2011年9月29日木曜日

オブライエン厩舎の日本人2人が賭け禁止規則に違反し罰金を科される

アイルランドのエイダン・オブライエン厩舎で調教助手として働く2人の日本人が、自厩舎の管理馬が負けるほうに賭けた事が判明し、アイリッシュターフクラブから、それぞれ2000ユーロの罰金と(おそらく調査費用かなにか)350ユーロの支払いを命じられました。調教師や厩務員などは自厩舎の出走馬が負けるほうに賭けることは禁止するルールブックに明記されています。

Ballydoyle work riders fined for laying stable's horses - Racing Post
The Irish Turf Club - Gosuke Motoki / Kaname Tsuge Referral Hearing(公式プレス)

賭けはベッティング・エクスチェンジ最大手 Betfair 社を通じて行われました。ベッティングエクスチェンジは個人対個人の賭けを仲介する、証券取引所のような機能を提供します。例えば日本の競馬の場合、勝つと思った馬Aの単勝オッズが低すぎると思えば、購入を見送るか、配当の期待値が高くなっていることを期待してあえて他の馬を買う、という選択肢しか無いところを、Betfair であれば、そのオッズでも買いたいと思っている人の賭けを引き受けて、Aが勝った場合に配当を支払い、負けた場合に配当を受け取るというポジションを取ることが可能です。


ターフクラブの報告書によると、Gosuke Motoki氏は3年間で計34頭が負けるほうに賭け、1369ユーロを得、1415.65ユーロを失って通算収支は46.65ユーロのマイナス。 Kaname Tsuge 氏は3年半の間に61頭が負けるほうに賭け、5101.19ユーロを得、4500.84ユーロを失って、通算収支は600.35ユーロのプラス でした。

両氏はただの予想(対戦相手の実力とか)を賭けただけで、Solid Information(関係者だけが知ることが出来た、信頼できる情報)に基づいて賭けたわけではないと判定されました。2人とも英語力が不足していたため自厩舎の出走馬が負けるほうに賭けることを禁止する規則を知らず、また、Tsuge 氏は Betfair のアカウント登録にバリードイルで働いていることを隠してさえおらず、さらに賭けの内容を精査した結果、他厩舎の出走馬が負けることに賭けたケースも多くあったため、自厩舎の出走馬が負けるほうに賭けた事もただのギャンブルであって八百長のような悪質な行為ではないと判断されています。しかし厩舎関係者が自厩舎の管理馬が負けるほうに賭けることはもっとも深刻な違反行為であると述べられています。

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