2010年12月12日日曜日

強すぎる!スノーフェアリーが香港カップ優勝

12日に香港・シャティン競馬場で行われたG1香港カップは、日本エリザベス女王杯を勝って望んだ英愛オークス馬スノーフェアリーが優勝しました。G1通算4勝目で、牡馬相手の重賞勝利は初めて。

動画予備1予備2


スノーフェアリーは最後の直線を向いた時点(残り約400m)で後ろから2頭目。そこから猛然と追い込んでゴール直前で地元・香港のイリアン Irian を交わしました。スノーフェアリーは牡馬相手だとリステッドレース勝ちはありますが、重賞ではG1英セントレジャー4着などがあるだけでこれまで未勝利でした。

上から残り800m、400m、200m地点。残り800m地点で1着 Snow Fairy は後方2番手、2着 Irianは 後ろから6番手、3着 Packing Winner は先頭、4着Vision D'Etat は後ろから3頭目と、先行馬に厳しいレースでした

2着イリアンは前走G2キャセイパシフィックジョッキークラブカップ(シャティン芝2000m)優勝。09年独2000ギニー勝ち馬でもあります。休養を経た2走前ぐらいから調子が良かったようです。

3着は前述G2キャセイパシフィックJCでイリアンの2着だったパッキングウィナー Packing Winner。ほかにあまり良成績の無いこの馬が人気薄で3連系の馬券は高配当になりました。

4着に前走英チャンピオンS.2着で昨年のこのレース勝ち馬ヴィジョンデタ Vision D'Etat。G1競走4勝馬ですが、今年はあまり順調に使えていないようで、完調ならもっとやれたかと思います。5着はプランテュール Planteur、凱旋門賞は19着でしたが、仏ダービー2着、パリ大賞2着とG1戦2着2回のほか、凱旋門賞の前哨戦G2ニエル賞ではヴィクトワールピサにも先着して2着でした。6着スーパーサテン Super Satin は今年の香港ダービー馬。8着スタセリタ Stacelita は仏牝馬G1競走4勝馬。

過去記事:
フェイムアンドグローリー3連勝、英オークスは伏兵スノーフェアリーが勝利
スノーフェアリーが愛オークス快勝で英愛オークス連覇
スノーフェアリーが2着だった英G1ナッソーS.のレース結果・動画の紹介

香港マイルはエーシンフォワードが1・1/4馬身差4着

12月12日、香港・シャティン競馬場で G1香港マイルが行われ、日本から出走したエーシンフォワード(牡5、栗東・西園)は4着でした。勝ったのは地元・香港のビューティフラッシュ Beauty Flashでした。

香港マイルのレース映像はこちら。"Broadband"をクリックすると、動画ページが開きます。YouTube の動画はなぜかマイルだけ見つからないです。


1着ビューティフラッシュは今年の安田記念でショウワモダンの11着でした。今年1月のG1香港クラシックマイルで重賞初勝利。その後はG1香港ダービー4着、G1チャンピオンズマイル3着などがあるが、G2、G3戦でも4,5着が続いていました。この勝利で重賞2勝目を挙げています。父は英2000ギニーやキングジョージを勝ったゴーラン、母父はニュージーランドでこれまで8回リーディングサイヤーに輝いている Volksraad(その父グリーンデザート)。


3/4馬身差2着はフランスから出走したロイヤルベンチ Royal Bench(3牡)。フランスダービー14着のあと、リステッド競走1勝をはさんで G1ジャック・ル・マロワ賞5着、前走仏マイルG2ダニエル・ウィルデンシュタイン賞は3馬身差で快勝していた。その実績に比べるとここはすこし人気薄で高配当になりました。


1着から1・1/4馬身差3着は英G1サンチャリオットS.2連覇のサプレザ(5牝)。2年連続で来日し、G1マイルチャンピオンシップで09年3着、2010年4着しており日本の競馬ファンにもおなじみ。

サプレザから1/4馬身差4着にエーシンフォワードでした。ほかにシンコウキング産駒で09年G1香港クラシックマイル勝ちなどがあるサムズアップ Thumbs Upが6着、安田記念で6着(09年)、5着(2010年)があるサイトウィナー Sight Winnerが7着、昨年まで香港マイル3連覇していたグッドババ Good Ba Baは10着、09年英2歳G1デューハーストS.勝ち馬ベートーベンは12着。英仏でG1競走3勝があるなど、欧州マイル路線で上位安定しており欧州勢では最有力と見られていたパコボーイ Paco Boyはまさかの最下位13着でした。

2010年香港スプリントはジェイジェイザジェットプレーンが優勝

香港ヴァースに続いて行われたG1香港スプリントは南アフリカのジェイジェイザジェットプレーン J J The Jet Planeが優勝。シンガポールの最強スプリンターロケットマン Rocket Manが2着、香港の最強スプリンターセイクリットキングダム Sacred Kingdom が3着でした。

香港スプリントのレース映像はこちら。(動画予備。香港ジョッキークラブのサイト)


勝ち馬ジェイジェイザジェットプレーンの経歴についてはこの記事が詳しい。

前走のG2香港ジョッキークラブスプリントでロケットマンと1着同着だったワンワールド One Worldは13着、今年日本のスプリンターズステークスを勝ったウルトラファンタジーが最下位14着、そのスプリンターズステークス7着だったグリーンバーディー は10着でした。

ジャガーメイル、香港ヴァースは今年も4着

12月12日に行われた香港ヴァースは、日本から出走したジャガーメイルが昨年と同じ4着に終わりました。


レース映像はこちら。香港ジョッキークラブのレース映像はこちら。着順の上にある"Broadband"をクリックで映像が再生されます。2番枠発走が勝ち馬マスタリー。ジャガーメイルは7番枠発走。



ジャガーメイルが香港ヴァースに出走するのは3年連続3回目。08年は重賞未勝利ながら、G2アイルランド共和国杯(東京芝2500m)2着のあと香港ヴァースに出走し、3着と好走しました。09年もまだ重賞未勝利で、天皇賞(春)5着、G2目黒記念2着、アルゼンチン共和国杯5着などのあと、香港ヴァース4着。そして今年2010年は天皇賞(春)を勝って重賞初勝利したジャガーメイルでしたが、またも4着でした。


香港ヴァースの勝ちタイムは2分27秒69。前半1200m通過が 1分15秒57、後半1200mは 1分12秒12というスローペース。ジャガーメイルは出走13頭のメンバーで、道中10番手あたりを追走。先着を許した3頭はいずれもジャガーメイルより前につけていた馬で、すこし位置取りが悪かったか。



2010年の香港ヴァースを勝ったのは09年英セントレジャー勝ち馬のマスタリー Mastery5代血統表)。騎手はデットーリ、ゴドルフィンの持ち馬。スタート直後から3番手につけ、残り400m付近でほぼ先頭に並び、最後は2着に2・1/2馬身差をつける快勝、G1競走2勝目を挙げました。

マスタリーは09年にG2イタリアダービーDerby Italiano Better(GII、芝2200m)優勝。続くアスコット競馬場のクイーンズヴァース(GIII、芝3200m)に出走して、4・3/4馬身差の3着だった。7月にパリ大賞典(GI、ロンシャン競馬場、芝2400m)をキャバルリーマンの3着。2400mの芝GII 2着を挟んで、英セントレジャー(ヨーク競馬場、芝3000m)で GI 初制覇。BC マラソン(サンタアニタ競馬場、オールウェザー2800m)は 2・1/4馬身差3着だった。

2010年はこれまで3走だけ。3月に G1ドバイワールドカップに出走し、グロリアデカンペオンから1・1/2馬身差5着。10月に英G2 Richard Hambro Darley Stakes(ニューマッケット競馬場、芝約1800m)3着。前走リステッドレースを同着1着でした。


2着はレッドウッド Redwood5代血統表)。これまでにグループ(グレード)レースを9戦して2勝2着3回3着1回。2走前のカナダG1ノーザンダンサーターフS.で G1初勝利。前走G1カナダインターナショナルS.はジョシュアツリー(ジャパンカップ10着)の3着だった。ほかに芝12ハロンの英G2で2着、芝2500mの仏G2で2着があった。


3着アメリカイン(血統表)は今年の豪G1メルボルンカップ優勝
アメリカインはフランスからの遠征馬で、8月の仏G2ケルゴルレイ賞を含む3000mレースを3連勝したあと、メルボルンカップを目指して渡豪。前走の豪 G3ギーロンC(芝2400m)でも優勝していた。ほかに Prix Vicomtesse Vigier(仏G2、芝3200m、2009年)を勝ち、2008年には仏G3 Prix de Lutece(芝3000m)1位入線2着降着があるなど、3000mを超えるレースを得意としている。
2010年メルボルンカップのレース映像(日本馬トウカイトリック出走)



ほかに今年のGIクイーンエリザベス2世カップ(シャティン競馬場、芝2000m、定量約57kg)でネヴァブションを負かしたヴィヴァパタカ Viva Pataca は8着、アメリカ芝G1競走3勝のウインチェスター Winchester は11着でした。