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2012年11月24日土曜日

ソレミア、レッドカドー、マウントアトス、ジャッカルベリー、スリプトラの血統・成績紹介(2012年ジャパンカップ出走予定)

11月25日に行われるジャパンカップに出走予定の外国馬5頭、ソレミア、レッドカドー、マウントアトス、ジャッカルベリー、スリプトラについて紹介します。

2年連続で凱旋門賞の1,2着馬が出走する豪華なメンバーになりました。

ジャパンカップに出走した外国馬はディープインパクトが勝った2006年以降、26頭が出走し【0-0-1-25】で、3着に入ったのは11頭立てだった2006年のウィジャボード(欧州年度代表馬2回、牡馬相手にG1を2勝)のみ。

キングジョージ、BCターフ勝ち馬コンデュイットは4着、凱旋門賞馬デインドリームも6着で、欧州で一流の成績を残していてもジャパンカップで3着に入ることさえ難しい。2005年にジャパンカップを勝ったアルカセットも仏G1サンクルー大賞(芝2400m)をしっかり勝っていました。

今年の外国馬で過去の好成績馬に匹敵する実績があるのはソレミアだけで、次にジャッカルベリーですが2年前に伊G1を1勝では足りないでしょう。


日本馬がオルフェーヴル、ルーラーシップ、フェノーメノ、エイシンフラッシュ、ジャガーメイル、ジェンティルドンナなど強力だから最近の傾向どおり日本馬中心で良いと思いますが、外国馬を買うとすればやはり凱旋門賞馬ソレミアで、穴狙いならマウントアトスはこの枠この人気&ムーア騎手でちょっと買いたい。


ソレミア Solemia(4牝、JRA公式
12戦【5-3-2-2】
2012年
仏G2コリーダ賞1着(芝2100m、昨年の凱旋門賞2着馬シャレータを負かして優勝)
仏G1凱旋門賞1着(芝2400m、オルフェーヴルを下してG1初勝利)

下の成績表はJRA公式(PDF)から一部加工。クリックで拡大します。
ソレミアの競走成績

牡馬混合レースは年月日に赤の下線を引きました。牡馬混合戦に限ると3位入線2着繰り上がりを含めて4戦2勝2着2回という成績です。これについて血統評論家の田端到氏は
「ソレミアの成績を見ると、もともと牡馬と一緒のレースのほうが強さを発揮するタイプで、これはスタミナの豊富すぎるステイヤー牝馬の特徴。日本で言うとメイショウベルーガなどもサドラー持ちで、このタイプだった。 
 こういう馬は牝馬同士だとレース質が軽すぎてG1を勝てず、ベストパフォーマンスは牡馬との混合戦になることが多い。天皇賞・秋と札幌記念で強い競馬をしたヘヴンリーロマンスも、母父サドラーの牝馬だった。」
指摘されています

昨年の仏G2コンセイユドパリ賞(芝2400m)勝ち馬ヴァダマーはその前走の仏G2ニエル賞2・1/4馬身差3着し、また同年のG1英ダービー4・3/4馬身差7着などなかなかの成績を挙げた中堅クラス。

準重賞4馬身差圧勝後に出走した仏G3デドゥヴィル賞は、 中団内を追走から最後の直線で内から勝ち馬と同じ勢いで伸びましたが残り150mで2位入線馬と内ラチとの間にまともに挟まれて下がり、それでも体勢を立て直してからの残り100mはやはり勝ち馬とほとんど変わらない脚で伸びていました(レース映像、有料)。2位入線馬はのちに仏G1カドラン賞(芝4000m)を勝つ牝馬モリーマローンです。

そして凱旋門賞勝利と。牡馬混合戦でかつレベルが高い競走のほうが力を出しやすいのは確かかも。

血統(5代血統表、英語netkeiba
父ポリグロート Poliglote
母ブルックリンズダンス Brooklyn's Dance
母の父シャーリーハイツ Shirley Heights

サドラーズウェルズ系×シャーリーハイツという欧州大レースでおなじみのニックス。半兄(父サドラーズウェルズだから3/4同血)のプロスペクトパークはG1仏ダービー(芝2400m)の2着馬。

1992年生まれのポリグロートにとってソレミアの凱旋門賞が産駒初の欧州平地G1勝ちとなりました。南米にはすでに複数のG1馬がいました。

母は仏G2クレオパトル賞(芝2500m)勝ち馬。

ソレミアは父父がサドラーズウェルズで、Val de Loir の4×4という血統であり、だから凱旋門賞の予想で△をつけたのですが、この組み合わせを持つ凱旋門賞馬は過去1頭おり、それが99年にやはり不良馬場で勝ったモンジューです(父サドラーズウェルズで、Val de Loir は4代前)。

総評
普通に考えて日本向きの切れはないでしょう。ペリエ騎手も「大一番直前の1週間、毎日のように雨が降った。その時にはチャンスが出てきたかな?って思った。」とインタビューで答えています。ちなみにサドラーズウェルズの全弟フェアリーキングと Val de Loir の組み合わせだと96年のエリシオが該当(Good to Soft、日本だとやや重か重でした)。

そういえばエリシオも凱旋門賞を勝ったその年にペリエ騎手とのコンビでジャパンカップに出走して3着同着しました。あのときのようによどみのない流れを前で競馬すればチャンスはあるかもしれない。ペリエなら逃げたりもしそう。



レッドカドー Red Cadeaux(6セン、JRA公式
31戦【6-8-5-12】
2011年
豪G1メルボルンカップ2着(芝3200m)
2012年
英G1コロネーションカップ2着(芝約12ハロン)
英G2ヨークシャーカップ1着(芝14ハロン)

成績表(JRA公式PDFのキャプチャ。クリックで拡大)
レッドカドーの競走成績


今年11月のメルボルンカップは他にジャパンカップ出走予定のマウントアトスとジャッカルベリーも出走。上がりの速い競馬になり上位10頭中6頭が上がり33秒台を記録し、レッドカドーは24頭立ての18-20番手あたりを追走して33秒78の上がりで8着でした。

残り400m手前で他馬に前に入られるロスがあった点はマウントアトス(5着)も同じ。外を回った2頭に対し、3着ジャッカルベリーは内からうまく進出したので、この3頭がその着順どおりの実力ではないです。

2012年メルボルンカップのレース映像。2分40秒ぐらいから見ればいいとおもいます。勝負服は下の画像を参考。一番左の赤の帽子がレッドカドー、そのすぐ右、紫色っぽい帽子と勝負服がマウントアトス。ジャッカルベリーは内ラチ近くの黄色の帽子・勝負服。



昨年12月のG1香港ヴァーズ(芝2400m)は3着で、6着トレイルブレイザーには先着。トレイルブレイザーは後ろから行き過ぎたことが敗因だと思うし、また2着のサムザップは今年4月のG1クイーンエリザベス2世カップ(芝2000m)でルーラーシップの4馬身差2着に負けています。

血統(5代血統表、英語netkeiba
父カドージェネルー Cadeaux Genereux
母アルティシア Artisia
母の父パントレセレブル Peintre Celebre

父カドージェネルーはヨーロッパの短距離G1馬。産駒は主に短距離で活躍するが、母次第ではレッドカドーのように長い距離で走るものもいる。

母アルティシアは3戦未勝利。

兄弟など近い世代に目立つ活躍馬がいませんが、3代母が愛1000ギニー勝ち馬で英1000ギニー2着。また2代母の半弟が英2000ギニー、英チャンピオンS.などを勝ったハーフドです。

総評
外国馬では2,3番手評価ですがジャパンカップのメンバー相手だと格下でしょう。マウントアトスに対して「この枠ならちょっと買いたい」と思っているのにその隣のレッドカドーを切るのは特に根拠がなく、強いて言えばマウントアトスのムーア騎手のほうが人気薄を持ってきそうだから、というくらい。


マウントアトス Mount Athos (5セン、JRA公式
21戦【7-0-1-13】
2012年
英G3ジェフリーフリアS.1着(芝13ハロン61ヤード、約2670m)
豪G1メルボルンカップ5着(芝3200m)

成績表(JRA公式PDFのキャプチャ。クリックで拡大)
マウントアトスの競走成績


昨年はG3で5頭立て4着し、他に勝てないながらも高額賞金のハンデ戦で好走を続けていました。

今年はクマーニ厩舎に移籍しハンデ戦、準重賞、G3と3連勝。その英G3ジェフリーフリアS.では昨年のG1英セントレジャー1,2着馬を負かしています(レース映像、要登録)。

メルボルンカップは5着。上がり3ハロンは33秒55と出走24頭中で2番目に速いものでした(最速は3着ジャッカルベリーの33秒53)。

メルボルンカップはハンデ戦でマウントアトスは54kg、レッドカドーとジャッカルベリーは55.5kgだから恵まれていたし、また残り400mで受けた不利はレッドカドーより軽く、また道中はレッドカドーより前で競馬したのが先着できた主な理由で、前走だけでレッドカドーより強くなっているとは言えません。

血統(5代血統表、英語netkeiba
父モンジュー Montjeu
母イオ二アンシー Ionian Sea
母の父スリップアンカー Slip Anchor

モンジューは99年の凱旋門賞馬で、同年のジャパンカップは4着。

イオ二アンシーはフランスで準重賞1勝だが、産駒にはマウントアトスのほかにG1英ダービー2着のグレートギャツビー、今年の仏G1パリ大賞勝ち馬インペリアルモナークがいる。マウントアトスはその2頭と3/4同血。

総評
実績はG3を1勝だから外国馬で5番手評価が妥当。しかし今年上昇し始めてからはまだ底を見せていない点が魅力。

ほとんどの出走馬がそうだったとはいえメルボルンカップの上がりは速く、この枠なら前の内ラチ沿いで脚をためた場合に去年のジャガーメイルのような競馬で3着に突っ込んでくる可能性はありそう。

マウントアトスができるならその役はレッドカドーも努められるはずですが、多分この「ちょっと買いたい」気持ちの大部分はメルボルンカップで本命を打ったからなんですよね。24日午前のオッズではジャガーメイル3着付けに比べてマウントアトス3着付けは2-3倍のオッズが付いているので資金に余裕があれば押さえるかもしれない。

アルカセットでジャパンカップを制しているクマーニ調教師の管理馬であるのも怖い。


ジャッカルベリー Jakkalberry(6牡、JRA公式
26戦【10-2-4-10】
2010年
伊G1ミラノ大賞1着(芝2400m)
2012年
G1ドバイシーマクラシック3着(芝2400m)
豪G1メルボルンカップ3着(芝3200m)

成績表(JRA公式PDFのキャプチャ。クリックで拡大)
ジャッカルベリーの競走成績


香港ヴァーズ(芝2400m)は2年連続で出走し5着7着で、2010年は4着ジャガーメイルに先着できず、2011年はトレイルブレイザーに先着できなかった。昨年のヴァーズは先行したのが敗因だと思いますが。

ドバイシーマクラシックは外から追い込んで3着。1着シリュスデゼーグル、2着セントニコラスアビーに3・1/2馬身差なら悪くない。

前走メルボルンカップはマウントアトス、レッドカドーに先着する3着。上がり3ハロンは出走24頭中最速の33秒53。とはいえ、ジャッカルベリーが最終コーナーで内をスムーズに回ったのに対し、マウントアトスらは大外を回っているので単純比較はできず。

ボッティ師は「日本馬はトップクラスなので厳しい戦いだが、2400mへの短縮自体はこなせる。晴れて欲しい」とのこと。

血統英語netkeiba
父ストーミングホーム Storming Home
母Claba di San Jore
母の父バラシア Barathea

父ストーミングホームはミスタープロスペクター2×3という血統だが、G1英チャンピオンS.1着など中距離で活躍。代表産駒にはジャッカルベリーのほか、豪G1ヴィクトリアダービー(芝2500m)を6馬身差圧勝したライオンテイマーがいる。

母は伊1勝馬。産駒にジャッカルベリーのほか、伊G1共和国大統領杯1着、G2伊ダービー(芝2200m)1着のクラッカージャックキング、G1伊ダービー(芝2400m)勝ち馬アウェルマーダクがいます。どちらも父にマキャベリアンがある点はジャッカルベリーと同じで、特にアウェルマーダクはかなり似た血統(血統表)。

母母は日本向けの切れもありそうな血統です。

総評
実績では外国馬2,3番手でレッドカドーとほぼ同格も日本のトップとは大きな差がある。

自身も含め兄弟にジャパンカップと相性が良いイタリアG1好走馬が複数いる点は良いが、香港などの実績を考えるといまさらジャパンカップで買えるかは疑問。内枠ならメルボルンカップの再現を狙えたかもしれないが11番枠で、より内に入ったマウントアトスやレッドカドーのほうが有利なような。


スリプトラ Sri Putra(6牡、JRA公式
29戦【7-4-2-16】
2009年
仏G2ギョームドルナード賞1着(芝2000m)
2011年
英G1プリンスオブウェールズS.3着(芝10ハロン)
英G1エクリプスS.3着(芝10ハロン)
2012年
英G2ヨークS.1着(芝約10.5ハロン)

成績表(JRA公式PDFのキャプチャ。クリックで拡大)
スリプトラの競走成績


2011年は英G1で2戦連続3着したがどちらも6馬身離されて完敗。今年は英G2ヨークS.を勝って2年半ぶりに重賞を勝ち、英G1プリンスオブウェールズS.はソーユーシンクの4馬身差。しかし他のレースが全然駄目で。

2400mは2010年に2戦したのみ。英G3で2着、トルコG2で2着。英G3グロリアスS.の勝ち馬レッドウッドは加G1ノーザンダンサーS.1着、香港ヴァーズ2着、ドバイシーマクラシック2着と芝12ハロンで活躍した馬ですが。

血統英語netkeiba
父オアシスドリーム Oasis Dream
母 ウェンディリナ Wendylina
母の父インザウイングス In the Wings

オアシスドリームは現役時代は短距離G1馬で、種牡馬としてもマイル以下を中心に一流馬を多数輩出し、中距離でも英仏米でG1を5勝したミッデイなどがいる。

母は未出走馬。母の父インザウイングスは1996年のジャパンカップ勝ち馬シングスピールの父。

総評
実績はマウントアトスを上回るが、ここまで一流馬とは壁を感じる結果しか残しておらず、ジャパンカップで好走出来るとは思えない。

2012年11月22日木曜日

香港競馬も「江南スタイル」

11月21日と28日は香港ハッピーヴァレー競馬場で"Asian Pop in the Valley"なるイベントが開催される(された)とのことで、詳しくは次のURLをどうぞ。
http://happywednesday.hkjc.com/en/events/asian-pop/index.asp#tab_overview

アジアのポップスターを招いた音楽イベントと、アジアンフーズ(日本の酒、韓国ワインも)のイベントを開催すると。

そのCM動画。


(日本を除く)世界中で大ヒットしているという、韓国の歌手PSY(サイ)が歌う「江南スタイル」ですね。ターフィー君みたいなのが、ステージで「江南スタイル」の馬ダンスを踊るイベントもあるそうです(Horse Riding Dance だから乗馬ダンスのほうが正確)。

2012年11月20日火曜日

オリヴァー騎手10ヶ月の騎乗停止、と報道の補足

オーストラリアのダミアン・オリヴァー騎手(今季の獲得賞金第4位)が自身が騎乗したレースで他の出走馬に賭けていた件について日本でも報じられましたが、11月20日に10ヶ月の騎乗停止処分が発表されました。

騎手免許停止が8ヶ月、騎乗停止が2ヶ月です。

追記:「8ヶ月の Disqualified」は「調教にも参加出来ないですから、馬乗りがこれだけの期間馬に乗れないとなるのは当然痛恨の事態となりますよね。 」とのこと。追記ここまで


また、日本で11月7日ごろに行われた報道についてすこし補足しておきます。
オーストラリアの名騎手、ダミアン・オリヴァー(40)に不正疑惑が浮上した。シドニー・モーニング・ヘラルド紙が6日付で報じた。同紙の電子版によると、同騎手は自身が騎乗した10年の国内レースで他の馬に1万オーストラリアドル(約83万5000円)を賭けていたことをレースの運営当局に認めたという。

 オリヴァーは、近い関係者に9~12カ月の処分になるとの見込みを伝えているが、処分を受ける前に引退する考えも示唆しているという。なお、渦中の同騎手は6日のメルボルンCで有力馬のアメリケインに騎乗したが、11着に敗れた。(以下略)
オリヴァー不正疑惑 自身騎乗レースで他馬の馬券購入 ― スポニチ

ほかに「豪オリヴァー騎手に不正疑惑、波紋広がる - nikkansports.com」「豪の名手オリヴァー、自身のレースで他馬に賭ける - 予想王TV@SANSPO.COM」なども伝えています。


問題のレースは 2010年10月1日のムーニーヴァレー競馬場・第6競走で、オリヴァー騎手は単勝3.75倍の2番人気ヨーロッパポイントに騎乗していたところ、単勝2.25倍の1番人気ミスオクトパシー Miss Octopussy の単勝馬券に賭けていたというものです。ミスオクトパシーは1着し、ヨーロッパポイントは6着に敗れました(もちろん南ア年度代表馬ヨーロッパポイントとは別の馬です)。


スポニチの記事は、11月6日付のシドニー・モーニング・ヘラルド紙が報じたことで不正疑惑が明らかになったように読めますが、実際には現地メディアグループ Fairfax の各紙(初出は同グループで豪紙エイジの日曜版 The Sunday Age っぽい)が10月14日に報じたのが最初のはずです。

オリヴァー騎手は結局11月10日まで騎乗していました。報道からそれまでに豪G1ヴィクトリアダービーや豪G1エミレーツS.を勝っていて、処分を下すまでが遅すぎたのではないかという論調もあります。

2012年11月18日日曜日

G2香港ジョッキークラブスプリント、ティーハーフ半兄ラッキーナインが重賞5勝目

11月18日に行われた国際G2香港ジョッキークラブスプリント(芝1200m)は、6,7番手追走の1番人気ラッキーナインが軽く仕掛けられただけで残り200mまでに先頭に立つと、最後は外から追い込んだタイムアフタータイムに頭差まで迫られましたが、ローカル重賞含め重賞5勝目を挙げました。斤量差もあったから完勝です。

昨年3着のアドミレーションが今年も3着。シンガポールのスーパーイージーは6着とまあ健闘。昨年の勝ち馬で、今年英G1キングズスタンドS.(芝5ハロン)を勝ち、スプリンターズステークスは10着に敗れたリトルブリッジは9着。先行して大きいところで活躍してきたのに日本戦と今回はいくらか意識的に押さえているように見える(そして大敗している)のはなんででしょうね。


父ドバウィ、母ビールジャント、母の父グリーンデザートという血統のアイルランド産馬。本日11月18日の京都第6レース・2歳500万下を勝ったティーハーフと11月3日の京洛ステークスを勝ったサドンストームの半兄です。

昨年の香港スプリント勝ち馬で、また昨年今年とスプリンターズステークスに2年連続で来日し2年とも5着。ほかにG1ドバイゴールデンシャヒーンでも蹄にトラブルがありながら3着とスプリントでは安定感があります。

ファウンズ調教師は「日本からの帰国後は疲労も大きかったですが、昨年よりは悪くなかったです。香港スプリントが楽しみです」と述べています

日本からはカレンチャンとロードカナロアが遠征予定でスプリンターズステークスの再戦。また近5走で豪G1を3勝2着1回のシーサイレンなども出走予定でやはりレベルの高い1戦になりそう。

2012年G2香港ジョッキークラブスプリントのレース映像。9番枠発走の赤の帽子がラッキーナイン。


香港ジョッキークラブスプリント(THE JOCKEY CLUB SPRINT)
2012年11月18日、香港・シャティン競馬場、芝1200m
3歳以上、G2、14頭、Good、レース結果、総賞金300万香港ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ラッキーナイン
Lucky Nine
5セン
3.8倍
B.プレブル1分08秒8328戦【10-7-5-6】
G1香港スプリント1着
2タイムアフタータイム
Time After Time
5セン
5.65倍
D.ホワイトアタマ22戦【6-4-5-7】
重賞初出走
3アドミレーション
Admiration
5牡
17.65倍
N.カラン124戦【7-1-6-10】
G1香港スプリント7着

G2香港ジョッキークラブマイル、安田記念14着のグロリアスデイズが重賞初勝利

11月18日に行われた国際G2香港ジョッキークラブマイル(芝1600m)は、前走ローカルG2シャティントロフィーの1,2着馬で抜けた人気の2頭、1番人気アンビシャスドラゴンが中団外、2番人気グロリアスデイズがその内を並んで追走し、グロリアスデイズが馬群の真ん中から抜け出して優勝、アンビシャスドラゴンが大外からじわじわ伸びて1・1/2馬身差の2着に入りました。アンビシャスドラゴンは2kg重い斤量だったのでその分ですかね(前走はそれでも勝ちましたが)。

5月のG1チャンピオンズマイル勝ち馬エクステンションが3番人気5着。


グロリアスデイズは父ユソネット、母サンセンチュリー、母の父センテインという血統のオーストラリア産馬。香港ローカル重賞で2戦連続僅差2着、5月の国際G1香港チャンピオンズマイルでも1/2馬身差2着したあと安田記念に出走しましたが14着に終わりました。その安田記念を除けば香港で9戦5勝2着4回とパーフェクト連対継続中。

日本からは安田記念、マイルチャンピオンシップどちらも2着のグランプリボスは香港マイル参戦がほぼ確実。マイルチャンピオンシップを勝ったサダムパテックも出走を検討しています

2012年G2香港ジョッキークラブマイルのレース映像。1番枠がグロリアスデイズ、3番枠アンビシャスドラゴン。


香港ジョッキークラブマイル(The Jockey Club Mile)
2012年11月18日、香港・シャティン競馬場、芝1600m
3歳以上、G2、10頭、レース結果、総賞金300万香港ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1グロリアスデイズ
Glorious Days
5セン
2.85倍
D.ホワイト1分34秒1411戦【6-4-0-1】
重賞初勝利
2アンビシャスドラゴン
Ambitious Dragon
6セン
1.8倍
Z.パートン1・1/222戦【11-5-0-6】
ローカルG1を4勝
昨年の香港カップ4着
3ピュアチャンピオン
Pure Champion
5牡
21.1倍
M.チャドウィック1/228戦【5-5-1-17】
英G1デューハーストS.4着
香港移籍前の成績含む

G2香港ジョッキークラブカップ、カリフォルニアメモリーが重賞4勝目

11月18日に行われたG2香港ジョッキークラブカップ(芝2000m)は、昨年4着の2番人気カリフォルニアメモリーが最後方追走から最後の直線で馬場の真ん中から鋭く伸び、先に先頭に立ったザイダンをゴール直線で差しきって優勝しました。

内から伸びたイリアンが短頭差2着。前走G1シンガポール航空国際カップ(芝2000m)2着のザイダンがさらにクビ差の3着。重賞初出走で1番人気のパッキングウィズは道中カリフォルニアメモリーの半馬身から1馬身前の外側を追走し、最終コーナーで大外を回ってザイダンからさらに半馬身差の4着でした。


カリフォルニアメモリーは父ハイエストオナー、母カルピタ、母の父スピニングワールドという血統のアメリカ産馬。兄弟に活躍馬はなく、母、祖母もそれぞれ1勝したのみですが、祖母はヘクタープロテクターなどの叔母だから良血といえば良血。

昨年はこのレース4着のあと、G1香港カップ(芝2000m)でG1初勝利。4月のG1クイーンエリザベス2世カップ(芝2000m)でルーラーシップの5着しましたが、後方一気の脚質で勝ちきれず今年はまだ未勝利でした。

A.クルーズ調教師はレース後、今回は比較的ペースが流れてくれたので届いたと述べています。昨年の香港カップはドスローを内枠を利して前のポジションを確保しつつ脚をためる展開がはまったので実力はありますが、2連覇もそう容易ではないでしょうが。

一昨年、昨年と香港カップ2年連続2着のイリアンは3度目の正直なるか。

2012年G2香港ジョッキークラブカップのレース映像。芦毛がカリフォルニアメモリー。


香港ジョッキークラブカップ(The Longines Jockey Club Cup)
2012年11月18日、香港・シャティン競馬場、芝2000m
3歳以上、G2、12頭、Good、レース結果、総賞金300万香港ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1カリフォルニアメモリー
California Memory
6セン
4.2倍
M.チャドウィック
58kg
2分01秒5128戦【10-4-5-9】
国際重賞2勝目
2イリアン
Irian
6セン
9.2倍
G.モッセ
56kg
短アタマ29戦【5-4-4-16】
一昨年1着、昨年3着
3ザイダン
Zaidan
4セン
9.75倍
O.ドゥルーズ
56kg
クビ20戦【5-2-2-11】
G1QE2世カップ4着
香港移籍前の成績含む

新G1ニュージーランド1000ギニー、ロールアウトザカーペットが逃げ切り重賞初勝利

11月17日に行われた新G1ニュージーランド2000ギニー(芝1600m、3歳牝馬)は、逃げた1番人気ロールアウトザカーペットに2番手追走のウォーターフォードが最後の直線で並びかけいったんはわずかに交わしたようにも見えましたが、ロールアウトザカーペットが競り合いをハナ差制して重賞初勝利を挙げました。

ウォーターフォードが9番人気2着。3番手追走した2番人気フィックスが3着に入り、今回含め3走連続でロールアウトザカーペットから約1馬身敗れています。ちなみに1着プレシス騎手と2着イネス騎手は先週のNZ2000ギニーでもそれぞれ頭差2着と1着で接戦を演じていました。1番人気馬が勝ち、人気薄が2着というのも同じ。


ロールアウトザカーペットは父ホーリーローマンエンペラー、母アウトオブエジプト(未勝利。加G3馬の全妹)、母の父レッドランサムという血統のオーストラリア産馬。ホームカミングクイーンがG1英1000ギニーを(これも逃げて)勝っており、ホーリーローマンエンペラー産駒の1000ギニー勝ちは今年2頭目。ホームカミングクイーンはリボーの4×6×5、ロールアウトザカーペットはヒスマジェスティの4×3。

今年3月の新G1ダイヤモンドS.(芝1200m)は逃げて1位入線も2着降着。また前走の新G3ジェイムズ&アニーサーテンメモリアルS.(芝1400m)は次走NZ2000ギニーを勝つセイクリッドフォールズに半馬身差の2着していました。重賞初勝利でも順当勝ちです。

2012年ニュージーランド1000ギニーのレース映像(要登録)。

ニュージーランド1000ギニー(N.Z.Bloodstock 40th 1000 Guineas)
2012年11月17日、ニュージーランド・リッカートンパーク競馬場、芝1600m
3歳牝馬、G1、18頭、Good、レース結果、総賞金30万NZドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ロールアウトザカーペット
Rollout The Carpet
3牝
-
M.プレシス
56.5kg
1分37秒909戦【3-4-0-2】
重賞初勝利
2ウォーターフォード
Waterford
3牝
-
L.イネス
56.5kg
ハナ6戦【1-2-2-1】
2走前にG3で3着
3フィックス
Fix
3牝
-
V.コルガン
56.5kg
17戦【3-0-2-2】
前走G3で3着

ゼンノロブロイ産駒ゼニスタが新G3タウランガS.で強豪を下し重賞初勝利

11月17日の新G3タウランガS.(芝1600m)は、5番手追走したゼンノロブロイ産駒ゼニスタが残り700mあたりから徐々に進出し最終コーナーで外を回って2番手に押し上げると、最後の直線では内を突いた1番人気ヴェイロンなどに一度は突き放されましたが、ゴール直前で盛り返しハナ差交わして重賞初勝利を挙げました。

1400mと1600mで新G1を4勝(内3勝は2012年)しているヴェイロンは2馬身ほど出遅れても2着確保。昨年のこのレース勝ち馬レディシャパラルが3着。今年9月の新G1ウィンザーパークプレート(芝1600m)など1200m-1600mで新豪G1を10勝しているムファサが2番人気4着でした。


ゼニスタは父ゼンノロブロイ、母ザルニツア(1勝)、母の父マルーフという血統のニュージーランド産馬。2011年のG1ニュージーランドオークス1/2馬身差2着馬で、また2走前に新G1スプリングクラシック(芝2040m)で5馬身差7着、前走の新G3ジュエリーH.(芝1600m)は半馬身差の2着していました。

次走は12月8日の新G1キャプテンクックS.(芝1600m)になりそうだと。昨年はムファサが勝ったレースです。

2012年タウランガS.のレース映像(要登録)。

タウランガステークス(Stella Artois Tauranga Stakes)
2012年11月17日、ニュージーランド・競馬場、芝1600m
3歳以上、G3、8頭、Dead、レース結果、総賞金7万ニュージーランドドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ゼニスタ
Zennista
5牝
-
A.コールダー
57.0kg
1分37秒2326戦【6-7-2-11】
G1 NZオークス2着、G3で2着2回
2ヴェイロン
Veyron
7セン
-
R.ノーヴァル
59.0kg
ハナ23戦【13-5-1-4】
新G1を4勝
3レディシャパラル
Lady Chaparral
6牝
-
D.ジョンソン
57.0kg
1・1/443戦【4-4-6-29】
重賞1勝(昨年のこのレース)

2012年11月17日土曜日

キングストレイル、準重賞で4馬身差5着

11月16日のアイルランド準重賞(AW約2150m)に出走したキングストレイルは1着から4馬身差の5着(8頭立て)でした。直線入り口では前が詰まりましたが、ゴール前で1頭を差し返すなどして最後までしっかり走っており、前走6月20日、30頭立て29着大敗の影響はもうなさそうです。

3/4馬身差2着の Muck 'N' Brass とさらに3/4馬身差3着の Banna Boirche は10月の愛G3ダイヤモンドS.(ここと同条件)でそれぞれ約8馬身差11着、4馬身差4着(同2着馬は回避)。またBanna Boirche は前走シャドウゲイトから4・1/2馬身差の3着していました。

レース結果レース映像(要登録)

米セカンドクロップリーディング20位までに日本産馬が3頭

米BloodHorse 集計のセカンドクロップサイヤーの20位までに3頭の日本産馬が名を連ねています。このリストは賞金の高い日本と香港は含まれません(入れたら日本供用種牡馬だらけになりますからね)。

Second-Crop Sire List | Thoroughbred Breeding | BloodHorse.com

2012年11月16日時点
順位馬名(父)'12種付け料Rnrs-Wnrs-SWrs-SWns賞金(ドル)
1位
(参考)
Hard Spun
(Danzig)
4万0000ドル162-80-12-155,540,005
4位
(参考)
Street Sense
(Street Cry)
4万0000ドル118-60-4-83,481,419
12位ユートピア
(フォーティナイナー)
2500ドル77-34-3-51,753,126
16位サイレントネーム
(サンデーサイレンス)
5000ドル59-26-2-21,577,490
18位ハットトリック
(サンデーサイレンス)
1万5000ドル61-27-3-51,451,561
Rnrs-Wnrs-SWrs-SWns=出走頭数、勝馬頭数、ステークス勝馬頭数、ステークス勝利数

まあユートピアとサイレントネームはニューヨーク州繋養の種牡馬で、同州産馬限定競走で稼ぎまくっているという事情もありますが。この2頭は同州セカンドクロップリーディングではぶっちぎりのワンツー。同州総合リーディングではそれぞれ5位と7位で、2頭を除く15位までの種牡馬はすでに3世代以上の産駒がいます。

ハットトリックは産駒のキングデヴィッドが10月6日の米G1ジャマイカH.(芝9ハロン、3歳)を勝って3頭の重賞勝ち馬となりました。同馬は17日(日本時間18日)の米G3コモンウェルスターフS.(芝8.5ハロン、3歳)に出走予定。

Equibase.com | Race Entries


ちなみにセカンドクロップ4位のストリートセンスは2013年は日本で供用される予定です

G1ニュージーランド2000ギニー、セイクリッドフォールズが6戦無敗でクラシック制覇

11月10日に行われた新G1ニュージーランド2000ギニー(芝1600m、3歳)は、単勝1.6倍のセイクリッドフォールズが後方3番手追走から最後の直線で外に持ち出されると、最後方追走していた唯一の牝馬で8番人気のオアシスローズにさらに外から並びかけられましたがゴールまで抜かせず頭差先着して、デビューから6戦6勝、重賞3連勝でG1初勝利を挙げました。

2歳G1繰り上がり優勝のウォーホースが3番手追走から粘り、さらにクビ差の3着。2番手追走2番人気ネオは9着でした。


セイクリッドフォールズは父オライリー、母イグアスズガール、母の父リダウツチョイスという血統。2011年に16万NZドルで落札。NZリーディングサイアーのオライリー初の2000ギニー勝ち馬となりました。ちなみに1000ギニー勝ち馬は2頭おり、また今年3月のNZダービー勝ち馬サイレントアチーバーも輩出しています。

秋(日本の春)は3月30日の豪G1ローズヒルギニー(芝2000m)なども目標にしたいとのこと。また2着オアシスローズは17日のG1 NZ1000ギニーには出走せず、休養してから4月20日の豪G1オーストラリアンオークス(芝2400m)に向かうと。

2012年ニュージーランド2000ギニーのレース映像(要登録)。

ニュージーランド2000ギニー(Sothys 40th N Z 2000 Guineas)
2012年11月10日、ニュージーランド・リッカートンパーク競馬場、芝1600m
3歳、G1、13頭、Good、レース結果、総賞金40万NZドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1セイクリッドフォールズ
Sacred Falls
3牡
1.6倍
L.イネス
56.5kg
1分34秒956戦【6-0-0-0】
重賞3連勝
2オアシスローズ
Oasis Rose
3牝
32倍
M.プレシス
54.5kg
アタマ5戦【1-3-0-1】
準重賞2着、G3で5着
3ウォーホース
Warhorse
3牡
13.2倍
M.キャメロン
56.5kg
クビ10戦【3-1-3-3】
新G1ダイヤモンドS.1着

2012年11月15日木曜日

豪G1クラウンオークス、デヒア産駒ディアデミがG1初勝利

11月8日に行われた豪G1クラウンオークス(芝2500m、3歳牝馬)は、11月3日の豪G2ウェイクフルS.(芝2000m)4着だったディアデミが最終コーナーで外から手ごたえ良く進出すると同レース勝ち馬のザイデコに1・1/4馬身差をつけて優勝し、重賞2勝目、G1初勝利で挙げました。

豪1000ギニー勝ち馬コマンディングジュエルは未出走。前走準重賞2着のサマーブリスが3番人気3着。その準重賞勝ち馬アルゾラが4番人気5着。昨年の豪G1サウスオーストラリアンダービー勝ち馬ザビーリオネアの全妹ゴンドコロ  Gondokoro (母の父カーネギー)が7着でした。


ディアデミは父デヒア、母シャーリー(未出走)、母の父ザビールという血統。祖母は豪G1ゴールデンスリッパー勝ち馬。2着ザイデコは父がザビールです。しかし母の父ザビールの優勝は過去10年で2頭目で調べてみると意外と少ない。

またデヒア産駒の豪G1勝ちは4月のシュウェップスオークス(芝2000m)勝ち馬インヴェスト、6月のウィンターS.(芝1400m)勝ち馬ペアタートに続き3頭目。

9月に豪G2フューリアスS.(芝1400m)を勝ったほか、4月の豪G1シャンペンS.(芝1600m)2着。また10月のG1豪1000ギニーも2着し同3着ザイデコに先着していました。前々走の1000ギニーでは最後の直線で前の馬と内ラチに挟まれる不利、前走のウェイクフルS.も直線で内をついて進路がないシーンがあり(レース映像)、スムーズな競馬が出来ませんでした。キャシディ騎手は「前走と、特に前々走は運がなかったですが、調教師とオーナーに今度は結果を出すと約束していました」と述べています。


ちなみに昨年の勝ち馬モシーン(G1競走4勝し引退。日本に輸入され来春ディープインパクトと交配予定)も中4日でこのレースを勝っていました。

2012年クラウンオークスのレース映像。ゲート左から4頭目、青の帽子、青と白の勝負服、白いメンコ装着馬がディアデミ。

クラウンオークス(Crown Oaks)
2012年11月8日、オーストラリア・フレミントン競馬場、芝2500m
3歳牝馬、G1、15頭、Good、レース結果、総賞金100万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ディアデミ
Dear Demi
3牝
5倍
J.カシディ
55.5kg
2分35秒8815戦【4-3-3-5】
重賞2勝目
2ザイデコ
Zydeco
3牝
2.38倍
K.マケヴォイ
55.5kg
1・1/46戦【2-1-1-2】
前走重賞初勝利
3サマーブリス
Summerbliss
3牝
9倍
C.ウィリアムズ
55.5kg
1・3/43戦【1-1-1-0】
重賞初出走

豪G1エミレーツS.、ハッピートレイルズがG1初勝利

11月10日に行われた豪G1エミレーツS.(芝1600m)は、中団を追走し直線で外に持ち出されたハッピートレイルズが内から伸びた1番人気フォークナーをゴール直前でハナ差差し切ってG1初勝利を挙げました。

G1競走2勝馬で昨年3着のシークレットアドマイヤーがハッピートレイルズの外から伸びてさらに短アタマ差の3着。これでG1の3着6回目。この馬が並びかけるタイミングが遅ければハッピートレイルズはフォークナーを交わしきれなかったようにも見えました。母父フジキセキのヨーセイが4着。

10月の豪G1トゥーラックH.勝ち馬ソルジェニーツィンが3,4番手追走し2番人気5着。10月の豪G1エプソムH.を逃げ切ったファットアルが2番手追走し同オッズ12着で先行馬は厳しい結果でした。


ハッピートレイルズは父グッドジャーニー、母マダムフルーリー、母の父ペルジノという血統。スペシャルの3×4。2009年のマジックミリオンズセールにおいて1万1000豪ドルで落札。

デビュー6戦目にG3で1馬身差2着しその後も好走を続けながらもなかなか重賞を勝てませんでしたが、23戦目のドンカスターマイルでG1初出走すると逃げて1・1/2馬身差の6着とそこそこの結果。3ヶ月の休養を経て出走した24戦目、今年8月の豪G3スプリングS.(芝1200m)で重賞初勝利。G2メムジーS.2着をはさんで9月にも豪G2ダットタンチンナムS.(芝1600m)を勝っていました。その後ターンブルS.(1800m)5着、前走のコックスプレート(芝2040m)10着から距離短縮でG1初勝利でした。

ビシャラ(Beshara)調教師もG1初勝利。コックスプレートは14頭立て13番人気で、同師によるとこの程度の馬を出走させるなよとの声もあったそうですが、このG1勝ちで実力を証明できました。このあとは休養し、秋(北半球の春)に戻って再びドンカスターマイルを目指すとのこと。

ちなみにダットタンチンナムS.の勝ち馬が後に豪G1ターンブルS.豪G1メルボルンカップを勝つグリーンムーンです。


2012年エミレーツS.のレース映像。上半分がオレンジ色で下半分が緑の勝負服がハッピートレイルズ。

エミレーツステークス(Emirates Stakes)
2012年11月10日、オーストラリア・フレミントン競馬場、芝1600m
3歳以上、G1、16頭、Dead、レース結果、総賞金100万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ハッピートレイルズ
Happy Trails
5セン
13倍
D.オリヴァー
58.0kg
1分35秒9929戦【5-6-5-13】
重賞3勝目
2フォークナー
Fawkner
5セン
4.75倍
N.ホール
56.5kg
ハナ15戦【8-3-1-3】
前走重賞初出走初勝利
3シークレットアドマイヤ
Secret Admirer
5牝
13倍
B.アヴドゥラ
57.0kg
短アタマ23戦【3-5-9-6】
G1【2-1-6-4】

豪G1パティナックファームクラシック、メンタルがG1初勝利。来年ドバイから英国へ

11月10日に行われた豪G1パティナックファームクラシック(芝直線1200m、3歳以上)は、10月の豪G1マニカトS.(芝1200m)クビ差2着のメンタルが同勝ち馬シーサイレンの直後をマークするような位置で追走し、残り200mで並びかけると残り100mで差し切って重賞2勝目、G1初勝利を挙げました。マニカトS.4着のハロウェルベルがさらに3馬身離れた3着に入っています。

マニカトS.1番人気6着だったバファリングが今回は2番人気で8着。レース後に跛行が見られたため休養するとのこと。


メンタルは父ロンロ、母イントリーグス、母の父ナイトシフトという血統。ダーレー生産、シェイクモハメドの所有馬で、5月の豪G3(芝1350m)で重賞初勝利。その後2走して準重賞1勝したあと、マニカトS.2着していました。このあとはゴドルフィンのヨーロッパ組に加わる予定で、来春ドバイ、その後はイギリスで走る予定。

つまりG1競走4勝セポイ、G1競走3勝ヘルメットの先輩2頭と同じルートを辿ると(年齢は同じですけどね)。どちらも今年のドバイ・イギリスではまったく駄目でした。一方ゴドルフィンとは関係ないですが同じオーストラリアのオルテンシアも遠征して今年のG1ドバイアルクォーツスプリント英G1ナンソープS.を勝っているのでこちらに続きたいところです。

またシーサイレンは前走後からの予定通り、12月の香港スプリントを目指して調整されるとのこと。近5走でレベルの高いオーストラリアの短距離G1を3勝2着1回だから、日本から出走するロードカナロアとカレンチャンにとってはかなりの強敵です。

2012年パティナックファームクラシックのレース映像。ゲート左から6頭目、10番枠がメンタル。そのひとつ右の枠がシーサイレン。

パティナックファームクラシック(Patinack Farm Classic)
2012年11月10日、オーストラリア・フレミントン競馬場、芝直線1200m
3歳以上、G1、15頭、Dead、レース結果、総賞金100万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1メンタル
Mental
4セン
7倍
K.マケヴォイ
58.5kg
1分09秒0412戦【7-1-1-3】
5走前にG3勝ち
2シーサイレン
Sea Siren
4牝
4倍
J.キャシディ
56.5kg
3/410戦【6-3-0-1】
重賞4勝うちG1競走3勝
3ハロウェルベル
Hallowell Belle
4牝
13倍
C.ウィリアムズ
56.5kg
318戦【3-6-7-2】
G1を6戦、2着3着4着を2回ずつ

2012年11月14日水曜日

11月16日にキングストレイルが、17日にサンデーベスが出走か

11月16日に愛ダンダーク競馬場・AW10ハロン150ヤード(約2150m)で行われる準重賞カーリングフォードS.にキングストレイルが登録しています。出走すれば6月のロイヤルアスコット開催ロイヤルハントカップ30頭立て29着以来のことです。

The 8.30 Dundalk (AW) Full Race Card - 16 November 2012 | Racing Post

この距離は今年1月に1馬身差2着しています。管理する児玉敬調教師(@theoldmewstable) によるとロイヤルアスコットは「タイイングアップという内臓系の疾病を発症して」の敗戦だったとのこと

体調が万全でメンバーに恵まれれば準重賞なら1勝出来そうですが、今回は10月の愛G3ダイヤモンドS.(ダンダーク競馬場・AW10ハロン150ヤード)で1/2馬身差2着だったAlong Came Caseyも出走してくるようですね。



また翌17日に英リングフィールド競馬場・AW10ハロンで行われる準重賞チャーチルS.にディープインパクト産駒サンデーベスが登録しています。

The 2.15 Lingfield (AW) Full Race Card - 17 November 2012 | Racing Post

前走1日の牝馬限定準重賞(AW13ハロン)は14頭立て13着でした。これは距離が敗因だろうから3走前に初勝利を挙げたこの距離への短縮で巻き返せるといいのですが。

米G1 BCジュベナイルターフ3着、今年4月のG3伊2000ギニー3着の良血ファラージ(種牡馬イフラージの半弟)がその2000ギニー以来の出走。また8月の英G3シュプリームS.(芝7ハロン)勝ち馬プロデューサーも登録。この2頭は10ハロン初出走であることを度外視すれば明らかに格上。

他にも何頭か手ごわそうな相手がいます。ちなみに12番のティンシュはキングストレイルに3回先着しています。

2012年11月12日月曜日

星G1シンガポールゴールドカップ、ベターライフがG1連勝

11月11日に行われたシンガポール三冠第3戦の星ローカルG1シンガポールゴールドカップ(芝2200m、3歳以上ハンデ)は、6,7番手追走した第1戦勝ち馬ベターライフが残り300mで抜け出し、外から追い込んだモーリスユトリロに1馬身差をつけて勝ち、G1連勝です。高岡秀行調教師はこの5年で4勝目。シンガポールゴールドカップはシンガポールのローカル重賞では最も賞金の高いレースです。

1番人気ディープポケッツは最終コーナーでベターライフの1馬身後ろにいましたが、直線でもそれ以上差を詰められず3着。第2戦ラッフルズカップ(芝1800m)勝ち馬フラックスは2番手追走し3番人気9着。父マンハッタンカフェ、母ハルジュンという血統の日本産馬マイターピーク(netkeiba)は逃げて10着。


ベターライフは父スマーティージョーンズ、母クワイエットライフ、母の父サンデーサイレンスという血統の豪産馬。豪セールにおいて15万豪ドルで購入。前走のローカルG1クランジマイル(芝1600m)はシンガポールで12戦12勝の無敗だったスーパーイージーをやぶって重賞初勝利していました。トップハンデで(フラックスが57.5kg、ベターライフは牝馬2kg減の55.5kg)かつマイルを超える距離はこれがデビュー9戦目で初めてでしたがこなしています。

今後は来年7月のローカルG1シンガポールダービー(芝2000m、4歳)を目標にする模様。高岡師は2009年に日本産馬ジョリーズシンジュで制しています。ちなみにディープポケッツは今年のダービーで8馬身差2着でした。

2012年シンガポールゴールドカップのレース映像。ゲート4番、ゼッケン2番の赤いメンコ装着馬がベターライフ。


シンガポールゴールドカップ(Longines Singapore Gold Cup)
2012年11月11日、シンガポール・クランジ競馬場、芝2200m
3歳以上、ローカルG1、16頭、Yielding、レース結果、総賞金135万シンガポールドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ベターライフ
Better Life
4牝
5.8倍
A.ムンロ
55.5kg
2分18秒3310戦【6-2-0-2】
重賞初勝利
2モーリスユトリロ
Maurice Utrillo
6セン
15.6倍
B.ヴォースター
50.0kg
138戦【7-4-7-20】
一昨年9着、昨年12着
3ディープポケッツ
Deep Pockets
5セン
3.2倍
J.モレイラ
51.0kg
1/226戦【5-5-1-15】
シンガポールダービー2着
ラッフルズカップ2着

韓国G1大統領杯、ビワシンセイキ産駒のタンデブルペが3連覇

11月11日に行われた韓国ローカルG1大統領杯(ダート2000m、韓国産馬限定)は、2番手追走したタンデブルペが残り800mで先頭に立つと、2着に4馬身差をつけて勝ち、この韓国最高賞金額レースを3連覇しました。

イングランディーレ産駒で、今年のローカルG1韓国ダービー(ダート1800m)と3歳3冠最終戦のローカルG2ミニスターズカップ(ダート2000m)とを勝った2冠馬チグミスンガンが2着に入っています。3冠第1戦ローカルG2 KRAカップ(ダート1600m)勝ち馬でミニスターズカップ3着のギョンブデロが3着。


外国産馬も出走する12月のグランプリ(ダート2300m)が韓国最強馬決定戦です。タンデブルペは一昨年11着、昨年は出走しませんでした。ちなみに昨年のグランプリ勝ち馬タフウィンは今年10月21日のローカルG3 KRAカップクラシック(ダート2000m)を取りこぼし。昨年2着馬で韓国の英雄ミスターパークは故障し安楽死。3着馬スマーティームナクは故障中で、この3着馬は4着に6馬身差をつけていました。

またタンデブルペは7月のローカルG2 釜山市長杯(ダート2000m)でタフウィンとスマーティームナクに2馬身差をつけて優勝しており、今年はグランプリ制覇の可能性も十分あります。

2012年ローカルG1大統領杯のレース映像。


大統領杯(President’s Cup)
2012年11月11日、韓国・ソウル競馬場、ダート2000m
3歳以上韓国産馬限定、ローカルG1、13頭
着順馬名性齢騎手着差通算成績
主な成績
1タンデブルペ
Dangdae Bulpae
5牡Jo Sung Gon-27戦【18-2-1-6】
3連覇
2チグミスンガン
Jigeum I Sungan
3牡Moon Se Young415戦【6-6-1-2】
今年のダービー馬
3ギョンブデロ
Gyeongbudaero
3牡Choi Si Daeアタマ15戦【5-3-5-2】
G2 KRAカップマイル1着

2012年11月6日火曜日

豪G1メルボルンカップ、グリーンムーンが33秒6の末脚でG1競走2勝目

11月6日にオーストラリア競馬の祭典、豪G1メルボルンカップ(芝3200m、3歳以上ハンデ)が24頭立てで行われ、7番手内ラチ沿いを追走した8番人気グリーンムーンが最終コーナー出口で徐々に外に持ち出されると、最後の直線では内から4頭目に進路を取り、上がり600mを33秒6の末脚で差し切って優勝し、G1競走2勝目を挙げました。

日本で騎乗することも多く、06年の安田記念をブリッシュラックで優勝したB.プレブル騎手はメルボルンカップ初勝利。オーナーのロイド・ウィリアムズ氏はこのレース4勝目。

2012年メルボルンカップのレース映像。ゲート右から5頭め、白の帽子、黒の胴に袖が白の一本輪の勝負服がグリーンムーン。16番枠、黄色の勝負服のドゥナデンが落馬しそうになったというシーンは6-7秒あたり。アメリカインの後ろを内に入ろうとしているときです。


道中グリーンムーンとほぼ同位置の外側を追走した14番人気フィオレンテが同じ上がりで1馬身差の2着で、これはレース後半1馬身ほど後ろにいたそのままの差が出ました。15番手付近を追走した20番人気ジャッカルベリーは最終コーナーで内を回って距離を稼ぎ、上がり最速の33.53秒を繰り出して3着に追い込んでいます。3番手先行のケリーニが4着に粘りこみ。

昨年の勝ち馬ドゥナデンは59kgのトップハンデでも1番人気に支持されましたが後方20番手からの競馬になり、直線では外に持ち出されるも伸びず14着に終わりました。スタート直後に落馬しそうになったというC.ウィリアムズ騎手はメルボルンカップ初勝利ならず。ちなみに同騎手はグリーンムーンの前走まで5戦連続で騎乗していました。昨年2着のレッドカドーはドゥナデンのすこし前から外を追い込んで6馬身差の8着。一昨年の勝ち馬アメリカインは11着など。

私が本命にしたマウントアトスは3・1/2馬身差の5着。上がり3ハロンは24頭中2番目に速い33.55秒だったのですが13番手追走でも後ろすぎました。予想は4着まで無印→無印→△→無印と大はずれ。8番人気→14番人気→20番人気→同オッズ8番人気とか当たりません。


レース後の各調教師のコメントによるとジャパンカップに予備登録されているマウントアトスと、招待を受諾しているジャッカルベリーレッドカドーの3頭については来日の可能性がまだあります。日本時間6日午後10時ごろまでに読んだ記事では、状態を見てからと当然の留保つきですが次走候補と述べられており、行かないと明言した陣営はありません。もしレッドカドーが来ればE.ダンロップ師の管理馬は過去2年のスノーフェアリーとあわせて3年連続の来日ですがしかし同馬のオーナーは香港の人なのでやはり香港直行しそうですけど。


午後は雨の予報も実際にはレース前にぱらついた程度だったようでフレミントン競馬場は良馬場のまま。

過去3年の勝ちタイムとレースの上がり3ハロンは次のとおりであり、今年は過去2年に比べて前にいないと勝負にならなかったです。
馬場勝ちタイム上がり600m
2012年3分20秒4534秒07
2011年3分20秒8436秒18
2010年3分26秒8736秒70

昨年は第4レース後に、今年は第2レース後に Dead(4)からGood(3)に回復していたから今年のほうが良い馬場だったでしょう。メルボルンカップデイの去年と今年の同じレース(準重賞以上)を比べても次のとおりで、明らかにペースの緩んだ1800m戦をのぞいて今年のほうが速いです。
距離2011年2012年
2歳牝馬 準重賞芝1000m58秒5556秒73
古馬牝馬G3芝1400m1分22秒471分21秒01
3歳牝馬 準重賞芝1400m1分23秒291分22秒21
準重賞芝1800m1分48秒421分50秒04
準重賞芝1200m1分10秒001分09秒11


グリーンムーンは父モンジュー、母グリーンヌーン(仏G1で2着)、母の父グリーンチューンという血統 のアイルランド産馬。サドラーズウェルズ、グリーンヴァレー(グリーンダンサーなどの母)、Val De Loirの5代内クロスという組み合わせは今年の凱旋門賞馬ソレミアと同じ。

英デビュー後8戦して準重賞1勝とまずまずの成績を挙げたあと、2011年に豪移籍。移籍4戦目に豪G3ニューキャッスルゴールドカップ(芝2300m)で重賞初勝利。その次走、昨年の豪G1コーフィールドカップ(芝2400m)で2着。その後マイルの豪G2を勝つなどして出走した2走前10月の豪G1ターンブルS.(芝1800m)はレースの上がり33秒99のところ自身は33秒77で締めてG1初勝利を挙げていました。

前走の豪G1コックスプレート(芝2040m)は1番人気7着。同レースの上がり3ハロンは36秒86でした。コックスプレートのムーニーヴァレー競馬場は小回りで直線わずか173m。ターンブルS.とメルボルンカップのフレミントン競馬場は直線450m。つまり直線が長いコースかまたはスローペースの上がりの速い勝負が得意そうです。

次走は不明。早くも来年のメルボルンカップのオッズを出しているとことがあり、今年2着フィオレンテが11倍で1番人気、5着マウントアトスが13倍2番人気、1着グリーンムーンが20倍4番人気など。


上位7頭までアイルランド産馬が独占。4頭出走のニュージーランド産馬は9着が最高。地元オーストラリア産馬の出走は2頭だけで4月の豪G1シドニーカップ(芝3200m)勝ち馬ニウォットが15着、4月の豪G1オーストラリアンダービー(芝2500m)勝ち馬エチオピアが最下位24着。

各騎手のコメント(「Melbourne Cup: What the jockeys said」より抜粋)
B.プレブル(1着グリーンムーン)「すこし速く仕掛けすぎたかもしれませんが、止まる気はしませんでした」
J.マクドナルド(2着フィオレンテ、ちなみにこの騎乗で14日間の騎乗停止)「直線に向いたときはすべての(一生分の、かな)クリスマスがやってきたように感じましたが勝てませんでした」
C.オドノヒュー(3着ジャッカルベリー)「私たちは彼が素晴らしいパフォーマンスを示しうると考えていました。実際に今日、そうした力があることを見せてくれました。」
R.ムーア(5着マウントアトス)「彼にはペースが遅すぎました」
M.ロッド(8着レッドカドー)「ペースが落ち着きすぎてしまいましたが彼は良く走っています」
D.オリヴァー(11着アメリカイン)「スローペースが向きませんでした」
C.ウィリアムズ(14着)「スタート直後に落馬しかけました。スローペース、重いハンデ(が敗因で今後は)馬齢定量戦の、より短い距離のほうがいいでしょう」

メルボルンカップ(Emirates Melbourne Cup)
2012年11月6日、オーストラリア・フレミントン競馬場、芝3200m
3歳以上ハンデ、G1、24頭、レース結果、総賞金600万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1グリーンムーン
Green Moon
5牡
20倍
B.プレブル
53.5kg
3分20秒4520戦【7-3-0-10】
重賞4勝目
2フィオレンテ
Fiorente
4牡
31倍
J.マクドナルド
53.5kg
10戦【2-4-0-4】
2走前英G2勝ち
3ジャッカルベリー
Jakkalberry
6牡
81倍
C.オドノヒュー
55.5kg
1・1/426戦【10-2-4-10】
伊G1ミラノ大賞1着
G1ドバイシーマクラシック3着

フォートラーンドとワイズダンは来年も現役続行

BloodHorseなどによると、BCクラシックを勝ったフォートラーンドと、BCマイルを勝ったワイズダンは来年も現役を続けるとのこと。

Fort Larned, Wise Dan Pointed for 2013 Season | BloodHorse.com

フォートラーンドは冬の間ガルフストリームパーク競馬場で過ごし、来年はまだ始動レースなどは決まっていないが、今年8着に終わった米G1スティーヴンフォスターH.は使いたいとウィルキス調教師が述べています。
一方、BCマイルを勝ったワイズダンは一ヵ月半か2ヶ月の放牧予定でそのあとは馬次第だと。2011年、2012年はどちらも4月のキーンランドで復帰しています。ロプレスティ調教師の妻は「チャーリー(・ロプレスティ調教師は)急がせる気がありません。夏と秋のビッグレースに向けてベストの状態を目指します」と。
ワイズダンは今年クラシックに出走するプランがオーナーの希望であったのですが、もしかすると来年はBCクラシックを目指すということもあるかもしれません。セン馬なので種牡馬価値を考える必要もなく冒険しやすい。

2012年メルボルンカップの予想

豪G1メルボルンカップ(芝3200m)の予想です。天気予報では昨年に比べて渋った馬場の可能性がありそう。現地時間午後3時00分、日本時間午後1時00分の発走予定。

出馬表
Emirates Melbourne Cup(GROUP 1) 3200m $6,000,000 - Racing Victoria


24頭立てなので1/3の8頭に絞りました。オッズはレーシングポストから。オーストラリアの現地オッズは異なるでしょうが目安に。

◎マウントアトス Mount Athos(6.5倍)
○レッドカドー Red Cadeaux(10倍)
▲ドゥナデン Dunaden(7.5倍)
△ガリレオズチョイス Galileo's Choice(13.0倍)
△キャヴァルリーマン Cavalryman(34.0倍)
△ジャッカルベリー Jakkalberry(50倍)
△アメリカイン Americain(7.0倍)
△マイクエストフォーピース(19.0倍)

人気しているがマウントアトスが本命。54.0kgのハンデは手ごろ。英ダービー2着馬ザグレートギャツビー、今年の仏G1パリ大賞(芝2400m)勝ち馬インペリアルモナークの半兄弟という良血。前走8月の英G3ジェフリーフリーアS.(芝13ハロン)は昨年の英セントレジャー1,2着馬を相手に同斤量で4馬身差をつけて勝った。R.ムーア騎手の手腕に期待。

昨年53.5kgのハンデでハナ差2着したレッドカドーは今年2kg増の55.5kg。 昨年の勝ち馬ドゥナデンが54.5kgから今年4.5kg増の59.0kgだから、香港ヴァーズの結果などからもこれなら逆転できる。

ドゥナデンは上述どおりレッドカドーと斤量の比較で不利だがそれでも実力上位で。名手ウィリアムズ騎手のメルボルンカップ初勝利もかかっている。

ガリレオズチョイスは愛平地G3を2勝。愛障害G1でも2着がある。前走の愛G3バリーローンS.(芝12ハロン)で1・1/2馬身差の2着に負かしたマッシーンはその次走のG1愛セントレジャー(芝14ハロン)で頭差2着。ちなみにレッドカドーは昨年の愛セントレジャー1馬身差3着だった。馬場は速すぎないほうが向きそう。

キャヴァルリーマンは09年の凱旋門賞3着馬。英サイードビンスルール厩舎に移ってからはいまいちもこれは主に走っているイギリスの馬場が合わなかったからと見ることも可能で、豪の競馬場に変わって復活がありそう。

ジャッカルベリーは2010年の伊G1ミラノ大賞(芝2400m)勝ち馬。今年3月にG1ドバイシーマクラシック(芝2410m)でシリュスデゼーグルの3着している。前走コーフィールドカップ(芝2400m)はドゥナデンの6馬身差13着だが初めての豪遠征を叩いた上積み期待。これは人気無さすぎでしょう。

アメリカインは一昨年の勝ち馬。昨年は58.0kgで1・1/2馬身差の4着。前走のコーフィールドカップはドゥナデンと同斤量で1・1/2馬身差の4着。今年北半球表記で8歳も衰えは大きくないうえに今回はドゥナデンのほうが1kg重い。一昨年は昨年より悪い馬場で馬場が向けば。

マイクエストフォーピースは前走コーフィールドカップでドゥナデンから1・1/2馬身差の5着。斤量差がさらに1kg増えるのは有利。英などではクエストフォーピースの名前で走っていました。


一昨年の2着馬マラッキーデイや、地元生え抜きの長距離G1馬はばっさり切りました。手広く買うならそのうちの エチオピア Ethiopia、サナガス Sanagas は押さえてもいいかもしれない。

2012年11月5日月曜日

豪G1マイヤークラシック、アピアランスがG1初勝利

11月3日に行われた豪G1マイヤークラシック(芝1600m、3歳以上牝馬)は後方2番手追走の11番人気アピアランスが最後の直線で外から追い込み、最後方追走から追い上げたソフトサンドに1/2馬身差をつけて重賞2勝目、G1初勝利を挙げました。

G1を2勝している2番人気シークレットアドマイヤーが中団内から伸びて3着。豪G1フライトS.(芝1600m)6馬身差圧勝など、こちらもG1を2勝の1番人気ストリーマは逃げて8着に敗れました。


アピアランスは父コマンズ、母ディスガイズ(豪3勝)、母の父グランドロッジという血統。今年3月にデビュー6戦目の3歳牝馬G3で重賞初勝利。前走1400mのG2は4・1/2馬身差の7着でした。

ガイ・ウォルター調教師はモハメド殿下の所有馬でのG1勝ちは今回が初めて。同師はストリーマの調教師でもあります。「ストリーマが勝つと思っていました。アピアランスが今日のように勝つとは考えていませんでした」と述べています。次走は不明。


ちなみにこの次のレース、豪G2イエローグレンS.(芝1200m)を母父ティンバーカントリーの Fontelina が勝って重賞初勝利を挙げました。母はティンバーがオーストラリアで種付けしたときの産駒。2代母が豪G1馬。

2012年マイヤークラシックのレース映像。大外発走の黒の帽子がアピアランス。11月5日時点で動画タイトルが「2007」となっていますがこれは間違いです。

マイヤークラシック(Myer Classic)
2012年11月3日、オーストラリア・フレミントン競馬場、芝1600m
3歳以上、G1、13頭、Good、レース結果、総賞金50万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アピアランス
Appearance
4牝
41倍
M.ロッド57.0kg1分34秒979戦【4-1-1-3】
重賞2勝目
2ソフトサンド
Soft Sand
4牝
10倍
C.ウィリアムズ57.0kg1/212戦【4-2-1-5】
G2で1馬身差2着
3シークレットアドマイヤ
Secret Admirer
5牝
8倍
J.マクドナルド57.0kgアタマ22戦【3-5-8-6】
G1で【2-1-5-4】

豪G1マッキノンS.、8歳アルコポップがG1初勝利。オーシャンパークが5戦ぶりに敗れる

11月3日に行われた豪G1マッキノンS.(芝2000m、3歳以上)は、昨年の勝ち馬グラスハーモニウムが2番手以下を数馬身離して逃げ、残り200mでも3馬身ほどリードを保っていましたが、6番手の内を追走した2番人気アルコポップが最後の直線で最内をついて追い上げるとゴール直前でクビ差交わして優勝し、G1競走9戦目でG1初勝利を挙げました。

グラスハーモニウムは昨年のこのレース以来7戦振りの連対。

新G1チャレンジS.(芝1400m)、豪G1アンダーウッドS.(芝1800m)、豪G1コーフィールドS.(芝2000m)、豪G1コックスプレート(2040m)と新豪のG1を4連勝中だった1番人気オーシャンパークは道中アルコポップのすぐ外を併走し最終コーナーでは大外を回ってアルコポップから3/4馬身差の3着。


アルコポップは父ジューン、母アイオタオブラック(豪1勝)母の父ブレヴィックという血統

2008年11月にデビュー戦勝ち。10戦目の豪G2ハーバートパワーS.(芝2400m)で重賞初出走初勝利すると、その次走の2009年G1メルボルンカップは6着。その後は19戦して2010年の豪G1ヤルンバS.(芝2000m)でソーユーシンクの2着しましたが、それ以外はG2で2着、準重賞2勝しただけでした。

しかし2走前10月のコーフィールドS.は6頭立て最低人気でオーシャンパークの3/4馬身差2着に入り、次走の豪G1コーフィールドカップ(芝2400m)でもドゥナデンの1/2馬身差2着していました。

今回は32戦中19戦、またどちらも2着だった近2走のG1でも手綱を取ったD.ターナー騎手ではなくウィリアムズ騎手を乗せることを陣営が決断して乗り替わり。初騎乗できっちり結果を出すウィリアムズ騎手はさすがです。

2012年マッキノンS.のレース映像。出遅れる緑の勝負服がアルコポップ。逃げる芦毛がグラスハーモニウム。赤の帽子、白と紫の勝負服がオーシャンパーク。

マッキノンステークス(Longines Mackinnon Stakes)
2012年11月3日、オーストラリア・フレミントン競馬場、芝2000m
3歳以上、G1、8頭、Good、レース結果、総賞金100万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1アルコポップ
Alcopop
8セン
6倍
C.ウィリアムズ
59kg
2分01秒2633戦【10-5-0-18】
重賞2勝目
2グラスハーモニウム
Glass Harmonium
7牡
13倍
D.オリヴァー
59kg
クビ28戦【5-6-2-15】
英豪でG1含む重賞3勝
3オーシャンパーク
Ocean Park
4牡
1.73倍
G.ボス
58.5kg
1/212戦【7-3-1-1】
G1競走4勝

豪G1ヴィクトリアダービー、9番人気ファイヴアンドアハーフスターが押し切り重賞初勝利

11月3日に行われた豪G1ヴィクトリアダービー(芝2500m、3歳)は、3番手追走のファイヴアンドアハーフスターが向こう正面で2番手に上がり、逃げたジマンドとの差を徐々に詰め最終コーナーで交わして先頭に立つと、3,4馬身離れた3番手追走していた2番人気スーパークールが最後の直線で1,2馬身差まで迫りましたが、ファイヴアンドアハーフスターがそれ以上寄せ付けず1・1/2馬身差をつけて勝ち、重賞初勝利をG1で挙げました。

11番手追走の16頭立て14番人気ロウナックが外から差して3着。10月の豪G1スプリングチャンピオンS.(芝2000m)勝ち馬で、前走2040mのG2でスーパークールの2着に負けていた1番人気のイッツアダンディールは残り600mで後方5,6番手から5馬身差7着に追い上げるのが精一杯。スプリングチャンピオンS.でイッツアダンディールの3着だったオノリウスが4番人気8着。


ファイヴアンドアハーフスターは父ホテルグランド、母クリプティックミス(豪1勝)、母の父スニペッツという血統。昨年1月に2万豪ドルで落札されていました。オーストラリア産馬の優勝は4年ぶりです。過去3年はニュージーランド産馬が勝利。ちなみに今年3頭出走したファストネットロック産駒が2,4,5着でした。

共同所有者でもあるアンソニー・カミングス調教師はヴィクトリアダービー初勝利。父のバート・カミングス師は5勝しています。別の共同所有者は父ホテルグランドの所有者でもあったと。

デビューから13戦目の今年10月17日、1900m戦に出走し1・1/4馬身差で初勝利。マイルを超える距離に出走するのはそれがデビュー7戦目以来2度目のことでした。続く1800m戦を3馬身差で勝って連勝。同日の午後にイッツアダンディールがG2で負けたためカミングス師は「勝てる可能性があるかもしれない」と考え始め、最終的にオリヴァー騎手の勧めがありダービー出走を決めたと。さすがにダービー3勝騎手の言葉は重い。オリヴァー騎手は今回が4勝目。ファイヴアンドアハーフスターに実戦で騎乗するのはこれが初めてでした。

オリヴァー騎手は今年10月中旬に、2010年に自分が騎乗したレースで第3者を通して他の出走馬に1万豪ドルを賭けていたと報じられ、同27日のコックスプレートでは前走G1ターンブルS.勝ち馬グリーンムーンに騎乗する予定でしたがウィリアムズ騎手がつづけて騎乗することになりました(これはウィリアムズ騎手がコックスプレートで騎乗を依頼されていた無敗馬ピエロが同じころに初敗戦したことも関係ありますが)。

むしろその降板に発奮するように直後のG1豪1000ギニーを勝ち、そしてダービー制覇です。この賭け問題はそろそろ審査結果が発表されるようです

2012年ヴィクトリアダービーのレース映像。ゲート向かって右から5頭目、緑の帽子・勝負服がファイヴアンドアハーフスター。

ヴィクトリアダービー(Aami Victoria Derby)
2012年11月3日、オーストラリア・フレミントン競馬場、芝2500m
3歳、G1、16頭、Good、レース結果、総賞金150万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ファイヴアンドハーフスター
Fiveandahalfstar
3セン
41倍
D.オリヴァー
55.5kg
2分35秒9215戦【3-2-1-9】
準重賞以上は5戦とも
4着以下だった
2スーパークール
Super Cool
3セン
6倍
M.ロッド
55.5kg
1・1/26戦【2-2-0-2】
前走G2勝ち
3ロウナック
Rawnaq
3牡
101倍
M.ウォーカー
55.5kg
3/46戦【1-1-1-3】
前走1800m準重賞12着

豪G1クールモアスタッドS.、ニキータがG1初勝利

11月3日に行われた豪G1クールモアスタッドS.(芝1200m、3歳)は前半4,5番手のニキータが残り300mで手ごたえ良く前に並びかけ、残り200mで先頭に立つと2着に3/4馬身差をつけて勝ち、重賞2勝目、G1初勝利を挙げました。

ニキータの直後を追走していたジョリーベイが2着。後方追走の10番人気シャムエクスプレスがさらにクビ差の3着。前半4番手以降に控えた組が3着まで独占。豪G1ゴールデンスリッパー2着の1番人気スニッツァーランドは3番手先行し5着でした。


ニキータは父ファストネットロック、母アーティスク(豪4勝、G2で4着)、母の父パントルセレブルという血統。昨年1月の豪セールにおいて13万豪ドルで落札。

2走前のシルヴァーシャドウS.(芝1200m、3歳牝馬)を勝ってデビューから2連勝。その次走でここの前走の豪G1ゴールデンローズ(芝1400m、3歳牡牝混合)は3着に敗れていました。ちなみにシルヴァーシャドウS.の3着馬ディアデミはその次走G2勝ちし、また豪G1フライトS.(芝1600m)3着、G1豪1000ギニー(芝1600m)2着しています。

このあとは豪G1パティナックファームクラシック(芝1200m)へ追加登録料を支払って出走予定

なお、パティナックファームはニキータの馬主である豪炭鉱王ネイサン・ティンクラー氏の名義。パティナックファーム・レーシングはオールトゥハードで10月の豪G1コーフィールドギニーを勝ち、コックスプレートも2着しました。同氏は先週のマジックミリオンズセールで、所有馬のうち約300頭を400万豪ドルで売却したとのこと。同氏についてや売却することになった経緯は「炭鉱王ネイサン・ティンクラー氏が所有馬を大量放出 | netkeiba.com競馬コラム」を参照。ティンクラー氏は自身は生産事業も行っていてどんどん新しく産まれてくるのだから一部を売却するのは普通のことですよと述べていますが、今後の動向はまだ目が離せません。


2012年クールモアスタッドS.のレース映像。ゲート向かって右から3頭目がニキータ。

クールモアスタッドステークス(Coolmore Stud Stakes)
2012年11月3日、オーストラリア・フレミントン競馬場、芝1200m
3歳、G1、11頭、Good、レース結果、総賞金50万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ニキータ
Nechita
3牝
5倍
C.リース
54.5kg
1分08秒594戦【3-0-1-0】
重賞2勝目
2ジョリーベイ
Jolie Bay
3牝
7.5倍
M.ロッド54.5kg3/45戦【2-2-0-1】
2走前にG2勝ち
3シャムエクスプレス
Shamexpress
3牡
51倍
D.オリヴァー
56.5kg
クビ7戦【1-1-2-3】
3走前にG3で3着

米G1 BCスプリント、トリニバーグがG1初勝利で3歳馬のワンツー

2012年ブリーダーズカップ2日目第7レース、米G1 BCスプリント(ダート6ハロン、3歳以上)は、サムオブザパーツと並んで逃げた7番人気トリニバーグが最後の直線入り口で先頭に立つと3番手追走の2番人気ザランバーガイに3/4馬身差をつけて勝ち、重賞4勝目、G1初勝利を挙げました。ダート6ハロンはこれが5戦目で初勝利。また古馬混合戦初出走でした。

短距離G1を3勝、一昨年のこのレース3着の8番人気スマイリングタイガーが5,6番手追走しさらに2・1/4馬身差の3着。逃げたサムオブパーツは9番人気で4着に粘りました。

昨年のこのレースなど短距離G1を3勝している1番人気アマゾンビーは中団追走も伸びず8着。10月の米G1サンタアニタスプリントチャンピオンシップS.(ダート6ハロン)勝ち馬コイルが後方追走し3番人気7着。前残りの結果ですね。


トリニバーグは父トイフルスバーグ、母ベラドラト(米14戦1勝)、母の父ゴールドマイナーズゴールドという血統

昨年9月の米G1ホープフルS.(ダート7ハロン、2歳)を2着したほか、それ以降ダート7ハロンの3歳限定G3を3勝しています。しかし、ダート6ハロンでは、3走前の米G3キャリーバックS.は逃げてクビ差2着、前走のギャラントボブS.(非重賞、YouTube)は3番手追走から直線でいったん抜け出すも1/2馬身差の2着に敗れていました。ちなみにその2走の勝ち馬はどちらも今年のBC未出走です。

W.マルティネス騎手は前走について「馬場の割には速いペースだったし、離れた外から後方待機馬に一気に差し切られたからトリニバーグは抵抗する間もなかっただけでした。それほど悪くない結果だと思っていました」と述べています。


パーブー調教師によると、レースの状態は良く、馬場次第だが12月26日の米G1マリブS.(ダート7ハロン)に出走する可能性があり、また来年もBCに出走するだろうとのこと

2012年BCスプリントのレース映像。


ブリーダーズカップ・スプリント(Xpressbet Breeders' Cup Sprint)
2012年11月3日、アメリカ・サンタアニタパーク競馬場、ダート6ハロン
3歳以上、G1、14頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金150万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1トリニバーグ
Trinniberg
3牡
14.7倍
W.マルティネス1分07秒9813戦【5-4-0-4】
重賞4勝目
2ザランバーガイ
The Lumber Guy
3牡
4.9倍
J.ヴェラスケス3/4 7戦【4-1-0-2】
米G1ヴォスバーグ招待S.1着
3スマイリングタイガー
Smiling Tiger
5牡
21.9倍
R.ドミンゲス2・1/422戦【8-2-8-4】
G1で【3-2-4-2】

米G1 BCターフスプリント、4ヶ月ぶり出走のミズディレクションがG1初勝利

2012年ぶりダーズカップ2日目第4レース、米G1 BCターフスプリント(芝6.5ハロン、3歳以上)は、4,5番手追走した1番人気アンブライドルズノートが最後の直線残り100mで先頭に立ちましたが、後方追走していたミズディレクションが大外から伸びゴール直前で差しきって優勝しました。重賞2勝目。

昨年4着のグレートアタックが今年は5着。前走G3勝ち含め重賞5勝のカリフォルニアフラッグが5年連続出走で順に10着、1着、8着、12着、今年2番人気13着。一昨年のこのレース4着、前走G3勝ちのブリッジタウンが3番人気14着でした。

3走前に米G1トリプルベンドH.(AW7ハロン)を勝っているキャンプヴィクトリーが11着。前走の加G1ニアークティックS.(芝6ハロン)を人気薄で勝ったネクストクエスションが7着。


ミズディレクションは父ミゼンマスト、母ディセプティヴ(米20戦未勝利)、母の父クレヴァートリックという血統

前走5月のステークスは勝ち馬より重い斤量で2着。3走前と4走前にここと同じサンタアニタの芝6.5ハロンを走って米G3モンロヴィアS.含む2連勝とこのコース得意なようで、だから4番人気まで支持されていたのですかね。ちなみにアンブライドルズノートも前走9月に同条件の米G3エディーD.S.を勝っていたので実績のある2頭で決まったと。

同じコースで行われる来年は2連覇を目指すとオーナーらは述べています。

2012年BCターフスプリントのレース映像。ゲート向かって左から4頭目、黒の帽子・勝負服がミズディレクション(11番)。左から2頭目、黄色の帽子、13番がアンブライドルズノート。


ブリーダーズカップ・ターフスプリント(Breeders' Cup Turf Sprint )
2012年11月3日、アメリカ・サンタアニタパーク競馬場、芝6.5ハロン
3歳以上、G1、14頭、レース結果(PDF)、総賞金100万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ミズディレクション
Mizdirection
4牝
7.9倍
M.スミス
55.8kg
1分11秒3912戦【7-4-1-0】
重賞2勝目
2アンブライドルズノート
Unbridled's Note
3牡
5.7倍
C.ナカタニ
56.2kg
1/28戦【3-1-2-2】
米G1キングズビショップS.3着
3レネズゴットジップ
Reneesgotzip
3牝
9.9倍
G.ゴメス
54.8kg
1・1/48戦【4-2-1-1】
ダートの3歳牝馬G1で2着2回

米G1 BCダートマイル、7番人気タピザーがG1初勝利

2012年ブリーダーズカップ2日目第3レース、米G1 BCダートマイル(ダート1マイル)は2番手追走のタピザーが最終コーナーで先頭に立つと、後方追走し内から伸びたレイルトリップに2・1/4馬身差をつけて勝ち、重賞3勝目を挙げました。

前走の米G1フォアゴーS.(ダート7ハロン)約5馬身差1着のエムシーが逃げましたが1番人気6着。昨年のプリークネスS.勝ち馬昨年のこのレース2着のシャックルフォードが2番人気7着。


タピザーは父タピット、母ウイニングコール(米1勝)、母の父デピュティミニスターという血統

重賞2勝していますが、昨年のこのレースで1着から約9馬身差の5着。前走の米G2ケルソーH.(ダート1マイル)は3番手追走するも最下位6着でそのときの1,2着馬が今回5着のジャージータウンと7着のシャックルフォードだから人気がなかったのも当然でした。

この日のダートは先行争いが激しく見えても結局前がとまらない馬場だったので、前に行けたのが良かったでしょう。1番人気のエムシーも逃げていますがこれはマイル初出走でしたし。今回含め重賞3勝はいずれも逃げまたは2番手先行の競馬で挙げてもともとそういうタイプのようです。

2012年BCダートマイルのレース映像。ゲート手前から2頭目、白の帽子がタピザー。


ブリーダーズカップ・ダートマイル(Breeders' Cup Dirt Mile)
2012年11月3日、アメリカ・サンタアニタパーク競馬場、ダート1マイル
3歳以上、G1、9頭、レース結果(PDF)、総賞金100万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1タピザー
Tapizar
4牡
16.3倍
C.ナカタニ
57.1kg
1分35秒3414戦【6-1-1-6】
重賞3勝目
2レイルトリップ
Rail Trip
7セン
9.4倍
J.ヴァルディヴィア
57.1kg
2・1/223戦【9-7-1-6】
重賞4勝、09年にG1勝ち
3デリゲーション
Delegation
3セン
20.1倍
P.ハズバンズ
55.8kg
1・3/47戦【4-1-2-0】
前走G3で重賞初勝利

米G1 BC F&Mスプリント、グルーピードールが完勝でG1出走機会3連勝

2012年ブリーダーズカップ2日目第2レース、米G1 BCフィリーアンドメアスプリント(ダート7ハロン、3歳以上牝馬)は、単勝1.7倍の1番人気グルーピードールが外の5番手を追走し最終コーナーでまくって直線入り口で先頭に立つと2着に4・1/2馬身差、3着にさらに3・3/4馬身差をつけて完勝し、重賞5連勝、G1競走3勝目を挙げました。

2着に重賞初出走だった前走の米G3ギャラントブルームH.(ダート6.5ハロン)を勝っていたダストアンドダイヤモンズが入り、1、2番人気で決着。一昨年と昨年どちらも2着のスイッチが今年は3着(4番人気)。

昨年の勝ち馬ミュージカルロマンスは6着。米G1バレリーナS.(ダート7ハロン)など過去1年でG1を4勝しているタービュレントディセントが3番人気7着。米G1ラブレアH.勝ち馬テディースプロミスは8着。


グルーピードールは父ボウマンズバンド、母デピュティドール(米2勝)、母の父シルヴァーデピュティという血統

昨年8月、デビュー4戦目の米G3ガーデニアS.(ダート1マイル)で重賞初勝利。その後7戦してアローワンス1勝止まりでしたが(米G2サビンS.で2着ロイヤルデルタから頭差3着がありますが)、つづく米G1マディソンS.(AW7ハロン)でG1初勝利を挙げ、さらに次走の米G1ヒューマナディスタフS.(ダート7ハロン)は7馬身差で圧勝しています。

その後さらに重賞を2勝してここに挑んでいました。ブリンカー初装着だったマディソンS.後にマラージ騎手が「前半からレースに参加できるようになった」と述べていました。これでブリンカー装着後は5戦5勝。いずれも7ハロン以下のその5戦で2着につけた着差合計は25馬身と効果は絶大だったようです。

マラージ騎手は今回、「1,2馬身を稼ぐために内に入れる必要はないと考えていました。ごちゃつかないようにレースを進めることがこの馬にとって重要なことなのです」と述べています

ちなみにオーナーブリーダーの二人は親子で、息子W.ブラッドリー師がグルーピードールの調教師でもあります。5歳の来年も現役を続ける模様。

2012年BCフィリーアンドメアターフのレース映像。ゲート向かって左から2頭目、白のブリンカー装着馬がグルーピードール。


ブリーダーズカップ・フィリーアンドメアスプリント
(Breeders' Cup Filly & Mare Sprint)
2012年11月3日、アメリカ・サンタアニタパーク競馬場、ダート7ハロン
3歳以上牝馬、G1、10頭、レース結果(PDF)、総賞金100万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1グルーピードール
Groupie Doll
4牝
1.7倍
R.マラージ
56.2kg
1分20秒7216戦【9-3-2-2】
重賞6勝目
2ダストアンドダイヤモンズ
Dust and Diamonds
4牝
5.5倍
J.ルパルー
56.2kg
4・1/210戦【5-1-4-0】
重賞2戦目、前走G3勝ち
3スウィッチ
Switch
5牝
11.2倍
G.ゴメス
56.2kg
3・3/424戦【6-7-5-6】
G1で【2-6-2-3】

米G1 BCジュベナイルターフ、愛ジョージバンクーバーが重賞初勝利

2012年ブリーダーズカップ2日目第1レース、米G1 BCジュベナイルターフは逃げ馬の1-2馬身後ろで5,6番手の内ラチ沿いを追走していたジョージバンクーバーが最後の直線で内の狭いところを抜け出すと、外から差した1番人気ノーブルチューンに1・1/4馬身差をつけて優勝し、重賞初勝利をG1で挙げました。このR.ムーア騎手、オーナー、オブライエン調教師は昨年のこのレースをロウトで制しており2連覇です。

JRAで16戦1勝したクライスレリアーナを母に持つ、米重賞2勝馬バランスザブックスが外からよく追い込んでさらにクビ差の3着。

英G3エーコムS.勝ち馬ダンドネルが2番人気4着。米G1ディキシアナブリーダーズF.勝ち馬ジョハが8着。英G3ソラリオS.勝ち馬ファンタスティックムーンが10着。米G1で2戦連続2着だったノウモアが13着。加G3サマーS.勝ち馬アイムバウンドトゥスコアが最下位14着など。


ジョージバンクーバーは父ヘンリーザナヴィゲーター、母ヴェルサイユトリーティ(米G1を4勝)、母の父ダンジグという血統。アメリカ産馬ですが愛エイダン・オブライエン調教師のもとでデビューし、3走前に仏G1モルニー賞(芝1200m)2着。前走の英G1デューハーストS.(芝7ハロン)で3・3/4馬身差の3着していました。

今後は英2000ギニーを目標にするが馬場が鍵だと。硬い方が良いということですね。

ヘンリーザナヴィゲーターは現2歳が初年度産駒ですでに愛G1フェニックスS.(芝6ハロン)勝ち馬のペドロザグレートを輩出しており、ジョージバンクーバーが2頭目のG1勝ち馬となりました。今年までクールモアの米アシュフォードスタッドで繋用されていましたが、来年2013年からアイルランドに移ることが発表されています。

2012年BCジュベナイルターフのレース映像。ゲート向かって右から3頭目、濃紺の勝負服がジョージバンクーバー。


ブリーダーズカップ・ジュベナイルターフ(Breeders' Cup Juvenile Turf)
2012年11月3日、アメリカ・サンタアニタパーク競馬場、芝1マイル
2歳、G1、14頭、Firm、レース結果(PDF)、総賞金100万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ジョージバンクーバー
George Vancouver
2牡
10.3倍
R.ムーア
55.3kg
1分33秒787戦【2-1-1-3】
重賞初勝利
2ノーブルチューン
Noble Tune
2牡
4.9倍
R.ドミンゲス
55.3kg
1・1/43戦【2-1-0-0】
前走米G3を2・3/4馬身差勝ち
3バランスザブックス
Balance the Books
2牡
10.8倍
J.ルパルー
55.3kg
クビ4戦【2-1-1-0】
米G2と米G3を1勝ずつ

2012年11月4日日曜日

米G1 BCマイル、ワイズダンが芝マイルG1を3連勝

2012年ブリーダーズカップ2日目第8レース、米G1 BCマイル(芝1マイル、3歳以上)は、3番手内を追走した1番人気ワイズダンが残り200mで先頭に立つと2着に1・1/2馬身差をつけて完勝しG1競走3連勝です。コースレコードでした。後方2番手を追走したアニマルキングダムが内から伸び、ゴール直前で逃げたオブヴィアスリーを交わして2着。

前走の米G2アロヨセコマイル(芝1マイル)でトレイルブレイザーを2着に負かしていたオブヴィアスリーが3着。

10月の英G1クイーンエリザベス2世S.(芝1マイル)勝ち馬で、というより前走までで14戦8勝2着4回3着1回、敗れた6戦のうちデビュー戦4着を除く5戦の勝ち馬はいずれもフランケルで、他に1頭に先着されたことがあるだけという成績で知られるエクセレブレーションが2番人気4着。オブライエン騎手「すべてが彼には速すぎました」。

前走の仏G1ムーランドロンシャン賞(芝1600m)など仏G1を3勝しているムーンライトクラウドが3番人気8着でした。


ワイズダンは父ワイズマンズフェリー、母リサダニエル(米1勝)、母の父ウルフパワー(南ア年度代表馬)という血統。1歳上の半兄に、米G2アリシーバS.をコースレコードで勝ち、一昨年のクラークH.で1位入線3着降着だったサクセスフルダンがいます。

9月の加G1ウッドバインマイルS.を3・1/4馬身差、10月の米G1シャドウェルターフマイルS.も2馬身差で勝ち、これで芝マイルG1を3連勝しています。また昨年米G1クラークH.(ダート9ハロン)を勝ち、今年唯一ダートを走った米G1スティーヴンフォスターH.(9ハロン)は勝ち馬より約1.8kg、3着馬より2.3kg重い斤量で1着から頭差2着しており、クラシック出走も考えられていました。

ちなみにスティーヴンフォスターH.の勝ち馬が今年のBCクラシックで約8馬身差4着だったロンザグリークで、半兄サクセスフルダンが勝ったアリシーバS.の2着馬が同BCクラシック勝ち馬のフォートラーンドです。


昨年のケンタッキーダービー(ダート10ハロン)勝ち馬アニマルキングダムはプリークネスS.2着ベルモントS.6着後に骨折。今年のドバイワールドカップに向けて復帰戦の2月のアローワンス戦(芝8.5ハロン)を勝っていましたが、3月に再び故障が判明し、今回はそれ以来となる8-9ヶ月の出走でした。


2012年BCマイルのレース映像(埋め込み不可なのでリンク先で)。ゲート向かって右から2頭目がワイズダン。

ブリーダーズカップ・マイル(Breeders' Cup Mile)
2012年11月3日、アメリカ・サンタアニタパーク競馬場、芝1マイル
3歳以上、G1、9頭、レース結果(PDF)、総賞金200万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ワイズダン
Wise Dan
5セン
2.8倍
J.ヴェラスケス1分31秒7820戦【13-1-0-6】
重賞9勝目
2アニマルキングダム
Animal Kingdom
4牡
11.0倍
R.ベハラーノ1・1/29戦【4-4-0-1】
昨年のケンタッキーダービー馬
3オブヴィアスリー
Obviously
4セン
7.2倍
J.タラーモ1/212戦【6-3-2-1】
重賞2連勝中

米G1 BCジュベナイル、シャンハイボビーが5戦無敗のG1競走2勝目

2012年ブリーダーズカップ2日目第5レース、米G1 BCジュベナイル(ダート8.5ハロン、2歳牡セン)は、1番人気シャンハイボビーが2番手追走から3コーナーで早くも先頭に立つと、最終コーナーで最内を抜けた7番人気ヒーズハドイナフが並びかけようとしましたが、シャンハイボビーが頭差残して優勝し、G1競走2勝目を挙げました。

ロージー・ナプラヴニク騎手は女性騎手としては史上2人目のBC勝利。今年のケンタッキーオークスでは史上初めての女性勝利騎手にもなっています。

前走G1フロントランナーS.(ダート8.5ハロン、旧ノーフォークS.)3着のカーポバストーネがここも3着。同レースを6馬身差で勝っていたパワーブローカーが2番人気5着でした。


シャンハイボビーは父ハーランズホリデー、母スティーリン(米ステークス1勝)、母の父オリエンテイトという血統。デビュー2連勝して迎えた米G2ホープフルS.(ダート7ハロン)を3・3/4馬身差で勝ち重賞初勝利。前走10月の米G1シャンペンS.(ダート1マイル)を5馬身差で勝っていました。

先週くらいだったかにクールモアが権利の半分を購入したことが発表されていました。 ハリケーンサンディのため到着が1日遅れ、それ以前には3日間も調教できないという不測の事態も強い競馬で勝利。距離は持たない可能性が高そうですがとりあえずケンタッキーダービー路線に向けて主役になりました。

ちなみに人気薄2着のヒーズハドイナフは2走前に芝ステークス競走で2馬身差6着。前走の重賞初勝利だった米G1ディキシアナブリーダーズフューチュリティ(AW8.5ハロン)は約5馬身差11着に終わっていました。タピット産駒なので初めてのダートが良かったかもしれません。

2012年BCジュベナイルのレース映像。ゲート向かって右から4頭目の黄色の帽子がシャンハイボビー。その1頭右の芦毛がヒーズハドイナフ。


ブリーダーズカップ・ジュベナイル(Grey Goose Breeders' Cup Juvenile)
2012年11月3日、アメリカ・サンタアニタパーク競馬場、ダート8.5ハロン
3歳以上、G1、9頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金200万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1シャンハイボビー
Shanghai Bobby
2牡
2.3倍
R.ナプラヴニク1分44秒585戦【5-0-0-0】
重賞3勝目
2ヒーズハドイナフ
He's Had Enough
2牡
20.6倍
M.グティエレスアタマ4戦【1-1-0-1】
前走AWの米G1で11着
3カーポバストーネ
Capo Bastone
2牡
10.9倍
J.ロザリオ2・1/44戦【1-0-2-1】
米G1デルマーF.4着

2012BCクラシックはフォートラーンドが逃げ切る

2012年ブリーダーズカップのメイン競走、米G1 BCクラシック(ダート10ハロン、3歳以上)は、逃げた5番人気フォートランドが2番手追走の3番人気ムーチョマッチョマンとの追い比べを1/2馬身差で制して優勝し、G1初勝利を挙げました。

Trakus によると11番枠ムーチョマッチョマンは外枠でコーナーも外を回った分、4番枠フォートラーンドより3.6馬身余計に走っていたとのこと。1/2馬身差だから単純に考えれば枠が逆なら逆転していたかもしれません。

前走の米G1ジョッキークラブゴールドカップ(ダート10ハロン)でフォートラーンドを3着に負かし同レース2連覇していた2番人気フラットアウトは9番手追走から追い上げて3着。

3走前の米G1スティーヴンフォスターH.(ダート9ハロン)でフォートラーンドを8着に負かしG1競走2勝目を挙げていたロンザグリーク Ron the Greek が4番人気で4着。

昨年のBCクラシック2着で、ここサンタアニタ競馬場は5戦5勝、うち重賞4勝、G1も3勝(他場でもう1勝)しているゲームオンデュード Game On Dude が単勝2.3倍で抜けた1番人気でしたが先行して7着に終わりました。

2走前に米G1ウッドワードS.(ダート9ハロン)でムーチョマッチョマンをクビ差下して優勝したトゥオナーアンドサーヴ To Honor and Serve は3番手追走も10着。

BC競走2日目のダートのレースはG1フィリーアンドメアスプリント以外、G1ダートマイルもG1ジュベナイルもG1スプリントもG1クラシックも逃げ馬か2番手追走馬が勝っています。


フォートラーンドは父イードバイ、母Arlucea(米1勝)、母の父ブロードブラッシュという血統。デビュー13戦目の今年3月に重賞初出走し、米G3スキップアウェイS.(ダート9.5ハロン)1着。その後、米G1スティーヴンフォスターH.(ダート9ハロン)はロンザグリークの8着など2敗し、米G3コーンハスカーH.(ダート9ハロン)を勝って挑んだ米G1ホイットニー招待H.(ダート9ハロン)はロンザグリークやフラットアウトらを負かしてG1初勝利。

つづく前走の米G1ジョッキークラブゴールドカップ(ダート10ハロン)は1番人気で出走しましたが先行して6馬身差3着に敗れていました。ちなみに昨年のBCクラシック勝ち馬ドロッセルマイヤーは前走のジョッキークラブ金杯で2着、一昨年のブレイムも同2着に敗れていました。これで3年連続ジョッキークラブ金杯組(しかも負けた馬)のBCクラシック勝利となりました。

今年のホイットニー招待H.がG1初勝利だったブライアン・エルナンデス騎手はクラシックの3日が誕生日で27歳になったとのこと。

ウィルキス調教師「前に行きたいと思っていました。こちらは良いスタートを切れ、ゲームオンデュードは良くありませんでした。ブライアンを信じていました。というのはフォートラーンドが彼を信じているからです」

ブライアン騎手「今までで最高の誕生日です。常にフォートラーンドに対して自信を持っていました。イアン(・ウィルキス調教師)をレースについて話し合い、彼のゲームをさせること、彼のやりたいようにさせるようにと指示されていました。彼は良いスピードがあり、私は彼をただ逃げさせただけです。」

2着のリトヴォー調教師「(ムーチョマッチョマンは)勝つ競馬をしました。(しかし)他に素晴らしい馬がいました。自分の馬を誇りに思っています。できることはすべて行った1日でした」

ゲームオンデュードのベハラーノ騎手「スタートは良かったです。何頭かの馬がすぐ交わしていきましたがそれは関係ありませんでした。良い位置につけられましたし、気分良く走っていました。残り600mで仕掛けてみると、突然、ガスが切れたように反応がなくなりました。なぜかは分かりません。理解できませんし説明も出来ません」


2012年BCクラシックのレース映像。ゲート左から4頭目の白の帽子、赤の勝負服がフォートラーンド。右から2頭目がムーチョマッチョマン。


ブリーダーズカップ・クラシック(Breeders' Cup Classic)
2012年11月3日、アメリカ・サンタアニタパーク競馬場、ダート10ハロン
3歳以上、G1、12頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金500万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1フォートラーンド
Fort Larned
4牡
10.4倍
B.エルナンデス2.00.1119戦【8-1-2-8】
米G1ホイットニー招待H.1着
2ムーチョマッチョマン
Mucho Macho Man
4牡
7.3倍
M.スミス1/218戦【6-5-4-】
昨年ケンタッキーダービー3着
前走G1ウッドワードS.2着
3フラットアウト
Flat Out
6牡
7.2倍
J.ロザリオ6・1/220戦【6-4-3-7】
G1ジョッキークラブ金杯2連覇

2012米G1 BCターフ、リトルマイクがG1競走3勝目。トレイルブレイザーは4着

現地時間11月3日に行われた米G1 BCターフ(芝12ハロン、3歳以上)は、5番手追走のトレイルブレイザーが最終コーナーで前を捕らえに自ら動きましたが、3番手追走のリトルマイクが先に抜け出して優勝し、G1競走3勝目を挙げました。

後方4,5番手追走の米ポイントオブエントリーが差して2着し、北米調教馬のワンツー。トレイルブレイザーの直後を追走していたセントニコラスアビーが3着。さらに後ろを進んだ昨年の凱旋門賞2着馬シャレータが5着でした。

トレイルブレイザーは直線入り口でいったんはリトルマイクまで1馬身ほどに詰めたのですが、突き放されてしまいました。セントニコラスアビーから1馬身差、シャレータにクビ差先着なら芝12ハロンで世界のトップクラスにあるといえますが。前日の怪我の影響は同だったでしょうね。

ラップは23.83、46.77、1.10.80、1.35.28、2.22.83でBCターフのレースレコード。またコースレコードに匹敵(レコードが2分22秒8)。


リトルマイクは父スパニッシュステップス、母ヘイジュード、母の父ウェヴェリングモナークという血統。5月に米G1ターフクラシックS.(芝9ハロン)を8番人気で逃げ切ってG1初勝利。1走はさんで8月の米G1アーリントンミリオン(芝10ハロン)も優勝。前走の米G1ジョーハーシュターフクラシックS.(芝12ハロン)は不良馬場を逃げてポイントオブエントリーの5着に終わっていました。

父スパニッシュステップスは未出走馬ですが、アンブライドルズソングの全弟という良血。

2012年BCターフのレース映像。3番手オレンジの勝負服がリトルマイク。


ブリーダーズカップ・ターフ(Breeders Cup Turf)
2012年11月3日、アメリカ・サンタアニタパーク競馬場、芝12ハロン
3歳以上、G1、12頭、Firm、レース結果(PDF)、総賞金300万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1リトルマイク
Little Mike
5セン
18.3倍
R.ドミンゲス2.22.8321戦【12-2-1-6】
G1競走3勝目
2ポイントオブエントリー
Point of Entry
4牡
3.4倍
J.ヴェラスケエス1/215戦【7-3-1-4】
G1・3連勝
3セントニコラスアビー
St Nicholas Abbey
5牡
4.4倍
J.オブランエン3/419戦【7-2-7-2】
BCターフなどG1競走4勝
4トレイルブレイザー
Trailblazer
5牡
7.0倍
武豊122戦【6-2-2-12】
アルゼンチン共和国杯
5シャレータ
Shareta
4牝
5.3倍
C.ルメールクビ15戦【5-5-2-2】
昨年の凱旋門賞2着

2012年11月3日土曜日

米G1 BCレディースクラシック、ロイヤルデルタが2連覇。クエスティングがライフアットテンしてしまう


2012年ブリーダーズカップ第1日目の第6最終レース、米G1 BCレディースクラシック(ダート9ハロン、3歳以上牝馬)は、1番人気のロイヤルデルタが6番枠から逃げると、6戦無敗の3歳牝馬マイミスオーレリアに1・1/2馬身差をつけて完勝し、このレース2連覇、G1競走4勝目を挙げました。B.モット調教師はこのレース3連覇。

2010年のBCジュベナイルフィリーズなどG1・4勝を含む10戦10勝のオーサムフェザーが2番人気で6着。2011年のG1 BCジュベナイルフィリーズでマイミスオーレリアの2着だったグレースホール(今年のケンタッキーオークス3着馬)が4着。

2走前の米G1アラバマS.(ダート10ハロン)9馬身差圧勝、前走G1コティリオンS.(ダート8.5ハロン)はマイミスオーレリアより約3kg重い斤量で頭差2着したクエスティングが4番人気でしたが、スタート直後から最後方で、向こう正面に入ったあたりでレースを止めてしまいました。レース後も怪我などの異常は発見されなかったようで凡走の原因は3日時点で不明。

ちなみに2年前のこのレースでも2番人気のライフアットテンがスタート直後からまったくついていけず最下位に敗れたことがあります。このときはレース直前にヴェラスケス騎手が「様子がおかしい」と話していたことなどが分かり、関係者は事前に異常を分かっていたのではないかと大問題になりました。詳しくは「2010年ブリーダーズカップにおけるLife At Ten事件(その1) - 馬メモ」などをご覧ください。


ロイヤルデルタは父エンパイアメーカー、母デルタプリンセス(米G3を3勝)、母の父エーピーインディという血統。昨年のアラバマS.BCレディースクラシックで米G1を2勝し、前走の米G1ベルデイム招待S.(ダート9ハロン)は9馬身差で圧勝していました。

今後は今年9着に終わったドバイワールドカップに来年も出走する計画が伝えられており、ぜひ現役を続けて欲しいところです。

2012年BCレディースクラシックのレース映像。


参考2010年のレディースクラシックのレース映像。


ブリーダーズカップ・レディースクラシック(Breeders' Cup Ladies' Classic)
2012年11月2日、アメリカ・サンタアニタパーク競馬場、ダート9ハロン
3歳以上牝馬、G1、8頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金200万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ロイヤルデルタ
Royal Delta
4牝
2.7倍
M.スミス
56.2kg
1分48秒8015戦【9-3-1-2】
重賞7勝目
2マイミスオーレリア
My Miss Aurelia
3牝
7.2倍
C.ナカタニ
54.8kg
1・1/27戦【6-1-0-0】
米G1コティリオンS.など
3インクルードミーアウト
Include Me Out
4牝
13.1倍
J.タラーモ
56.2kg
1・1/413戦【6-3-2-2】
米G1を2勝

米G1 BCフィリーアンドメアターフ、ザゴラがG1競走2勝目

2012年ブリーダーズカップ1日目の第5レース、米G1 BCフィリーアンドメアターフ(芝10ハロン、3歳以上)は、4番手内を追走した4番人気ザゴラが最後の直線で前の2頭の外に持ち出されると、2番手追走からいったん先頭に立った3番人気マーケティングミックスを3/4馬身差交わして優勝し、重賞8勝目、G1競走2勝目を挙げました。

英G1ナッソーS.(約10ハロン)を古馬相手に勝っている1番人気の3歳ザフューグは、ザゴラの直後を追走し直線入り口では外に行ったザゴラの内から並びかけていましたが、前が一瞬壁になって追えなかったシーンがありさらに1/2馬身差の3着。

前走米G1フラワーボウル招待S.(芝10ハロン)でザゴラを下していた昨年の2着馬ナーレインは10着。前走仏G1オペラ賞(芝2000m)勝ち馬リダジーナは4着。米G1デルマーオークス(芝9ハロン)など米芝G1を2連勝中だったレディオブシャムロックは5着。上位5頭のうち3頭は欧州からの移籍また遠征馬でした。


ザゴラは父グリーンチューン、母Zaneton、母の父ムトトという血統のフランス産馬。

2010年にフランスで3歳牝馬G3を2勝したあと米移籍。昨年7月に米G1ディアナS.(芝9ハロン)でG1初勝利。その後はG2とG3を計4勝しつつG1はディアナS.3着、フラワーボウルS.2着など惜しい競馬で勝てていませんでした。久しぶりにG1勝ちし、これでG1は【2-2-1-2】と素晴らしい成績です。

BC2勝目のブラウン調教師は「彼女は(サンタアニタのかな?)芝を好んでおり、輸送もうまく行き、順調に調整が出来ました。すべてが彼女のために用意された、これ以上ない完璧な条件でした」と述べています。ブラウン師のG1初勝利はサゴラのディアナS.だったんですね。「私にとって特別な馬です」と。

2012年BCフィリーアンドメアターフのレース映像。


ブリーダーズカップ・フィリーアンドメアターフ
(Breeders' Cup Filly and Mare Turf)
2012年11月2日、アメリカ・サンタアニタパーク競馬場、芝10ハロン
3歳以上、G1、11頭、Firm、レース結果(PDF)、総賞金200万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ザゴラ
Zagora
5牝
10.2倍
J.カステリャーノ
56.2kg
1分59秒7022戦【10-5-3-】
G1【2-2-1-2】
重賞8勝目
2マーケティングミックス
Marketing Mix
4牝
6.6倍
G.ゴメス
56.2kg
3/416戦【8-4-1-3】
重賞5勝、前走米G1勝ち
3ザフューグ
The Fugue
3牝
2.6倍
W.ビュイック
54.4kg
1/28戦【3-2-2-1】
英G1ナッソーS.1着

米G1BCジュベナイルフィリーズターフ、仏フロティラが重賞初勝利

2012年ブリーダーズカップ1日目の第3レース、米G1ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズターフ(芝1マイル、2歳牝馬)は、中団内を追走した仏フロティラが外から差し切って優勝し、重賞初勝利をG1で挙げました。

米G3ミスグリロS.(芝8.5ハロン)を勝っていたワッツダチャンスズが2着。前走米G3ジェサミンS.(芝8.5ハロン)3着のサマーオブファンが13番人気で3着。

前走愛G1モイグレアスタッドS.勝ち馬スカイランタンが1番人気でしたが8着。加AW重賞を2連勝中だったスプリングヴェンチャーは2番人気13着。


フロティラは父ミゼンマスト、母ルーヴァン(米G3勝ち)、母の父シンダーという血統のフランス産馬。ルメール騎手、デルザングル調教師、カタール・アルターニ王家の所有馬というトリオは昨年メルボルンカップを勝ったドゥナデンと同じ。

2戦目で初勝利を挙げたあと、仏G3オマール賞(芝1600m)で2・3/4馬身差5着、仏G1マルセルブサック賞(芝1600m)1・3/4馬身差4着してここに挑んでいました。この2走は渋った馬場で、一方で時計勝負も合いそうな血統だからこの日の硬い馬場は合っていたんじゃないでしょうか。

BC初勝利のルメール騎手は「私にとって大きな達成です。ブリーダーズカップは競馬界でとても重要であり、私のキャリアでまだ手にしていないものでした。ペースが速くなくすこし心配しましたが、仕掛けるととてもよく反応してくれました」


2012年BCジュベナイルフィリーズターフのレース映像。 ゲート向かって右から4頭目、シャドーロール装着馬がフロティラ。


ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズターフ
(Breeders' Cup Juvenile Fillies Turf)
2012年11月2日、アメリカ・サンタアニタパーク競馬場、芝1マイル
2歳牝馬、G1、14頭、Firm、レース結果(PDF)、総賞金100万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1フロティラ
Flotilla
2牝
12.4倍
C.ルメール1分34秒645戦【2-0-0-3】
重賞初勝利
2ワッツダチャンスズ
Watsdachances
2牝
7.0倍
J.カステリャーノ1・1/45戦【3-1-1-0】
米G3勝ち
3サマーオブファン
Summer of Fun
2牝
44.3倍
R.ドミンゲス1/25戦【1-0-2-2】
前走G3僅差3着

米G1BCジュベナイルフィリーズ、ビホールダーが逃げ粘る。無敗エグゼクティヴプリヴィレッジは2着

2012年ブリーダーズカップ競走1日目の第4レース、米G1 BCジュベナイルフィリーズ(ダート8.5ハロン、2歳牝馬)は、逃げたビホールダーが最後の直線で1番人気のエグゼクティヴプリヴィレッジに追い上げられましたが、残り200mから1馬身のリードを守りきって優勝し、重賞初勝利をG1で挙げました。

米G1フリゼットS.(ダート1マイル)勝ち馬ドリーミングオブジュリアが3着。米G1アルシバイアディーズS.(AW8.5ハロン)勝ち馬スプリングインジエアーが5着。


ビホールダーは父ヘニーヒューズ、母レスリーズレディ(ステークス1勝含む米5勝)、母の父トリッキークリークという血統

前走アローワンス(ダート6ハロン)11馬身差圧勝。2走前の米G1デルマーデビュタントS.(AW7ハロン)はエグゼクティヴプリヴィレッジにハナ差交わされて2着。そのエグゼクティヴプリヴィレッジはその次走9月末の米G1シャンデリアS.(ダート8.5ハロン)をダート初出走で6馬身差圧勝しており、個人的にこの1日目で1番堅い本命だと思っていたのですが、最終コーナーで反応が悪く直線でも外に大きく寄れて、2着に来たとはいえあまり良い競馬は出来ませんでした。

2012年BCジュベナイルフィリーズのレース映像。1番枠がビホールダー、2番枠がエグゼクティヴプリヴィレッジ。


ブリーダーズカップ・ジュベナイルフィリーズ
(Grey Goose Breeders' Cup Juvenile Fillies)
2012年11月2日、アメリカ・サンタアニタパーク競馬場、ダート8.5ハロン
2歳牝馬、G1、8頭、レース結果(PDF)、総賞金200万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ビホールダー
Beholder
2牝
4.9倍
G.ゴメス
55.3kg
1.43.615戦【3-1-0-1】
2走前に米G1で2着
2エグゼクティヴプリヴィレッジ
Executiveprivilege
2牝
2.5倍
R.ベハラーノ
55.3kg
16戦【5-1-0-0】
重賞3勝
3ドリーミングオブジュリア
Dreaming of Julia
2牝
5.5倍
J.ヴェラスケス
55.3kg
4・1/44戦【3-0-1-0】
前走G1勝ち

BCジュベナイルスプリント、ハイテイルが9戦目初勝利。BCマラソンは亜カリドスコーピオが重賞7勝目

米ブリーダーズカップ競走1日目の第1レースBCジュベナイルスプリント(ダート6ハロン、2歳)は、4番手追走の最低人気ハイテイルが最後の直線で単勝1.5倍の1番人気メリットマンを内から交わして優勝し、デビューから9戦目の初勝利をBCで挙げました。

米G1スピンアウェイS.(ダート7ハロン)2着馬スイートシャーリーメイが3着。英G2クイーンメアリーS.(芝5ハロン)勝ち馬のエイシーリングキティは初ダートが合わなかったのか最下位5着に敗れました。


ハイテイルは父マインシャフト、母ストーミーレネ(米1勝)、母の父ストームキャットという血統。シアトルスルーの3×4、セクレタリアトの4×4。祖母のフリートレネが米G1アシュランドS.、米G1マザーグースS.勝ち馬です。

前走の米G1ディキシアナブリーダーズフューチュリティー(AW8.5ハロン)は2・3/4馬身差の6着。唯一連対したのは芝6ハロンの未勝利馬戦で頭差2着。ダート6ハロンだと米G3バシュフォードマナーS.3・1/4馬身差4着がありますが、ダートも5戦して未勝利でどうにも評価しづらいところでした。


2012年BCジュベナイルスプリントのレース映像

ブリーダーズカップ・ジュベナイルスプリント(Breeders' Cup Juvenile Sprint)
2012年11月2日、アメリカ・サンタアニタ競馬場、ダート6ハロン
2歳、非重賞、5頭、Fast、レース結果、総賞金50万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ハイテイル
Hightail
2牡
16.4倍
R.マラージ
55.3kg
1.09.759戦【1-1-2-5】
初勝利
2メリットマン
Merit Man
2牡
1.5倍
P.ヴァレンズエラ
55.3kg
ハナ3戦【2-1-0-0】
前走ステークス5馬身差1着
3スイートシャーリーメイ
Sweet Shirley Mae
2牝
4.6倍
J.ロザーリオ
54kg
2・1/44戦【1-1-1-1】
米G1で2着



第2レースBCマラソン(ダート14ハロン、3歳以上)は、これが米初戦だったアルゼンチンからの遠征馬カリドスコーピオが最後方追走から最終コーナーで内を回って進出すると最後の直線では外を突き抜け2着に4・1/4馬身差をつけて完勝し、重賞7勝目を挙げました。

芝G1で3着2回、重賞2勝も芝のグラッシーが2着。米G1ベルモントS.(ダート12ハロン)2馬身差3着の1番人気アティガンが逃げてさらに1/2馬身差の3着。愛ダービー馬フェイムアンドグローリーは2番人気も途中でまったく付いていけなくなり半分くらいを過ぎたところで馬群から取り残され追走するのを止めました(ゴールは通過したかもしれません)。この1年は完全に余計だったなと。これで引退すると発表されました。


カリドスコーピオは父ルフク、母カルデロナ、母の父レフティという血統のアルゼンチン産馬。全兄Cumbrecita が亜G1イグナシオ&イグナシオF.コレアス大賞(ダート2500m)勝ち馬。

自身も09年の亜G1アルゼンチン共和国大賞(ダート2000m)勝ち馬であり、またダート2500mの重賞を4勝、芝3000mの重賞を1勝しています。9歳馬ですが前走6月の亜G2ヘネラルベルグラーノ賞(ダート2500m)を勝つなどまだまだ衰えることなく走っており、ダート長距離適正と、マラソンはどうせ相手が揃わないことを見越した遠征と思われ会心の勝利でしょう。

フランケル調教師は「とてもとても興奮しています。すごく自信がありました」。BC初勝利のグライダー騎手「残り800mで勝てると思い始めていました。アルゼンチンのレースをいくつかあらかじめ見ており、7,8馬身差なら簡単に詰めてくれることが分かっていました。」



ブリーダーズカップ・マラソン(Breeders' Cup Marathon)
2012年11月2日、アメリカ・サンタアニタ競馬場、ダート14ハロン
3歳以上、G2、13頭、Fast、レース結果(PDF)、総賞金50万ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1カリドスコーピオ
Calidoscopio
9牡
18.2倍
A.グライダー
57.1kg
2.57.2540戦【10-5-8-17】
重賞7勝目
2グラッシー
Grassy
6牡
14.9倍
G.ゴメス
57.1kg
4・1/420戦【5-4-3-8】
重賞2勝
3アティガン
Atigun
3牡
4.1倍
M.スミス
57.1kg
1/214戦【3-1-2-8】
米G1ベルモントS.3着
米G1ジョッキークラブGC4着

2012年11月1日木曜日

ソレミアがジャパンカップ招待受諾。シリュスデゼーグルは?

JRAは11月1日、ジャパンカップ予備登録馬のうち次の4頭について招待を受諾する連絡があったと発表しました。

ジャッカルベリー(G1ドバイシーマクラシック3着
レッドカドー(豪G1メルボルンカップ2着など)
スリプトラ(英G1エクリプスS.3着など)
ソレミア(仏G1凱旋門賞1着
ジャパンカップ(GI)外国馬情報-招待受諾馬-
参考:ジャパンカップ(GI)・ジャパンカップダート(GI)-海外からの予備登録馬-


10月27日付のレーシングポスト紙によるとジャパンカップではオリビエ・ペリエ騎手が騎乗する予定です(ソレミアが3歳牝馬ならペリエ騎手は斤量の問題で乗れなかった)。また出走すればジャパンカップがソレミアの引退レースとなる見込みです。


またレッドカドーとジャッカルベリーは6日のメルボルンカップ出走のためオーストラリア入りしており、レース間隔や輸送を考慮すると出走してこない可能性が高いと思われます。


ちなみに昨日10月31日に香港ジョッキークラブが掲載した記事で、バランドバルブ調教師がシリュスデゼーグルについて香港国際競走の前にジャパンカップに出走する、または香港直行する予定であると述べていました。

昨年は10月27日に招待受諾馬4頭が発表、その記事の下部に
エリザベス女王杯(GI)に出走予定のダンシングレイン号及びスノーフェアリー号は、同レース後にジャパンカップ(GI)への出否について決定する予定です。
と但し書きがあり、 11月14日にスノーフェアリーの回避が発表されるという順だったんですが、今年の招待受諾に関する記事には他の予備登録馬についてまったく言及されていないので分かりません。



以下、過去の記事でお伝えしたことのアップデート。

10月7日のマジャールセントレジャーに史上5頭目のハンガリー3歳3冠がかかっていたサンデーサイレンスの孫ラティンラヴァーは故障のため同競走を回避しました。ハンガリー語のサイトしか見つからないのでどのような故障かは不明。


10月6日の英準重賞に登録していることをお伝えしたディープインパクト産駒のサンデーベスは枠順確定後に出走を取り消しました。本日11月1日の英準重賞に出走予定。
Today's Racing Cards & Runners | 01 November 2012 | Racing Post


凱旋門賞7着に終わったキャメロットは同レース中に3本落鉄していたそうですが、さらにその後、疝痛のため手術を受けました。術後の経過は良好だそうです。疝痛前に発表されていた現役続行プランは疝痛後も有効で4歳の来年も走るとのこと。


チェコで種牡馬入りしたポップロックは牝馬にあまり興味がなく種付け数をあまりこなしていないらしく、産駒数が少ないそうです
過去記事:ポップロック初仔の誕生ビデオ