ページ

2012年3月31日土曜日

2012年UAEダービーはダディーロングレッグスが優勝。ゲンテンは最下位

第4レースUAEダービーは2番手追走のダディーロングレッグスが最終コーナーで先頭に立つと、フランスのヤンチェキアンと同厩ロウトの追い上げを抑えて優勝しました。

ゲンテンは中断から後方を追走しましたが、直線では遅れるだけで最下位に敗れました。G3 UAE2000ギニー2着で、前哨戦の準重賞アルバスタキヤ勝ち馬ミックダームは後方からよく追い込みましたが4着まで。亜オークス(D2000m)11馬身差圧勝し吉田勝己氏が新オーナーになったバラダセールは6着。豪G1競走3勝のヘルメットは逃げつぶれて12着。

ダディーロングレッグスは英G2ロイヤルロッジS.(芝8f)勝ち馬。昨年11月の米G1 BCジュベナイル(ダート8.5f)は12着に敗れていました。ここはそれ以来の出走。オブライエン調教師はレース後、ケンタッキーダービー出走も考慮していると述べています。

ダディーロングレッグスの5代血統表。スキャトダディ産駒のG1初勝利。

UAEダービーのレース映像。2番手追走がダディーロングレッグス。


UAEダービー(UAE Derby)
2012年3月31日、ドバイ・メイダン競馬場、AW1900m
総賞金200万米ドル、1着賞金120万米ドル
北半球産3歳55.0kg、南半球産3歳59.5kg、牝馬2kg減
14頭、レース結果
着順馬名性齢騎手着差通算成績
主な成績
1ダディーロングレッグス
Daddy Long Legs
3牡C.オドノヒュー
55.0kg
1分58秒355戦【3-0-0-2】
英G2ロイヤルロッジS.1着
2ヤンチェキアン
Yang Tse Kiang
3牡T.ジャルネ
55.0kg
1・1/46戦【2-3-1-0】
仏G3コンデ賞(芝1800m)2着
3ロウト
Wrote
3牡R.ムーア
55.0kg
3/46戦【3-0-3-0】
米G1BCジュベナイルターフ1着
英G2ロイヤルロッジS.3着

2012年ゴドルフィンマイルはアフリカンストーリーが優勝。マカニビスティー出走ドバイゴールドカップはレース中断

ゴドルフィンマイル(AW1600m)は前哨戦バージナハールの勝ち馬アフリカンストーリーが優勝し、重賞2勝目を挙げました。

2,3着馬はどちらも2010年に英G1で1馬身差以内の3着がありました。

ゴドルフィンマイルのレース映像。


ゴドルフィンマイル(Godolphin Mile)
2012年3月31日、ドバイ・メイダン競馬場、AW1600m
G2、12頭、レース結果
着順馬名性齢騎手着差通算成績
主な成績
1アフリカンストーリー
African Story
5センL.デットーリ1分37秒5212戦【5-3-3-1】
重賞2勝目
2ヴィスカウントネルソン
Viscount Nelson
5牡K.シーア419戦【4-4-3-8】
英G1で1馬身差3着あり
3レッドジャズ
Red Jazz
5牡M.ヒルズ1・3/418戦【4-4-4-6】
英G2を1勝。8ヶ月ぶり出走


ドバイゴールドカップ(芝3200m)は日本のマカニビスティーが先頭に立って、レースが進みましたが、1周目のスタンド前で有力馬フォックスハントが故障。フォックスハントをコース上から動かせずレース続行は危険だということで2週目の向こう正面でレースが中断されました。

ここまで注目度の高いレースでのやり直しは08年の仏G1アベイユドロンシャン賞以来かと思いますが。この記事を書いている時点ではやり直しの方向で協議です。

追記:ドバイゴールドカップは日本時間27時25分にやり直すと発表されました。ドバイワールドカップの45分後です。

英準重賞マグノリアS.キングストレイルは4着。アークティックコスモスが6馬身差圧勝

3月31日に行われた英準重賞マグノリアS.(AW10ハロン)に愛移籍4戦目となるキングストレイルが出走し、1着から約8馬身差4着に敗れました。

レースは2010年の英G1セントレジャー勝ち馬アークティックコスモスが今季初戦でしたが6馬身差で圧勝しています。2着にキングストレイルに2回先着しているティンシュ、重賞で1/2馬身差2着があるハリケーンヒギンズが3着でした。

キングストレイルはハリケーンヒギンズから頭差でしたが、ハリケーンヒギンズは8ヶ月ぶりのレースでした。

レース映像はこちら

マグノリアステークス(William Hill App-Download Today! Magnolia Stakes)
2012年3月31日、イギリス・ケンプトン競馬場、AW10ハロン
4歳以上、準重賞、6頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アークティックコスモス
Arctic Cosmos
5牡
2.2倍
W.ビュイック2分04秒1510戦【3-2-2-3】
英G1セントレジャー1着
2ティンシュ
Tinshu
6牝
9倍
F.スウィーニー645戦【9-7-5-22】
準重賞1勝2着2回
3ハリケーンヒギンス
Hurricane Higgins
4セン
3.3倍
F.ノートン1・3/48戦【1-2-1-4】
重賞1/2馬身差2着あり

2012年ドバイワールドカップのネット中継サイト


ドバイワールドカップのネット中継は下のURLでおそらくメイン競走まで見れると思います。第2レースのゴドルフィンマイル前の時点ですでに途切れることがあるので、第9レースのドバイWCでもまともに見れるか分かりませんが。

http://www.amwestentertainment.com/dubai-racing/live-video/

http://www.drf.com/drf/live_video/dubai/247288

または

http://www.drf.com/events/2012-dubai-carnival-meydan
のページ右側に太字で「Watch live video of today's full card」とあるところをクリックしてください。

ちなみにグリーンチャンネル(22:30-27:00)、BS11(26:00-27:00)、CSフジテレビOne(26:00-27:00)で無料中継されます。くわしくはこちら

新2歳G1マナワツサイアーズプロデュースS.はチョイスブロがG1初勝利

3月31日に行われた新2歳G1マナワツサイアーズプロデュースS.(芝1400m)は、前走の新2歳G1ダイヤモンドS.(芝1200m)で7着に敗れていたチョイスブロが、先に抜け出したダイヤモンドS.勝ち馬ウォーホースと、外からものすごい脚で追い込んで一度は先頭に立ったマジックシャフトの間から残り100mで差し切って優勝し、重賞2勝目を挙げています。

ウォーホースは前走ダイヤモンドS.は2位入線、繰り上がり1着。そのときの2着降着馬ロールアウトザカーペットは1番人気に支持されましたが8着に敗れています。

チョイスブロはニュージーランド最高賞金額レースであるカラカミリオン(芝1200m)で4着に敗れましたが、次走の新G3タラナキ2歳クラシック(芝1200m)でカラカミリオン勝ち馬オッカムズレイザーを2着に下し、重賞初勝利を挙げていました。

チョイスブロの次走は不明。5代血統表。父ショワジール Choisir の3頭目のG1勝ち馬となりました。チョイスブロ自身は2011年のNZBセレクトイヤリングセールにおいて5万NZドルで取引されていました。それ以前に別のセールで4万NZドルと、5万NZドルのリザーブ価格に届かず主取りになっていたとのこと

ちなみに2,3着もNZBセール出身馬で、それぞれ6万NZドル、10万NZドルで成立していました。

2012年マナワツサイアーズプロデュースS.のレース映像(要登録)。勝負服はリンク先参照。


なお、この2レースあとに行われた新G2アワプニゴールドカップ(芝2000m)で、種牡馬引退し2年ぶりにレース復帰したイーグルマウンテンが約1馬身差4着に入っています。これが復帰2戦目で、昨年の勝ち馬ホールドイットハーヴィーには先着。これなら重賞1つくらいは勝てそうですね。

マナワツサイアーズプロデュースステークス(Manawatu Sires' Produce Stakes)
2012年3月31日、ニュージーランド・アワプニ競馬場、芝1400m
2歳、56.5kg(牝馬2kg減)G1、12頭、レース結果、総賞金22万5000NZドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1チョイスブロ
Choice Bro
2牡
15.2倍
J.リデル1分22秒875戦【2-1-0-2】
新G3タラナキ2歳クラシック1着
2マジックシャフト
Magic Shaft
2セン
19.8倍
M.コールマン短クビ4戦【1-2-1-0】
重賞2戦目
3ウォーホース
Warhorse
2牡
4.2倍
J.バラード半クビ5戦【2-1-1-1】
新G3エクリプスS.1着

豪3歳G1ローズヒルギニーはレーザーホークが重賞初勝利

3月31日に行われた豪G1ローズヒルギニーは、前走豪G1ランドウィックギニー(芝1600m)3着のレーザーホークが4番手の内を追走し、最後の直線でも最内を突いて抜け出し、外から追い上げたランドウィックギー8着オーシャンパークをおさえて重賞初勝利を挙げました。

唯一の牝馬で1番人気に支持されたニュージーランドダービー(芝2400m)勝ち馬サイレントアチーバーは大外を追い込んで届かず3着まで。G1オーストラリアンギニー(芝1600m)2着のストライクザスターズは5着。NZダービー2馬身差2着のロックンポップ(NZ2000ギニー勝ち馬)は8着。豪G1スプリングチャンピオンS.(芝2000m)勝ち馬ドクタードゥームは13着。豪G1ヴィクトリアダービー(芝2500m)勝ち馬サングスターは16着に終わっています。


2012年ローズヒルギニーのレース映像。3,4番手の内を先行する、赤の帽子・勝負服がレーザーホーク。

レーザーホークの5代血統表。母母父が、ダイワテキサスの父トロメオ。レーザーホークのの半兄に豪G1競走6勝のデザートウォー Desert War がいます。

ローズヒルギニー(Flinders Lane Rosehill Guineas)
2012年3月1日、オーストラリア・ローズヒル競馬場、芝2000m
3歳、56.5kg(牝馬2kg減)、G1、18頭、Good、レース結果、総賞金50万豪ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1レーザーホーク
Laser Hawk
3セン
5.5倍
N.ラウィラー2分02秒185戦【4-0-1-0】
重賞2戦目
2オーシャンパーク
Ocean Park
3牡
10倍
G.ボス短クビ7戦【3-3-0-1】
重賞1勝2着2回
3サイレントアチーバー
Silent Achiever
3牝
3.25倍
J.ボウマンアタマ 8戦【5-1-2-0】
重賞4勝

G2パゴパゴS.はブラックキャビア半弟が無敗で重賞2連勝

3月31日に行われた豪2歳牡馬G2パゴパゴS.(芝1200m)は、ここまで2戦2勝のオールトゥーハードが楽勝し、前走の豪2歳G2VRCサイアーズプロデュースS.(芝1400m)に続き重賞連勝です。

2着ナルキッソスは未勝利馬ですが、この1レース前に行われた豪2歳牝馬G2マジックナイトS.(芝1200m)の勝ち馬イチハラ Ichihara (3戦3勝)に前走で2馬身差2着していました。3着も未勝利馬で前走のG3では11頭立て4馬身差4着しています。

オールトゥーハードの次走は4月7日に行なわれる、オーストラリア競馬で2番目に賞金が高く、2歳戦としては世界一の高額賞金レースである豪G1ゴールデンスリッパー(芝1200m)が有力ですが、出走するかは火曜日に決めるとのこと。またイチハラはゴールデンスリッパーに出走登録をしておらず、追加登録料は今回の優勝賞金を約50%上回る15万豪ドルと高額なため、馬主と調教師の話し合いが行なわれるようです


ちなみにイチハラという日本語にしか思えない馬名は「Named after the Chief's long lost, heshen bag wearing, cousin.」ということで、馬主さんのいとこに、イチハラという名前の行方不明者、あるいはイチハラという場所で行方不明になった人がいるということでしょうかね。

2012年マジックナイトS.のレース映像。イチハラは逃げる白の帽子、オレンジの胴で白い袖の勝負服です。
2012年パゴパゴS.のレース映像。オールトゥハードは黄色の帽子。

マジックナイトステークス(Magic Night Stakes)
2012年3月31日、オーストラリア・ローズヒル競馬場、芝1200m
2歳牝馬、全馬55.5kg、G2、Good、13頭、レース結果、総賞金175000豪ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1イチハラ
Ichihara
2牝
7.5倍
C.ブラウン1分10秒733戦【3-0-0-0】
重賞初勝利
2キャヴァルリーローズ
Cavalry Rose
2牝
8.5倍
J.カシディハナ4戦【2-1-0-1】
前走準重賞14頭立て4着
3フライイングスニッツェル
Flying Snitzel
2牝
12倍
J.ボウマンアタマ4戦【1-0-2-1】
前走G3は12頭立て5着

パゴパゴステークス(Pago Pago Stakes)
2012年3月31日、オーストラリア・ローズヒル競馬場、芝1200m
2歳牡セン、全馬55.5kg、G2、8頭、Good、レース結果、総賞金175000豪ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1オールトゥーハード
All Too Hard
2牡
1.36倍
D.ダン1分11秒283戦【3-0-0-0】
重賞2連勝
2ナルキッソス
Narcissus
2牡
21倍
C.リース13戦【0-2-1-0】
重賞初出走
3ライムズ
Limes
2牡
61倍
J.パー3/43戦【0-0-2-1】
G3で4着

ソーユーシンクは6月で引退し種牡馬入りか

The Daily Telegraph によると、G1競走8勝のソーユーシンク So You Think は今年6月のロイヤルアスコット開催を最後に引退し、オーストラリアで種牡馬入りするとのこと。

So You think to rock world | thetelegraph.com.au

これはクールモア総帥ジョン・マグナー氏の息子で、クールモア・オーストラリアのレーシングマネージャーであるトム・マグナー氏が述べたものです。同時にソーユーシンクについて「ドバイワールドカップ(出馬表)はダート(オールウェザー)ですが、上手くこなしています。エイダン(・オブライエン調教師)も適応出来ないと思うなら走らせないでしょう」と述べています。言及されていないですが、北半球の来春はアイルランドで種付けされるのもほぼ確実だと考えられます。

ロイヤルアスコットの10ハロンG1は6月15日のプリンスオブウェールズS.で、昨年はゴドルフィンのリワルディングに差し切られ2着に敗れたレースであり、これが引退レースです。

ちなみに今年10ハロンに出走するというフランケルの今季初戦は、5月19日の英G1ロッキンジS.(芝1マイル)。フランケルを管理するセシル調教師はロイヤルアスコットで1マイル(英G1クイーンアンS.)と10ハロンのどちらを走るのかはまだ決まっていないと先日述べたばかりです

ソーユーシンクと対戦しないならフランケルが10ハロンに出走する意味があるでしょうか?

2011年のレース映像。

2012年3月30日金曜日

米3歳G3サンランドダービーはダディーノーズベストが重賞2連勝でスキャットダディ産駒初の重賞2勝馬

3月25日に行われた米3歳G3サンランドダービー(ダート9ハロン)は3番手追走のイズントヒークレバーが3コーナーで先頭に立っていったんは抜け出しましたが、そのすぐ後を追走していたダディーノーズベストが残り100mで差し切って優勝し、2月の米G3エルカミノリアルダービー(AW9ハロン)に続き重賞2連勝です。前走G3サウスウェストS.勝ち馬キャスタウェイが1番人気7着でした。


ダディーノーズベストは次走ケンタッキーダービーへ直行します。

ルパルー騎手「ペースがこの馬にぴったりでしたし、最後は余力がありました。」

アスムッセン調教師「楽観的になれるいくつか理由があります。9ハロンを好タイムでこなし、レース間隔も適切です。2歳時に比べてずいぶん成長したことを見せてくれました。」


ここまで8戦連続でダディーノーズベストに騎乗しているルパルー騎手は、ケンタッキーダービーのお手馬に重賞3勝のG1馬ユニオンラグスがおり、ユニオンラグスは31日(日本時間4月1日)にG1フロリダダービーに出走予定です。ユニオンラグスが大負けでもしない限り、ダディーノーズベストは新しいジョッキーを探す必要があります。


ダディーノーズベストの5代血統表。Storm Bird≒Nijinsky の5×5×4、Mr.Prospector≒Marshua's Dancer の3×3×4。

父スキャットダディは現3歳が初年度産駒。BloodHorse集計の2011年ファーストクロップリーディングでは2位にわずか1万ドル差で首位になりました。ダディーノーズベストがスキャットダディ産駒初の重賞2勝馬です。2歳の10月末までに3頭が重賞を勝ってから、重賞では3ヶ月ほど2着にも来れない時期がありましたが、2、3月にスキャットマンが2,3着するなどして、勢いは持ち直してきました。また当初は芝やAWでの活躍がほとんどでしたが、今回やスキャットマンのようにダート重賞での好走も増えてきました。

2012年G3サンランドダービーのレース映像。6番枠がダディーノーズベスト。


サンランドダービー(Sunland Derby)
2012年3月25日、アメリカ・サンランドパーク競馬場、ダート9ハロン
3歳、G3、8頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金80万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ダディーノーズベスト
Daddy Nose Best
3牡
4.7倍
J.ルパルー1分48秒5910戦【4-2-1-3】
G3サマーS.3着
2イズントヒークレバー
Isn't He Clever
3セン
4.0倍
L.コントレラス3/47戦【4-2-0-1】
ステークス2勝
3ステアドアップ
Stirred Up
3牡
5.3倍
M.ガルシア7・1/44戦【1-1-2-0】
重賞初出走

2012年3月29日木曜日

米3歳G3スパイラルS.はウェントザデイウェルが優勝

3月24日に行われた米3歳G3スパイラルS.(AW8.5ハロン)は、中団の内を追走したウェントザデイウェルが最終コーナー出口で先頭に並び、おなじく外から進出したホリデイプロミスに3・1/2馬身差をつけて優勝し、重賞初勝利を挙げました。ヴェラスケス騎手はバーボネットオークスに続き、2レース連続の重賞制覇。

前走4馬身差で勝っていた1番人気ヘヴィーブリージングが逃げ粘って3着。上位3頭は重賞初出走。G3ジェネラスS.2着、前走G3エルカミノリアルダービー3着だったハンサムマイクは2番人気4着でした。


昨年のこのレースも、馬主 Team Valor、調教師 G.モーション、騎手J.ヴェラスケスのトリオが制しており、そのときの勝ち馬が次走ケンタッキーダービーを勝ったアニマルキングダムです。またハットトリック産駒ハウグレートのG3パームビーチS.勝利もこのコンビです。

ウェントザデイウェルは昨年イギリスでデビューし2戦してどちらも2着。米移籍後2戦目の前走で初勝利を挙げたばかりでした。このままケンタッキーダービーに向かうか、あるいは4月23日のG3レキシントンS.を挟む可能性もあるとのこと

ウェントザデイウェルの5代血統表。父はKダービー2着のプラウドシチズン。母は未出走馬(その父ティズナウ)。おそらく出走しないと思いますが、レキシントンS.を勝てば父子制覇です。

2012年スパイラルS.のレース映像。うちから4頭目の発走、赤の帽子、緑の勝負服がウェントザデイウェル。


スパイラルステークス(Vinery Racing Spiral Stakes)
2012年3月24日、アメリカ・ターフウェイ競馬場、AW8.5ハロン
3歳、G3、12頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金50万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ウェントザデイウェル
WenttheDayWell
3牡
6.2倍
J.ヴェラスケス1分51秒335戦【2-2-0-1】
重賞初出走
2ホリデイプロミス
Holiday Promise
3牡
26.8倍
J.アルヴァラード3・1/26戦【1-3-0-2】
重賞初出走
3へヴィーブリージング
Heavy Breathing
3牡
3.2倍
J.カステリャーノ13戦【2-0-1-0】
重賞初出走

米G3バーボネットオークスはエンパイアメーカー産駒インランジェリーが6馬身差楽勝

3月24日に行われた米3歳牝馬G3バーボネットオークス(ダート1マイル)は1番人気インランジェリーがスタートから逃げ、最後の直線に入ると、2番手を追走した同じプレッチャー厩舎のダンシングソロを突き離し、6馬身差をつけて楽勝しました。

3着まで重賞初出走馬が占めました。近2走は芝G3で1,2着していたモアザンラブはダートが合わなかったのか7着に敗れています。

インランジェリーの5代血統表。父はフェデラリストなどと同じエンパイアメーカー。ちなみに勝ち時計は、昨年の勝ち馬でのちにG1デルマーオークスを勝ったサマーソワレがこのレースを勝ったときより0.47秒速い決着でした。


バーボネットオークスのレース映像。



バーボネットオークス(Bourbonette Oaks)
2012年3月24日、アメリカ・ターフウェイ競馬場、ダート1マイル
3歳牝馬、G3、頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金10万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1インランジェリー
In Lingerie
3牝
1.8倍
J.ヴェラスケス1分38秒283戦【2-1-0-0】
重賞初出走
2ダンシングソロ
Dancing Solo
3牝
7.0倍
J.カステリャーノ67戦【1-2-1-3】
重賞初出走
3トキシス
Toxis
3牝
7.8倍
J.ロザリオ5・1/25戦【1-1-2-1】
重賞初出走

種牡馬モンジューが死亡

種牡馬モンジュー Montjeu が29日朝に死亡したとクールモアが発表しました。死因は敗血症。16歳でした。

Coolmore :: News :: Montjeu
World class stallion Montjeu dies aged 16 - Racing Post

99年の凱旋門賞でエルコンドルパサーを差し切って日本の夢を打ち砕いたあの末脚は記憶に新しい。

種牡馬としても、モチヴェイター、オーソライズド、(昨年の)プルモワと3頭の英ダービー勝ち馬を輩出するなど活躍し、今年も最有力馬にキャメロットが控えています。

ちなみにプルモワが今年からクールモアで種牡馬入りしています。またモンジュー産駒のBCターフ勝ち馬セントニコラスアビーが31日のドバイシーマクラシック(芝2410m)に出走予定。

99年凱旋門賞


2000年キングジョージ

ポップロック初仔の誕生ビデオ

2011年にチェコ で種牡馬入りしたポップロックに産駒が誕生しており、その誕生時の動画が YouTube にありました。動画説明文によるとポップロックの初仔だそうです。



母はポップロックを繋養する Napajedla Stud 所有の Call Me Xela で、2007年にイタリアの障害G2 Premio Giulio Berlingieri(3600m)を勝っています。

その父レインボウズフォーライフはカナダの最優秀2歳牡馬(1990年)および最優秀古馬(1992年)に選ばれ、種牡馬としてはチェコで1999, 2004,2005,2006年のリーディングサイヤーになりました。


もう3月も終わりですから、ポップロックの仔は他にも何頭も誕生しているはずで、かんたんに検索して見つかった範囲では、LETNÍ DUHA という、競走成績は平凡ですが、その母と母母がチェコ1000ギニーの勝ち馬であり、父がレインボウズフォーライフという良血馬もポップロックの仔(5代血統表)を産んでいます。

また、Leontyna という未勝利馬の仔(5代血統表)もいます。これは父がチェコのリーディングサイヤーだった Lincoln。Leontyna 自身は Lincoln の父でチェコの大種牡馬だったという Masis の2×4、さらにシカンブルの3×3という強いクロスを持つ。


 ポップロックの初年度産駒は早ければ2014年にデビューします。

(ポップロックの仔について調べたきっかけは、東欧で種牡馬入り先を探しているというキングストレイルの繋養先は決まったのかという疑問だったのですが、こちらは分かりませんでした。まだ決まってないのでしょう。決まったらサラブレ(@sarabure_eb)の「アイルランド厩舎通信」がすぐに伝えてくれるだろうと思いますが)

2012年3月28日水曜日

3月31日はイギリスでキングストレイルが準重賞に出走か

ドバイワールドカップが行なわれる3月31日は、イギリスの準重賞マグノリアS.(ケンプトン競馬場・AW10ハロン)にキングストレイルが登録しており、おそらく出走するはずです。移籍4戦目。発走予定は日本時間午後10時20分で、マカニビスティーが出走するドバイゴールドカップの25分前です。

3月28日現在の主な出走予定馬は次のとおり。
  • アークティックコスモス 2010年のG1英セントレジャー勝ち馬。昨年の加G1カナディアン国際S.(芝12ハロン)でサラリンクスから約7馬身差4着(16頭)
  • ハリケーンヒギンズ 英G3ダービートライアルS.(芝11.5ハロン)で1/2馬身差2着。
  • ティンシュ キングストレイルの移籍1戦目の勝ち馬で、3戦目の2着馬でもある(キングストレイルはそれぞれ4馬身差9着と2馬身差4着)
ティンシュには2度先着されており当然脅威。 アークティックコスモスとハリケーンヒギンズは今のキングストレイルには強すぎる相手ですが、2頭とも今季初戦であり、実績は12ハロン以上が中心で、このレースに限れば付け入る隙はあるかも。


ドバイワールドカップ各競走の発走予定時刻一覧と出馬表(日本馬出走レースのみ)は「2012年ドバイワールドカップはグリーンチャンネルで無料放送の生中継。発走予定時刻もあわせて」をご覧ください。



なお、2000-03年にかけて日本で走ったシャドーレイの子で、ニュージーランド最高賞金額レースであるカラカミリオンを勝ったオッカムズレイザーについて、3月31日の新G1マナワツサイアーズプロデュースS.に登録していると以前お伝えしましたが、出馬表に名前がなく出走しません。

キングストレイル、1年9ヶ月ぶりの復帰戦の英リステッドで9着
キングストレイルが復帰2戦目アイルランドで2着
キングストレイルが英リステッドで2馬身差4着

2012年ドバイデューティーフリーの出馬表(ダークシャドウ出走予定)

ダークシャドウが出走するドバイデューティーフリーの出馬表です。

香港の中距離最強馬アンビシャスドラゴンや香港カップ勝ち馬カリフォルニアメモリー、昨年のドバイDF勝ち馬プレスヴィスなどがおり、ここもメンバーが揃いました。特にアンビシャスドラゴンに注目。ダークシャドウは1着を狙える実力があると見てますが、ここを勝つのは、日本で中距離重賞(G1除く)を4連勝するぐらい難しいチャレンジかなあと。相手をアンビシャスドラゴン1頭に絞ってマークするのに賭けても良いと思うが。

G1ドバイデューティフリー(Dubai Duty Free)
2012年3月31日(日本時間25時25分)、ドバイ・メイダン競馬場、芝1800m
総賞金500万米ドル、1着賞金300万米ドル
斤量:57kg、牝馬2kg減
グリーンチャンネル放送予定(無料)、ドバイ公式サイト出馬表(英語)

馬名性齢
騎手
通算成績
主な成績
1グリーンデスティニー
Green Destiny(IRE)
5セン 57kg
G.スコフィールド
11戦【6-0-0-5】
英重賞2勝。英G1チャンピオンS.6着
2アウェイトザドーン
Await The Dawn(USA)
5牡 57kg
J.オブライエン
8戦【5-0-1-2】
英愛重賞3勝。G1英国際S.3着
3ラジサマン
Rajsaman(FR)
5牡 57kg
R.フレンチ
21戦【6-1-4-10】
昨年10着。G1香港マイル4着と7着
4アンビシャスドラゴン
Ambitious Dragon(NZ)
5セン 57kg
D.ホワイト
17戦【10-3-0-4】
G1クイーンエリザベス2世カップ1着
香港ローカルG1競走3勝
5ムシール
Musir(AUS)
5牡 57kg
K.シーア
15戦【8-3-3-1】
ドバイWC7着。2010年UAEダービー1着
6デレゲーター
Delegator(GB)
6牡 57kg
L.デットーリ
18戦【5-3-1-9】
2009年米G1 BCマイル3馬身差5着
7ダークシャドウ
Dark Shadow(JPN)
5牡 57kg
福永祐一
11戦【5-4-0-2】
エプソムカップ1着、毎日王冠1着
天皇賞・秋2着
8カリフォルニアメモリー
California Memory(USA)
6セン 57kg
M.チャドウィック
24戦【9-4-5-6】
G1香港カップ1着
9エクステンション
Xtension(IRE)
5牡 57kg
J.ロイド
20戦【3-7-3-7】
香G1チャンピオンズマイル1着
G1香港マイル3着
10ムタハディー
Mutahadee(IRE)
4牡 57kg
C.スミヨン
7戦【3-0-3-1】
G1ジェベルハッタ3着
11シティースケープ
Cityscape(GB)
6牡 57kg
J.ドイル
16戦【5-7-1-3】
伊G1クビ差2着。G1香港マイル2着
12プレスヴィス
Presvis(GB)
8セン 57kg
R.ムーア
27戦【8-6-3-10】
昨年の勝ち馬
13シティースタイル
City Style(USA)
6セン 57kg
M.バルザローナ
18戦【7-3-2-6】
重賞は2戦とも2着
14リオデラプラタ
Rio De La Plata
7牡 57kg
S.サウザ
28戦【8-7-4-9】
仏伊でG1競走3勝。ジェベルハッタ13着
15ウィグモアホール
Wigmore Hall(IRE)
5セン 57kg
J.スペンサー
20戦【6-4-2-8】
加G1ノーザンダンサーターフS.1着
16ドバウィゴールド
Dubawi Gold(GB)
4牡 57kg
J.ムルタ
18戦【5-3-0-10】
英2000ギニー2着愛2000ギニー2着


グリーンデスティニーは昨年の英G1チャンピオンS.でシリュスデゼーグルから約5馬身差、2着ソーユーシンクから約4馬身差の6着。しかし重賞2勝時の相手もそれほど強くなかったので、ここはつらいか。

アウェイトザドーンは2010年から2011年にかけて英愛10ハロン前後の重賞3連勝。その頃にはA.オブライエン調教師も「BCクラシックも考えている」と述べていたほど期待されていた。しかし英G1インターナショナルS.(芝10.5ハロン)で約6馬身差3着に敗れると、BCターフでは10馬身以上離された7着に終わっている。しかし父ジャイアンツコーズウェイなので今回の距離短縮が向いて通用する可能性はまだある。

ラジサマンは昨年の10着馬。仏G1イスパーン賞(芝1850m)でゴルディコヴァから1馬身差3着したことがあるが、このメンバーでは見劣りがする。


アンビシャスドラゴンは2010-2011シーズンの香港年度代表馬。昨年12月のG1香港カップ(芝2000m)では4着に敗れたが、近2走のローカルG1スチュワードカップ(芝1600m)と香港ゴールドカップ(芝2000m)で、どちらもエクステンションを2着に、香港カップ勝ち馬カリフォルニアメモリーを3着に退けた。ヴィクトワールピサが出走予定だったG1クイーンエリザベス2世カップ(芝2000m)も勝っている。有力馬の1頭。

香港ゴールドカップのレース映像。うちから6頭めの発走がアンビシャスドラゴン。



ムシールは2010年のG2 UAEダービー優勝。昨年のドバイワールドカップは後方を進んで約3馬身差7着だったが、先行馬と同じ程度の末脚は見せていた。 前哨戦のひとつ、1月のG2アルラシディヤ(芝1800m)でシティースタイル(1馬身差2着)、プレスヴィス(6馬身差5着)、ラジサマン(大差最下位9着)を破って優勝しており、要注意な1頭。

アルラシディヤのレース映像。黄色の勝負服がムシール。



デレゲイターは今回がデビュー以来初めての1800mである。2009年に英3歳マイルG1の2000ギニーとセントジェームズパレスS.で2着しているが、古馬混合マイルG1では3着1回が精一杯だった。昨年は1400m以下だけを走り、6ハロンのG2を1勝しただけ。

母が仏G1フォレ賞(芝1400m)勝ち馬の全妹だが、母の半兄は仏G1ジョッキークラブ賞(ダービー)の勝ち馬であり、また父ダンジリでむしろ1800mの方が向いている可能性もある(ダンジリ産駒に、ディープインパクトが出走した凱旋門賞の優勝馬レイルリンク。"キングジョージ"11馬身差圧勝のハービンジャーなど)。

2009年英2000ギニーのレース映像。ゲート向かって左から3頭目がデレゲイター。


カリフォルニアメモリーは昨年のG1香港カップでアンビシャスドラゴンを負かし、国際G1初勝利。展開と枠に恵まれた感はあったが、最後の1ハロンの伸びはすごかった。G1クイーンエリザベス2世カップでもアンビシャスドラゴンから3/4馬身差の2着に入っており、展開次第で逆転はある。

G1香港カップのレース映像。芦毛の馬がカリフォルニアメモリー。



エクステンションも香港馬。ローカルG1の香港ダービー(芝2000m)と香港ゴールドカップ(芝2000m)はどちらもアンビシャスドラゴンから1・1/4馬身差の2着。ただ対アンビシャスドラゴンは6戦全敗で、実力はある馬だが1着は無いでしょう。


ムタハディーは前走のG1ジェベルハッタでマスターオブハウンズが逃げ切った展開を、後方から追い込んで2馬身差3着だった。愛重賞2戦は結果が出ていないが、メイダンの芝が合っているのは明らかで、展開次第でカリフォルニアメモリーとともに飛んでくるかもしれない。

ムタハディーの2走前のレース映像。黄色の勝負服、青の帽子がムタハディー。



シティースケープはマイルより長いレースに出走するのはデビュー以来初めてのこと。マイル重賞3勝しており、昨年は9月に伊G1ヴィトリオ・ディ・カプア賞(芝1600m)ハナ差2着。またG1香港マイルもハナ差2着で、エクステンションに先着している。欧州組の有力馬はこの馬。


香港マイルのレース映像。ゲート外から3頭目がシティースケープ。うちから5頭目、緑の勝負服がエクステンション。



昨年の勝ち馬プレスヴィスは星G1シンガポール航空国際S.10着以来、8ヶ月ぶりに復帰するとドバイで2戦し、アルラシディヤでムシールの5着、ジェベルハッタで9着に終わっている。クマーニ調教師は展開が合わなかっただけだから、と述べていますが、昨年はその2戦を1着、1/4馬身差3着でこなしており、ここまでの臨戦過程は順調ではないし、昨年よりメンバーも強いので厳しいでしょう。

2011年ドバイデューティーフリーのレース映像。前半は最後方を追走するのがプレスヴィス。


シティースタイルはジェベルハッタで3/4馬身差2着したが、G2アルラシディヤではムシールから1馬身差2着。アルラシディヤの1.5kg恵まれた斤量から今回は同斤量になっている分は単純に比較して劣る。ジェベルハッタもムタハディーのほうが良い内容だったと思えるので。


リオデラプラタは2010年に伊G1を2連勝。昨年も仏G1ムーランドロンシャン賞2着、伊G1ローマ賞でザズー(ドバイWC出走)から2着だった。ただメイダンの芝は3戦して7馬身差7着が最高という成績ではいかにも辛い。


ウィグモアホールは加G1ノーザンダンサーターフS.(芝12ハロン)の勝ち馬。他に2010年の米G1セクレタリアトS.2着がある。昨年のこのレースは3着で、残り1ハロンはよく伸びていた。ただ昨年に比べて力をつけているとも思えない。


ドバウィゴールドは重賞1勝馬だが、英愛2000ギニーで2着し、香港マイルでも3/4馬身差4着した。ジェベルハッタは10着。マイル戦でもシティースケープより少し下だと思うし、そもそも血統的に1800mは難しそう。


◎アンビシャスドラゴン
○ダークシャドウ
▲アウェイトザドーン
△カリフォルニアメモリー
△ムシール
△エクステンション
△ムタハディー
△シティースケープ

馬用スーツの着せ方。ロンドンオリンピックでも見られるかも

2012年11月17日追記
5月21日付で公開された次の動画で実際に着脱している様子を視聴できます。

追記ここまで


昨日紹介した「サラブレッド用「疲労回復促進スーツ」」について、どうやって馬に着せるのか気になる人が多いようで。
ソース:Mail Online
上の画像の左の2頭が分かりやすく、黒く帯になっているところがジッパーになっており、それで複数の布を止めてスーツにしているようです。見にくいですが後脚にも同じように帯があります。なので脚を上げさせて履かせるのではないです。

オーストラリア競馬の短距離有力馬の一頭、ハイリストにこのスーツを装着させているマクネア調教師によると「90秒で装着できます」とのこと。さらに将来は調教中に心拍数や呼吸数、完歩の長さも計測できるようなタイプも開発できる設計になっているそうです。

それとギズモードの記事タイトル(「馬界の一流アスリート達必見! 馬用ボディスーツでムッキムキ : ギズモード・ジャパン」)は誤解されやすいものになっていますが、このスーツの効果は「筋力増強」ではありません。開発元は疲労回復の促進と、それにより筋肉痛の予防に役立つとしています。また全身の筋肉の温度を一定に保つことで筋肉を傷めにくくなり、他にスーツが体を支えることで輸送中の疲労を低減できるとされています。


ソース:Mail Online
そして上の画像は、今年のロンドンオリンピック馬術競技に出場するパナメーラという名前の馬と、そのオーナーである Stuart Tinney 氏。Tinney 氏は2000年のシドニーオリンピック馬術競技で総合馬術団体の金メダリストであり、今年もオリンピックに出場するようです(出場が確定しているのかは分かりませんでした)。

Tinney 氏はこれを自分の馬でテストしており、「馬の筋肉をリラックスさせることと、練習後の回復を助けることに役立つと自信があります。」と述べており、団体チーム全体に導入するようです。

オリンピックのスポークスマンは「スーツの使用は各競技者や各国チームが決めることです」 とコメントしたということです。もちろん現状では競技中に着せるものではないはずですし、競技のどれくらい直前まで、あるいは直後から着ることが許されるのかどうかも定かでないですが、中継するテレビ局はロンドンオリンピックでオーストラリアチームの馬がこれを装着して動いているところを撮影してくれるように期待します。

参考:
Hay List's revolutionary compression suit for recovery | thetelegraph.com.au
The Olympics clothes horses: Bizarre bright-coloured suits to cover equine contenders | Mail Online

2012年3月26日月曜日

2012年ドバイワールドカップの出馬表(トランセンド、スマートファルコン、エイシンフラッシュ出走予定)

2012年3月31日に行なわれるG1ドバイワールドカップ(AW2000m)の出馬表です(枠順はまだ)。

昨年は日本馬のワンツーでした。今年の外国馬は、欧州、アメリカそれぞれの大将(ソーユーシンク、ゲームオンデュード)が強くなった印象です。その2頭が先行型であり、スマートファルコンとトランセンドにとって難しいレース運びが求められます。

表記の注意
  • 次のように省略することがある(f=ハロン、S.=ステークス、T.=トロフィー、C.=カップ、D=ダート、AW=オールウェザー、米BC=ブリーダーズカップ、英BC=ブリティッシュチャンピオンシリーズ)
  • 主な成績で2011年以降のレースは施行年を記載しない。
  • リンク先は主に当ブログ過去記事だが、他サイト・ブログの場合もある。
  • 内容の正確性は保証しない
ドバイワールドカップ(Dubai World Cup)
2012年3月31日、ドバイ・メイダン競馬場、オールウェザー
G1、14頭、総賞金1000万米ドル、1着賞金600万米ドル
グリーンチャンネル放送予定(無料)、ドバイ公式サイト出馬表(英語)



馬名性齢 斤量
騎手
通算成績
主な成績
1マスターオブハウンズ
Master of Hounds(USA)
4牡 57.0kg
C.スミヨン
13戦【2-4-3-4】
G1ジェベルハッタ1着、UAEダービー2着
2エイシンフラッシュ
Eishin Flash(JPN)
5牡 57.0kg
C.ルメール
16戦【4-3-4-5】
2010日本ダービー1着、有馬記念2着
3ザズー
Zazou(GER)
5牡 57.0kg
O.ペリエ
19戦【7-1-4-7】
伊G1ローマ賞1着、G1香港カップ3着
4ソーユーシンク
So You Think(NZ)
5牡 57.0kg
J.オブライエン
20戦【12-4-1-3】
G1競走8勝
5スマートファルコン
Smart Falcon(JPN)
7牡 57.0kg
武豊
33戦【23-4-1-5】
G1帝王賞1着、G1東京大賞典2連覇
6プランテュール
Planteur(IRE)
5牡 57.0kg
R.ムーア
14戦【5-4-0-5】
仏G1ガネー賞1着
7ロイヤルデルタ
Royal Delta(USA)
4牝 55.0kg
J.レスカーノ
9戦【5-2-1-1】
米G1 BCレディースクラシック1着
8モンテロッソ
Monterosso(GB)
5牡 57.0kg
M.バルザローナ
14戦【6-2-1-5】
昨年の3着馬、G1アルマクトゥームCR3・4着
9シルヴァーポンド
Silver Pond(FR)
5牡 57.0kg
J.ムルタ
12戦【4-2-3-3】
G1香港ヴァーズ3着
G1アルマクトゥームCR3・2着
10トランセンド
Transcend(JPN)
6牡 57.0kg
藤田伸二
20戦【10-5-0-5】
G1ジャパンカップダート1着
G1フェブラリーS.1着
11カッポーニ
Capponi(IRE)
5牡 57.0kg
A.アジュテビ
13戦【6-2-0-5】
G1アルマクトゥームチャレンジR3優勝
12プリンスビショップ
Prince Bishop(IRE)
5セン 57.0kg
L.デットーリ
15戦【6-1-1-7】
G1アルマクトゥームCR3・3着、昨年10着
13メンディップ
Mendip(USA)
5牡 57.0kg
S.サウザ
10戦【6-0-1-3】
G2アルマクトゥームCR2優勝
14ゲームオンデュード
Game On Dude(USA)
5セン 57.0kg
C.サザーランド
15戦【6-4-1-4】
米G1グッドウッドS.1着、BCクラシック2着


◎スマートファルコン
○エイシンフラッシュ
▲ソーユーシンク
△ザズー
△ゲームオンデュード
△トランセンド 
△カッポーニ


カッポーニ Capponi は重賞初出走だった前走のG1アルマクトゥームチャレンジ・ラウンド3で、3番手以下を離す2番手を追走し、4コーナーで先頭に立つとゴール前では一度詰められた差を広げて優勝。2着の香港ヴァーズ3着馬シルヴァーポンドには4馬身差をつけた。メイダン競馬場・AW1900mと2000mは3戦連続で1位入線(1戦は失格)している。勢いはあるし、前走も強かったが、本番の今回は展開もメンバーも異なる。

2012年G1アルマクトゥームチャレンジR3のレース映像。6番枠、濃緑色の勝負服、白帽子がカッポーニ。ドバイWC ではゴドルフィンの勝負服に変わるので注意。




ゲームオンデュード Game On Dude は後方待機馬が1,3着だった昨年の米G1 BCクラシック(D10ハロン)で逃げて1・1/2馬身差2着。これまでもほとんど逃げまたは先行しています。米G1競走2勝しているダートのほうが得意だと思いますが、AW10ハロンG1でもハナ差2着があります。C.サザーランド騎手は、女性騎手としてはこのレース初騎乗となる点も注目されています。2月の米G2は後方からになりましたが5馬身差で勝っており、順調な様子。

2011年BCのレース映像。逃げる8番がゲームオンデュード。その直後追走する5番が後述ソーユーシンク。特に4コーナーから直線入り口にかけていったん他の先行馬に並ばれたのに、また突き放すところに注目。




エイシンアポロンの半弟であるマスターオブハウンズ Master of Hounds は、3月10日のドバイG1ジェベルハッタ(芝1800m)でいつもと戦法を変え、思い切って逃げると2着に3/4馬身差をつけて優勝し、G1初勝利を挙げた。その2走前G2アルマクトゥームチャレンジ・ラウンド2(AW1900m)はメンディップの3着に敗れた。昨年はUAEダービー(AW1900m)ハナ差2着。米G1ケンタッキーダービー(D10ハロン)は後方を進み約5馬身差5着で、ゲームオンデュードより下に見て良いのではないかと。

2012年ジェベルハッタのレース映像。



昨年のドバイデューティーフリー6着のメンディップ Mendip は今年はこちらに。G2アルマクトゥームチャレンジ・R2は後方2番手追走からマスターオブハウンズらを差し切って勝ったが、G1アルマクトゥームチャレンジ・R3はカッポーニから大差の11着。直線途中では届かないのが明らかだったからか追うのを止めていることが確認でき、そこまで実力差は無いが、2010年UAEダービーでも3馬身差3着どまりで格下です。

2012年アルマクトゥームチャレンジ・R2のレース映像。濃緑色の勝負服、赤色の帽子がメンディップ。黄色の勝負服・青色の帽子がマスターオブハウンズ。




昨年ヴィクトワールピサから3/4馬身差3着だったモンテロッソ Monterosso は、アルマクトゥームチャレンジR3でそれ以来の出走。4,5番手を追走し、カッポーニから6・1/2馬身差の4着に入った。約1年ぶりの出走としては上出来で、昨年の結果を重視するなら。

2011年ドバイワールドカップのレース映像。最内を先行する青色の勝負服、白色の帽子がモンテロッソ。ゴール直前でもう一度伸びていました。



プランテュール Planteur は昨年の仏G1ガネー賞(芝2100m)でサラフィナ(仏G1・3勝。ナカヤマフェスタとヒルノダムールが出走したフォア賞1着)を破って優勝。しかし2010年G1香港カップ(芝2000m)でスノーフェアリーから2馬身差5着、昨年の英G1プリンスオブウェールズS.で7馬身差4着など、後述ソーユーシンクとの比較では明らかに劣る。


デットーリが騎乗するのはプリンスビショップ Prince Bishop。昨年はヴィクトから5馬身差10着。今年はG1アルマクトゥームチャレンジ・R2でメンディップの5着、R3でカッポーニの3着では上位は狙えないでしょう。


G1アルマクトゥームチャレンジ・R3でカッポーニの4馬身差2着だったシルヴァーポンド Silver Pond はガネー賞でプランテュールから3馬身差5着。12月のG1香港ヴァーズ(芝2400m)で1・1/2馬身差3着は素晴らしいが(トレイルブレイザーが4・1/2馬身差6着)、2400mの方が向いていると思うし、その距離でも欧州の一流とは言えなくて。



ソーユーシンク So You Think は2010年までにオーストラリアでG1を5勝し、昨年アイルランドのA.オブライエン厩舎に移籍。愛G1タターソールズゴールドカップ英G1エクリプスS.(2着は凱旋門賞馬ワークフォース)、G1愛チャンピオンS.(2着スノーフェアリー)と10ハロンのG1を3勝した。

英G1プリンスオブウェールズS.ではリワルディング(ドバイシーマクラシック勝ち馬)の2着、G1英チャンピオンS.ではシリュスデゼーグルの2着(スノーフェアリーが3着)に敗れているが、欧州の芝10ハロンG1を5戦してパーフェクト連対とヨーロッパ中距離最強クラス。豪州でも1800-2040mは6戦全勝(すべて重賞。うち5戦はG1)。逃げ馬のすぐ後ろでレースを運ぶことが多く、スマートファルコンとトランセンドにとってきわめて厄介な相手です。

また2ヶ月で4戦目だったBCクラシックでもゲームオンデュードから2馬身以内の6着に入っており、オールウェザー適性次第で十分逆転可能。ただしBCクラシック以来、約5ヶ月ぶりの出走である。

エクリプスS.のレース映像。ピンクの帽子が2010凱旋門賞馬ワークフォース。紫の帽子・勝負服がソーユーシンク。

愛チャンピオンS.のレース映像。黄色と赤の勝負服はスノーフェアリー。




ザズー Zazou は昨年10月の伊G1ローマ賞(芝2000m)で優勝し、G1香港カップ(芝2000m)は1・1/2馬身差の3着。前走3月の仏メイダンホテル賞(AW1900m)で優勝し、2戦連続でシリュスデゼーグル(2011年ヨーロッパ最優秀古馬)に先着した。そのシリュスデゼーグルは前述どおり10ハロンの英G1チャンピオンS.でソーユーシンクに先着している。外国2強を負かすならこの馬ではないか。

メイダンホテル賞のレース映像はこちら(有料)。

2011年ローマ賞のレース映像。



唯一頭の牝馬であるロイヤルデルタ Royal Delta は昨年の米3歳牝馬G1アラバマS.と、G1 BCレディースクラシック(ダート9ハロン)を勝ち、最優秀3歳牝馬に選ばれた。ただし米国内でも同じ牝馬相手に負けるのが普通で、BCの前には米牝馬G1ベルデイムS.(ダート9ハロン)でハヴルドグレース(年度代表馬)から8馬身差2着、また3月の米G2サビンS.(ダート8.5ハロン)でも、牝馬G1馬オーサムマリアから8馬身差の2着に敗れています。ここでは厳しい。

2012年3月25日日曜日

2012年G1アルクォーツスプリントの出馬表(エーシンヴァーゴウ出走予定)

日本からエーシンヴァーゴウが出走するアルクオーツスプリントの出走予定馬です。昨年の2-5着馬に加えて、香港の強豪2頭が揃っている強力なメンバーです。というより、「この馬は要らないかな」と思えるのは3頭(アディクティヴドリーム、ムッシュジョー、ノクターナルアフェアー)しかいないのですが、エーシンヴァーゴウもラッキーナインに2戦続けて先着する実力があり、アイビスサマーダッシュを内枠で勝っているように1000m適性も抜群のようなので頑張ってもらいたい。

表記の注意
  • 次のように省略することがある(f=ハロン、S.=ステークス、T.=トロフィー、C.=カップ、D=ダート、AW=オールウェザー、米BC=ブリーダーズカップ、英BC=ブリティッシュチャンピオンシリーズ)
  • 主な成績で2011年以降のレースは施行年を記載しない。
  • リンク先は主に当ブログ過去記事だが、他サイト・ブログの場合もある。
  • 内容の正確性は保証しない
G1アルクォーツスプリント(Al Quoz Sprint Sponsored By Emirates NBD)
2012年3月31日(日本時間24時00分発走)、ドバイ・メイダン競馬場、芝1000m
総賞金100万米ドル、1着賞金60万米ドル
斤量:57kg、牝馬2kg減、公式サイト出馬表(英語)
グリーンチャンネル放送予定(無料) 



馬名
英語(生産国)
性齢 斤量
騎手
通算成績、重賞成績
主な成績
1ムッシュジョー
Monsieur Joe(IRE)
5セン 57kg
P.コスグレーヴ
28戦【6-5-2-15】、2戦【0-0-0-2】
メイダンスプリント3/4馬身差4着
2アディクティヴドリーム
Addictive Dream(IRE)
5セン 57kg
A.ニコルス
21戦【5-4-2-10】、1戦【0-0-0-1】
ドバイG3マハーブアルシマール
 (AW1200m)5着
3リーガリーレディ
Regally Ready(USA)
5セン 57kg
C.ナカタニ
19戦【9-2-5-3】、7戦【4-0-2-1】
加G1ニアークティックS.1着
4エーシンヴァーゴウ
A Shin Virgo(JPN)
5牝 55kg
福永祐一
18戦【7-3-3-5】、6戦【2-0-2-2】
G2セントウルS.1着
G1スプリンターズS.3着
5ノクターナルアフェアー
Nocturnal Affair(SAF)
5セン 57kg
R.ムーア
26戦【7-5-4-10】、9戦【2-1-2-4】
南アG3を2勝
6ジョイアンドファン
Joy And Fun(NZ)
8セン 57kg
B.ドイル
52戦【12-5-4-31】、32戦【4-2-3-23】
香港LG1チェアマンズスプリント1着
G1香港スプリント2着
7インヴィンシブルアッシュ
Invincible Ash(IRE)
7牝 55kg
J.スペンサー
46戦【9-8-4-25】 、7戦【1-0-0-6】
昨年1/2馬身差4着
メイダンスプリント1着
8オーガストラッシュ
August Rush(SAF)
5セン 57kg
G.スコフィールド
19戦【5-4-2-8】、8戦【1-2-1-4】
ドバイG3マハーブアルシマール3着
9ウォーアーティスト
War Artist(AUS)
8セン 57kg
K.シーア
33戦【9-5-3-16】、24戦【5-4-3-12】
昨年頭差2着
10オルテンシア
Ortensia(AUS)
6牝 55kg
C.ウィリアムズ
29戦【10-3-4-12】、19戦【4-1-3-12】
豪G1ウィンターボトムS.1着
2010年香港スプリント5着
11イーグルレジメント
Eagle Regiment(AUS)
4セン 57kg
O.ドゥルーズ
11戦【6-3-0-2】、2戦【1-0-0-1】
港LG1センテナリースプリントC.1着
12プロヒビット
Prohibit(GB)
7セン 57kg
J.クロウリー
45戦【9-5-7-24】、12戦2【2-1-3-6】
昨年3馬身差5着
英G1キングススタンドS.(芝5f)1着
英G1ナンソープS.3着
13ベタービーザワン
Better Be The One(AUS)
5セン 57kg
K.ファロン
25戦【11-2-4-8】、8戦【2-1-1-4】
昨年3着(アタマ+アタマ)
14シークレットアセット
Secret Asset(IRE)
7セン 57kg
G.ベイカー
41戦【6-5-4-26】、5戦【0-1-1-3】
仏G1アベイユドロンシャン賞2着
15ソールパワー
Sole Power(GB)
5セン 57kg
J.ムルタ
22戦【4-3-4-11】、12戦【2-1-2-7】
2010年の英G1ナンソープS.1着
G1香港スプリント9着
16マルゴットディド
Margot Did(GB)
4牝 55kg
H.ターナー
15戦【5-3-2-5】、7戦【1-2-0-4】
英G1ナンソープS.(芝5f)1着


香港のローカルG1センテナリースプリントカップ勝ち馬イーグルレジメントは1200mは2戦していずれも着外。1000mは9戦してパーフェクト連対しています。

ジョイアンドファンは、昨年末の香港スプリント2着。香港ローカルG1チェアマンズスプリントでラッキーナインを負かして優勝し、その前走センテナリースプリントカップでもイーグルレジメントのクビ差2着。ちなみに2010年に当時1200mのG3だったアルクォーツスプリントを勝っています。

この2頭はレベルの高い香港スプリント路線のトップクラスでこの2頭が最有力と見る。



昨年アルクォーツスプリントの2-5着馬について

昨年2着ウォーアーティストは8歳馬だが、直近1年のG1成績と1年前までのそれと比べても特に衰えたと判断できるところはない。

ベタービーザワンは昨年の3着馬。シンガポールG1でロケットマンから5馬身差2着もある。前走ノクターナルアフェアー(後述)から約5馬身差7着だったがこれはハンデ戦でのことで4.5kgも重い斤量で逆転は必至。

インヴィンシブルアッシュは昨年の4着馬で、前走はここの前哨戦メイダンスプリントで優勝しており順調。

プロヒビットは昨年の5着馬。ただ前走のメイダンスプリントがすでに1戦使っていたにもかかわらず9着に終わっており、昨年に比べれば臨戦過程に不安あり。しかし昨年のこのレースの後、英G1のキングススタンドS.を勝ち、続くナンソープS.でも3着に入ったことは見逃せない。

というわけで、昨年の上位組は全部怖い。



他のG1馬

オーガストラッシュはシンガポールの Ato が回避したためゴールデンシャヒーンからこちらに変更。前走はゴールデンシャヒーンの前哨戦であるG3マハーブアルシマールで3着で、それが昨年7月の南アフリカのスプリントG1勝ち以来の出走でした。その前走もG1で2着。09年と昨年のこのレース勝ち馬は南アフリカ生まれのジェイジェイザジェットプレーンが勝っているように、スプリント路線でも要注意です。

オルテンシアは昨年11月の豪G1ウィンターボトムS.(芝1200m)の勝ち馬で、それ以来の出走となる。そのウィンターボトムS.自体は「G1.5」ぐらいかなというメンバーで、香港勢ほど強力だとは思わないですが、短距離で強い豪州馬ですし、2月27日にバリアトライアルで1着しているのである程度は仕上がっているはず。

リーガリーレディは昨年の加G1でG1初勝利。その次走の米G2 BCターフスプリントも勝つなど、北米芝スプリント重賞4勝している。うち1000m戦が2勝。メイダンスプリントは13着だった。アルクォーツスプリントに出走するアメリカ馬としてはここ3年で最も強い1頭。

英G1ナンソープS.を勝っているマルゴットディドは、その次走の仏G1アベイユドロンシャン賞で15着に惨敗。前走メイダンスプリントは5ヶ月ぶりの出走で約5馬身差8着。安定感が無く少し劣るメンバーか。

メイダンスプリント2着のソールパワーは2010年の英G1ナンソープS.勝ち馬。昨年は仏G1アベイユドロンシャン賞僅差3着で香港スプリントは4.5馬身差9着。ちなみにカレンチャンは香港スプリント2・1/2馬身差4着。香港勢ほどではないか。


印は次のとおりにつけますが、馬券を買えるなら◎=○の馬連1点で買うだろうなぁとおもいます。

◎ジョイアンドファン
○イーグルレジメント
▲ベタービーザワン
△エーシンヴァーゴウ
△インヴィンシブルアッシュ
△リーガリーレディ
△オルテンシア
△オーガストラッシュ

サラブレッド用「疲労回復促進スーツ」

3月10日の豪G1ニューマーケットH.(芝1200m)を勝ったハイリストが競馬場から去るときに装着していたスーツが話題になってますね。

馬界の一流アスリート達必見! 馬用ボディスーツでムッキムキ : ギズモード・ジャパン
Hay List's revolutionary compression suit for recovery | thetelegraph.com.au

まあ以前にnetkeibaでおにぎりさんが紹介されていたのを読んで(「思わず2度見 - おにぎりくんさんのひとこと日記」)、そのうちこのブログでも取り上げようと思っていましたが、ギズモードに先を越されるとは思わなかった。


このスーツはオーストラリアの Hidez 社製。蹄に近いほど強い圧力をかけることで、体の末端部から心臓に血液を速く届けるように設計されています。それにより全身の血流量を増やし、つまり酸素の供給量を増やし、疲労物質や二酸化炭素を速やかに取り除くことで、レースや調教による疲労の回復を速めることが期待されるとのこと。また筋肉の温度を一定に保つことで怪我の予防にもなり、あるいは筋肉痛になることを防ぐそうです。

人間でもそういう段階的に異なる圧力がかかっていて「疲れにくい」「むくまない」と謳う靴下やストッキングなんかがありますが、それの競走馬版です。 仕組みについてもっと興味がある人は Hidez 社のサイトか、"Graduated Compression"や「段階的弾性」「段階的弾性」などで検索して調べてください。

ハイリストはこれまでも順調に使えないことが多かったので、このスーツを積極的に試しているようです。調教師も効果に満足しているとのことでこれから他の競走馬でも当たり前のように使われる未来が来るかもしれません。


(とはいえ筋肉については良いのでしょうが、挫石は防げないので、ハイリストはニューマーケットH.で完封したフォックスウェッジに、23日の豪G1ウィリアムリードS.(芝1200m)で敗れていました)

2012年3月24日土曜日

2012年ドバイワールドカップ出走予定馬の最新版(3月22日付)

ドバイレーシングクラブが、3月31日に行なわれるドバイワールドカップデーの出走予定馬を発表しています。

http://www.dubaiworldcup.com/sites/default/files/Likely Fields March 22.pdf

以前紹介した18日分から、取り消しや出走レースの変更のある馬もいますので、ご確認ください。

豪G1クールモアクラシックは女性騎手キャシー・オハラ騎乗のオフコーズアイキャンが勝ち、人馬ともにG1初勝利

3月24日に行われた豪牝馬G1クールモアクラシック(芝1500m)は、後方2,3番手を進んだオフコーズアイキャンが大外から差し切って優勝し、G1初勝利を挙げました。

25歳のK.オハラ(O'Hara)騎手もG1初勝利で、オーストラリア人女性騎手がG1を勝つのは4人目。2005年に2着し、2006年にも僅差3着があったとのこと。「ロン(・クイントン調教師)が続けて乗せてくれたことに感謝します。前走の勝利のあと、この馬に乗りたい騎手がたくさんいるだろうことは分かっていました。」

オフコーズアイキャンは重賞4戦目だった前走のG3リヴァプールシティカップ(芝1300m)でオハラ騎手が初騎乗すると3馬身差で勝って重賞初勝利を挙げていました。


2010年の豪3歳牝馬G1フライトS.(芝1600m)および豪G1エプソムH.(芝1600m)の勝ち馬シークレットアドマイヤーが僅差2着。2010年のG1ニュージーランド1000ギニー(芝1600m)勝ち馬キングスローズが3着でした。

こちらも女性騎手のM.ペインが騎乗した、母父フジキセキのヨーセイ(G1競走3勝)は、1・1/2馬身差の4着。ペイン騎手は残り900mから400mまでの間にオフコーズアイキャンからたびたび不利を受けたと抗議しましたが、採決委員は却下しています。

2012年クールモアクラシックのレース映像。後方2,3番手の赤い帽子がオフコーズアイキャン。その外を進む黄色の帽子がヨーセイ。

オフコーズアイキャンの5代血統表バファリングなどの父モスマン産駒はG1初勝利。 オフコーズアイキャンの半弟ギミーザグリーンライトは、今年の南アG1クイーンズプレート(芝1600m)を勝ち、その次走の南アG1 J&Bメット(芝2000m)でも3着しています。

クールモアクラシック(Coolmore Classic)
2012年3月24日、オーストラリア・ローズヒル競馬場、芝1500m
3歳以上牝馬、ハンデ戦、G1、13頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1オフコーズアイキャン
Ofcourseican
5牝
13倍
K.オハラ53.5kg1分30秒3526戦【8-5-5-8】
重賞2連勝
2シークレットアドマイヤ
Secret Admirer
4牝
11倍
B.アヴドゥラ58.0kgアタマ13戦【3-3-4-3】
G1競走2勝
3キングスローズ
King's Rose
4牝
5倍
L.ノーレン57.5kg短クビ19戦【8-3-1-7】
古馬G1でも2着2回

豪G1ランヴェットS.はマニガーがG1競走2連勝

3月24日に行われた豪G1ランヴェットS.は、10日の前走も同じ2000mの豪G1オーストラリアンカップを勝っていたマニガーと、1昨年のこのレースの2着馬ランギランドゥーが残り400mで先頭に並ぶとゴールまで2頭が馬体を並べて追い比べに。外のマニガーが頭差だけ先着し、G1競走2勝目を挙げました。


同じく10日の豪G1ノートンS.(芝1600m)でG1競走3勝目を挙げていたシュートアウトが1番人気3着。オーストラリアンカップでハナ差2着のサザンスピードが5着。こちらも10日の新G1ニュージーランドS.(芝2000m)勝ち馬スカーレットレディは10着でした。

ちなみにランギラングドゥーは父ペンタイア。シュートアウトは母父ペンタイアです。

2012年ランヴェットS.のレース映像。内から4頭目の芦毛がマニガー。4番手あたりを先行する青い帽子がランギランドゥーです。

ランヴェットステークス(Ranvet Stakes)
2012年3月24日、オーストラリア・ローズヒル競馬場、芝2000m
3歳以上、G1、13頭、レース結果、 総賞金40万豪ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1マニガー
Manighar
6セン
6.5倍
L.ノーレン59kg2分04秒7326戦【9-4-4-9】
仏G2と豪G3をそれぞれ1勝
2ランギラングドゥー
Rangirangdoo
7セン
17倍
C.ブラウン59kgアタマ25戦【10-8-2-5】
豪G1ドンカスターマイル1着
3シュートアウト
Shoot Out
5セン
3倍
J.ボウマン59kg128戦【8-4-5-11】
豪G1オーストラリアンダービー1着

米3歳G2タンパベイダービーはプロスペクティヴが重賞2勝目

3月10日に行われた米3歳G2タンパベイダービー(ダート8.5ハロン)は、中団追走の2番人気プロスペクティヴが向こう正面で先頭に立つと、最終コーナーで最内を回ったゴールデンチケットの追い上げを凌いで優勝し、重賞2勝目を挙げました。

プロスペクティヴは2月に同競馬場・同距離のG2サムF.デイヴィスS.で2着。BCジュべナイルは13着に敗れていました。

1着から約4馬身差3着に、ハットトリック産駒ハウグレートが勝ったキトゥンズジョイS.で約5馬身差4着だったコゼッティ。1番人気の良血スプリングヒルファームは4着。サムF.デイヴィスS.勝ち馬バトルハーデンドは6着でした。

プロスペクティヴの5代血統表。父はマリブムーンで次走はG1ウッドメモリアルS.(ダート9ハロン)の予定。今回はメンバーがそれほどでもなかったので次走が試金石。

2012年タンパベイダービーのレース映像。


タンパベイダービー(Tampa Bay Derby)
2012年3月10日、アメリカ・タンパベイダウンズ競馬場、ダート8.5ハロン
3歳、G2、頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金35万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1プロスペクティヴ
Prospective
3牡
4.1倍
L.コントレラス1分43秒357戦【4-2-0-1】
加G3グレイS.1着
2ゴールデンチケット
Golden Ticket
3牡
13.8倍
M.クルツ3/47戦【1-3-1-2】
重賞初出走
3コゼッティ
Cozzetti
3牡
9.1倍
J.レスカーノ36戦【1-0-1-4】
G1キャッシュコールF.8着

2012年3月23日金曜日

2012年UAEダービーの出馬表(ゲンテンが出走予定)

日本からはゲンテンが出走するG2 UAEダービーの出走予定馬です。後続を大きく離して逃げる「プチ・サイレンススズカ」な競馬でウルグアイ2冠を制したボビーディジョブがいるので、スタートから見所のあるレースになりそうです(例えばこのYouTube動画はウルグアイ3歳3冠の第2戦目のもの。ウルグアイ三冠についてはこちら)。

(追記:理由は不明ですが、ボビーディジョブは出走しないようです。)

表記の注意
  • 次のように省略することがある(f=ハロン、S.=ステークス、T.=トロフィー、C.=カップ、D=ダート、AW=オールウェザー、米BC=ブリーダーズカップ、英BC=ブリティッシュチャンピオンシリーズ)
  • 主な成績で2011年以降のレースは施行年を記載しない。
  • リンク先は主に当ブログ過去記事だが、他サイト・ブログの場合もある。
  • 内容の正確性は保証しない
G2 UAEダービー(UAE Derby)
2012年3月31日(日本時間23時25分)、ドバイ・メイダン競馬場、AW1900m
総賞金200万米ドル、1着賞金120万米ドル
北半球産3歳55.0kg、南半球産3歳59.5kg、牝馬2kg減、公式サイト出馬表(英語)
グリーンチャンネル放送予定(無料)



馬名
英語表記(生産国)
性齢 斤量
騎手
通算成績、重賞成績(ローカル含む)
主な成績
1ラッキーチャッピー
Lucky Chappy(IRE)
3牡 55.0kg
A.ガルシア
7戦【2-3-1-1】、3戦【0-1-1-1】
米G1BCジュベナイルターフ(芝1マイル)4着
2ブラーノ
Burano(IRE)
3牡 55.0kg
K.ファロン
7戦【1-2-0-4】、1戦【0-0-0-1】
G3 UAE2000ギニー(AW1600m)8着
準重賞メイダンクラシック(AW1600m)1着
3メリタイマー
Maritimer(CAN)
3牝 55.0kg
G.スコフィールド
6戦【3-2-0-1】、1戦【0-0-0-1】
加G3サマーS.(芝8ハロン)4着
加AW戦で2連勝
4バラダセール
Balada Sale(ARG)
4牝 57.5kg
C.ルメール
6戦【5-0-0-1】、3戦【3-0-0-0】
亜G1亜1000ギニー(D1600m)1着
亜G1亜オークス(D2000m)11馬身差1着
5ゲンテン
Genten(JPN)
3牡 55.0kg
C.ウィリアムズ
6戦【2-1-1-2】、2戦【0-0-1-1】
G2デイリー杯2歳S.(芝1600m)3着
6ミックダーム
Mickdaam(IRE)
3牡 55.0kg
C.スミヨン
6戦【2-1-1-2】、1戦【0-1-0-0】
G3 UAE2000ギニー2着
準重賞アルバスタキヤ1着
7ダディーロングレッグス
Daddy Long Legs(USA)
3牡 55.0kg
C.オドノヒュー
4戦【2-0-0-2】、3戦【1-0-0-2】
英G2ロイヤルロッジS.(芝8f)1着
米G1BCジュベナイル(D8.5f)12着
8ヤンチェキアン
Yang Tse Kiang(FR)
3牡 55.0kg
T.ジャルネ
5戦【2-2-1-0】、1戦【0-1-0-0】
仏G3コンデ賞(芝1800m)2着
9キングレット
Kinglet(USA)
3牡 55.0kg
L.デットーリ
7戦【3-1-2-1】、1戦【1-0-0-0】
G3 UAE2000ギニー1着
準重賞アルバスタキヤ(AW1900m)9着
10フォールズオブローラ
Falls of Lora(IRE)
3牝 53kg
M.バルザローナ
7戦【3-1-0-3】、2戦【1-0-0-1】
仏G1マルセルブサック賞(芝1600)5着
G3 UAEオークス(AW1900m)1着
11エンティファーダ
Entifaadha(GB)
3牡 55.0kg
R.ヒルズ
5戦【2-1-1-1】、2戦【1-0-1-0】
英G3エイコムS.(芝7ハロン)1着
準重賞メイダンクラシック2着
12レッドデューク
Red Duke(USA)
3牡 55.0kg
T.クウィリー
6戦【2-1-2-1】、4戦【1-1-1-1】
英G2スーパーレイティヴS.(芝7f)1着
13ロウト
Wrote(IRE)
3牡 55.0kg
R.ムーア
5戦【3-0-2-0】、2戦【1-0-1-0】
米G1BCジュベナイルターフ1着
英G2ロイヤルロッジS.3着
14ヘルメット
Helmet(AUS)
3牡 59.5kg
K.マケヴォイ
12戦【6-0-3-3】、9戦【4-0-5-0】
豪G1コーフィールドギニー(芝1600m)1着
G1競走3勝
補欠が3頭いるので、回避馬によっては繰り上がり有り。

南半球産馬は北半球産馬に比べて斤量が重く設定されるが、過去5年中3年は南半球産馬が制している。またUAE2000ギニーや前哨戦の準重賞アルバスタキヤの上位陣はその実績どおり走ることが多く信頼度は高い。

アルゼンチン産馬は(まだダート施行時のことだが)07年アジアティックボーイ、08年オナーデビルと2連覇しており、そのアルゼンチンオークスで圧勝したのがバラダセール。逃げて直線に入ると後続をグングン突き離し11馬身差をつけました。その後、吉田勝己氏が購入しています。11月のオークス以来の出走である点は気になる。


(回避)同じ南米でもボビーディジョブはウルグアイで2冠を制したブラジル産馬。3歳三冠第2戦目のジョッキークラブ大賞(D2000m)はのちのダービー馬に8馬身差をつけて圧勝している。後続を大きく離して逃げる特徴的なレースをします。


UAE2000ギニーの勝ち馬であるキングレットはその次走の準重賞アルバスタキヤで距離が伸びたためか凡走した。その2000ギニーで1/4馬身差2着し、アルバスタキヤで勝ったミックダームの方が信頼できそう。また昨年はオークスとダービーの連勝が見られたが、今年のオークスは時計が遅かったので、フォールズオブローラによる2年連続のダブルは無さそうか。


A.オブライエンの2頭、ダディーロングレッグスとロウトはロイヤルロッジS.(芝8ハロン)で直接対決しており、前者が約4馬身差先着して優勝したが、後者は父ハイシャパラルで距離伸びて逆転すると思う。


アメリカのラッキーチャッピーもハイシャパラル産駒。BCジュベナイルターフ(芝8ハロン)ではロウトから4馬身差4着。2月の米G3エルカミノリアル ダービー(AW8.5ハロン)ではハナ差2着。後方からコーナーで外を回って追い込んでくるタイプなので少しでも直線が長くなることは歓迎できる。ちなみ にキトゥンジョイS.(芝8.5ハロン) でラッキーチャッピーを負かしたのが、その次走米G3を勝ったハットトリック産駒ハウグレートなので、そういう点でも注目。


一昨年は豪州産馬のワンツーでしたが、豪G1を3勝しているヘルメットは近走がいまいちだし、血統的に距離伸びて良いとも思わないので扱いが難しい。


フランスのヤンチェキアンは種牡馬カヤージの最後の世代。前走3月のAW1900m戦で2馬身差をつけて快勝してここへ。また10月の仏2歳G3コンデ賞(芝1800m)で2着し、そのとき2馬身後方で4着だった Tifongo はその次走の仏G1クリテリウム・ド・サンクルー(芝2000m)で1着から3・1/2馬身差5着(8頭立て)。


ボビーディジョブがいなくなったので、ハイペースになる確率は下がりましたが、距離実績は重視して、自信は無いが印をつけるなら次のとおり。

◎バラダセール
○ミックダーム
▲ヤンチェキアン
△ヘルメット
△ロウト
△ゲンテン

ボビーディジョブが出走しないなら見る価値半減したように思う。

キョウワアリシバの甥ジェモロジストがケンタッキーダービー路線の有力候補に

3月16日に行われたアローワンス戦(ダート1マイル)に出走したジェモロジストが、米2歳G1ホープフルS.(ダート7ハロン)勝ち馬カレンシースワップに7馬身差をつけて圧勝しました。

ジェモロジストの5代血統表。母の半兄が日本で走ったキョウワアリシバ。ジェモロジストはスティルインラブやローブデコルテの従兄弟でもあります。

ジェモロジストはこれで4戦4勝。昨年11月の米2歳G2ケンタッキージョッキークラブS.(ダート8.5ハロン)1着以来の出走でした。カレンシースワップも半年振りの出走だったとはいえ、これを楽にちぎったことで今後が楽しみになりました。

次走は距離を延ばして4月7日のG1ウッドメモリアルS.(ダート9ハロン)の予定。このレースにはウィザースS.勝ち馬アルファ、タンパベイダービー勝ち馬プロスペクティヴなどが出走予定です。ちなみにウッドメモリアルS.出走予定だったBCジュベナイル勝ち馬ハンセンは翌週のG1ブルーグラスS.に向かう可能性が高くなっています。

豪G1ウィリアムリードS.は3歳馬フォックスウェッジがハイリストを破りG1初勝利

3月22日に行われた豪G1ウィリアムリードS.(芝1200m)は、1番人気ハイリストが2番手先行から最後の直線で先頭に立ちましたが、直後の3番手を追走したフォックスウェッジが残り50mで交わして優勝し、重賞3勝目、G1初勝利を挙げました。

10日の豪G1ニューマーケットH.(芝直線1200m)の3着馬がそのときの1,2着馬に先着した結果になりました。ただフォックスウェッジはニューマーケットH.でハイリストから8.5kgのハンデを貰って2馬身差3着だったところを、斤量差が2.5kgに小さくなったのに逆転しています。

ハイリストは中間、挫石の報道がありましたが、調教師は問題が無いと述べていましたし、獣医師が診察して出走は許可されています。またバファリングに1.7馬身差をつけているので、これもほとんど関係なかったと思われますが、両者万全の状態でもう1回みたいですね。

フォックスウェッジの5代血統表。父ファストネットロックの9頭目のG1勝ち馬。このひとつ前のG3でもファストネットロック産駒が勝っています。また母フォレストネイティヴの子が勝つのはこの1週間で3頭目

2012年ウィリアムリードS.のレース映像

ウィリアムリードステークス(Power Tracker William Reid Stakes)
2012年3月23日、オーストラリア・ムーニーヴァレー競馬場、芝1200m
3歳以上、G1、8頭、Good、レース結果、総賞金40万豪ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1フォックスウェッジ
Foxwedge
3牡
12倍
N.ラウィラー
56.0kg
1分10秒2712戦【5-2-2-3】
重賞2勝。G1で2着1回
2ハイリスト
Hay List
6セン
1.55倍
G.スコフィールド
58.5kg
0.8馬身23戦【15-6-0-2】
G1競走3勝
3バファリング
Buffering
4セン
8.5倍
M.ロッド
58.5kg
1着から
2・5馬身
23戦【8-5-4-6】
重賞1勝

2012年3月22日木曜日

2011年ウルグアイ3歳三冠はボビーディジョブが2冠も、ダービーはドップラヴが制す

2011年の9月から11月に行われたウルグアイ3歳3冠は、第1戦と第2戦をボビーディジョブが圧勝しましたが、第3戦のダービーは第1戦の2着馬トップラヴがゴール直前でボビーディジョブを差し切って優勝し、三冠を阻止しました。

ボビーディジョブは、日本からはゲンテンが出走するUAEダービー(AW1900m)に出走する予定です。三冠はなりませんでしたが、後続を大きく離す逃げは見ていて面白く、4ヶ月ぶりの競馬になるUAEダービーでも魅せる競馬をしてほしい。


第1戦ポージャ・デ・ポトリロス(ダート1600m、ウルグアイ2000ギニー)は、ここまで重賞2連勝だったボビーディジョブがスピードの違いを見せ付ける逃げ切りで優勝しました。

2着に近2走はボビーディジョブから10馬身以上離されていたトップラヴが、3着に重賞初出走の人気薄ナンスークが入っています。

レース映像。8番枠、白の胴に黒の袖の勝負服がボビーディジョブです。

ポージャ・デ・ポトリロス大賞(Maronas: Gran Premio Polla de Potrillos)
2011年9月11日、ウルグアイ・マロナス競馬場、ダート1600m
3歳牡馬、G1、11頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績(このレースまで)
主な成績
1ボビーディジョブ
Boby Di Job
3牡
1.7倍
L.カセレス
56kg
1分35秒076戦【4-0-1-1】
重賞3連勝
2トップラヴ
Dopplavu
3牡
20.6倍
R.ソウザ
56kg
5・3/49戦【2-2-0-5】
前走は重賞4着
3ナンスーク
Nansouk
3牡
45.85倍
C.スアレス
56kg
19戦【1-0-3-5】
重賞初出走



水の浮く不良馬場で行われた第2戦のジョッキークラブ大賞(ダート2000m)は、ボビーディジョブが2番手に10馬身以上の差をつけて逃げ、最後の直線に入っても脚色は衰えず、2着に8・1/2馬身差をつけて圧勝しました。2000ギニーの3着馬ナンスークが2着に、前走1800mのG3を勝っていたカテナチオが3着に入りました。この2頭は中団から後方を進んだ馬で、一方3番手を追走した2000ギニー2着馬トップラヴは7着に敗れました。


ちなみに2005年に無敗でウルグアイ三冠馬を達成し、アメリカに移籍してBCクラシックなど米G1競走5勝、さらにドバイワールドカップも勝ったインヴァソールは、2000ギニーで5・3/4馬身差、ジョッキクラブ大賞は3・1/2馬身差での勝利でしたから、この2戦の着差だけを比べればボビーディジョブの方が上回っています(そのインヴァソール唯一の敗戦がUAEダービーでもあるわけですが)。

レース映像。


ジョッキークラブ大賞(Gran Premio Jockey Club)
2011年10月9日、ウルグアイ・マロナス競馬場、ダート2000m
3歳牡馬、G1、11頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績(このレースまで)
主な成績
1ボビーディジョブ
Boby Di Job
3牡
1.5倍
L.カセレス2分02秒367戦【5-0-1-1】
2冠達成
2ナンスーク
Nansouk
3牡
13.35倍
C.スアレス8・1/210戦【1-1-3-5】
宇2000ギニー3着
3カテナチオ
Catenaccio
3牡
9.7倍
C.ヴィジル39戦【2-3-1-3】
前走重賞勝ち



そして最後の1冠でウルグアイのダービーであるナシオナル大賞(ダート2500m)は、ボビーディジョブが前2戦と同じように逃げましたが、初めての2500mが厳しかったのか、2000ギニー2着のトップラヴにゴール前で差し切られ、1馬身差2着に敗れました。さらにジョッキークラブ大賞2着のナンスークが中団追走から1・1/4馬身差3着。

前走2300mの準重賞を23馬身差で勝って(カテナチオが5着)2番人気に支持されたアレスが2番手を追走しましたが、1着から3・1/2馬身差の4着まで。

トップラヴは前走ジョッキークラブ大賞での3番手追走でつぶれましたが、このレースでは後方2番手の待機策が見事に嵌りました。

ボビーディジョブはナシオナル大賞を最後に南アフリカのM.デコック厩舎に移籍しており、UAEダービーがナシオナル大賞以来のレースです。

またトップラヴ、ナンスーク、アレスは次走に古馬混合G1ホセペドロラミレス大賞(ダート2400m)に出走し、それぞれ、10着、9着、4馬身差3着という結果でした。

ナシオナル大賞(Gran Premio Nacional)
2011年11月13日、ウルグアイ・マロナス競馬場、ダート2500m
3歳、G1、11頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1トップラヴ
Dopplavu
3牡
24倍
R.ソウザ
57kg
2分38秒4211戦【3-2-0-6】
重賞初勝利
2ボビーディジョブ
Boby Di Job
3牡
1.35倍
L.カセレス
57kg
18戦【5-1-1-1】
三冠ならず
3ナンスーク
Nansouk
3牡
8.65倍
C.スアレス
57kg
1・1/411戦【1-1-4-5】
ジョッキークラブ大賞2着

米3歳G2レベルS.はシークレットサークルが重賞2連勝

3月17日に行われた米3歳G2レベルS.(ダート8.5ハロン)は、前走でここと同じオークローンパーク競馬場のG3サウスウェストS.(ダート8ハロン、分割)を勝っていたシークレットサークルが、G1ブリーダーズフューチュリティ(AW8.5ハロン)3着馬オプティマイザーの差しを3/4馬身差おさえて優勝し、重賞2勝目を挙げました。

サウスウェストS.でシークレットサークルの1/2馬身差2着に粘ったスキャットマンが、ここでも逃げて3着。オプティマイザーは4走続けて凡走していたため人気薄で、激走した理由は斤量でしょうかね。

バファート調教師はこのレース3連覇。2010年にはこのレースを勝ったルッキンアットラッキーでのちにプリークネスS.を制しました。BCジュベナイル・スプリント(グレード無し、2歳、ダート6ハロン)の初代王者でもあるシークレットサークルは4月14日のG1アーカンサスダービーに向かいます。

シークレットサークルの5代血統表

2012年レベルS.のレース映像。8番枠がシークレットサークル。


レベルステークス(Rebel Stakes)
2012年3月17日、アメリカ・オークローンパーク競馬場、ダート8.5ハロン
3歳、G2、12頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金50万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1シークレットサークル
Secret Circle
3牡
2.0倍
R.ベジャラノ
55.3kg
1分44秒556戦【5-1-0-1】
2オプティマイザー
Optimizer
3牡
28.9倍
J.コート
52.2kg
3/48戦【1-2-1-4】
重賞2着2回目
3スキャットマン
Scatman
3牡
9.7倍
L.クイノーネズ
53.1kg
1・1/26戦【2-2-1-1】
重賞2戦目

米牝馬G1サンタマルガリータ招待S.はインクルードミーアウトがG1初勝利

3月17日に行われた4頭立ての米牝馬G1サンタマルガリータ招待S.(ダート9ハロン)は、1番人気のインクルードミーアウトが2着に3・3/4馬身差をつけて優勝し、G1初勝利を挙げました。

2着ラブザウェイユーアーは重賞8戦目で初連対。1着から7馬身差3着に、前走G2サンタマリアS.(ダート8.5ハロン)2着のミスミッタゴンが入っています。

インクルードミーアウトはこれで3戦連続でサンタアニタ競馬場の牝馬限定戦を走り、2走前のG1ラブレアS.(ダート7ハロン)は約5馬身差の5着でしたが、前走のG2ラカナダS.(ダート8.5ハロン)ではラブレアS.3着馬などを相手に優勝していました。

インクルードミーアウトの5代血統表。ひとつ上の半姉に米牝馬G1ガーデンシティーS.勝ち馬チェックザラベルがいます。

2012年サンタマルガリータ招待S.のレース映像

サンタマルガリータ招待ステークス(Santa Margarita Invitational Stakes)
2012年3月17日、アメリカ・サンタアニタ競馬場、ダート9ハロン、
4歳以上牝馬、4頭、Sloppy、レース結果(PDF)、総賞金30万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1インクルードミーアウト
Include Me Out
4牝
2.3倍
J.タラモ1分47秒628戦【4-2-0-2】
重賞2勝目
2ラブザウェイユーアー
Love Theway Youare
4牝
10.2倍
J.ロザリオ3・3/416戦【2-1-3-10】
3ミスミッタゴン
Miss Mittagong
5牝
9.3倍
M.グティエレス3・1/418戦【3-3-5-7】
重賞2着2回

2012年3月19日月曜日

2012年ドバイゴールドカップの出走予定馬(マカニビスティーが出走予定)

マカニビスティーが出走予定のG3ドバイゴールドカップの出走予定馬です。

表記の注意
  • 次のように省略することがある(f=ハロン、S.=ステークス、T.=トロフィー、C.=カップ、D=ダート、AW=オールウェザー、米BC=ブリーダーズカップ、英BC=ブリティッシュチャンピオンシリーズ)
  • 性齢横の国名は現在の調教国
  • 日本馬の場合、騎乗予定騎手を記載。
  • 外国馬は(騎乗予定騎手が明らかである場合も)前走時の騎手を記載。
  • 主な成績で2011年以降のレースは施行年を記載しない。
  • リンク先は主に当ブログ過去記事だが、他サイト・ブログの場合もある。
  • 内容の正確性は保証しない
G3ドバイゴールドカップ(Dubai Gold Cup)
2012年3月31日(日本時間22時45分)、ドバイ・メイダン競馬場、芝3200m
総賞金100万米ドル、1着賞金60万米ドル
斤量:北半球産4歳54.5kg、南半球産4歳56.5kg、5歳以上57kg
グリーンチャンネル放送予定(無料)、ドバイ公式サイト出馬表(英語)



馬名
英語表記(生産国)
性齢 斤量
騎手
通算成績、重賞成績(ローカル含む)
主な成績
1マカニビスティー
Makani Bisty(JPN)
5牡 57kg
小牧太
22戦【4-3-1-14】、11戦【0-1-1-9】
G1天皇賞・春4着
2バービカン
Barbican(GB)
4セン 54.5kg
R.ムーア
10戦【6-1-1-2】、2戦【0-0-1-1】
英準重賞(14f)1着
3アンユージュアルサスペクト
Unusual Suspect(USA)
8牡 57kg
C.ナカタニ
63戦【9-8-6-40】、30戦【2-4-1-23】
2010年米G1ハリウッドターフカップS.(芝12ハロン)1着
豪G1メルボルンカップ9着
4アヴェローズ
Averroes(IRE)
5牡 57kg
P.コスグローヴ
16戦【3-4-3-6】、2戦【0-0-0-2】
ドバイG3ナドアルシバT.(芝2810m)10着
5ジョシュアツリー
Joshua Tree(IRE)
5牡 57kg
J.ムルタ
17戦【4-4-2-7】、8戦【2-1-2-3】
加G1カナディアン国際S.2着。1着(2010年)
G2ドバイシティーオブゴールド(芝2410m)6着
6アイリッシュフレーム
Irish Flame(SAF)
5牡 57kg
K.シーア
20戦【7-1-1-11】、11戦【3-1-1-6】
G3ナドアルシバT.5着
2010年LG1南アダービー(芝2450m)1着
7
ブロンズキャノン
Bronze Cannon(USA)
7牡 57kg
K.Ulubaev
26戦【8-1-4-13】、8戦【2-1-1-4】
重賞2勝は2009年
8ミハイルグリンカ
Mikhail Glinka(IRE)
5牡 57kg
G.スコフィールド
21戦【4-4-2-11】、9戦【2-1-1-5】
G2ドバイシティーオブゴールド1着
G3DRCゴールドカップ(※1)6馬身差4着
9アイリッシュフレーム
Irish Flame(SAF)
5牡 57kg
K.シーア
20戦【7-1-1-11】、11戦【3-1-1-6】
G3ナドアルシバT.5着
2010年LG1南アダービー(芝2450m)1着
10グランドヴェント
Grand Vent(IRE)
4牡 54.5kg
M.バルザローナ
8戦【2-1-2-3】、4戦【1-1-1-1】
仏G2ノアイユ賞(芝2000m)1着
11フォックスハント
Fox Hunt(IRE)
5セン 57kg
S.サウザ
18戦【7-4-0-7】、4戦【2-0-0-2】
G3ナドアルシバT.1着
豪G1メルボルンカップ(芝3200m)7着
12ザンザマール
Zanzamar(SAF)
4牡 56.5kg
R.ヒルズ
12戦【4-2-2-4】、5戦【0-1-1-3】
G2ドバイシティーオブゴールド5着
G2UAEダービー4着
13カスバーブリス
Kasbah Bliss(FR)
10セン 57kg
G.モッセ
58戦【16-10-10-22】、19戦【3-4-4-8】
仏G1カドラン賞(芝4000m)1着
G3ナドアルシバT.9着
(※1) 当レースの前身。

前哨戦のG3ナドアルシバトロフィー(芝2810m)を勝ったフォックスハントはG3独セントレジャー(芝2800m)勝ち馬で、豪G1メルボルンカップ(芝3200m)でも約3馬身差7着しており、最有力。

ナドアルシバT.2着のオピニオンポールは昨年のDRCゴールドカップで先行馬決着のレースを後方から進んで3着。その後もヨーロッパの長距離重賞で強い相手と対戦して好走している。

カスバーブリスもヨーロッパの長距離組で強い。ここまでが上位3頭と見る。しかしマカニビスティーは3着以内に来れるチャンスは全然あると思います(万葉S.で本命にして馬連万馬券を引っかけた恩もあるのですごく応援してます)。

アンユージュアルサスペクトも唯一の3200m戦のメルボルンカップは4馬身差9着で、前走は負けすぎたがこの距離に適性があるのかもしれないのでいちおう注意。

2012年ドバイワールドカップデーの出走予定馬が発表された

3月31日に行なわれるドバイワールドカップの出走予定馬が発表されました。

2012 Dubai World Cup Likely Fields | Dubai Racing Club
(PDF)http://www.dubaiworldcup.com/sites/default/files/Likely Fields March 18.pdf

ちなみにドバイワールドカップはグリーンチャンネルで無料放送されます。22時30分から放送開始予定。

出走予定馬の紹介
  • ゴドルフィンマイル
  • ドバイゴールドカップ(マカニビスティー出走)
  • UAEダービー(ゲンテン出走)
  • アルクオーツスプリント(エーシンヴァーゴウ出走)
  • ドバイゴールデンシャヒーン
  • ドバイデューティーフリー(ダークシャドウ出走)
  • ドバイシーマクラシック
  • ドバイゴールドカップ(トランセンド・スマートファルコン・エイシンフラッシュ出走)
リンク無しは後日アップします。日本馬が出走しないレースは後回し、あるいは全く作成しないかもしれません。

ローカルG1香港ダービーはフェイフェイがG1初勝利

3月18日に行われた香港ダービー(芝2000m)は4番手追走のフェイフェイが直線入り口で先頭に並ぶと、中団から差してきたセイムワールドとの追い比べを制し、重賞初勝利でダービーの栄冠を手にしました。D.ホワイト騎手は2年ぶりのダービー2勝目。

2着セイムワールドは重賞初出走。香港4歳シリーズ第1戦のローカルG1香港クラシックマイル(芝1600m)でフェイフェイをクビ差退けたスイートオレンジが1番人気3着。第2戦のローカルG1香港クラシックカップ(芝1800m)でそのスイートオレンジをハナ差退け優勝していたザイーダンは4着でした。

参考香港クラシックマイルはスイートオレンジ。クラシックカップはザイダン。ともに香港ダービーへ

フェフェイは前走の香港クラシックカップは4着で、10戦目にして初めて連対を外していました。

フェイフェイの5代血統表。父Falkirk 産駒のG1初勝利(香港ダービーはローカルG1ですが)。ニュージーランド産馬の勝利は今年で3年連続です。

2012年G1香港ダービーのレース映像。4番手追走の紫の勝負服がフェイフェイ。

香港ダービー(The Mercedes-Benz Hong Kong Derby)
2012年3月18日、香港・シャティン競馬場、芝2000m
4歳、ローカルG1、14頭、Good、レース結果、総賞金1600万香港ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1フェイフェイ
Fay Fay
4セン
4.7倍
D.ホワイト
57.2kg
2分04秒4111戦【6-4-0-1】
香港クラシックマイル2着
2セイムワールド
Same World
4牡
17倍
B.プレブル
57.2kg
クビ12戦【3-4-0-5】
重賞初出走
3スイートオレンジ
Sweet Orange
4牡
3.5倍
W.マーウィン
57.2kg
1/214戦【4-5-2-3】
香港クラシックマイル1着

豪G1ランドウィックギニーはモシーンがG1連勝

3月17日に行われた豪3歳G1ランドウィックギニー(芝1600m)は、2週前の豪G1オーストラリアンギニーを勝っていたモシーンが、残り200mでも前に5頭おり、スマードン調教師が「負けを覚悟した」と述べた厳しい状況からぐっと伸びて差しきり、G1競走3勝目を挙げました。

2着に重賞初出走のシッドコム。3着にこちらも重賞初出走で、前走1500m戦でシッドコムを1.3馬身差2着に退けデビューから3連勝としていたレイザーホークが入っています。昨年9月のG1ゴールデンローズ(芝1400m)の勝ち馬で1番人気に支持されたマナワヌイはモシーンから1.4馬身差5着でした。

2005年から行われているランドウィックギニーの牝馬の優勝はこれが初めて。またオーストラリアンギニー、ランドウィックギニーの両制覇も史上初めてのこと

2012年ランドウィックギニーのレース映像

スマードン調教師は今後についてまだしばらくは3歳戦のみを使い、3月31日のG1ローズヒルギニー(芝2000m)、4月7日の牝馬G1ヴィネリースタッドS.(芝2000m)、4月14日G1オーストラリアダービー(芝2400m)、4月21日のG1オーストラリアンオークス(芝2400m)を候補に上げています。

なお、1000ギニーでモシーンに3馬身差をつけて優勝し、現在5戦5勝のアトランティックジュエルは怪我のため休養していましたが、復帰も近いということでこちらも楽しみです。


モシーンの5代血統表。父ファストネットロック。母の半兄は 2003年の香港マイル(1600m)勝ち馬ラッキーオーナーズです。ちなみに半弟(父ザビール)が4月10日から12日まで行なわれるイングリス・オーストラリアン・イースター・イヤリングセールで競りにかけられる予定です。カタログ。モシーンは25万豪ドルでした。

ランドウィックギニー(Turnpoint Royal Randwick Guineas)
2012年3月17日、オーストラリア・ランドウィック競馬場、芝1600m
3歳、G1、14頭、レース結果、総賞金50万豪ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1モシーン
Mosheen
3牝
4.2倍
D.ニコリック54.5kg1分37秒6013戦【6-3-2-2】
G1競走3勝目
2シッドコム
Said Com
3セン
26倍
D.ダン56.5kgクビ6戦【2-3-1-0】
重賞初出走
3レイザーホーク
Laser Hawk
3セン
11倍
N.ラウィラー56.5kgハナ4戦【3-0-1-0】
重賞初出走

2012年3月18日日曜日

米年度代表馬ハヴルドグレースが今年初戦ニューオーリンズレディースS.を楽勝

3月17日のニューオーリンズレディースS.(ダート8.5ハロン、グレードなし)に出走した昨年のエクリプス賞米年度代表馬ハヴルドグレースは、3コーナー手前で仕掛けられて進出し最後の直線入り口で先頭に立つと、鞍上のドミンゲス騎手はほとんど追うことなく何度も後ろに目をやる余裕があり、2着に4・1/2馬身差をつけて快勝しました。

2着に昨年10月のG2インディアナオークス勝ち馬ファニータ(ワニータ)が、さらに約6馬身離れた3着に2番人気スターリングマダム(重賞未出走)が入っています。

2012年ニューオーリンズレディースS.のレース映像。2番枠がハヴルドグレース。

ハヴルドグレースは昨年、牝馬限定G1のアップルブロッサムH.とベルデイムS.に加えて、牡馬相手のG1ウッドワードS.も優勝してG1競走3勝を挙げ、BCクラシックでも4着に入っていました。

2年前のこのレースは、その前年の年度代表馬レイチェルアレクサンドラもシーズン初戦に選んで出走しまさかの2着に敗れていましたが、 ハヴルドグレースは危なげなく勝利し、次走は4月13日のG1アップルブロッサムH.で2連覇を目指す予定です。

ニューオーリンズレディースステークス(New Orleans Ladies Stakes)
2012年3月17日、アメリカ・フェアグラウンズ競馬場、ダート8.5ハロン
4歳以上牝馬、5頭、レース結果(PDF)、総賞金15万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ハヴルドグレース
Havre de Grace
5牝
1.05倍
R.ドミンゲス
53.1kg
1分42秒7916戦【9-4-2-1】
年度代表馬
2ファニータ
Juanita
4牝
10.6倍
R.ナプラヴニク
53.1kg
4・1/215戦【5-3-3-4】
重賞1勝
3スターリングマダム
Sterling Madame
4牝
10.3倍
J.グラハム
54kg
6・1/27戦【3-1-2-1】
重賞未出走

2012年3月17日土曜日

新G1ニュージーランドオークスはアーティスティックがハナ差で同馬主対決を制す

3月17日に行われた新G1ニュージーランドオークス(芝2400m)は4番手につけて先行したアーティスティックが4コーナーで先頭に並びかけ、最後の直線入り口の残り400mで先頭に立つと、中団を追走した1番人気ズレラの追い込みをハナ差凌いで優勝し、重賞初勝利をG1で挙げました。1987年にNZオークス初騎乗で2着していたコールマン騎手は24年越しのオークス初勝利です。ちなみに上位2頭はどちらも"The Oaks Stud"の所有馬です。

アーティスティックは10日前の前走、準重賞ニッサンサンラインヴァーズ(芝2100m)もハナ差で優勝。さらにその前走のG2サートリストラムフィリーズクラシック(芝2000m)では1着ズレラから約2馬身差5着に敗れていました。

スタート直後は中団につけていたNZ1000ギニー勝ち馬プラネットロックは残り1600mから残り1200mまでの間に一気に先頭に立つ競馬で、直線ではもう全く手ごたえがなかったのかほとんど追われることなく最下位16着に終わりました。前走は2100mのG2を勝っていますが、その前の2走は2000mの重賞で2戦連続4着と距離も厳しいのかもしれません。しかし、オークスの3レース前に行われた準重賞ニュージーランド・セントレジャー(3,4歳限定、芝2500m)が100m短いオークスより約1秒速い2分37秒54で決着しており、オークスは超スローだったことを考えると積極的に先頭に立ったこと自体は良かったと思います。



アーティスティックの5代血統表。Darci Brahma の初年度産駒で、同産駒のG1初勝利。アーティスティックの半兄 エクセラレイター Excellerator は豪G1エプソムH.(芝1600m)を勝っています。

ニュージーランドオークス(WELLFIELD NEW ZEALAND OAKS)
2012年3月17日、ニュージーランド・トレンサム競馬場、芝2400m
3歳牝馬、G1、16頭、Good、レース結果、総賞金30万NZドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アーティスティック
Artistic
3牝
18.7倍
M.コールマン
56.5kg
2分38秒3911戦【4-0-1-6】
G1新1000ギニー4着
2ズレラ
Zurella
3牝
2.9倍
J.ワデル
56.5kg
ハナ8戦【4-2-0-2】
G1NZダービー5着
3クインテセンシャル
Quintessential
3牝
19.6倍
L.オールプレス
56.5kg
2・3/48戦【3-1-3-1】
G2フィリーズクラシック3着

米3歳G2サンフェリペS.はG1馬クリエイティヴコーズが重賞3勝目

3月10日に行われた米3歳G2サンフェリペS.(ダート8.5ハロン)は、2番手追走の1番人気ボディマイスターが直線入り口で抜け出しましたが、5番手追走から3-4コーナーで進出したクリエイティヴコーズが残り100mで外から差しきり、重賞3勝目を挙げました。

3/4馬身差2着にボディマイスター、さらに2・1/4馬身差3着に前走で6.5ハロンのステークスを勝っていたミッドナイトトランスファーが入っています。米2歳G1キャッシュコールフューチュリティ(AW8.5ハロン)の勝ち馬リエゾンは4着。


クリエイティヴコーズは米2歳G1ノーフォークS.(ダート8.5ハロン)の勝ち馬。その次走のBCジュベナイル(ダート8.5ハロン)でも1着からアタマ+1馬身差の3着に入っています。前走7ハロンの米G2サンヴィンセントS.はドリルの3着。同じく7ハロンのノーフォークS.の前走2歳G1デルマーフューチュリティでもドリルの2着に敗れていますが、8.5ハロンなら明らかに主役の1頭であり、距離適性次第で、ケンタッキーダービーの有力馬であるBCジュベナイルの1,2着馬ハンセンユニオンラグスを逆転も期待できます。

次走は4月7日のG1サンタアニタダービー(ダート9ハロン)の予定です

クリエイティヴコーズの5代血統表。母は米G1アップルブロッサムH.を優勝。ジャイアンツコーズウェイ産駒初の米3歳クラシック制覇なるか注目です。

2012年サンフェリペS.のレース映像。外から4頭目の発走がクリエイティヴコーズ。


サンフェリペステークス(San Felipe Stakes)
2012年3月10日、アメリカ・サンタアニタ競馬場、ダート8.5ハロン
3歳、G2、頭、レース結果(PDF)、総賞金30万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1クリエイティヴコーズ
Creative Cause
3牡
3.2倍
J.ロザリオ
55.8kg
1分41秒847戦【4-1-2-0】
重賞3勝目
2ボディマイスター
Bodemeister
3牡
3.0倍
R.ベジャラノ
53.5kg
3/43戦【1-2-0-0】
前走9馬身差勝利
3ミッドナイトトランスファー
Midnight Transfer
3牡
15.0倍
V.エスピノーザ
53.5kg
2・1/26戦【2-1-1-2】
前走で2連勝

種牡馬ワンダフルワールド(父アグネスワールド)の産駒がデビューしている

仏G1アベイユドロンシャン賞、英G1ジュライカップを勝った日本調教馬アグネスワールドにはワンダフルワールド Wonderful World という後継種牡馬がオーストラリアにおり、この初年度産駒が2011-2012シーズンの現2歳馬ですでに何頭かデビューしています。

ワンダフルワールド産駒は、これまでに12頭が21走し、まだ未勝利です。そのうちの1頭、ワンダフルジェスター Wonderful Jester は3戦し2着1回3着2回の成績で、3戦とも1着から1馬身以内の僅差であり、この馬はすぐにでも勝ちあがるでしょう。ちなみにワンダフルジェスターの母父はカーネギー。母母の半弟は新G1ニュージーランドダービー馬です。


ワンダフルワールドは現役時代、2006年の豪G1コーフィールドギニー(芝1600m)を勝ち、他に2007年の豪G1コックスプレート(2040m)で2着しました。産駒全体の出走数はほとんどが1200m以下のレースなので 、マイル以上での出走機会が増えればもっと活躍してくれるかもしれません。

アグネスワールドは種牡馬入り当初から受胎率が低く、すでに種牡馬引退しています。

ハットトリック産駒がオーストラリアでもデビューし2着

ハットトリックはアメリカで種牡馬入りしたあと、オーストラリアにもシャトルされ種付けを行っていました。

3月14日の豪セール競馬場・芝1108mで行われた新馬・未勝利馬戦(2歳牝馬限定)でミセスハドリー Mrs Hadlee がデビューし、1着から0.8馬身差の2着に入っています。これがオーストラリアでのハットトリック産駒初出走のはずです。

レース映像。逃げるのがミセスハドリー。

アメリカでデビューした産駒達は当初なかなか走らなかったことを考えると(いまも活躍馬と言えるのは米G3を勝ったハウグレートだけですが)、オーストラリアではいきなりの2着で上々のスタートと言えるでしょう。

ミセスハドリーの兄弟は上級レースでは準重賞を1走し13頭立て12着がある程度ですが、母の半弟には豪G2グローミングS.(芝1750m)勝ち馬がいます。またミセスハドリーの母父である Danewin 産駒のG1勝ちは中距離がほとんどなので、距離が伸びた方が期待できそうです。ミセスハドリーの次走は不明。


ちなみにアメリカ生まれのオスマン Osman がペルーに渡ってすでにデビューし10戦し1勝しています(近4走は1勝含む4連続連対)。またアメリカで種付けされチリで産まれたトリッキーハット Tricky Hat が2戦目で勝ちあがっているので、ミセスハドリーは「南半球で走る最初のハットトリック産駒」ではありません。

米3歳G3スウェイルS.、トリニバーグが6馬身差の逃げ切り圧勝

3月10日に行われた米3歳G3スウェイルS.(ダート7ハロン)はBCジュベナイルスプリント(ダート6ハロン)は7着に敗れていたトリニバーグがそれ以来となる約4ヶ月の出走でしたが逃げ切り、2着に6馬身差をつける圧勝で重賞初勝利を挙げました。

2着に人気薄の重賞初出走ハロープリンスが2番手からなだれ込み、3着に前走米G2ケンタッキージョッキークラブS.(ダート6.5ハロン)で2着だった1番人気エヴァーソーラッキーが入りました。

BCジュヴェナイルスプリント前の調教に乗ったマルティネス騎手は当時「ブリンカーは外した方がいいのでは」と提案しており、そのアドバイスを採用した今回はとてもリラックスしていたとのこと。次走は不明でマイル以上の距離を試す可能性もあるようです。

トリニバーグの5代血統表。父 Teuflesberg の重賞初勝利。

2012年スウェイルS.のレース映像


スウェイルステークス(Swale Stakes)
2012年3月10日、アメリカ・ガルフストリームパーク競馬場、ダート7ハロン
3歳、G3、10頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金15万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1トリニバーグ
Trinniberg
3牡
8.6倍
W.マルティネス1分21秒696戦【2-2-0-2】
G1ホープフルS.2着
2ハロープリンス
Hello Prince
3牡
46.4倍
A.ガルシア68戦【3-1-1-3】
重賞初出走
3エヴァーソーラッキー
Ever So Lucky
3牡
2.3倍
J.ブラーヴォ13戦【1-1-1-0】
前走G2で2着

米G2ガルフストリームパークH.、ムーチョマッチョマンが3連勝で重賞2勝目

3月10日に行われた米G2ガルフストリームパークH.(ダート1マイル)は、2番手を追走した1番人気ムーチョマッチョマンが3コーナーで先頭に立つと、逃げ粘るタックルベリーに2馬身差をつけて優勝し、重賞2勝目を挙げました。タックルベリーから半馬身差の3着に、昨年9月に米G1フォアゴーS.(ダート7ハロン)を勝っているジャクソンベンド。

ケンタッキーダービー3着ムーチョマッチョマンにとって、昨年2月の米3歳G2リズンスターS.以来の重賞2勝目です。ただし産地限定競走のためグレード格の無い前走の高額賞金レースフロリダサンシャインミリオンズクラシックでは、のちに米G1サンタアニタH.を勝つロンザグリークを2着に下して優勝しています。

タックルベリーは約8ヶ月ぶりの出走。昨年のこのレースの勝ち馬であり、その前々走でサンシャインミリオンズクラシックを勝っている点もムーチョマッチョマンと同じでした。

ムーチョマッチョマンの今後は5月28日のG1メトロポリタンマイル、または5月4日のG2アリシーバS.から6月12日スティーヴンフォスターH.、または6月30日のG2サバーバンH.あたりが検討されています

2012年ガルフストリームパークH.のレース映像(埋め込み不可なのでリンク先へ)。スタート直後は後方、2ハロン過ぎあたりから前に上がっていく最内枠がムーチョマッチョマンです。

ガルフストリームパークハンディキャップ(Gulfstream Park Handicap)
2012年3月10日、アメリカ・ガルフストリームパーク競馬場、ダート8ハロン
4歳以上、G2、5頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金30万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ムーチョマッチョマン
Mucho Macho Man
4牡
1.7倍
R.ドミンゲス
54.4kg 
1分35秒5014戦【5-3-3-3】
プリークネスS.6着
2タックルベリー
Tackleberry
5セン
6.0倍
R.マラージ
53.5kg
215戦【8-3-0-4】
重賞3勝
3ジャクソンベンド
Jackson Bend
5牡
2.4倍
J.ヴェラスケス
55.3kg
1/226戦【8-6-4-8】
米G1フォアゴーS.1着

米3歳牝馬G3シカーダS.はアガヴェキスが楽勝で4戦全勝

3月10日に行われた3歳牝馬G3シカーダS.(ダート6ハロン)は、2番手以降を3馬身ほど離して逃げた圧倒的1番人気のアガヴェキスが楽々と逃げ切って重賞初勝利を挙げました。

2走前のルースレスS.でアガヴェキスから約5馬身差3着だったコルデロサが3馬身差の2着に入っています。さらに6馬身離れた3着に、前走ステークス競走1・1/4馬身差2着だったアリダラ。

コルデロサの前走はここと同じアケダクト・ダート6ハロン戦のディアリープレシャスS.でクビ差2着。シカーダS.の相手は特別強いわけではないですが、それとは関係なくアガヴェキスは強かった。

アガヴェキスの夏の最大目標に8月4日のG1プライオレスS.(サラトガ・ダート6ハロン)とのことですが、次走は距離を7ハロンに伸ばして、4月7日の米3歳牝馬G3カムリーS.(アケダクト)を検討しているとのこと

アガヴェキスの5代血統表。父ライオンハート。

2012年シカーダS.のレース映像。


シカーダステークス(Cicada Stakes)
2012年3月10日、アメリカ・アケダクト競馬場、ダート6ハロン
3歳牝馬、G3、5頭、レース結果(PDF)、総賞金14万7000ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アガヴェキス
Agave Kiss
3牝
1.25倍
R.クラトロ
54.4kg
1分11秒764戦【4-0-0-0】
前走ステークス勝ち
2コルデロサ
Corderosa
3牝
4.8倍
J.アルバラード
53.5kg
34戦【1-2-1-0】
前走ステークス2着
3アリダラ
Alydarla
3牝
7.8倍
D.コーエン
53.5kg
6・1/46戦【2-2-1-1】
G3戦でデビュー

2012年3月15日木曜日

G1ラテンアメリカ・ジョッキークラブ協会大賞はクイックカサブランカがG1競走2連勝

3月10日に行われた亜G1ラテンアメリカ・ジョッキークラブ協会大賞(ダート2100m)は、3番手を先行した亜G1カルロスペレグリーニ大賞(芝2400m)勝ち馬エクスプレッシヴヘイローが最後の直線で一度は先頭に立ちましたが、エクスプレッシヴヘイローのすぐ後ろを追走していた智G1エルダービー(芝2400m)勝ち馬クイックカサブランカが内からじわじわと追い上げ、残り100m過ぎで交してG1競走2勝目を挙げました。

エクスプレッシヴヘイローから5馬身差3着にこのパレルモ競馬場でダート重賞を2連勝したことがあるイブマン。亜G1ダルドロチャ大賞(ダート2400m)でエクスプレッシヴヘイローを3着に負かして優勝していたミスターネダウィが6着。G1ミゲル・アルフレード・マルティネスデオス大賞(芝2000m)9馬身差圧勝のブギーマンが7着。亜G1サンマルタン将軍大賞(ダート1800m)勝ち馬アリストシティーが8着。昨年の亜G1アルゼンチン共和国大賞(ダート2000m)と亜G1エストレージャス大賞クラシック(芝2000m)を連勝したスターランナーが1番人気でしたが最下位に沈んでいます。


南米主要国の持ち回りで行われるラテンアメリカ・ジョッキークラブ協会大賞は南米で最も重要な中距離馬齢戦に位置づけられている競走です。

オーストラリアでハイリストが「ブラックキャビアさえいなければ」状態であるのと同じように、チリで「あいつさえいなければ」という成績なのがクイックカサブランカであり、前走のエルダービー勝利時には次のように紹介しました。
智G1エルダービー、クイックカサブランカがG1初勝利
クイックカサブランカは昨年4月のデビュー戦で勝ったあと、ここまで7戦してG1で2着4回3着1回、G2とG3でそれぞれ2着1回ずつという成績(G1ナシオナルリカルドリヨン大賞の1位入線2着降着含む)。

そのうち、前走を除く6回連続でオマイヤド(9戦8勝2着1回)のひとつ下のポジションであり、他に先着を許した相手は前走G1チリ・セントレジャーで女傑アマニの2着、G1エルエンセーヨでディーメケーの3着だけ。この3頭のいない舞台ではありましたが、ようやくの2勝目でG1戴冠です。
で、そのオマイヤドやアマニがいない舞台であれば、クイックカサブランカがラテンアメリカ・ジョッキークラブ協会大賞さえ勝ってしまったわけで、今シーズンのチリ3歳はレベルがとても高かった可能性を示す結果になりました。

ちなみにオマイヤドはアメリカに移籍しており、すでにドライスデール調教師のもとで調教されています。オマイヤドと同オーナーのアマニも移籍しドライスデール師が管理するという話でしたが、すでに移動したのかも含めて詳細不明。


クイックカサブランカの5代血統表。母 Quick は未勝利馬ですが、その全兄は1991年の南アフリカ年度代表馬 Ilustrador です。

2012年ラテンアメリカ・ジョッキークラブ協会大賞のレース映像。6番の白い帽子、紺色地に白のラインの勝負服がクイックカサブランカ。外の11番枠、黄色地に青のラインが入った(前から見ると日本の「エア」と同じ)勝負服がエクスプレッシヴヘイロー。


ラテンアメリカ・ジョッキークラブ協会大賞
(Gran Premio Asociación Latinoamericana de Jockey Clubes e Hipódromos)
2012年3月10日、アルゼンチン・パレルモ競馬場、ダート2100m
3歳以上、G1、15頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1クイックカサブランカ
Quick Casablanca
3牡
24.95倍
G.Ulloa
56kg
2分05秒8310戦【3-6-1-0】
G1で2着4回
2エクスプレッシヴヘイロー
Expressive Halo
4牡
5.6倍
J.Noriega
60kg
1/214戦【5-1-3-5】
亜G1ナシオナル大賞1着
3イブマン
Ibeman
5牡
24.5倍
R.Blanco
61kg
515戦【6-2-4-3】
G1で3着1回

亜2歳牡馬G1サンティアゴルーロ大賞はアルテポップが8馬身差圧勝で重賞2連勝


3月10日に行われた亜2歳牡馬G1サンティアゴルーロ大賞(ダート1200m)は前走の亜G2ギレルモケミス賞(ダート1000m)を勝ったアルテポップが2着に8馬身差をつける圧勝でG1初勝利を挙げました。これで3戦全勝で、ギレルモケミス賞とサンティアゴルーロ大賞の連勝は昨年と同じ

2着に同オーナーの1勝馬ズールーが、3着に最低人気だった同じく1勝馬エルカポソロが入っています。ギレルモケミス賞ハナ差2着だったウェストキーは7着に敗れています。


アートポップの5代血統表。父ムタクディム(その父シーキングザゴールド)の南米産馬としてはアートポップがおそらく15頭目のG1勝ち馬。3着馬も父父ムタクディムです。

2012年サンティアゴルーロ大賞のレース映像。外から先頭に立つ赤い帽子がアルテポップです。


サンティアゴルーロ大賞(Gran Premio Santiago Luro)
2012年3月10日、アルゼンチン・パレルモ競馬場、ダート1200m
2歳牡セン、G1、9頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アルテポップ
Arte Pop
2牡
1.75倍
M.Fernandez1分07秒613戦【3-0-0-0】
重賞2連勝
2ズールー
Zoulou
2牡
1.75倍
A.Domingos82戦【1-1-0-0】
重賞初出走
3エルカポソロ
El Capo Solo
2牡
42.4倍
J.Ruiz Diaz24戦【1-0-1-2】
重賞初出走