2010年11月3日水曜日

バンベラ引退、ケンタッキーで繁殖入り

ベネズエラからアメリカに移籍した牝馬バンベラ Bamberaは、10月11日のロゼナステークスで1着から24馬身差、4着から13馬身差の最下位5着に敗れました。レース後、共同オーナーの一人、José Gregorio Castro は引退を認めています。

Castro: "Bambera será servida en Kentucky" - YVKE Mundial

オーナーのカストロ氏は「(バンベラは)競馬場ですべてを発揮しました。引退させ、ケンタッキーの牧場で繁殖入りさせるつもりです。こちらの優良な種牡馬と交配させたいと考えています」と述べています。

最後のレースになった前走 Rossena S. では不可解なほど惨敗しましたが、状態に問題はないそうです。11月15日にケンタッキーに移動する模様。オーナーは、アメリカのチャンピオン(特に同じ牝馬のゼニヤッタやレイチェルアレクサンドラのことでしょう)と戦わせるために米移籍させたことを後悔していると述べました。

調教師の Gustavo Delgado 氏は、「(Rossena S.)の結果は悲しいもので失望している。繁殖にあげるのがバンベラにとってべストだろう」と述べました。

バンベラの通算成績は23戦16勝。2009年には、ベネズエラの牡牝それぞれの三冠レース計6戦に出走して5勝を挙げるなどし、ベネズエラ時代は通算18戦16勝、G1競走10勝。2010年からアメリカに移籍しました。アメリカでは5戦しましたが、初戦ランパートS.で骨折した影響を引きずったのか、米では未勝利のまま引退することになりました。

バンベラの北米でのレースは過去にも記事にしました。詳しくはそれぞれの記事をどうぞ。レース映像も載せています。

第1戦、G3ランパートS.(ダート1700m、3月20日、8頭立て8着)
バンベラ、北米デビュー戦敗れる、レース中に故障か

第2戦、オプショナルクレーミング(芝1700m、8月5日、4頭立てハナ差2着)
Bambera、アメリカ2走目は2着

第3戦、George Rosenberger Memorial S.(芝1700m、9月11日、10頭立て3着)
Bambera、米移籍3戦目は3着

第4戦目は9月28日のオプショナルクレーミングレース(デラウェアパーク、ダート1マイル17ヤード、3歳以上牝馬限定)を4頭立て3着(1着から5馬身差、レース映像)、第5戦目は Rossena S.(デラウェアパーク、ダート1700m、3歳以上牝馬限定)を5頭立て5着でした(レース映像)。

ベネズエラ時代の成績「今年の世界名牝十傑 - 名牝達の後宮 - 創造は力」より
牝馬三冠緒戦のラリンコナダ競馬場賞を6馬身差で圧勝すると、その翌週には牡馬三冠緒戦のホセアントニオパエス賞も4馬身半差で快勝。2週間後の牝馬二冠目プレンサイピカナシオナル賞を5馬身3/4差で勝って、翌週の牡馬二冠目クリアナシオナル賞へ挑んだ。しかし、連戦の疲れが出たのか、ゴール前で Harriman に強襲されてダブル二冠はならず。しかし、それでもへこたれない Bambera は、中2周で挑んだ牝馬三冠最終戦のホアキンクレスポ将軍賞で牝馬三冠を達成すると、牡馬三冠最終戦のヴェネズエラボリヴァル賞は12馬身差ぶっちぎって五冠を達成した。その後古馬相手のG1も制した彼女は、クラシコデルカリブでメキシコの三冠牝馬 Vivian Record との激闘を制し10個目のG1タイトルを獲得している。


個人的にはアメリカに長距離レースがほとんどないのが、バンベラの活躍の可能性を狭めたかなと。ベネズエラ時代には短距離実績もあったものの、アメリカの1700m付近のレースで結果が出なかったのだから、もっと長い距離で見てみたかったなぁ。一番残念だったのは米移籍初戦で骨折してしまったこと。スタートでつまづいた事が原因と見られる完全にアクシデント。復帰後も骨折の影響があったのかは分かりませんが、順調な状態ならどこまでやれたのか分からないまま、ベネズエラの名牝のキャリアが終わることになりました。

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