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2012年4月30日月曜日

ディープ産駒アクアマリンが仏G3アレフランス賞優勝

ディープインパクト産駒アクアマリン、アレフランス賞

4月30日に行われた仏G3アレフランス賞(芝2000m、4歳以上牝馬)は、4番手外目を追走したディープインパクト産駒アクアマリンが、逃げた昨年の凱旋門賞2着馬シャレータなどを差しきり、重賞初出走で初勝利を挙げました。

レースの連続写真はこちらこちら。レース映像予備(有料)


アクアマリンは父ディープインパクト、母アンジェリータ、母の父アルザオという血統の日本産馬(4歳牝馬)。今年初戦だった前走の条件戦(芝2000m)で、すでに重賞を勝っていた4歳牡馬マキシオスより1.5kg重い斤量を背負いながら、マキシオスから3・1/2馬身差に好走していました。

今回は今年初出走のシャレータより3kg軽く、また2着ハヤランダ(仏オークス3・1/4馬身差4着)より1kg軽い斤量でしたが、それでも大きな勝利です。

フランスでディープインパクト産駒の3歳牝馬ビューティーパーラー(イギリス産馬)が4月15日の仏G3グロット賞を勝ち、重賞初勝利を挙げたばかりで、ディープインパクト産駒の海外重賞勝利は2頭目となりました。


アクアマリンと同じ馬主のアンドロメダギャラクシー(ウィルデンシュタインの主戦騎手スミヨン騎手が騎乗)は8着。ハヤランダが3着だった昨年の仏3歳牝馬G2ノネット賞勝ち馬で、その次走の加G1E.P.テイラーS.(芝10ハロン)1/4馬身差3着だったドリームピースは4着。

実績的にアクアマリンはアンドロメダギャラクシーのペースメーカーとして出走するのだと思っていましたが、シャレータが先に行ってくれたからなのか、先行する普通の競馬でしたね。

アレフランス賞(Prix Allez France)
2012年4月2日、フランス・シャンティイ競馬場、芝2000m
4歳以上牝馬、G3、9頭、レース結果、総賞金8万ユーロ

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アクアマリン
Aquamarine
4牝
23倍
T. Huet
54kg
2分10秒106戦【3-1-0-2】
準重賞は2戦し4着が最高
2ハヤランダ
Haya Landa
4牝
9.8倍
T.テュリエ
55kg
3/411戦【1-3-1-6】
仏G2ノネット賞3着
3シャレータ
Shareta
4牝
2倍
C.ルメール
57kg
10戦【3-3-2-2】
仏G3ミネルヴ賞1着
凱旋門賞2着
ジャパンC7着
4ドリームピース
Dream Peace
4牝
7.3倍
G.モッセ
58kg
211戦【4-1-4-2】
加G1E.P.テイラーS.3着
5ナヴァラクイーン
Navarra Queen
4牝
29倍
A.シュタルケ
57kg
1・3/48戦【3-0-2-3】
伊重賞1着
独オークス4着
6スカーレット
Skallet
4牝
14倍
S.パスキエ
55kg
1・3/412戦【4-1-4-3】
仏G3フィーユドレール賞2着
7ミスラーゴ
Miss Lago
4牝
9.8倍
G.ベノワ
55kg
211戦【1-6-2-2】
仏G1ロワイヤルオーク賞2着
8アンドロメダギャラクシー
Andromeda Galaxy
4牝
8倍
C.スミヨン
55kg
18戦【2-1-1-4】
仏オークス5着(9頭)
9ストリートシークレット
Street Secret
4牝
18倍
M.ギュイヨン
54kg
大差8戦【3-1-0-4】
重賞初出走

このレース映像は必見。インペリアルモナークが英3歳G3クラシックトライアルを制す

一番右が勝ち馬
4月28日に行われた英G3クラシックトライアル(芝10ハロン)は、最内枠発走の1番人気インペリアルモナークがスタートから2ハロンあたりにある最初のコーナーで1頭だけ外ラチ沿いまで持ち出されると、道中3分から5分どころまでを通った他馬を残り1ハロンで差し切って重賞初勝利を挙げました。

2012年クラシックトライアルのレース映像はこちら

距離損だけなら阪神大賞典のオルフェーヴルよりも大きかったでしょう(オルフェーヴルはスピードを落とした分もありましたが)。

ジョセフ・オブライエン騎手はレース前に父エイダン・オブライエン調教師と馬場を歩いて確認し、馬場のましな外ラチ沿いを通ることに決めていたと。当日は不良馬場(Heavy)であり、10ハロン7ヤード(約2018m)のこのレースの勝ち時計は 2分27秒86、同距離で30分前に行なわれた古馬G3は 2分24秒60もかかっていました。

インペリアルモナークは父ガリレオ、母がフランス準重賞勝ち馬イオニアンシー、母の父スリップアンカーという血統。父サドラーズウェルズ系×母父シャーリーハイツ系というニックス。半兄に英ダービー2着馬ザグレートギャツビーがいます。

3着のルージュモントは9日前の高額賞金レース、タターソールズ3歳トロフィー1着からの出走です。

クラシックトライアル(bet365 Classic Trial)
2012年4月28日、イギリス・サンダウン競馬場、芝10ハロン7ヤード
3歳、G3、4頭、レース結果、総賞金5万5000ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1インペリアルモナーク
Imperial Monarch
3牡
2.75倍
J.オブライエン2分27秒862戦【2-0-0-0】
重賞初勝利
2ソウトワーシー
Thought Worthy
3牡
5.5倍
W.ビュイック1・3/42戦【1-1-0-0】
半年振りの出走
3ルージュモント
Rougemont
3牡
3.75倍
R.ムーア96戦【3-0-2-1】
中8日

コロンビアンが英G3ゴードンリチャードS.快勝。トワイスオーヴァーが9馬身差3着

4月28日に行われた英G3ゴードンリチャードS.(芝10ハロン7ヤード、約2018m)は、昨年の仏ダービー4着馬コロンビアンが 2分24秒6と恐ろしく時計のかかった1戦を制し、重賞初勝利を挙げました。

9馬身差3着に英G3アールオブセフトンS.頭差2着から連闘(中8日)で臨んだG1競走4勝馬トワイスオーヴァーが入っています。昨年のダンテS.まで英ダービーでも期待されていたワールドドミネーションは約10ヶ月ぶりの出走でしたが最下位6着。

2012年ゴードンリチャードS.のレース映像。逃げる赤の勝負服が2着ポエット。2番手追走緑の帽子・勝負服がコロンビアン。

ゴードンリチャードステークス(bet365 Gordon Richards Stakes)
2012年4月28日、イギリス・サンダウン競馬場、芝10ハロン
4歳以上、G1、6頭、Heavy、レース結果、総賞金5万5000ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1コロンビアン
Colombian
4牡
4.3倍
W.ビュイック2分24秒6010戦【3-1-3-3】
準重賞1勝
2ポエット
Poet
7牡
2.87倍
R.ムーア329戦【6-5-7-11】
G3を2勝
3トワイスオーヴァー
Twice Over
7牡
2.5倍
T.クウィリー631戦【12-4-7-8】
G1競走4勝

2012年4月29日日曜日

仏G1ガネー賞はシリュスデゼーグルが8馬身差の逃げ切り圧勝でG1連勝

4月29日に行われた仏G1ガネー賞(芝2100m)は、前走G1ドバイシーマクラシックを勝ったシリュスデゼーグルが単勝1倍台に支持され、スタートから先手を取って逃げると、残り200mでさらに後続を突き離し、2着に8馬身差をつける圧勝でG1競走3勝目を挙げました。

8馬身差の2着に前走G2アルクール賞(芝2000m)を3馬身差で勝って重賞初勝利を挙げたばかりのジオフラが、さらに2馬身差3着には昨年の凱旋門賞15着以来の出走だったジョッケクルブ賞(仏ダービー)勝ち馬リライアブルマンが入っています。

レースの連続写真はこちらこちら。レース映像。


シリュスデゼーグルはこれでG1英チャンピオンS.(芝10ハロン、2着ソーユーシンク)1着、G1香港カップ(芝2000m)5着、メイダンホテル賞(AW1900m)2着、G1ドバイシーマクラシック(芝2410m)1着という近走です。

昨年も馬場の悪かった仏G3ゴントートビロン賞(芝2000m)を8馬身差で、仏G2ドーヴィル大賞典(芝2500m)を10馬身差で圧勝しており、本格化してからは特に道悪馬場で圧倒的な強さを見せています。

(ちなみに香港カップの勝ち馬はカリフォルニアメモリー。ルーラーシップが勝ったクイーンエリザベス2世カップの5着馬)


またガネー賞の2レース前に行なわれた仏G3ヴァントー賞(3歳牝馬、芝1850m、レースの写真)は、前走2000mの準重賞で1/2馬身差2着だった Trois Lunes が勝ちました。クビ差2着に今年初戦のサガワラ Sagawara が入っています。このサガワラは昨年9月30日の条件戦エスメラルダ賞でデビューしており、それを3・1/2馬身差で負かしたのが、エスメラルダ賞がデビュー2戦目だったディープインパクト産駒ビューティーパーラーです。

ディープ産駒ビューティーパーラーがフランスでデビュー2連勝

ガネー賞(Prix Ganay)
2012年4月29日、フランス・ロンシャン競馬場、芝2100m
4歳以上、G1、6頭、総賞金300万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1シリュスデゼーグル
Cirrus des Aigles
6牡
1.7倍
O.ペリエ
58kg
2分18秒9042戦【15-16-5-6】
英G1チャンピオンS.1着
2ジオフラ
Giofra
4牝
4.3倍
M.ギュイヨン
56.5kg
85戦【3-1-0-1】
2走前に準重賞3馬身差勝利
3リライアブルマン
Reliable Man
4牡
5.3倍
G.モッセ
58kg
27戦【4-0-2-1】
G1フランスダービー1着

ルーラーシップが快勝。香港クイーンエリザベス2世カップ

4月28日に行われた国際G1香港クイーンエリザベス2世カップ(芝2000m)は、3番手の内を追走した3番人気ルーラーシップが最終コーナー出口で逃げ馬が開けた最内を突くと、直線に入ってすぐに後続を突き離し、最後は3・3/4馬身差をつけて優勝しました。日本馬の優勝は2003年のエイシンプレストン以来のことです。

スタートから前につけ、カリフォルニアメモリーが外枠もあったでしょうが最後方に下げた時点で勝ったなと思いました。

2012年クイーンエリザベス2世カップのレース映像はこちら(公式、英語)。日本語実況は下のYouTubeをどうぞ。



昨年の香港ヴァーズ2着でシンコウキング産駒の2番人気サムザップが2着。ローカルG1香港クラシックマイル勝ち馬で前走の香港ダービー(芝2000m)は3着に敗れていた1番人気スイートオレンジが3着。

香港ダービー馬フェイフェイは逃げて10着。昨年の香港カップ勝ち馬カリフォルニアメモリーは後方から追い込んで5着。昨年の愛ダービー馬米G1セクレタリアトS.(芝10ハロン)も勝っているトレジャービーチは2番手を先行しましたが9着。

香港クイーンエリザベス2世カップ(The Audemars Piguet QEII CUP)
2012年4月29日、香港・シャティン競馬場、芝2000m
4歳以上、G1、13頭、レース結果、総賞金1400万香港ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ルーラーシップ
Rulership
5牡
5.55倍
U.リスポリ2分02秒3816戦【8-1-1-6】
重賞5勝目
2サムザップ
Thumbs Up
7セン
5.5倍
B.プレブル3・3/435戦【8-8-6-13】
G1香港ヴァーズ2着
3スイートオレンジ
Sweet Orange
4牡
3.1倍
W.マーウィン1/415戦【4-5-3-3】
香港クラシックマイル1着

サンデーサイレンス系キープザフェイス産駒の今後が楽しみになった28日の豪競馬

4月28日に豪コーフィールド競馬場で行なわれたハンデ戦(芝1400m、総賞金7万豪ドル、3歳牝馬)で、サンデーサイレンス系キープザフェイス産駒ラッキーぺニー Lucky Penny が2着に2・3/4馬身差をつけて勝ち、デビュー以来2連勝としました。

また同日の豪モーフェットヴィル競馬場で行われた準重賞 Dequetteville Stakes(芝1200m、総賞金8万豪ドル、2歳牝馬)において、同じくキープザフェイス産駒ディンカムダイヤモンド Dinkum Diamond が3/4馬身差2着に入っています。デビュー戦を勝って以来4ヶ月ぶりの出走でした。

現4歳が初年度産駒のキープザフェイス Keep The Faith は、父サンデーサイレンス、母デュエリングガール、母の父デイジュールという血統。母の半兄2頭は重賞勝ち馬です。キープザフェイスはオーストラリアで準重賞1勝、アメリカに移籍しG2ケルソーH.3着(10頭)などしました。

種牡馬入り後はオーストラリアで多数の勝ち馬を出していますが、準重賞以上だと2011年の準重賞タスマニアンギニー1勝だけのようで、ほかに豪G2アンガスアルマナスコS.(芝1400m、3歳牝馬)2着がある程度。

ただ28日の結果を見るとラッキーペニーとディンカムダイヤモンドは準重賞以上の勝利も期待できそうだなと。ラッキーペニーの次走は5月12日の準重賞 Laelia Stakes(モーフェットヴィル・1600m、3歳牝馬)の予定


ちなみに3月に紹介したアグネスワールド後継種牡馬ワンダフルワールド産駒の勝利はまだありません。

南アG1SAダービーはポモドーロとロイヤルベンチャーの1着同着

4月28日に行われた3歳三冠最終戦サウスアフリカンダービー(芝2450m)は第2戦の2着馬ポモドーロ Pomodoro と重賞初出走だったロイヤルベンチャー Royal Bencher の1着同着。1907年の創設というか再開以来、1着同着は初めてのようです

アナログ文庫: 南アフリカダービーの謎
アナログ文庫: 南アフリカダービーはいつ始まった?


ポモドーロの父は年度代表馬で5年連続リーディングサイアーのジェットマスター(昨年西ナイル熱感染後の合併症で死亡)。ジェットマスター2頭目のダービー馬です。

ロイヤルベンチャーの父グレイズインは自身もSAダービー馬で、初年度産駒でいきなりダービー父子制覇です。


3冠第1戦G2ハウテンギニー(芝1600m)の勝ち馬ゴールデンシャトー Golden Chateau および第2戦G1 SAクラシック(芝1800m)の勝ち馬スラムドックミリオネア Slumdogmillionaire は出走せず。どちらも距離を嫌ったのでしょうかね。スラムドックミリオネアの Zyl 調教師は、「ダービー出走の可能性は50%」と事前に述べていました

2012年SAダービーのレース映像(音声なし)。内ラチ沿い前目にいる黄色の帽子・青色の袖がロイヤルベンチャー、同じく内ラチ沿いの後方にいる青の帽子がポモドーロです。

S A ダービー(S A Derby Powered By Gordon's Gin)
2012年4月28日、南アフリカ・ターフフォンテン競馬場、芝2450m
3歳、G1、13頭、レース結果、総賞金150万ランド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ポモドーロ
Pomodoro
3牡
4.5倍
G.レレナ2分35秒699戦【5-2-0-2】
第2戦は0.1馬身差2着
2ロイヤルベンチャー
Royal Bencher
3セン
12倍
A.マーカス1着同着9戦【4-1-0-4】
重賞初出走
3ブルックスクラブ
Brooks-Club
3セン
8.5倍
M.ミーニー110戦【1-3-3-3】
第1戦2着、第2戦5着

2012年4月28日土曜日

こちらの牝馬ヴァルデラは敗れた南アG1コンピュタフォームスプリント、シェイシェイが優勝

4月28日に行われた南アG1コンピュタフォームスプリント(芝1000m)は、昨年の3着馬シェイシェイが逃げ切って優勝し、昨年5月のG1ゴールデン・ホース・カジノ・スプリント(芝1200m)以来となるG1競走2勝目を挙げました。

昨年の4着馬マジコはそれ以降いまいちで人気薄でしたが2着に、昨年の2着馬ワットアウィンターが3着でした。

ここまで12戦11勝、昨年のこのレース含むG1競走3勝している1番人気ヴァルデラは2,3番手追走から力尽きて最下位9着。1月のG1ケープフライングチャンピオンシップ1着以来となる約3ヶ月ぶりの競馬だったとはいえ負けすぎで(ワットアウィンターもその2着以来の出走)、怪我がなければいいのですが。その少し後ろを追走したジェイジェイザジェットプレーンが8着。


ちなみにこの日のケニルワース競馬場の第1レース未勝利戦でゴウルディコヴァ Gouldikova という2歳牝馬(母 Gould)がデビューしています。BCマイル3連覇したのはゴルディコヴァ Goldikova なので「u」一文字がついただけ。しかもこのレースを勝ったのはグランドナショナル Grand National という馬でした。

コンピュタフォームスプリント(Computaform Sprint Powered By Betxchange)
2012年4月28日、南アフリカ・ターフフォンテン競馬場、芝1000m
3歳以上、G1、9頭、レース結果、総賞金100万ランド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1シェイシェイ
Shea Shea
4セン
4.75倍
P.ストリドム60kg56秒5016戦【8-2-3-3】
重賞3勝目
2マジコ
Magico
4セン
76倍
A.デルペッチ60kg2・1/415戦【6-2-1-6】
重賞1勝
3ワットアウィンター
What A Winter
4牡
3.8倍
K.ネイシウス60kg114戦【8-3-1-2】
G1ケープフライング1着

豪3歳牝馬G1シュウェップスオークスはデヒア産駒インヴェストが重賞初勝利

4月2日に行われた豪G1シュウェップスオークス(3歳牝馬、芝2000m)はデヒア産駒インヴェストがクビ、短クビ差の大接戦を制して優勝し、重賞初勝利をG1で挙げました。G1 NZ1000ギニーで1着から6馬身差6着などがあるシンコウキング産駒カスミ Kasumi は、逃げて2馬身差5着。

インヴェストはこれまでに重賞4戦し、前走の豪3歳牝馬G2オーラリアS.(芝1800m)の1.1馬身差4着が最も良い成績だったのですが、距離を伸ばすにつれて成績を挙げているので初めての2000mも良かったのでしょう。

2走前に豪3歳牝馬G2フィリーズクラシック(芝1600m)を勝って重賞2連勝としたエンプレスロックが1番人気でしたが7着。こちらは初めてマイルを超えるレースだった前走のオーラリアS.で5着と、距離が合っていないようです。

インヴェストの5代血統表。母の父がザビール。また母は豪3歳牝馬G1フライトS.の勝ち馬で、母娘G1制覇となりました。

シュウェップスオークス(Schweppes Oaks)
2012年4月28日、オーストラリア・モーフェットヴィル競馬場、芝2000m
3歳牝馬、全馬56kg、G1、16頭、レース結果、総賞金40万豪ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1インヴェスト
Invest
3牝
8倍
P.マーテンズ2分06秒9313戦【2-2-3-6】
重賞初勝利
2アワーミスジョーンズ
Our Miss Jones
3牝
9倍
L.ノレンクビ6戦【0-3-2-1】
G2フィリーズクラシック3着
3エッセンス
Essence
3牝
81倍
M.リンドップ短クビ10戦【1-2-2-5】
オーラリアS.2馬身差6着

豪G1クイーンエリザベスS.は母の父サンデーサイレンスのモアジョイアスが逃げ切りG1競走8勝目

4月28日に行われた豪G1クイーンエリザベスS.(2歳以上、芝2000m)は母の父サンデーサイレンスで、先週の豪G1ドンカスターマイルを勝ったモアジョイアスが2000mも関係なく逃げ切ってG1競走8勝目を挙げました。重賞17勝目。

しかも2着に負かした相手が豪G1オーストラリアンカップ(芝2000m)、豪G1ランヴェットS.(芝2000m)、豪G1ザ・BMW(芝2400m)と3月から豪G1競走3連勝中の3番人気マニガーだから価値が高い。

オーストラリアンカップ3着、ザ・BMW2着と調子を上げてきた2010年のメルボルンカップ勝ち馬アメリカインは2番人気6着。ペンタイア産駒で3月の豪G1ランヴェットS.(芝2000m)2着ランギラングドゥー Rangirangdoo は4着。


モアジョイアスにはロイヤルアスコットへの招待がありましたが、遠征するとコックスプレートへ十分に調整ができないので向かうつもりは無いと陣営のコメントがありました。実際に2000mでマニガーを負かしたのでロイヤルアスコットは100%無くなったと考えていいでしょうね。

2012年のレース映像。2着マニガーは芦毛。

クイーンエリザベスステークス(Tabcorp Queen Elizabeth Stakes)
2012年4月28日、オーストラリア・ランドウィック競馬場、芝2000m
2歳以上、G1、8頭、レース結果、総賞金50万豪ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1モアジョイアス
More Joyous
5牝
3.25倍
N.ラウィラー
57.0kg
2分05秒3326戦【19-0-2-5】
重賞17勝目
2マニガー
Manighar
6セン
6倍
D.オリヴァー
59kg
2・1/228戦【10-5-4-9】
仏G2と豪G3それぞれ1勝
3シークレットアドマイラ
Secret Admirer
4牝
13倍
B.アヴドゥラ
57kg
1・3/416戦【3-3-6-4】
エプソムH.他G1競走2勝

豪G1シドニーカップはニウォットがG1初勝利

4月28日に行われた豪G1シドニーカップ(3歳以上、芝3200m)は、豪G1ランヴェットS.(芝2000m)、豪G1ザ・BMW(芝2400m)と2走連続で4着だった1番人気ニウォットが中団内ラチ沿いを追走し、最後の直線で先に抜け出したワンスーワーワイルドを外から交わすと、内を突いた07年のメルボルンカップ勝ち馬エフィシエントの追い込みをなんとか凌いで優勝し、G1初勝利を挙げました。ヤマニンバイタル産駒のAnudjawunは約3馬身差5着。

ニウォットは3200mの準重賞を1勝しているほか、昨年のメルボルンカップでも4馬身差8着でした。06年G1ヴィクトリアダービー(芝2500m)勝ち馬で、09年G1ターンブルS.(芝2000m)も勝っているエフィシエントも得意の長距離で復活。やはり距離適性は大事ですね。明日は天皇賞・春です。

3着のワンスワーワイルドは2010年のAJCオーストラリアンオークス(芝2400m)勝ち馬。豪G2チェアマンズH.(芝2600m)1着から臨んだ昨年のシドニーカップは人気で9着に敗れていましたが、今年は前走チェアマンズH.10着で人気を落としてシドニーカップ3着と。

ニウォットの5代血統表。父ガリレオ、母は準重賞勝ち馬。母の父がノーブルビジュー(その父ヴェイグリーノーブル)でスタミナ十分。

シドニーカップのレース映像

シドニーカップ(Schweppes Sydney Cup)
2012年4月28日、オーストラリア・ランドウィック競馬場、芝3200m
3歳以上、G1、16頭、レース結果、総賞金50万豪ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ニウォット
Niwot
7セン
4.25倍
D.ダン
55.5kg
タイム28戦【9-4-1-14】
重賞1勝
2エフィシエント
Efficient
8セン
11倍
M.ロッド
58kg
クビ28戦【7-0-0-21】
豪G1競走3勝
3ワンスワーワールド
Once Were Wild
5牝
31倍
J.カシディ
55kg
1/225戦【7-1-3-14】
昨年9着

ブラックキャビアが豪牝馬G1ロバートサングスターS.を勝ち20連勝達成

ブラックキャビアが4月28日にモーフェットビル競馬場で行われた豪牝馬G1ロバートサングスターS.(芝1200m)を4馬身差で勝ち、オーストラリア競馬メジャー地区の新記録となる20連勝を達成しました。

昨年の豪G1ザ・グッドウッド勝ち馬で、前走豪G1ウィリアムリードS.で3馬身差4着だったローンロックが2番人気でしたが4着に敗れています。


ブラックキャビアは父ベルエスプリット、母ヘルシング(未出走馬)、母の父デザートサン、さらにオーストラリアの名スプリンターで、のちにリーディングサイアーにもなった Vain の3×4という血統

G1競走10勝含む重賞17勝で、収得賞金は545万0150豪ドル。今回は2月28日の豪G1ライトニングS.(芝1000m)以来の出走でした。この後は5月12日の豪G1ザ・グッドウッド(芝1200m)の予定。そして初の海外遠征となる英G1ダイヤモンドジュビリーS.(芝6ハロン、6月23日)が待っています。

2012年ロバートサングスターS.のレース映像
ロバートサングスターステークス
(Robert Sangster Stakes - Sportingbet Classic)
2012年4月28日、オーストラリア・モーフェットヴィル競馬場、芝1200m
牝馬、G1、10頭、レース結果、総賞金40万豪ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ブラックキャビア
Black Caviar
5牝
1.05倍
L.ノーレン56.5kg1分10秒6520戦【20-0-0-0】
G1競走10勝
2システインエンジェル
Sistine Angel
4牝
31倍
M.ペイン56.5kg4・1/216戦【2-5-2-7】
重賞2勝
3パワープリンセス
Power Princess
5牝
51倍
P.ガット56.5kgハナ22戦【9-3-3-7】
準重賞3勝

豪G1オールエイジドS.は無敗馬アトランティックジュエルが牡馬相手のG1初勝利

4月28日に行われた豪G1オールエイジドS.(2歳以上、芝1400m)は、2番人気レインアフェアーが好スタートから数馬身離して逃げましたが、単勝1.1倍の圧倒的1番人気で2番手を追走したアトランティックジュエルが残り100mで外から交わし、重賞4勝目、G1競走2勝目を挙げました。牡馬相手の重賞初勝利です。豪牝馬G1クールモアクラシック(芝1500m)の勝ち馬オフコースアイキャンが3着。

アトランティックジュエルはG1豪1000ギニー(芝1600m)勝ち馬で、前走G2サファイアS.(芝1200m)で5ヵ月半ぶりに復帰していました。これで7戦7勝。いずれも楽勝で、同じ牝馬ブラックキャビアとの対戦が楽しみです。実現するとしたら日本の秋以降です。

レインアフェアーはサファイアS.の2レース前に行なわれた豪G1 TJスミスS.の2着馬(0.2馬身)でもあります。またペンタイア産駒でG1を9勝しているムファサは出走を取り消しました。

2012年オールエイジドS.のレース映像

オールエイジドステークス(Ticketek All Aged Stakes)
2012年4月28日、オーストラリア・ランドウィック競馬場、芝1400m
2歳以上、G1、6頭、レース結果、総賞金40万豪ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アトランティックジュエル
Atlantic Jewel
3牝
1.1倍
M.ロッド
54.5kg
1分21秒827戦【7-0-0-0】
重賞4勝目
2レインアフェアー
Rain Affair
4セン
7.5倍
C.リース
59.0kg
1.3馬身15戦【11-3-1-】
重賞4勝
3オフコースアイキャン
Ofcourseican
5牝
61倍
K.オハラ
57kg
1/2 28戦【8-5-6-9】
重賞2勝

豪2歳G1シャンペンS.はピエロが8年ぶりの豪2歳3冠達成

4月28日に行われた豪G1シャンペンS.(2歳、芝1600m)は単勝1.2倍と圧倒的1番人気に支持されたピエロが最後の直線で先頭のタトラを楽々と交わし、G1競走3勝目を挙げました。後方から追い込んだディアデミ(ちなみに父デヒア)が2着、タトラは3着に残りました。

2012年シャンペンS.のレース映像

ピエロは、4月7日の豪G1ゴールデンスリッパーおよび4月14日の豪G1 AJCサイアーズプロデュースS.を連勝しており、これで史上6頭目、8年ぶりの豪2歳3冠達成。通算6戦6勝、重賞5勝目です。

ピエロはダーレー生産馬(5代血統表)。父はロンロ。母の父デイラミ。母の半兄は仏G1イスパーン賞などG1競走2勝のレイヴロック。当歳馬セールで11万5000豪ドル、1歳馬セールで23万豪ドルで取引されていました、というわけでゴドルフィン、シェイクモハメドの持ち馬ではありません。

シャンペンステークス(Moet & Chandon Champagne Stks)
2012年4月28日、オーストラリア・ランドウィック競馬場、芝1600m
2歳、牡セン56.5kg、牝馬2kg減、G1、9頭、レース結果、総賞金40万豪ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ピエロ
Pierro
2牡
1.2倍
N.ラウィラー1分35秒036戦【6-0-0-0】
重賞5連勝
2ディアデミ
Dear Demi
2牝
21倍
J.マクドナルド2.8馬身8戦【2-2-1-3】
2走前にG2で2着。前走準重賞1着
3タトラ
Tatra
2牡
151倍
T.ベリー2.3馬身6戦【1-0-1-4】
前走のサイアーズPSは8馬身差最下位

ローカルG1マカオダービーはエルダリーパラダイスが12馬身差圧勝

4月22日に行われたローカルG1でマカオ4歳3冠第2戦のマカオダービー(芝1800m、総賞金260万香港ドル)は、第1戦マカオギニー(芝1500m)5着に敗れていた1番人気エルダリーパラダイスが逃げ切って優勝しました。12馬身差2着に3番手追走ゴールデンスピリチュアル(ギニー2着)。ギニー勝ち馬で2番人気のラッキージャイ(ヤイ?)は5着。母父フジキセキでギニー4着のマグニフィセントフォースは9着に終わっています。

エルダリーパラダイスは近2走の1500m戦どちらも5着に敗れていましたが、3走前のG2ウィンタートロフィー(1800m)ではラッキージャイらを負かして1馬身差で優勝しており、それで1番人気だったのでしょう。それにしても圧勝でしたが。3冠目マカオゴールドカップは同じ1800mということで2冠濃厚。

エルダリーパラダイスの5代血統表。父デインウィン、その父デインヒル。全兄は豪重賞で4着1回5着2回。

2012年マカオダービーの結果とレース映像。2番が勝ち馬、8番が2着馬です。

英G2ベット365マイルはペニテントが重賞初勝利

4月27日に行われた英G2ベット365マイル(芝1マイル、4歳以上)は後方を追走したペニテントが、先週の英G3アールオブセフトンS.でG1競走4勝馬を下して優勝したクエスショニングを残り2ハロンあたりで楽に交わすと、そのまま押し切って優勝しました。またG3を8勝している1番人気フェイマスネームは3着で、G2は通算4戦して3着3回4着1回と。

4月1日の準重賞ドンカスターマイルS.でもペニテント1着、3/4馬身差2着にクエスショニングという結果でした。

ペニテントの5代血統表。カイラチー産駒はドラゴンパルスノーベルアーキーとここ3週で仏、伊、英の重賞をそれぞれ1勝。ドバイゴールデンシャヒーンを勝ったクリプトンファクターもカイラチー産駒であり、先週の英3歳牝馬G3フレッドダーリンS.を勝ったムーンストーンマジックは母の父がカイラチー。スプリントからマイルまでで本当に良く走る。

2012年ベット365マイルのレース映像

ベット365マイル(bet365 Mile)
2012年4月27日、イギリス・サンダウン競馬場、芝1マイル
4歳以上、G2、6頭、Heavy、レース結果、総賞金8万ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ペニテント
Penitent
6セン
6倍
D.タドホープ1分52秒5817戦【6-4-2-5】
重賞初勝利重賞初勝利
2クエスショニング
Questioning
4牡
6倍
W.ビュイック1・3/412戦【2-3-3-4】
英G3ダーレーS.3着
3フェイマスネーム
Famous Name
7牡
2.87倍
P.スムレン831戦【15-7-5-4】
仏ダービーなどG1で2着3回

2012年4月27日金曜日

仏3歳G2ノアイユ賞はハードドリームが重賞初勝利

4月23日に行われた仏G2ノアイユ賞(3歳牡牝、芝2100m)はドロドロの不良馬場で行われ、2番手追走したハードドリームが逃げたティフォンゴを直線で交わして優勝し、重賞初勝利を挙げました。

勝ち時計が2分29秒37とこの日のロンシャン競馬場はとても時計がかかる馬場で良馬場時の参考にはしにくいですが、2着ティフォンゴは2000mで2分20秒20かかった昨年の仏2歳G1クリテリウムドサンクルーで1着から3・1/4馬身差5着(8頭立て、2着から1馬身差)しており、こういう馬場ならハードドリームもG1級かもしれません。

ハードドリームは11月のデビュー戦(マイル)は2・3/4馬身差最下位5着に敗れましたが、今年に入ってから10ハロン戦を3連勝。

昨年の仏2歳G3コンデ賞で、のちにUAEダービー2着するヤンチェキアンを2着に負かして優勝したロイが圧倒的1番人気に支持されましたが3着から3馬身差の4着。馬場が悪かったデビュー戦以来の負けですから、道悪馬場は得意でないようです。

2012年ノアイユ賞のレース映像(有料)。連続写真

ハードドリームの5代血統表。父オアシスドリーム。母の父ガリレオ。

ノアイユ賞(Prix Noailles)
2012年4月23日、フランス・ロンシャン競馬場、芝2100m
3歳牡牝、G2、6頭、レース結果、総賞金13万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ハードドリーム
Hard Dream
3牡
8倍
S.パスキエ2分29秒374戦【3-0-0-1】
重賞初勝利
2ティフォンゴ
Tifongo
3牡
10倍
C.スミヨン1・1/28戦【1-1-0-8】
重賞初連対
3ヴァルドベレ
Valdo Bere
3牡
10倍
T.ジャルネ1・1/24戦【1-0-2-1】
前走の準重賞3着

マレーシアG1ぺラダービーは大逃げミスターアンバサダーが優勝。母父フジキセキのグッドウイニングが2着

4月22日に行われたマレーシア・ローカルG1ぺラダービー(3歳以上、芝2400m)は、前走のローカルG1セランゴールゴールドカップ(芝1600m)で10着に敗れていたミスターアンバサダーが大逃げを打ち、そのまま逃げ切って優勝しました。約3馬身差2着に2番手を追走した母父フジキセキのグッドウイニングが入り、デインヒル系のワンツー。2009年のぺラダービー勝ち馬グッドネイチャーは4着。2010年の勝ち馬ジェネラスタイクーンは出走取り消し。

2012年ペラダービーの結果とレース映像。



ぺラダービーはマレーシアで(少なくとも重要レースでは)最長距離のレース。総賞金50万リンギット(約1300万円)であり、これは2011年だとぺラターフクラブのレースで2番目、マレーシア全体では9番目に高いようです。

ミスターアンバサダーは父ダナシンガのニュージーランド産馬。ニュージーランドでデビューし、オーストラリア時代の2010年3月に豪G3ランドウィックシティーS.(芝2000m)を勝っています。2011年からマレーシアに移籍。ここまで9戦して未勝利、うち6戦は後ろから数えた方が早い着順でしたが、初めて2000mを超える距離が良かったのか、2着に2・3/4馬身差をつけて快勝し、10戦目でようやく初勝利です。デビューから通算で37戦7勝。5代血統表(リンク先の馬名は以前の The Embassy です)。チェコ出身でチェコセントレジャーを3勝している Lukasek 騎手はマレーシアで騎乗するようになって半年でペラダービー初勝利と。

次走はマレーシア最高賞金額レースのひとつであるローカルG1ピアラ・エマス・スルタン・セランゴール(3歳以上、芝2000m、100万リンギット)の予定。セランゴール3冠最終戦であり、セランゴールゴールドカップはその第2戦です。


離れた2番手を追走して2着に粘りこんだグッドウイニングはオーストラリア産馬。デビューからマレーシアで走り、ここまで10戦して5勝。条件戦を3連勝中でした。重賞初出走だった上に、1700mを超える距離の出走が初めてだったにもかかわらず良く頑張りました。

グッドウイニングの5代血統表(リンク先の馬名は以前の Fujimaher です) 。3代母まで準重賞勝ちがあると。

ルーラーシップ出走、香港クイーンエリザベス2世カップの出馬表紹介。グリーンチャンネルで中継

4月29日に香港で国際G1クイーンエリザベス2世カップ(QE2カップ、芝2000m)が行なわれる予定で、日本からルーラーシップが出走予定です。シンコウキング産駒で香港重賞2勝しているサムザップも出走。

出馬表→英語(HKJC公式)、日本語(「おうまのアイコン」さん)

2012香港クイーンエリザベスⅡ世カップ中継 ~中央競馬を見るならグリーンチャンネル~

QE2カップは日本時間17時35分発走予定。グリーンチャンネルは17時から18時まで放送予定。ドバイのときにはあった「生中継」の文字がないのが気になる。数分ディレイかも?


出走メンバーとしては、昨年の香港ダービーとこのレースを連勝したアンビシャスドラゴンが今年は来週のチャンピオンズマイルに回ったためいくらか楽なメンバーになりました。

香港カップ勝ち馬カリフォルニアメモリーが10番枠、香港ダービー勝ち馬フェイフェイが12番枠、オブライエン厩舎の愛ダービー馬で、米G1を1勝しているなど海外慣れしているトレジャービーチが13番枠と、有力馬が外枠に入ったのもルーラーシップにとって有利だなと。

ザイダンやイリアンらも侮りがたいですが、ルーラーシップの勝率は20%くらいありそう。

ビューティーパーラーが英G1コロネーションS.に登録

ディープインパクト産駒ビューティーパーラー Beauty Parlour がロイヤルアスコットミーティングの英3歳牝馬G1コロネーションS.(6月22日、芝1マイル)に登録しています。またハットトリック産駒ダビルシム Dabirsim は英3歳G1セントジェームズパレスS.(6月19日、芝1マイル)に登録。

ダビルシムの登録については、仏ダービーの2100mは距離が持たないと以前から考えているフェルラン調教師が2月時点で言及しているのでいいとして。

フランスギャロのサイトによると、ビューティーパーラーが27日現在で登録しているのは次の4レース。
  • 5月13日仏1000ギニー
  • 5月27日サンタラリ賞
  • 6月17日ディアヌ賞(仏オークス)
  • 6月22日コロネーションS.
上3つはいずれも仏3歳牝馬G1。コロネーションS.は英3歳牝馬G1で、昨年はイモータルヴァースが勝ったレースです。

ビューティーパーラーは仏1000ギニーからディアヌ賞の路線が最有力。ディアヌ賞からコロネーションS.を連闘で使うとは考えにくいので、仏1000ギニーのレース振り次第では、マイル路線にとどまれるように念のため登録しただけでしょう。

愛G3グラッドネスS.は転厩初戦の欧州No2マイラー、エクセレブレーションが優勝

4月22日に行なわれた愛G3グラッドネスS.(4歳以上、芝7ハロン)は、今年からオブライエン厩舎に移籍した圧倒的1番人気エクセレブレーションが2着に3・3/4馬身差をつけて快勝しました。

2番人気ビーコンロッジが最下位に惨敗してしまい、それ以外はというとオブライエン厩舎のペースメーカーが3着に粘ったようにメンバーも弱かったですが、他馬より約3kg重い斤量でこの勝利ですから、状態はとても良いようです。

2012年グラッドネスS.のレース映像(要登録)。紫の帽子がエクセレブレーション。


エクセレブレーションは昨年9月に仏G1ムーランドロンシャン賞(3歳以上、芝1600m)で優勝。対フランケルは3戦して、英G2グリーンハムS.4馬身差2着、英G1セントジェームズパレスS.2・1/4馬身差3着、英G1クイーンエリザベス2世S.4馬身差2着と、欧州マイル路線No.2の存在。

オブライエン調教師が管理するようになったからといってフランケルに即かなうとも思えませんが、フランケルの調整が順調に進めば5月19日の英G1ロッキンジS.で早くも今年初対戦が見られそうです。

グラッドネスステークス(Big Bad Bob Gladness Stakes)
2012年4月22日、アイルランド・カラ競馬場、芝7ハロン
4歳以上、G3、6頭、Soft、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1エクセレブレーション
Excelebration
4牡
1.3倍
J.オブライエン1分31秒3710戦【6-2-1-1】
重賞4勝目
2クリサルテン
Croisultan
6セン
11倍
P.スムレン3・3/440戦【5-5-6-24】
重賞12戦目で2着2回目
3ウィンザーパレス
Windsor Palace
7牡
26倍
S.ヘファナン3/421戦【1-0-3-17】
重賞初3着

英3歳G3グリーンハムS.はカスパーネッチャーが重賞3勝目。英3歳牝馬G3フレッドダーリンS.はムーンストーンマジックが重賞初勝利

4月21日に行われた英3歳牝馬G3フレッドダーリングS.は、デビュー戦を8馬身差で勝ち、連闘で出走してきたムーンスートンマジックが2着に3・3/4馬身差、3着にさらに9馬身差をつける楽勝で重賞初勝利を挙げました。重賞2勝の1番人気ベストタームズは5着。

またその30分後に行われた英3歳牡センG3グリーンハムS.は、2歳時に重賞を2勝しているカスパーネッチャーが今年初戦でしたが、2着に1馬身差をつけ快勝しました。

どちらも芝7ハロンのレースで、Soft の馬場状態でしたが、牝馬限定フレッドダーリングS.の方が0.76秒速い勝ち時計でした。

ちなみに同日のニューベリー競馬場では、英G3ジョンポーターS.でハリスツイードが重賞2勝馬アライドパワーを下し重賞初勝利(結果レース映像)。またフランケルの全弟がデビュー2戦目、今年初出走を3・3/4馬身差で勝っています(結果レース映像、ピンクの帽子)。セシル調教師は「より良い馬場ならより良く走ってくれると思います」と。次走は不明。


ムーンストーンマジックは5月6日の英1000ギニーには登録しておらず、また4週で3走は多すぎるとして、愛1000ギニーまたは仏1000ギニーを考えているとのこと。仏1000ギニーが柔らかい馬場であればディープ産駒ビューティーパーラーにとって脅威ですね。

またベストタームズは6ハロンに戻ると。

ムーンストーンマジックの5代血統表。父トレードフェアー(英2歳G1デューハーストS.3着)は現在オーストラリアにいるんですね。

2012年フレッドダーリンS.のレース映像。ゲート向かって1番右がムーンストーンマジック。右から2頭目がレディオガガ。

フレッドダーリングステークス
(Dubai Duty Free Stakes (Registered As The Fred Darling Stakes))
2012年4月21日、イギリス・ニューベリー競馬場、芝7ハロン
3歳牝馬、G3、9頭、Soft、レース結果、総賞金5万5000ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ムーンストーンマジック
Moonstone Magic
3牝
4.5倍
J.クロウリー 1分31秒562戦【2-0-0-0】
重賞初勝利
2レディオガガ
Radio Gaga
3牝
11倍
R.ムレン3・3/44戦【1-2-1-0】
前走準重賞3着
3エレクトリレーン
Electrelane
3牝
11倍
N.カラン93戦【1-0-1-1】
1着馬と同厩。準重賞4着



グリーンハムS.は圧倒的1番人気が2番手追走から先頭に立ちましたが、4番手追走した最低人気のブーメランボブが残り1ハロンでそれを交わし、その間にスタンド側に進路を変えたカスパーネッチャーが残り150mで差し切って優勝しました。

カスパーネッチャーは英2000ギニーへ。唯一1マイルを超える出走だった米G1 BCジュベナイルターフは6・1/2馬身差8着に敗れているだけに距離がどうかですが。9ヶ月と半年振りで2着したブーメランボブは英2000ギニーか仏2000ギニーへ。

カスパーネッチャーの5代血統表。短距離G1競走4勝ダッチアートの初年度産駒。またカスパーネッチャーはオペラハウスと同じ牝系。

グリーンハムS.のレース映像。シャドーロール装着馬がカスパーネッチャー。

グリーンハムステークス(AON Greenham Stakes)
2012年4月21日、イギリス・ニューベリー競馬場、芝7ハロン
3歳牡セン、G3、5頭、レース結果、5万5000ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1カスパーネッチャー
Caspar Netscher
3牡
4倍
S.ケリー1分32秒3211戦【4-2-2-3】
6ハロンの英2歳G2を2勝
2ブーメランボブ
Boomerang Bob
3牡
21倍
S.サンダース15戦【1-4-0-0】
英仏2歳重賞で2着1回ずつ
3ブロンテア
Bronterre
3牡
1.27倍
R.ムーア1・3/44戦【2-0-1-1】
英G1デューハーストS.4着

米4歳以上G3ベンアリS.でワイズダンが米AW馬場史上最高のベイヤー指数を叩き出す

4月22日に行われた米G3ベンアリS.(AW9ハロン、4歳以上)は、昨年11月の米G1クラークH.(ダート9ハロン)1着以来、約5ヶ月ぶりの出走だったワイズダンが2着に10・1/2馬身差をつけ、従来のコースレコードを0.14秒更新して圧勝しました。

2着に前走2月の米G1ガルフストリームパークターフH.(芝9ハロン)2・1/2馬身差3着だったビッグブルーキトゥンが入っています。2010年のBCジュベナイル3着馬で、前走1年ぶりに出走してアローワンスを3馬身差で勝ち2番人気に支持されたローグロマンスは2番手を追走しましたが、最下位7着。


ベイヤー指数は、米オールウェザー馬場における史上最高となる「117」と発表されました。歴代25位までのリスト。2009年のBCクラシックでゼニヤッタが出した「112」が歴代7位と。またレーシングポストレーティングでも、ドバイワールドカップ勝ち馬モンテロッソの126を上回る128がつけられました

ワイズダンの次走は6月16日の米G1スティーヴンフォスターH.(ダート9ハロン)の予定

2012年ベンアリS.のレース映像。6番がワイズダン。


ベンアリステークス(Ben Ali Stakes)
2012年4月22日、アメリカ・キーンランド競馬場、AW9ハロン
4歳以上、G3、7頭、レース結果(PDF)、総賞金15万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ワイズダン
Wise Dan
5セン
1.8倍
J.ヴェラスケス1分46秒6315戦【9-0-0-6】
重賞5勝目
2ビッグブルーキトゥン
Big Blue Kitten
4牡
8.8倍
J.カステリャーノ10・1/29戦【5-1-3-0】
前走2月の芝G1で3着
3ガイズリワード
Guys Reward
5牡
19.3倍
C.ラネリー2・3/431戦【4-5-9-13】
重賞9戦2着1回3着4回

2012年4月26日木曜日

スペイン1000ギニーはケタラ。2000ギニーはヌレディンが優勝

4月8日に行われたヴァルデラス賞(スペイン1000ギニー、芝1600m、1着賞金2万4000ユーロ)は最後方を追走した8番人気のケタラが、最後の直線で外から追い込み、2着に4馬身差をつけて快勝しました。3月11日のデビュー戦を3/4馬身差で勝ったばかりで、ここが2戦目での勝利でした。

前走 Premio Atlantida の7頭立て2,6着馬がそれぞれ1000ギニー2,3着。同レース勝ち馬は6着でした。1番人気アイリッシュフレームは4着。

ケタラは父がヌレイエフ系ゴールドアウェイのフランス産馬(5代血統表)。母の Afriketa は2006年にスペインの Premio Benítez de Lugo(秋に行なわれる3歳以上牝馬限定レースの中でもっとも重要)を勝っていると。

今後の予定にはフランスでの出走も検討されているとのこと。ちなみに昨年の勝ち馬 Aspasia de Mileto は次走スペインダービーで3着したあと、フランスで準重賞を3走し、リアンクール賞でディープインパクト産駒アクアマリンに先着する2着に入るなどしています。

Thoroughbreds in Spain: Ketala wins the Premio Valderas

ヴァルデラス賞のレース映像。動画予備。外から3頭目の発走、黄色の帽子、チークピーシーズ装着馬がケタラ。

2012.04.08, nº 83 LZ (GP Valderas (Poule Potras... 投稿者 DonFylo

ヴァルデラス賞(GRAN PREMIO VALDERAS)
2012年4月8日、スペイン・サルスエラ競馬場、芝1600m
3歳牝馬、全馬57kg、14頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ケタラ
Ketala
3牝
13.5倍
J.ロペス1分43秒232戦【2-0-0-0】
2エクストラネザ
Extraneza
3牝
12.4倍
M.J.ロペス4・1/45戦【1-2-0-2】
3シールールズ
She Rules
3牝
35倍
M.ヘルナンデスクビ7戦【1-0-3-3】



また、4月15日に行われたシメラ賞制覇(スペイン2000ギニー、芝1600m、1着賞金2万4000ユーロ)は最後方を追走した3番人気のヌレディンが最後の直線で大外から差し切って優勝しました。

Thoroughbreds in Spain: Nuredyn wins the Premio Cimera

昨年のグランクリテリウムを勝って2歳チャンピオンとなったマトゥサレンは6着に敗れた。スペインでは4戦無敗でしたが、ドバイで2戦してメイダンクラシック約2馬身差5着、3月10日のアルバスタキヤは14馬身差8着に敗れており、まだ完調ではなかったかもしれません。

ヌレディンはフランス産馬(5代血統表)。父は昨年のリーディングサイアーであり、今年2月に死亡したディームダイヤモンド(その父ナイトシフト)。母は2006年のスペイン1000ギニー勝ち馬。母子クラシック制覇となった。

シメラ賞のレース映像。大外枠発走がヌレディン。

シメラ賞(Premio Cimera)
2012年4月15日、スペイン・サルスエラ競馬場、芝1600m
3歳牝馬、全馬57kg、9頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ヌレディン
Nuredyn
3牡
4.4倍
M.ヘルナンデス1分40秒365戦【2-1-1-1】
グランクリテリウム2着
2リキーロック
Riky Rock
3牡
8.7倍
J.A.ロドリゲス1・3/43戦【1-2-0-0】
前走初勝利
3セルティックロック
Celtic Rock
3牡
21.7倍
R.フェルナンデス1・1/46戦【1-1-2-2】
グランクリテリウム5着

南アフリカ年度代表馬イググらが海外遠征へ

南アフリカのマイク・デ・コック調教師は、イググら数頭の管理馬を海外遠征のために検疫入りさせると発表しました。

SOUTH AFRICA De Kock stars to begin journey to Dubai - Racing Post

アフリカ馬疫(African Horse Sickness)が流行している南アフリカ馬に対しては厳しい輸入検疫が要求され、イググらの検疫は
  • 5月6日からケープタウン(南ア)で19日間
  • モーリシャスで90日間
  • イギリスで30日間
と長期間にわたります。

デコック調教師は「イググらを年末に国際舞台で、また来年にドバイで走らせるためには、できるだけ早く、つまり今すぐ南アフリカを離れるという選択肢しかない」「ばかげたことだが、たとえば7月のG1ダーバンジュライ後まで待つことはできない」と述べています

年度代表馬イググのほか、G1競走2勝のザアパッチも出国し、こちらは香港国際競走(距離的に香港カップ?)を予定しているとのこと。イググについては不明ですが、ドバイワールドカップを目標にしているでしょう。

レーシングポストの記事によると、EU規制当局が南アフリカ馬の欧州への直接入国禁止をさらに1年延長したとあるので、規制が緩和されれば夏のイギリス遠征と欧州での繁殖入りを考えているとしていた12戦11勝、G1競走3勝の短距離馬ヴァルデラについては、少なくとも今夏の遠征は実現しないですね。

2012年4月25日水曜日

モンジュー産駒キャメロットは英2000ギニーへ

昨年の英2歳G1レーシングポストトロフィー(芝1マイル)勝ち馬キャメロット Camelot が5月5日の英3歳G1・2000ギニー(芝1マイル)に出走するようです。今年3月には、管理するオブライエン調教師が、2000ギニーを見送って17日の英G2ダンテステークス(約2092m)から6月2日の英ダービー(約2423m)へ向かう可能性を述べていました。

Camelot into even money for Guineas success - Racing Post

オブライエン調教師が「キャメロットとパワーを2000ギニーに向かわせるつもりで動いています。また現時点で1000ギニーはメイビーを考えています」と、22日に述べたとのこと。

キャメロットは先日死亡したモンジューの産駒。現在ブックメーカー各社の発表するオッズで、英2000ギニー、英ダービーとも1番人気に支持されています。

レーシングポストトロフィーを勝ったモンジュー産駒はキャメロット以前に3頭おり、オーソライズドとモティヴェーターの2頭が英ダービーを勝ちました。もう1頭のセントニコラスアビーは英2000ギニー6着で、その後3歳シーズンは出走しませんでしたが、翌年(2011年)に英G1コロネーションカップ米G1 BCターフ(どちらも芝12ハロン)を勝っています。

オアシスドリーム産駒パワー Power愛G1ナショナルS.勝ち馬で、愛G1フェニックスS.2着英G1デューハーストS.2着(いずれも芝7ハロン)。

ガリレオ産駒で母父デインヒルのメイビー Maybe は、5戦5勝、愛2歳牝馬G1モイグレアスタッドS.(芝7ハロン)の勝ち馬です。

2011年レーシングポストトロフィーのレース映像。

英G3アールオブセフトンS.はクエスショニングがトワイズオーヴァーを下して重賞初勝利

4月19日、クレイヴンS.の35分後に行われた英4歳以上G3アールオブセフトンS.は、クエスショニングが英G1インターナショナルS.などG1競走4勝のトワイスオーヴァーをゴール直前でアタマ差差しきり、重賞初勝利を挙げています。昨年の伊G1リディアテシオ賞2着馬で、ABBAの元メンバー、ベニー・アンダーソン氏が所有するビアトリスオロールが3着。

2012年アールオブセフトンS.のレース映像。緑の帽子・勝負服がクエスショニング。


また同日行われた高額賞金レース、タターソールズ3歳トロフィー(芝10ハロン、総賞金25万ポンド)は重賞は1走して5着1回があるだけのルージュモントが勝ちました。モンジュー産駒。G3 UAE2000ギニー(AW1600m)2着でG2 UAEダービー(AW1900m)4着のミックダームが2着。ルージュモントと同じハノン厩舎の1番人気クープドヴィルは5着に終わっています。

タターソールズミリオン3歳トロフィーのレース結果レース映像。赤と緑の勝負服がルージュモント。

アールオブセフトンステークス(Weatherbys Earl of Sefton Stakes)
2012年4月19日、イギリス・ニューマーケット競馬場、芝9ハロン
4歳以上、G3、9頭、Good To Soft、レース結果、総賞金5万5000ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1クエスショニング
Questioning
4牡
11倍
W.ビュイック1分50秒6211戦【2-2-3-4】
英G3ダーレーS.3着
2トワイスオーヴァー
Twice Over
7牡
2.2倍
T.クイリーアタマ30戦【12-4-6-8】
G1競走4勝
3ビアトリスオロール
Beatrice Aurore
4牝
7倍
R.ムーア1・3/411戦【4-1-1-5】
仏3歳牝馬G3クロエ賞1着

英3歳G3クレイヴンS.はトランペットメジャーが5馬身差快勝

4月19日に行われた英3歳G3クレイヴンS.(芝1マイル)は、中団を追走した3番人気トランペットメジャーが残り150mで先頭に立つと後続を引き離し、最後は5馬身差をつけて重賞2勝目を挙げました。2番人気クリアスが2着でリチャードハノン厩舎のワンツー。4番人気イースタンサンが3着。前走デビュー戦を勝ったばかりだったゴドルフィンの1番人気マイティーアンビシャスは5着。

トランペットメジャーは昨年9月に英G2シャンペンS.(芝7ハロン)を勝ったほか、英G1デューハーストS.(芝7ハロン)では1着から1・1/2馬身差5着(9頭立て)となかなかの競馬をしており、今回は半年振りの出走で、さらに他馬より3ポンド(約1.4kg)重い斤量でしたが楽勝でした。

ハノン調教師の息子でアシスタントのハノン・ジュニアは、「とても喜んでいます。3kgの斤量差で勝てるとは思っていませんでしたし、この馬場(Good To Soft)が合うかどうかも分かっていませんでした。」

ムーア騎手は「2000ギニーで勝てるチャンスはあると思います。もちろんそこではもっと強い馬が出走してきますが」と述べています。

トランペットメジャーの5代血統表。父アラカン(英重賞2勝、その父ヌレイエフ)は2007生まれの産駒が初年度産駒で、トランペットメジャーはようやく2頭目のステークス勝ち馬となりました。もう1頭の仏G1ジャンプラ賞勝ち馬ディックターピンもハノン調教師が管理していたと

2012年クレイヴンS.のレース映像。赤の帽子がトランペットメジャー。

クレイヴンステークス(Novae Bloodstock Insurance Craven Stakes)
2012年4月19日、イギリス・ニューマーケット競馬場、芝1マイル
3歳牡セン、グレード、12頭、Good To Soft、レース結果、総賞金5万5000ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1トランペットメジャー
Trumpet Major
3牡
5.5倍
R.ムーア
57.6kg
1分37秒449戦【4-1-1-3】
重賞2勝目
2クリアス
Crius
3牡
5倍
P.ドブス
56.2kg
56戦【3-3-0-0】
英2歳G3サマーヴィル
タタソールS.1着
3イースタンサン
Eastern Sun
3牡
7倍
W.ビュイック
56.2kg
1・1/24戦【2-0-2-0】
G3で2着2回目

英3歳G3ネルグウィンS.はエッセンティーピーが優勝。伊G1馬ナヤーラが2着

4月18日に行われた英3歳牝馬G3ネルグウィンS.(芝7ハロン)は、2番手を先行した12番人気エッセンティーピーが残り2ハロンで抜け出すと、3番手を追走し一度は突き放された9番人気ナヤーラが残り1ハロンからふたたび差を詰めましたが、エッセンティーピーがクビ差先着し重賞初勝利を挙げました。

1番人気ゴドルフィンのピンパネル(重賞2着)は11着。英G3プレステージS.(芝7ハロン)の勝ち馬で2番人気のリーガルリアルムは12着に終わっています。

エッセンティーピーは昨年5月にデビューしましたが、初勝利を挙げたのは9月の8戦目。今年初出走だった前走はR.ムーア騎手が騎乗して条件戦3着だったので、重賞初出走の今回人気薄になったのも当然でしょう。英1000ギニーには登録しておらず、25日現在、追加登録するかどうかは明らかでないようです。

エッセンティーピーの5代血統表。父がデインヒル系オラトリオ。母の父がオクタゴナルなのはシャトル時に種付けされたのでしょう。ちなみに3/4同血の半兄が Yojimbo という馬名です。

2012年ネルグウィンS.のレース映像。エッセンティーピーは奥から2頭目の発走。


なお、この1レースあとに行われた3歳準重賞のフェイルデンS.(芝9ハロン)は、スティピュレイトが2着に4・1/2馬身差をつけて勝ちました(結果映像)。次走は英G3ディーS.か英G2ダンテS.のようですが、12ハロンより10ハロンの方がということで、英ダービーには出走しないかもしれません。ダンジリ×サドラーズウェルズなので距離は問題ないと思いますが。

ネルグウィンステークス(Lanwades Stud Nell Gwyn Stakes)
2012年4月18日、イギリス・ニューマーケット競馬場、芝7ハロン
3歳牝馬、G3、13頭、レース結果、総賞金5万5000ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1エッセンティーピー
Esentepe
3牝
29倍
P.ドブス
56.2kg
1分27秒6011戦【2-3-5-1】
準重賞3着1回
2ナヤーラ
Nayarra
3牝
21倍
M.ドワイヤー
57.6kg
クビ10戦【1-5-2-2】
伊G1グランクリテリウム1着
3リリーズエンジェル
Lily's Angel
3牝
10倍
P.ハナガン
56.2kg
1/210戦【4-2-2-2】
7ハロンG3で2着。準重賞1勝

スーパーイージーがG2シンガポール3歳クラシック優勝

4月22日に行われたローカルG2シンガポール3歳クラシック(芝1400m)は、シンガポール移籍後無敗を続けるスーパーイージーが、6番手追走から直線では2頭の狭い間を抜け出して優勝し、重賞4勝目を挙げました。

唯一の牝馬で高岡秀行厩舎のベターライフ Better Life が2番人気4着でした(父スマーティージョーンズ、母の父がサンデーサイレンスの豪州産馬)。

スーパーイージーは3月30日にもローカルG3シンガポール3歳スプリント(芝1200m)を制しており、これでシンガポール3歳チャレンジ2冠を達成した。次走は5月18日に行なわれる第3戦、ローカルG1シンガポールギニー(芝1600m)の予定で、そのあとは休養を挟んでオーストラリアなど海外遠征も検討しているとのこと。

Super Easy one Leg away from Triple Crown

スーパーイージーは父ダルシブラーマ(その父デインヒル)のニュージーランド産馬。ニュージーランドでデビュー戦を勝利。そのときの2着馬プラネットロックはのちに新3歳G1 NZ1000ギニーを制している。また新2歳G2エクリプスS.(芝1200m)で0.1馬身差2着し、そのときの勝ち馬アナバンダナは新2歳G1ダイヤモンドS.(芝1200m)および新2歳G1サイアーズプロデュースS.(芝1400m)を連勝した。

スーパーイージーは準重賞カラカミリオンで4着となり3戦1勝としたあとシンガポールに移籍した。シンガポールでは今回の勝利で9戦9勝。重賞4勝のうち2勝は、もちろん軽量での出走だが、古馬相手のものだった。

第1戦シンガポール3歳スプリントのレース映像
第2戦シンガポール3歳クラシックのレース映像

シンガポール3歳クラシック(Singapore Three-Year-Old Classic)
2012年4月22日、シンガポール・クランジ競馬場、芝1400m
3歳、ローカルG2、10頭、レース結果、総賞金35万シンガポールドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1スーパーイージー
Super Easy
3牡
1.06倍
J.モレイラ
57kg
1分24秒6112戦【10-1-0-1】
重賞4勝
2トータリティ
Totality
3セン
14.2倍
KB.ソー
57kg
1.3馬身12戦【3-5-0-4】
重賞2戦目
3レッツシーアクション
Let's See Action
3セン
84倍
G.チェーン
57kg
0.1馬身12戦【3-4-3-2】
重賞初出走

米3歳G3ジェロームS.はザランバーガイが重賞初勝利

4月21日に行われた米3歳G3ジェロームS.は逃げたザランバーガイが最後の直線で、2番手追走ブリガンドを振り切って優勝し、重賞初勝利を挙げました。最後方を追走した1番人気ステアドアップは1着から約6馬身差の3着。

ザランバーガイは重賞初出走だった前走の米G1ウッドメモリアルS.でも逃げて1着から約5馬身差の5着。ここでは力が違いました。と思いきや、ブリガンドは右後脚の蹄鉄をレース中に落としていたとのこと。どれくらい影響があったか分かりませんが。

ザランバーガイの次走はプリークネスS.ではなく、その1週前の5月12日のG2ピーターパンS.(ダート9ハロン)に向かう可能性が高そう。

2012年ジェロームS.のレース映像。


ジェロームステークス(Jerome Stakes)
2012年4月21日、アメリカ・アケダクト競馬場、ダート1マイル
3歳、G3、6頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金20万米ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ザランバーガイ
The Lumber Guy
3牡
3.25倍
M.ルッチ
54.4kg
1分36秒044戦【3-0-0-1】
重賞初勝利
2ブリガンド
Brigand
3牡
7.2倍
C.ナカタニ
53.5kg
2・3/46戦【1-3-0-2】
重賞2着2回目
3ステアドアップ
Stirred Up
3牡
3.0倍
M.ガルシア
52.6kg
35戦【1-1-3-0】
前走G3サンランドダービーで3着

米G3レキシントンS.は単勝72倍のオールスクエアドアウェイが重賞初勝利

4月21日に行われた米3歳G3レキシントンS.(AW8.5ハロン)は、4番手追走のオールスクエアドアウェイが最後の直線半ばで外から差し切って重賞初勝利を挙げました。単勝71.6倍、11頭中11番人気でした。

1番人気サマーフロントがさらに後方から差して2着。2番手追走の9番人気ハンマーズテラーが3着に粘りこみました。

オールスクエアドアウェイは2010年のセールにおいてわずか1000ドルで現オーナーに落札。G3エルカミノリアルダービー(AW9ハロン)7着、G3スパイラルS.(AW8.5ハロン)6着と、重賞はここまで2戦していずれもオールウェザーで結果が出ていないので、人気薄も当然でした。スパイラルS.まではオーナーの一人が調教しており、その後ウェスリー・ワード調教師に預けられて今回が初戦だったと。ちなみに昨年、後藤浩輝騎手にアメリカ遠征するように誘い、後藤騎手を多く乗せていたそのワード調教師です。

オールスクエアドアウェイは3冠登録をしていないため、3冠出走には追加登録料10万ドルと既登録馬の出走予定馬が出走可能頭数を下回ることが必要で、3冠のいずれにも(少なくともケンタッキーダービーとプリークネスS.は)出走しない見込みです。

オールスクエアドアウェイの5代血統表。母馬は2009年に韓国に輸出されています。

2012年レキシントンS.のレース映像。手前から3頭目の発走がオールスクエアドアウェイ。



厳しいローテーションになることは承知でケンタッキーダービー出走のために賞金を稼ぎに来たキャスタウェイとモルガンズゲリラ、ゴールデンチケットはそれぞれ3番人気9着と2番人気11着、6番人気5着とほとんど意味の無い出走になってしまいました。キャスタウェイは賞金上位からもう3頭が回避すれば出走できますが。

レキシントンステークス(Coolmore Lexington Stakes)
2012年4月21日、アメリカ・キーンランド競馬場、AW8.5ハロン
3歳、G3、11頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金20万ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1オールスクエアドアウェイ
All Squared Away
3セン
71.6倍
J.ガルシア
53.5kg
1分42秒559戦【2-2-2-3】
重賞3戦目
2サマーフロント
Summer Front
3牡
3.3倍
R.ドミンゲス
54.4kg
1・1/24戦【3-1-0-0】
ステークス2連勝
3ハンマーズテラー
Hammers Terror
3牡
19.3倍
R.アルバラード
53.5kg
クビ6戦【2-1-2-1】
G3ルコンテS.6着

2012年4月24日火曜日

米年度代表馬ハヴルドグレース引退。11月セールで売却か

2011年の米年度代表馬ハヴルドグレース Havre de Grace が引退することが発表されました。21日土曜日の調教中に右前脚の外側繋靭帯炎を発症し、完治に1年かかると診断されたため。

Fox Hill Farm | Havre de Grace retired(獣医レポートへのリンクあり)
Horse of the Year Havre de Grace retired with ankle injury | Daily Racing Form

ハヴルドグレースは父セイントリアム、母イースターバネット、母の父カーソンシティという血統の5歳牝馬。日本で走るラピッドボーイの半妹でもある。通算16戦9勝2着4回。重賞6勝。昨年は3月の米牝馬G1アップルブロッサムH.でG1初勝利を挙げると、9月には牡馬相手の米G1ウッドワードS.も勝ち(2着馬は次走G1勝ち、3着馬は2走後にBCクラシック優勝)、さらに10月の牝馬G1ベルデイムS.で8・1/4馬身差をつける楽勝。BCクラシックでも4着に入っていました。

今季も現役を続け、初戦のニューオーリンズレディースS.で2着に4・1/2馬身差をつけて快勝しており、5月4日のラトロワンヌS.を今年2戦目に予定していました。


なお、Courier-Journal の Jennie Rees(@CJ_Jennie)は、「オーナーであるリック・ポーターがハヴルドグレースを11月のセールで売却すると述べた」、と伝えています。ポーターと、名義上のオーナーである Fox Hill Farm は生産を行っていないためとしている。

ちなみに昨年のキーンランド11月セールでは、その直前に BCレディースクラシックを勝ったロイヤルデルタが850万ドルで落札された。ハヴルドグレースがベルデイムS.で8馬身差2着に負かした相手がそのロイヤルデルタです。

エンパイアメーカー産駒【ロイヤルデルタ(Royal Delta)】が850万ドルで落札! - 【サラブレッドセール(セリ市場)=馬市】&【馬産地】の最新情報 by馬市.com

2011年G1ベルデイム招待S.のレース映像。大外枠発走がハヴルドグレース。


G1ウッドワードS.のレース映像。赤い帽子、白と赤が半々の勝負服がハヴルドグレース。

2012年4月22日日曜日

豪G1ザ・ギャラクシーはテンプルオブブームがG1初勝利

4月21日に行われた豪G1ザ・ギャラクシー(芝1100m)は、中団で馬群の中を進んだテンプルオブブームが最後の直線でも真ん中を鋭く伸びて差しきり、重賞3勝目、G1初勝利を挙げました。

準重賞2連勝中で2番人気に支持された3歳馬ノビースニップが先行して2着。前走G2サファイアS.でアトランティックジュエルに楽に4馬身差(3着)突き放されていたレディーズエンジェルが3着でした。

テンプルオブブームは前走のG3セブリングS.で8着に敗れていたこともあって7番人気の低評価でした(同1,2着馬は8,12着に終わっています)。マクドナルド騎手とのコンビでは5戦して重賞3勝と相性抜群。

2012年ザ・ギャラクシーのレース映像

ザ・ギャラクシー(The James Boag Galaxy)
2012年4月21日、オーストラリア・ランドウィック競馬場、芝1100m
2歳以上、ハンデ、G1、14頭、レース結果、総賞金35万豪ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1テンプルオブブーム
Temple Of Boom
5セン
15倍
J.マクドナルド
57kg
1分03秒4329戦【10-4-5-10】
重賞3勝目
2ノビースニップ
Nobby Snip
3セン
5倍
T.ベリー
52kg
18戦【5-2-0-1】
重賞初出走
3レディーズエンジェル
Ladys Angel
5牝
13倍
C.ウィリアムズ
52kg
短アタマ18戦【5-3-4-6】
準重賞1勝、G3で2着1回

豪G1オーストラリアンオークスはストリーマがG1競走2勝目

4月21日に行われた豪G1オーストラリアンオークス(芝2400m)は、前半に逃げたアリヤナティルドが、途中から先行に立ったザイ(Thy、バイ?)を交わして再び先頭に立ちましたが、中団を進んだストリーマが外からアタマ差だけ差し切って優勝し、G1競走2勝目を挙げました。アリヤナティルドが2着、ザイが3着。前走2000mのG3を勝っていた2番人気フルオブスピリットは4着。

7日の豪G1ヴィネリースタッドS.の2、3、4着馬が1、2、3着する決着となりました。休養に入った同勝ち馬モシーンが居ないこともあって全体的にそれほどでも無い出走馬でしたが、ストリーマだけは展開を考えると強い競馬をしたと思います。

G1フライトS.とオーストラリアンオークスのダブル制覇は1991年以来のことであると。この後は休養に入って来シーズンに備えるようです

2012年オーストラリアンオークスのレース映像

オーストラリアンオークス(Patinack Farm Australian Oaks)
2012年4月21日、オーストラリア・ランドウィック競馬場、芝2400m
南半球3歳、G1、8頭、レース結果、総賞金55万豪ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ストリーマ
Streama
3牝
1.4倍
J.ボウマン
56kg
2分31秒2413戦【6-4-1-2】
重賞5勝目
2アリヤナティルド
Aliyana Tilde
3牝
13倍
S.シン
56kg
アタマ11戦【2-2-2-5】
重賞未勝利
3ザイ
Thy
3牝
12倍
Lノレン
56kg
1・1/47戦【1-1-2-3】
重賞未勝利

豪G1ドンカスターマイルは母父サンデーサイレンスのモアジョイアスがG1競走7勝目

4月20日に行われた豪G1ドンカスターマイル(芝1600m)は、前走の豪牝馬G1クイーンオブザターフS.(芝1500m)勝ち馬でトップハンデのモアジョイアスが、4,5番手外目を追走し、最後の直線で外から危なげなく差し切って優勝。重賞15勝目、G1競走7勝目を挙げました。

2着にモアジョイアスより1kg軽い牡馬のトップハンデで、2走前の豪G1ノートンS.(芝1600m)でG1競走3勝目を挙げていたシュートアウト(母父ペンタイア)が入り、3着に最終コーナーで最内の最短コースを通って距離を稼ぎ一時先頭に立ったヨーセイ(母父フジキセキ)が入っています。

2012年ドンカスターマイルのレース映像

モアジョイアスは父モアザンレディ、母サンデージョイ、母の父サンデーサイレンスという血統。豪G1オーストラリアンオークス勝ち馬であるサンデージョイの半妹に、ザ・BMWなど豪G1競走4勝のチューズデイジョイ Tuesday Joy (その父カーネギー)がおり、吉田勝己氏がそのチューズデイジョイの2010(父モアザンレディ、つまりモアジョイアスの3/4同血)を先日の豪セールにおいて75万豪ドルで落札しています。


この日は京都競馬場でオーストラリアデーがおこなわれましたが、ランドウィック競馬場でもその交換競走なのか、ドンカスターマイルの1レース前に"Japan Racing Association Plate"という準重賞が開催。このレースではヤマニンヴァイタル産駒が短クビ差2着、またニュージーランドではヤマニンバイタル産駒とジャングルポケット産駒がそれぞれニュージーランドG3を勝っており、オセアニアで日本関係の血統が活躍が目立った1日でした。

ヤマニンバイタル産駒インフェルノが新G3カンタベリーゴールドカップ2連覇
新G3ホークベイゴールドカップはジャングルポケット産駒フレミントンが重賞初勝利
         
ドンカスターマイル(B M W Doncaster Mile)
2012年4月20日、オーストラリア・ランドウィック競馬場、芝1600m
3歳以上、ハンデ、G1、19頭、レース結果、総賞金20万豪ドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1モアジョイアス
More Joyous
5牝
3.75倍
N.ラウィラー
57.5kg
1分35秒5725戦【18-0-2-5】
重賞16勝目
2シュートアウト
Shoot Out
5セン
7.5倍
J.ボウマン
56.5kg
3/429戦【8-5-5-11】
豪G1オーストラリアンダービー1着
3ヨーセイ
Yosei
4牝
31倍
M.ペイン
52kg
24戦【4-1-2-17】
G1競走3勝

新G3ホークベイゴールドカップはジャングルポケット産駒フレミントンが重賞初勝利

4月21日に行われた新G3ホークスベイゴールドカップ(芝2200m)は、逃げ馬のすぐうしろ最内3番手を追走した5番人気のフレミントンが残り200mで先頭に立つと、ゴール直前で内と外から追い上げられましたが、なんとかハナ差凌いで勝ち、重賞初勝利を挙げました。

ジャングルポケット産駒のフレミントンは2008年10月にデビューしましたが、初勝利を挙げたのは2012年1月の25戦目でのこと。そこから5着、1着、1着、3着と来て、ここまで準重賞の出走もありませんでしたが、重賞初出走だったこのレースも制しています。ジャングルポケットは格上げ初戦でもアタマから狙えるのはニュージーランドでも共通のようですね。

2012年ホークスベイゴールドカップのレース映像(要登録)。

ちなみに2レース後の最終レース(条件戦)でもジャングルポケット産駒ミコ Miko(5歳セン馬)が勝っています。

ホークスベイゴールドカップ(Lynn Electrical Hawke's Bay Gold Cup)
2012年4月21日、ニュージーランド・ヘイスティング競馬場、芝2200m
3歳以上ハンデ、G3、16頭、レース結果、総賞金7万NZドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1フレミントン
Flemington
6セン
13.8倍
M.ヒルズ
53kg
2分14秒9730戦【4-5-8-】
準重賞出走経験もなかった
2ラヴィエンヌ
La Vienne
4牝
7.5倍
R.マイヤーズ
53kg
ハナ10戦【3-2-2-3】
同上
3オプションズ
Options
5牝
6.7倍
A.コレット
54.5kg
アタマ21戦【7-2-2-10】
準重賞1勝、G1で7着

ヤマニンバイタル産駒インフェルノが新G3カンタベリーゴールドカップ2連覇

4月21日に行われた新G3カンタベリーゴールドカップ(芝2000m)は、後方3番手を追走した3番人気インフェルノが残り1ハロンで直線外から一気に差しきり、この競走2連覇、1年ぶり重賞2勝目を挙げました。2走前に新G1ニュージーランドS.(芝2000m)5着しています。

2着に7番人気、3着に11番人気とどちらも重賞実績の無い2頭が来て波乱気味の結果でした。1番人気のイーグルマウンテンは8着。

インフェルノの5代血統表。父はヤマニンバイタルです。

2012年カンタベリーゴールドカップのレース映像(要登録)。2011年の動画はこちら(YouTube、画質悪い)

カンタベリーゴールドカップ(Coca-Cola Canterbury Gold Cup)
2012年4月21日、ニュージーランド・リカートンパーク競馬場、芝2000m
3歳以上、G3、15頭、レース結果、総賞金10万NZドル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1インフェルノ
Inferno
6牝
7.1倍
S.ムニアンディ
57kg
2分01秒4838戦【9-4-6-19】
重賞2勝目
2ウィンドホイッスル
Windwhistle
4セン
16.6倍
L.キャラウェイ
59kg
142戦【9-9-7-17】
重賞2走目
3ザピーラー
The Pearler
7牝
41.9倍
L.ロビンソン
57kg
クビ41戦【9-5-6-21】
2年前に4着

2012年4月21日土曜日

姉2頭がG1馬のベターベターベターが初勝利。英オークスで見たい

4月18日に愛ダンダーク競馬場・AW10.5ハロンで行われた牝馬限定未勝利馬戦にA.オブライエン調教師が管理するベターベターベター Betterbetterbetter が出走し、2着に2・3/4馬身差をつけて初勝利を挙げました(結果)。前走3月のデビュー戦は1・3/4馬身差2着に敗れていました。

ベターベターベタの上のうち姉3頭の主な成績は次のとおり(いずれも牝馬G1)で、ベターベターベターも英オークスに出走してくれば面白いですね。ブックメーカーが発表する英オークスのオッズで20倍から33倍程度(4月21日現在)。

クォータームーン Quarter Moon(1999年生)
愛2歳モイグレアS.1着。愛1000ギニー2着。英オークス2着。愛オークス2着

イエスタデイ Yesterday(2000年生)
愛1000ギニー1着。英オークス2着。仏ヴェルメイユ賞2着。仏オペラ賞2着。

オールマイラヴィング All My Loving(2004年生)
英オークス3着。愛オークス3着

ちなみに上記3頭とも父サドラーズウェルズで、ベターベターベターは父ガリレオ(その父サドラー)ですが、ガリレオならもちろん何の不足も無い(ガリレオ×母父ダルシャーンは昨年2011年の英ダービー馬プルモワと同じ)。

仏3歳牝馬G3ぺネロープ賞はワルドレルシェが重賞初勝利

4月17日に行われた仏3歳牝馬G3ぺネロープ賞(芝2100m)は、英G1セントレジャー勝ち馬マスクドマーヴェルの半妹ワルドレルシェ(ヴァルドレルシェ)が逃げ切って優勝しまし、重賞初勝利を挙げました。これで2戦2勝。

この後はどちらも仏3歳牝馬G1である5月27日サンタラリ賞(芝2000m)から6月17日ディアヌ賞(芝2100m、仏オークス)へ向かう予定と。ディアヌ賞ではディープ産駒ビューティーパーラーのライバルとして警戒が必要です。ギュイヨン騎手はワルドレルシェについて2400mでも持つと思うと述べています。

ワルドレルシェの5代血統表。父がモンジューからモンズーンに変わって Surumu の3×4。サドラーズウェルズとミルリーフ系のニックスの形で無くなったのがどうか。

2012年ぺネロープ賞のレース映像。

17.04.2012 Saint-Cloud (FR) 3,Race Prix Pénélope... 投稿者 HorseRaceSports

ぺネロープ賞(Prix Penelope)
2012年4月17日、フランス・サンクルー競馬場、芝2100m
3歳牝馬、G3、7頭、Soft、レース結果、総賞金8万ユーロ
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ワルドレルシェ
Waldlerche
3牝
3倍
M.ギュイヨン
57kg
2分19秒802戦【2-0-0-0】
重賞初出走
2クレシー
Crecy
3牝
10倍
I.メンディザバル
57kg
3/44戦【1-1-1-1】
前走準重賞3着
3ラジュワ
Rjwa
3牝
3.3倍
F.ベルトラス
57kg
アタマ4戦【2-0-1-1】
重賞初出走

豪G1競走3連勝中のマニガーがジャパンカップ出走検討

4月7日に行われた豪G1ザ・BMW(芝2400m、勝ちタイム2分28秒32)を勝ち、G1競走3連勝中のマニガーについて、オーナーの一人が「メルボルンカップ後にジャパンカップ出走も考えている」と述べました。硬い芝にも適性を示してしてくれたので、とのこと。

Manighar could be bound for Japan Cup | thetelegraph.com.au

マニガーは
3月10日 豪G1オーストラリアンカップ(芝2000m、勝ちタイム2分01秒22)
3月24日 豪G1ランヴェットS.(芝2000m、勝ちタイム2分04秒73)
も勝っています。その前の2走は1600mのG3で1着、1800mのG3で3着。

現在は良い状態であることは明らかですが、ヨーロッパからの移籍組が上位に並ぶ豪中距離で強いと言われてもそれほど怖くはないが。マニガー自身、欧州時代は重賞1勝、G1は3着がある程度。

マニガーの5代血統表

マニガーは4月28日の豪G1クイーンエリザベスS.(ランドウィック競馬場、芝2000m)に出走する可能性もあるとのこと。

ブラックキャビアは4月28日に20戦目の予定

ブラックキャビアのオーストラリアにおける今後の出走予定について、すでに5月12日の豪G1ザ・グッドウッドに出走することが明らかになっていましたが、同時に出走する可能性があるとされていた4月28日の豪牝馬G1スポーツベットクラシック(ロバートサングスターS.)にも出走することが決まりました。

Peter Moody says Black Caviar's record attempt will be in Adelaide | Black Caviar

どちらもモーフェットヴィル競馬場・芝1200mのレースで、総賞金40万豪ドルのスポーツベットクラシックが牝馬限定の定量戦であるのに対して、総賞金50万豪ドルのザ・グッドウッドは牡馬混合の別定戦です。

その後は6月23日の英G1ダイヤモンドジュビリーS.を使い、7月の英G1ジュライカップも出走する可能性があると。

さらに帰国して、9月28日の豪G1マニカトS.(総賞金50万豪ドル)と11月10日の豪G1パティナックファームクラシック(総賞金100万豪ドル)を考えており、その後は香港スプリントも考慮しているとのこと。

ブラジル競馬の3歳クラシック体系

前の記事「オールドチューンがブラジル・リオ牝馬三冠。プレンティーオブキックスがリオ牡馬三冠」を書くにあたって調べたこと。ブラジルの3歳クラシックは国全体で統一されていない。JAIRSがブラジル競馬について「主催者は、サンパウロ・ジョッキー・クラブとブラジル・ジョッキー・クラブの2つが大きく」また「7月に始まり、翌年6月までが1シーズン」と紹介しているので、それぞれの3歳3冠(4冠)体系を2011年7月から2012年4月までの間に実際に施行された条件でまとめると次の表のとおりで、リオ3冠のほうが賞金は高い。

3冠(4冠)体系については、それぞれの公式サイト
Jockey SP - Programação Clássica
Jockey Club Brasileiro - FAÇA SUAS APOSTAS ONLINE
を、賞金額はIFHAを参照した。

サンパウロ・ジョッキー・クラブ3歳4冠(すべてシダーデジャルディン競馬場)
3冠目まで3歳牡牝G1。4冠目"Consagracao"はセン馬含む3歳以上が出走可能でG2。
開催日
2011年
競走名距離賞金額
レアル
9月7日GP Ipiranga160010万1251
10月1日GP Jockey Club de Sao Paulo20008万2651
11月5日GP Derby Paulista240019万5972
12月17日GP Consagracao28005万8353
GP Consagracao は2012年は3000mの予定。
GP は"Grande Premio"の略。全て芝のレース。以下同じ。


サンパウロ・ジョッキー・クラブ3歳牝馬3冠(すべてシダーデジャルディン競馬場)
3冠とも3歳牝馬G1。
開催日
2011年
競走名距離賞金額
レアル
8月13日GP Barao de Piracicaba16008万2668
9月7日GP Henrique de Toledo Lara18009万3151
10月1日GP Diana20009万9151


ブラジル・ジョッキー・クラブのリオデジャネイロ3歳3冠(すべてガベア競馬場)
3冠とも3歳牡牝G1
開催日競走名距離賞金額
レアル
2月12日GP Estado do Rio de Janeiro160014万7000
3月11日GP Francisco Eduardo De Paula Machado200014万7000
4月15日GP Cruzeiro do Sul240020万0000

ブラジル・ジョッキー・クラブのリオデジャネイロ3歳牝馬3冠(すべてガベア競馬場)
3冠とも3歳牝馬G1
開催日競走名距離賞金額
レアル
2月12日GP Henrique Possolo160014万7000
3月11日GP Diana200020万0000
4月15日GP Zelia Gonzaga Peixoto de Castro240013万0000

オールドチューンがブラジル・リオ牝馬三冠。プレンティーオブキックスがリオ牡馬三冠

4月15日のブラジル・ガベア競馬場で行われた第5レース、3歳牝馬G1ゼリア・ゴンザガ・ペイショト・デ・カストロ大賞(芝2400m)はオールドチューンが勝ち、史上4頭目となるリオデジャネイロ3歳牝馬三冠を達成しました。また第7レースの3歳G1クルゼイロ・ド・スル大賞(芝2400m)をプレンティーオブキックスが勝ち、こちらは11頭目のリオデジャネイロ3歳牡馬三冠馬となっています。

BRAZIL Two Rio triple crowns in one day - Racing Post
ブラジル競馬3歳クラシック体系についてはこちら


オールドチューンはリオ牝馬三冠(ガベア競馬場)のほかに、2歳牝馬G1マルガリーダポラクララ大賞(シダーデジャルディン競馬場)も勝っており、G1競走4勝目です。シダーデジャルディン競馬場のサンパウロ3歳牝馬三冠では4着、5着、12着に敗れていました。ガベア競馬場の芝に限れば5戦5勝(重賞4勝、準重賞1勝)。

ちなみにサンパウロ牝馬三冠のうち2冠を制したアルタヴィスタは、今年はまだ出走がなく、したがってリオ牝馬三冠には1戦も出走していませんが、その理由は不明。

オールドチューンの5代血統表。父ワイルドイヴェント(その父ワイルドアゲイン)はパラダイスクリークの半弟であり、2010-2011シーズンのブラジルリーディングサイアー。

2012年ゼリア・ゴンザガ・ペイショト・デ・カストロ大賞のレース映像。


ゼリア・ゴンザガ・ペイショト・デ・カストロ大賞
(Grande Premio Zelia Gonzaga Peixoto De Castro - Stud TNT)
2012年4月15日、ブラジル・ガベア競馬場、芝2400m
3歳牝馬、G1、11頭、レース結果、総賞金13万0000レアル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1オールドチューン
Old Tune
3牝
1.3倍
M.カルドソ
56kg
2分27秒8212戦【6-1-2-3】
G1競走4勝目
2ユニークズカ
Unique Zuca
3牝
7.1倍
I.コレア
57kg
3・1/48戦【2-3-0-3】
第1冠10着、第2冠13人気2着
3ジェットクイーン
Jet Queen
3牝
7.4倍
C.ラヴォール
56kg
クビ8戦【2-1-2-3】
第1冠4着、第2冠3着
規定負担重量は56kg



プレンティーオブキックスはリオ三冠のほかに、昨年6月の2歳G1ジョッキー・クラブ・ブラジレイロ大賞(芝1600m)および8月の3歳以上G1リオ・デ・ジャネイロ共和国大統領賞(芝1600m)も勝っており、今回でG1競走5勝目。

サンパウロ4冠第3戦、サンパウロダービー勝ち馬ヴェラネイオは、その次走12月の亜G1カルロスペレグリーニ大賞で2着しています。リオ3冠には出走せず。

アルゼンチンに拠点を移す前に24年連続でブラジルのリーディングジョッキーだったリカルド騎手の三冠達成はこれが初めてと。

プレンティーオブキックスの5代血統表。父はサドラーズウェルズ系クリムゾンタイド。

2012年クルゼイロ・ド・スル大賞のレース映像。


クルゼイロ・ド・スル大賞(Grande Premio Cruzeiro Do Sul - Stud TNT)
2012年4月15日、ブラジル・ガベア競馬場、芝2400m
3歳牡馬、G1、12頭、レース結果、総賞金20万0000レアル
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1プレンティーオブキックス
Plenty Of Kicks
3牡
1.9倍
J.リカルド2分24秒808戦【7-0-1-0】
G1競走5勝目
3着1回はダート(砂)
2ポーカーフェイス
Poker Face
3牡
2.7倍
C.ラヴォール3・1/412戦【2-7-2-1】
重賞初出走の第2冠も2着
3インヴィクトゥス
Invictus
3牡
5.5倍
D.デュアルテクビ8戦【1-2-4-1】
G1の3着3回目

2012年4月20日金曜日

シーキングザダイヤ産駒が米初勝利。チリでクイックに種付けしている

4月19日の米ローンスターパーク競馬場・第2レース、2歳メイドンスペシャルウェイト(未出走馬戦、ダート900m、総賞金2万0300ドル)にシーキングザダイヤ産駒シーキングペイデイ Seeking Payday が単勝2.7倍の1番人気で出走し、2着に2・3/4馬身差をつけて優勝しました。

Lone Star Park - Race 2 - 4/19/2012 | Races | BloodHorse.com

シーキングザダイヤは2008年に日本で種付けを行ったあと、2009年からはアメリカのヒルンデイルファームで種牡馬として供用されていました。シーキングペイデイはそのアメリカでの初年度産駒として初勝利を挙げました。ただし、ヒルンデイルファームの種牡馬一覧にシーキングザダイヤの名前が無いため(個別ページは存在する)、今年とおそらく昨年もシャトル先のチリから帰ってこなかったようです。


ところで、なぜ今まで気付かなかったのか、チリで2009年、2010年と2年連続で種付けした相手にクイックがおり、2頭の牡馬が誕生しています。クイック自身は未勝利ですが、全兄に1991年の南アフリカ年度代表馬 Ilustrador がいる良血。またクイックの子クイックカサブランカは今年2月に智G1エルダービー、および3月にラテンアメリカ諸国で最も重要な競走のひとつである亜G1ラテンアメリカ・ジョッキークラブ協会大賞とG1を2連勝しました。クイックカサブランカはほかにG1で2着4回3着1回があります(G1ナシオナルリカルドリヨン大賞の1位入線2着降着含む)。

クイックカサブランカの生産者がシーキングザダイヤの繋養先である Haras Matancillaというわけです。クイック産駒はカサブランカ以前にも7頭がデビューし、うち3頭が重賞入着馬になっていますが、クイックカサブランカの活躍以降にシーキングザダイヤを種付けされる可能性は、まったく無いとは言えないものの、全弟、全妹配合が可能である間はいくらか低くなるのは明らかでクイックに2年連続というのはとても時期に恵まれたと言えるでしょう。

他にHaras Matancillaの生産馬としては08年G1チリ競馬場大賞勝ち馬コンスルロマノの半弟もいます。こちらはG1勝ち後に種付けと。結構大事にされていることが分かります。


また米国産馬としてはシーキングザダイヤの2011年生まれの産駒に、2011年2歳牝馬G3ソレントS.(ダート6.5ハロン)勝ち馬マイティーキャロライン Mighty Caroline の半妹がいます。マイティーキャロラインはソレントS.を勝ち3戦2勝2着1回としたあと故障のためにすでに引退しましたが、ソレントS.で負かした相手にはG1サンタアニタオークス勝ち馬ウィラビーオーサムG1ハリウッドスターレットS.勝ち馬キラーグレーシズ(ソレントS.の前走でマイティーを2着に下す)がいました。

マイティーキャロラインの父ストーミーアトランティックは、その父ストームキャット、母父シアトルスルーなので、シーキングザダイヤの父ストームキャット、母母父シアトルスルーと似た血統。

ストーミーアトランティックがG1馬を出して成功したから、ヒルンデイルファームは似た血統のシーキングザダイヤを呼び戻さない判断をしたのかもしれませんね)

クイックカサブランカの半弟も、マイティーキャロラインの半妹もどちらもとても期待できそうなので、無事にデビューしてくれることを願っています。

2012年4月19日木曜日

フランケルは現役続行。英G1ロッキンジS.も再び視野に

4月11日に右前肢に外傷を負っていたフランケルについて、精密検査の結果、腱に異常が無いことが確認されました。というわけで現役続行です。

Frankel gets green light to continue racing - Horse Racing News | Racing Post
Frankel given all-clear to resume training after scan on injured leg | Sport | The Guardian

負傷後に携帯型の超音波検査機を用いて検査が行われていましたが、専門病院にあるものほど信頼性が高いわけでは無く、その後さらに詳細な検査が行われていました。

Scan on Frankel to Be Completed This Week | BloodHorse.com
Frankel, Sir Henry Cecil's 'wonderhorse' faces critical scan on potentially career-ending injury - Telegraph

「腱に異常があれば小さなものであっても、引退を考える理由になります」と述べていたカリッド・アブドゥラ殿下のレーシングマネージャー、テディ・グリムソープ氏は、問題がなかったことを明らかにした上で「今後の予定は調教の進展を見ながら決めますが、現時点では(今年の初戦を予定していた)5月19日の英G1ロッキンジS.(芝1マイル)に出走する可能性もあります」と述べています。

2012年4月18日水曜日

南アG1ホースチェストナットS.はダンスウィズザデヴィルが2連覇。エンプレスクラブS.はヨーロッパポイントがG1初勝利

3月31日に行われた南アG1ホースチェストナットS.(芝1600m)は、昨年の勝ち馬ダンスウィズザデヴィルが2着に3・1/4馬身差をつけて快勝し、2連覇を達成しています。レース前に状態不安が伝えられていたとのことですが、関係なかったようで。G1は5勝目、うち牡馬混合4勝目。1月の南アG1 J&Bメット(芝2000m)2着だった1番人気ブラヴュラは7馬身差5着。

ダンスウィズザデヴィルの5代血統表。父Modus Vivendi は種牡馬ザールの全弟。


また4月10日に行われた南ア牝馬限定G1エンプレスクラブS.(芝1600m)はヨーロッパポイントが勝ちG1初勝利を挙げました。これで5連勝、前走で重賞初勝利。通算8勝目の今回で2着につけた3・1/2馬身差がキャリア最大着差であるという上がり馬です。1番人気ダンスウィズザデヴィルはここも2連覇を狙っていましたが4着。

 ヨーロッパポイントの5代血統表。父ロックオブジブラルタル。ヨーロッパポイントは地名で「英国領ジブラルタルの南端部。地中海を挟んでアフリカ大陸を望む」(コトバンク)と。


ちなみにエンプレスクラブカップの1レース前に行われたオープン戦にジェイジェイザジェットプレーンが出走し1/4馬身差2着でした(出遅れて、それでも3着には1・3/4馬身差)。ジェイジェイザジェットプレーンは昨年3月のアルクォーツスプリント1着後、5月の星G1クリスフライヤーインターナショナルスプリント直前に腱の異常で南アフリカに帰国。長期の治療を終え、前走1月のG1ケープフライイングチャンピオンシップ(芝5ハロン)で復帰し4着していました。ジェイジェイザジェットプレーンの次走は4月28日のG1コンピュータフォームスプリントの予定。


ダンスウィズザデヴィルの次走は4月28日のチャンピオンズチャレンジ(芝2000m)。年度代表馬の4冠牝馬イググも出走するようです。ダンスウィズザデヴィルが2000mを走るのは昨年11月の南アG1サマーカップ(牡馬混合)1着以来のこと。昨年は6着に敗れています。

ホースチェストナットステークス(H F Oppenheimer Horse Chestnut Stakes)
2012年3月31日、南アフリカ・ターフフォンテン競馬場、芝1600m
4歳以上、G1、8頭、レース結果、100万ランド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績(3月31日終了時点)
主な成績
1ダンスウィズザデヴィル
Dancewiththedevil
5牝
4.3倍
G.レレナ
57.5kg
1分38秒8519戦【9-4-0-6】
G1競走5勝目
2ルドラ
Rudra
7セン
23倍
R.シモンズ
60kg
3・1/435戦【6-5-7-17】
前走G1サマーカップ3着
08年サマーカップ1着
3ソロトラベラー
Solo Traveller
4セン
4.3倍
W.マーウィン
60kg
1・1/217戦【5-2-5-5】
2010年G1ケープギニー1着

エンプレスクラブステークス(L Jaffee Empress Club Stakes)
2012年4月10日、南アフリカ・ターフフォンテン競馬場、芝1600m
3歳以上牝馬、G1、8頭、レース結果、100万ランド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ヨーロッパポイント
Europa Point
4牝
7.5倍
A.マーカス
60kg
1分37秒1612戦【8-3-1-0】
G1初勝利、重賞連勝
2ヒドゥンビューティ
Hidden Beauty
3牝
11倍
P.ストリドム
57.5kg
3・1/213戦【6-1-4-2】
重賞1勝、G1初連対
3ハッピーアーチャー
Happy Archer
4牝
23倍
M.ミーニー
60kg
1/218戦【5-2-2-9】
牝馬限定G1を2勝

父父サンデーサイレンスもう1頭の仏1000ギニー有力馬ボルドクサグが引退

2011年の仏2歳牝馬G3レゼルヴォワール賞(芝1600m)を勝って3戦3勝としていたボルドクサグ Boldogsag の引退が決まったとのこと。ボルドクサグの父レイマンはサンデーサイレンス産駒。つまりボルドクサグは父の父がSSです。

Actualité courses hippiques. PLAT - Clap de fin pour BOLDOGSAG
@francekeiba さん経由)
Boldogsag rejoint le haras - Tiercé Magazine

どうも屈腱炎のようです。今年から?繁殖入りし、初年度はキングズベストの種付けを考えていると。ボルドクサグの5代血統表。キングズベストであればミスタープロスペクターの3×4。ヌレイエフの4×4。


レゼルヴォワール賞で短アタマ差の2着に負かしたマシューラが、4月5日の仏3歳牝馬G3インプルーデンス賞(芝1400m)をクビ差で勝利。これは最後の数十メートルを流しての着差であり、最後まで追っていれば1-2馬身は離していたでしょう。

レゼルヴォワール賞後にP.バリー調教師が「来年は仏1000ギニーを使う」と述べていました。ディープインパクト産駒ビューティーパーラーが仏1000ギニーの最重要前哨戦グロット賞を勝っており、ボルドクサグの今年初戦次第ではもしかすると父父サンデーサイレンスの2頭が仏1000ギニー1,2番人気または1,2着もあるのではないかと思っていたのですが、3歳は未出走のまま引退と残念な知らせとなりました。

2012年4月17日火曜日

伊牝馬G3カルロチエサ賞は3歳馬ノーベルアーキーが勝って4戦全勝

4月15日に行われた今年最初のイタリア重賞、伊3歳以上牝馬G3カルロチエサ賞(芝1200m)は、前走3月に怪我から10ヶ月ぶりにレース復帰した3歳馬ノーベルアーキーが、2着1・1/2馬身差をつけて優勝し、重賞初勝利を挙げました。通算4戦4勝。2走前の2歳時に1100mの準重賞を6馬身差で勝っています。

2着に昨年7着の4歳マリカヤー、3着に2010年の伊2歳G3ドルメーロ賞(1600m)勝ち馬アダマンティナ(4歳馬は3歳馬より5.5kg重い58.5kgの斤量)。

ノーベルアーキーの調教師は次走についていまのところ「さまざまな選択肢が考えられます」と述べているだけのようですね。ちなみにG3伊1000ギニー(カパネッレ競馬場・芝1600m)は4月29日です。ノーベルアーキーの全4走はクリスチャン・デムーロが騎乗しており、1000ギニーを勝てば兄ミルコ・デムーロとの兄弟制覇です。中1週で使ってくるかどうか。

5代血統表。父は同日の仏3歳G3フォンテーヌブロー賞カルティエ賞最優秀2歳牡馬ハットトリック産駒ダビルシムを下して優勝したドラゴンパルスと同じ。

2012年G3カルロチエサ賞のレース映像。ゲート向かって右から3頭目がノーベルアーキー。
カルロチエサ賞(Premio Carlo Chiesa)
2012年4月15日、イタリア・カパネッレ競馬場、芝1200m
3歳牝馬、G3、12頭、レース結果
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ノーベルアーキー
Noble Hachy
3牝
1.95倍
C.デムーロ
53kg
1分10秒504戦【4-0-0-0】
準重賞6馬身差1着
2マリカヤー
Malikayah
4牝
46倍
S.スラス
58.5kg
1・1/220戦【4-4-1-11】
準重賞1勝
3アダマンティナ
Adamantina
4牝
4.6倍
C.コロンビ
58.5kg
312戦【2-3-4-3】
準重賞1勝

ハットトリック産駒ハウグレートは次走からまた芝のレースに出走

オールウェザーの米G1ブルーグラスS.で5着に敗れたハウグレートについて、モーション調教師は「少し残念な結果だったが、単に彼がポリトラック馬場を好んでいないだけです」と述べました。また Team Valor International の COO、Bradley Weisbord 氏も「次走は芝のレースを使うことになるだろう」と述べています

というわけで獲得賞金が足りないケンタッキーダービーはもちろん、プリークネスS.やベルモントS.にも出走しなさそうです。

次走について現時点で特定レース名の言及はなく、IFHAで3歳限定芝G1を調べたところ、牝馬限定除くと、8月18日のセクレタリアトS.(10ハロン、昨年は同年の英ダービー2着愛ダービー1着のトレジャービーチが優勝)までありません。

3歳以上で8.5ハロン以上の芝G1は8月までだと次の4レース(牝馬限定除く)
6月9日G1マンハッタンH.ベルモントパーク10ハロン50万ドル
6月9日G1チャールズウィッティンガム
メモリアルH.
ハリウッドパーク10ハロン25万ドル
8月18日G1アーリントンミリオンS.アーリントン10ハロン100万ドル
8月18日G1スワーヴダンサー招待S.サラトガ12ハロン60万ドル


6月末までに行なわれる、3歳牡馬が出走可能な8.5ハロン以上のG2・G3であれば次のとおり。アメリカンターフS.はケンタッキーオークス当日のチャーチルダウンズ競馬場で行われます。
4月27日G3イングルウッドH.ハリウッドパーク9ハロン10万ドル
5月4日G2アメリカンターフS.(3歳限)チャーチルダウンズ8.5ハロン20万ドル
5月5日G3フォートマーシーS.ビューラーパーク8.5ハロン15万ドル
5月19日G2ディキシーS.ピムリコ9ハロン30万ドル
5月26日G2ルイヴィルH.チャーチルダウンズ12ハロン10万ドル

ハットトリック産駒ダビルシム初敗戦、フォンテーヌブロー賞のレース映像

ハットトリック産駒ダビルシムが短アタマ差2着した仏3歳G3フォンテーヌブロー賞のレース映像です。結果紹介は「仏G3フォンテーヌブロー賞でダビルシム僅差2着に敗れる。ドラゴンパルスが優勝」。

ゲート向かって右から3頭目がダビルシム。勝ったドラゴンパルスは一番右の馬。

15.04.2012 Longchamp (FR) 6.Race Prix de... 投稿者 HorseRaceSports


下の YouTube 動画は Racing UK がゴール前だけを取り上げたもの。スミヨン騎手が左右を振り返っているところを中継で見たときの印象では、馬なりのままだと思っていましたが、改めて見るとある程度は追ってますね。抜け出してからスミヨン騎手が後ろを振り返るのは、例えば5日の仏3歳牝馬G3インプルーデンス賞でも見られたようにいつものことではありますが(直線での様子)、それで負けるのは特に無敗馬だっただけにカッコ悪い。

2012年4月16日月曜日

ツイッターが南ア2歳G3優勝。南ア牝馬ヴァルデラについても少し

4月8日に行われた南ア2歳G3ゴドルフィンバルブS.(芝1000m)はツイッター Twitter という馬名の2戦1勝馬が、1番人気 Indaba My Children に1・3/4馬身差をつけて勝ちました。デビュー戦6着でしたが、そこから2連勝で重賞初勝利です。母の馬名 Avian Talk からの連想でしょうか(5代血統表)。

ちなみに1月13日の亜G3ブエノスアイレス賞(ダート1600m、3歳以上)は3番人気のグーグルアース Google Earth が逃げ切って優勝し、重賞初出走初勝利を挙げていました。

珍名馬というか自由だなと思います。


ところで、ゴドルフィンバルブS.の30分前に行われた南ア2歳牝馬G3ストレリチアS.(芝1000m)はツイッターと同じヴァー Var 産駒で同厩舎のヴァルディヴィア Valdivia が2着に5馬身差、ゴドルフィンバルブS.より 0.95秒速い 58秒55で勝っています。

2004年に仏G1アベイユドロンシャン賞(芝1000m)を勝ったヴァーは、2005年に南アフリカで種牡馬入り。昨年の南アG1マーキュリースプリント(芝1000m)勝ち馬でアルクォーツスプリント(芝1000m、エーシンヴァーゴウ12着)5着のオーガストラッシュがヴァー産駒。

またヴァーの代表産駒は文句なく初年度産駒の牝馬ヴァルデラ Val De Ra であり、こちらは南アフリカで12戦11勝。1月の南アG1ケープフライングチャンピオンシップでは、香港スプリントなど短距離G1競走6勝のジェイジェイザジェットプレーン(故障明けの7ヶ月ぶりでしたが)などを負かして、牡馬相手のG1競走2勝目、G1通算3勝目を挙げています。

次走は4月28日の南アG1コンピュータフォームスプリント(芝1000m)で2連覇を狙っています。休み明け3戦目となるジェイジェイザジェットプレーンも出走予定。


また今年2月末の記事によると、ヴァルデラは今夏のイギリス遠征と、欧州のトップスタリオンとの交配を検討しているとのこと。

南アフリカでは致死率の高いアフリカ馬疫が大流行しており、出国するには第3国で6ヶ月ほどの検疫を受ける必要があるそうで、現役馬が海外のレースに出走するのはきわめて難しい。例えばオーガストラッシュは7月にマーキュリースプリントを勝ち、モーリシャスで検疫を受け、その次走は3月10日のドバイG3マハーブアルシマールだったし、年度代表馬イググもドバイ遠征はかないませんでした。

しかし現行プロトコルが5月3日に期限を迎えるので、新プロトコルを各国が採用し、出国が容易になった場合には、英G1ナンソープS.(芝5ハロン)などを使うことを考えているようです。また種付けについてはオーナーブリーダーである Avontuur Stud のマネージャーが、「出国できるかまだ分からないので、何も決定できないが、ガリレオ、シーザスターズ、オアシスドリーム、フランケルについて(stud 内で?)話し合っている」と述べています。フランケルの名前があるということはイギリスなどで1年以上走る、または繁殖生活を2年以上送るということですね。

5月3日ならいまから2週後。新プロトコルがどのようになりそうなのか知りませんが、基準が緩和されるか注目です。