは5着。ちなみに過去5回は古いほうから順に1着、3着、6着、9着、4着です。


ジュワラは父オアシスドリーム、母カングラバレー(16戦1勝)、母の父インディアンリッジという血統の4歳牝馬。半姉に英短距離G1で1勝2着1回3着2回などがあるエアウェーヴがいます。

デビューからずっと短距離を走り今年6月までの12戦中準重賞5戦して2着3回した後、前々走の13戦目で準重賞初勝利。しかしその次走(前走)の英G2キングジョージS.(芝5ハロン)は最下位17着に敗れていました。

コーウェル調教師は「素晴らしい牝馬で昨年の準重賞ではソールパワーから1・1/2馬身差の2着だったこともある。これはサプライズではなく、チャンスはあると思っていました」とのこと。

チャンスがあるといわれても、前走キングジョージS.の1,2,5,6,7着馬やG1戦線で活躍するシェイシェイとソールパワーがいるメンバーでいきなり勝つとはやはり驚きです。前走は先行馬に厳しく中団後方の馬が上位に来た1戦で、ジュワラも先行してつぶれていました。今回はシェイシェイ、ソールパワーを除き1,4,5着は先行馬で、自分のペースで先行できるのなら、ということでしょう。

引退レースになるらしい次走10月6日の仏G1アベイユドロンシャン賞は、姉のエアウェーヴがちょうど10年前の03年に11着に敗れています。


2013年ナンソープS.のレース映像。8番枠がジュワラ。


ナンソープステークス(Coolmore Nunthorpe Stakes)
2013年8月23日、イギリス・ヨーク競馬場、芝5ハロン
2歳以上、G1、17頭、Good To Soft 、レース結果、1着賞金15万5000ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ジュワラ
Jwala
4牝
41倍
S.ドラウン57秒3415戦【5-4-1-5】
重賞2戦目
2シェイシェイ
Shea Shea
6セン
4倍
F.デットーリ1/222戦【10-4-3-5】
南アG1とドバイでG1を3勝
3ソールパワー
Sole Power
6セン
5倍
J.ムルタハナ35戦【7-6-6-16】
10年のこのレースなどG1競走2勝

2013年8月23日金曜日

仏G2ギヨームドルナーノ賞、バンクーバライト(バンクーバリテ)が重賞初勝利。凱旋門賞へ追加登録で?

8月15日に行われた仏G2ギヨームドルナーノ賞(芝2000m、3歳)は、内ラチ沿いを4番手で追走した4番人気のバンクーバライトが最後の直線に入ると2,3番手先行した2頭の間を抜け出して優勝し、重賞初出走初勝利を挙げました(フランス語読みだとバンクーバリテかもしれません)。

どちらも内ラチ沿い追走し、直線でも中を突いた後方2番手のピロットと後方4番手のジーイ(?、Zhiyi)が2,3着。

仏G1クリテリウムドサンクルー(芝2000m、2歳牡牝)勝ち馬で、前走仏ダービー(芝2100m、3歳牡牝)2馬身差2着のモランディが1番人気7着(3・1/4馬身)。前走の仏G1ジャンプラ賞(芝1600m、3歳牡牝)勝ち馬ハヴァナゴールドはマイルを超える距離初出走で2番人気5着(2・1/2馬身差)。中団後方追走馬が4着までを占めたことを考えると、それぞれ2,3番手を先行したこの2頭にはやや速いペースだったのかもしれません。

仏G1サンタラリ賞(芝2000m、3歳牝馬)勝ち馬で、仏オークス(芝2100m、3歳牝馬)はトレヴから4馬身差の3着だったシラソルが最後方から外を追い込んで2馬身差の4着。


バンクーバライトは父ダンジリ、母ヴィラリカ(英2勝)、母の父セルカークという血統のイギリス産馬。半兄にG3 UAEオークスと G2 ダービーを勝ったクワーラーが、母の半弟に昨年の仏G2ドーヴィル大賞(芝2500m)勝ち馬で仏G1凱旋門賞3着のマスターストロークがいます。で、3代母がアーバンシーという良血。

今年3月に1600mでデビューし6着に敗れた後、1950mと2000mのレースを連勝。モハメド殿下からゴドルフィン名義に変わった前走7月の仏準重賞(芝2000m)は3馬身差で完勝し、3連勝していました。

ゴドルフィンのレーシングマネージャーであるサイモン・クリスフォード氏は「凱旋門賞の視野にある」と述べており、追加登録で出走する可能性があります。英ブックメーカーのウィリアムヒルのオッズでは17倍の9番人気タイです。

同じダンジリ産駒でA.ファーブル調教師が管理する点も同じ1番人気のフリントシャーほどのインパクトは今のところ感じられませんが、バンクーバライトが凱旋門賞路線でゴドルフィンの筆頭馬なので注目はしておきたい。叔父のマスターストロークが重賞初勝利を挙げたのもやや遅く8月末のドーヴィル大賞でした。
6th Oct 2013 - Qatar Prix De L'Arc De Triomphe betting odds | William Hill

ハヴァナゴールドはやはり距離が長かったということで次走は9月15日の仏G1ムーランドロンシャン賞(芝1600m)になりそうです。


またこの1レース前の仏G3リューレイ賞(芝1600m、3歳牝馬)を同じダンジリ産駒でゴドルフィンのジベリナが制し、アップルビー調教師(首になったアルザルーニ師の後任)がフランスでの重賞初勝利を挙げました。イギリスでは7月31日にすでに勝っています


2013年ギヨームドルナーノ賞のレース映像。左から4頭目、青の帽子がバンクーバライト。


ギヨームドルナーノ賞
(Prix Guillaume d'Ornano - Haras du Logis Saint-Germain)
2013年8月15日、フランス・ドーヴィル競馬場、芝2000m
3歳、G2、9頭、レース結果、総賞金40万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1バンクーバライト
Vancouverite
3牡
7.8倍
P.ブドー2分04秒225戦【4-0-0-1】
重賞初出走初勝利
2ピロット
Pilote
3牡
25倍
F.プラ1・1/411戦【4-4-1-2】
これで重賞3戦連続2着
3ジーイ
Zhiyi
3セン
11倍
T.テュリエ1/24戦【3-0-1-0】
前走準重賞勝ち

英G1ヨークシャーオークス、ザフューグが楽勝しG1競走2勝目

8月22日に行われた英G1ヨークシャーオークス(芝12ハロン、3歳以上牝馬)は4番手追走した1番人気のザフューグが最後の直線に入ると1頭だけ楽な手ごたえで先頭に並びかけ、最後の1ハロンで2着に4馬身差をつけて快勝し、G1競走2勝目を挙げました。

今年のG1愛オークス2着馬で2番手先行した2番人気ヴィーナスデミロが2着。さらに3馬身離された3着に今年のG1英オークス2着G1独オークスどちらも2着だった4番人気シークレットジェスチャーが入っています。


ザフューグは父ダンシリ、母の父トワイラサープ、母の父サドラーズウェルズという血統。母は英重賞2着馬で、その半姉と半兄はG1勝ち馬です。 生産者兼馬主は「オペラ座の怪人」などの作曲家であるアンドリュー・ロイド=ウェバー氏とその妻。

昨年の英オークス3/4馬身差3着し、その2走後に英G1ナッソーS.(芝10ハロン、3歳以上牝馬)で重賞2勝目、G1初勝利を挙げ、ヨークシャーオークス1/2馬身差2着BCフィリーアンドメアターフは直線でやや不利があっても1・1/2馬身差3着など好走。

今年はここまで英G1プリンスオブウェールズS.(芝10ハロン)、英GエクリプスS.(芝10ハロン)と牡馬相手に2戦し、アルカジームからそれぞれ3馬身差3着、12馬身差の最下位7着していました。

エクリプスS.の後は10日ほど調子が極端に悪かったそうで、今年のナッソーS.は見送る必要があったがきっちり戻すことが来たとのこと。牝馬同士に戻ったここはこのメンバーなら格が違うと見せ付ける楽勝でした。


ゴスデン調教師によると、「次走は(9月15日の)仏G1ヴェルメイユ賞(芝2400m、3歳以上牝馬)で、その後は凱旋門賞に向かう。そのレベルにあると考えている」とのこと。 馬場が極端に悪くならなければ、の留保つきですが。

またその後は昨年のフィリーアンドメアターフではなく牡馬相手で12ハロンのBCターフに向かう模様。牡馬混合路線の検討は同厩舎に今年のナッソーS.勝ち馬で牝馬のウィンシリがいることも理由の一つでしょう。


2013年ヨークシャーオークスのレース映像(YouTube)。ゲート左から3頭目の発走がザフューグ。

ヨークシャーオークス(Darley Yorkshire Oaks)
2013年8月22日、イギリス・ヨーク競馬場、芝12ハロン
3歳以上牝馬、G1、7頭、Good To Firm 、レース結果、1着賞金20万ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ザフューグ
The Fugue
4牝
3倍
W.ビュイック2分28秒2911戦【4-2-3-2】
重賞3勝目
2ヴィーナスデミロ
Venus De Milo
3牝
3.25倍
R.ムーア45戦【3-2-0-0】
前走英G3勝ち。愛オークス2着
3シークレットジェスチャー
Secret Gesture
3牝
7倍
JK.スペンサー3・1/46戦【2-3-1-0】
G1【0-2-1-0】

2013年8月22日木曜日

英G1インターナショナルS.、デクラレーションオブウォーがG1競走2勝目

8月21日に行われた英G1インターナショナルS.(芝約2092m、3歳以上)は、3番手追走したデクラレーションオブウォーが最後の直線に向くと逃げ粘るトレーディングレザーをかわして優勝し、G1競走2勝目を挙げました。

今年の愛ダービー馬英G1"キングジョージ"5馬身差2着のトレーディングレザーが1・1/4馬身差の2着。

ここまで愛G1タターソールズゴールドカップ(芝10.5ハロン)、英G1プリンスオブウェールズS.(芝10ハロン)、前走の英G1エクリプスS.(芝10ハロン)とG1競走3連勝中で、エクリプスS.ではデクラレーションオブウォーに2馬身差をつけて勝っていたアルカジームが1番人気でしたが、2番手追走し直線入り口では持ったままの良い手ごたえだったものの結局トレーディングレザーを交わせず、さらに1・1/2馬身差の3着に終わりました。

前走英G1サセックスS.(芝1マイル)勝ち馬で2番人気のトロナドは距離延長が向かなかったのか後方のままで、最下位6着に敗れました。ハノン師は「今日はどんな距離でも勝てなかっただろう」とコメントしてます。


デクラレーションオブウォーは父ウォーフロント、母テンポウェスト(米3勝)、母の父ラーイという血統のアメリカ産馬。母の半弟に昨年の米G1ベルモントS.(ダート12ハロン)勝ち馬ユニオンラグズがいます。

昨年10月の愛G3ダイヤモンドS.(AW10.5ハロン)で重賞初勝利。今年初戦だった準重賞ヘリテージS.を勝って挑んだ5月の英G1ロッキンジS.(芝1マイル)は1番人気で11馬身差5着に敗れましたが、その次走の6月の英G1クイーンアンS.(芝1マイル、4歳以上)を勝ってG1初勝利を挙げていました。

その後は英G1エクリプスS.(芝10ハロン)で2馬身差2着、英G1サセックスS.(芝1マイル)3馬身差3着、仏G1ジャックルマロワ賞(芝1600m)2馬身差4着と勝てないながらも好走を続けていました。


今回の勝ちタイム 2分05秒74 はシーザスターズの 2分05秒29 に次ぐ歴代2位のタイム。オブライエン調教師はレース前に「速い馬場が向いている」と述べていたので、そのぶんの逆転でしょうか。まあエクリプスS.もシーザスターズの2分03秒40に対し2分04秒35と十分速い馬場でしたが。

とりあえずアルカジームは強いことは強いけど10ハロン路線で抜けているわけではないようです。


オブライエン師によるとデクラレーションオブウォーはこのあと愛チャンピオンS.に向かう模様。その後は特に言及されていませんが、マイルの英クイーンエリザベス2世S.か英チャンピオンS.からブリーダーズカップ遠征でしょうか。父ウォーフロントはともかく、母がユニオンラグズの半弟でダートもこなせる可能性はありそうで、BCクラシックとかあるかもしれません。オブライエン師も否定していません。

同師の管理馬だと2000年にジャイアンツコーズウェイが英インターナショナルS.1着、愛チャンピオンS.1着、クイーンエリザベス2世S.2着、BCクラシック2着したことがあります。ジャイアンツコーズウェイも母の父ラーイでしたね。


またレース前のコメントでは、アルカジームは愛チャンピオンS.から凱旋門賞か英チャンピオンS.で、オーナーは英チャンピオンS.のほうに気が向いているとのことでした(両方出るかもしれませんが)。


2013年インターナショナルS.のレース映像。ゲート右から2頭目、黒の帽子、黒の勝負服がデクラレーションオブウォー。アルカジーム3番枠、トロナド5番枠。


インターナショナルステークス(Juddmonte International Stakes)
2013年8月21日、イギリス・ヨーク競馬場、芝10ハロン88ヤード
3歳以上(3歳55.8kg4歳以上59.4kg、牝馬1.4kg減)、G1、6頭、レース結果、総賞金75万ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1デクラレーションオブウォー
Declaration Of War
5牡
8倍
J.オブライエン2分05秒7412戦【7-1-1-3】
G1競走2勝目
2トレーディングレザー
Trading Leather
3牡
6倍
K.マニング 1・1/410戦【4-4-1-1】
愛ダービー
3アルカジーム
Al Kazeem
5牡
2.6倍
J.ドイル1・1/212戦【7-4-0-1】
G1競走3勝

2013年8月21日水曜日

アーネストヘミングウェイが愛重賞連勝でシャドウゲイトに追い風が吹くといいのだけど

8月8日に行われた愛G3バリーローンS.(芝12ハロン、3歳以上)は、4頭立て最後方を追走した1番人気のアーネストヘミングウェイが逃げた3番人気のロイヤルダイヤモンドを1/2馬身競り落として優勝し、重賞2連勝です。

さらに1/2馬身差の3着に今年の愛オークスで勝ち馬から1馬身差4着、また前走の愛G3を古馬牡馬らを相手に2・3/4馬身差で優勝していたシンティルラが入りました。


アーネストヘミングウェイは父ガリレオ、母カシードラ(英G1で2着)、母の父ダルシャーンという血統のアイルランド産馬。前走の愛G3カラカップ(芝14ハロン)でも同じくロイヤルダイヤモンド(昨年の愛セントレジャー勝ち馬)に5馬身差をつけて勝っていました。

そして、このアーネストヘミングウェイに昨年12月のAW10.5ハロン戦で2・1/2馬身差をつけてコースレコード勝ちしたのがシャドウゲイトでした。シャドウゲイトはその次走の英準重賞で4馬身差8着に敗れたのを最後に、愛ロングフォードハウススタッドで種牡馬入りしています。

アーネストヘミングウェイが活躍すれば、シャドウゲイトが種牡馬としていくらかでも注目を集めることが出来るかもしれないので、この後の目標らしい9月15日のG1愛セントレジャーでも良い競馬をしてもらいたい。ちなみに8月24日のG3愛セントレジャートライアルS.(芝14ハロン)にも登録しています。


2013年バリーローンS.のレース映像(要登録)。

バリーローンステークス(Ballyroan Stakes)
2013年8月8日、アイルランド・レパーズタウン競馬場、芝12ハロン
3歳以上、G3、4頭、Good To Firm 、レース結果、総賞金3万9000ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アーネストヘミングウェイ
Ernest Hemingway
4牡
2.625倍
J.オブライエン62.6kg2分32秒047戦【3-1-0-3】
重賞2勝目
2ロイヤルダイヤモンド
Royal Diamond
7セン
3.25倍
J.ムルタ61.2kg1/231戦【7-5-5-14】
愛G1勝ち
3シンティルラ
Scintillula
3牝
3倍
K.マニング56.2kg1/29戦【2-2-1-4】
愛G1で2着1回

2013年8月20日火曜日

仏G1ジャンロマネ賞、ロマンティカがG1初勝利

8月18日に行われた仏G1ジャンロマネ賞(芝2000m、4歳以上)は、2番手先行した1番人気ロマンティカが最後の直線に向くと、逃げたダルカラに外に押し出されながらも残り200mで先頭に立って押し切り、重賞3勝目、G1初勝利を挙げました。

内を差した3番人気のサルキラが1・1/4馬身差の2着。ダルカラが2番人気でさらに1馬身差の3着でした。正直なところ、(スノーフェアリーがのちに失格になった)昨年と比べてメンバーがいまいちでした。


ロマンティカは父ガリレオ、母バンクスヒル、母の父デインヒルという血統のイギリス産馬。例によって「ガリレオ×デインヒル」ですが、母は英G1コロネーションS.(芝1マイル、3歳牝馬)、米G1 BCフィリーアンドメアターフ(芝10ハロン、3歳以上牝馬)、仏G1ジャックルマロワ賞(芝1600m、3歳以上)を勝った名牝であり、かつ名種牡馬であるダンジリの全妹であるという超良血。

昨年は仏G2ノネット賞を勝ったものの、仏G1ヴェルメイユ賞(芝2400m、3歳以上牝馬)はシャレータの約9馬身差9着に大敗。今年初戦の仏G3アレフランス賞(芝2000m、4歳以上牝馬)を勝ち、前走の仏G2コリーダ賞(芝2100m、4歳以上牝馬)は重馬場が合わなかったか、このジャンロマネ賞最下位のグレースレディから3馬身遅れる3着に敗れていました。

カリド・アブドゥラ殿下のレーシングマネージャーを務めるテディ・グリムソープ氏もいくらか馬場が乾いて良かったと述べており、同氏によるとこの後は仏G1オペラ賞(芝2000m、3歳以上牝馬)からブリーダーズカップを検討していると。


ちなみに欧州牝馬路線の話題として、今年の英オークス馬タレントが木曜日の英G1ヨークシャーオークスを回避し、9月の英G1セントレジャーに向かうと発表されました。


2013年ジャンロマネ賞のレース映像。ピンクの帽子がロマンティカ。


ジャンロマネ賞(Darley Prix Jean Romanet)
2013年8月18日、フランス・ドーヴィル競馬場、芝2000m
4歳以上、G1、6頭、Good To Soft、レース結果、総賞金25万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ロマンティカ
Romantica
4牝
3倍
M.ギュイヨン2分10秒729戦【4-2-2-1】
重賞3勝目、G1初勝利
2サルキラ
Sarkiyla
4牝
5.5倍
C.ルメール1・1/412戦【4-2-3-3】
仏重賞1勝
昨年のジャックルマロワ賞6馬身差3着
3ダルカラ
Dalkala
4牝
3.75倍
C.スミヨン111戦【5-0-2-4】
英仏で重賞3勝

仏G1モルニ賞、米国調教馬のノーネイネヴァーが重賞連勝

8月18日に行われた仏G1モルニ賞(芝1200m、2歳牡牝)は、2番人気のノーネイネヴァーが危なげなく逃げ切って優勝し、デビューから無敗の3連勝、重賞2連勝、G1初勝利を挙げました。

前走の仏G2ロベールパパン賞(芝1200m、2歳牡牝)を勝って3戦3勝だった1番人気のヴォルダが中団から差して1馬身差の2着。3着も3番人気の重賞勝ち馬が入り堅い決着でした。



ノーネイネヴァーは父スキャットダディ、母キャッツアイウィットネス(米12戦1勝)、母の父イルーシヴクオリティという血統のアメリカ産馬。母の半兄に米G3勝ち馬がいます。

今年4月に米キーンランド競馬場のAW4.5ハロンでデビューし初勝利を挙げると、クールモア陣営が一部権利を購入。英ロイヤルアスコット遠征を行い、英G2ノーフォークS.(芝5ハロン、2歳)をレコードで勝って重賞初出走初勝利を挙げていました。

今回フランスで勝ったことで3戦して米、英、仏と3カ国で勝利です。母の母の父が仏英加米でG1を11勝したエクセラーだから、というのは別に関係ないですね。

管理するワード調教師(後藤浩輝騎手が11年にお世話になった調教師)は「ヨーロッパの馬がアメリカに遠征してブリーダーズカップや多くのG1を勝っていく。でもアメリカの調教師たちは勝てなかったときの長距離の遠征と高コストを恐れてなかなか欧州遠征しようとしない。今回私が2カ国で勝った事でヨーロッパの競馬を楽しむ人がもっと出てくれたらと思います」と述べています。

この後は本日火曜日に帰国するとのことで次走は不明。


スキャットダディ産駒のG1勝ち馬はこれが4頭目(5勝目、米2勝、智2勝、仏1勝)。ちなみにエーシンブラスターが日本でデビューするときに紹介した、「上級条件での活躍は芝AWのマイル以上である」、という傾向は今もだいたい有効で、北半球での同産駒の重賞17勝のうちノーネイネヴァーの2勝を含めても、7ハロン以下4勝、マイル以上13勝です。

2013年モルニ賞のレース映像。ゲート左から3頭目の発走がノーネイネヴァー。


モルニ賞(Darley Prix Morny)
2013年8月18日、アメリカ・ドーヴィル競馬場、芝1200m
2歳牡牝、G1、10頭、Good to Soft、レース結果、総賞金35万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ノーネイネヴァー
No Nay Never
2牡
3.2倍
D.フローレス57kg1分09秒823戦【3-0-0-0】
重賞2連勝
2ヴォルダVorda2牝
2.5倍
G.ベノワ55.5kg14戦【3-1-0-0】
前走重賞初勝利
3ライジーナ
Rizeena
2牝
6.3倍
R.ムーア55.5kg3/46戦【3-1-1-1】
前々走英G2勝ち。前走英G2で2着

2013年8月18日日曜日

米G1アーリントンミリオンS.、リアルソリューションが重賞初勝利。1位入線ジアパッチは2着降着

8月17日に行われた米G1アーリントンミリオンS.(芝10ハロン、3歳以上)は中団追走した4番人気のジアパッチが最後の直線で抜け出すと、後方追走した5番人気リアルソリューションが並びかけ一時はわずかに交わしたようにも見えましたが、ゴール直前でジアパッチがもう一度盛り返してアタマ差先着しました。

しかしレース後にリアルソリューションのガルシア騎手らが進路妨害を訴え、審議の結果、リアルソリューションが繰り上がり優勝、ジアパッチが2位降着という結果になりました。下のレース動画の後半に正面からの映像もあります。ジアパッチのスミヨン騎手によると「場内スクリーン(ターフヴィジョン)を怖がって右に寄れたんだ」と。

今年の首G1ジェベルハッタで2着ジアパッチから約2馬身差の4着、G1ドバイワールドカップ7馬身差4着、前走の英G1プリンスオブウェールズS.7馬身差7着のサイドグランスがさらに2馬身差の3着。

前走の米G1マンハッタンH.(芝10ハロン)で3着リアルソリューションから6馬身差の4着だったフィネガンズウェイクがさらに1/2馬身差の4着だったから少なくともリアルソリューション、ジアパッチ、サイドグランス、フィネガンズウェイクの上位4頭はだいたい実績どおりに走ったようです。


G1アルマクトゥームチャレンジR3(AW10ハロン)などG1競走2勝のハンターズライトは6番人気10着。1番人気のインディポイントは最下位13着。昨年の米G1ハリウッドダービー2着グランデュールが2番人気7着。昨年のこのレースBCターフ勝ち馬のリトルマイクは3番人気6着。リトルマイク陣営は「ここ勝ったら、次はワイズダン負かしに行くよ」と言っていたので期待してたんですけどねぇ。


リアルソリューションは父キトゥンズジョイ、母リーチフォーザヘヴンズ、母の父プルピットという血統のペンシルベニア州産馬。

昨年の伊準重賞を1勝、伊G2イタリアダービー(芝2200m)6着などした後、アメリカに移籍。

移籍初戦だった前々走の米G3フォートマーシーS.(芝8.5ハロン)は約2馬身差の4着。前走6月の米G1マンハッタンH.(芝10ハロン)は、強豪ポイントオブエントリーから約2馬身差の3着に入っていました。

ちなみにマンハッタンH.でリアルソリューションから10馬身離れた5着だったトワイライトエクリプスはその後、米G1マンノウォーS.(芝11ハロン)と米G1ソードダンサー招待S.(芝12ハロン)で2着に入っています。

前の記事に書いたとおり、
この17日はキトゥンズジョイ産駒がG1を3勝。過去の分を含め同産駒の計6勝(4頭)は、
  • AW8.5f、2歳牝馬
  • 芝1マイル、3歳以上牝馬
  • 芝10ハロン、3歳
  • 芝10ハロン、3歳以上(2位入選繰り上がり)
  • 芝11ハロン、3歳以上
  • 芝12ハロン、3歳以上
であり、

キトゥンズジョイ産駒は芝10ハロン以上が得意で、かつ11ハロンと12ハロンの2勝は5歳馬によるものだから成長力もあると。リアルソリューションも4歳で重賞初勝利ですし。次走は不明ですが今後も要警戒ですね。



ちなみに北半球の国際G1で1位入線馬が降着になるのは、昨年の愛G1メイトロンS.(芝1マイル)でダントルが降着になった以来のことだと思いますが、そのダントルはこの1レース前の米G1ビヴァリーD.S.に出走して7着でした。

2013年アーリントンミリオンのレース映像。10番枠、青の帽子、黄色と青の勝負服がジアパッチ。1番枠発走がリアルソリューション。


アーリントンミリオンステークス(Arlington Million Stakes)
2013年8月17日、アメリカ・アーリントン競馬場、芝10ハロン
3歳以上、G1、13頭、Firm、レース結果(PDF)、総賞金100万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1リアルソリューション
Real Solution
4牡
7.6倍
A.ガルシア2分00秒998戦【4-1-1-2】
伊準重賞1勝
2ジアパッチ
The Apache
6牡
9.4倍
S.スミヨン1位入線
2着降着
20戦【7-5-1-7】
今年ドバイG1で2着2回など
3サイドグランス
Side Glance
6セン
25.4倍
J.スペンサー228戦【7-4-7-10】
G1で3着2回4着2回

米G1ビヴァリーD.S.、ダンクが4馬身差完勝でG1初勝利

8月17日に行われた米G1ビヴァリーD.S.(9.5ハロン、3歳以上牝馬)は、中団追走した2番人気のダンクが最後の直線で外から伸び残り1ハロンで先頭に立つと、2着に4・1/4馬身差をつけて圧勝し、重賞4勝目、G1初勝利を挙げました。23年前のコースレコードに0.18秒差まで迫る優秀な勝ちタイムです。

6番人気のギフテッドガールが2着に入り、英国調教馬のワンツーでした。昨年このレース2着など、米芝G1で【2-3-0-0】のマーケティングミックスが1番人気でしたが4着に敗れています。中団後方待機馬が3着までに入ったので、3番手先行したマーケティングミックスにはやや展開が厳しかったかもしれません。

昨年の愛G1メイトロンS.(芝1マイル)1位入線2着降着馬で、前走の仏G1ロートシルト賞(芝1600m)2着のダントルは3番人気7着。こちらはマイルを超える距離初出走なので敗因は距離でしょう。


ダンクは父ダンジリ、母マサカナ(仏3勝)、母の父ダルシャーンという血統のイギリス産馬。3/4同血の半兄にG1香港カップ勝ち馬で、英ダービー、英チャンピオンS.どちらも2着のイーグルマウンテンが、また半姉に仏G1マルセルブサック賞1着ほか英仏のG1で2着2回のサルクがいます。サルクのオーナーがダンクの馬主でもあると。

昨年の英G3アタランタS.(芝1マイル、3歳以上牝馬)で重賞初勝利。準重賞5着を挟んで今年5月の英G3ダリアS.(芝9ハロン、4歳以上牝馬)で重賞2勝目。ロイヤルアスコットでダントルの3/4馬身差3着した後、前走の愛G2キルボイエステイトS.(芝9ハロン、3歳以上牝馬)で重賞3勝目を挙げていました。

ダリアS.で3着に負かしたシスルバードが8月の英G1ナッソーS.(芝約1986m、3歳以上牝馬)でクビ差2着していたりで強い相手と戦ってきていました。ムーア騎手は「前走アイルランドで乗って勝ったときに強い印象を受けた。今日はすごく自信がありました」と述べています。

次走は不明。米G1 BCフィリーアンドメアターフ(芝10ハロン)の対象レースでもあるから再び米遠征するかもしれません。

2013年ビヴァリーD.S.のレース映像。青の帽子、赤の勝負服がダンク。


ビヴァリーD.ステークス( Beverly D. Stakes)
2013年8月17日、アメリカ・アーリントンパーク競馬場、芝9.5ハロン
3歳以上牝馬123ポンド、G1、9頭、Firm、レース結果(PDF)、総賞金75万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ダンク
Dank
4牝
4.2倍
R.ムーア1分53秒3811戦【6-2-1-2】
重賞4勝目
2ギフテッドガール
Gifted Girl
4牝
12.9倍
T.クウィリー4・1/412戦【4-4-1-3】
英G3で3/4馬身差の2着
3オウサス
Ausus
4牝
21.8倍
J.グラハム1・1/214戦【4-3-2-5】
前走米G3勝ち

米G1セクレタリアトS.、アドミラルキトゥンが重賞初勝利で父子制覇

8月17日に行われた米G1セクレタリアトS.(芝10ハロン、3歳)は、3番手先行した9番人気ストーミーレンが最後の直線入り口で抜け出して先頭に立ちましたが、後方追走したアドミラルキトゥンが残り150mあたりで差し切って優勝し、重賞初勝利をG1で挙げました。

前走の米G2ヴァージニアダービー(芝10ハロン)で、1,2着馬より約1.7kg重い斤量で頭頭差の3着だった1番人気のジャックミルトンが先行し3着。2番人気のライディルックは11着に敗れています。


アドミラルキトゥンは父キトゥンズジョイ、母リーチンフォーザスターズ(米2勝)、母の父グランドスラムという血統

過去3走連続で芝重賞に出走し、米G2アメリカンターフS.(芝8.5ハロン)は1・3/4馬身差の2着、米G3アーリントンクラシックS.(芝8.5ハロン)は1馬身差の2着、米G2アメリカンダービー(芝9.5ハロン)はアタマ差の2着と、3戦連続2着していました。

この17日はキトゥンズジョイ産駒がG1を3勝。過去の分を含め同産駒の計6勝(4頭)は、
  • AW8.5f、2歳牝馬
  • 芝1マイル、3歳以上牝馬
  • 芝10ハロン、3歳
  • 芝10ハロン、3歳以上(2位入選繰り上がり)
  • 芝11ハロン、3歳以上
  • 芝12ハロン、3歳以上
であり、牝馬を除くとキトゥンズジョイ産駒の大物は芝10ハロン以上に出ると。アドミラルキトゥンは距離延長も向いたのでしょう。

次走はまだ決めてないとのこと。父キトゥンズジョイはこのレースを勝った後、米G1ジョーハーシュターフクラシック招待S.(芝12ハロン)も連勝しましたが、アドミラルキトゥンと同馬主で、米G1ユナイテッドネイションズS.、米G1ソードダンサー招待S.を連勝したビッグブルーキトゥンがジョーハーシュターフクラシック招待S.に向かうようなので、違うレースに行くんじゃないでしょうか。

2013年セクレタリアトS.のレース映像。画質が悪くて見えにくいですが、赤のメンコをつけた中団内を追走するのがアドミラルキトゥン。


セクレタリアトステークス(Secretariat Stakes )
2013年8月17日、アメリカ・アーリントンパーク競馬場、芝10ハロン
3歳、G1、13頭、Firm、レース結果(PDF)、総賞金50万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アドミラルキトゥン
Admiral Kitten
3牡
6.2倍
R.ナプラヴニク54.0kg2分02秒178戦【3-4-0-1】
重賞4戦目
2ストーミーレン
Stormy Len
3牡
15.6倍
A.ソリス54.0kg1・1/49戦【2-2-2-3】
前走アドミラルからハナ差3着
3ジャックミルトン
Jack Milton
3牡
3.4倍
J.ロザリオ54.8kg1・1/46戦【2-1-3-0】
G3勝ち

米G1アラバマS.、KYオークス馬プリンセスオブシルマーがG1競走3連勝

8月17日に行われた米G1アラバマS.(ダート10ハロン、3歳牝馬)は、4番手追走した圧倒的1番人気のプリンセスオブシルマーが最終コーナーで大外から進出して先頭に立つと、3番手先行した2番人気のフィフティーシェイズオブヘイに2・1/2馬身差をつけて快勝しG1競走3連勝としました。

さらに3・3/4馬身差の3着にロイヤルデルタ(G1競走5勝)の半妹で重賞初出走のカーニバルコートが入っています。


プリンセスオブシルマーは父マジェスティックウォリアー(米芝ステークス2着1回)、母ストームディキシー、母の父カティナスという血統。父の初年度産駒です。母の半兄に当時G3のドバイデューティーフリー勝ち馬リズムバンドがいます。

昨年10月のデビュー戦(ダート5.5ハロン)は4着に敗れたものの、距離をマイル以上に伸ばした2戦目以降は4連勝。ブサンダS.(ダート1マイル70ヤード)、ブッシャーS.(ダート8.5ハロン)をどちらも7馬身差で楽勝していました。

その後、米G2ガゼルS.(ダート8.5ハロン)は勝ち馬クロースハッチーズより約2.2kg重い斤量を背負って3・1/4馬身の2着でしたが、その次走の米G1ケンタッキーオークス(ダート10ハロン、3歳牝馬)を勝ち、さらに前走の米G1 CCAオークス(ダート9ハロン、3歳牝馬)も勝ってG1連勝していました。次走は未定。

今のダート中距離の3歳牝馬だと、プリンセスオブシルマーを筆頭に、ケンタッキーオークス1/2馬身差2着でG1競走3勝のビホールダー、米G1エイコーンS.でクロースハッチーズを相手に勝ったミッドナイトラッキー、前述ガゼルS.および米G1マザーグースS.勝ち馬でケンタッキーオークス7着のクロースハッチーズが続くという勢力図かなと。


2013年アラバマS.のレース映像。真ん中の枠発走、紫の勝負服がプリンセスオブシルマー。


アラバマステークス(Alabama Stakes)
2013年8月17日、アメリカ・サラトガ競馬場、ダート10ハロン
3歳牝馬121ポンド、G1、5頭、レース結果(PDF)、総賞金60万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1プリンセスオブシルマー
Princess of Sylmar
3牝
1.5倍
J.カステリャーノ2分03秒219戦【7-1-0-1】
G1競走3連勝
2フィフティーシェイズオブヘイ
Fiftyshadesofhay
3牝
3.6倍
J.ヴェラスケス2・1/211戦【4-3-2-2】
重賞3勝、G1【0-2-1-0】
3カーニバルコート
Carnival Court
3牝
8.8倍
I.オルティズ3・3/44戦【2-0-1-1】
重賞初出走

米G1ソードダンサー招待S.、ビッグブルーキトゥンが芝G1を連勝

8月17日に行われた米G1ソードダンサー招待S.(芝12ハロン、3歳以上)は、3番手先行したトワイライトエクリプスが最後の直線で先頭に立ちましたが、後方追走した2番人気のビッグブルーキトゥンが残り100mで差し切って優勝し、G1連勝しました。

7月の米G1マンノウォーS.(芝11ハロン、3歳以上)でトワイライトエクリプスを2着に下し、また前々走の米G2モンマスS.(芝9ハロン)ではビッグブルーキトゥンを1・1/4馬身差の2着に下して優勝していたボイストレスが1番人気でしたが8着に敗れています。昨年2着のアルカリが5着。競走中止したG1で2着2回のオプティマイザーは呼吸に問題があっただけのようで、命に別状はなさそうです。


ビッグブルーキトゥンは父キトゥンズジョイ、母スペントゴールド(米3戦未勝利)、母の父アンアカウンテッドフォーという血統の5歳牡馬。

前走7月の米G1ユナイテッドネイションズS.(芝11ハロン、3歳以上)も内から差して勝ちG1初勝利を挙げました。

キトゥンズジョイ産駒はこの日アメリカで行われた6つのG1のうち、繰り上がりの1勝含む3勝し、G1勝ち産駒は通算4頭で6勝(芝5勝、AW1勝)となりました。またその4頭すべてロベルトの4×4です。4頭とも他にノーザンダンサーのクロスもありますが、これは出来て当たり前なのでロベルトクロスに比べれば意味はないかも。
http://www.pedigreequery.com/stephanies+kitten
http://www.pedigreequery.com/big+blue+kitten
http://www.pedigreequery.com/real+solution
http://www.pedigreequery.com/admiral+kitten

オーナーによると、次走は9月28日のジョーハーシュターフクラシック招待S.(芝12ハロン)になる模様。過去の成績からも最低10ハロンはあったほうが良さそうで、おそらくその後は米G1 BCターフでしょう。

ちなみに昨年はマンノウォーS.ソードダンサー招待S.ジョーハーシュターフクラシックS.とG1を3連勝したポイントオブエントリーがBCターフで1/2馬身差2着しています。


2013年ソードダンサー招待S.のレース映像。ゲート手前から2頭目、序盤はほぼ最後方に下げる赤の帽子、白の胴、赤の袖がビッグブルーキトゥン。


ソードダンサー招待ステークス(Sword Dancer Invitational Stakes)
2013年8月17日、アメリカ・サラトガ競馬場、芝12ハロン
3歳以上、G1、12頭、Firm、レース結果(PDF)、総賞金 60万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ビッグブルーキトゥン
Big Blue Kitten
5牡
3.95倍
J.ブラーヴォ55.8kg2分26秒4617戦【10-2-4-1】
重賞3勝はいずれも芝
2トワイライトエクリプス
Twilight Eclipse
4セン
4.65倍
J.カステリャーノ54.4kg111戦【4-2-1-4】
重賞2勝。前走G1で2着
3ヌテロ
Nutello
4牡
12.3倍
J.レスカノ52.6kg1・3/414戦【5-0-3-6】
昨年の仏ダービー3着

米G1デルマーオークス、ディスクリートマークがG1初勝利

8月17日に行われた米G1デルマーオークス(芝9ハロン、3歳牝馬)は、3番手先行した2番人気のディスクリートマークが最終コーナーで進出すると直線入り口で先頭に立って押し切り、重賞2勝目、G1初勝利を挙げました。

後方から差した3番人気のウィッシングゲートが3/4馬身差の2着。中団から差した4番人気のエモーショナルキトゥンが3着。1番人気のキトゥンズダンプリングズも差してきたものの4着でした。向こう正面で下がる場面が見られたのですが、小さな不利があったのかもしれません。


ディスクリートマークは父ディスクリートキャット、母トゥマルケ(米G3で2着1回)、母の父マーケトリーという血統のニューヨーク州産馬。ディスクリートキャット産駒のG1勝利はこれが初めてのことです。

初芝だったデビュー2戦目で初勝利を挙げると、5戦目で芝ステークス勝ち。4ヶ月ぶりの出走だった、前々走にあたる8戦目の米G2サンズポイントS.(芝8.5ハロン、3歳牝馬)は、昨年の米G1 BCジュベナイルフィリーズターフ2着馬などを下して重賞初出走初勝利を挙げ、前走のイヴェンテイルS.(芝8.5ハロン、3歳牝馬)は6・1/4馬身差で圧勝していました。

ルパルー騎手は「(初距離だったので)前に馬を置いてリラックスさせることが課題でした。彼女はうまくこなしてくれました」と述べています。レース映像からは行きたがっているように見えますが。

次走は不明。ちなみにディスクリートマークはステークス初勝利後に、またそのさらに2戦後に調教師が代わって現在のC.クレメント師が3人目の調教師です。

2013年デルマーオークスのレース映像。芦毛がディスクリートマーク。


デルマーオークス(Del Mar Oaks)
2013年8月11日、アメリカ・デルマー競馬場、芝9ハロン
3歳牝馬122ポンド、G1、10頭、Firm、レース結果(PDF)、総賞金30万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ディスクリートマーク
Discreet Marq
3牝
5.7倍
J.ルパルー1分47秒3810戦【5-1-2-2】
重賞2戦2勝
2ウィッシングゲート
Wishing Gate
3牝
6.7倍
G.ゴメス3/49戦【3-3-0-3】
前走芝1マイルG2勝ち
3エモーショナルキトゥン
Emotional Kitten
3牝
7.5倍
V.エスピノーザ3/412戦【3-2-3-4】
前走芝G1で2着

オランダダービー、母が日本産馬のマガルフが優勝

8月11日に行われたオランダダービー(芝2400m、3歳)は、3番手追走した2番人気マガルフが最後の直線に向くと、逃げた1番人気のカフェオレを内から交わして優勝しました。

前走ローカルG2オーストリアダービー(芝2200m)の0.1秒差2着馬カフェオレが2・1/2馬身差の2着でドイツ調教馬のワンツー。さらに4馬身差の3着に地元の、といっても英下級戦5戦未勝利後に移籍したらしいオートリスクが入っています。


マガルフは父マンデュロ、母マリーンシティー、母の父カーネギーという血統のアイルランド産馬。母のマリーンシティーは2002年に凱旋門賞を勝ったマリエンバードの半妹。マリエンバードの母マリエンバドは2000年にポリッシュプレセデントの子を、2001年にカーネギーの子を日本で産んでおり、その2001年の産駒がマリーンシティーです。

マガルフとカフェオレはどちらもドイツの下級条件戦でうろうろしている2頭なのでレベルはすごく低いとしか言いようがないですが、ダービーはダービーということで。

オランダは繋駕競走のほうが盛んなのかもしれません。そちらのダービーは25日にある模様。

オランダダービーのレース映像。オレンジ色の勝負服がマガルフ。


オランダダービー(Dutch Derby)
2013年8月11日、オランダ・デュインディヒト競馬場、芝2400m
3歳牡58kg牝56kg、6頭、総賞金6550ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1マガルフ
Magaluf
3牡
2.6倍
B.Ganbat 2分36秒87戦【2-1-1-3】
2走前にドイツで初勝利
2カフェオレ
Cafe au lait
3牡
1.6倍
F.Weissmeier2・1/26戦【1-3-2-0】
前走ローカルG2で2着
3オートリスク
Autrisk
3牡
6.3倍
J.Pietrasiewicz48戦【0-1-3-4】
英5戦未勝利

準重賞スウェーデンダービー、ハリケーンレッドが優勝。エイシンダンカーク産駒は9着

8月11日に行われた準重賞スウェーデンダービー(ダート2400m、3歳)は、2列目最内を先行した1番人気ハリケーンレッドが最後の直線に入ると逃げ切りを図る7番人気ロンドンシチズンを内から差し切って優勝し、初勝利を挙げた4月から4連勝でダービーを制覇しました。

ロンドンシチズンが3馬身差の2着。さらに3/4馬身差の3着に6番人気のビーマイアワードが入り、3頭いたスウェーデン産馬の中では最先着しています。


またエイシンダンカーク産駒でスウェーデン2000ギニー(芝1600m)、デンマークダービー(芝2400m)勝ち馬のクワイトアミッションは4番人気でしたが、4秒差(0.4秒差ではなく)の8着に敗れました。7月27日のブリーダーズトロフィーマイル(芝1600m)でもスウェーデン2000ギニーで負かした数頭から大きく遅れるブービー12着に敗れており、調子を崩しているのかもしれません。昨年このコースのダート1730mを勝った時には2着に1.3秒差、4着のビーマイアワードに1.8秒差をつけて完勝していたんですけどね。

ただこのダービーの上位4頭は内から4,2,1,6頭目の発走と内枠が有利だったようであり、また1周半するレースで最初のコーナーを3番手以内で通過した3頭が3着までを占める結果で、仮にクワイトアミッションが本調子だったとしても、やや外の9番枠発走といつもの後方からの脚質ではやはり厳しい結果を強いられたかもしれません。


2013年スウェーデンダービーのレース映像。出遅れる青の帽子、ピンクの勝負服がクワイトアミッション。


スヴェンスクトダービー(Land Rover Svenskt Derby)
2013年8月11日、スウェーデン・競馬場、ダート2400m
3歳、準重賞、14頭、レース結果、総賞金167万スウェーデンクローナ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ハリケーンレッド
Hurricane Red
3牡
2.84倍
E.Chaves2分32秒406戦【4-1-0-1】
3歳は4戦無敗
2ロンドンシチズン
London Citizen
3牡
16.8倍
M.Santos311戦【1-3-1-6】
前走英12ハロンハンデ戦で2着
3ビーマイアワード
Be My Award
3牡
11.6倍
J.Johansen3/48戦【3-2-1-2】
前走ダービーTRの一つを6馬身差優勝

米G1アルフレッド・G・ヴァンダービルトH.、昨年2着のジャスティンフィリップがG1初勝利

8月4日に行われた米G1アルフレッド・G・ヴァンダービルトH.(ダート6ハロン、3歳以上)は、昨年2着で3番人気のジャスティンフィリップが4番手追走すると、残り1ハロンで先行した2頭を交わして優勝し、重賞3勝目、G1初勝利を挙げました。

ジャスティンフィリップの内を併走していたバハミアンスコールが2馬身差の2着。2番人気で逃げたジェントルマンズベットがさらにクビ差の3着、1番人気で2番手先行のデラネイは4着で、先行したこの2頭にとってペースが速かったかもしれません。


ジャスティンフィリップは父ファーストサムライ、母アヴァコウズザコード、母の父クリプトクリアランスという血統の5歳牡馬。半兄にG2勝ち馬が、半弟にG3勝ち馬がいます。ファーストサムライの初年度産駒で、同産駒のG1勝ち馬はジャスティンフィリップが2頭目(3勝目)。

前走のG2ではバハミアンスコールから約2馬身差の4着でしたが、これまでに2011年の米G1キングスビショップS.(ダート7ハロン)3着、昨年のこのレース2着、昨年の米G1 BCスプリント14頭立て5着などがあり、今回含めG1では【1-1-1-3】となりました。

G1初出走だったキングズビショップS.以降に出走したG2、G3 だと【1-2-1-4】だから、格負けせずに走るタイプといえるでしょう。

アスムッセン調教師がレース翌日に述べたところによると状態も良く、この後は昨年5着だった米G1 BCスプリントを目標に予定を組むとのこと。昨年のBCスプリントは残り400mで前にいた5頭が1着から4着までと6着に入る展開で、ジャスティンフィリップは差し馬として(残り400m地点を11番手で通過)唯一上位に来たので、展開の助けがあれば、というところです。

2013年 アルフレッド・G・ヴァンダービルトH.のレース映像。外目4番手がジャスティンフィリップ。



アルフレッド・G・ヴァンダービルト・ハンディキャップ
(Alfred G. Vanderbilt Handicap)
2012年8月4日、アメリカ・サラトガ競馬場、ダート6ハロン
3歳以上、G1、5頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金40万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ジャスティンフィリップ
Justin Phillip
5牡
4.15倍
J.ヴェラスケス1分08秒5929戦【7-5-7-10】
重賞3勝目
2バハミアンスコール
Bahamian Squall
4牡
7.1倍
L.サエズ213戦【4-5-1-3】
前走重賞初勝利
3ジェントルマンズベット
Gentlemen's Bet
4牡
3.0倍
J.ロザリオクビ7戦【5-0-2-0】
3走前G2もジャスティン-の3着

愛G1フェニックスS.、スディルマンがG1初勝利。ヘンリーザナヴィゲーター産駒の2連覇

8月11日に行われた愛G1フェニックスS.(芝6ハロン、2歳牡牝)は、3番手追走したスディルマンが残り2ハロンで前の2頭に並びかけると、2番手先行したビッグタイムを1/2馬身競り落として優勝し、重賞2連勝、G1初勝利を挙げました。

英G2コヴェントリーS.(芝6ハロン)を6馬身差で圧勝して以来の出走だった、圧倒的1番人気のウォーコマンドはさらに1/2馬身差の3着でした。


スディルマンは父ヘンリーザナビゲーター、母シャーミーン(英米のG3で3着1回ずつ)、母の父デザートスタイルという血統のアメリカ産馬。昨年はヘンリーザナビゲーターの初年度産駒であるペドロザグレートが優勝したので、同産駒の2連覇です。

デビューから2戦は5馬身差5着、1馬身差の3着と連敗しましたが、3戦目で初勝利を挙げると、前走4戦目の愛G2レイルウェイS.(芝6ハロン)で今回と同じくビッグタイムを1/2馬身差で下して2連勝、重賞初勝利を挙げていました。

ちなみにビッグタイムはデビュー戦でスディルマンを5着に負かして優勝し、2戦目がレイルウェイS.の2着で、今回が3戦目、つまり今回含めデビューからの3戦すべてでスディルマンと同じレースを走っています。

スディルマンを管理するウオッチマン師は「レース中に余計なことをしない良い馬です」と。この後は9月15日の愛G1ナショナルS.(芝7ハロン、2歳牡牝)へ。



また、この1レース前の愛G2デビュタントS.(芝7ハロン、2歳牝馬)は、1戦1勝で1番人気に支持されたタペストリーが、前走愛G3で1馬身差2着していた2番人気のパーハップスに1・1/4馬身差し切って勝ち、重賞初勝利を挙げました。

父ガリレオ、母ランプルスティルツキン(05年にこのデビュタントS.優勝)、母の父デインヒルという血統のアイルランド産馬。

「またガリレオ×デインヒルか」というだけでなく、母ランプルスティルツキンは愛G1モイグレアスタッドS.(芝7ハロン、2歳牝馬)、仏G1マルセルブサック賞(芝1600m、2歳牝馬)の勝ち馬であり、母の母がキングマンボの全妹だからサドラーズウェルズとキングマンボの好相性の組み合わせでもあって現代欧州のトレンドを詰め込んだ超良血です。

次走は9月1日の愛G1モイグレアスタッドS.へ。2走連続母子制覇なるか注目です。

2013年フェニックスS.のレース映像。真ん中4番のゲートからの発走がスディルマン。


2013年デビュタントS.のレース映像。動画始まった時点で3番手、黒の勝負服がタペストリー。


フェニックスステークス(Keeneland Phoenix Stakes)
2013年8月11日、アイルランド・カラ競馬場、芝6ハロン
2歳牡牝、G1、5頭、Good、レース結果、総賞金20万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1スディルマン
Sudirman
2牡
5倍
W.ローダン1分09秒355戦【3-0-1-1】
3連勝、重賞2連勝
2ビッグタイム
Big Time
2牡
8倍
P.スマレン1/23戦【1-2-0-0】
デビュー勝ち
3ウォーコマンド
War Command
2牡
1.4倍
J.オブライエン1/23戦【2-0-1-0】
英G2勝ち

独G1バイエルン大賞、最低人気のザイスモスが逃げ切りG1初勝利

8月11日に行われた独G1バイエルン大賞(芝2400m、3歳以上)は逃げた6頭立て最低人気のザイスモスが最後の直線に入ると後続との差を広げ、2着エンポリに4馬身差をつけて完勝し、重賞3勝目、G1初勝利を挙げました。

昨年このレースを最低人気で勝ったテミーダが今年は1番人気5着。昨年の独G1オイロパ賞(芝2400m)勝ち馬ジローラモが3着。その2戦などG1で2着3回のフォイヤーブリッツが4着でした。

公式発表は4馬身差ですが、レース映像から5-6馬身差はあるように見えますね。



ザイスモスは父ダラカニ、母ザスエラ、母の父ダッシングブレードという血統のアイルランド産馬。母は独ダービー馬ザムムなどの半妹という良血。

3歳になった2011年にドイツでデビューし、フランス準重賞1勝、独G3で2着1回すると、理由はわかりませんが2012年は10月から始動して3戦し、2400mと2000mの独G3を2連勝。しかし今年はG3ドバイゴールドカップ(芝3200m)10着、独G3で5着、7着といまいちの結果でした。

ヴェーラー調教師は「いい競馬をしてくれるだろうと思っていましたが、勝つとまでは思っていませんでした」と述べています。

ただ昨年11月の独G3ヘッセンポカル(芝2000m)を勝った時に2馬身差2着だったプチシュヴァリエが先日の仏G3ゴントービロン賞(芝2000m)でシリュスデゼーグルを負かしているため、ザイスモスも2012年時点ですでにある程度の力をつけていたと思われ、今年前半はおそらくドバイ遠征の疲れもあったのでしょう。

次走は不明ですが、10月27日の加G1カナディアン国際が目標であるとのこと。9月1日の独G1バーデン大賞にも登録されていますが、同厩舎の"キングジョージ"勝ち馬ノヴェリストがバーデン大賞をステップに凱旋門賞を目指すことが決まっています。

2013年バイエルン大賞のレース映像。大外枠の赤の帽子がザイスモス。


バイエルン大賞( Großer Preis von Bayern)
2013年8月11日、ドイツ・バイエルン競馬場、芝2400m
3歳以上、G1、6頭、レース結果、総賞金15万5000ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ザイスモス
Seismos
5セン
13.4倍
A.アツェーニ60kg2分33秒2015戦【5-2-1-7】
重賞3勝目
2エンポリ
Empoli
3牡
3.7倍
A.シュタルケ55kg46戦【1-3-0-2】
独G2ウニオンレネン2着
3ジローラモ
Girolamo
4牡
9.9倍
D.ポルク60kg3/414戦【3-0-4-7】
G1含む独重賞2勝

G1独オークス、ペネロパが重賞初勝利

8月4日に行われた独G1ディアナ賞(独オークス、芝2400m、3歳牝馬)は、5番手先行した英オークス2着で1番人気のシークレットジェスチャーが最後の直線入り口で外から先頭に立ちましたが、中団追走した6番人気のペネロパが内から追い上げ残り100mで差し切って優勝し、重賞初勝利をG1で挙げました。

ペドロザ騎手は今年の独1000ギニーをAkua'daに騎乗して勝っており、これでドイツ牝馬2冠達成です。ちなみにオーナーは2008年にブリセイダで独1000ギニーを勝っています。

シークレットジェスチャーが3/4馬身差の2着。さらにクビ差の3着に前走独G2ディアナトライアル4着で10番人気アドヤが、さらに短アタマ差の4着に12番人気のレッドリップスが入っています。

前走7月に2200mの独G3を勝っていたデイトナベイが2番人気14着に大敗。独G2ディアナトライアル勝ち馬で前走G3でデイトナベイの3着だったアルスノヴァは13着。1-4着はいずれも7月は不出走である点が共通します。


ペネロパは父ジャイアンツコーズウェイ、母レディリンダ(米G3で2着1回3着2回)、母の父トレンシャルという血統のイギリス産馬。ジャイアンツコーズウェイ産駒が北半球で芝G1を勝つのはエイシンアポロンの2011年マイルチャンピオンシップ以来のことだと思います。

2歳のデビュー戦を勝つと、2戦目の独G3(芝1400m)は英国調教馬で牡馬の Ayaar の2着。今年緒戦のG2独1000ギニー(芝1600m)8着した後、前走の独準重賞(芝2100m)は1・1/4馬身差の3着していました。ちなみにその準重賞でペネロパより1kg軽い斤量で2着だったのがデイトナベイです。

これくらいの距離が合っているのだろうし、上述したとおり、間隔を空けてきた点も功を奏したのだと思いますね。

次走は9月15日の仏G1ヴェルメイユ賞(芝2400m、3歳以上牝馬)が有力も、9月22日の独G1オイロパ賞(芝2400m、3歳以上)の可能性もあるとのこと。また10月19日の英G1ブリティッシュチャンピオンズ・フィリーズ・アンド・メアズS.(芝12ハロン、3歳以上牝馬)に登録しています。

2着とはいえ力は見せたシークレットジェスチャーは8月22日の英G1ヨークシャーオークスも視野に入れており、英オークス1,2着馬の再戦の可能性があります。

2013年独オークスのレース映像。オレンジの勝負服がペネロパ。



ディアナ賞 - 独オークス(Henkel-Preis Der Diana - Deutsches Stuten-Derby)
2013年8月4日、ドイツ・デュッセルドルフ競馬場、芝2200m
3歳牝馬58kg、G1、16頭、レース結果、総賞金40万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ペネロパ
Penelopa
3牝
16倍
E.ペドロサ2分13秒535戦【2-1-1-1】
重賞初勝利
2シークレットジェスチャー
Secret Gesture
3牝
2.5倍
J.スペンサー3/45戦【2-3-0-0】
英オークス2着
3アドヤ
Adoya
3牝
36.1倍
F.レフェブルクビ5戦【1-0-1-2】
前走独オークストライアル4着

2013年8月14日水曜日

チキータが植栽に突っ込んだときの正面からの動画

奥野庸介さんに女オルフェと命名された愛オークス勝ち馬チキータ Chicquita  が、デビュー2戦目に優勝目前で外ラチの植え込みに突っ込んだときの様子を正面から捉えた動画がありましたので紹介します。

http://www.youtube.com/watch?v=ufmsPwzzDqM#t=17s


この動画は複数のレースの映像が含まれています。
05秒から愛オークス
17秒からデビュー2戦目
32秒から仏オークス
52秒から再び愛オークス

チキータは仏G1ヴェルメイユ賞から、追加登録をして10月の仏G1凱旋門賞に向かう予定。

凱旋門賞が目標の伯ゴーイングサムウェア、25日に仏G2ドーヴィル大賞出走か

昨年12月に南米の凱旋門賞とも言われる亜G1カルロスペレグリーニ大賞(芝2400m)を勝ったブラジルのゴーイングサムウェア Going Somewhere が凱旋門賞を目指して渡仏しています。現在はフランスのD.スマガ調教師が管理しており、シャンティイ・ラモルレー調教場(昨年オルフェーヴルが滞在した場所)で調整されているとのこと。

スマガ調教師が8月初旬に?述べたところによると、「まずはこちらの気候に慣らしているところですが順調に進んでいます」とのことで、8月25日に行われる仏G2ドーヴィル大賞(芝2500m)に出走を予定しており、その後、9月15日の仏G2フォア賞(芝2400m)から10月6日の仏G1凱旋門賞に向かう模様。


ゴーイングサムウェアは父スラマニ、母エンジェルスター、母の父スペシャルナッシュという血統のブラジル産馬。

カルロスペリグリーニ賞で重賞初勝利を挙げた後は3戦し、
2月の亜G1 ミゲル・A・マルティネス・デ・オス大賞(芝2000m)7馬身差5着
4月の亜G3 ポルテーニョ賞(芝2400m)1・1/2馬身差2着
5月の亜G1・5月25日大賞(芝2400m)3/4馬身差3着

という成績でした。レースの勝ちタイムは順に、2分22秒20(カルロスペレグリーニ大賞)、1分57秒81、2分26秒10、2分29秒34です。

ちなみにカルロスペリグリーニ大賞で1番人気2着だったインディポイントが18日の米G1アーリントンミリオン(芝10ハロン)に出走予定ですから、参考になるかもしれません。

2013年8月13日火曜日

ムーンライトクラウド、次走フォレ賞で引退も

8月11日の仏G1ジャックルマロワ賞(芝1600m)で2週連続G1勝利を挙げたムーンライトクラウドについて管理するF.ヘッド調教師によると、次走は凱旋門賞当日の仏G1フォレ賞(芝1400m)の予定で、昨年制したムーランドロンシャン賞や、8着に終わったBCマイルへの遠征は無いだろうと。その後は香港マイル出走の可能性はあるもののフォレ賞で引退する可能性が高そう。


ジャックルマロワ賞で短アタマ差2着だったオリンピックグローリーは、「前にいたドーンアプローチが想定より早くばてたから、1馬身損したと」。

英G1サセックスS.(芝1マイル)でドーンアプローチを負かして優勝したトロナドは、オリンピックグローリーと同オーナー、同調教師であり、マイルで使い分けするのであれば片方が仏G1ムーランドロンシャン賞(芝1600m)、もう一方を英G1クイーンエリザベス2世S.(芝1マイル)へ向かわせることも考えるが、またはトロナドに10ハロン挑戦させ、8月の英G1インターナショナルS.から10月の英G1チャンピオンS.に向かう可能性もあると。


ジャックルマロワ賞3着で仏ダービー馬のアンテロは9月21日の仏G3プランスドランジュ賞(芝2000m、3歳)へ。一昨年ディープインパクト産駒で日本生まれのバロッチが2着したレースです。その後、仏G1凱旋門賞か英G1チャンピオンS.に向かう模様。凱旋門賞だと中1週ですが、ファーブル師は現時点では凱旋門賞のほうが出走する可能性は高いと述べています


ジャックルマロワ賞5着ドーンアプローチは気管支炎のため休養を取って10月の英G1クイーンエリザベス2世S.へ。



ジャックルマロワ賞と関係ないですが、今年の仏G1ガネー賞(芝2100m)を勝ったG1競走3勝馬の独パストリアスは管骨骨折のため6週間安静が必要で、バーデン大賞から凱旋門賞へ向かうプランは消滅し、今後は未定。引退の可能性もありそうですね。