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2012年11月6日火曜日

豪G1メルボルンカップ、グリーンムーンが33秒6の末脚でG1競走2勝目

11月6日にオーストラリア競馬の祭典、豪G1メルボルンカップ(芝3200m、3歳以上ハンデ)が24頭立てで行われ、7番手内ラチ沿いを追走した8番人気グリーンムーンが最終コーナー出口で徐々に外に持ち出されると、最後の直線では内から4頭目に進路を取り、上がり600mを33秒6の末脚で差し切って優勝し、G1競走2勝目を挙げました。

日本で騎乗することも多く、06年の安田記念をブリッシュラックで優勝したB.プレブル騎手はメルボルンカップ初勝利。オーナーのロイド・ウィリアムズ氏はこのレース4勝目。

2012年メルボルンカップのレース映像。ゲート右から5頭め、白の帽子、黒の胴に袖が白の一本輪の勝負服がグリーンムーン。16番枠、黄色の勝負服のドゥナデンが落馬しそうになったというシーンは6-7秒あたり。アメリカインの後ろを内に入ろうとしているときです。


道中グリーンムーンとほぼ同位置の外側を追走した14番人気フィオレンテが同じ上がりで1馬身差の2着で、これはレース後半1馬身ほど後ろにいたそのままの差が出ました。15番手付近を追走した20番人気ジャッカルベリーは最終コーナーで内を回って距離を稼ぎ、上がり最速の33.53秒を繰り出して3着に追い込んでいます。3番手先行のケリーニが4着に粘りこみ。

昨年の勝ち馬ドゥナデンは59kgのトップハンデでも1番人気に支持されましたが後方20番手からの競馬になり、直線では外に持ち出されるも伸びず14着に終わりました。スタート直後に落馬しそうになったというC.ウィリアムズ騎手はメルボルンカップ初勝利ならず。ちなみに同騎手はグリーンムーンの前走まで5戦連続で騎乗していました。昨年2着のレッドカドーはドゥナデンのすこし前から外を追い込んで6馬身差の8着。一昨年の勝ち馬アメリカインは11着など。

私が本命にしたマウントアトスは3・1/2馬身差の5着。上がり3ハロンは24頭中2番目に速い33.55秒だったのですが13番手追走でも後ろすぎました。予想は4着まで無印→無印→△→無印と大はずれ。8番人気→14番人気→20番人気→同オッズ8番人気とか当たりません。


レース後の各調教師のコメントによるとジャパンカップに予備登録されているマウントアトスと、招待を受諾しているジャッカルベリーレッドカドーの3頭については来日の可能性がまだあります。日本時間6日午後10時ごろまでに読んだ記事では、状態を見てからと当然の留保つきですが次走候補と述べられており、行かないと明言した陣営はありません。もしレッドカドーが来ればE.ダンロップ師の管理馬は過去2年のスノーフェアリーとあわせて3年連続の来日ですがしかし同馬のオーナーは香港の人なのでやはり香港直行しそうですけど。


午後は雨の予報も実際にはレース前にぱらついた程度だったようでフレミントン競馬場は良馬場のまま。

過去3年の勝ちタイムとレースの上がり3ハロンは次のとおりであり、今年は過去2年に比べて前にいないと勝負にならなかったです。
馬場勝ちタイム上がり600m
2012年3分20秒4534秒07
2011年3分20秒8436秒18
2010年3分26秒8736秒70

昨年は第4レース後に、今年は第2レース後に Dead(4)からGood(3)に回復していたから今年のほうが良い馬場だったでしょう。メルボルンカップデイの去年と今年の同じレース(準重賞以上)を比べても次のとおりで、明らかにペースの緩んだ1800m戦をのぞいて今年のほうが速いです。
距離2011年2012年
2歳牝馬 準重賞芝1000m58秒5556秒73
古馬牝馬G3芝1400m1分22秒471分21秒01
3歳牝馬 準重賞芝1400m1分23秒291分22秒21
準重賞芝1800m1分48秒421分50秒04
準重賞芝1200m1分10秒001分09秒11


グリーンムーンは父モンジュー、母グリーンヌーン(仏G1で2着)、母の父グリーンチューンという血統 のアイルランド産馬。サドラーズウェルズ、グリーンヴァレー(グリーンダンサーなどの母)、Val De Loirの5代内クロスという組み合わせは今年の凱旋門賞馬ソレミアと同じ。

英デビュー後8戦して準重賞1勝とまずまずの成績を挙げたあと、2011年に豪移籍。移籍4戦目に豪G3ニューキャッスルゴールドカップ(芝2300m)で重賞初勝利。その次走、昨年の豪G1コーフィールドカップ(芝2400m)で2着。その後マイルの豪G2を勝つなどして出走した2走前10月の豪G1ターンブルS.(芝1800m)はレースの上がり33秒99のところ自身は33秒77で締めてG1初勝利を挙げていました。

前走の豪G1コックスプレート(芝2040m)は1番人気7着。同レースの上がり3ハロンは36秒86でした。コックスプレートのムーニーヴァレー競馬場は小回りで直線わずか173m。ターンブルS.とメルボルンカップのフレミントン競馬場は直線450m。つまり直線が長いコースかまたはスローペースの上がりの速い勝負が得意そうです。

次走は不明。早くも来年のメルボルンカップのオッズを出しているとことがあり、今年2着フィオレンテが11倍で1番人気、5着マウントアトスが13倍2番人気、1着グリーンムーンが20倍4番人気など。


上位7頭までアイルランド産馬が独占。4頭出走のニュージーランド産馬は9着が最高。地元オーストラリア産馬の出走は2頭だけで4月の豪G1シドニーカップ(芝3200m)勝ち馬ニウォットが15着、4月の豪G1オーストラリアンダービー(芝2500m)勝ち馬エチオピアが最下位24着。

各騎手のコメント(「Melbourne Cup: What the jockeys said」より抜粋)
B.プレブル(1着グリーンムーン)「すこし速く仕掛けすぎたかもしれませんが、止まる気はしませんでした」
J.マクドナルド(2着フィオレンテ、ちなみにこの騎乗で14日間の騎乗停止)「直線に向いたときはすべての(一生分の、かな)クリスマスがやってきたように感じましたが勝てませんでした」
C.オドノヒュー(3着ジャッカルベリー)「私たちは彼が素晴らしいパフォーマンスを示しうると考えていました。実際に今日、そうした力があることを見せてくれました。」
R.ムーア(5着マウントアトス)「彼にはペースが遅すぎました」
M.ロッド(8着レッドカドー)「ペースが落ち着きすぎてしまいましたが彼は良く走っています」
D.オリヴァー(11着アメリカイン)「スローペースが向きませんでした」
C.ウィリアムズ(14着)「スタート直後に落馬しかけました。スローペース、重いハンデ(が敗因で今後は)馬齢定量戦の、より短い距離のほうがいいでしょう」

メルボルンカップ(Emirates Melbourne Cup)
2012年11月6日、オーストラリア・フレミントン競馬場、芝3200m
3歳以上ハンデ、G1、24頭、レース結果、総賞金600万豪ドル

馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1グリーンムーン
Green Moon
5牡
20倍
B.プレブル
53.5kg
3分20秒4520戦【7-3-0-10】
重賞4勝目
2フィオレンテ
Fiorente
4牡
31倍
J.マクドナルド
53.5kg
10戦【2-4-0-4】
2走前英G2勝ち
3ジャッカルベリー
Jakkalberry
6牡
81倍
C.オドノヒュー
55.5kg
1・1/426戦【10-2-4-10】
伊G1ミラノ大賞1着
G1ドバイシーマクラシック3着

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