2010年10月8日金曜日

ディープインパクト産駒"Barocci"がフランスでデビュー

現地時間10月7日、フランス・サンクルー競馬場で行われた2歳新馬戦に父ディープインパクトバロッチ Barocci が出走し、1着から2馬身差の2着でした。

(追記:「ディープインパクト産駒 Barocci の仏デビュー戦を写真で紹介」でレースぶりを詳しく紹介しています)

海外競馬解説でおなじみ「世界の合田」こと合田直弘さんによると、バロッチは
父ディープインパクト産駒の日本産馬。フランスのヴィルデンシュタイン家が、所有する牝馬を日本へ送り、ディープを交配されて日本で出産。
合田直弘Official Blog: 欧州の父ディープインパクトより一部引用
調教師はエリー・ルルーシュで、今回騎乗したジョッキーは、短期免許で来日したこともあるアントニー・クラストゥス

レース前には仏スポーツ紙レキップが、「日本の競走馬で凱旋門賞にも出走したあのディープインパクトの産駒であるバロッチがプリンスビオ賞に出走予定、ディープインパクト産駒がフランスで走るのはこれが初めて」と報じるなど、バロッチは仏競馬界からも注目されていた模様。

プリンスビオ賞 Prix Prince Bio
サンクルー競馬場・芝1600m、未出走2歳牡セン
15頭立て、不良馬場
1着 Ziyarid C.ルメール 1分50秒00
2着 Barocci(2番人気)A.クラストゥス、2馬身差
3着 Durer(1番人気)C.スミヨン、ハナ差

馬場状態が悪く 1600m戦の勝ちタイムが1分50秒00ですから、サンデーサイレンス系ディープインパクト産駒であるバロッチには厳しかったかもしれません。それでも2着は確保し、フランスの2歳戦はこのサイトによると、11月中旬ごろまで重賞戦線があるので、2歳戦だけでもまだまだこれからなので注目です。

このレースは良血馬が多く、たとえば3着 Durer は、仏G1フォレ賞勝ち馬 Dedication と、仏グループレース2勝 Dunkerque の弟です。また6番人気13着だった Rock Climber は、G1仏2000ギニー(2009年)勝ち馬シルヴァーフロストの弟。9着 Mambonut(父キングマンボ)の母Nutcase は自身未勝利なものの、G3勝ち馬でマキャベリアンなどG1馬3頭の母でもある Coup de Folie の妹であり、さらに3代母がノーザンダンサーの母であるナタルマ。1着 Ziyarid の5代母は、2008年に無敗で凱旋門賞を制覇した7戦全勝の名牝ザルカヴァの4代母であるザーラです。


そしてバロッチはというと。バロッチの日本語の5代血統表はこちら。母バステットはフランスで準重賞1勝、G3で2着と3着が1度づつある。またバロッチの祖母 Benediction はオーストラリアの名種牡馬ザビールとの間に、G1メルボルンカップ(芝3200m)などオーストラリアの中・長距離G1競走7勝のマイトアンドパワーを生んでいます。バロッチもかなりの良血です。
母父ジャイアンツコーズウェイは現役時代G1競走5連勝を含むG1レース6勝を挙げた名馬。種牡馬としては、仏3歳クラシック2冠馬シャマルダルなど多数のG1馬を輩出し、世界中で産駒が大活躍しています。日本ではスズカコーズウェイやエイシンアポロンなど比較的短いところで産駒が活躍し、海外でも、レースの多くが2000mぐらいまでのアメリカはともかく、長距離レースもそろっているヨーロッパでもマイルから2000mぐらいまでで産駒が活躍していて、日本での産駒成績と同様距離に上限がある感じです(シャマルダルは仏ダービーが2100mに短縮された最初の年の勝ち馬)。

産駒がデビューしてまだ数ヶ月の父ディープインパクトの距離適性が不明なため、確かなことはいえませんが、バロッチは 2100mの仏ダービーならいけそうですが、2400mの凱旋門賞は難しそうな感じもします。でも大活躍できるよう応援したい。


バロッチの馬名の由来はおそらく、16世紀イタリアで活躍した画家のフェデリコ・バロッチと思われます。馬主のウィルデンシュタイン家は画商ですしね。

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