2013年6月30日日曜日

G1愛ダービー、トレーディングレザーがG1初勝利。オブライエン調教師の8連覇阻む

6月28日に行われたG1愛ダービー(芝12ハロン、3歳牡牝)は、前2頭から離れた3番手を進んだ3番人気トレーディングレザーが残り2ハロンで先頭に立つと、6,7番手を追走していた英ダービー3着馬ガリレオロックに1・3/4馬身をつけて優勝し、重賞2勝目、G1初勝利を挙げました。ジム・ボルジャー調教師の管理馬で、オブライエン調教師の8連覇を阻みました。

そのエイダン・オブライエン調教師の英ダービー馬ルーラーオブザワールドはデビュー戦以来3戦振りとなるジョセフ・オブライエン騎手とのコンビで出走しましたが、最後方追走して直線は大外に持ち出されたものの伸びきれずに10馬身差の5着に終わっています。同2着のリバタリアンはガリレオロックとほぼ同位置追走から8着。

後方にいたガリレオロックとフェスティヴチアーが2、3着に入っているからルーラーオブザワールドとリバタリアンは位置取りが後ろ過ぎたのは言い訳になりません。ただ今回の勝ちタイム2分27秒17は2001年のガリレオの2分27秒10以来となる好時計で、反対に英ダービーは遅いタイムでの決着でしたから、遅い馬場向きなのかもしれません。
(英ダービーの)勝ちタイム2分39秒06は2001年以降だと2002年についで2番目に遅いのですが、前日の英オークスも2番目、2レース前のコロネーションカップも3番目に遅い時計で決着しておりそういう馬場だったということでしょう(コロネーションカップは一昨年までダービー前日、昨年2012年から当日に施行)。
G1英ダービー、ルーラーオブザワールドが3戦無敗でG1初勝利


トレーディングレザーは父テオフィロ、母ナイトヴィジット(未出走)、母の父シンダーという血統のアイルランド産馬で、父と母もジム・ボルジャー師の生産馬でした。また1,2,4,5着は父または父の父がガリレオです。

テオフィロ産駒としては3頭目のG1勝ち馬となりました。これ以前の2頭は2歳G1勝ちであり、2歳5戦5勝のみで引退した父にとっては、2世代目のトレーディングレザーが3歳12ハロンG1を勝ってくれたというのは非常に大きな意味があります。


昨年10月、デビュー3戦目の英G3オータムS.(芝1マイル、2歳)を勝ち重賞初勝利。今年2走目で前々走のG1愛2000ギニーは5馬身差の3着でしたが、前走の愛準重賞シルヴァーS.(芝10ハロン、3歳以上)はG2 UAEダービー勝ち馬ラインズオブバトルに3馬身差をつけて快勝していました。

ちなみに3走前、今年初戦で英ダービーの前哨戦の一つ、英G2ダンテS.はリバタリアンから1・1/4馬身差の2着してから愛2000ギニーに向かいましたが、英ダービーについてはボルジャー師が「(同じく自身が管理する)ドーンアプローチに何か問題があれば出走させるつもりで登録していただけ」と述べていました。

まあテオフィロ×シンダーだから遅い時計だった英ダービーでも好走したかは分かりませんが、しかしドーンアプローチは結局あの結果ですから、愛2000ギニーではなく英ダービーに出ていたらどうだったか気になりますね。

次走について明言されていませんが、7月27日の英G1”キングジョージ”に登録しており、ウィリアムヒルのオッズでは7倍の4番人気(3歳馬では1番人気)です。セントニコラスアビーが3.5倍の1番人気。


2013年愛ダービーのレース映像。3番手、白地の勝負服がトレーディングレザー。予備(要登録)。


アイリッシュダービー(Dubai Duty Free Irish Derby)
2013年6月28日、アイルランド・カラ競馬場、芝12ハロン
3歳牡牝、G1、9頭、Good To Firm、レース結果、総賞金125万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1トレーディングレザー
Trading Leather
3牡
7倍
K.マニング2分27秒178戦【4-2-1-1】
重賞2勝目
2ガリレオロック
Galileo Rock
3牡
10倍
W.ローダン1・3/45戦【1-1-2-1】
英ダービー3着
3フェスティヴチアー
Festive Cheer
3牡
34倍
S.ヘファナン1・3/45戦【1-0-2-2】
英ダービー12着
2走前仏G2で頭差3着

2013年6月29日土曜日

フランス・シャンティイ競馬場でキズナが初勝利

6月24日に行われた仏シャンティイ競馬場・芝2400m戦は、逃げた10番人気のキズナが直線入り口で1番人気のルクールドラメールに並ばれましたが1/2馬身抑えて優勝し初勝利を挙げました。

以前に紹介した、日本ダービー馬キズナと同名の3歳牝馬です
フランスのトニー・クラウト厩舎にも Kizuna という3歳牝馬がいます。馬主の Kenichi Izumi 氏は勝負服が青袖、赤胴に白の星だからナカヤマフェスタの和泉信一氏の息子である和泉憲一氏(netkeiba)でほぼ間違いなく、2010年に日本から遠征しトニー・クラウト厩舎に滞在して凱旋門賞2着したナカヤマフェスタで生まれた和泉家とクラウト師の絆という意味でしょうかね。
2013年日本ダービー、キズナがG1初勝利。凱旋門賞に登録しているが

レース結果はこちら。 連続写真はこちら

総賞金1万6000ユーロの、一番下のクラスでの勝利です。ちなみに2着ルクールドラメール(これの同名馬も日本にいます)の半姉ラブーム La Boum は仏重賞2勝馬で日本に輸入されており、その初子ラブームの2012(父ディープインパクト)はセレクトセール上場予定です。

繁殖牝馬情報:牝系情報|ラブーム(GER)|JBISサーチ(JBIS-Search)
http://www.jrha.or.jp/select/2013/pj095.pdf


それからアメリカにもキズナという4戦未勝利の3歳牝馬がいますね。日本でも04年生まれのもう1頭いただけのようですが、2010年産だけで日米仏にそれぞれ1頭ずつ計3頭のキズナ Kizuna がいると。
Horse Profile | Kizuna | Equibase
キズナ|競走馬データ- netkeiba.com


ダービー馬のキズナは8月31日にシャンティイ入りし、9月の仏G2ニエル賞(ロンシャン2400m)をステップに仏G1凱旋門賞(同)に向かう予定です。「滞在厩舎は現在選定中で、7月中旬までに正式決定される見通し」だそうです。
 キズナ8月9日帰厩、31日成田から出国 - 競馬ニュース : nikkansports.com

そういうわけでシャンティイ調教場に2頭のキズナがいるという期間が最長で1ヶ月ほどある可能性があります。同名馬がいることで事務申請や検査の取り違えが起こらないといいのですが。本日28日は大井競馬で(同名馬ではないですが)手続きミスで1頭が除外されてしまいました。

大井競馬で事務手続きミスで除外/競馬・レース速報/デイリースポーツ online

2013年6月25日火曜日

仏G1サンクルー大賞、独ノベリストがG1競走2勝目

6月23日に行われた仏G1サンクルー大賞(芝2400m、4歳以上)は、中団追走の2番人気ノベリストが残り500mで先頭の1番人気シリュスデゼーグルに並びかけて競り落とすと、追い込んだドゥナデンを1馬身抑えて優勝し、重賞3連勝、G1競走2勝目を挙げました。

昨年の香港カップを故障で回避して以来の出走となったシリュスデゼーグルは得意の重馬場でしたが5着。4ヶ月ぶりだった昨年10月の仏G2ドラール賞は9馬身差で圧勝しているなど必ずしも休み明けが駄目というわけではないのですが、08年のデビュー以降これで各年の緒戦は全て敗れています(09年の初戦2着は前年12月に出走しているため年初戦は関係ないしょうけど)。


ノヴェリストは父モンズン、母ナイトラグーン(独G3勝ち)、母の父ラグナスという血統のアイルランド産馬。父も母もドイツ産馬です。R.ムーア騎手は20日の英G1アスコットゴールドカップもモンズン産駒のエスティメイトでG1を勝っていました。

圧倒的1番人気で出走した昨年のG1独ダービーは2着。その次走の独G1バーデン大賞(芝2400m)はデインドリームの4着でしたが、さらにその次走の伊G1イタリアジョッキークラブ大賞(芝2400m)は4馬身差完勝してG1初勝利を挙げると、今年初戦だった前走の独G2バーデン企業大賞も頭差制していました。

このバーデン企業大賞→サンクルー大賞というルートは昨年のデインドリームと同じ(順に1着、4着)で、デインドリームはその次走、英G1”キングジョージ”を勝ちました。

ちなみに独ダービーでノベリストを負かしたパストリアス(こちらは母の父がモンズン)は4月の仏G1ガネー賞(芝2100m)を勝っており、デインドリーム引退後もドイツ勢が存在感を示しています。

ノベリストとパストリアスはどちらもキングジョージに登録していますが、パストリアスはエクリプスS.を使う予定でキングジョージはまだ流動的。ノベリストはキングジョージに向かう模様。


2013年サンクルー大賞のレース映像。ゲート向かって右から6頭目、黄色の胴、青の袖がノベリスト。シリュスデゼーグルは最内枠。


参考2013年バーデン企業大賞のレース映像。


サンクルー大賞(Grand Prix de Saint-Cloud)
2013年6月23日、フランス・サンクルー競馬場、芝2400m
4歳以上、牡58kg、牝56.5kg、G1、11頭、Very Soft 、レース結果、総賞金40万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ノヴェリスト
Novellist
4牡
6.7倍
R.ムーア2分31秒129戦【7-1-0-1】
重賞5勝目
2ドゥナデン
Dunaden
7牡
5.3倍
J.スペンサー1・1/440戦【10-11-7-12】
豪香港でG1競走3勝
前走英G1で2着
3ハヤランダ
Haya Landa
5牝
22倍
F.ブロンデル121戦【1-5-2-13】
近2走仏重賞で2着
昨年の凱旋門賞4着

2013年6月23日日曜日

英G1ダイヤモンドジュビリーS.、リーサルフォースが逃げ切りG1初勝利

6月22日に行われた英G1ダイヤモンドジュビリーS.(芝直線6ハロン、3歳以上)は、逃げた6番人気リーサルフォースが残り1ハロン辺りから苦しくなったのか外に寄れながらも後続を寄せ付けずに逃げ切って重賞2勝目、G1初勝利を挙げました。

前走リーサルフォースを負かしていた、一昨年の勝ち馬で1番人気のソサエティロックが最後方から追い込んで2着。G1ドバイゴールデンシャヒーンで昨年1着今年3着のクリプトンファクターがそれ以来の出走で3着。昨年の仏G1アベイユドロンシャン賞勝ち馬ゴードンロードバイロンが4着。

ちなみに5月の英G2デュークオブヨークS.(芝6ハロン)はソサエティロック、リーサルフォース、ゴードンロードバイロンの順で決まっていました。

昨年のブラックキャビアにつづき豪産馬連覇を狙った豪G1を3勝しているシーサイレンは2番人気8着。父の父がサンデーサイレンスで仏重賞で2着2回、3着1回のガマースは10着でした。


リーサルフォースは父ダークエンジェル、母ランドアーミー(未勝利)、母の父デザートスタイルという血統のアイルランド産馬。2010年のセールでわずか8500ユーロで落札されていました。この勝利で獲得賞金は約40万ポンドに達しており、落札価格の60倍も稼ぎだしています。

昨年8月の英G2ハンガーフォードS.で重賞4勝馬を下して重賞初勝利。しかしアベイユドロンシャン賞はゴードンロードバイロンから21馬身差の10着、前走のデュークオブヨークS.はソサエティロックより2.2kg軽い斤量で敗れていました。

ただアスコット競馬場はこれ以前に3戦して、未出走馬戦1・1/2馬身差の2着。一昨年のロイヤルアスコットの英G2コヴェントリーS.1・3/4馬身差4着(23頭)。昨年のロイヤルアスコットの英G3ジャージーS.(芝7ハロン)1・1/4馬身差の4着(22頭)と勝てないながらもずっと好走していたんですよね。

コックス調教師は「7月11日のジュライカップに登録しているが、ニューマーケットが彼向きのコースか確信が無いので、改めて考えて決める」と述べています。ソサエティロックはジュライカップへ。

2013年ダイヤモンドジュビリーS.のレース映像。ゲート手前から4頭目、芦毛がリーサルフォース。


ダイヤモンドジュビリーステークス(Diamond Jubilee Stakes)
2013年6月22日、イギリス・アスコット競馬場、芝6ハロン
3歳以上、G1、18頭、Good To Firm 、レース結果、総賞金50万ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1リーサルフォース
Lethal Force
4牡
12倍
A.カービー1分13秒3614戦【3-4-3-4】
重賞2勝目
2ソサエティロック
Society Rock
6牡
5倍
K.ファロン222戦【6-5-2-9】
3年前2着,2年前1着,昨年5着
昨年英G1スプリントC.1着
3クリプトンファクター
Krypton Factor
5セン
26倍
L.モリス1・3/426戦【8-6-6-6】
昨年6着

2013年6月22日土曜日

英G2ハードウィックS.、トーマスチッペンデールが重賞2勝目も直後に死亡

6月22日に行われた英G2ハードウィックS.(芝12ハロン、3歳以上)は、中団追走のトーマスチッペンデールが残り2ハロンで先頭に立つと、同じダンジリ産駒で加G1で2着のあるダンディーノを1馬身抑えて優勝しました。しかし決勝戦通過直後に異常を感じたムルタ騎手が下馬すると、トーマスチッペンデールは心臓発作で死亡しています。

前走ダンディーノをクビ差負かして重賞2連勝中だったユニヴァーサルがさらに2・1/2馬身差の3着。 フランケルの半弟ノーブルミッションは4着。

またレース前半でも、前走トーマスチッペンデールに6馬身差をつけて勝っていたエクティハームが後脚を滑らせてハナガン騎手が落馬するなど荒れたレースとなってしまいました。


トーマスチッペンデールは父ダンジリ、母オールマイラヴィング、母の父サドラーズウェルズという血統。ダンジリ産駒は今年のロイヤルアスコット開催2勝目(英G2リブルズデイルS.をリポステが優勝)。母オールマイラヴィングは英愛オークス3着馬であり、その全姉イエスタデイが愛1000ギニー勝ち馬で英オークス2着馬という良血です。

自身は昨年のロイヤルアスコットでも英G2キングエドワード7世S.(芝12ハロン、3歳牡セン)を勝っており、これが重賞2勝目でした。

それにしても愛G1ゴールドカップ、英G1プリンスオブウェールズS.とG1を連勝して古馬戦線の主役に浮上したアルカジームは、(アルカジームとトーマスチッペンデールにとって)今年初戦、前々走の英G3ゴードンリチャードS.(芝10ハロン)でトーマスチッペンデールを1馬身差2着に下していますから、アルカジームの強さがさらに際立った1戦になりましたね。

2013年ハードウィックS.のレース映像。映像スタート直後に前から5頭目、ピンクっぽく見える勝負服がトーマスチッペンデール。


ハードウィックステークス(Hardwicke Stakes)
2013年6月22日、イギリス・アスコット競馬場、芝12ハロン
4歳以上、G1、8頭、 Good To Firm、レース結果、総賞金20万ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1トーマスチッペンデール
Thomas Chippendale
4牡
9倍
J.ムルタ2分30秒6510戦【4-2-0-4】
重賞2勝目
2ダンディーノ
Dandino
6牡
11倍
F.デットーリ124戦【7-8-1-8】
重賞2勝。加G1で2着
3ユニヴァーサル
Universal
4牡
11倍
J.ファニング2・1/217戦【6-2-2-7】
重賞2勝

英G1コロネーションS.、スカイランタンがG1競走3勝目

6月21日に行われた英G1コロネーションS.(芝1マイル、3歳牝馬)は、最後方を追走した1番人気スカイランタンが最後の直線で大外から楽な手応えで押し上げ残り1ハロンで先頭に立つと2着を4馬身突き離して優勝し、前走のG1英1000ギニー続きG1競走3勝目を挙げました。

英1000ギニーの2着馬でその次走G1愛1000ギニー(芝1マイル、3歳牝馬)を勝っている3番人気ジャストザジャッジを人気薄のケンホープ(G1仏1000ギニー15着)がゴール直前で交わして2着に入っています。愛1000ギニー4着でスカイランタンと同オッズ1番人気のビッグブレイクは7着。


スカイランタンは父レッドクラブズ、母シャワニ(1勝)、母の父シャリーフダンサーという血統。1歳時に7万5000ユーロで落札されていました。シャワニの子はスカイランタンを含め10頭が勝ちあがり、うち4頭がステークス勝ち、さらにそのうち3頭が重賞勝ちと素晴らしい繁殖成績です。

昨年9月の愛G1モイグレアスタッドS.(芝7ハロン、2歳牝馬)を2・1/2馬身差で勝って重賞初勝利。その次走の米G1 BCジュベナイルフィリーズ(芝1マイル、2歳牝馬)は後に仏1000ギニーを勝つフロティラの8着に敗れていました。

前走の今年2戦目だった英1000ギニーはジャストザジャッジを1/2馬身差下していました。今回は17頭立て16番枠に入ってからやや人気を落とし、2番枠のビッグブレイクと同オッズになったのですが(ブックメーカーによりますが)、外枠もまったく関係ない圧勝でした。

ところでスカイランタンはパドックで尻っ跳ねして、すぐ後ろにいた騎手ともう一人くらいがちょっと危ないシーンもありました。黄色の勝負服を着た騎手だったからケンホープのジャルネ騎手か12着マサラのドイル騎手かのどちらかだったのだろうと思いますが事故が無くてよかったです。

登録のある6月30日の愛G1プリティーポリーS.(芝10ハロン、3歳以上)はレース間隔から考えてまず出ないでしょうから、7月21日の英G1ファルマスS.(芝1マイル、3歳以上)で古馬と初対戦が見られるかもしれません。


2013年コロネーションS.のレース映像。ゲート向かって右から2頭目の芦毛がスカイランタン。一番右の赤の勝負服がジャストザジャッジ。


コロネーションステークス(Coronation Stakes)
2013年6月21日、イギリス・アスコット競馬場、芝1マイル
3歳牝馬、G1、17頭、Good to Firm、レース結果、総賞金35万ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1スカイランタン
Sky Lantern
3牝
5.5倍
R.ヒューズ1分39秒759戦【5-3-0-1】
重賞3勝はいずれもG1
2ケンホープ
Kenhope
3牝
34倍
T.ジャルネ410戦【3-3-1-3】
仏G3を1勝
3ジャストザジャッジ
Just The Judge
3牝
6倍
J.スペンサークビ6戦【4-1-1-0】
重賞2勝

2013年6月21日金曜日

英G3アルバニーS.、牝馬キヨシ(カイヨシ)が重賞初勝利

6月21日に行われた英G3アルバニーS.(芝直線6ハロン、2歳牝馬)は最後方を追走した3番人気のキヨシが、前走準重賞勝ち馬で1番人気のサンディヴァに3馬身差をつけて完勝し重賞初出走初勝利を挙げました。

フランケルの半妹で2番人気のジョイアーズがさらにクビ差の3着に入っています。


キヨシは父ドバウィ、母モッカ(独準重賞3着)、母の父スリペカンという血統の英国産馬。牝馬なのにキヨシ Kiyoshi という謎の命名で、実況はカイヨシと発音していますが同馬主カタールレーシングが所有する2歳牝馬にホク Hoku という馬もいるので、日本語のキヨシであるのは間違いないでしょう。

デビュー戦を3/4馬身差4着に敗れた後、5月23日の2戦目は1・1/2馬身差で勝っていました。

残り1ハロンで先頭に立ったときはスタンド側から1/4辺りを通っていたのに、ゴール時は反対側のラチ沿いまで吹っ飛びながら2着に3馬身差をつけて、お行儀は悪いですけど強いですね。

2013年アルバニーS.のレース映像。最後方追走がキヨシ。スタートからの映像はこちら(要登録)。


アルバニーステークス(Albany Stakes)
2013年6月21日、イギリス・アスコット競馬場、芝6ハロン
2歳牝馬、G3、19頭、レース結果、総賞金7万ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1キヨシ
Kiyoshi
2牝
9倍
J.スペンサー1分13秒823戦【2-0-0-1】
前走初勝利
2サンディヴァ
Sandiva
2牝
3.75倍
L.デットーリ3・1/43戦【2-1-0-0】
前走準重賞2馬身差勝ち
3ジョイアーズ
Joyeuse
2牝
7倍
T.クウィリークビ2戦【1-0-1-0】
デビュー戦3馬身差勝ち

英G1アスコットゴールドカップ、エリザベス女王のエスティメイトがG1初勝利

6月20日に行われた英G1アスコットゴールドカップ(芝20ハロン、4歳以上)は、5番手追走エリザベス女王の所有馬で1番人気のエスティメイトが残り1ハロンで先頭に立つと、大外から追い込んだシメノンをクビ差抑えて優勝し、重賞3勝目、G1初勝利を挙げました。またこのレース兄妹制覇です。

エリザベス女王の所有馬がアスコットゴールドカップを勝つのはこれが初めてのことだそうです(キャメロン首相のツイート)。というか在位中の英国王の所有馬が勝つのは1807年の創設以来初めて、という意味ですね。1821年の勝ち馬 Banker は9年後の1830年に即位するウィリアム4世の所有馬で、1897年の Persimmon は4年後の1901年即位エドワード7世の所有馬だったという例はあるようです。
Ascot Gold Cup - Wikipedia, the free encyclopedia


Asked what it meant to train a Gold Cup winner for the Queen, the trainer said: 'It's a great honour and a tremendous thrill. We know how much she loves this game.'
女王など王室の皆さん大興奮の様子の写真たくさん。


エスティメイトは父モンズーン、母エバジヤ(愛G3で2着)、母の父ダルシャーンという血統。アガカーンスタッドの生産馬です。エリザベス女王とアガカーン殿下との間で所有馬の交換が行われ、そのときの1頭がエスティメイトだったとのこと

エスティメイトの半姉エバディラ Ebadiyla は愛オークスと仏G1ロワイヤルオーク賞(3100m)の勝ち馬。また半兄エンゼリ Enzeli がアスコットゴールドカップ(20ハロン)の勝ち馬で長距離で素晴らしい成績の一族ですね。

昨年もロイヤルアスコットの英G3クイーンズヴァーズ(芝2マイル、3歳)を勝っています。また今年初戦だった前走の英G3サガロS.(芝2マイル)は1・3/4馬身差で勝っており、今回含め重賞3勝はいずれも牡馬相手かつ、アスコット競馬場での勝利です。

ちなみにクイーンズヴァーズ後にアスコット以外で出走した重賞2戦(14ハロンと14.5ハロン)は牝馬限定戦でどちらも3着に敗れていました。

2013年アスコットゴールドカップのレース映像。ゲート向かって左から4頭目、黒の帽子、赤の袖がエスティメイト。


アスコットゴールドカップ(Gold Cup)
2013年6月20日、イギリス・アスコット競馬場、芝20ハロン
4歳以上、G1、14頭、Good To Firm、レース結果、総賞金35万ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1エスティメイトEstimate4牝
4.5倍
R.ムーア4分20秒627戦【4-0-2-1】
重賞3勝目
2シメノン
Simenon
6セン
6倍
J.ムルタクビ30戦【6-3-5-16】
英G3で2着1回
3トップトリップ
Top Trip
4牡
8倍
M.バルザローナ112戦【3-3-1-5】
仏G2勝ち

2013年6月20日木曜日

父ディープインパクトの仏G1勝ち馬ビューティーパーラーが引退

昨年の仏3歳牝馬クラシック第1冠、仏G1プール・デッセ・デ・プーリッシュ(仏1000ギニー、芝1600m)を勝ったビューティーパーラー  Beauty Parlour が現役を引退すると発表されました。

French Guineas heroine Beauty Parlour retired | Racing Post
https://twitter.com/FrRacingNews/status/347454007826067456

2012年仏1000ギニーのレース映像。


ディープインパクト産駒であるビューティーパーラーはデビューから4連勝で仏1000ギニーを制覇。その次走の仏オークスで3/4馬身差2着に敗れた後、それまで管理していた仏E.ルルーシュ調教師の元から英H.セシル厩舎へと移籍しました。

しかし移籍後初出走だった昨年9月の英G1サンチャリオットS.(芝1マイル、3歳以上牝馬)は約9馬身差の7着に敗れ、その次走で現役最後のレースとなった今年5月26日の仏G1イスパーン賞(芝1850m、4歳以上)も約4馬身差の6着に敗れていました。

6月11日に死亡したセシル師の妻で管理馬を引き継いでいるJ.セシル師(名義は Lady Cecil)は、「ビューティーパーラーは間違いなく一流の牝馬であり、ニューマーケットでの調教でも素晴らしい動きを見せていました。転厩後の2戦で良い結果を出せず残念です。繁殖牝馬としても成功することを祈っています」と自厩舎のウェブサイトでコメントを発表しています。


初年度種付け相手は不明、というか、もう6月の後半だから初仔は早くても再来年でしょうかね。ちなみにちょっと調べてみましたが、イスパーン賞はヘンリー・セシル師が生前最後に自身の管理馬を出走させたG1レースだったようです(間違っていたらごめんなさい)。

英G1プリンスオブウェールズS.、アルカジームがG1競走2連勝

6月19日に行われたプリンスオブウェールズS.(芝10ハロン、4歳以上)は、4番手追走した2番人気のアルカジームが逃げ粘るムカドラムをゴール直前で半馬身交わして、前走の愛G1タターソールズゴールドカップ(芝10.5ハロン、4歳以上)に続き重賞4連勝、G1競走2連勝(2勝目)を挙げました。

昨年の英G1ナッソーS.(9ハロン192ヤード、3歳以上牝馬)勝ち馬で紅一点のザフューグが今年初出走で3着。タターソールズゴールドカップでアルカジームの2着だった昨年の英2冠馬キャメロットが1番人気でしたが4着で連敗。5月の仏G1イスパーン賞(芝1850m、4歳以上)勝ち馬マキシオスは6着。レッドカドーは9着でした。


アルカジームは父ドバウィ、母カジーム(未勝利)、母の父ダルシャーンという血統のイギリス産馬。

昨年5月の英G2ジョッキークラブS.(芝12ハロン)を4馬身差で勝って重賞初勝利を挙げたものの、故障のため2012年はその1戦だけ。前々走4月の復帰戦、英G3ゴードンリチャードS.を勝ち、前述どおり愛G1タターソールズゴールドカップでG1初勝利を挙げていました。

ムカドラムとは僅差でしたが、3着は3馬身以上離していますし、ほんとに強くなりました。タターソールズGCの直後は次走について7月6日の英G1エクリプスS.(芝10ハロン)と表明されていましたから、次走はそれになるかもしれません。

追記:
チャールトン調教師は「ほとんどの人と同じように凱旋門賞に出走させたいと思っている。それを目標にするなら次走はキングジョージになるかもしれない」とレース後に述べています
追記ここまで

ちなみにムカドラムは前走英G3ブリガディアジェラードS.(芝10ハロン)で昨年の英ダービー2着馬を1/2馬身下して重賞初勝利を挙げていました。といっても昨年のロイヤルアスコットの英G2ターセナリーS.(芝10ハロン)は5馬身差4着に敗れているので、このメンバーでここまで粘るとは驚き。キャメロットのペースメーカーが内枠で出遅れて後方のままだったのは助かったでしょうけどね。

キャメロットはアルカジームの直後にいたのに突き放され、すぐ後ろを追走していたザフューグにも交わされてまだ本調子に無いのでしょうか。

2013年プリンスオブウェールズS.のレース映像。9番枠、白と青の勝負服がアルカジーム。


プリンスオブウェールズステークス(Prince of Wales´s Stakes)
2013年6月19日、イギリス・アスコット競馬場、芝10ハロン
4歳以上、G1、11頭、Good to Firm、レース結果、総賞金50万ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アルカジーム
Al Kazeem
5牡
3.75倍
J.ドイル2分03秒1311戦【6-4-0-1】
重賞3連勝
2ムカドラム
Mukhadram
4牡
15倍
P.ハナガンクビ7戦【3-2-0-2】
前走重賞初勝利
3ザヒューグ
The Fugue
4牝
7.5倍
W.ビュイック3・1/49戦【3-2-3-1】
英オークス3着
4キャメロット
Camelot
4牡
3.5倍
J.オブライエン1/210戦【6-2-0-2】
G1競走3勝

2013年6月19日水曜日

英G2コヴェントリーS.、ウォーコマンドが6馬身差圧勝

6月18日に行われた英G2コヴェントリーS.(芝直線6ハロン、2歳牡セン)は最後方追走した9番人気ウォーコマンドが残り500m辺りから進出して残り1ハロンで先頭に立つと、2着を6馬身突き放して優勝し、重賞初勝利を挙げました。

1番人気は同じオブライエン厩舎で前走準重賞を勝っているスタブズ(母は愛オークス勝ち馬)でしたが約9馬身差の6着に終わっています。

今年のロイヤルアスコットでは全30レース中23レースで賞金が増額されましたが、特にコヴェントリーS.は8万5000英ポンドから12万英ポンドに増額され、増額幅41%はその23レースで最大であり、将来のG1昇格を目指しているそうです。


ウォーコマンドは父ウォーフロント、母ワンダリングスター(加G2勝ち)、母の父レッドランサムという血統のアメリカ産馬。前走6月7日の未勝利馬戦(愛、芝7ハロン)でデビューし、クビ差で勝っていました。

グラスワンダーの血統表(netkeiba)をウォーコマンドと比べると、3代内にダンジグ、ロベルト、ヒズマジェスティ、グリヴィテッセ(Gris Vitesse)が共通してとても似た配合です。

ちなみにこの3レース前にもウォーフロント産駒のデクラレーションオブウォーが英G1クイーンアンS.(芝直線1マイル、4歳以上)を勝っています。

次走は不明。昨年の勝ち馬ドーンアプローチはその次走に9月の愛G1ナショナルS.(芝7ハロン)に出走して勝ちました。

2013年コヴェントリーS.のレース映像。映像開始時に一番右にいる、緑の勝負服がウォーコマンド。


コヴェントリーステークス(Coventry Stakes)
2013年6月18日、イギリス・アスコット競馬場、芝直線6ハロン
2歳牡セン、G2、15頭、Good、レース結果、総賞金12万英ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ウォーコマンド
War Command
2牡
21倍
S.ヘファナン1分12秒862戦【2-0-0-0】
重賞初勝利
2パーボールド
Parbold
2牡
17倍
T.ハミルトン62戦【1-1-0-0】
デビュー戦3/4馬身差勝利
3サージョンホーキンズ
Sir John Hawkins
2牡
7倍
R.ムーア3/42戦【1-0-1-0】
デビュー戦3/4馬身差勝利

英G1セントジェームズパレスS.、ドーンアプローチがG1競走4勝

ドーンアプローチがトロナドを短頭差押さえてセントジェームズパレスS.優勝
ドーンアプローチがトロナドを短頭差押さえてセントジェームズパレスS.優勝

6月18日に行われた英G1セントジェームズパレスS.(芝1マイル、3歳牡馬)は、5番手追走した1番人気ドーンアプローチと最後方追走したトロナドとが残り300mで馬体を並べて抜け出すと、内のドーンアプローチが短アタマ差先着してG1競走4勝目を挙げました。

英2000ギニーでドーンアプローチから5馬身差の2着だったグローリーアウェイツは5着。愛2000ギニー勝ち馬で2番人気のマジシャンはもう途中から追うのを止めていましたが最下位9着に敗れています。そもそも挫傷が見られたため出走を決めたのが日曜日という臨戦過程で順調で無かったです。

なお、残り2ハロンでグローリーアウェイツが外に寄れ、外へよけたマジシャンにぶつかられたドーンアプローチがトロナドの前をカットするシーンもあり15分ほど審議になりましたが、到達順どおり確定しました。


ドーンアプローチは英ダービー馬ニューアプローチの初年度産駒で、母ヒムンオブザドーン、母の父フォーントリックという血統。 昨年のロイヤルアスコットの英G2コヴェントリーS.で重賞初勝利しゴドルフィンが購入すると、それ以来約3ヶ月ぶりの出走だった9月の愛G1ナショナルS.(芝7ハロン)、続いて10月の英G1デューハーストS.(芝7ハロン)も制して2歳は無敗の6戦6勝で終えました。

3歳初戦は英クラシック1冠のG1英2000ギニー(芝1マイル)を5馬身差で圧勝。しかし距離不安のあった英ダービーはスタートから掛かりっぱなしで、最下位12着に敗れていました。

今回は2000ギニーで8馬身差をつけたトロナドに短アタマ差まで迫られ、9馬身差6着のマーズが3馬身差3着だからちょっと苦戦しましたかね。ただトロナドはデビューから4連勝で2走前の英G2クレイヴンS.を4馬身差で勝っており、2000ギニー当時はのど鳴りなったそうだからトロナドが本来の力を示したのだとも考えられます。

ドーンアプローチは中16日(中1週と少し)、トロナドは2000ギニー以来のフレッシュな状態でもありましたからね。ダービーであんな負け方をしてしまった直後で何よりも勝つことが大事な1戦を勝ったのだから良しとしましょうか。


2013年セントジェームズパレスS.のレース映像。5番枠ドーンアプローチ。9番枠トロナド。


セントジェームズパレスステークス(St James´s Palace Stakes)
2013年6月18日、イギリス・アスコット競馬場、芝1マイル
3歳牡馬、G1、9頭、Good、レース結果、総賞金35万英ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ドーンアプローチ
Dawn Approach
3牡
2.25倍
K.マニング1分39秒239戦【8-0-0-1】
G1競走4勝
2トロナド
Toronado
3牡
6倍
R.ヒューズ短アタマ6戦【4-1-0-1】
重賞2勝
3マーズ
Mars
3牡
11倍
R.ムーア2・3/44戦【1-0-1-2】
2000ギニーダービーとも6着

2013年6月18日火曜日

英G1キングズスタンドS.、ソールパワーが3年ぶりのG1勝利

6月18日に行われた英G1キングズスタンドS.(芝5ハロン、3歳以上)は、ファーサイドを追走した南アとドバイでG1を計3勝しているシェイシェイが残り1ハロンで抜け出しましたが、後方追走していた昨年3着のソールパワーがスタンド側を猛追するとゴール直前で差し切って、重賞4勝目、3年ぶりのG1勝利(2勝目)を挙げました。

昨年8月の英G1ナンソープS.(芝5ハロン)3番人気9着以来ほぼ1年ぶりの出走だったパールシークレットが3着に入っています。


ソールパワーは父キラチー、母ディマージャー(未出走)、母の父ディスタントヴューという血統のイギリス産馬。

2010年に英G1ナンソープS.(芝5ハロン)で重賞初勝利。その後は2011年の仏G1アベイユドロンシャン賞(芝1000m)頭差3着、昨年のドバイG1アルクォーツスプリント(芝1000m)1・1/4馬身差の2着、昨年のこのレース1・3/4馬身差3着など好走し、3走前のドバイG1アルクォーツスプリントは勝ったシェイシェイから2・1/4馬身差の4着に入っていました。これで3年ぶりのG1勝利です。


2013年キングズスタンドS.のレース映像。ゲート向かって右から5頭目、ほぼ最後方に下げる白っぽい勝負服がソールパワー。左から5頭目、シャドーロール装着がシェイシェイ。


キングズスタンドステークス(King´s Stand Stakes)
2013年6月18日、イギリス・アスコット競馬場、芝5ハロン
3歳以上、G1、19頭、Good、レース結果、総賞金 35万ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ソールパワー
Sole Power
6セン
9倍
J.ムルタ58秒8833戦【7-6-5-15】
一昨年8着
2シェイシェイ
Shea Shea
6セン
3.75倍
C.スミヨン20戦【10-3-3-4】
南アG1を2勝。ドバイG1勝ち
3パールシークレット
Pearl Secret
4牡
11倍
J.スペンサー1・1/46戦【4-0-1-1】
準重賞1勝

英G1クイーンアンS.、デクラレーションオブウォーがG1初勝利

6月18日に行われた英G1クイーンアンS.(芝1マイル、4歳以上)は、2番人気のデクラレーションオブウォーが残り1ハロンで先行したイルーシヴケイトとリブラノの間をこじ開けると、デクラレーションオブウォーのすぐ後ろを追走しファーサイド(スタンドから遠い側)を伸びたアルジャマヒアを1/2馬身抑えて優勝し、G1初勝利を挙げました。

昨年のロイヤルアスコットの英G1セントジェームズパレスS.(芝1マイル、3歳)3着馬で仏G1ジャンプラ賞(芝1600m、3歳)2着もあるグレゴリアンがさらに1/2馬身差の3着。

ケンタッキーダービー勝ち馬ドバイワールドカップ1着以来の出走だった1番人気のアニマルキングダムはかかりながら追走したものの残り2ハロンで早くも着いていけなくなり、約10馬身差の11着と大敗しています。


デクラレーションオブウォーは父ウォーフロント、母テンポウェスト(米3勝)、母の父ラーイという血統のアメリカ産馬。

昨年10月の愛G3ダイヤモンドS.(AW10.5ハロン)で重賞初勝利。今年初戦だった準重賞ヘリテージS.を勝って挑んだ前走の英G1ロッキンジS.(芝1マイル)は1番人気に支持されたものの、勝ったファーから11馬身差、3着だったアルジャマヒアから7馬身差の5着に敗れていました。

正直そんなに強い馬ではないと思っていたのですが、4馬身差完勝していたファーが脚部不安で回避してメンバーも軽くなったし、アニマルキングダムもこれは馬場が原因でしょうけど凡走して、イルシーヴケイトも半年以上の休み明けでというこのメンバーなら勝ってもおかしくないですね。まだ次走を見ないと強いとは認めたくない感じです。

2013年クイーンアンS.のレース映像。6番枠濃紺の勝負服がデクラレーションオブウォーです。


クイーンアンステークス(Queen Anne Stakes)
2013年6月18日、イギリス・アスコット競馬場、芝1マイル
4歳以上、G1、13頭、Good、レース結果、総賞金35万英ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1デクラレーションオブウォー
Declaration Of War
4牡
8.5倍
J.オブライエン1分38秒488戦【6-0-0-2】
重賞2勝目
2アルジャマヒア
Aljamaaheer
4牡
9倍
P.ハナガン3/49戦【2-2-4-1】
これ以前の重賞4戦とも3着
3グレゴリアン
Gregorian
4牡
17倍
T.クウィリー1/214戦【4-3-2-5】
前走英G3で重賞初勝利

2013年6月17日月曜日

2013年ロイヤルアスコット開催の日程表(日本時間)

6月18日から22日まで行われるロイヤルアスコットミーティングの日程表です。

(公式)Race Times | Ascot

1日目のG1クイーンアンS.にケンタッキーダービーおよびドバイワールドカップ勝ち馬アニマルキングダム。ロッキンジS.完勝のファーは脚部不安で回避。

G1セントジェームズパレスS.は英2000ギニー勝ち馬ドーンアプローチ愛2000ギニー勝ち馬マジシャンの対決でほぼ欧州3歳マイル最強馬決定戦。ここに出走する可能性もあった仏2000ギニー勝ち馬スタイルヴェンドームが30日の仏G1ジャンプラ賞に回るのが残念。


2日目のG1プリンスオブウェールズS.に昨年の英2冠愛ダービーのキャメロットと、そのキャメロットを前走負かしたアルカジーム。母父SSで仏重賞2勝、昨年の仏ダービー2着のセントボードリーノも出走予定。またここで復帰する可能性があったスノーフェアリーは出走見送り。シリュスデゼーグルも仏G1サンクルー大賞へ。

ちなみに準重賞ロイヤルハントカップに児玉敬師が管理するイルーシヴタイムが松岡正海騎手で出走予定。


3日目のG1アスコットゴールドカップに出走予定のエリザベス女王所有馬エスティメイト(アスコットで重賞2勝)は現在前売り1番人気。


4日目G1コロネーションS.は英1000ギニー勝ち馬スカイランタンと、同1/2馬身差2着でその次走の愛1000ギニーを勝ったジャストザジャッジの再戦。

G1コロネーションカップ3連覇したセントニコラスアビーについてはそのレース後に「G2ハードウィックS.を使うかも」というコメントが陣営からありましたが、やはりロイヤルアスコットは見送って過去3年と同じようにキングジョージに直行するとのこと。


賞金額太字は今年から増額されたレース
(H.)はハンデ戦
2日目ウィンザーフォレストS.は今年からデュークオブケンブリッジS.に改名
6月18日(日本時間)レース名リンクは今年の結果と映像
22時30分 G1クイーンアンS. 4歳以上
35万ポンド
1マイル
23時05分 G1キングズスタンドS. 3歳以上
35万ポンド
5ハロン
23時45分 G1セントジェームズパレスS. 3歳牡馬
35万ポンド
1マイル
(オールドマイル)
24時25分 G2コヴェントリーS. 2歳
12万ポンド
6ハロン
25時00分 アスコットステークス 4歳以上(H.)
6万ポンド
20ハロン
25時35分 準重賞ウィンザーキャッスルS. 2歳
6万ポンド
5ハロン
6月19日
22時30分 G3ジャージーS. 3歳
7万5000ポンド
7ハロン
23時05分 G2ウィンザーフォレストS. 4歳以上牝馬
12万5000ポンド
1マイル
23時45分 G1プリンスオブウェールズS. 4歳以上
50万ポンド
10ハロン
24時25分 ロイヤルハントカップ 3歳以上(H.)
15万ポンド
1マイル
25時00分 G2クイーンメアリーS. 2歳牝馬
10万ポンド
5ハロン
25時35分 準重賞サンドリンガムS. 3歳牝馬(H.)
6万ポンド
1マイル
6月20日
22時30分 G2ノーフォークS. 2歳
8万ポンド
5ハロン
23時05分 G2リブルスデイルS. 3歳牝馬
15万ポンド
12ハロン
23時45分 G1アスコットゴールドカップ 4歳以上
35万ポンド
20ハロン
24時25分 ブリタニアS. 3歳牡セン(H.)
12万ポンド
1マイル
25時00分 G3ターセンテナリーS. 3歳
7万5000ポンド
10ハロン
25時35分 キングジョージ5世S. 3歳(H.)
7万5000ポンド
12ハロン
6月21日
22時30分 G3アルバニーS. 2歳牝馬
7万ポンド
6ハロン
23時05分 G2キングエドワード7世S. 3歳牡セン
17万5000ポンド
12ハロン
23時45分 G1コロネーションS. 3歳牝馬
35万ポンド
1マイル
(オールドマイル)
24時25分 準重賞ウォルフェートンレイテッドS. 4歳以上
6万ポンド
10ハロン
25時00分 G3クイーンズヴァーズ 3歳
7万5000ポンド
2マイル
25時35分 バッキンガムパレスS. 3歳以上(H.)
7万5000ポンド
7ハロン
6月22日
22時30分 準重賞チェシャムS. 2歳
6万ポンド
7ハロン
23時05分 G2ハードウィックS. 4歳以上
20万ポンド
12ハロン
23時45分 G1ダイヤモンドジュビリーS. 3歳以上
50万ポンド
6ハロン
24時25分 ウォーキンガムS. 3歳以上(H.)
15万ポンド
6ハロン
25時00分 デュークオブエディンバラS. 3歳以上(H.)
7万5000ポンド
12ハロン
25時35分 クイーンアレクサンドラS. 4歳以上
6万ポンド
22ハロン

仏G1ディアヌ賞(仏オークス)、トレヴがレースレコードで完勝

6月16日に行われた仏G1ディアヌ賞(仏オークス、芝2100m、3歳牝馬)は、後方最内につけた5番人気トレヴが残り400mで内から目の覚めるような脚で抜け出すと2着に4馬身差をつけて重賞初勝利をG1で挙げました。この勝利で無敗の3戦3勝、また勝ちタイム2分03秒77は従来のレコードを2.13秒上回る好時計です。

前走逃げ切る直前で外の生垣に突っ込んで落馬した(映像)、ここまで2戦未勝利の7番人気チキータが外から差して2着に入り、重賞初出走の2頭のワンツーでした。

前走の仏G1サンタラリ賞(芝2000m、3歳牝馬)などG1を2勝しているシラソルがさらに短クビ差の3着。G1仏1000ギニー(芝1600m、3歳牝馬)勝ち馬フロティラが1番人気8着でした。シラソルは湿った馬場のほうが良く、フロティラはもう少し短い距離のほうが良いのかも。


トレヴは父モティヴェーター、母トレヴィーズ、母の父アナバーという血統のフランス産馬。2代母がトリプティクの3/4同血という良血。半兄が仏G2で3着1回。

ちなみに2着チキータの血統表はこちらで、トレヴとは4代内にモンジュー、ゴーンウェスト、ダンジグと共通点が多いです。

昨年9月の未出走馬戦を1・1/2馬身差で勝ち、今年5月にデビュー2戦目の条件戦(どちらも牝馬限定芝1600m)を3・1/2馬身差で快勝していました。

C.ヘッド=マーレック調教師によるといろいろと状態が順調でなかったために凱旋門賞の1次登録をしなかったとのこと。そのため今後は9月の仏G1ヴェルメイユ賞(芝2400m、3歳以上牝馬)を使ってから、父であり、トレヴの生産者兼馬主 Haras Du Quesnay を所有するA.ヘッド氏と相談して凱旋門賞に追加登録を行うかどうか決めるとのこと。


なお、この2レース前に行われたロンジン・フューチャー・レーシング・スター賞(若手騎手招待レース、芝1800m)に参戦した平野優騎手は14頭立て8着でした。
フランス若手騎手招待レースにおける平野 優騎手の成績連続写真映像(有料)

2013年仏オークスのレース映像。左から2頭目の発走、赤の帽子、赤の勝負服がトレヴ。


ディアヌ賞 - 仏オークス(Prix de Diane Longines)
2013年5月16日、フランス・シャンティイ競馬場、芝2100m
3歳牝馬、G1、11頭、レース結果、総賞金100万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1トレヴ
Treve
3牝
9.3倍
T.ジャルネ2分03秒773戦【3-0-0-0】
重賞初出走
2チキータ
Chicquita
3牝
17倍
A.アムリン43戦【0-1-1-1】
重賞初出走
3シラソル
Silasol
3牝
4.5倍
O.ペリエ短クビ6戦【3-1-1-1】
仏G1を2勝

仏ダービー、アンテロが重賞初勝利。次走はマイルのジャックルマロワ賞か

6月2日に行われた仏G1ジョッケクルブ賞(仏ダービー、芝2100m、3歳牡牝)は、3番手追走のアンテロが残り300mで先頭に立つとそのまま押し切って、重賞初勝利をG1で挙げました。

2馬身差の2着に2番人気モランディ(仏2歳G1クリテリウムドサンクルー(芝2000m)7馬身差圧勝)が入り、G1仏2000ギニー(芝1600m)の3着馬と6着馬のワンツー決着でした。一方、同2着のダスタホンは6万ユーロの追加登録料を支払って出走したものの最下位19着(7番人気)に終わっています。

また、2走前に仏G2ノアイユ賞で3/4馬身差4着があるグレートジャーニー産駒のマックスダイナマイトは最後方追走し、最後の直線では大外を追い込んで1着から7馬身差の8着でした。6ヶ月の騎乗停止から復帰後ダービー初騎乗のデットーリ騎手は15着。


アンテロは父ガリレオ、母アンプレショナント(仏マイルG1で2着2回、うち1回は3位入線繰り上がり)、母の父デインヒルという血統のドイツ産馬。

1歳下の半弟に英生まれのモンズン産駒がいますから、母がモンズンの種付けのためにドイツに送られ、そこでアンテロが生まれたということですね。

前走の仏2000ギニーはペリエ騎手がゴルディコヴァの全弟アノディンを選んだため、M.ギュイヨン騎手が初騎乗しましたが、外枠発走もあって後方からの競馬になってしまい、また最後の直線もあまりスムーズではなく、ゴール前でよく追い込んだものの1/4馬身差の3着に終わり、デビュー4戦目で初めて敗れていました。

ダービーはペリエ騎手に戻って、同騎手とのコンビではこれで4戦4勝。ただギュイヨン騎手の前走も運が無かっただけで別に騎乗ミスでもないですし、この仏ダービーで重賞初出走のスカイハンターを3着に持ってきています。


次走についてファーブル調教師は、8月のG1ジャックルマロワ賞(芝1マイル)の可能性が高いと述べています。ただし12ハロンも問題ないと考えており、凱旋門賞出走もありえるとのこと。

ちなみにこれがペリエ騎手にとって仏ダービー2勝目、アンドレ・ファーブル調教師は3勝目ですが、両者のダービー初勝利は同年の凱旋門賞も勝つパントレセレブルであるというのは凱旋門賞に出走するなら縁起が良いですね。当時のダービーは2400mでしたが。

3番手先行の白の帽子がアンテロ。ゲート向かって右から3番目、白の帽子、緑の勝負服がマックスダイナマイト。


参考:仏2000ギニーのレース映像。ゲート右から2頭目がアンテロ。


ジョッケクルブ賞(Prix du Jockey Club)
2013年6月2日、フランス・シャンティ競馬場、芝2100m
3歳牡牝、G1、19頭、Good to Soft、レース結果、総賞金150万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アンテロ
Intello
3牡
2.8倍
O.ペリエ2分07秒895戦【4-0-1-0】
重賞初勝利
2モランディ
Morandi
3牡
7.5倍
C.スミヨン29戦【4-4-0-1】
仏G1クリテリウムドサンクルー1着
3スカイハンター
Sky Hunter
3牡
8.0倍
M.ギュイヨン短クビ4戦【3-0-1-0】
重賞初出走

2013年6月12日水曜日

スウェーデン2000ギニー、エイシンダンカーク産駒クワイトアミッションが優勝

6月11日に行われたユビロイムスレープニンク(スウェーデン2000ギニー、芝1600、スカンジナヴィア産3歳)は、中団前目に付けた単勝1.4倍の圧倒的1番人気クワイトアミッションが最後の直線入り口で先頭に立つと、ゴール直前で差を詰めたノルウェー調教馬キャプテンアメリカをアタマ差抑えて優勝しました。

エイシンダンカーク産駒としては2010年のジェリーロール以来となるスウェーデン2000ギニー2勝目です。またもう2頭いたエイシンダンカーク産馬ヴァージルとシーキングダンカークがそれぞれ4着、8着でした。


クワイトアミッションは父エイシンダンカーク、母シアターアンティーク(未勝利)、母の父シアトリカルという血統のスウェーデン産馬。半姉にノルウェーのG3競走やノルウェーダービーを勝ったシアトリカルアワードがいます。

昨年はデビュー戦3着からブリーダーズトロフィージュベナイル(ダート1350m、2歳)などローカル重賞3勝含む5戦4勝という好成績を収め、今年初戦だった前走のデンマークダービートライアル(芝2200m)は他馬より3kg重い斤量で頭差2位入線し繰り上がり優勝していました(ちなみに1位入線馬はデンマークダービーに登録がなくトライアル出走資格を満たしていなかったとして失格。ただし陣営が抗議して13日に仲裁機関で審理が行われる模様)。

そのデンマークダービートライアル1着馬には6月30日の準重賞ダンスクダービー(デンマークダービー)の優先出走権が与えられます。また準重賞スウェーデンダービーは8月11日です。どちらもスカンジナヴィア外での生産馬も出走できますから勝つのはなかなか難しいでしょうけど。


2000ギニーの2レース後に行われた1000ギニー相当のディアナレープニング(芝1600m、3歳牝馬)に出走予定だったエイシンダンカーク産駒で1000ギニートライアル勝ち馬の DEA KALEJS は取り消し。そのトライアル3着馬でアイルランド産馬のツイステッドリトルスター  Twistedlittlestar が優勝しました。


さらに2レース後に行われたG3ストックホルム・ストラ賞(芝1950m)に出走した、エイシンダンカーク産駒でかつ昨年スウェーデンで最も賞金を稼いだ(らしい)ジミーマックは最下位に敗れています。

「最も賞金を稼いだ」といっても登録種牡馬の産駒でさらに当歳時に登録した馬のみ出走できる限定競走(ブリーダーズトロフィーシリーズ)で稼いだものであって、今回はメンバー的に入着出来れば上々ぐらいに思っていましたが、直線入り口でもう勝負にならず鞍上は追うのを止めゴールまで流してレースを終えました。


2013年デンマークダービートライアルのレース映像。2000ギニーは下に貼り付け(またはこのURL)。ピンクの勝負服がクワイトアミッション。2000ギニーは向かって左から2頭目の発走です。



ユビロイムスレープニンク(JOCKEYKLUBBENS JUBILEUMSLÖPNING)
2013年6月11日、スウェーデン・タビー競馬場、芝1600m
スカンジナヴィア産3歳59kg、14頭、レース結果、総賞金60万スウェーデンクローナ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1クワイトアミッション
Quite A Mission
3牡
1.44倍
P.A.Graberg1分41秒87戦【6-0-1-0】
スウェーデン2歳重賞3勝
2キャプテンアメリカ
Captain America
3セン
10.5倍
J.Johansenアタマ7戦【2-2-0-3】
今年2戦は2戦2勝
3デザートドーン
Desert Dawn
3セン
10.6倍
E.Ski16戦【1-2-2-1】
2走前クワイトアミッション2着

2013年6月2日日曜日

英G1コロネーションカップ、セントニコラスアビーが3連覇で欧州調教馬獲得賞金歴代2位?に

6月1日に行われた英G1コロネーションカップ(芝12ハロン10ヤード、4歳以上)は、5頭立ての後方2番手を追走した1番人気セントニコラスアビーが、最後の直線残り500mで楽に先頭に立つと、最後方から追い込んだ2番人気ドゥナデンに3・3/4馬身差をつけて快勝し、史上初のコロネーションカップ3連覇を達成しました。3勝自体が史上初。ちなみにオブライエン調教師はこの9年で7勝目。

セントニコラスアビーの通算獲得賞金が約495万英ポンド(約7億6000万円)となり欧州調教馬として史上最高となったといくつかのメディアが伝えていますが、2010年のドバイワールドカップ勝ち馬グロリアデカンペオンが仏P.バリー調教師の元で稼いだ賞金のほうが多いのではないかと思うのですがどうなんでしょう。とりあえず記事タイトルは「2位?に」としましたが、歴代1位で正しいかもしれません。


セントニコラスアビーは父モンジュー、母リーピングウォーター(未出走。半弟がG1馬)、母の父シュアブレードという血統

コロネーションカップのほか、09年の英G1レーシングポストトロフィー(芝1マイル、2歳)、2011年の米G1 BCターフ、前走のG1ドバイシーマクラシックを勝ち、これでG1競走6勝目。

昨年の英G1コロネーションカップでは、今年のドバイワールドカップで2馬身差2着、天皇賞・春3着したレッドカドーに4・1/4馬身差をつけて完勝していました。

これで21戦して、4着以下に負けたのは3回だけ。英2000ギニー6着(2010年唯一の出走)、2011年の凱旋門賞6馬身差5着、昨年の凱旋門賞15馬身差11着と凱旋門賞はいまいちです。といっても2011年の凱旋門賞は2着シャレータから1馬身差、3着スノーフェアリーと4着ソーユーシンクとは約1/2馬身差ですけどね。


オーナーのデリック・スミス氏が「7月27日の英G1”キングジョージ”が目標で、その前に6月22日のロイヤルアスコット英G2ハードウィックS.(芝12ハロン、4歳以上)を使うかもしれない」と述べています

直行のほうが良いのでは?と思いましたが、過去2年ともコロネーションカップの次走に”キングジョージ”を走って、一昨年はナサニエルから4馬身差の3着、昨年はデインドリームから1・1/2馬身差の3着という結果だから、今年は一叩きして向かいたいと考えているのかもしれません。

昨年ほど強力ではないと思われがちな今年の古馬陣も、シリュスデゼーグルが完調かはともかく”キングジョージ”になんとか間に合いそうで、スノーフェアリーも早ければロイヤルアスコットの英G1プリンスオブウェールズS.で復帰予定ですから、セントニコラスアビー陣営にとって万全を期すのも無駄ではないでしょう(スノーフェアリー陣営が”キングジョージ”を狙うかは不明)。

2013年コロネーションカップのレース映像(YouTube)。紫の勝負服がセントニコラスアビー。

コロネーションカップ(Investec Coronation Cup)
2013年6月1日、イギリス・エプソム競馬場、芝12ハロン10ヤード
4歳以上、G1、5頭、Good、レース結果、総賞金35万ポンド

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1セントニコラスアビー
St Nicholas Abbey
6牡
1.3倍
J.オブライエン2分37秒7621戦【9-2-7-2】
BCターフなどG1競走6勝
2ドゥナデンDunaden7牡
5倍
J.スペンサー3・3/439戦【10-10-7-12】
豪香港でG1競走3勝
3ジョシュアツリー
Joshua Tree
6牡
11倍
R.ムーア727戦【6-6-4-11】
加G1カナディアン国際S.1着
昨年の香港ヴァーズ9着

G1英ダービー、ルーラーオブザワールドが3戦無敗でG1初勝利

6月1日に行われたG1英ダービー(芝12ハロン10ヤード、3歳牡牝)は、中団追走の3番人気ルーラーオブザワールドが残り300mで先頭に立って優勝し、デビューから無敗の3連勝でG1初勝利(重賞2連勝)を挙げました。

ライアン・ムーア騎手は2010年のワークフォース以来となる英ダービー2勝目。エイダンオブライエン調教師は2連覇(4勝目)。馬主のスーザン・マグナー (ジョン・マグナー夫人)、デリック・スミス、マイケル・テイバーの3氏は2011年プールモワ、2012年キャメロットに続き3連覇です。


7戦7勝で英2000ギニーを制していた1番人気ドーンアプローチはスタートから掛かり通しで残り1100m辺りで抑えきれずに先頭に立ちましたが、残り2ハロンで数頭に交わされるとマニング騎手も追うのを止め最下位12着に敗れています。ボルジャー調教師はレース後に今後12ハロンを使うことはないでしょうと述べました。

5月16日の英G3ダンテS.(芝10.5ハロン)勝ち馬で7番人気のリバタリアンが1・1/2馬身差の2着。そのリバタリアンが10馬身差4着に敗れた4月の英G3クラシックトライアル(芝10ハロン)で1馬身差3着だった9番人気ガリレオロックがさらに短頭差の3着。

そのクラシックトライアル勝ち馬を4月の愛G3バリーサックスS.(芝10ハロン)で負かすなど重賞3連勝中だったバトルオブマレンゴが2番人気4着。ドイツ調教馬として初参戦のショパンは7着。



ルーラーオブザワールドは父ガリレオ、母ラブミートゥルー(愛G3で3着)、母の父キングマンボという血統のアイルランド産馬。半兄に仏愛英でG1を5連勝したデュークオブマーマレード、近親にエーピーインディなど活躍馬多数。

2年連続で父父サドラーズウェルズ、母の父キングマンボという配合によるダービー勝利であり、2010年のワークフォースも父父キングマンボ、母の父サドラーズウェルズでした。

また、この5年の勝ち馬のうち、シーザスターズの母の母、ワークフォースの父の母、ルーラーオブザワールドの父の母の母として登場する Allegretta も偉大です。


今年4月7日のデビュー戦(愛10ハロン戦)を3/4馬身差で勝利すると、前走2戦目、5月9日の英G3チェスターヴァーズ(芝12ハロン66ヤード、約2474m)を6馬身差で完勝していました。

勝ちタイム2分39秒06は2001年以降だと2002年についで2番目に遅いのですが、前日の英オークスも2番目、2レース前のコロネーションカップも3番目に遅い時計で決着しておりそういう馬場だったということでしょう(コロネーションカップは一昨年までダービー前日、昨年2012年から当日に施行)。

次走は愛ダービーが有力です。またダービー後に凱旋門賞の前売り2番人気となりました。ウィリアムヒルのオッズで6.5倍。1番人気はオルフェーヴルで6倍。ジェンティルドンナが3番人気11倍。以下セントニコラスアビー、アルカジーム、キャメロットが13倍で続きます。


2013年英ダービーのレース映像。最後にゲート入りする、奥から3頭目、濃紺の帽子・勝負服がルーラーオブザワールド。


英ダービー(Investec Derby)
2013年6月1日、イギリス・エプソム競馬場、芝12ハロン10ヤード
3歳牡牝、G1、12頭、Good To Soft 、レース結果
総賞金138万ポンド(約2億1000万円)、1着賞金78万ポンド(約1億2000万円)

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ルーラーオブザワールド
Ruler Of The World
3牡
8倍
R.ムーア2分39秒063戦【3-0-0-0】
重賞2連勝
2リバタリアン
Libertarian
3牡
15倍
W.ビュイック1・1/24戦【2-1-0-1】
前走重賞初勝利
3ガリレオロック
Galileo Rock
3牡
26倍
W.ローダン短アタマ4戦【1-0-2-1】
半兄にサドラーズロック

2013年6月1日土曜日

2013英ダービーのネット中継

日本時間6月2日午前0時00分(1日24時00分)ごろ発走の英ダービーのネット中継サイトです。

出馬表
英ダービー 2013 出走馬展望 【おうまのアイコン wire-to-wire】
英ダービー(G1)の出馬表が確定
(英語)Investec Derby - Racing Post
出走12頭中8頭が2代内にガリレオを持つという寡占状態ですね。


ネット中継
http://www.vipboxsports.me/horse-racing/157790/1/racing-uk-:-races-from-epsom-and-musselburgh-live-stream-online.html

http://www.firstrow1.eu/watch/189376/1/watch-racing-uk.html
(広告注意。この2サイトで見かける「パソコンが遅い原因です」とか「視聴に必要なプラグインがありません」「スパイウェアを検出しました」という類の広告はほぼ間違いなく詐欺目的なので、ただ消すだけにして信用しないこと)

下のは配信されないっぽいですが一応。
トルコ) http://www.tjk.org/TR/YarisSever/Static/Page/Canli
ドバイ) http://www.dmi.ae/dubairacing/live.asp

G1英オークス、タレントが重賞初勝利。ヒューズ騎手が英牝馬2冠

5月31日に行われたG1英オークス(芝12ハロン10ヤード、3歳牝馬)は、後方2番手追走の8番人気タレントが直線入り口で挟まれて下がるシーンも見られましたが、残り2ハロンで外に持ち出されると一気に突きぬけ、同厩舎で2番人気のシークレットジェスチャーに3・3/4馬身差をつけて完勝し、重賞初勝利をG1で挙げました。

今年の英1000ギニーをスカイランタンで勝利し英クラシック初勝利を挙げたばかりだった40歳リチャード・ヒューズ騎手は異なる馬で2冠達成。またベケット調教師は08年のルックヒア以来となる英オークス2勝目です。ルックヒアは単勝34倍、タレントが単勝21倍とどちらも人気薄でした。

シークレットジェスチャーから3/4馬身差の3着に6番人気ザラークが入り、1番人気のモス(前走の英1000ギニー3着)は4着に終わっています。上位3頭はいずれも重賞初出走でした。


タレントは父ニューアプローチ、母プロウェス、母の父パントレセレブルという血統の英国産馬。サドラーズウェルズ≒ヌレイエフの3×3。J L Rowsell & M H Dixon の生産所有馬です(Rowsell 氏は生産者Ashbrittle Stud のオーナー)。

翌日に控える英ダービー1番人気ドーンアプローチもニューアプローチ産駒で、距離不安のある同馬陣営にとって幸先が良い結果です。
参考:英ダービー 2013 出走馬展望 【おうまのアイコン wire-to-wire】


昨年8月のデビュー戦(6ハロン)で3着に敗れたものの、2戦目(7ハロン)で初勝利。今年初出走だった前走5月5日の準重賞プリティーポリーS.(芝10ハロン)を1/2馬身差で勝っていました(いずれも牝馬限定。ちなみにプリティーポリーS.の3馬身差3着馬は英オークスで最下位11着)。

同厩舎のシークレットジェスチャーが前走の英準重賞オークストライアル(芝11.5ハロン)を10馬身差で圧勝し、こちらにJ.クロウリー騎手が騎乗したため、ヒューズ騎手がタレントに初騎乗していました。

上位2頭はどちらも愛オークスに向かう模様。

2013年英オークスのレース映像。出遅れる赤の帽子、白の勝負服がタレント。


英オークス(Investec Oaks)
2013年5月31日、イギリス・エプソム競馬場、芝12ハロン10ヤード
3歳牝馬、G1、11頭、Good to Soft、レース結果、総賞金40万ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1タレント
Talent
3牝
21倍
R.ヒューズ2分42秒004戦【3-0-1-0】
重賞初出走
2シークレットジェスチャー
Secret Gesture
3牝
4倍
J.クロウリー3・3/42戦【2-2-0-0】
重賞初出走
3ザラーク
The Lark
3牝
17倍
J.スペンサー3/44戦【1-0-2-1】
準重賞3着。重賞初出走