昨年牝馬としては初めてこのレースを制した19戦無敗のゼニヤッタが、アメリカ近代競馬史上初の20連勝、および牝馬としては初めて(牡馬含めてもティズナウ以来となる史上2頭目)のBCクラシック連覇なるかが最大の注目点でした。
勝ったブレイムはこれで通算13戦9勝2着2回3着2回。BCクラシックのほかに、6月12日スティーヴンフォスターH.および8月7日ホイットニーH.とG1競走 2連勝し、当時重賞5連勝していた。G1戦2走を連勝して挑んだ前走10月2日のG1ジョッキークラブゴールドカップでは、ハイネスフィールド Haynesfield(BCクラシック11着)の逃げ切りを許し4馬身差2着だった。
(追記:ブレイムは BCクラシック優勝を最後に引退し種牡馬入りすることが決まりました。詳しくは「BCクラシック勝ち馬ブレイム引退」)
ゼニヤッタは昨年のBCクラシック以来6戦ぶりとなる牡馬との対戦。今年はこれまで牝馬限定G1競走5連勝中でした。ゼニヤッタはチャーチルダウンズ競馬場は初めての出走、一方ブレイムはスティーヴン・フォスターH.のほかに昨年のG2クラークH.勝ちがあるなど、チャーチルダウンズで4戦3勝3着1回の成績。経験の差がアタマ差につながったかもしれません。
2010年ブリーダーズカップ・クラシックのレース映像(英語)
レース展開
スタートはゼニヤッタが出遅れ気味。エスポワールシチーが内のクオリティロード Quality Road、ハイネスフィールド、ファーストデュード First Dude らと1,2コーナーで先頭争いをしているころ、ゼニヤッタはすでに先頭から15馬身以上離された最後方に位置し、ブレイムは7馬身差の7番手を進んでいました。
向こう正面でも4頭が5番手以降に6馬身ほどの差をつけてハイペースで先行し、5番手エッチド Etched から11番手プレザントプリンス Pleasant Prince まで7頭が5馬身差ほどの固まりで進む。ゼニヤッタはすこし差を詰めて2馬身差最後方を追走。
4コーナーでクオリティロードとファーストデュードが脱落し、直線入り口ではエスポワールシチーが先頭に立つが、すぐ後ろにはルッキンアットラッキーやブレイムが迫っており後続に飲み込まれる。エスポワールシチーはこの後ポジションを落とすだけで10着でフィニッシュしました。
ブレイムは4コーナーから直線で先頭に立つまで、内を選んだにもかかわらず、一度も前の馬に進路に入られることがなく進むことが出来ました。直線に入って狭いところを抜け出したブレイムをゼニヤッタがいつもの通り最後方からの直線勝負で追い上げましたが、いつもと違ったのはブレイムもゼニヤッタ並みの勝負根性を見せた、というところでしょう、やすやすとゼニヤッタが交わしていくはずの場面で、ブレイムは最後まで脚を伸ばしゼニヤッタに抜かせませんでした。ゼニヤッタがこの脚質で19連勝した事自体が奇跡ですが、ブレイムほどの実力馬にここまでスムーズに競馬をされると、さすがに差しきれなかった。
まだはっきりと発表されたことは一度もないですが、ゼニヤッタはこれが引退レースと考えられています。ただし、昨年BCクラシックを勝ったあと引退するはずだったのが、撤回され今年も現役を続けているので、引退が明言されるまで現役続行を期待するのも悪くないと思います。
3着は今年のG1ベルモントS.、G1トラヴァースS.いずれも2着だったフライダウン Fly Down。4着ルッキンアットラッキー Lookin' at Lucky は、プリークネスS.、およびハスケル招待H.と3歳G1競走を連勝し、前走3歳G2インディアナダービーも勝って3連勝で、ここは2番人気だった。
他にエスポワールシチーとともに先行した3頭は。今年2月のG1ドンH.を12馬身差圧勝、G1メトロポリタンS.優勝、ホイットニーH.でブレイムの頭差2着などがあるクオリティロード Quality Road は最下位12着。前走G1ジョッキークラブゴールドC逃げ切り勝ちハイネスフィールドは11着。今年プリークネスS.2着のほかにG1競走3着4回があるファーストデュードはいったん遅れたもののわずかに盛り返して8着に入りました。米G1実績がある先行馬も総崩れで、エスポワールシチーにとっても厳しいレースだったでしょう。
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