Zenyatta Crowned Horse of the Year - BloodHorse.com
ゼニヤッタの経歴はゼニヤッタ - Wikipedia を見てもらうほうが詳しく書いてありますが。
08年はカーリンに年度代表馬を取られる
ゼニヤッタはデビュー3戦目のG2エルエンシノSを2008年の初戦に選ぶとこれを楽勝し3連勝、その後も連勝を続け、08年BCレディースクラシック(G1)も優勝して 08年を7戦7勝G1競走4勝の成績で終えました。
この年は前年07年にプリークネスS.やBCクラシックを優勝したカーリンが、08年もドバイワールドカップ、スティーブンフォスターH.、ウッドウォードSやジョッキークラブ金杯と王道G1競走を4勝しましたが、創設以来初めてオールウェザーコースで行われた BCクラシックで4着に敗れていました。
ゼニヤッタは通算9戦無敗の成績と、道中後方待機から直線だけで追い込んでくる競馬が人気を集めており、カーリンがBCクラシックで負けたことで、ゼニヤッタにもこの年の年度代表馬に選ばれる可能性がありましたが、投票の結果、前年の年度代表馬でもあったカーリンが153票の最多得票で2年連続で年度代表馬に選ばれました。ゼニヤッタは69票の次点でした。
09年は同じ牝馬のレイチェルアレクサンドラに奪われる
09年、ゼニヤッタは5月のG2ミレイディHから始動、これを勝つと無敗を続け、デビュー以来初めて牡馬相手のBCクラシックに出走すると、いつもどおり最後方の競馬から直線猛然と追い込んで突き抜け、史上初めて牝馬によるBCクラシック優勝を成し遂げました。09年は5戦5勝G1競走4勝し、通算14戦無敗としました。
しかし同年、アメリカにはもう1頭、優れた成績を挙げた牝馬レイチェルアレクサンドラ Rachel Alxandra がいました。レイチェルアレクサンドラはG1ケンタッキーオークスを同競走史上最大着差となる20馬身1/4差をつけて圧勝。続いて 3歳牡馬クラシック第2冠プリークネスS.に出走、ケンタッキーダービー馬マインザットバードに1馬身差をつけて勝利しました。牝馬がプリークネスS.を勝つのは85年ぶりのことでした。
レイチェルアレクサンドラはさらに3歳牝馬G1マザーグースS.を約20馬身差圧勝、再び3歳牡馬相手のG1ハスケル招待に出走すると同年のベルモントS.勝ち馬サマーバードに6馬身差をつけて優勝、古馬牡馬相手のG1ウッドワードS.も勝ってG1競走5連勝しました。
レイチェルはこの後、ブリーダーズカップ競走には出走せず、休養に入りました。レイチェルはケンタッキーオークスを勝ったあと、カーリンを共同所有していたジェス・ジャクスンらのグループに売却されていたのですが、ジャクスン氏はオールウェザーに使用されている化学物質が馬に悪影響を与えると主張しており、プリークネスS.を勝った直後にすでに「BC回避」を明言していたのでした。09年のブリーダーズカップは08年と同じサンタアニタ競馬場で行われ、ジャクスン氏がかたくなに拒んだのには、前年カーリンが敗れたこともあったと推測できます。
年度代表馬投票では、最強馬決定戦BCクラシック勝ち馬ゼニヤッタと、3歳牝馬ながら古馬牡馬相手のG1を勝つなど牡馬G1競走3勝を含むG1競走5勝を挙げたレイチェルアレクサンドラが有力視され、レイチェルアレクサンドラが130票を獲得し、99票のゼニヤッタを抑えて年度代表馬に輝きました。
ちなみにブリーダーズカップ創設以来09年までの26回のうち、BCクラシック勝ち馬がその年の年度代表馬に選ばれたのは12頭でした。このようにゼニヤッタは2年連続で年度代表馬を逃していたわけです。
2010年はブレイムとの争い
09年で引退するかと思われていたゼニヤッタは現役続行を表明、レイチェルアレクサンドラとの直接対決が期待され、直接対決の場合、1着賞金が250万ドル(当時のレートで 2億2500万円)という舞台が用意されたのですが、レイチェルが2010年の初戦に破れたことで、これを回避、結局このまま対決の機会はありませんでした。
ゼニヤッタは2010年初戦を勝つと、レイチェルが回避したアップルブロッサム招待S.に出走し、16連勝。これはシガーとサイテーション名馬2頭の持つ近代アメリカ競馬の実質的な連勝記録に並ぶものでした。ゼニヤッタは連勝を続け、10月の牝馬G1レディースシークレットを勝って19連勝としました。これはペッパーズブライトの連勝記録に並ぶもので、次のBCクラシックを勝てば近代以降のアメリカ競馬で史上初となる20連勝の達成が期待されていました。
しかしご存知の通り、ゼニヤッタはブレイム Blame の頭差2着に敗れました。勝ったブレイムは、スティーヴンフォスターH.、ホイットニーH.と古馬G1を連勝、前走ジョッキークラブゴールドカップ2着だったもののBCクラシックを勝ったことで米古馬王道路線をほぼ制圧。また、プリークネスS.およびハスケル招待H.と3歳主要G1を連勝したルッキンアットラッキーをBCクラシックで4着に負かしており、年度代表馬のタイトルはブレイムとゼニヤッタとで争われることになったのです。
牝馬G1競走4勝およびBCクラシック2着のゼニヤッタと、主要G1競走を3勝2着1回し、そのうち最強馬決定戦BCクラシックではゼニヤッタを負かしているブレイムというように 2010年の成績だけを比べると、年度代表馬争いはブレイム有利に思えますが、2010年の競馬ファンが最も注目していたのはゼニヤッタの動向であり、ゼニヤッタはほぼ完璧なパフォーマンスでそれに答えてきました。またゼニヤッタの過去3年間における競馬ファンへの貢献は、年度代表馬にふさわしく妥当な選出であったと考えます。
ちなみにブレイムは2010年限りで現役を引退、種牡馬入りしています。年度代表馬投票で5票を獲得したゴルディコヴァ(牝6歳、年齢は2011年現在)は欧州のマイラーで、2008-2010年のBCマイル(G1)3連覇。日本の年度代表馬を決める記者投票でもエリザベス女王杯を4馬身差圧勝したスノーフェアリーに1票入っていたのと同じようなものでしょう。2010年の欧州年度代表馬に選ばれたゴルディコヴァは、今年2011年も現役を続けてBCマイル4連覇を目指すとの事です。
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