2013年10月6日に行われる仏G1凱旋門賞(芝2400m、3歳以上牡牝)の主な出走馬を紹介します。
枠順等はいつもどおり
凱旋門賞 2013 出走馬展望 【おうまのアイコン wire-to-wire】でご確認ください。
英ブックメーカーのうち、ウィリアムヒルのオッズ(9月29日時点)の順で並べています。騎手は想定含む。
ちなみに
昨年の予想は次のとおりでした。
◎オルフェーヴル(2着)
○キャメロット(7着)
▲グレートヘヴンズ(6着)
△サオノワ(15着)
△イエローアンドグリーン(5着)
△ソレミア(1着)
今年は
◎オルフェーヴル(1人気)
○キズナ(3人気)
▲トレヴ(2人気)
△ペンライパビリオン(同オッズ9人気)
△リーディングライト(5人気)
△オコヴァンゴ(同オッズ9人気)
です。印をつけてみるとオルフェーヴル以外は自然と3歳馬を選びましたが、3歳有利の斤量を意識したわけではないです。
オルフェーヴル Orfevre(3.5倍 1番人気)
父ステイゴールド、母オリエンタルアート、母の父メジロマックイーン
クリストフ・スミヨン騎手
昨年の凱旋門賞は誰もが勝ったと思ったところから人気薄のソレミアに差し返されての2着。今年はG2大阪杯を勝った後、鼻出血(の前段階?)でG1宝塚記念を回避したが、9月の仏G2フォワ賞を楽勝して凱旋門賞の最有力馬である事を改めて示しました。
過去にフォワ賞を2勝したアレフランス(74-75年)とサガス(84-85年)はどちらも凱旋門賞を勝っており、2頭に続いてそろそろ日本馬の初制覇を見せてもらいたい。
トレヴ Treve(6倍 2番人気)
父モティヴェーター、母トレヴィーズ、母の父アナバー
ティエリ・ジャルネ騎手
6月の
仏G1ディアヌ賞(仏オークス、芝2100m、3歳牝馬)を4馬身差、従来のレコードを2.13秒上回るレコードで圧勝し、前走9月の
仏G1ヴェルメイユ賞(芝2400m、3歳以上牝馬)は古馬初対戦も、何の問題も無く完勝してデビューから無敗の4連勝。
高速馬場のディアヌ賞でも重馬場のヴェルメイユ賞でも内から鋭く抜け出す圧巻の勝利。内を割るといえば、昨年の凱旋門賞までの2戦(仏ダービー、ニエル賞)で同じようなレース振りを見せて人気を集めたものの15着に敗れたサオノワと同じではあるが、トレヴは他馬を圧倒する強さを見せており、辛勝ばかりだったサオノワよりは一枚上の存在。
(回避)ノヴェリスト Novellist
父モンズン、母ナイトラグーン(独G3勝ち)、母の父ラグナス
ジョニー・ムルタ騎手
英G1"キングジョージ"5馬身差圧勝で凱旋門賞でも人気を集めていたが5日朝に熱発が判明し回避となった。
キズナ Kizuna(8.5倍、3番人気)
父ディープインパクト、母キャットクイル、母の父ストームキャット
武豊騎手
毎日杯、京都新聞杯、日本ダービー、ニエル賞と連勝中。特に前走はロンシャンの重馬場で英ダービー馬ルーラーオブザワールドを下し、当時の凱旋門賞前売り1番人気だったパリ大賞勝ち馬フリントシャーは楽々と交わす強い競馬を見せました。
良馬場であれば、負けはすべて重馬場という成績のフリントシャーの巻き返しも怖かったが、今回も重馬場だから前走どおりを期待していいでしょう。
ルーラーオブザワールド Ruler of the world(10倍、4番人気)
父ガリレオ、母母ラブミートゥルー(愛G3で3着)、母の父キングマンボ
ライアン・ムーア騎手
デビューから3連勝で英ダービーを優勝。その次走の愛ダービーは10馬身差5着、前走ニエル賞はキズナを僅差の2着。
愛ダービーの敗因はおそらく、2001年ガリレオの2分27秒10以来となる好時計という高速馬場での決着だったことで、重馬場だったニエル賞は負けたにしてもきっちり巻き返しました。
最大の問題は凱旋門賞におけるガリレオ産駒の大不振でしょう。同産駒が凱旋門賞で3着以内に入ったのは2008年3着のソルジャーオブフォーチュンだけ。同馬はその前年にも5着に入っていますが、ガリレオ産駒が凱旋門賞で5着以内に入ったことさえその2回しかありません。
アンテロ Intello(12倍、同オッズ5番人気)
父ガリレオ、母アンプレショナント(仏マイルG1で2着2回)、母の父デインヒル
オリビエ・ペリエ騎手
凱旋門賞7回優勝のアンドレ・ファーブル調教師は今年5頭出しで、その中でも最も自信のあるのがこのアンテロだそうです。
今年のフランスダービー馬ですが、その後マイルに戻り、ジャックルマロワ賞3着。前走は2000mの仏G3勝ち。と言うわけで2400mを走るのはデビュー9戦目の今回が初めて。
前述どおりガリレオ産駒であるだけでも不安ですが、活躍馬続出のガリレオ×デインヒルの配合は2400mのG1を勝ったことが無く、2011年のような高速馬場ならともかく距離は持たないでしょう。
リーディングライト Leading Light(12倍、同オッズ5番人気)
父モンジュー、母ダンスパレード、母の父ゴーンウェスト
ジェラルド・モッセ騎手
英愛で重賞3連勝中(10ハロン、16ハロン、14.5ハロン)で、前走は英G1セントレジャー優勝し、凱旋門賞へは追加登録料を支払っての出走。
母のゴーンウェスト×アイリッシュリヴァーなのがちょっと気になるがガリレオ産駒を買うぐらいならモンジューのほうが全然良いでしょう。ちなみにモンジュー×ゴーウェストは英ダービー勝ち馬で凱旋門賞5着のモチヴェーターと同じ。
フリントシャー Flintshire(13倍、7番人気)
父ダンジリ、母ダンスルーティン(仏オークス2着)、母の父サドラーズウェルズ
7月の仏G1パリ大賞(芝2400m)はゴール前でギュイヨン騎手が手綱を押さえる余裕を見せ1・1/2馬身差で完勝。ニエル賞でキズナから1・3/4馬身差の4着に敗れるまで、凱旋門賞の前売り1番人気でした。
ココまで5戦3勝、負けた2回はどちらも重馬場で、今年の凱旋門賞も重馬場。キズナやルーラーオブザワールドとの比較ではやや不利です。アンテロよりは上だと思いますが。
アルカジーム Al Kazeem(17倍、8番人気)
父ドバウィ、母カジーム、母の父ダルシャーン
本命不在だった今年の古馬10ハロン路線を牽引した1頭。
愛G1タターソールズゴールドカップ(芝10.5ハロン)、
英G1プリンスオブウェールズS.(芝10ハロン)、英エクリプスS.(芝10ハロン7ヤード、3歳以上)とG1を3連勝し、英G1インターナショナルS.(芝約2092m、3歳以上)は3着、愛G1アイリッシュチャンピオンS.(芝10ハロン)も2着でした。
2400m(12ハロン)を走るのは昨年5月の英G2ジョッキークラブS.(芝12ハロン)を4馬身差で勝って以来のことです。そのG2戦におけるアルカジームの区間ラップは
17.02 - 14.45 - 14.38 - 13.90 - 13.32 - 13.26 - 12.51 - 11.86 - 11.68 - 11.84 - 12.23 - 13.21
という超スローでした。今年の10ハロンG1における大活躍を見ればそのペースなら12ハロンG2を完勝するのは当然ともいえ、「凱旋門賞の2400m」をこなせるという保証にはまったくならないだろうと。
オコヴァンゴ Ocovango(34倍、9番人気)
父モンズン、母クリスタルメイズ、母の父ゴーンウェスト
英ダービー5着、パリ大賞3着、ニエル賞3着。ニエル賞ではパリ大賞で負けたフリントシャーに先着した。
6戦して1番負けたのが英ダービーという安定振りで、さりげなく3着に紛れん込んできそうな気がする。
ペンライパヴィリオン Penglai Pavilion(34倍、9番人気)
父モンズン、母メイデンタワー、母の父グルームダンサー
前々走のドーヴィル大賞(芝2500m)はアタマ差2着し、ベリーナイスネーム(フォワ賞2着)、シリュスデゼーグル(英チャンピオンS.など)に先着。
また前走の不良馬場だった仏準重賞テュレンヌ賞(芝2400m)は、2着に3/4馬身差、3着にさらに3馬身差をつけて完勝。その4馬身差5着だったマンダウィはパリ大賞でフリントシャーから1・1/2馬身差の2着。
10ハロン以上では4戦2勝2着2回、負けた2回はどちらもアタマ差でした。重賞出走がドーヴィル大賞だけのため地味な存在ですが、近走のレベルは高く穴馬ならこれだと思う。