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2011年9月30日金曜日

ディープ産駒ビューティーパーラーがフランスでデビュー2連勝

ディープインパクト産駒ビューティーパーラーがサンクルー競馬場・芝1600mで行われた2歳牝馬の条件戦エスメラルダ賞に出走し、2着に3・1/4馬身差をつけて快勝しました。ここはメンバーがそろわず、ビューティーパーラーと3着馬が1勝ずつしているだけで、2着馬は初出走馬(3kg斤量減)でした。2着馬の母は、凱旋門賞馬サガミックスの全妹。

シャドウロール装着、青色の勝負服がビューティーパーラーです。



 
有料レース映像はこちら。レース中の画像はこちらこちらから見れます。

映像を見ると楽勝でした。先行2頭のすぐ後ろを追走し、最後の直線に入ると馬なりのまま前にほぼ並び、400m付近から軽く追われ始めるとすぐに先頭に立って最後の数十メートルは流すだけ。クラストゥス騎手は鞭も使っていないように見えました。


ビューティーパーラーはこの勝利でデビューから2連勝です。ロルーシュ調教師はデビュー勝ちのあとで次のように述べていました。
「今シーズンはおそらくもう1走し、おそらく条件戦か準重賞になるでしょう。現段階ではG3レゼルヴォワール賞(2歳牝馬、ドーヴィル・芝1600m、10月18日)をどうしても使いたいという気持ちではありません。」
ディープ産駒ビューティーパーラーの次走は条件戦か準重賞?

その条件戦が今日のエスメラルダ賞なので、今年の出走はこれが最後の可能性が高そうです。あるとしても準重賞に出走するだけで、重賞では無いでしょうね。来年を楽しみに待ちましょう。

過去記事
ディープインパクト産駒ビューティーパーラー、デビュー戦を8馬身差快勝

エスメラルダ賞(Prix Esmeralda)
2011年9月30日、フランス・サンクルー競馬場、芝1600m
2歳以上、5頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
1ビューティーパーラー
Beauty Parlour
2牝
1.7倍
A.クラストゥス1分43秒002戦【2-0-0-0】
2サガワラ
Sagawara
2牝
4.5倍
C.ルメール3・1/21 戦【0-1-0-0】
3ガーザール
Gaazaal
2牝
4倍
O.ペリエ短頭差3戦【1-0-1-1】
4着馬は3着から6馬身差

2011ドラール賞の出馬表(ナカヤマナイト出走)

ナカヤマナイトが出走する仏G2ドラール賞(10月1日)の出馬表が発表されました。シリュスデゼーグルがド本命の存在です。

シリュスデゼーグルは昨年のこのレースの勝ち馬。ジャパンカップでも外国馬最先着の9着しています。今年に入ってからますます強くなり、重賞ばかり8戦して4勝2着3回3着1回(【4-3-1-0】)です。G1イスパーン賞でゴルディコヴァの2着、G1サンクルー大賞典でサラフィナから1/4馬身差の2着しています。

2走前のG3ゴントービロン賞(2000m)は8馬身差、前走G2ドーヴィル大賞典(2500m)は10馬身差圧勝でした。


ほかにバイワードは昨年G1プリンスオブウェールズS.勝ちも今年は昨年ほどの調子は無さそう。G1はなかなか勝てないが、G2、G3では安定して走るフェイマスネームも注目。

ドラール賞(Qatar Prix Dollar
2011年10月1日、フランス・ロンシャン競馬場、芝1950m
3歳以上、G2、11頭、出馬表(JRA)
馬番ゲート番馬名性齢騎手通算成績
主な成績
16ダーバンサンダー
Durban Thunder
5牡T.ヘリヤー9戦【4-2-1-2】
前走ドイツG1勝ち
25シリュスデゼーグル
Cirrus Des Ailgles
5センF.ブロンデル36戦【12-14-5-5】
重賞7勝
34バイワード
Byword
6牡M.ギュイヨン13戦【6-2-1-4】
昨年、英G1勝ち
47フェイマスネーム
Famous Name

6牡
P.スマレン28戦【14-7-4-3】
重賞8勝
53シムラーン
Shimraan
4センC.ルメール9戦【3-1-1-4】
G2ユージーンアダム賞1着
610サガドリーム
Saga Dream
5センT.ジャルネ19戦【5-4-3-7】
伊G3で3着
71ヴァガボンドシューズ
Vagabond Shoes
牡4O.ペリエ7戦【2-1-0-4】
仏G3勝ち
811デザートブラン
Desert Blanc
牡3S.パスキエ4戦【3-0-1-0】
G3プランスドランジュ賞3着
99フレンチネイビー
French Navy
牡3A.アジュテビ6戦【5-0-0-1】
英仏でG3を1勝ずつ
102テオダノン
Theo Danon
牡3A.スボリッチ6戦【2-0-0-4】
独G3で1勝
118ナカヤマナイト
Nakayama Knight
牡3柴田善臣10戦【3-3-1-3】
共同通信杯

ダーバンサンダーは60kg、シリュスデゼーグルは59kg、3歳馬は55kg、他57kg。

ハットトリック産駒ダビルシム出走予定ジャンリュックラガルデール賞の出走予定馬

仏2歳G1モルニ賞を3馬身差で快勝したハットトリック産駒ダビルシム Dabirsim が凱旋門賞当日の仏2歳G1ジャンリュックラガルデール賞に出走し、デビュー以来無敗の5連勝でG1競走2勝目を狙います。出走予定馬を紹介します。

なお同日の仏G1オペラ賞に登録していたディープインパクト産駒アクアマリン、および前日のG2ドラール賞に登録していたディープ産駒のバロッチは2次登録まで進まず、出走しないことになりました。


G1ジャンリュックラガルデール賞(フランス・ロンシャン競馬場、芝1400m)出走予定馬
ただし出走馬は未確定です。出走予定馬は7頭。フィリーズマイル2着のサミターが回避して対抗馬といえる存在はいなくなりました。上から順に収得賞金順です。

ダビルシム Dabirsim 
父ハットトリック、母父ロイヤルアカデミー
通算4戦【4-0-0-0】
仏G1モルニ賞1着(3馬身差、芝1200m)
仏G3カブール賞1着(1馬身差、芝1200m)

懸念材料は4戦とも1200mのレースであることぐらい。モルニ賞では後方で少し行きたがるそぶりを見せました。しかし他の出走馬は後述するように重賞で先行して結果を出している馬が多くペースが速くなりそうなので折り合いに気を使うことは無いのではないかと。前走に引き続きデットーリ騎手が騎乗予定なのも心強い。ダビルシムの祖母は2200mのイタリアオークス(当時G1)勝ち馬なので血統的にも1400mならむしろ1200mより向いている可能性のほうが高そうです。

モルニ賞のレース映像。ゲート手前から4頭目がダビルシムです(ゼッケン5番)。




ソーファスト Sofast
父ロックオブジブラルタル、母父ベーリング
通算3戦【2-0-0-1】
仏G1モルニ賞4着(4馬身差、1200m)
仏G3ラロシェット賞1着(1/2馬身差、1400m)

モルニ賞の出走馬でジャンリュックラガルデール賞に出走するのはダビルシム以外ではこの馬だけです。モルニ賞の2週間後、9月4日のラロシェット賞で優勝しました。ラロシェット賞はジャンリュックラガルデール賞とおなじロンシャン競馬場・芝1400mの条件です。逃げ馬が3着に、2番手先行馬が2着にはいったラロシェット賞でソーファストは後方6番手追走から差し切っています。このときは馬場が悪く1分25秒24の勝ち時計でした。モルニ賞と同じようにジャンリュックラガルデール賞の時計が速ければダビルシムとの4馬身差は詰まらないだろうが、雨が降ったら怖いという認識で良さそう。


マックロウ Mac Row
ルヴィエデイコローリ、母父デザートキング
通算5戦【2-1-1-1】
仏G2ロベールパパン賞3着(3馬身差、1100m)
仏G3ラロシェット賞2着(1/2馬身差、1400m)

7月のロベールパパン賞はファミリーワンから3馬身差の3着。ファミリーワンはその次走のモルニー賞でダビルシムの3馬身差2着でした。前述のラロシェット賞でもダビルシムに完敗したソーファストに敗れています。


アメリカンデビル American Devil
父アメリカンポスト、母父セルカーク
3戦【2-0-1-0】
準重賞1着(1・1/2馬身差、ロンシャン競馬場・芝1400m)
仏G3ラロシェット賞3着(1・1/4馬身差、1400m)

1番人気で出走したラロシェット賞は逃げる展開から3着。2着の2番手追走マックロウとは3/4馬身差でした。ただし7月の準重賞はロンシャン競馬場・芝1400mを1分21秒10と速い時計で優勝。このときの3馬身差3着馬は次走G3シェーヌ賞(芝1600)を勝ちました。良馬場ならソーファストやマックロウよりこちらを警戒したい。



サルアー Salure
父サキー、母父ルアー
6戦【2-4-0-0】
伊G3Premio Primi Passi 2着(2馬身、1200m)

全6戦はイタリアでの成績です。3走前のG3では、その次走から準重賞を2連勝するストラテジックゲームに1・3/4馬身差先着した2着でした。近2走はいずれも離して逃げ、1勝し、1600mの準重賞でも2着しました。とはいえイタリア馬なので通用するかは微妙。


フォートバスティオン Fort Bastion
父ロウマン、母父ロイヤルアプローズ
4戦【0-3-0-1】
英G3エイコムS.2着(1・1/4馬身、7ハロン)

他に準重賞ではメイビーから2・1/4馬身差の2着。メイビーは連勝を続け、無敗の5連勝でG1を勝っています。フランスは今回が初出走で未知の魅力があります。



ヴェネト VENETO
父パニス、母父マリニャン
4戦【0-1-1-2】

フランスで4戦して未勝利。前走はロンシャン・芝1400mで3着だけど、条件戦でそれではG1はもちろん無理でしょう。

ハットトリック産駒が北米初勝利(ヒドゥンボールトリックが1着)

9月29日に米ローレルパーク競馬場で行われたメイドンスペシャルウェイト(未勝利戦)で父ハットトリックの牝馬ヒドゥンボールトリックがデビューし、既走馬を頭差差し切って優勝しました。ハットトリック産駒が北米で勝つのはこれが初めて。

(BloodHorse のツイッターアカウントが「6th winner for Hat Trick」と書いているのだけど、ダビルシムサスピシャスジャックマタハリ、ヒノキのほかにもう一頭どこかの国で勝ち上がっているのでしょうか?)


ヒドゥンボールトリックの5代血統表。5代母が Soaring です。グラスワンダーの4代母で、ダノンシャンティや、ラーイ、シングスピールの5代母であるなど、ここから活躍馬が広がる名牝系です。


ハットトリック産駒はこれまでにアメリカ・カナダで少なくとも8頭がデビューし、14戦して2着が2回あるだけでした。芝のレースはヒドゥンボールトリックが2頭目(2戦目)。やはり芝向きなのかな? (訂正:芝ではなくダートでした。もともと芝で予定されていたレースがダートに変更されています。)
馬名
(母父)
月/日競馬場
距離
1着からの着差・着順(頭数)
Party Hat
(Metfield)
7/18プレイリーメドウズ
ダート5ハロン
10馬身差4着(9)
Party Hat
(Metfield)
8/7プレイリーメドウズ
ダート5.5ハロン
7・1/4馬身差3着(8)
My Mom Pat
(Dixieland Band)
8/28ルイジアナダウンズ
ダート5.5ハロン
2馬身差3着(11)
Cash Or Cheque
(Regal Classic)
7/30ウッドバイン
オールウェザー6ハロン
20馬身以上7着(8)
Sunday Monday
(Salt Lake)
9/4ウッドバイン
オールウェザー5ハロン
20馬身以上7着(7)
B G Little Hat
(Clackson)
6/24ローンスター
ダート5ハロン
20馬身以上8着(9)
B G Little Hat
(Clackson)
9/8レタマパーク
ダート5ハロン
18馬身差9着(12)
Sheer Trick
(Anees)
9/9カンタベリーパーク
ダート5.5ハロン
18・3/4馬身差7着(8)
Wapanucka
(Clackson)
9/10アーリントンパーク
オールウェザー5.5ハロン
12馬身差4着(8)
Howe Great
(Western Winter)
9/20パークスレーシング
ダート7ハロン
3・1/2馬身差2着(6)
Cash Or Cheque
(Regal Classic)
9/21ウッドバイン
オールウェザー6ハロン
約15馬身差9着(12)
My Mom Pat
(Dixieland Band)
9/23アーリントンパーク
ダート6ハロン
7・3/4馬身差2着(11)
Wapanucka
(Clackson)
9/24アーリントンパーク
芝1マイル
約7馬身差8着(11)
Sunday Monday
(Salt Lake)
9/28ウッドバイン
オールウェザー6ハロン
17馬身差6着(9)
Hidden Ball Trick
(Wavering Monarch)
9/29ローレルパーク
ダート5.5ハロン
アタマ馬身差1着(12)


メイドンスペシャルウェイト(Maiden Special Weight)
2011年9月29日、アメリカ・ローレルパーク競馬場、ダート5.5ハロン(芝から変更)
2歳牝馬、12頭(うち既走馬2頭)、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
着差通算成績
主な成績
1ヒドゥンボールトリック
Hidden Ball Trick
2牝
12.8倍
1分05秒551戦【1-0-0-0】
2Proverbial2牝
7.8倍
アタマ2戦【0-1-0-1】
デビュー戦7着
3Allwewantforxmas2牝
2.6倍
1/2+5馬身
3位入線馬は5着降着
0戦【0-0-1-0】

2011年9月29日木曜日

ロケットマンの成績・動画紹介(2011スプリンターズステークス出走)

10月2日に行なわれるG1スプリンターズステークスに出走するシンガポール馬ロケットマンについて紹介します。

通算成績21戦17勝2着4回(いずれも1200m)
芝:14戦【11-3-0-0】、ポリトラック(オールウェザー): 7戦【6-1-0-0】
左回り:19戦【16-3-0-0】、右回り(いずれも香港・シャティン競馬場):2戦【1-1-0-0】

主な成績:
国際G1
1着2011年ドバイゴールデンシャヒーン(メイダン競馬場AW1200m)
1着2011年クリスフライヤーインターナショナルスプリント(クランジ競馬場・芝1200m)
2着2009年クリスフライヤーインターナショナルスプリント
2着2010年ドバイゴールデンシャヒーン
2着2010年クリスフライヤーインターナショナルスプリント
2着2010年香港スプリント(シャティン競馬場・芝1200m)
シンガポールローカルG1
ライオンシティカップ3連覇(2009-11年、クランジ競馬場・芝1200m)

ドバイに2年連続で遠征し2着と1着。香港でも2戦しており遠征しなれている。右回りの経験は昨年12月の2戦だけ、しかし香港ローカルG2を1勝、G1香港スプリントでも短頭差2着している。


持ち時計についてくわしくはラップ分析でおなじみ Mahmoud さんの「ロケットマンを倒す方法、教えます。|上がり3Fのラップタイム検証」が参考になります。特に大事なところを引用すると、持ち時計最速は09年クランジ競馬場の1分06秒8。スプリンターズS.と同じ右回りの香港では2戦とも1分07秒6(いずれも国ごとの計時の違いを考慮した日本流換算値、香港の公式発表では1分08秒8)。

ちなみに過去5年のスプリンターズS.の勝ち時計は、
06年1分08秒1(テイクオーバーターゲット)
07年1分09秒4(アストンマーチャン、この年だけ不良馬場)
08年1分08秒0(スリープレスナイト)
09年1分07秒5(ローレルゲレイロ)
10年1分07秒4(ウルトラファンタジー)

なので、過去2年とほぼ同じ時計をロケットマンは昨年のシャティン競馬場で2戦続けて出しているわけです。では死角無しかというと、細かくラップを見ればそうでもないというのが Mahmoud さんの見解なので上の記事をオススメします。



以下、国際G1のレース映像の紹介。重要なのは2着に負けた2010年ドバイゴールデンシャヒーンですね。ロケットマンはいつも10頭前後のレースをスタートから外目の2-3番手を追走し最後は速い上がりでまとめる隙の無い競馬をしますが、このときは内で競馬をし直線で前にスペースを見つけるのにすこし手間取って、それを挽回する一瞬の切れ味はありませんでした。

今年のスプリンターズステークスも例年通りフルゲート16頭になるだろうから、内で少しでも窮屈な競馬になれば意外と他の馬にもチャンスがありそう。ただし、その「切れ味の無さ」はドバイゴールデンシャヒーンを舞台に戦った場合に見せたことです。日本馬はドバイゴールデンシャヒーンに過去7頭が出走し、バンブーエールとローレルゲレイロの4着が最高の成績というハイレベルのレース。日本馬と比較した場合にも瞬時に十分な加速が出来無いのかは微妙ですが。


2010年G1ドバイゴールデンシャヒーン(シャドウロール装着、赤の袖、赤と黒の胴がロケットマンです。以下同じ)


2010年G1香港スプリント


2011年G1ドバイゴールデンシャヒーン


2011年G1クリスフライヤーインターナショナルスプリント

オブライエン厩舎の日本人2人が賭け禁止規則に違反し罰金を科される

アイルランドのエイダン・オブライエン厩舎で調教助手として働く2人の日本人が、自厩舎の管理馬が負けるほうに賭けた事が判明し、アイリッシュターフクラブから、それぞれ2000ユーロの罰金と(おそらく調査費用かなにか)350ユーロの支払いを命じられました。調教師や厩務員などは自厩舎の出走馬が負けるほうに賭けることは禁止するルールブックに明記されています。

Ballydoyle work riders fined for laying stable's horses - Racing Post
The Irish Turf Club - Gosuke Motoki / Kaname Tsuge Referral Hearing(公式プレス)

賭けはベッティング・エクスチェンジ最大手 Betfair 社を通じて行われました。ベッティングエクスチェンジは個人対個人の賭けを仲介する、証券取引所のような機能を提供します。例えば日本の競馬の場合、勝つと思った馬Aの単勝オッズが低すぎると思えば、購入を見送るか、配当の期待値が高くなっていることを期待してあえて他の馬を買う、という選択肢しか無いところを、Betfair であれば、そのオッズでも買いたいと思っている人の賭けを引き受けて、Aが勝った場合に配当を支払い、負けた場合に配当を受け取るというポジションを取ることが可能です。


ターフクラブの報告書によると、Gosuke Motoki氏は3年間で計34頭が負けるほうに賭け、1369ユーロを得、1415.65ユーロを失って通算収支は46.65ユーロのマイナス。 Kaname Tsuge 氏は3年半の間に61頭が負けるほうに賭け、5101.19ユーロを得、4500.84ユーロを失って、通算収支は600.35ユーロのプラス でした。

両氏はただの予想(対戦相手の実力とか)を賭けただけで、Solid Information(関係者だけが知ることが出来た、信頼できる情報)に基づいて賭けたわけではないと判定されました。2人とも英語力が不足していたため自厩舎の出走馬が負けるほうに賭けることを禁止する規則を知らず、また、Tsuge 氏は Betfair のアカウント登録にバリードイルで働いていることを隠してさえおらず、さらに賭けの内容を精査した結果、他厩舎の出走馬が負けることに賭けたケースも多くあったため、自厩舎の出走馬が負けるほうに賭けた事もただのギャンブルであって八百長のような悪質な行為ではないと判断されています。しかし厩舎関係者が自厩舎の管理馬が負けるほうに賭けることはもっとも深刻な違反行為であると述べられています。

2011年9月28日水曜日

英G1チェヴァリーパークS.、ライトニングパールがG1初勝利

9月24日に行われた英2歳牝馬G1チェヴァリーパークS.(芝6ハロン)は、前走愛G3ラウンドタワーS.(芝1200m)を5馬身差で勝っていたライトニングパールが2,3番手追走から早めに抜け出し、最後は2着馬に追い上げられましたが、何とか1/2馬身差だけ先着しG1初勝利を挙げました。今シーズンは休養に入り、来年の英1000ギニーに備えるとの事。


チェヴァリーパークS.のレース映像(YouTube)。1番枠発走、黄色の帽子・勝負服がライトニングパールです。

ライトニングパールの5代血統表。父マルジュー(その父ラストタイクーン)、母は準重賞勝ち馬 Jioconda、母父ロッシーニ(その父ミスワキ)。



英G2クイーンメアリーS.など重賞2連勝を含む、デビュー以来無敗の4連勝中だった1番人気ベストタームズは約5馬身差の5着に敗れました。英G2ロウザーS.でベストタームズから8馬身差7着に負けていたサンデータイムズが最低人気で2着に。英G3勝ちのあと、重賞2戦して2連続7着だったエンジェルウィルフォールが3着。

チェヴァリーパークステークス(Jaguar Cars Cheveley Park Stakes)
2011年9月24日、イギリス・ニューマーケット競馬場、芝6ハロン
2歳牝馬、G1、9頭、Good To Firm、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ライトニングパール
Lightening Pearl
2牝
4倍
J.ムルタ1分11秒235戦【3-1-1-0】
愛G3ラウンドタワーS.1着
2サンデータイムズ
Sunday Times
2牝
34倍
W.ビュイック1/24戦【1-1-0-0】
3エンジェルウィルフォール
Angels Will Fall
2牝
17倍
W.ウィンストン1・1/45戦【2-0-1-2】
プリンセスマーガレットS.1着

サプレザ、英G1サンチャリオットS.3連覇達成

9月24日に行われた英牝馬G1サンチャリオットS.は、過去2年マイルチャンピオンシップに来日し3,4着しているサプレザがこのレース3連覇を達成しました。次走は再び来日しマイルチャンピオンシップに出走します。

近2走は、仏G1ロートシルト賞でゴルディコヴァの2着、仏G1ジャックルマロワ賞でイモータルヴァースとゴルディコヴァに続く3着。この2頭がいなければ実力は抜けていて楽勝でした。

サンチャリオットS.のレース映像(YouTube)。社台の勝負服がサプレザです。

2着にG1初出走のチャチャマイディー、3着は昨年のこのレース2着だったストロベリーダイキリです。英G1ファルマスステークスでサプレザを2着に負かしたタイムピースは最下位8着。マイルG1を5戦して2着4回のトゥゲザーは7着と波乱気味の結果に。


サンチャリオットステークス(Kingdom of Bahrain Sun Chariot Stakes)
2011年9月24日、イギリス・ニューマーケット競馬場、芝1マイル
3歳以上牝馬、G1、頭、Good To Firm、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1サプレザ
Sahpresa
6牝
2.6倍
C.ルメール1分37秒6020戦【8-4-4-4】
重賞5勝目
2チャチャマイディー
Chachamaidee
4牝
10倍
I.モンガン114戦【4-3-3-4】
G3オークツリーS.1着
3ストロベリーダイキリ
Strawberrydaiquiri
5牝
21倍
M.ドワイヤー3/415戦【6-2-1-6】
G2ウィンザーフォレストS.1着

デインドリームは凱旋門賞に出走確定。日本人が一部権利購入

Paris Turf などによると、ドイツの3歳牝馬デインドリームの凱旋門賞出走が決まりました。ベルリン大賞およびバーデン大賞で古馬牡馬を相手にG1を勝っています。

Danedream, c'est oui à l'Arc ! - Paris Turf

またデインドリームの権利の一部を日本人が購入したとのこと。購入者の名前は明らかになっていないですが、おそらく、というかほぼ間違いなく社台でしょう。来年も現役を続けるとシールゲン調教師が述べています。凱旋門賞の騎手はデインドリームの重賞3勝すべてで手綱を取ったA.シュタルケ騎手です。

デインドリームは凱旋門賞に登録していなかったため、追加登録料10万ユーロを支払っての出走です。ちなみに凱旋門賞の5着賞金が11万4400ユーロです。

ドバイのジュベルハッタなど3レースがG1昇格、2012年から

ドバイで行われている3重賞、ジュベルハッタ、マクトゥームチャレンジラウンド3、アルクォズスプリントが2012年からG1に昇格すると発表されました。ドバイのG1はこれで年間7競走になりました。

Emirates Racing Authority Announces Upgrades to UAE Pattern Races Group One Status for Al Quoz Sprint, final round of Al Maktoum Challenge and Jebel Hatta | Emirates Racing Authority


これによりドバイワールドカップ当日に行なわれるG1は次の5競走で、芝の方が多くなりました。総賞金額は2011年のもので、アルクォズスプリントは来年以降の増額があるでしょう。
アルクォズスプリント(芝直線1000m、100万ドル)
ドバイゴールデンシャヒーン(オールウェザー1200m、200万ドル)
ドバイデューティーフリー(芝1800m、500万ドル)
ドバイシーマクラシック(芝2410m、500万ドル)
ドバイワールドカップ(オールウェザー2000m、1000万ドル)



毎年3月上旬に行なわれるスーパーサーズデイのジュベルハッタ(芝1800m)、マクトゥームチャレンジラウンド3(オールウェザー2000m)もG1に。レースのレベルが理由なのか、日本馬はメイダン競馬場は初めてでもよく適応していると思いますが、今回のG1昇格で、現地で2戦使うメリットが大きくなりました。距離的に天皇賞(春)を目指さない馬を中心にどんどん遠征することになるかもしれません。

2011年9月27日火曜日

2011凱旋門賞の出走馬の紹介(ヒルノダムール、ナカヤマフェスタが予定)

今年2011年の凱旋門賞に出走する各馬の紹介です。出走馬および枠順は未確定ですが、有力どころは次のとおりです。文中のリンク先は特に記述が無い場合は過去記事です。騎手は推定。

9月26日現在の英ブックメーカーのオッズでは、人気順にサラフィナ、ソーユーシンク、ワークフォース、ガリコヴァ、ナサニエル、リライアブルマン、メアンドレ、スノーフェアリー、ヒルノダムール、 ナカヤマフェスタ、デインドリーム、セントニコラスアベイ、トレジャービーチの順です。


ワークフォース Workforce(4歳牡馬。5代血統表、英語サイト。以下同じ)
父キングスベスト、母ソヴィエトムーン、母父サドラーズウェルズ
騎手:R.ムーア、調教師:M.スタウト、馬主:カリッド・アブドゥラ
8戦【4-3-0-1】
ワークフォースの画像(奥、転載元

昨年の英ダービー凱旋門賞の勝ち馬。今年のキングジョージで2・3/4馬身差2着以来、ぶっつけの出走ですが、去年もキングジョージ17馬身差5着以来の出走でした。今年は3戦してG3ブリガディアジェラードS.(10ハロン、YouTube)を1勝のみ。他に英G1エクリプスS.でソーユーシンク(後述)から1/2馬身差の2着でした。

2010凱旋門賞のレース映像




ナサニエル Nathaniel(3歳牡馬。5代血統表)
父ガリレオ、母マグニフィセントスタイル、母父シルヴァーホーク
騎手:W.ビュイック、調教師:J.ゴスデン、馬主:レディー・ロスチャイルド
6戦【3-3-0-0】
ナサニエルの画像(左、転載元

今年のキングジョージでワークフォースを破って優勝しました。昨年、8ハロンのデビュー戦はフランケルから1/2馬身差の2着。今年は4戦すべて12ハロン戦で、G2チェスターヴァースでトレジャービーチ(愛ダービー馬)からアタマ差2着だった以外は全勝しています。ほかにキングジョージの1走前、G2キングエドワード7世S.は5馬身差で優勝。

こちらもキングジョージからぶっつけです。なお、馬場状態によっては(おそらく馬場が堅く、時計が速い場合には)凱旋門賞を回避して、10月15日のG1チャンピオンS.に回ります。

2011年キングジョージ6世&クイーンエリザベスS.のレース映像



ソーユーシンク So you Think(5歳牡馬。5代血統表
父ハイチャラパル、母トライアシック、母父タイツ(その父ニジンスキー)
騎手:S.へファナン、調教師:A.オブライエン、
馬主:Smith/Magnier/Tabor/Dato Tan/T.Yahaya
17戦【12-3-1-1】
ソーユーシンクの画像(転載元

ニュージーランド生産馬。2009年に豪G1コックスプレート優勝、2010年にコックスプレート連覇を含むG1競走4勝。2011年からはクールモアが購入し、アイルランドのエイダン・オブライエン調教師の元へ移籍しました。

今年はエクリプスS.でワークフォースを、愛チャンピオンS.でスノーフェアリーをそれぞれ2着に下して優勝するなどG1を3勝しました。6月の英G1プリンスオブウェールズS.ではドバイシーマクラシック勝ち馬リワルディングのクビ差2着に敗れています。

2100m以上の経験は、5月のG1タターソールズゴールドカップ(約2112m)と昨年のメルボルンカップ(3200m)があるのみ。前者は4馬身差快勝、後者は3着(YouTube)でした。2400mへの適性は気になりますが、メルボルンカップも残り300mから200mを切った辺りまで先頭に立っており持つでしょう。

なお、騎手についてオブライエン調教師の最終決定はまだです。ソーユーシンク愛移籍後の5戦はムーアが2戦、へファナンが3戦騎乗しました。凱旋門賞でムーアはワークフォースの予定で、また息子のジョセフを乗せてくるとは思わないし、今年オブライエン管理馬でG1を勝っている他の2人、スペンサーやオドノヒューを乗せるつもりがあるならエクリプスS.や愛チャンピオンS.でも乗ってもらっているだろうと思うので、普通にヘファナン騎手だろうと思います。バルザローナ騎手の可能性もなくは無いですが。

極端に馬場が悪くなった場合には回避する可能性があります。

2011年G1愛チャンピオンS.のレース映像。



サラフィナ Sarafina(4歳牝馬。5代血統表
父リフューズトゥーベンド、母サナリヤ、母父ダルシャーン
騎手:C.ルメール、調教師:A.ド・ロワイエ=デュプレ、馬主:アガ・カーン4世
9戦【6-1-2-0】
サラフィナの画像

昨年の凱旋門賞は直線手前で大きな不利がありましたがよく差して 1着から2・3/4馬身差の3着に入りました。今年は牡馬相手のサンクルー大賞典も優勝。前走フォア賞でヒルノダムールとセントニコラスアベイとの狭い間を抜け出てきた根性と末脚は見事でした。凱旋門賞は、道中は馬群の内でじっと待ち直線で馬群を割って抜け出す競馬が必勝パターンなので、今年も十分チャンスです。

2011年サンクルー大賞典のレース映像


2011年フォア賞のレース映像



リライアブルマン Reliable Man(3歳牡馬。5代血統表)
父ダラカニ、母オンフェアステージ、母父サドラーズウェルズ
騎手:G.モッセ、調教師:A.ド・ロワイエ=デュプレ、馬主:プライドレーシングクラブ
5戦【4-0-1-0】
リライアブルマンの画像(手前の青い帽子)

ここまでの5頭は父父か母父がサドラーズウェルズです。 

今年のジョッケクルブ賞(フランスダービー、2100m)は後方追走から馬群を抜け出して優勝。唯一の敗戦はパリ大賞典でメアンドレ(後述)の4・1/2馬身差3着でした。前走ニエル賞はメアンドレに2馬身差をつけて快勝。

フォア賞は2分32秒28、その30分後に行われたニエル賞は2分32秒43とほぼ同じ勝ち時計での決着でした。ただし本番は斤量が、サラフィナ56.5→58.0、ヒルノダムール・ナカヤマフェスタ58.0→59.5と増えるのに対して、リライアブルマンやミアンドレは3歳なので58.0→56.0と減る分きわめて有利です。あとは2分26秒63と速めの決着だったパリ大賞典で負けており、調教師もタイムを敗因としているので凱旋門賞が良い馬場で行われた場合の懸念材料です。

2011年フランスダービーのレース映像。


2011年ニエル賞のレース映像



メアンドレ Meandre(3歳牡馬。5代血統表
父スリックリー、母ペン、母父セーヴルローズ
騎手:M.ギュイヨン、調教師:A.ファーブル、馬主ロスチャイルドファミリー
10戦【3-3-1-3】
メアンドレの画像

昨年は4戦して3着が精一杯。今年に入ってから2→2→1→1→1→2とパーフェクト連対中。G1パリ大賞典で重賞初勝利。パリ大賞典ではリライアブルマンの1馬身ほど前の位置から直線でリライアブルマンを突き放し4・1/2馬身差をつけました。一方、行き脚がつかなかったニエル賞はリライアブルマンの2-3馬身後ろを追走しいったんはほぼ並びましたが、最後は2馬身差2着。

ただ、ニエル賞2週間前に熱発(RacingPost)して予定の調教をこなせなかったようなので、 前走の敗戦だけでは見限れないです。

2011年パリ大賞典のレース映像。



ガリコヴァ Galikova(3歳牝馬。5代血統表
父ガリレオ、母ボーンゴールド、母父ブラッシンググルーム
騎手:O.ペリエ、調教師:F.ヘッド、馬主:ヴェルトハイマー兄弟
7戦【5-1-0-1】
ガリコヴァの画像(転載元

ゴルディコヴァの半妹で、重賞3勝馬。仏オークス2着。ニエル賞の2時間後に行われたG1ヴェルメイユ賞でG1初勝利。ヴェルメイユ賞の勝ちタイムは 2分34秒38とフォア賞・ニエル賞より2秒ほど遅いですが、この間ロンシャン競馬場は強い雨が降り馬場が悪くなっているので、そのぶんでしょう。凱旋門賞はヴェルメイユ賞と同じ54.5kgでの出走です。

牡馬とは1戦だけしており、そのG2ギョーム・ドルナーノ賞では4着馬コロンビアンに3・3/4馬身差をつけました。コロンビアンは仏ダービーとニエル賞でそれぞれリライアブルマンから2・3/4馬身差4着、3・1/4馬身差4着しています。コロンビアンを物差しにすればリライアブルマンとも相手になりそう。

2011年ヴェルメイユ賞のレース映像。

"Qatar Prix Vermeille 2011" Galikova / O... 投稿者 DIRECTVISION1


ヒルノダムール Hiruno D'Amour(4歳牡馬。5代血統表
父マンハッタンカフェ、母シェアエレガンス、母父ラムタラ
騎手:藤田伸二、調教師:昆貢、馬主:蛭川正文
15戦【4-6-1-4】

初コースのフォア賞はサラフィナから短クビ差の2着。 セントニコラスアベイにも2馬身先着し、試走としては十分な結果でした。大阪杯はレコード勝利で、悪い馬場で行われた天皇賞(春)は13年ぶりに3分20秒以上かかった決着で優勝。時計が速くなっても、ある程度なら遅くても対応できる。



ナカヤマフェスタ Nakayama  Festa(5歳牡馬。5代血統表
父ステイゴールド、母ディアウィンク、母父タイトスポット
騎手:蛯名正義、調教師:和泉信一、生産者:新井牧場
14戦【5-3-0-6】

昨年の凱旋門賞2着馬。昨年のジャパンカップ以来だったフォア賞は最下位4着でしたが、後方追走のままで負けるよりは、ああやって逃げる競馬のほうが走る気力がなくなっていないことが確認出来てよかったと思います。昨年のフォア賞2着ほど順調ではないものの、今年も良い競馬を見せてほしい。


スノーフェアリー Snow Fairy(4歳牝馬。5代血統表
父インティカブ、母ウッドランドドリーム、母父チャーンウッドフォレスト
騎手:F.デットーリ、調教師:E.ダンロップ、馬主:アナモイン社
16戦【6-4-2-4】
スノーフェアリーの画像(転載元

昨年は英オークス愛オークス、エリザベス女王杯、香港カップとG1を4勝。今年はドバイシーマクラシックを目指していましたが、管骨に異常が見つかって海外競馬)出走断念。7月に復帰し、エクリプスS.はソーユーシンクから9馬身差の4着(5頭立て)。牝馬G1ナッソーS.は2馬身差2着。前走のG1愛チャンピオンS.ではソーユーシンクから1/2馬身差の2着まで調子を戻しています。

凱旋門賞に出走するかは今週中頃の追い切り後に決定されます(RacingPost)。ダンロップ調教師は、「時計が速い馬場の方が良い」と述べています。天気予報次第では回避する可能性もありそうです。なお近2走はデットーリ騎手が騎乗していました。

2010香港カップのレース映像。



デインドリーム Danedream(3歳牝馬。5代血統表
父ロミタス、母デインドロップ、母父デインヒル
騎手:A.シュタルケ、調教師:P. シールゲン、馬主:Gestut Berg Eberstein
11戦【4-0-4-3】
デインドリームの画像(転載元


G2イタリアダービー3着、G2イタリアオークス優勝。自国の独G1ベルリン大賞とバーデン大賞はいずれも古馬牡馬相手にそれぞれ5馬身差、6馬身差の圧勝しました。これを受けて凱旋門賞に5着賞金に相当する追加登録料を支払って出走することが検討されています。こちらも馬場次第(SportingLife)の出走ですが、おそらく柔らかい方を好んでいたはず。締め切り日は29日です。

2011バーデン大賞のレース映像



セントニコラスアベイ St Nicholas Abbey(4歳牡馬。5代血統表
父モンジュー、母リーピングウォーター、母父シュアブレード
騎手:J.オブライエン、調教師:A.オブライエン
馬主:D.スミス、Mrs.マグナー、M.テイバー
9戦【5-0-3-1】
セントニコラスアベイの画像

09年に2歳G1レーシングポストトロフィー(1マイル)優勝。今年はG1コロネーションカップ(12ハロン、YouTube)を制したあと、キングジョージ4馬身差3着、フォア賞3着。強いことは強いのですが、このメンバーに入るともう一歩足りない感じもします。


トレジャービーチ Treasure Beach(3歳牡馬。5代血統表
父ガリレオ、母 Honorine、母父マークオブエスティーム
騎手:C.オドノヒュー、調教師:A.オブライエン
馬主:D.スミス、Mrs.マグナー、M.テイバー
10戦【5-3-1-1】
トレジャービーチの画像(転載元

英ダービーで頭差2着のあと、愛ダービーは3/4馬身差で優勝。パリ大賞典は4馬身差4着でした。8月にはアメリカに遠征しG1セクレタリアトS.(10ハロン)を勝っています。12ハロンの英G2チェスターヴァースではナサニエルを頭差おさえて優勝しています。出走するとすれば特に馬場が悪い場合はセントニコラスアベイよりチャンスがありそう。

2011愛ダービーのレース映像




なお、今年の英ダービー馬プルモアはすでに引退。ニエル賞3着馬ヴァダマールは2週間後のG2レースを目標にしているため、凱旋門賞には出走しません。

凱旋門賞当日は新宿と梅田でパブリックビューイングが予定されています。詳しくはこちら。またグリーンチャンネルでは10月2日(日)22:30から24:00までのあいだに中継があります。詳しくは「2011凱旋門賞生中継~中央競馬を見るならグリーンチャンネル~」をご覧ください。

2011年9月24日土曜日

英G1フィリーズマイルはリリックオブライトが頭差で優勝

9月23日に行われた英2歳牝馬G1フィリーズマイルは、逃げたサミターと、後方から余裕の手ごたえで上がってきた1番人気リリックオブライトの追い比べに。最後はリリックオブライトが何とかアタマ差だけ交わしましたが、サミターの粘りも見事でした。

2011年フィリーズマイルのレース映像動画予備(どちらも YouTube。埋め込み不可なのでリンク先でご覧ください)。ゴドルフィンの勝負服でシャドウロール装着馬がリリックオブライトです。


リリックオブライトは前走G2メイヒルS.に続く重賞2連勝で、通算3戦3勝。父ストリートクライ、母スエズ、母の父グリーンデザート。5代血統表。近親にオペラハウスなどがいます。ストリートクライのG1勝ち馬は13頭目。

サミターはメイヒルS. 3着馬。メイヒルS.でクビ差2着だったフォールンフォーユーは2番人気5着。

リリックオブライトのマームード・アル・ザルーニ調教師「彼女が(Good To Firm)の馬場を好んでいたとは思いません。フランキー(・デットーリ)も同じように感じていたようで、勝てたのは能力が高かったからというしかありません」「今シーズンもう1走するか、現時点では言えません。ブリーダズカップのようなレースに向かうこともできますが、シェイクモハメドのお考えによります。」

フィリーズマイル(Shadwell Fillies' Mile)
2011年9月23日、イギリス・ニューマーケット競馬場、芝1マイル
2歳牝馬、G1、8頭、Good To Firm 、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1リリックオブライト
Lyric Of Light
2牝
3倍
F.デットーリ1分35秒983戦【3-0-0-0】
G2メイヒルS.1着
2サミター
Samitar
2牝
9.5倍
J.スペンサーアタマ5戦【1-2-2-0】
英G3アルバニーS.1着
3ファードウズ
Firdaws
2牝
4倍
R.ヒルズ4・1/23戦【1-1-1-0】
重賞初出走

ワークフォースとフランケルの調整は順調

凱旋門賞2連覇を目指すワークフォースは、キングジョージ以来となる出走に向けて順調に調整されているようです。

Stoute pleased with Workforce course gallop - Racing Post

記事の上に調教の様子を写したビデオがあります。M.スタウト調教師(キングジョージからぶっつけで凱旋門賞を使うという決断について聞かれて)「去年を同じように調整できたと思います。トライアルで厳しいレースをさせたくなかったのです。良い状態に持ってこれました。」

ワークフォースは昨年、英ダービーを制した後キングジョージに出走し1着ハービンジャーから17馬身差の5着に敗れました。凱旋門賞はキングジョージ以来の出走で優勝しました。今年7月23日のキングジョージはナサニエルから2・3/4馬身差の2着。レース中に後肢に軽い切り傷を負っていたとのことですが、それについては特に言及もなく昨年と同じぐらいの状態ででてきそうですね。

R.ムーア騎手も骨折からの復帰がぎりぎり間に合って、凱旋門賞ではデビュー以来コンビを組んでいるワークフォースに騎乗できるようです。



デビュー以来8戦8勝、ワールドサラブレッドランキングで世界1位のフランケルも、10月15日の英G1クイーンエリザベス2世S.(アスコット競馬場・芝1マイル)へ向けて順調に調教を積んでいるとのこと。

Frankel limbers up for QEII with smart gallop - Racing Post

これも記事上にビデオがあります。2頭を追いかける形から、最後は4馬身差先着。セシル調教師は「長めの休息を与えたので、QEIIのことを考えて早くに戻しました。」

こちらは7月27日のG1サセックスS.5馬身差圧勝以来、約3ヶ月ぶりのレースです。

2011年9月23日金曜日

ビューティーパーラーの2走目はエスメラルダ賞か? 他ディープ産駒の次走についても

9月7日の新馬戦を8馬身差で勝ったディープインパクト産駒ビューティーパーラーが、9月30日のエスメラルダ賞に登録されています。新馬戦のアレダムール賞から2走目にエスメラルダ賞というこのルートは、今年の仏3歳牝馬2冠馬ゴールデンライラックが昨年に連勝しています。

エスメラルダ賞はアレダムール賞とおなじサンクルー競馬場・芝1600m、2歳牝馬限定で行われます。重賞・準重賞では無いレースであり、準重賞以上の勝ち馬は出走できない、という条件です。


また、現在3戦2勝のディープ産駒アクアマリンは、登録されていた9月25日のドイツG3 Kölner Herbst-Stutenpreis の出馬表に名前がなく出走しません。今年の独オークス3着馬や昨年の独オークス3,4着馬がいる好カードなので見てみたかったですけどね。今のところアクアマリンは10月2日の仏G1オペラ賞(ロンシャン・芝2000m)、10月9日の伊G3 Premio Verziere(ミラノ・芝2000m)に登録、どちらも3歳以上牝馬限定競走です。

アクアマリンは3走目の準重賞リアンクール賞では同馬主アドヴェンチャーシーカーのペースメーカー役のような出走でした(6着)。勝算はもちろんイタリアG3の方にありますが、オペラ賞にそのアドヴェンチャーシーカーと、こちらも同馬主でパントレセレブルの半妹パンチュールアブストレート(G3で2着、G2で3着)も登録しており、もしかするとまたペースメーカー的な役割でオペラ賞に出走することになるかもしれません。


ビューティーパーラーの全兄で、9月17日の前走G3プランスドランジュ賞で2着したバロッチは、10月1日のG2ドラール賞(ロンシャン・芝1950m)に登録しています。ニエル賞最下位だったナカヤマナイトも出走予定のレースですが、中1週なのででてくるかは不明です。

2011年9月21日水曜日

ソーユーシンクが天皇賞(秋)に出走・来日か?とかいうスポニチの記事

スポニチのサイトに「ソーユーシンク来日!?天皇賞・秋からJC参戦も」という記事が掲載されていますね。参照している記事はこの辺だと思いますが。

So You Think You Should Learn Japanese? | Horse Racing UK
Horse Racing - Horse Racing - O'Brien Enters So You Think For Japan

記事の内容をまとめると、
  • ソーユーシンクが10月30日のG1天皇賞(秋)に登録している
  • 天皇賞を使うなら当然ジャパンカップにも出走するだろう
  • クールモアがソーユーシンクをオーストラリアから買ったとき、ジャパンカップがターゲットのひとつであると述べていた
  • だからエイダン・オブライエン調教師が天皇賞とジャパンカップ出走について真剣に考えている可能性がある
  • ただしオブライエン調教師は出走についてまだ肯定も否定もしていないし、いつもの「これから起こることを確認してから(決める)」という態度をとっているだけだ
というわけで、この記事(スポニチの記事も)は参戦の意向を示したという類のものでは無いのでご注意を。オブライエンのことなので、決めるのは凱旋門賞後でしょう。ちなみにクールモア関連のサイト・ツイッターアカウントなども、天皇賞(秋)について現時点で言及していません。


また、10月15日に行なわれるG1英チャンピオンS.(芝10ハロン)はブリティッシュ・チャンピオンズ・シリーズを締める大一番として今年から賞金が大幅に増額され、1着賞金が8800万円(1ポンド=119円として)に設定されました。それに比べれば天皇賞(秋)の1億3200万円の方が高額ではあるが、高速馬場の日本で戦うより中1週でもチャンピオンS.でトワイスオーヴァーナサニエルらと戦う方が確実性はずっと高いと思うし、クールモアもそう結論するような気がします。もちろん、天皇賞(秋)に出走してくれるなら歓迎です。

スミヨン騎手の騎乗停止確定、凱旋門賞の騎乗不可

9月11日の騎乗が原因で騎乗停止処分を言い渡されていたクリストフ・スミヨン騎手の不服申し立てが、9月20日に却下され、処分が確定しました。

FRANCE Soumillon's appeal against Arc ban rejected - Racing Post

問題となった騎乗は、9月11日のロンシャン競馬場・最終レースで、最後の直線で先頭に立ったスミヨン騎乗馬が、徐々に内ラチに寄り、すぐ内の後方にいた馬の進路を妨害して落馬させたというものです。

処分確定により9月25日から10月9日まで騎乗停止です。

過去記事
スミヨン騎乗停止で凱旋門賞アウト
スミヨン騎手の騎乗停止について20日に裁定委員会

豪G1アンダーウッドS.、ライオンテイマーが優勝

9月17日に行われた豪G1アンダーウッドS.は、ライオンテイマーが優勝しました。昨年の豪G1ヴィクトリアダービーを6馬身差で勝ったあと、ケガで10ヶ月の休養、前走G1で復帰し4着していました。

ニュージーランド産ライオンテイマーの5代血統表。父は日本でも供用されているストーミングホーム、母父ジェネラス。これは日本でも同配合馬を生産してオーストラリアに売りに行くべきですな。

1番人気で3月のG1シュウェップスオークス勝ち馬ライツオブへヴンは9着、2010-2011シーズンの最優秀3歳牝馬シャムロッカー(G1オーストラリアンダービー)は13着でした。

2011年アンダーウッドS.のレース映像。赤と黒の縦じまの勝負服がライオンテイマーです。


アンダーウッドステークス(Hyland Colours Underwood Stakes)
2011年9月17日、オーストラリア・コーフィールド競馬場、芝1800m
3歳以上、G1、14頭、レース結果レース動画予備
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ライオンテイマー
Lion Tamer
4牡
13.9倍
M.ロッド1分50秒3013戦【6-1-1-5】
G1ヴィクトリアダービー1着
2サザンスピード
Southern Speed
4牝
31倍
D.ニコリック1・1/410戦【3-2-1-4】
G1シュウェップスオークス3着
3ミダスタッチ
Midas Touch
4牡
9倍
N.ホール短クビ11戦【2-3-3-3】
G1愛ダービー2着

豪G3 ・1000ギニープレリュード、1着同着から1頭が4位降着。ブリスストリートが重賞2勝目

9月17日に行われた豪G3 1000ギニープレリュードは、4頭が横一線でゴールする接戦の結果に。いったんはG2勝ち馬ブリスストリートと準重賞勝ち馬セレブリティガールの1着同着が発表されたようですが、4位入線モシーンに騎乗したニコリック騎手の「残り100mからセレブリティガールが外に斜行しモシーンの進路を妨害した」という訴えが受け入れられ、セレブリティガールは4位降着となりました。1番人気ハロウェルベルは前走G2デインヒルS.に続く3戦連続2着。

WA's Bliss Street upsets in-form filly at Caulfield - The West Australian
Bliss Street lucks out as protest separates fillies

ブリスストリートは前走で1着から6馬身差6着と大敗していたためか人気薄でした。重賞2勝目です。

2011年1000ギニープレリュードのレース映像。 下の画像で、矢印がモシーン。赤い勝負服2頭の内、前がセレブリティガール、後ろがブリスストリートです。大した斜行には見えませでしたが、降着になったのは僅差の決着だったからでしょうかね。

1000ギニープレリュード(1000 Guineas Prelude)
2011年9月17日、オーストラリア・コーフィールド競馬場、芝1400m
3歳牝馬、G3、13頭、Good、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ブリスストリート
Bliss Street
3牝
21倍
S.アーノルド1分24秒488戦【4-0-2-2】
G3 W.AサイヤーズプロデュースS.
2ハロウェルベル
Hallowell Belle
3牝
2.7倍
B.メルハム短アタマ7戦【1-5-1-0】
G1ブルーダイヤモンドS.2着
3モシーン
Mosheen
3牝
5倍
D.ニコリックハナ5戦【1-1-2-1】
G1ゴールデンスリッパー2着

英G3ドバイインターナショナルワールドトロフィー、ディーコンブルースが重賞3連勝

9月17日に行われた英G3ドバイインターナショナルワールドトロフィー(芝5ハロン)は、1番人気のディーコンブルースが楽な手ごたえの追走から、追われると一気に抜け出して完勝しました。前走の愛G3フェニックススプリントS.を7馬身差で完勝しており、これで重賞3連勝です。 次走は10月15日の英G2ブリティッシュチャンピオンズスプリントS.の予定。

2011年ドバイインターナショナルワールドトロフィーのレース映像。白の帽子、赤色の袖がディーコンブルース。

ドバイインターナショナルワールドトロフィー(Dubai International World Trophy)
2011年9月17日、イギリス・ニューベリー競馬場、芝5ハロン34ヤード
3歳以上、G3、10頭、Good、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ディーコンブルース
Deacon Blues
4セン
2.25倍
F.デットーリ1分00秒4915戦【6-4-2-3】
英G3ハックウッドS.
2マサマー
Masamah
5セン
15倍
J.スペンサー123戦【8-2-1-12】
G2キングジョージS.1着
3ディンカムダイヤモンド
Dinkum Diamond
3牡
8倍
W.ビュイック3/413戦【3-3-4-3】
G2フライングチルダーズS.2着

2011年9月19日月曜日

名馬レッドラムのジンジャー・マッケイン調教師死去

英グランドナショナルを3勝した唯一の競走馬レッドラム Red Rum の調教師ドナルド・"ジャンジャー"・マッケイン氏が、9月19日午前2時45分頃、イギリス・チェシャー州の自宅で死去しました。80歳でした。息を引き取るときには家族がそばにいたとのこと。1週間ほど体調を崩していたそうです。

レッドラム(競走馬) - Wikipedia
Aintree legend Ginger McCain dies aged 80 - Racing Post
O'Sullevan and Balding lead tributes to McCain - Racing Post

マケイン氏は1973年、1974年、1977年にレッドラムでグランドナショナルを優勝、また、2004年にもアンバリーハウスで勝って通算4勝とし、先に4勝していたフレッド・リメル氏と並ぶグランドナショナル最多勝利調教師です。

2006年に息子のドナルド氏に厩舎を譲り、調教師を引退。ドナルド氏は今年、バラブリグス(Ballabriggs)でグランドナショナルを勝っています。

ドナルド・マッケイン・Jr 調教師「父を偉大な人であったと思っています」「厩舎は父が築き上げたものです。父がいなければわたしは今のような立場を得ていないはずで、この場所で仕事を続けていくことが出来ればとても素晴らしいことです。」「父からはグランドナショナルの馬と調教について、とても多くのことを学びました。しかし父が教えてくれた最大のことは、善良で、まっすぐで、正直でいれば、とんでもなくひどいことなど起こらないということです。」

Sir.ピーター・オサリバン(BBC、1997年まで50回のグランドナショナル実況)「レッドラムのグランドナショナル5戦3勝2着2回という成績は、信じられません。本当にフィクションの世界での結果のようです。」


1977年グランドナショナルのレース映像。レッドラムは当時12歳です。実況はオサリバン。ゴール時は次のように話しています。(independent.co.uk より)"He's getting the most tremendous cheer from the crowd. They're willing him home now. The 12-year-old Red Rum, being preceded only by loose horses, being chased by Churchtown Boy. They're coming to The Elbow. There's a furlong between Red Rum and his third Grand National triumph. And he's coming up to the line to win it like a fresh horse in great style. It's hats off and a tremendous reception - you've never heard one like it at Liverpool! Red Rum wins the National "


加G1ノーザンダンサーターフS.、ウィグモアホールがG1初勝利

9月18日に行われた加G1ノーザンダンサーターフS.は、イギリス調教馬ウィグモアホールが中団内目の追走から、直線でぽっかりと開いた内をそのまま伸びて優勝、G1初勝利を挙げました。ウィグモアホールは今年、ドバイ、香港、シンガポール、アメリカ、そして今回のカナダと5カ国で走っており、前走はアーリントンミリオンは1着から3・3/4馬身差4着でした。次走は不明。

前走G1ソードダンサー招待S.3着のアルカリが3着でした。この距離得意としている重賞5勝馬バーボンベイは2番人気でしたが逃げつぶれて最下位8着に終わっています。

2011年ノーザンダンサーターフS.のレース映像。4番の馬がウィグモアホールです。


ノーザンダンサーターフステークス(Northern Dancer Turf Stakes)
2011年9月18日、カナダ・ウッドバイン競馬場、芝12ハロン
3歳以上、G1、頭、Firm、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ウィグモアホール
Wigmore Hall
4セン
2.45倍
J.スペンサー2分30秒6718戦【6-4-2-6】
G1セクレタリアトS.2着
G1ドバイデューティフリー3着
2シマード
Simmard
6牡
6.4倍
P.ハズバンズクビ25戦【5-3-2-15】
G2ボウリンググリーンH.3着
3アルカリ
Al Khali
5牡
4.55倍
A.ガルシア1/226戦【6-3-4-13】
G2ボウリンググリーンH.1着

加G1ウッドバインマイルS.、トゥラルアがG1初勝利

9月18日に行われた加G1ウッドバインマイルS.は、前走G2バーナード・バルーチS.で重賞初勝利を挙げたばかりのトュラルアが差し切って優勝しました。もちろんG1初勝利。残り2ハロンではまだほぼ最後方の内にいましたが、スムーズに外に出し、そこからの脚が一頭だけ違いました。

2着に前走シューメイカーマイルS.勝ちのカレイジャスキャット。3着は前走G3ジャイパーS.勝ちのライトワン。昨年のウッドバインマイル勝ち馬コートヴィジョンは7着でした。

トュラルア陣営は次走に米G1ブリーダーズカップ・マイルを考えているとのこと(ESPN)。ちなみにウッドバインマイルのタイトルスポンサーはリコー(Amazon.co.jp)です。

2011年ウッドバインマイルS.のレース映像。芦毛の赤い勝負服がトュラルアです。


ウッドバインマイルステークス(Ricoh Woodbine Mile Stakes)
2011年9月18日、カナダ・ウッドバイン競馬場、芝1マイル
3歳以上、G1、12頭、Firm、レース結果(PDF)
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1トュラルア
Turallure
4牡
7.45倍
J.ルパルー1分34秒9215戦【6-2-3-4】
2カレイジャスキャット
Courageous Cat
5牡
2.15倍
P.ヴァレンズエラクビ14戦【6-3-2-3】
G1シューメイカーマイルS.1着
3ライトワン
Right One
5牡
10.4倍
G.ゴメスハナ21戦【5-4-4-8】
G3ジャイパーS.1着

G3独セントレジャー、フォックスハントが重賞初勝利

9月18日に行われたG3独セントレジャーは、英G2グッドウッドカップで 1/2馬身差4着だったフォックスハント(父ドバウィ、母父サドラーズウェルズ)が勝ち、重賞初勝利を挙げました。

イギリス調教馬が今年のドイツクラシックを勝ったのは、独2000ギニーエクセレブレーション 独オークスダンシングレインに続く3頭目です。

2011年ドイチェスセントレジャーのレース映像。赤の帽子、緑の勝負服がフォックスハントです。


ドイチェスセントレジャー(Deutsches St.Leger)
2011年9 月18日、ドイツ・ドルトムント競馬場、芝2800m
3歳以上、G3、7頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1フォックスハント
Fox Hunt
4セン
2倍
S.サウザ3分10秒2615戦【5-4-0-6】
2フェアーボス
Fair Boss
3牡
5.4倍
A.ピーチ3/45戦【2-3-0-0】
3ドーンツイスター
Dawn Twister
4牡
7.3倍
A.デフリース2・1/211戦【2-1-4-4】
独G1ラインラントポカル4着

ブラックキャビアがオーストラリア年度代表馬に選出。ソーユーシンクは最優秀中距離馬に

9月18日、オーストラリアの年度代表馬が発表され、301票(満票は318票)を獲得したブラックキャビアが、208票のソーユーシンクを抑え、2010-2011年度代表馬に輝きました。ピーター・ムーディー調教師が管理する牝馬が年度代表馬を受賞するのは、昨年のタイフーントレーシーに続く2年連続のことです。

Racing Victoria Limited - Black Caviar crowned 2011 Australian Racehorse of the Year

牝馬の受賞は過去12年で8回目とのこと。ブラックキャビアの今シーズン初戦は10月8日のG2スキラッチS.の予定です。

年度代表馬: ブラックキャビア(通算13戦13勝、G1を6勝)

13勝目のBTCカップのレース映像。 12戦目までのレース映像はこちらにまとめてあります(重賞のみ)


最優秀2歳馬: セポイ(G1ブルーダイヤモンドS.、G1ゴールデンスリッパー)

最優秀3歳牝馬: シャムロッカー(G1オーストラリアンダービー)

最優秀3歳牡馬セン馬: スターウィットネス(G1クールモアスタッドS.1着。英G1で2着1回3着1回

最優秀スプリンター: ブラックキャビア

最優秀中距離馬: ソーユーシンク(2010-2011シーズン中に豪G1を4連勝。動画はオーストラリア時代最後のG1勝利マッキノンS.)


最優秀ステイヤー: アメリケイン(G1メルボルンカップ

最高人気馬賞:ブラックキャビア(一般投票の56.6%を獲得)

最優秀障害馬:ブラックアンドベント(G1グランドナショナルハードル。2年連続選出。父ブラックホーク)

最優秀豪州産国際馬(オーストラリア外で調教されている豪州産馬が対象):ロケットマン
(G1ドバイゴールデンシャヒーン、G1クリスフライヤーインターナショナルスプリント

G1最多勝調教師:ピータームーディー(ブラックキャビア)

G1最多勝騎手:ルーク・ノーレン(ブラックキャビア)

最優秀種牡馬:ロンロ(産駒の収得賞金870万豪ドル、2004年の年度代表馬でもある)

2010年オーストラリアの年度代表馬は TYPHOON TRACY: 海外競馬

英G2ミルリーフS.、カスパーネッチャーが重賞2連勝

9月17日に行われた英2歳G2ミルリーフS.は、前走G2ジムクラックS.を勝っていたカスパーネッチャーが勝ち、重賞連勝です。K.ファロン騎手も、この1レース前に行われたG3アークトライアルに続き重賞連勝でした。カスパーネッチャーは追われてから抜け出すまでの脚が速く今後も期待できそう。次走は10月8日の英G1ミドルパークS.(芝6ハロン)で、その後には BC出走も検討されています。


カスパーネッチャーの5代血統表。父ダッチアートの初年度産駒です。馬名は父ダッチアートから連想してオランダの画家カスパル・ネッチェルですが、ここでは英語読みのカスパーネッチャーを表記しています。

曾祖母 Reprocolor の子にはカラースピン(愛オークス)、セザンヌ(愛チャンピオンS.)と2頭のG1勝ち馬がおり、またカラースピンがオペラハウス、カイフタラ(愛セントレジャー2連覇)を産んでいるなど、Reprocolor の一族には重賞勝ち馬が多数います。今月G2メイヒルS.を勝ったリリックオブライトの曾祖母も Reprocolor です。


2011年ミルリーフS.のレース映像。黄色の帽子、シャドウロール装着がカスパーネッチャーです。

ミルリーフステークス(Dubai Duty Free Mill Reef Stakes)
2011年9月17日、イギリス・ニューベリー競馬場、芝6ハロン
2歳、G2、9頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1カスパーネッチャー
Caspar Netscher
2牡
2.9倍
K.ファロン1分13秒498戦【3-2-2-1】
英G2リッチモンドS.3着
2レダクト
Redact
2牡
10倍
R.ヒューズ1/25戦【2-1-0-2】
3サイゴン
Saigon
2牡
5.5倍
K.ミルクザレク クビ5戦【2-0-2-1】
G3シレニアS.3着

英G3アークトライアル、グリーンデスティニーが重賞2連勝

9月17日に行われた英G3アークトライアルS.は、グリーンデスティニーが豪快に差し切って優勝し、前走のG3ストレンサルS.に続き重賞2連勝です。次走は10月15日のG1英チャンピオンS.の予定。

2011年アークトライアルのレース映像。後方から競馬する濃い緑色の帽子・勝負服がグリーンディスティニーです。


昨年の英エクリプスS.2着馬で、今年はG1で3着2回のスリピュトラが8馬身差5着。昨年このレースを勝ち、続くBCターフも連勝したデンジャラスミッジは、ドバイシーマクラシック以来の出走でしたが 7着でした。

アークトライアルS.(Dubai Duty Free Arc Trial)
2011年9月17日、イギリス・ニューベリー競馬場、芝11ハロン5ヤード
3歳以上、G3、8頭、Good、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1グリーンデスティニー
Green Destiny
4セン
3倍
K.ファロン2分21秒839戦【6-0-0-3】
英G3ストレンサルS.1着
2アルカジーム
Al Kazeem
3牡
4.5倍
S.ドローン1/26戦【2-3-0-1】
英G2ヴォルティジュールS.2着
3シーオブハートブレイク
Sea Of Heartbreak
4牝
12倍
R.ヒューズ2・3/413戦【5-3-1-4】
英G3ダリアS.2着

2011年9月18日日曜日

ブラックホーク産駒ブラックアンドベントは9着、豪G3ナチュラリズムS.

9月17日に行われた豪G3ナチュラリズムS.に出走したブラックホーク産駒ブラックアンドベントは1着から5.5馬身差の9着でした。もともとここは一叩きの予定で、スマードン調教師は結果に満足している様子。次走10月1日か2日の準重賞でG1メルボルンカップ出走条件のクリアを目指します。

ブラックホーク産駒ブラックアンドベントが豪グランドナショナルハードルを12馬身差圧勝。メルボルンカップ&中山大障害へ?
2011メルボルンカップ登録馬の斤量発表


ナチュラリズムS.を勝ったのは、イギリスから移籍後は4戦3勝だったディセンバードロー。1番人気でした。次走は10月2日のG1ターンブルS.(フレミントン・芝2000m)から、10月15日のG1コーフィールドカップ(コーフィールド・芝2400m)へ向かいます。また2着も移籍馬で、昨年の英ダービー2着馬であるアットファーストサイトでした。


ナチュラリズムS.のレース映像。最内枠、オレンジの帽子、オレンジと黒の勝負服がディセンバードローです。水色の勝負服で最後方から競馬するのがブラックアンドベント。

ナチュラリズムステークス(D'Urban Naturalism Stakes)
2011年8月1日、オーストラリア・コーフィールド競馬場、芝2000m
3歳以上、G3、16頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ディセンバードロー
December Draw
5セン
1.5倍
M.ロッド2分02秒2821戦【7-3-4-7】
重賞初勝利
2アットファーストサイト
At First Sight
4牡
9倍
S.キング0.5馬身10戦【1-3-1-5】
G1英ダービー2着
3ラッキーエイティーエイト
Lucky Eighty Eight
6セン
10倍
M.ペイン2.3馬身17戦【6-2-3-6】

スミヨン騎手の騎乗停止について20日に裁定委員会

クリストフ・スミヨン騎手が9月11日のロンシャン最終レースで落馬を引き起こしたとして9月25日から10月9日まで騎乗停止処分が下された件について、スミヨン騎手の不服申し立てを受け、9月20日にフランスギャロップの裁定委員会が開かれます。

Christophe Soumillon en appel le mardi 20 septembre (Galop) - Le crack jockey belge a écopé d'une suspension de 15 jours - l'actualité du Turf sur ZoneTurf.fr

フランスのとある競馬関連サイトでは(記事URL紛失)、「騎乗停止が取り消しになる、あるいは停止期間が短縮される可能性は低いだろう。しかし、スミヨン騎手の騎乗した Glasshoughton の動きは急なものではなく特に危険では無かった。落ちたサライヴァ騎手も危険回避のための行動が十分ではなく、責任はスミヨンだけにあるとは言えない」という内容の記事を掲載していました。

私はむしろ急な動きじゃなかったからこそ、内ラチに向かって徐々に寄っていく騎乗馬を修正しなかったスミヨンに責任があるんだろと思うのです。しかしスミヨンほど上手い騎手が凱旋門賞やロンシャンウィークエンドに乗れないのもつまらないことなので、そういう点でも残念な騎乗でした。

過去記事:スミヨン騎乗停止で凱旋門賞アウト

米G3パッカーアップS.、マーケティングミックスが重賞初勝利

9月17日に行われた米3歳牝馬G3パッカーアップS.は、マーケティングミックスが優勝しました。デビューから5戦はダートかポリトラックで1勝のみでしたが、芝に変わってからはいずれも完勝の2連勝で重賞勝ちです。

2011年パッカーアップS.のレース映像。3番枠がマーケティングミックスです。

次走はG1のクイーンエリザベス2世チャレンジカップS.に向かいます。同17日のG1ガーデンシティーS.勝ち馬ウィンターメモリーズも出走する予定のレースです。

パッカーアップステークス(Pucker Up Stakes)
2011年9月17日、アメリカ・アーリントンパーク競馬場、芝9ハロン
3歳牝馬、G3、14頭、Firm、レース結果、レース結果(PDF)
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1マーケティングミックス
Marketing Mix
3牝
2.3倍
J.アルヴァラード1分49秒247戦【3-1-1-2】
2シーレベルドライヴ
Sea Level Drive
3牝
26.5倍
C.ラナリー3・1/46戦【2-2-0-2】
重賞初出走
3メイドオブヘヴン
Maid of Heaven
3牝
47倍
E.ベイルド1/26戦【2-1-2-1】
重賞初出走

米G1ガーデンシティーS.、ウィンターメモリーズがG1初勝利

9月17日に行われた米G3ガーデンシティーS.は、ここまで重賞を4勝していたウィンターメモリーズが、イギリスからの遠征馬ティスケンスセオリーを差し切って優勝し、G1初勝利を挙げました。3着に昨年のG2 BCジュヴェナイルフィリーズターフ勝ち馬モアザンリアルが入りました。

2011年ガーデンシティーS.のレース映像。ウィンターメモリーズは芦毛の馬です。動画予備


直線入り口では前に馬群、すぐ右にも馬がいたため行き場所がなく、いったん最後方に下げて大外に出すと、残り1ハロンだけで全馬を悠々と差し切るという素晴らしいパフォーマンスでした。次走は10月15日の米G1クイーンエリザベス2世チャレンジカップS.(芝9ハロン)に向かう模様。2着ティスケンスセオリーはこのままアメリカに移籍するとのこと。

Belmont Park: Winter Memories explodes once clear to win Garden City | Daily Racing Form

ガーデンシティーステークス(Garden City Stakes)
2011年9月17日、アメリカ・ベルモントパーク競馬場、芝9ハロン
3歳牝馬、G1、8頭、レース結果(PDF)
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ウィンターメモリーズ
Winter Memories
3牝
2.1倍
J.カステリャノ1分51秒068戦【6-1-0-1】
重賞5勝目
2ティスケンスセオリー
Theyskens' Theory
3牝
5.5倍
G.ゴメスクビ9戦【4-1-1-3】
英G1フィリーズマイル3着
3モアザンリアル
More Than Real
3牝
7.7倍
C.ナカタニ1・1/26戦【2-1-2-1】
G2BCジュヴェナイルT1着

英G3ファースオブクライドS.、ロジャーセズが重賞初勝利

9月17日に行われた英2歳牝馬G3ファースオブクライドS.は、3連勝のあと3連敗中だったロジャーセズが2着に4馬身差をつける快勝で、重賞初勝利を挙げました。

ファースオブクライドS.のレース映像

イースタービー調教師「初ブリンカー装着に効果がありました。実際のところ、彼女はこれまで私が預かってきた中で最も怠ける牝馬です。」

ロジャーセズは、英スプリントカップ勝ち馬レッドクラブスの初年度産駒で、レッドクロス産駒の重賞勝ちは伊G3を勝った Vedelago に続く2頭目。

ファースオブクライドステークス(Laundry Cottage Stud Firth of Clyde Stakes)
2011年9月17日、イギリス・エア競馬場、芝6ハロン
2歳牝馬、G3、9頭、Soft、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ロジャーセズ
Roger Sez
2牝
15倍
D.アラン1分17秒718戦【4-0-0-4】
2ミスワークオブアート
Miss Work Of Art
2牝
3.25倍
P.ハナガン47戦【3-2-0-2】
準重賞1着
3メアリーフィルズ
Mary Fildes
2牝
7倍
L.ケニリー3・1/44戦【1-0-2-1】
準重賞3着

米ラピッドレダックスが17連勝

9月16日に米チャールズタウン競馬場・ダート8.5ハロンで行われたスターターアローワンス戦(1着賞金1万2000ドル)は、16連勝中のラピッドレダックス(5歳・セン)が逃げ切って優勝、連勝記録を17に伸ばしました。

レース映像。逃げるのがラピッドレダックス。動画予備(チャールズタウン公式)



近代アメリカ競馬の連勝記録は、2010年の米年度代表馬ゼニヤッタと、ニューメキシコ産馬限定競走ばかりを走ったペッパーズプライドとが保有する19連勝です。もう2勝でこの2頭に並び、さらに1勝して20連勝すれば、単独の連勝記録です。 

父プレザントリーパーフェクト、母父ストームキャットのラピッドレダックスは、通算37戦23勝、収得賞金約30万ドル、グレードレースの出走経験は無い。07年のキーランドセールで8万5000ドルで購買されていました。昨年10月のクレーミング競走後に現オーナーが6千500ドルで購入しています。その後、7つの競馬場、5ハロンから9ハロンまでの異なる距離で17連勝しました。15勝は2011年に入ってからのもので、にもかかわらず2011年に稼いだ賞金は17万ドル弱と、出走してきたレースのレベルが高くないことが分かるかと。

ちなみに18日時点の2011年の賞金順では276位で、1位のケンタッキーダービー馬アニマルキングダムの10分の1以下。また今年G1競走3連勝含む重賞4勝しているアクラメーションの6分の1です。

USA Rapid Redux extends winning spree to 17 - Racing Post

Racing Post が「スケールでいえば the great Zenyatta より明らかに the not-so-great Peppers Pride に近い」と書いていますが、オーナーのロバート・コール.Jr は、ゼニヤッタの19連勝は4年(実質丸3年)の競走生活で成し遂げられた、ラピッドレダックスはほぼ1年で達成しようとしており、そこに価値がある、というようなことを述べています(New York Times)。ラピッドレダックスが、低額クレーミングに出走経験がある馬しか出走できないスターターアローワンスに出走できるのは今年まで。上位クラスでは通用しない可能性が高いため、年内の20連勝達成を目標にしています。

2011年9月17日土曜日

ディープ産駒バロッチ、仏G3プランスドランジュ賞で2着



9月17日に行われた仏G3プランスドランジュ賞にディープインパクト産駒のバロッチが出走し、1着から1馬身差の2着に入りました。昨年の英2歳G1レーシングポストT.勝ち馬カサメントが最後方追走から大外を豪快に差し切って優勝しています。

3連勝中で前走は準重賞を勝っていたデザートブランがバロッチからハナ差3着。仏ダービー2着馬バブルチックが短頭差4着でした。バロッチはスミヨン騎手が最短コースを上手く乗った印象ですが、バブルチックや、G2ギョーム・ドルナーノ賞でガリコヴァから2馬身差2着だったスローペースにも先着して力のあるところを見せました。


レース中の画像はこちらこちらで見れます。前者の方が見やすい。水色の勝負服で3番手の内を進むのがバロッチです。レース映像は次の動画です。



ちなみに昨日はイギリスでディープ産駒が2戦1勝2着1回でした。
ディープ産駒モンスターマンチー、英2勝目。サンデーベスは2着

プランスドランジュ賞(Prix du Prince d'Orange)
2011年9月17日、フランス・ロンシャン競馬場、芝2000m
3歳、G3、7頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1カサメント
Casamento
3牡
10倍
M.バルザロナ2分06秒705戦【3-0-0-2】
G1レーシングポストT.1着
2バロッチ
Barocci
3牡
10倍
C.スミヨン17戦【1-2-0-4】
準重賞勝ち
3デザートブラン
Desert Blanc
3牡
3.1倍
S.パスキエハナ4戦【3-0-1-0】
前走準重賞勝ち

ドバイプリンスが復帰戦快勝、次走は英チャンピオンS.へ?

今年の英牡馬クラシック有力候補の1頭だったものの4月に骨盤部の亀裂骨折が判明して休養に入っていたドバイプリンスが11ヶ月ぶりとなるレースに出走、2着に2・1/2馬身差をつけて優勝しました。次走についてゴドルフィンのレーシングマネージャーは「シェイク・モハメドがお決めになります」と述べていますが、G1英チャンピオンS.になる可能性があります。

NEWBURY Dubai Prince impresses in comeback victory - Racing Post

2歳時にG3キラヴランS.(芝7ハロン)を制しており、今回はそれ以来の勝利で3戦3勝。 ブックメイカーは英チャンピオンS.のオッズとして10倍前後、7番人気程度に推しています。

結果(ニューベリー競馬場・芝9ハロン)、レース映像
2着馬は準重賞2着がある。3着馬はG3で2着がある。

メキシコG2でハットトリック産駒が3着。アメリカではまだ未勝利(のはず)。

8月27日に行われたメキシコのG2 Clasico Ciudad De Mexico で、ハットトリック産駒のサスピシャスジャックが3着(8頭立て)しました。2番手を追走していた馬が最終コーナーで逸走したので、それがなければ4着だった可能性も高いですが。ちなみにフサイチペガサス産駒のワンツー決着でした。

G2 Clasico Ciudad De Mexico のレース映像。3番枠発走がサスピシャスジャック。


メキシコなのでレベルは高いとは言えないですが、活躍してるのだからとりあえず良しとしましょう。サスピシャスジャックは現在3戦1勝2着1回3着1回の成績だと思います。


フランスG1をダビルシムが優勝、ロシアのローカルG1をマタハリが2着と活躍しているハットトリック産駒も、一方でアメリカとカナダではいまのところイマイチです。次の表にこれまでの(おそらく)全出走レースをまとめました。まだ未勝利です。

中団または後方追走から、位置を上げることができずそのままゴールするという競馬が多いです。 1番人気で出走した My Mom Pat は既走馬2頭が相手だったので近いうちに勝てそうかなと。いまのところダートかオールウェザーばかりなので、芝のレースにも期待したい。
馬名
(母父)
月/日競馬場
距離
1着からの着差・着順(頭数)
Party Hat
(Metfield)
7/18プレイリーメドウズ
ダート5ハロン
10馬身差4着(9)
Party Hat
(Metfield)
8/7プレイリーメドウズ
ダート5.5ハロン
7・1/4馬身差3着(8)
My Mom Pat
(Dixieland Band)
8/28ルイジアナダウンズ
ダート5.5ハロン
2馬身差3着(11)
Cash Or Cheque
(Regal Classic)
7/30ウッドバイン
オールウェザー6ハロン
20馬身以上7着(8)
Sunday Monday
(Salt Lake)
9/4ウッドバイン
オールウェザー5ハロン
20馬身以上7着(7)
B G Little Hat
(Clackson)
6/24ローンスター
ダート5ハロン
20馬身以上8着(9)
B G Little Hat
(Clackson)
9/8レタマパーク
ダート5ハロン
18馬身差9着(12)
Sheer Trick
(Anees)
9/9カンタベリーパーク
ダート5.5ハロン
18・3/4馬身差7着(8)
Wapanucka
(Clackson)
9/10アーリントンパーク
オールウェザー5.5ハロン
12馬身差4着(8)

9月17日現在



他にペルーで Osman というハットトリック産駒がデビューし、10頭立てで断然の最低人気でしたが1着から3馬身差4着(映像)しています。Osman が09年2月生まれの現在2歳であるのに対して、他の9頭は08年秋生まれの3歳だったので2kg軽い斤量での出走。芝1300mのレースで2番手を先行し、直線もよく粘りました。

母はアメリカでステークス勝ち含む12勝馬で、Osman 自身は09年のキーンランドセールで7万1000ドルで買われた馬じゃないのかな?  なぜペルーにいるのかは不明です。

デインドリームは秋華賞回避、エリザベス女王杯は検討中

秋華賞に選出されていたドイツ馬デインドリーム Danedream が出走を辞退したと、JRAホームページに掲載されました。

秋華賞(GI)外国馬情報-辞退馬- - JRA
P.シールゲン調教師のコメント
「秋華賞とエリザベス女王杯の両方に出走する場合、4週の間隔があり、他の馬が周りにいない環境が続くのはこの馬にとって良くないと思われるため、秋華賞は回避することとしました。エリザベス女王杯への遠征について、引き続き検討していきます。」

デインドリームは独G1ベルリン大賞、独G1バーデン大賞を勝ち、G1競走2勝。G2イタリアオークスも勝っています。バーデン大賞は2着ナイトマジックに6馬身差をつける圧勝で、このあとは凱旋門賞出走も検討されていますが、そのためには10万ユーロ(約1060万円)の追加登録料が必要で、オーナーの決断を待っているところです。また、BC出走も検討しているようで、その場合は米→日と国をまたいでの連闘になるため、エリザベス女王杯にもまず間違いなく来ないでしょう。

独バーデン大賞、デインドリームが楽勝でG1連勝
秋華賞選出デインドリームの日本適性は高そう。成績と血統の紹介

ディープ産駒モンスターマンチー、英2勝目。サンデーベスは2着

9月16日に行われたハンデキャップ競走(英ウォルヴァーハンプトン競馬場、オールウェザー約1905m)にディープインパクト産駒モンスターマンチーが出走し2着に1馬身差をつけて優勝、2勝目(6戦目)を上げました。

キーレン・ファロン騎手が騎乗していました。賞金順で最下級クラスのレースですが、欧州で走るディープ産駒で2勝目を上げたのはアクアマリンに続く2頭目です。

レース結果レース映像(要登録)

後ろから2頭目の外、黄色と紫の勝負服がモンスターマンチー

最終コーナー出口で開いた内を狙う

2着に1馬身差をつけて優勝



おなじディープ産駒のサンデーベスがその次のレースのハンデ戦(ウォルヴァーハンプトン・AW約2460m)に出走しましたが、こちらは2着でした。K.ファロンが騎乗。3着には4・1/2馬身差をつけましたが、初勝利は遠く、8戦目で2着4回目です。

レース結果レース映像(要登録)
 
前から3頭めの内を進む、モンスターマンチーと同じ勝負服がサンデーベス

最終コーナーで先頭を走っていた2頭の間を狙うが、このあとで少し狭くなるロス

先に抜け出した勝ち馬を追うが2・1/2馬身差の2着に終わる

2011年9月16日金曜日

豪G3スプリングS.、ダーチビーグッドが優勝

9月14日に行われた豪3歳G3スプリングS.は、ダーチビーグッドが優勝し、重賞初勝利です。次走は10月1日のG1スプリングチャンピオンS.(ランドウィック・芝2000m)の予定。ただし、10月29日のG1ヴィクトリアダービー(フレミントン競馬場・芝2500m)には出走しない模様。マレー調教師はダーチビーグッドの成長が十分でなく、2500mは持たないと考えているためとしています。来年4月のG1オーストラリアンダービー(ランドウィック・芝2400m)は目標にしているとのこと。ちなみに母父がフサイチペガサスです。

スプリングステークス(MGA Inruance Brokers Spring Stakes)
2011年9月14日、オーストラリア・ニューキャッスル競馬場、芝1600m
3歳、G3、8頭、Good、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ダーチビーグッド
Darci Be Good
3牡
4.6倍
G.ボス1分36秒616戦【3-1-1-1】
準重賞1勝
2リキンドルアライアンス
Rekindled Alliance
3牡
4.2倍
C.ブラウンクビ3戦【1-2-0-0】
重賞初出走
3アンビデクスター
Ambidexter
3牡
4倍
K.マケヴォイ3/45戦【2-1-1-1】
準重賞1勝

2011年9月15日木曜日

ダンカン引退、ドリームアヘッドもフォレ賞が最後のレース

9月11日の愛セントレジャーS.を1着同着で制したダンカンは、愛セントレジャーを最後に引退することになりました。他にヨークシャーカップとフォア賞でG2を2勝しています。

Duncan retired after Irish St Leger success - Racing Post

セン馬なので種牡馬入りは出来ず、今後はオーナーブリーダーの Philippa Cooper が所有する Normandie Stud で生活するようです。半兄でドンカスターC.を勝った Samuel もそこにいるとのこと。

Cooper 氏は G1を勝ったので来年7歳も現役を続けさせることは無いだろうと感じたので引退させることにしたとのこと。長距離重賞で活躍したが、11歳時のレース中に死亡したパーシャンパンチのようなことが起きて欲しくないとも考えていると。

Cooper 氏は、4歳になってからのダンカンを預かったゴスデン調教師について「ダンカンのことを信じていましたが、精神的に負けていた(かな?)ダンカンをゴスデン氏が立て直してくれたことに感謝しています 」と述べています(要約)。



また、今年ジュライカップ、スプリントカップとスプリントG1を2勝している3歳馬ドリームアヘッド(5代血統表)は10月2日のフォレ賞(ロンシャン・芝1400m)を最後に引退する模様。理由について、種牡馬入りさせる計画があるためとしています。2歳時にモルニ賞、ミドルパークS.も勝っておりG1は通算4勝しています。

フォレ賞に出走しない場合は10月15日のブリティッシュ・チャンピオンズ・スプリントステークスが最後だが、BCスプリントを走らせる事は無いとのこと。

Dream Ahead set to bring career to a close in Foret - Racing Post

2011メルボルンカップ登録馬の斤量発表

11月1日に行なわれる今年のメルボルンカップに現時点で登録している各馬の斤量が発表されています。

Internationals top Melbourne Cup weights : Racing Horse Breeding and Racing news updated daily, www.thoroughbrednews.co.nz

昨年54.5kgで勝ったアメリケインは58.0kg。過去30年で58kg以上の斤量を背負って優勝したのは、2005年のマカイビーディーヴァだけ(この年メルボルンカップ3連覇達成)。


ブラックホーク産駒オーストラリア版グランドナショナルを勝ったブラックアンドベントは 50.5kg。4歳以上の最低斤量50kg はクリアしているが、まだ出走条件を満たしていないとのこと。平地の賞金が足りないのか、ハンデ順で下すぎるのか、たぶん後者でしょうけど。9月17日の平地G3ナチュラリズムS.(芝2000m)を使った後、10月1日か2日の準重賞(平地、どちらも芝2400m)を使ってメルボルンカップ出走のため、条件クリアを目指します。


他に昨年のBCターフ勝ち馬デンジャラスミッジが57.5kg、愛セントレジャー勝ち馬ジュークボックスジューリーが57.0kgなどなど。まだ出走馬が確定したわけでも無いので詳しくはリンク先から。

2011 Emirates Melbourne Cup weights(PDF)
Melbourne Cup 2011 all conditions(PDF)

バロッチは17日の仏G3プランスドランジュ賞に出走しそう

ディープインパクト産駒バロッチは、9月17日の仏G3プランスドランジュ賞(ロンシャン・芝2000m)に出走しそうです。C.スミヨン騎手が騎乗予定。ちょっと強敵相手なので1,2頭ほど直前回避していただけるとありがたいのだけど。なお、バロッチの全妹で新馬戦を8馬身差で勝ったビューティーパーラーの次走については今のところ不明です。

他の出走見込み馬(バロッチ含めて全8頭の予定)
Bubble Chic:10戦【1-7-0-2】
仏ダービー2着
G2グレフュール賞で英ダービー馬プルモアから1・1/2馬身差2着

Casamento:6戦【3-1-0-2】
2歳G1レーシングポストトロフィー1着
英2000ギニー10着、仏ダービー9着

Slow Pace:6戦【2-1-0-3】
G2ギョーム・ドルナーノ賞でガリコヴァから2馬身差2着

Lindenthaler:6戦【3-1-0-2】
独G3で1勝。前走は2000mの独G3を2着

Staros:6戦【2-1-0-3】
リステッド(準重賞)1勝

Desert Blanc:3戦【3-0-0-0】
前走7月30日のリステッド(芝1600m)は、仏2000ギニー3着馬を負かして優勝

Red Dubawi:5戦【2-1-1-1】
2000mのリステッド1着。前走ギョーム・ドルナーノ賞は10馬身以上離れた最下位8着


ソーユーシンクは凱旋門賞へ(馬場状態に条件付き)

G1競走8勝馬ソーユーシンクが凱旋門賞に向かうとのこと。クールモアが発表しました。

Coolmore :: News :: 8-time Group 1 winner So You Think to be aimed at the ‘Arc’

馬場状態が極端に合わないものでなければ、出走すると。オーストラリア時代はG1を5勝。アイルランド移籍後はG1エクリプスS.で昨年の凱旋門賞馬ワークフォースを、G1愛チャンピオンS.でスノーフェアリーをそれぞれ2着に下して優勝するなどし、英愛のG1を3勝しています。

So You Think の成績・ 血統

ソーユーシンクは昨年のメルボルンカップで 3200mを経験し3着。他は 2000m前後でしか競馬をしていないので、凱旋門賞の2400mに懸念はありますが、それでもヒルノダムールやナカヤマフェスタにとって特に警戒すべき相手が増えました。

今年出走したG1のレース映像。 むらさきの帽子・勝負服がソーユーシンクです。
タターソールズゴールドカップ
プリンスオブウェールズS.(2着)
エクリプスS.
愛チャンピオンS.

2011年9月13日火曜日

スミヨン騎乗停止で凱旋門賞アウト

クリストフ・スミヨン騎手に9月25日から10月9日までの15日間、騎乗停止の処分が下りました。9月11日のロンシャン最終レースで起きた後続馬の落馬についてスミヨン騎手に原因があると判断されたためです。

日程的に凱旋門賞はアウト。騎乗停止がなくても今年の凱旋門賞には有力な騎乗馬がいないはずですが、ロンシャンウィークエンドのG1では、例えばオペラ賞で準重賞勝ちのアドヴェンチャーシーカーに乗るなどの予定があったと考えられます。


騎乗停止に対して異議を申し立てる(た?)ようですが、映像を見る限りではスミヨン騎手は進路を全く修正しようとしていないため、騎乗停止が覆る、あるいは騎乗停止期間が短縮される可能性は薄そうです。

落馬した Williams Saraiva 騎手は鼻と腕を骨折しました。ちなみに8日にも今回と同じロンシャン・芝1400mで3頭が落馬しています。

分かりづらいかもしれませんが、レース映像のキャプチャです。先頭を走っている赤の帽子がスミヨン騎乗の Glasshoughton、その内側、黒の帽子が落馬した Arrivederla です。直線に入ってすぐに Glasshoughtonが徐々に内ラチ側に寄っていき、進路がなくなった Arrivederlaが落馬しました。