2012年5月7日月曜日

英1000ギニーはホームカミングクイーンが史上2番目の着差で逃げ切り圧勝

5月6日に行なわれたG1英1000ギニー(3歳牝馬、芝1マイル)は2頭出しエイダン・オブライエン厩舎の人気薄(9番人気)ホームカミングクイーンが積極的に逃げると、残り3ハロンで後続を突き放し、最後は2着に9馬身差をつけて優勝しました。前走愛G3・1000ギニートライアルに続き重賞連勝です。

2着に中団から追い上げた11番人気スタースコープが入り、オブライエン厩舎の1番人気メイビー(5戦5勝、2歳G1を1勝、今年初戦)は先行して一時2番手まで上がりましたが、最後はスタースコープにも1馬身交わされて3着に終わっています。

9馬身差勝利は1859年 Mayonaise の20馬身差に次いで1000ギニー史上2番目の着差であるとのこと。ライアン・ムーア騎手は英1000ギニー初勝利。オブライエン調教師は前日の英2000ギニーをキャメロットで制しており、自身2005年以来の同一年ギニーダブルを達成しました。同一年制覇2回は、英ダービー7勝のフレッド・ダーリング調教師が1931年、1942年と達成して以来のことです

こちら(PDF)で1ハロンごとの区間ラップが見られますが、ホームカミングクイーンは最初の1ハロンと最後の6,7,8ハロンと計4区間で最速ラップを刻んでいます。最後の1ハロンを14秒以内で走れたのはホームカミングクイーン1頭だけ。
Sectional Timing at Newmarket Racecourses(キャメロットの2000ギニーもあり)

2012年英1000ギニーのレース映像。埋め込みできないのでリンク先で。
2012 Qipco 1000 Guineas Stakes - Homecoming Queen - YouTube


ホーリーローマンエンペラー産駒のホームカミングクイーンは、キングジョージ、凱旋門賞などG1競走6勝のディラントーマスの半妹です(3/4同血、5代血統表)。

このレースが14戦目で、前走のG3愛1000ギニートライアル(芝7ハロン)を5番人気で逃げ切って重賞初勝利を挙げたばかりでした。2走前の今年初戦、愛3歳G3パークエクスプレスS.(芝1マイル)は逃げて11頭立て9着。昨年はBCジュベナイルフィリーズ(ダート8.5ハロン)で最下位14着でしたが、その前走の愛1マイル準重賞は当時まだ未勝利だった2着馬に4馬身差をつけて勝っていました。1マイル以上の経験はその3走だけ。ちなみに準重賞勝ち時の馬場は"Yielding To Soft "、勝ち時計は1分41秒60であり、今回は柔らか目の"Good to Soft"で1分40秒45と似ており、対戦相手のレベルは全然違いますが、こういう条件の適性はすでに示していたと言えるかもしれません。

スタースコープは2歳時に1戦1勝。前走4月の英G3ネルグウィンS.(芝7ハロン、3歳牝馬)で先行決着を追い込んで1着から1馬身差の4着しており、ここがデビュー3戦目でした。同レース勝ち馬は英1000ギニー登録がなく、追加登録も行なわずに出走しませんでした。同2,3着馬は英1000ギニーで9,7着。


なお、英2歳G3ロックフェルS.で9頭立て3着し、それ以来の出走だったデビュー3戦目のグレイパール Gray Pearl がゲート入り後に前扉の下をくぐろうとして動けなくなり、このため発走時間が約30分遅れています。グレイパールは獣医により後肢の怪我と脊椎損傷が認められ、おそらくそのスタート地点で、あるいは救急車で移動された後かもしれませんが安楽死となりました。

事故の様子はこのページの動画を再生し、左向きの矢印をクリックすると視聴できますが、時間指定(シーク)出来ないようなので、ご覧になるときは時間のあるときにどうぞ。

紹介すると、
  • ゲート入りが残り2,3頭になったところでグレイパールがゲート前扉をくぐろうとしたのか、前扉の下に挟まり顔だけを出す。係員が集まり、1分ほどして前扉が開かれるが、グレイパールはわずかにゲートから出た場所で伏せたまま立ち上がれず、ほとんど移動できずに、ときどき首を動かせるだけのように見える。
  • 数分してシートが広げられて死角が作られ、グレイパールがカメラから隠される。また映像は他場のレースなどに替わる。
  • 10-15分後に再びニューマーケット競馬場が映され、シートは広げられたままその付近に人が集まっているので、グレイパールはおそらくまだ、その背後にいる。ゲートはコース外に撤去されている。他の各馬は輪乗り、または騎手などに引かれている。
  • さらに他場のレースを流した後、約10分後にはニューマーケットが映り、そのときにはゲートが再びスタート地点に設置され、シートも無く、グレイパールの姿は見えない。
という出来事です。

英1000ギニー(Qipco 1000 Guineas Stakes)
2012年5月6日、イギリス・ニューマーケット競馬場、芝1マイル(直線)
3歳牝馬、G1、17頭、Good to Soft、レース結果、総賞金37万6500ポンド
着順馬名性齢
オッズ
騎手着差通算成績
主な成績
1ホームカミングクイーン
Homecoming Queen
3牝
26倍
R.ムーア1分40秒4514戦【4-1-2-7】
重賞2勝目
2スタースコープ
Starscope
3牝
33倍
J.フォーチュン93戦【1-1-0-1】
英G3で4着
3メイビー
Maybe
3牝
2.625倍
J.オブライエン16戦【5-0-1-0】
愛2歳牝馬G1優勝

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