2011年11月20日日曜日

ジャパンカップ出走デインドリームの血統・成績・動画紹介

凱旋門賞を勝った3歳牝馬デインドリームがジャパンカップに出走するので、血統や成績、動画を紹介します。9月1日の記事「秋華賞選出デインドリームの日本適性は高そう。成績と血統の紹介」のジャパンカップ向け改訂・増補版です。

その年の凱旋門賞馬がジャパンカップに出走するのは1999年のモンジュー以来のことです。

デインドリームの成績
通算12戦5勝【5-0-4-3】
年月日レース名着順/
頭数
勝ちタイム/
(着差)
騎手
2010年
6月20日
仏・新馬・未勝利馬戦
ヴィサンブール競馬場・芝1200m
1着/7頭1分13秒4
2・1/2馬身
S.ブリュー
7月25日準重賞
独ケルン競馬場・芝1400m
3着/6頭1分24秒9
5・3/4馬身
F.ミナリク
8月21日準重賞
仏ドーヴィル競馬場・芝1600m
3着/7頭1分42秒4
3/4馬身
M.ギュイヨン
10月03日仏G1マルセルブサック賞(牝)
仏ロンシャン競馬場・芝1600m
6着/8頭1分42秒5
5・3/4馬身
A.シュタルケ
10月24日G3ヴィンターケーニンゲン賞(牝)
独バーデンバーデン競馬場・芝1600m
3着/11頭1分48秒3
1・3/4馬身
F.ミナリク
2011年
4月10日
準重賞(牝)
伊サンシーロ競馬場・1600m
4着/8頭1分36秒3
1馬身
A.ゴリッツ
5月07日伊G2イタリアダービー
伊カパネッレ競馬場・芝2200m
3着/12頭2分15秒8
4・1/2馬身
A.シュタルケ
5月29日伊G2イタリアオークス(牝)
伊サンシーロ競馬場・芝2200m
1着/9頭2分15秒3
6・1/2馬身
A.シュタルケ
6月26日仏G2マルレ賞(牝)
仏サンクルー競馬場・芝2400m
5着/8頭2分28秒6
1・1/2馬身
M.ギュイヨン
7月24日独G1ベルリン大賞(3歳上)
独ホッペガルテン競馬場・芝2400m
1着/10頭2分33秒5
5馬身
A.シュタルケ
9月04日独G1バーデン大賞(3歳上)
独バーデンバーデン競馬場・芝2400m
1着/6頭2分37秒5
6馬身
A.シュタルケ
10月02日仏G1凱旋門賞(3歳上)
仏ロンシャン競馬場・芝2400m
1着/16頭2分24秒4
5馬身
A.シュタルケ

ドイツ調教馬ですが、フランスでデビューし1着。3走目のフランス準重賞では1位入線も3着に降着になりました。このときの2位入線馬で繰り上がり1着のクラマーはその次走、英G2で2着、続く英G3で優勝しました。

デインドリームの本領発揮は3歳になって距離が伸びてからで、牡馬に混じってイタリアダービーで3着すると、イタリアオークスは凱旋門賞の予行のようなレース振りで楽勝。

イタリアダービーのレース映像(YouTube)。内から4頭目、白の帽子がデインドリーム(以下同じ白の帽子、オレンジ地の勝負服)。

イタリアオークスのレース映像。



牝馬限定G2マルレ賞(レース映像、有料)では出走馬中、唯一のG2勝ち馬だったため、1頭だけ他馬より2kg重い58kgを背負って出走。前に行った3頭が1,2,3着を占めた競馬を最後方から進んで捉えられず5着止まり。マルレ賞を勝ったテストステロンはのちに仏G1ヴェルメイユ賞(芝2400m)で2着。マルレ賞3着はのちに古馬牡馬混合の仏G1ロワイヤルオーク賞(芝3100m)で3着。マルレ賞4着はのちにカナダG1(芝2000m、3歳以上牝馬)で11頭立て1・1/2馬身差4着するという好メンバーでのレースでした。

ベルリン大賞では 2010年のドイツ年度代表馬スカロ Scalo 相手に楽勝。

2011年ベルリン大賞のレース映像。




バーデン大賞では09年ドイツ年度代表馬ナイトマジック Night Magic に6馬身差をつけました。このとき13馬身差3着は昨年のG1カナダ国際勝ち馬(今年2着)のジョシュアツリーで、ジョシュアツリーは昨年のジャパンカップで約5馬身差10着でした。

バーデン大賞のレース映像(ドイツでも新聞を高く放り投げるアホはいるという映像でもあります)。



そして凱旋門賞はご存じの通りのレースレコードの圧勝。日本で実績のあるスノーフェアリーと比較すると、デインドリームは残り1000m地点でスノーフェアリーの3-4馬身ほど前、残り600mでスノーフェアリーの2馬身前でしたが、最後は5馬身差をつけています(まあ凱旋門賞は3歳馬が3.5kg減ときわめて有利ですが)。

2011年凱旋門賞のレース映像。


デインドリーム Danedream の血統(5代血統表日本語英語
ロミタスニニスキニジンスキー
ヴァージニアヒルズ
ラコロラダズルムー
ラドラダ
デインドロップデインヒルダンジグ
ラジアナ
ローズボンボンハイトップ
レディベリー
ノーザンダンサーの4×4、(NDの母)ナタルマ5×5×5、リボー5×5。

デインドリームの父は昨年2010年のエリザベス女王杯で4着したシャラナヤと同じロミタス。

父父ニニスキ(その父ニジンスキー)は、ジャパンカップ4着(1994)と3着(1995)のエルナンドや、4着(1997)のカイタノを出しています。またニニスキは05年のジャパンカップをレコード勝ちしたアルカセットの母父でもあります。

とくにアルカセットは母父ニニスキ、母母父ハイトップという組み合わせ。デインドリームは父父ニニスキ、母母父ハイトップでアルカセットと同じ組み合わせを持ちます(アルカセットの場合は父キングマンボであったことが最大の勝因だとは思いますが)。

デインドリームの父母父ズルムーはテスコボーイのいとこで、産駒のプラティニ(エイシンフラッシュの母父)は人気薄でジャパンカップ4着。孫のランドは95年ジャパンカップ1着。このようにジャパンカップで結果を出した血統で固めて、そこにデインヒルを加えたのがデインドリームだから、血統だけ見てもジャパンカップ出走の外国馬の中では(あくまで外国馬の中では)一番ジャパンカップ向きに思います。

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