ちなみにイチハラという日本語にしか思えない馬名は「Named after the Chief's long lost, heshen bag wearing, cousin.」ということで、馬主さんのいとこに、イチハラという名前の行方不明者、あるいはイチハラという場所で行方不明になった人がいるということでしょうかね。
ゲームオンデュード Game On Dude は後方待機馬が1,3着だった昨年の米G1 BCクラシック(D10ハロン)で逃げて1・1/2馬身差2着。これまでもほとんど逃げまたは先行しています。米G1競走2勝しているダートのほうが得意だと思いますが、AW10ハロンG1でもハナ差2着があります。C.サザーランド騎手は、女性騎手としてはこのレース初騎乗となる点も注目されています。2月の米G2は後方からになりましたが5馬身差で勝っており、順調な様子。
エイシンアポロンの半弟であるマスターオブハウンズ Master of Hounds は、3月10日のドバイG1ジェベルハッタ(芝1800m)でいつもと戦法を変え、思い切って逃げると2着に3/4馬身差をつけて優勝し、G1初勝利を挙げた。その2走前G2アルマクトゥームチャレンジ・ラウンド2(AW1900m)はメンディップの3着に敗れた。昨年はUAEダービー(AW1900m)ハナ差2着。米G1ケンタッキーダービー(D10ハロン)は後方を進み約5馬身差5着で、ゲームオンデュードより下に見て良いのではないかと。
ソーユーシンク So You Think は2010年までにオーストラリアでG1を5勝し、昨年アイルランドのA.オブライエン厩舎に移籍。愛G1タターソールズゴールドカップ、英G1エクリプスS.(2着は凱旋門賞馬ワークフォース)、G1愛チャンピオンS.(2着スノーフェアリー)と10ハロンのG1を3勝した。
唯一頭の牝馬であるロイヤルデルタ Royal Delta は昨年の米3歳牝馬G1アラバマS.と、G1 BCレディースクラシック(ダート9ハロン)を勝ち、最優秀3歳牝馬に選ばれた。ただし米国内でも同じ牝馬相手に負けるのが普通で、BCの前には米牝馬G1ベルデイムS.(ダート9ハロン)でハヴルドグレース(年度代表馬)から8馬身差2着、また3月の米G2サビンS.(ダート8.5ハロン)でも、牝馬G1馬オーサムマリアから8馬身差の2着に敗れています。ここでは厳しい。
オーガストラッシュはシンガポールの Ato が回避したためゴールデンシャヒーンからこちらに変更。前走はゴールデンシャヒーンの前哨戦であるG3マハーブアルシマールで3着で、それが昨年7月の南アフリカのスプリントG1勝ち以来の出走でした。その前走もG1で2着。09年と昨年のこのレース勝ち馬は南アフリカ生まれのジェイジェイザジェットプレーンが勝っているように、スプリント路線でも要注意です。
ちなみにアメリカ生まれのオスマン Osman がペルーに渡ってすでにデビューし10戦し1勝しています(近4走は1勝含む4連続連対)。またアメリカで種付けされチリで産まれたトリッキーハット Tricky Hat が2戦目で勝ちあがっているので、ミセスハドリーは「南半球で走る最初のハットトリック産駒」ではありません。