2012年4月6日金曜日

ブラックキャビア対フランケル実現ならサセックスS.の賞金3倍増

8月1日に行われる英G1サセックスS.(芝1マイル)に英フランケル Frankel と豪ブラックキャビア Black Caviar がともに出走した場合、レーススポンサーであるカタールの投資持株会社 Qipco が負担して総賞金が30万ポンド(約3920万円、1ポンド=約130円として)から100万ポンド(1億3000万円)に増額されることになりました。

Frankel and Caviar offered big Sussex prize - Racing Post

フランケル陣営のコメントはありません。

ブラックキャビアのムーディー調教師は「スポンサーとグッドウッド競馬場による素晴らしいインセンティヴであり、わたしたちが熱心に考える材料になる」としながらも「(2頭の対戦が実現しないとしても)この世の終わりではありません」と述べています(とはいえ地元のフランケル陣営が早くにローテーションを公表しないと、海外遠征および初マイルとなるブラックキャビアはいつまでも「慎重な姿勢」しか示せないでしょう)。

Caviar camp will strongly consider Frankel clash - Racing Post


Qipco の役員である Sheikh Fahad(昨年のメルボルンカップ勝ち馬ドゥナデンのオーナーであり、仏3歳有力馬フレンチフィフティーンのオーナー、シェイク・アブドゥラの息子)氏は「フランケルとブラックキャビアについて自国のファンはもはや過去の真のチャンピオン馬と比較することしかできません。競馬界はこの傑出した2頭が同じレースを走ることにより潤うでしょうし、すべての人が見たいと思っているレースを実現させるために全力を尽くさないことは怠慢であると考えるようになりました」

「サセックスステークスは論理的に間違いなく2頭が対戦する唯一の機会であり、2頭の関係者へのインセンティヴとして喜んで賞金を100万ポンドに増額します」

(Sheikh FahadについてはiPad操るカタール王族、競馬界に旋風-世界最高賞金レースも制覇 - Bloomberg を参考)


3月初めにはフランケルのセシル調教師が「今年はフランケルに10ハロンを走らせることを考えているし、7ハロン以下を走らせることは絶対に無いが、(10ハロンをこなせなかったなど)もしマイルを走らせると決めてサセックスS.を使うことになり、そこにブラックキャビアが出走してきたら素晴らしいことです」というようなことを述べています


また、ブラックキャビアのムーディー調教師も2月に、初の1400m戦だった豪G1オーアS.で超スローペースをきっちり折り合って楽勝したあと、6月19日の英G1クイーンアンS.(ロイヤルアスコット、芝1マイル)でフランケルとの対戦を考えていると述べていましたが、オーアS.の次走の豪G1ライトニングS.(芝1000m)後には、同じロイヤルアスコットでも昨年から検討されていた6月23日のダイヤモンドジュビリーS.(芝6ハロン)に専念すると発表されていました。


賞金増額を受けてムーディー師は「私たちはブラックキャビアを、彼女にとって最適だと考えるレースにだけ使ってきました。100万ポンドの賞金もその姿勢を崩すことは出来ません。状態が十分に良く、準備が出来た場合にのみ、サセックスS.を使うことを考えます。」

「今回の遠征ではダイヤモンドジュビリーS.に加えて7月14日の英G1ジュライカップ(芝6ハロン)も考えており、この2レースを無事に終えることがサセックスS.出走に最低でも必要です。」

「またブラックキャビアが出走するかどうかという問題だけでなく、むしろフランケルが出走するかどうかのほうが大きな問題だろうと思います」

「フランケルとどうしても対戦させたい、あるいはその必要があるとは思っていません。それはブラックキャビアがフランケルより劣っているからではなく、異なる距離を主戦場にしている2頭だからです。2頭の対戦は世界の競馬にとって素晴らしい出来事になるでしょうが、実現しないとしても世界の終わりではありません」

「ブラックキャビアは1600mをこなせるといつも考えています。しかし問題は彼女の巨体です。マイルに備えた調教に耐えられるかどうかということのほうが、もしかするとマイル戦を走ることよりも重大な問題かもしれません」

「もうひとつの問題は、サセックスS.に出走するならオーストラリア国内にある高額賞金レースのいくつかをあきらめる必要があるということです。というように考慮しなければならないことはたくさんあるのです」

豪=英2国間の検疫制度について知りませんが、8月1日のサセックスS.を使ったとして、9月28日の豪G1マニカトS.(総賞金50万豪ドル)や11月10日の豪G1パティナックファームクラシック(総賞金100万豪ドル)に万全の状態で出走可能かということでしょう。

特に英2競走のどちらかを勝っていればパティナックファームクラシックを勝った場合、1着賞金に加えて60万豪ドル(約5000万円、1豪ドル=約85円として)のボーナス制度が設けられています。


フランケルは英G1ロッキンジS.(芝1マイル)で始動予定。ちなみに今秋のBC出走はほぼ有り得ないそうです。ブラックキャビアは4月28日の豪牝馬G1ロバートサングスターS.(芝1200m)または5月12日の豪G1ザ・グッドウッド(芝1200m)でデビュー以来無敗の20連勝を目指す予定。

過去記事
フランケル対ブラックキャビア戦の可能性を整理。実現するなら6月のクイーンアンS.が最有力だが

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