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2010年8月31日火曜日

Bambera、アメリカ2走目は2着

ベネズエラからアメリカに移籍した牝馬バンベラ Bambera が8月5日、デラウェアパーク競馬場・芝1700mで行われたオプショナルクレーミング戦(総賞金4万ドル)に出走しましたが、ハナ差2着に敗れました。


レース動画は以下から(予備-YouTube)
大外枠から逃げるのがバンベラ。



バンベラはベネズエラで09年末までに18戦16勝G1競走10勝を挙げ、アメリカに移籍。今年2010年3月、アメリカでの初戦G3ランパートステークスに出走した。しかし、レース後骨折が判明し、手術を受けていた。スタート直後につまづいた事が原因だったと見られている。


アメリカでの2戦目は8月5日のデラウェアパーク競馬場・芝1700m戦で行われたアローワンスオプショナルクレーミング。上のレース動画どおり、果敢に逃げたもののゴール直前でミスブレイクリーに差し切られ2着に敗れました。勝ったミスブレイクリーは、09年にカナダのリステッド競走ボイントンビーチS.優勝、カナダ牝馬3冠の第1戦ウッドバインオークス3着がある。それ以降はアローワンスで1勝しているのみでステークス戦になると入着が精一杯という程度。バンベラに勝った約2週間後にはオムニバスステークス(モンマスパーク競馬場・オールウェザー1700m、3歳以上牝、非重賞)に出走したが、8頭立て6着に敗れている。


バンベラは、2010年中はアメリカ国内のレースに出走する見込み。次走は9月11日の George Rosenberger Memorial Stakesが予定されている。このレースは、2010年にデラウェアパーク競馬場での出走経験がある(ステークス以上は適用外)3歳以上牝馬限定の芝1700m戦。


バンベラの過去の戦績については過去記事「ベネズエラ最強牝馬バンベラ、3月20日にアメリカで初出走」を、アメリカ初戦ランパートS.の結果については「バンベラ、北米デビュー戦敗れる、レース中に故障か」をどうぞ。

2010年8月30日月曜日

レイチェル今年初G1もまた2着

現地時間8月29日、昨年の米年度代表馬レイチェルアレクサンドラが、G1パーソナルエンスンステークスに出走しました。2着2回の後、2連勝して今年初めてのG1 競走だったのですが、またも2着に終わりました。勝ったのは2年前に2歳G1・2着がある4歳牝馬パーシステントリー。パーシステントリーを管理するクロード・マゴーヒー調教師は、レース名の由来である名牝パーソナルエンスンの調教師でした。

パーソナルエンスンステークスのレース動画。(予備YouTube
スタートから先手を取る2頭の、内がレイチェルアレクサンドラ、外が2走前に牝馬G1を勝っているライフアットテン。勝ったパーシステントリーは4番手追走の赤い帽子。



パーソナルエンスンステークス Personal Ensign Stakes
サラトガ競馬場ダート10ハロン(約2000m)、3歳以上牝馬限定G1
1着パーシステントリー Persistently(血統表
2着レイチェルアレクサンドラ Rachel Alexandra(血統表
3着ライフアットテン Life At Ten(血統表


勝ったパーシステントリーの斤量は約52.6kg、レイチェルアレクサンドラは約55.3kg、ライフアットテンは約54.4kgだった。

パーシステントリーは2歳時(08年)に
  • メイトロンS.(7ハロン、牝馬G2)9頭立て2着
  • フリゼットS.(8ハロン、牝馬G1)10頭立て2着
  • BCジュベナイルフィリーズ(8.5ハロン、牝馬G1)13頭立て5着
があるが、それ以降はアローワンス戦を8戦連続で走っているだけで、グレードレースには出走していなかった。7月の前走(サラトガ競馬場ダート9ハロン)は2馬身差1着、6月の前々走(ベルモントパーク競馬場ダート1マイル)は1着から約4馬身差の3着に敗れていた。今回の勝利で通算14戦4勝2着4回3着4回。

パーシステントリーが2000mを走るのは初めてだったが、マゴーヒー調教師は「距離は持つだろうとオーナーが決断した。少頭数になるならと、出走させた」としています。パーシステントリーの母母は1994年アメリカ最優秀3歳牝馬のHeavenly Prize。同馬も管理したマゴーヒー調教師は母系は長距離が得意だから、とも話しています。



1馬身差2着に敗れたレイチェルアレクサンドラ。レース前までの予定ではこの後、10月2日の牝馬G1ベルデイムステークス(ベルモント、ダート10ハロン)、そしてブリーダーズカップ(どのレースかは未定)へ、ということでしたが、今後については考え直すとアスムッセン調教師が述べています。BCクラシックでゼニヤッタとの対戦はなるでしょうか?



レイチェルから10馬身差3着のライフアットテンは前走まで6連勝。
  • シックスティーセイルズH.(ダート9ハロン、3歳以上牝馬G3)
  • オグデンフィップスH.(ダート8.5ハロン、3歳以上牝馬G1)
  • デラウェアH.(ダート10ハロン、3歳以上G2)
を3連勝中でした。パーソナルエンスンでライフアットテンから約5馬身差の Miss Singhsix は、デラウェアハンデでライフアットテンから約3馬身差2着。ライフアットテンが実力どおり走ったなら、レイチェルもそれほど悪くないのですが‥‥


レイチェルアレクサンドラの前走レディーズシークレットS.の詳細はこちら、前々走10馬身差圧勝したG2フルールドリスH.の詳細はこちら。両記事ともレース動画があります。





週末に行われたその他の北米競馬のレース動画です。

パシフィッククラシック デルマー競馬場オールウェザー10ハロン
昨年の覇者リチャーズキッド Richard's Kid が連覇。(動画予備)




トラヴァースステークス サラトガ競馬場ダート10ハロン
ケンタッキーダービー馬スーパーセイバー、2着馬アイスボックス、プリークネスS.2着ファーストデュード、ベルモントS.2着馬フライダウンなどが揃った真夏のダービートラヴァースステークスは、アフリートエクスプレス Afleet Express が勝利。2着フライダウンとはハナ差だった(動画予備


アフリートアレックスは6月の前々走G3ペガサスステークスで重賞初制覇、前走7月のG2ジムダンディS.は2着だった。



キングスビショップS. サラトガ競馬場ダート7ハロン
ディスクリートリーマイン Discreetly Mine がグレードレース3連勝でG1 初優勝。好スタートからの逃げ切り勝ちでした。UAEダービー(G2)、G1シガーマイルH.などで圧勝劇を見せたディスクリートキャットの半弟で、父父は両馬同じストームキャット。(動画予備


ディスクリートリーマインは2歳時にG1シャンペンS.2着。3歳になると、リズンスターS.2着などの後、ケンタッキーダービーでは13着に敗れる。これを境に距離を短い距離を使われ、G2ウッディースティーブンスS.2着、G3ジャージーショアS.1着、G2アムステルダムS.1着と、7ハロン以下の重賞で3連対していた。アムステルダムステークスでは8馬身差圧勝だった(レース動画

2010年8月29日日曜日

デイトウィズデスティニー、2走目は7頭立て6着

現地時間8月28日に英グッドウッド競馬場で行われたプレステージステークスに、ジョージワシントン唯一の産駒デイトウィズデスティニーが出走しましたが、7頭立ての6着に終わりました。

プレステージステークスのレース映像はこちらから(YouTubeには見当たらない)。デイトウィズデスティニーは右から2頭目の発走、赤い勝負服です。


プレステージステークス Prestige Stakes
グッドウッド競馬場 芝7ハロン(約1400m)、2歳牝馬限定G3
1着ティスケンスセオリー Theyskens' Theory(血統表
2着コチャバンバ Cochabamba(血統表
3着ケープドラー Cape Dollar(血統表


出走全馬がグループレース初挑戦。勝ったティスケンスセオリーは自身2走目の前走で5馬身差の楽勝していた(初勝利)。父は、北米G1で圧勝劇を繰り返したバーナーディニ(ベルナルディーニ)。バーナーディニ産駒のステークス勝ちはこれが初めてらしいです。


デイトウィズデスティニーの母父は中長距離にかたよって活躍馬を出したレインボウクエストなので、距離伸びてから挽回できるかもしれない。

2010年8月25日水曜日

デイトウィズデスティニー2走目は今週土曜日、他

ジョージワシントン唯一の産駒、デイトウィズデスティニー Date With Destiny が、28日土曜日に英・グッドウッド競馬場で行われる G3プレステージステークスに出走する模様。管理するリチャード・ハノン調教師がコメントしています。

Date With Destiny to head for Prestige Stakes

ハノン調教師は「土曜日(21日)の調教ではとてもよく動いて、最高の状態にある。デビュー戦以降も順調で、プレステージステークスを使うことにした。9月下旬にアスコット競馬場で行われる G1フィリーズマイルに登録していて、今もその予定だが、グッドウッドで使うことが自然な成り行きだと考え、どれぐらい通用するのか見ることにした。」と語っています。

プレステージステークスはグッドウッド競馬場・芝7ハロン(約1400m)で行われる2歳牝馬限定戦。25日現在、11頭が登録している。すでに重賞を勝っている馬では、フレー Hooray(8月に6ハロンの2歳牝馬限定 G2ローサーS.で8頭立て1着)が含まれる。

デイトウィズデスティニーについての過去記事「Date With Destiny 初勝利のレース映像」もどうぞ。



また、昨年の米年度代表馬レイチェルアレクサンドラ Rachel Alexandra が、8月29日(日曜日)にサラトガ競馬場・ダート10ハロン(約2000m)で行われる牝馬限定 G1パーソナルエンスンステークスに出走予定です。2走前の G2フルールドリスH.、前走レディーズシークレットS.をそれぞれ10馬身、3馬身差で勝ち、ようやく調子を取り戻してきたのかなというレイチェルアレクサンドラですが、その2走はレベルがとても低かったのも事実です。

パーソナルエンスンS.には、6連勝中のライフアットテンも出走予定。特に近3走は、G3、G1、G2を連勝しており、レイチェルにとって今年に入ってから初めて強敵との対戦です(昨年牡馬G1を3勝したことに比べればかなり見劣りしますが)。レイチェルアレクサンドラがここで良い競馬が出来なかった場合、今年の陣営の慎重すぎる使い方を考えると、秋のブリーダーズカップ・クラシックに出走してゼニヤッタなどと対戦する機会が失われる危険性が極めて大きくなると懸念されます。そういう意味でも好走を期待したい。

過去記事
レイチェルアレクサンドラ、10馬身差圧勝で2010年初勝利
レイチェルアレクサンドラ、レディーズシークレットS.に勝って連勝

2010年8月23日月曜日

2010年アーリントンミリオンとアラバマステークス

現地時間8月21日、アメリカ・アーリントンパーク競馬場で行われたアーリントンミリオンステークスは、昨年の覇者で1番人気のジオポンティがいったん抜け出したところを、内から鋭く伸びたドビュッシーがゴール直前で差しきって優勝しました。

ドビュッシーという馬名は、フランスの作曲家クロード・ドビュッシーから取られたものだと思いますが、作曲家ドビュッシーの生誕日は「1862年8月22日」。アーリントンミリオンの開催日があと1日ずれていたらバースデー勝利といえたでしょうか?


アーリントンミリオンのレース映像。勝ったドビュッシーは最内枠発走の緑の勝負服・帽子。2着ジオポンティは内から5頭めの発走。



アーリントンミリオン Arlington Million Stakes
アーリントンパーク競馬場 芝10ハロン(約2000m)、3歳以上G1
総賞金100万ドル、1着賞金60万ドル
1着ドビュッシー Debussy(血統表、父ダイイシス)
2着ジオポンティ Gio Ponti(血統表、父テイルオブザキャット)
3着タジーズ Tazeez(血統表、父シルバーホーク)


ドビュッシーはイギリスからの遠征馬。昨年7月 10ハロンの仏G2ユージンアダム賞で重賞初優勝、今年5月には英G3ハクスリーステークス(約2100m)で重賞2勝目を挙げている。ただし09年英ダービー12頭立て8着、2010年プリンスオブウェールズステークス12頭立て7着と、欧州のG1では好走歴は無い。またG2、G3でも好走しないときのほうが多い馬でもある。ちなみにドバイ・メイダン競馬場で行われたアルマクトゥームチャレンジ・ラウンド3ではレッドディザイアから5馬身差の14頭立て10着だった。

ジオポンティは09年のアーリントンミリオンのほか、前走マンノウォーステークスなど中距離を中心に芝G1競走を5勝している。また09年ブリーダーズカップ・クラシック2着、2010年ドバイワールドカップ4着もある。

3着はドビュッシーとおなじゴスデン厩舎のタジーズ。プリンスオブウェールズステークス3着がある。09年4月にG3優勝しており、グループレース勝ちはこの1勝だけ。ここ3走は、12頭立て2着(G3)、8頭立て3着(G1)、8頭立て3着(G2)と続けて好走していた。


ドビュッシーとタジーズが出走していた今年のプリンスオブウェールズステークスのレース動画は過去記事「バイワード、やっぱり本格化」で、また09年BCクラシックのレース映像は「2009年ブリーダーズカップ、全レース映像(YouTube から)」で紹介しています。



アラバマステークス Alabama Stakes
サラトガ競馬場ダート10ハロン(約2000m)、3歳牝馬G1
総賞金50万ドル
1着ブラインドラック Blind Luck
2着ハーバーデグレース Havre de Grace
3着アクティングハッピー Acting Happy

米G1アラバマステークス1着のブラインドラック


アラバマステークスのレース映像
1着ブラインドラックは4番枠発走、ピンクの勝負服・帽子、道中最後方の競馬。人気馬デビルメイケアは2番枠発走で、黄色の勝負服、緑の帽子、道中は後方から2頭目を進んでいる。



4月のケンタッキーオークスなどG1競走4勝馬のブラインドラックと、前走CCAオークスなどG1競走3勝で牝馬ながらケンタッキーダービーに出走し10着だったデビルメイケアとの初対決が実現したアラバマステークスは、ブラインドラックが優勝、デビルメイケアは4着に終わった。

2着ハーバーデグレースは前走のG2デラウェアステークスでもブラインドラックの2着、3着アクティングハッピーは前走のCCAオークス(G1)でデビルメイケアの3着などしており、まあ順当に決まった感はありますが、デビルメイケアはすこし残念な結果でした。

ブラインドラックはオールウェザーが主流の西海岸を拠点としていますが、この勝利でダートは5戦全勝、うちG1・2勝、G2・2勝とダートが得意なようで、次走もダート戦を選んで出走するようです。

2010年8月20日金曜日

ヨークシャーオークスはミッデイが優勝、1番人気サリスカはゲート膠着

現地時間8月19日、英ヨーク競馬場で行われたヨークシャーオークスは、4歳のミッデイが優勝し、前走のナッソーステークスに続いてG1を連勝しました。2着は今年の英愛オークス馬スノーフェアリー、1番人気だったサリスカはゲート内に留まったまま発走せず、そのまま競争中止扱いになりました。

2010年ヨークシャーオークスのレース映像は次のリンクから。どちらの動画もブログ内に埋め込み出来ないよう設定されているで、YouTube で見てください。
レース映像1レース映像2


ヨークシャーオークス Yorkshire Oaks
G1、ヨーク競馬場芝12ハロン(約2400m)、3歳以上牝馬、8頭立て
1着ミッデイ Midday(血統
2着スノーフェアリー Snow Fairy(血統
3着エレオノーラドゥーゼ Eleanora Duse(血統表


ミッデイは09年の英愛オークスでそれぞれサリスカの2着3着。次走ナッソーステークス(3歳以上牝)で G1 初勝利を挙げると、凱旋門賞当日のオペラ賞(3歳以上牝馬G1)3着の後、G1ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフに優勝した。今年初戦の牝馬限定G2ミドルトンステークスでサリスカの2着のあと、ナッソーステークス連覇を達成し、ヨークシャーオークスに臨んでいた。


2着スノーフェアリーは今年の英愛オークス優勝馬。英オークスはクビ差勝ち、愛オークスは8馬身差圧勝していた。英オークスのレース映像は過去記事「フェイムアンドグローリー3連勝、英オークスは伏兵スノーフェアリーが勝利」をどうぞ。


3着エレオノーラドゥーゼはヨークシャーオークスがG1初出走。2走前ヨーク競馬場芝10ハロンのG2でGレースに初出走し3着。前走の準重賞(芝10ハロン)では2・1/4馬身差で快勝していた。ヨークシャーオークスで、英オークス2着、愛オークス4着のミーズナーよりひとつ上の着順でゴールできたのは距離が伸びたのが好走の理由かもしれない。ちなみにエレオノーラドゥーゼの祖母ステージストラック Stage Struck は、フサイチコンコルドの母バレークイーンの全妹である。またエレオノーラドゥーゼの母ドラマクラスは父カーリアンでフサイチコンコルドと同じ。フサイチコンコルドの血統表はこちらドラマクラスの血統表と比べると面白い。



1番人気ながら、ゲート内で膠着し競争中止となったサリスカ Sariskaは昨年の英愛オークス馬。昨年10月の英チャンピオンステークスでは、勝ち馬トワイスオーヴァーから1・1/2馬身差3着、今年のコロネーションカップでは、凱旋門賞の有力候補であるフェイムアンドグローリーから1・1/2馬身差2着に入るなど、牡馬相手のG1でも好走できる実力の持ち主ですが、ゲートから出ないのではどうしようもないです。騎乗したスペンサー騎手などによると、サリスカに怪我などは無い模様。


昨年09年9月の仏GI ムーラン・ド・ロンシャン賞では、当年の仏1000ギニー勝ち馬イルーシヴウェーブ Elusive Waveがこちらも1番人気ながらゲート内で膠着し競争中止になったことがありました。

2010年8月18日水曜日

英インターナショナルステークスはリップヴァンウィンクルが勝利

現地時間8月17日、イギリス・ヨーク競馬場で行われたジャドモントインターナショナルステークスは、4歳馬リップヴァンウィンクルが優勝、昨年9月以来の勝利で G1・3勝目を挙げた。2着はトワイスオーヴァー、3着はバイワード。


インターナショナルステークスのレース映像はブログに埋め込めない設定がされているので、次のリンクから YouTube に移動してご覧ください。動画1動画2、いずれも YouTube)。

リップヴァンウィンクルは外から3頭めの発走、濃紺の勝負服。トゥワイスオーヴァーは最内、バイワードは外から2頭目の発走で、ピンクの帽子に同じ勝負服。


リップヴァンウィンクルは昨年、サセックスステークス、クイーンエリザベス2世ステークスに優勝し、マイルG1 を2勝していた。また英ダービー4着、エクリプスステークスでは 3着コンデュイットに 4・1/2馬身差をつけてシーザスターズから 1馬身差2着があり、距離は十分対応できることは分かっていただけに順当な勝利といえるでしょう。今年はいずれもマイル戦を 2戦しており、G1クイーンアンステークスではゴルディコヴァの 6着(10頭立て)、G1サセックスステークスでキャンフォードクリスのクビ差2着(8頭立て)だった。


2着トワイスオーヴァーは昨年の英チャンピオンステークスでG1初勝利、その後BCクラシックでも3着に入り、今年6月のG1プリンスオブウェールズステークスではバイワードから1/2馬身差の2着だった。7月のエクリプスステークスでG1・2勝目を挙げていて、中距離G1で安定している。


3着バイワードはG1初出走となった今年5月のイスパーン賞でゴルディコヴァから1/2馬身差2着、前述どおりプリンスオブウェールズステークスに優勝している。


ほかに、人気の3歳馬ディックターピンは5着。英・仏2000ギニーとセントジェームズパレスステークスで3戦連続マイルG1・2着。前走ジャンプラ賞でG1初勝利を挙げていた。マイル戦以上を走るのはインターナショナルステークスが初めてで、約500メートルの距離延長が厳しかったかもしれません。

2010年8月16日月曜日

マクフィが G1・2勝目、ゴルディコヴァは2着

現地時間8月15日、フランス・ドーヴィル競馬場で行われたジャック・ル・マロワ賞は、今年の英2000ギニー馬マクフィ Makfi が 2・1/2馬身差で優勝しました。前走ロートシルト賞で G1通算10勝目を挙げたゴルディコヴァは2着に敗れました。


ジャック・ル・マロワ賞のゴール前、勝ったマクフィと2着ゴルディコヴァ
右から1着マクフィ、2着ゴルディコヴァ、3着パコボーイ


ジャック・ル・マロワ賞のレース映像は以下から。
マクフィはゲート向かって左から4頭めの発走。シャドウロール装着のオレンジの帽子。ゴルディコヴァはマクフィのひとつ左の枠から発走、白帽子。3着パコボーイは右から2頭目の発走。




ジャック・ル・マロワ賞 Prix Jacques le Marois
ドーヴィル競馬場・芝1600m、8頭立て、3歳以上
1着マクフィ Makfi
2着ゴルディコヴァ Goldikova
3着パコボーイ Paco Boy


5月の英2000ギニーに優勝して3戦3勝としたマクフィは、4戦目セントジェームズパレスステークスで7着に敗れ、ここに臨んでいた。ジャック・ル・マロワ賞ではゴルディコヴァをすぐ後ろでマークして一気に交わし、最後は 2・1/2馬身差をつける快勝。クリストフ・スミヨン騎手が初騎乗していた。この日は Soft と柔らかめの馬場状態で、デビュー2戦をより柔らかい VerySoft の馬場で連勝しているマクフィに有利だったかもしれない。

一方、ゴルディコヴァは唯一の大敗が昨年5月のイスパーン賞(7着)で馬場状態は Soft。このときは休み明け+距離長めもあっただろうし、Soft でも牝馬G1ロートシルト賞を勝っているとはいえ、全体の成績から柔らかい馬場は苦手だろうと思うので、2着でもよく走ったといえるかもしれません。

3着パコボーイ(5歳牡馬)は前走6月の G1クイーンアンステークスに続き、ゴルディコヴァにわずかに届かない結果。安定して走っています。


マクフィは父ドバウィー、その父ドバイミレニアムに続き、ジャック・ル・マロワ賞の父子3代制覇を達成しました。この後は9月5日のムーラン・ド・ロンシャン賞、9月下旬のクイーンエリザベス2世ステークス、11月のブリーダーズカップ・マイルに進む模様。

またゴルディコヴァを管理するフレディ・ヘッド調教師は、「ゴルディコヴァの最大目標は BC マイル」と明言しています。もちろん08年09年とゴルディコヴァが2連覇中で、今年は3連覇がかかっているからですが。次走はムーラン・ド・ロンシャン賞か(昨年敗れた)フォレ賞あたりが検討されているようです。


マクフィで優勝したスミヨン騎手は「次のシーザスターズだよ!」と絶賛したとのこと。

2010年8月8日日曜日

ゼニヤッタ18連勝、G1・12勝目を挙げる

現地時間8月7日にデルマー競馬場で行われたクレメント・L・ハーシュS.にゼニヤッタが出走し、無敗の18連勝を達成しました。次走は10月2日のベルデイムステークスの模様。


クレメントハーシュステークスのレース映像
緑の帽子・勝負服、シャドウロールを装着し、外から2頭目の発走がゼニヤッタ。



クレメント・L・ハーシュS. Clement L. Hirsch Stakes
デルマー競馬場、オールウェザー8・1/2ハロン(約1700m)、牝馬限定G1
1着ゼニヤッタ Zenyatta(血統
2着リンターヴァル Rinterval(血統
3着プリンセステイラー Princess Taylor(血統


ゼニヤッタはこの勝利でクレメントハーシュS.3年連続優勝。G1競争は12勝目。18戦のキャリア中2番目に小さいクビ差での決着だったことについてマイク・スミス騎手は「すこし早く仕掛けすぎたかもしれない。抜け出してから遊んでしまった」と話しています。正直もっと強い相手だと危なかった、と思いました。


2着のリンターヴァルは、前走シカゴH.(G3、7ハロン)で昨年のBCフィリー&メア・スプリントの覇者インフォームドディシジョンにアタマ差の2着。ほかステークスレース1勝がある。

3着のプリンセステイラーは父シングスピールの6歳牝馬。昨年1,2着馬から8馬身離されたが英G3ミドルトンS.で8着。今年6月に米G3ビバリーヒルズH.を1馬身差2着。


ゼニヤッタの18連勝はペッパーズブライトの19連勝に次いで北米2番目の連勝記録。ただしペッパーズブライトはニューメキシコ産馬限定レースにしか出走していない。ゼニヤッタの次走について管理するシレフス調教師は、10月2日にベルモント競馬場・ダート9ハロン(約1800m)で行われる牝馬限定G1ベルデイムステークスを挙げています。その後ブリーダーズカップ・クラシックで同競争2連覇、またベルデイムS.も勝っていれば20連勝の連勝記録に挑戦することになります。




また同7日、BCクラシックでゼニヤッタの主要なライバルになりそうな古馬牡馬のブレイム Blame がホイットニーH.をアタマ差制し、前走スティーヴン・フォスターH.に続きG1・2連勝、重賞5連勝を挙げた。通算11戦8勝。


ホイットニーH.2着はG1を2連勝中だったクオリティーロード。2月のG1ドンハンデを12馬身差で圧勝し、次走6月のG1メトロポリタンH.では2着のムスケットマンに 1・1/2馬身差をつけて快勝していた。ホイットニーH.3着はそのムスケットマンでした。(メトロポリタンH.の詳細


勝ったブレイム(左)と2着のクオリティロード

ホイットニー招待ハンデキャップのレース映像。勝負服は上の画像参照。

ハービンジャー骨折、引退の危機か

「キングジョージ」で11馬身差レコード圧勝したハービンジャー Harbinger が調教中に骨折したと、オーナーグループの公式サイトで発表されました。ほかの報道とあわせると、このまま引退する可能性が高い模様。




Harbinger suffers injury following routine canter - オーナー公式サイト
Harbinger 'a long shot' to return after leg injury - Racing Post
Harbinger, the world's top racehorse, suffers leg injury at Newmarket - guardian.co.uk


8月7日朝にニューマーケットで行われた 7ハロンの調教中、ハービンジャーの様子に明らかな異常があったため X線検査を行ったところ、左前脚中手骨の骨折が判明したとのこと。(たぶん中手骨。英語で condylar fracture of his near-fore cannonbone と記述されている)


馬主グループ「ハイクレア」公式サイト
「ハービンジャーの12人のオーナー、すべての関係者、キングジョージの活躍を見て彼のファンになった多くの人にとってつらい知らせです。ハービンジャーの将来についてはすぐにも決定されるでしょう。」



キングジョージで騎乗したオリビエ・ペリエ騎手
「このニュースを聞いてとてもとても残念に思っています。騎手にとってキングジョージに勝つことは特別ですが、ハービンジャーに騎乗して好敵相手に11馬身もつけたレコードでの勝利は格別のものでした。」(Racing Post)

「ハービンジャーとすべての人にとって悲しいニュースです。彼は凱旋門賞の最有力とみなされていて、多くの人が出走を心待ちにしていました。すばらしいパートナーだったチャンピオンホースがこのようにキャリアを終えるかもしれないとは残念でなりません。」「(キングジョージを振り返って)騎乗する前は勝つチャンスがあると思っていましたが、あれほど強い勝ち方をするとは思っていませんでした。11馬身差とレーコードタイムの勝利はすばらしいものでした。」「ゴルディコヴァやパントレセレブルのように優れた馬に多く騎乗してきましたが、ハービンジャーは完璧に近く、とても高いレベルの競走馬です。」「(故障は)とても残念です。将来については不明ですが、今は彼の無事が重要です。」(Guardian)



ハイクレアのディレクター、ジョン・ウォーレン氏
「ハービンジャーがレースに復帰できる可能性は小さいと言わざるを得ないが、まだ手術を行う前である。スクリューボルト2本で固定が必要なようだ。命に関わる症状ではありません。」



ハービンジャーは 7月24日に行われたキングジョージで、2着のアイルランドダービー馬ケープブランコに11馬身差付けレコードタイムで圧勝した。今後は8月17日の英インターナショナルS.、10月の凱旋門賞に出走する予定だった。また、ジャパンカップに出走する可能性もあった。


キングジョージの結果詳細やレース動画、ハービンジャーのこれまでのキャリアについては過去記事「"キングジョージ"はハービンジャーが11馬身差圧勝」をご覧ください。

2010年8月2日月曜日

ゴルディコヴァとルッキンアットラッキー

欧州最強マイラー、ゴルディコヴァがロートシルト賞に勝ってG1・10勝目を挙げました。その数時間後には、アメリカでハスケル招待ハンデが行われ、プリークネスステークス勝ち馬ルッキンアットラッキーが優勝しました。それぞれのレース映像は以下から。


ロートシルト賞(G1、Prix Rothschild)
ドーヴィル競馬場・芝1600m、3歳以上牝馬
1着ゴルディコヴァ Goldikova
2着ミュージックショー Music Show
3着イルーシヴウェーブ Elusive Wave

ロートシルト賞を勝ったゴルディコヴァ


ゴルディコヴァの勝負服は上の画像参考。ゴルディコヴァはゲートに向かって一番左の枠から発走です。



2着ミュージックショーは重賞2勝馬。5月のG1アイリッシュ1000ギニー3着、6月のG1コロネーションS.(3歳牝馬)4着。7月のファルマスS.(3歳以上牝)でスペシャルデューティーらを破って G1初勝利を挙げていた。3着のイルーシヴウェーブは 09年仏1000ギニー優勝、昨年のこのレースでゴルディコヴァから1・1/2馬身差の2着だった。


まあ、弱い相手ではなかったものの、ゴルディコヴァとは格が違ったというところでしょう。ゴルディコヴァはロートシルト賞3連覇。ゴルディコヴァとミュージックショーは、中1週で8月15日のジャック・ル・マロワ賞に向かう模様。ゴルディコヴァは3連覇のかかるブリーダーズカップ・マイルに出走するかどうかまだ明言されていないような気がするのですが、どうなっているか不明。




ハスケルインビテーショナルハンデキャップ(G1、ハスケル招待ハンデ)
Haskell Invitational Handicap

モンマスパーク競馬場・ダート9ハロン(約1800m、3歳限定)

ハスケル招待ステークスを勝ったルッキンアットラッキー



ケンタッキーダービーを勝ったスーパーセイヴァー Super Saver と2着のアイスボックス Ice Box、および第2冠プリークネスS.の勝ち馬ルッキンアットラッキー Lookin At Lucky と2着のファーストデュード First Dude、この4頭がそろって出走してきたハスケル招待S.はルッキンアットラッキーが優勝し、これでG1・2勝目。ケンタッキーダービーでは6着に敗れたが、ハスケル招待S.での4馬身抜け出した走りは力強く、3歳最強を印象付けました。


2着に入ったのはトラップショット Trappe Shotで、重賞は初出走だった。3着はファーストデュード、ハナ差4着がスーパーセイバー。


プリークネスS.とハスケル招待の連覇は、昨年のレイチェルアレクサンドラに続く2年連続。

各馬の詳細は過去記事をどうぞ。
ゴルディコヴァ、クイーンアンS.に勝利、G1-9勝目を挙げる
2010年プリークネスステークスの結果(レース映像)
2009年ブリーダーズカップ、全レース映像(YouTube から)
レイチェルアレクサンドラ、ハスケル招待も圧勝(レース映像あり)
2009プリークネスステークス(レース映像あり)」

2010年8月1日日曜日

ハービンジャーの次走は英インターナショナルステークスか

キングジョージで11馬身差圧勝劇を見せたハービンジャー Harbinger の次走は、8月17日にヨーク競馬場で行われるインターナショナルステークスになりそうです。

Harbinger could make Juddmonte return - Racing Post

ハービンジャーは凱旋門賞に向かう予定。馬主ハイクレアグループのスポークスマンは自社のウェブサイトで「ハービンジャーの状態はとても良く、スタウト調教師からレースで失った体重も完全に戻ったと報告を受けました。スタウト調教師はキングジョージから凱旋門賞に直行するのは、間隔が空きすぎると考えているため、われわれは現在、8月17日の G1インターナショナルステークスを走らせるか検討しています。」


インターナショナルステークス出走には登録料として5万ポンド(約680万円)が必要。またインターナショナルステークスは約2092mのレースですが、ハービンジャーが12ハロン(約2400m)より短いレースに出走すれば昨年5月以来8戦ぶりであり、このときはチェスター競馬場・芝2100mを3馬身差で1着になり、初勝利を挙げている。


インターナショナルステークスの正式名称は Juddmonte International Stakes (ジャドモントインターナショナルステークス)で元記事はそう表記しています。キングジョージ直後には、今年の愛ダービー馬でキングジョージ2着のケープブランコもインターナショナルステークスに向かう予定だとしていたので、2頭とも出走してくれば再び高いレベルのレースになりそうです。


ハービンジャーが勝利したキングジョージの結果・詳細は、過去記事「"キングジョージ"はハービンジャーが11馬身差圧勝」をどうぞ。レース映像もあります。