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2010年11月13日土曜日

ゴルディコヴァ、BCマイル4連覇目指す

先日のBCマイルで3連覇を達成した牝馬ゴルディコヴァ Goldikovaが6歳になる2011年も現役を続行し、BCマイル4連覇を目指すことが分かりました。

Goldikova to Go for Mile 'Four-Peat' in 2011 - BloodHorse.com
GOLDIKOVA TO RACE ON IN 2011 | Sporting Life

3連覇はブリーダーズカップ全レースを含めても史上初めての偉業です。過去記事「2009年BCマイル」「2010年BCマイル


ゴルディコヴァのオーナーブリーダー(馬主兼生産者)、Alain Wertheimer 氏は次のように述べています。「(4連覇は)ゴルディコヴァにとって唯一、真の目標です。彼女の状態はとても良いため、私たちは現役続行させることに決めました。また他の理由として、もしファンが見慣れた古馬がより多く現役を続ければ、より多くの競馬ファンたちに競馬場に来てもらえると考えるからです。仮に実質1年しか現役を続けないのであれば、人々は十分にその馬を見ることが出来ず、魅了されることもないでしょう。私はもっと多くの人々が競馬を好きになる機会があればよいと思っています。(優れた成績を挙げた馬が現役続行することは)牡馬の場合、(種牡馬として)多額のマネーがかかっているため、(難しい問題であると)理解しています。しかし、(私たちのように)多くの競走馬・繁殖馬を所有するのであれば、この牝馬を現役続行させない理由はありません。」

ゴルディコヴァの来年のスケジュールは未定で、来年になってから決定されるとのことです。

2010年11月8日月曜日

BCクラシック勝ち馬ブレイム引退

現地時間11月6日に行われたブリーダーズカップ・クラシックでゼニヤッタを負かしたブレイム Blame が引退することが発表されました。

Blame Retired; Available for Inspection - BloodHorse.com

来春からケンタッキー州にあるクレイボーンファームで種牡馬入りするとの事。11月8日と9日に、キーンランドで開催中のセールにおいて生産者向け展示会が行なわれるようです。


ブレイムは BC クラシックのほかに、2010年スティーヴン・フォスターH.および2010年ホイットニーH.を勝ちG1競走3勝しています。G2は2勝、G3を1勝し、通算13戦9勝2着2回3着2回の成績。

ブレイムの5代血統表はこちら。3代母スペシャル(Special)-4代母ソング(Thong)という良血馬で、種牡馬としても活躍が期待されます。

ブレイムの父 Arch はG1スーパーダービー勝ち馬で、その父クリスエス Kris S.×母 Aurora。Kris S.はご存知シンボリクリスエスの父でもある。Aurora(父ダンチヒ)は Arch のほかに、2010年10月にG1スピンスターS.を勝つなどグレードレース7勝の牝馬 Acoma、2001年のゴドルフィンマイル(当時G3)勝ち馬 Festival of Light を産んでいる。

ブレイムの母 Liable はステークス戦(非グレード競走)入着2回。Liable の母 Bound はG1エイコーンS.3着があるが重賞勝ちはない。Bound は父ニジンスキー×母スペシャル。その Bound×父シーキングザゴールド(ドバイミレニアム、シーキングザゴールドなどの父)で、ブレイムの母 Liable が誕生しました。


サドラーズウェルズやヌレイエフなど名種牡馬の宝庫であるスペシャル-ソング-ラフショッド系の出身であり、また、ロベルト、ダンチヒ、シーキングザゴールド、ニジンスキーと欧州でも活躍馬を出す血統で構成されており、世界中で産駒が活躍する可能性もありそうです。

2010年11月7日日曜日

ゴルディコヴァが史上初BCマイル3連覇

2010年もゴルディコヴァ Goldikova が BC マイルを勝って3連覇達成。ブリーダーズカップ全レースを通じても3連覇は史上初です。

ブリーダーズカップ・マイルのレース映像


ゴルディコヴァは中段外目を追走し、直線を向いたときは6番手。そこからグングン加速してこともなげに勝ちました。2着は昨年クラシック2着の Gio Ponti ジオポンティ、3着はG1エディーリードS.勝ちがある The Usual Q Tが入りました。欧州マイルG1競走3勝馬 Paco Boy が4着、米牝馬G1・5勝の牝馬 Proviso プロヴィソは7着。

ゴルディコヴァはBCマイルを3連覇して、通算21戦15勝、G1競走12勝。
BCマイルレース映像(08年08年予備09年09年予備)。加速してからの脚が1頭だけ別格で、3連覇も当然に思える強さでした。

追記:ゴルディコヴァ陣営は、BCマイル4連覇を目指して来年も現役を続行すると発表しました。「ゴルディコヴァ、BCマイル4連覇目指す

2010年BCクラシック、ゼニヤッタ2着に敗れる。ブレイムが優勝、エスポワールシチーは10着

現地時間10月7日に行われたブリーダーズカップ・クラシックはブレイム Blame が優勝、注目のゼニヤッタ Zenyatta はアタマ差2着に敗れました。日本から遠征したエスポワールシチーは10着でした(12頭立て)。

昨年牝馬としては初めてこのレースを制した19戦無敗のゼニヤッタが、アメリカ近代競馬史上初の20連勝、および牝馬としては初めて(牡馬含めてもティズナウ以来となる史上2頭目)のBCクラシック連覇なるかが最大の注目点でした。


勝ったブレイムはこれで通算13戦9勝2着2回3着2回。BCクラシックのほかに、6月12日スティーヴンフォスターH.および8月7日ホイットニーH.とG1競走 2連勝し、当時重賞5連勝していた。G1戦2走を連勝して挑んだ前走10月2日のG1ジョッキークラブゴールドカップでは、ハイネスフィールド Haynesfield(BCクラシック11着)の逃げ切りを許し4馬身差2着だった。

(追記:ブレイムは BCクラシック優勝を最後に引退し種牡馬入りすることが決まりました。詳しくは「BCクラシック勝ち馬ブレイム引退」)


ゼニヤッタは昨年のBCクラシック以来6戦ぶりとなる牡馬との対戦。今年はこれまで牝馬限定G1競走5連勝中でした。ゼニヤッタはチャーチルダウンズ競馬場は初めての出走、一方ブレイムはスティーヴン・フォスターH.のほかに昨年のG2クラークH.勝ちがあるなど、チャーチルダウンズで4戦3勝3着1回の成績。経験の差がアタマ差につながったかもしれません。


2010年ブリーダーズカップ・クラシックのレース映像(英語)

レース展開
スタートはゼニヤッタが出遅れ気味。エスポワールシチーが内のクオリティロード Quality Road、ハイネスフィールド、ファーストデュード First Dude らと1,2コーナーで先頭争いをしているころ、ゼニヤッタはすでに先頭から15馬身以上離された最後方に位置し、ブレイムは7馬身差の7番手を進んでいました。

向こう正面でも4頭が5番手以降に6馬身ほどの差をつけてハイペースで先行し、5番手エッチド Etched から11番手プレザントプリンス Pleasant Prince まで7頭が5馬身差ほどの固まりで進む。ゼニヤッタはすこし差を詰めて2馬身差最後方を追走。

4コーナーでクオリティロードとファーストデュードが脱落し、直線入り口ではエスポワールシチーが先頭に立つが、すぐ後ろにはルッキンアットラッキーやブレイムが迫っており後続に飲み込まれる。エスポワールシチーはこの後ポジションを落とすだけで10着でフィニッシュしました。

ブレイムは4コーナーから直線で先頭に立つまで、内を選んだにもかかわらず、一度も前の馬に進路に入られることがなく進むことが出来ました。直線に入って狭いところを抜け出したブレイムをゼニヤッタがいつもの通り最後方からの直線勝負で追い上げましたが、いつもと違ったのはブレイムもゼニヤッタ並みの勝負根性を見せた、というところでしょう、やすやすとゼニヤッタが交わしていくはずの場面で、ブレイムは最後まで脚を伸ばしゼニヤッタに抜かせませんでした。ゼニヤッタがこの脚質で19連勝した事自体が奇跡ですが、ブレイムほどの実力馬にここまでスムーズに競馬をされると、さすがに差しきれなかった。


まだはっきりと発表されたことは一度もないですが、ゼニヤッタはこれが引退レースと考えられています。ただし、昨年BCクラシックを勝ったあと引退するはずだったのが、撤回され今年も現役を続けているので、引退が明言されるまで現役続行を期待するのも悪くないと思います。


3着は今年のG1ベルモントS.、G1トラヴァースS.いずれも2着だったフライダウン Fly Down。4着ルッキンアットラッキー Lookin' at Lucky は、プリークネスS.、およびハスケル招待H.と3歳G1競走を連勝し、前走3歳G2インディアナダービーも勝って3連勝で、ここは2番人気だった。

他にエスポワールシチーとともに先行した3頭は。今年2月のG1ドンH.を12馬身差圧勝、G1メトロポリタンS.優勝、ホイットニーH.でブレイムの頭差2着などがあるクオリティロード Quality Road は最下位12着。前走G1ジョッキークラブゴールドC逃げ切り勝ちハイネスフィールドは11着。今年プリークネスS.2着のほかにG1競走3着4回があるファーストデュードはいったん遅れたもののわずかに盛り返して8着に入りました。米G1実績がある先行馬も総崩れで、エスポワールシチーにとっても厳しいレースだったでしょう。

2010年11月6日土曜日

レッドディザイア4着、ブリーダーズカップ・フィリーアンドメアターフ

現地時間11月5日に行われた BCフィリー&メアターフに日本からレッドディザイアが出走しましたが4着に終わりました。

レッドディザイアが出走した G1 ブリーダーズカップ・フィリーアンドメアターフのレース映像。レース動画予備1(JRA)予備2(BC公式サイト)予備3(BloodHorse)、いずれも英語実況です。

5,6番手を進む赤帽子、赤い勝負服がレッドディザイア。




レッドディザイア4着、ブリーダーズカップ・フィリーアンドメアターフ
約400メートル通過時点。矢印左から順に、3着Keertana、4着レッドディザイア、2着 Midday、1着 Shared Acccount


レッドディザイア4着、ブリーダーズカップ・フィリーアンドメアターフ
約1000m地点。矢印左から順に、3着Keertana、4着レッドディザイア、2着 Midday、1着 Shared Acccount



レッドディザイア4着、ブリーダーズカップ・フィリーアンドメアターフ
残り300m地点。矢印左から順に、3着Keertana、4着レッドディザイア、2着 Midday、1着 Shared Acccount

レッドディザイアは4コーナーで外から追い上げ、300メートル地点あたりで先頭に立ちましたが、内をすくって伸びてきた2頭に再び交わされ、外から伸びてきた Keertana にも差されました。

Breeders’ Cup Filly & Mare Turf(G1)
ブリーダーズカップ・フィリーアンドメアターフ
チャーチルダウンズ競馬場・芝11ハロン(約2200m)
3歳以上牝馬、11頭立て、現地時間11月5日午後6時53分発走
総賞金200万ドル、1着賞金108万ドル(約8800万円)
着順馬名
騎手名前走レース前走成績着差
1.Shared Account牝4 E.プラードフラワーボウル7頭5着2分17秒74
2.Midday牝4 T.クウィリーヴェルメイユ賞12頭1着クビ
3.Keertana牝4 J.レスカーノフラワーボウル7頭4着クビ
4.レッドディザイア牝4 K.デザーモフラワーボウル7頭3着1馬身
5.Hot Cha Cha牝4 J.グラハムスピンスターS.10頭3着クビ
6.Eclair de Lune牝4 J.アルバラードビヴァリーDS9頭1着クビ
6.Forever Together牝6 A.ナプラヴニクフラワーボウル7頭6着同着
8.Hibaayeb牝3 L.デットーリイエローリボン9頭1着クビ
9.Miss Keller牝4 J.カステリャーノE.PテイラーS10頭2着1・3/4
10.Harmonious牝3 J.ロザリオQE2チャレンジ8頭1着4・1/2
11.Plumania牝4 O.ペリエヴェルメイユ賞12頭2着1・3/4
斤量は3歳2頭(8着 Hibaayeb、10着 Harmonious)が 54.8kg。他9頭は 56.2kgでした。

出走11頭はすべて前走G1競走でした。

勝ったシェアードアカウントはこれが G1初勝利。2走前のG1ダイアナS.で、米G1競走7戦5勝2着1回の Proviso(明日のBCマイル出走予定)に頭差2着。他09年QE2チャレンジカップ(G1)2着、09年ガーデンシティーS.(G1)2着があった。前走はレッドディザイアが3着した G1フラワーボウル招待S.5着だったためか、単勝47倍の10番人気と人気薄でした。

2着ミッデイは昨年のこのレース勝ち馬。今年はクビ差2着で惜しくも2連覇を逃しました。今年ナッソーS.、ヨークシャーオークス、ヴェルメイユ賞とG1競走3連勝。昨年3歳時は英オークス2着、愛オークス3着のあと、ナッソーS.、BCフィリー&メアターフを勝っており、G1通算5勝の強豪で、単勝1.9倍のダントツ1番人気に押されていました。

3着 Keertana は G1勝利経験なし。09年にG3リグレットS.優勝。ほかに 9ハロン以下の重賞で2,3着が多かったが、2走前G3グレンフォールズH.で11ハロン(約2200m)のレースを使われると、2着に3馬身以上をつけて快勝。BCフィリー&メアターフも11ハロンのレースで距離が良かったかもしれません。単勝33倍の8番人気でした。

4着に日本から遠征したレッドディザイア。単勝6.1倍の3番人気でした。前走G1フラワーボウル招待S.では3着で、4着の Keertana に3馬身差、5着シェアードアカウントに3・3/4馬身差つけていましたが、逆転を許してしまいました。フラワーボウル招待S.もいったん先頭に立った後、内を抜けてきたアーヴェイとチェンジングスマイルに差されていて、レッドディザイアの使える脚が短くなっているかもしれません。Eclair de Lune ら他にも数頭いた米G1勝ち馬に先着しており、実力のあるところを見せましたが、ミッデイはともかく他の馬に先着されるとは思わなかったです。

レッドディザイアの次走は不明です。ただ米遠征は「アメリカでは鼻出血防止剤を使えるから」という理由があったはずなので、日本で出走させるでしょうか? そろそろ引退の可能性もありそうな?

Sunday Bess の新馬戦を画像で紹介(英デビューしたディープインパクト産駒)

日本で生まれ、イギリスでデビューしたディープインパクト産駒 Sunday Bess のデビュー戦の様子をキャプチャ画像で紹介します。ちなみに、無料会員登録をすればこのページ(英語サイト)からレース映像を見れます。

E.B.F. Showcasing Standing At Whitsbury Manor Stud Maiden
新馬・未勝利戦、7頭立て
現地時間2010年10月28日14時10分発走
リングフィールド競馬場・オールウェザー7ハロン(約1400m)
着順
(枠番)
馬名
斤量騎手名オッズ前走成績着差
1(6)Tulliusセン258.5J.Crowley26倍14頭11着1分25秒85
2(5)Sunday Bess牝256.2R.Kingscote5倍初出走ハナ
3(4)Motivado牡258.5S.Sanders8.5倍10頭4着1・1/4馬身
4(1)Trojan Nights牡258.5K.Fallon2.25倍12頭5着2・1/4馬身
5(2)Hugely Exciting牡258.5L.Morris17倍初出走3/4馬身
6(7)Sammy Alexander牡258.5A.Atzeni21倍9頭7着頭差
7(3)Red Mercury牡258.5C.Catlin5倍4頭3着3・3/4馬身


スタート直後、矢印の左から順に 1着 Tullius、2着 Sunday Bess、3着 Motivado


1コーナーに入った直後、Sunday Bess が2番手追走、勝ち馬はそれ見る位置で3番手、3着する Motivado は後方外を追走


向こう正面の様子。ほぼ一群となってレースが進む。矢印の左から順に 3着 Motivado、1着 Tullius、2着 Sunday Bess。



3-4コーナー中間あたり。矢印の左から順に 3着 Motivado、1着 Tullius、2着 Sunday Bess。


最後の直線に入ってすぐ。逃げ馬がふくらんだため直線外目を進む。矢印一番右 Sunday Bess はほぼ先頭に並ぶ。勝ち馬 Tullius もその外にぴったりと。3着 Motivado も外に


残り1ハロンを過ぎたあたり。内を突いた4着馬 Trojan Nights が一瞬見せ場を作る。上位3頭矢印の左から順に 3着 Motivado、1着 Tullius、2着 Sunday Bess。


残り100m通過時点。上位3頭が抜け出す。1着 Tullius、2着 Sunday Bess が先頭争い。その1馬身後に3着 Motivado。


ゴール地点。Tullius が Sunday Bess にハナ差だけ先着して1着。Motivado が1・1/4馬身が3着。

栗山守ブログ: ディープ産駒 Sunday Bess、英デビュー戦で2着
母リーサはチリ産で、同国の1000ギニー(智G1・芝1700m)、ナシオナルリカルドリヨン賞(智G1・芝2000m)などを制し、チリ2歳牝馬チャンピオン、チリ芝牝馬チャンピオンに輝きました。母の父 Hussonet(父 Mr.Prospector)は00年から7年連続リーディングサイアーとなった大種牡馬。その母 Sacahuista はブリーダーズCディスタフ(米G1・ダ10f)の勝ち馬で、米3歳牝馬チャンピオンとなった名牝です。
http://www.pedigreequery.com/hussonet

Sunday Bess 自身は社台コーポレーション白老ファームの生産馬。セレクトセール2008で3300万円の値が付き、1歳時にイギリスへ輸出されました。

Sunday Bess はかなり良血のようですね。5代血統表はこちら

1着 Tullius は7月にデビューし、1着から26馬身差の14頭立て11着でした。3ヶ月で完全に立て直した形で、人気薄でしたが初勝利を挙げました。5代血統表はこちら。父はフォルリ直系 Le Vie Dei Colori(G1競走1勝2着1回含む重賞5勝)。母父キングマンボです。

Sunday Bess の次走は不明です。


(フランスで走るディープインパクト産駒 Barocci のデビュー戦はこちら「ディープインパクト産駒 Barocci の仏デビュー戦を写真で紹介」)

2010年11月3日水曜日

バンベラ引退、ケンタッキーで繁殖入り

ベネズエラからアメリカに移籍した牝馬バンベラ Bamberaは、10月11日のロゼナステークスで1着から24馬身差、4着から13馬身差の最下位5着に敗れました。レース後、共同オーナーの一人、José Gregorio Castro は引退を認めています。

Castro: "Bambera será servida en Kentucky" - YVKE Mundial

オーナーのカストロ氏は「(バンベラは)競馬場ですべてを発揮しました。引退させ、ケンタッキーの牧場で繁殖入りさせるつもりです。こちらの優良な種牡馬と交配させたいと考えています」と述べています。

最後のレースになった前走 Rossena S. では不可解なほど惨敗しましたが、状態に問題はないそうです。11月15日にケンタッキーに移動する模様。オーナーは、アメリカのチャンピオン(特に同じ牝馬のゼニヤッタやレイチェルアレクサンドラのことでしょう)と戦わせるために米移籍させたことを後悔していると述べました。

調教師の Gustavo Delgado 氏は、「(Rossena S.)の結果は悲しいもので失望している。繁殖にあげるのがバンベラにとってべストだろう」と述べました。

バンベラの通算成績は23戦16勝。2009年には、ベネズエラの牡牝それぞれの三冠レース計6戦に出走して5勝を挙げるなどし、ベネズエラ時代は通算18戦16勝、G1競走10勝。2010年からアメリカに移籍しました。アメリカでは5戦しましたが、初戦ランパートS.で骨折した影響を引きずったのか、米では未勝利のまま引退することになりました。

バンベラの北米でのレースは過去にも記事にしました。詳しくはそれぞれの記事をどうぞ。レース映像も載せています。

第1戦、G3ランパートS.(ダート1700m、3月20日、8頭立て8着)
バンベラ、北米デビュー戦敗れる、レース中に故障か

第2戦、オプショナルクレーミング(芝1700m、8月5日、4頭立てハナ差2着)
Bambera、アメリカ2走目は2着

第3戦、George Rosenberger Memorial S.(芝1700m、9月11日、10頭立て3着)
Bambera、米移籍3戦目は3着

第4戦目は9月28日のオプショナルクレーミングレース(デラウェアパーク、ダート1マイル17ヤード、3歳以上牝馬限定)を4頭立て3着(1着から5馬身差、レース映像)、第5戦目は Rossena S.(デラウェアパーク、ダート1700m、3歳以上牝馬限定)を5頭立て5着でした(レース映像)。

ベネズエラ時代の成績「今年の世界名牝十傑 - 名牝達の後宮 - 創造は力」より
牝馬三冠緒戦のラリンコナダ競馬場賞を6馬身差で圧勝すると、その翌週には牡馬三冠緒戦のホセアントニオパエス賞も4馬身半差で快勝。2週間後の牝馬二冠目プレンサイピカナシオナル賞を5馬身3/4差で勝って、翌週の牡馬二冠目クリアナシオナル賞へ挑んだ。しかし、連戦の疲れが出たのか、ゴール前で Harriman に強襲されてダブル二冠はならず。しかし、それでもへこたれない Bambera は、中2周で挑んだ牝馬三冠最終戦のホアキンクレスポ将軍賞で牝馬三冠を達成すると、牡馬三冠最終戦のヴェネズエラボリヴァル賞は12馬身差ぶっちぎって五冠を達成した。その後古馬相手のG1も制した彼女は、クラシコデルカリブでメキシコの三冠牝馬 Vivian Record との激闘を制し10個目のG1タイトルを獲得している。


個人的にはアメリカに長距離レースがほとんどないのが、バンベラの活躍の可能性を狭めたかなと。ベネズエラ時代には短距離実績もあったものの、アメリカの1700m付近のレースで結果が出なかったのだから、もっと長い距離で見てみたかったなぁ。一番残念だったのは米移籍初戦で骨折してしまったこと。スタートでつまづいた事が原因と見られる完全にアクシデント。復帰後も骨折の影響があったのかは分かりませんが、順調な状態ならどこまでやれたのか分からないまま、ベネズエラの名牝のキャリアが終わることになりました。

2010年11月2日火曜日

2010年メルボルンカップのレース映像(日本馬トウカイトリック出走)

11月2日に行われた、オーストラリア競馬最大の祭典メルボルンカップのレース映像を YouTube から紹介します。



動画予備1予備2

日本から出走したトウカイトリックは、次の画像のように(赤の矢印)スタートから内に入り先行馬を見る形での競馬になりました。
japanese Tokai Trick 12th in Melbourne Cup
白い帽子、白基調の勝負服がトウカイトリック
トウカイトリックは4コーナーで内を突き、残り400m付近で一旦先頭に並んだものの、残り300m付近で直線で外に持ち出した先行馬ハリスツイードやソーユーシンクらに突き放され、よく粘りましたが12着に終わりました。

レースは、トウカイトリックも出走した G1コーフィールドカップ2着馬ハリスツイードや、G1コックスプレート勝ち馬ソーユーシンクらが最後の直線で一旦抜け出したものの、アメリカインが外から差しきって優勝。2着にマラッキーデイが入りました。

トウカイトリックは内を突いたことで見せ場は作りました。ただ、勝ち馬アメリカインは道中、トウカイトリックの1馬身後ろの外に、2着マラッキーデイはトウカイトリックに馬体を並べて外側に位置していました。この上位2頭のほかにも8着までを直線外に持ち出した馬たちが占めたことを考えると、トウカイトリックも内に進路をとったのはあまり得策ではなかったかもしれません。

勝ったアメリカインはフランスからの遠征馬で、8月の仏G2ケルゴルレイ賞を含む3000mレースを3連勝したあと、メルボルンカップを目指して渡豪。前走の豪G3ギーロンC(芝2400m)でも優勝していた。ほかに Prix Vicomtesse Vigier(仏G2、芝3200m、2009年)を勝ち、2008年には仏G3 Prix de Lutece(芝3000m)1位入線2着降着があるなど、3000mを超えるレースを得意としている。このあとは香港ヴァースに向かう模様。

着順
メルボルンカップ Melbourne Cup
オーストラリア・フレミントン競馬場、芝3200メートル、3歳以上ハンデ
23頭立て
総賞金4億9400万円、1着賞金2億8800万円(1豪ドル=80円で計算)
勝ち時計3分26秒87、上がり3ハロン 36.70
着順馬名英語斤量(kg)騎手着差(馬身)
1アメリカインAmericain54.5G.モッセ
2マラッキーデイMaluckyday51.0L.Nolen2.8
3ソーユーシンクSo You Think56.0S.Arnold3.3
4ジッピングZIPPING55.5N.ホール5.0
5ハリストウィードHarris Tweed55.0B.ローウィラー5.5
12トウカイトリックTokai Trick54.5藤田 伸二12.7