シャレータの成績(JRA公式PDFはこちら)
通算8戦3勝【3-3-1-1】
年月日 | レース名 | 着順/ 頭数 | 馬場 | 勝ちタイム/ (着差) | 騎手 |
2010年 10月31日 | 仏・新馬戦(牝) サンクルー競馬場・芝1600m | 2着/14頭 | 重 | 1分49秒5 4馬身 | C.ルメール |
2011年 4月08日 | アストロノミー賞(牝) 仏サンクルー競馬場・芝2000m | 2着/6頭 | 稍 | 2分11秒6 2馬身 | C.ルメール |
5月09日 | シャベルアンセルヴァル賞(牝) 仏シャンティイ競馬場・芝2000m | 1着/5頭 | 良 | 2分06秒1 2馬身 | C.ルメール |
6月12日 | 仏G1ディアヌ賞(オークス、牝) 仏ロンシャン競馬場・芝2100m | 7着/9頭 | 稍 | 2分07秒9 4・1/4馬身 | C.ルメール |
7月14日 | 準重賞チベルヴィユ賞(牝) 仏ロンシャン競馬場・芝2400m | 1着/8頭 | 稍 | 2分28秒6 1・1/2馬身 | C.ルメール |
8月12日 | 仏G3ミネルヴ賞(牝) 仏ドーヴィル競馬場・2500m | 1着/9頭 | 良 | 2分41秒7 3馬身 | C.ルメール |
9月11日 | 仏G1ヴェルメイユ賞(3上・牝) 仏ロンシャン競馬場・芝2400m | 3着/6頭 | 良? | 2分34秒3 2・3/4馬身 | C.ルメール |
10月02日 | 仏G1凱旋門賞 仏ロンシャン競馬場・芝2400m | 2着/16頭 | 良 | 2分24秒4 5馬身 | T.ジャルネ |
まず JRAのPDFでは7戦目ヴェルメイユ賞の馬場状態が良になっています。確かにフランスギャロの発表と矛盾は無いです。ただ、この日のロンシャン競馬場ではニエル賞とフォア賞、その約2時間後にヴェルメイユ賞が行われましたが、その間に一度強い雨が降り(G1ムーランドロンシャン賞のレース映像参照)、英レーシングポストはニエル賞とフォア賞を"Good to Soft"、ヴェルメイユ賞を"Very Soft"と表記しています。
同じロンシャン2400mのG2フォア賞(4歳上)、G2ニエル賞(3歳)、G1ヴェルメイユ賞(3歳以上牝馬)の勝ち時計と、1400m、1800m通過タイムはそれぞれ次のとおりです。
勝ち時計 | 1400m | 1800m | 勝ち馬斤量 | |
G2フォア賞(4歳以上) | 2.32.28 | 1.34.07 | 1.58.76 | 56.5(牡馬は58kg) |
G2ニエル賞(3歳) | 2.32.43 | 1.34.47 | 1.58.11 | 58 |
G1ヴェルメイユ賞(3歳上牝馬) | 2.34.38 | 1.33.53 | 1.58.41 | 54.5(4歳上は58kg) |
まあ、そもそも計時がどれだけ正確なのかという問題があり、さらにヴェルメイユ賞だけが牝馬限定戦なので単純に比較するのは難しいですが、ヴェルメイユ賞は他2レースに比べて中間ラップは同程度であるのに勝ちタイムが2秒も遅いので、馬場状態が悪かったのは間違いないだろうと。
ここでヴェルメイユ賞をやや重以上であると仮定すると、シャレータの馬場状態別成績は次のとおりです。
良馬場のみ、3戦【2-1-0-0】
稍重以上、5戦【1-2-1-1】
良馬場で唯一の2着は凱旋門賞でのもの。また、良馬場の仏G3ミネルヴ賞(レース映像、有料)の3馬身差勝ちはゴール前は流す楽勝で、最後まで追われていればもっと着差がついていたでしょう。
という風に成績を見ると、ちょっとでも馬場が悪くなるとダメなタイプだからヴェルメイユ賞で3着に終わったが、凱旋門賞は超良馬場だったから2着に来れた、という理由付けができます。ジャパンカップでも良馬場(日本の馬場なら稍重程度まで?)なら期待、ということで良いのではないでしょうか。
各レース詳細
2戦目アストロノミー賞は準重賞勝ち馬および2011年になってから上級条件戦を1勝以上している馬は出れないという制限のレース。シャレータは未勝利馬だったので1.5kgのハンデを貰っていましたが、のちに仏オークス2着、G1ヴェルメイユ賞を勝つガリコヴァから2馬身差2着し、3着には10馬身差をつけています。
3戦目シャベルアンセルヴァル賞(写真)もアストロノミー賞に似た条件のレースで、逃げ馬とほぼ並ぶ2番手追走から早めに先頭に立って初勝利。続く仏オークスは後方2番手の競馬で7着。ちなみにシャベルアンセルヴァル賞2着のアンドロメダギャラクシーが5着でした。唯一の着外が後方からの競馬になったこの仏オークスなので、ジャパンカップでは先行できることも好走の条件になりそうです(エリザベス女王杯のダンシングレインのようにならなければいいですが)。
2011年ディアヌ賞(仏オークス)のレース映像。 緑の帽子・勝負服がシャレータ(以下同じ)。
5戦目チベルヴィユ賞(写真)と6戦目のG3ミネルヴ賞(写真)も逃げ切り。ミネルヴ賞2着の Pacifique はその次走、牡馬混合3歳限定G3でイビチェンコ(9月25日の独G1オイロパ賞で2着)を3着に下して勝っています。
7戦目ヴェルメイユ賞は初めて古馬混合戦の出走(上位3頭は3歳馬でしたが)で、逃げて3着。2番手追走のワンダーオブワンダーズ(5着)は英オークス2着、愛オークス3着していました。また3番手追走のテステステロン(2着)はその前走で凱旋門賞馬デインドリーム相手に逃げ切って重賞2連勝したばかりでした。馬場だけでなく展開も厳しかったかもしれません。ちなみにヴェルメイユ賞4着はのちにG1カナディアン国際S.を勝ったサラリンクスで、サラリンクスもジャパンカップ出走予定です。
2011年ヴェルメイユ賞のレース映像。サラリンクスは最後方を進む濃い緑の勝負服です。
8戦目の凱旋門賞が初めての牡馬混合戦。同馬主のサラフィナが前哨戦のフォア賞を勝っており、アガカーン殿下の主戦であるルメール騎手はサラフィナに、シャレータはジャルネ騎手が騎乗。
凱旋門賞ではサラフィナとシャレータのそれまでのレース振りから、シャレータはサラフィナのペースメーカーだと思った人が多く(私も当然その一人)、ブービー人気(15番人気)でしたが、2番手追走から直線入り口で先頭に立つとデインドリームには交わされて突き放されましたが、追い込んだスノーフェアリーらを押さえ込んで2着確保。直線入り口でほぼ同じ位置にいた14番人気セントニコラスアベイは残り50mまで3番手も最後に差されて5着に終わりましたが、その次走のG1ブリーダーズカップ・ターフを勝ってG1競走3勝目を挙げています。
2011年G1凱旋門賞のレース映像。
シャレータ Shareta の血統(5代血統表)
シンダー | グランドロッジ | チーフズクラウン |
ラパパゲーナ | ||
シンタラ | ラシュカリ | |
シダマ | ||
シャワラ | バラシア | サドラーズウェルズ |
ブロケード | ||
シャマウナ | ダルシャーン | |
シャムサナ |
父シンダーは2000年の凱旋門賞馬で、他に愛2歳G1ナショナルS.、英愛ダービー勝ち。種牡馬としては凱旋門賞2着3回のユームザインや、愛オークスとヴェルメイユ賞を勝ったシャワンダ(血統表)を輩出。
母シャワラはフランスの準重賞1勝。その母シャマウナ(?、Shamawna)がシンダーとの間に産んだ仔がシャワンダなので、シャレータはシャワンダと3/4同血。
母の父バラシアはBCマイル勝ち馬で94年のカルティエ賞年度代表馬。他に93年の愛2000ギニーを勝ち、マイルG1で2着4回があります。種牡馬としては6頭のG1馬を輩出。うち3頭はスプリントG1(2歳戦含む)を勝ちました。
シャレータはバラシアを挟んでシャワンダを再現する配合。シャワンダは通算7戦5勝(シャワンダ - Wikipedia)。05年の凱旋門賞では牝馬最先着の6着しました(このとき7着がディープインパクトも出走した06年の凱旋門賞で2着するプライド)。シャレータ自身の特徴は、バラシアが入ったことでハビタットのクロスが発生している点です。ハビタットはグランドロッジとバラシアそれぞれの母父です。ハビタットはスティールハートの父で軽いマイラー種牡馬でした。
外国馬の中ではデインドリームは別格として、G1を勝っている他2頭(サラリンクス、ミッションアプルーヴド)よりも日本適性(レース成績、血統どちらも)は上に見ていて、馬券を買うのはデインドリームと、人気が無ければシャレータもと考えています。
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