次のように賞金が高いレースから順に紹介しています。いずれもダート戦。
アルゼンチン共和国大賞(3歳以上、2000m)
クリアドレス大賞(3歳以上牝馬、2000m)
ラスアメリカス大賞(3歳以上、1600m)
モンテビデオ大賞(2歳牡馬、1500m)
ホルヘデアトゥーチャ大賞(2歳牝馬、1500m)
ブエノスアイレス市大賞(3歳以上、1000m)
メイン競走のアルゼンチン共和国大賞(ダート2000m)は、いつもより後ろ目の中団を追走した2番人気エクスプレッシヴヘイローが残り1ハロンで外から先頭に並び、内でしぶとく食い下がったマニュスクリトや、ゴール直前で最内を突いて伸びてきたアルカスルを退けて優勝しました。
3月の亜G1オノール大賞典(ダート2000m)で3着エクスプレッシヴヘイローに先着して1,2着だったラビッドインザライとガランデシナはそれぞれ4番人気5着、1番人気6着でした。
近2走のエクスプレッシヴヘイローは早めに先頭に立ちながら手ごたえの割りに伸びず、内から差されて2着、3着とG1で惜敗が続きましたが、今回は追い出しを遅らせたのが良かったのかなんとか勝って、G1競走3勝目です。
エクスプレッシヴヘイローの5代血統表。父はサザンヘイローではなく、ヘイローサンシャイン。
2012年アルゼンチン共和国大賞のレース映像。大外14番枠がエクスプレッシヴヘイロー。
アルゼンチン共和国大賞
(Gran Premio Republica Argentina)
2012年5月1日、アルゼンチン・パレルモ競馬場、ダート2000m
3歳以上、G1、14頭、レース結果、1着賞金60万アルゼンチンペソ
着順 | 馬名 | 性齢 オッズ | 騎手 | 着差 | 通算成績 主な成績 |
1 | エクスプレッシヴヘイロー Expressive Halo | 4牡 3.8倍 | G.Calvente 61kg | 2分01秒72 | 17戦【6-2-4-5】 亜G1競走3勝目 |
2 | マニュスクリト Manuscrito | 3牡 16.5倍 | J.Ricardo 57kg | 頭 | 5戦【3-1-0-1】 重賞初出走 |
3 | アルカスル Al Qasr | 3牡 8.05倍 | C.Trujillo 60.1kg | ハナ | 11戦【7-1-1-2】 ペルー重賞4勝 |
牝馬限定G1クリアドレス大賞(ダート2000m)は、4月の亜牝馬G1フィルベルトレレナ大賞(ダート2000m)で追い込んで短クビ差2着だったカリベイビーが1番人気、逃げて優勝したマリブクイーンが2番人気と3歳馬が1,2番人気に支持され、マリブクイーンがスタートから逃げると、向こう正面で一時先頭を譲りましたが逃げ切って優勝し、重賞4勝目、G1競走2勝目を挙げました。
マリブクイーンのすぐ後ろを追走した2010年亜3歳牝馬2冠馬キャッチザマッドが3着。後方を進んだカリベイビーは外から追い上げましたが、ほぼ同じ位置を追走し内を突いたアルムデナにも交わされ4着まで。
キャッチザマッドはフィルベルトレレナ大賞で4着。アルムンダはペルーから移籍し、エクスプレッシヴヘイローが2着だった牡馬混合の亜G1ラテンアメリカジョッキークラブ大賞でも15頭立て9着しており牝馬同士なら上位でした。
マリブクイーンの5代血統表。父は昨年死亡したアルゼンチンのリーディングサイヤー、バーンスタイン(その父ストームキャット)。母は亜G1クリアドレス大賞典勝ち馬マリンチェ。
2012年クリアドレス大賞のレース映像。最内1番枠がマリブクイーン。
クリアドレス大賞(Gran Premio Criadores - Copa Haras La Pasion)
2012年5月1日、アルゼンチン・パレルモ競馬場、ダート2000m
3歳以上牝馬、G1、8頭、レース結果(要登録)、1着賞金15万アルゼンチンペソ
着順 | 馬名 | 性齢 オッズ | 騎手 | 着差 | 通算成績 主な成績 |
1 | マリブクイーン Malibu Queen | 3牝 3.8倍 | J.Noriega 57kg | 2分02秒43 | 12戦【7-2-1-2】 G1逃げ切り連勝 |
2 | アルムンダ Almudena | 4牝 5.45倍 | A.Domingos 60kg | 2 | 17戦【6-5-1-5】 ペルー牝馬G1を1勝 |
3 | キャッチザマッド Catch The Mad | 4牝 7.7倍 | E.Talaverano 60kg | 頭 | 20戦【5-7-4-4】 G1競走3勝 |
3歳以上のダート1マイルG1ラスアメリカス大賞は、5ヶ月ぶりの出走で、8頭立て7番人気だったパネギリコが前4頭から離れた5番手を進み、最後の直線で外から追い上げて残り1ハロンで先頭に立つと、2着を6馬身突き離して優勝し、G1初勝利を挙げています。重賞も6戦目で初勝利。半年前の(2走前の)同コースで行われたG1パレルモ大賞は5馬身差2着に敗れていましたが、3着には8馬身差をつけており、人気はなかったものの順当な勝利といえそうです。
前走1400m戦を15馬身差で勝ち、重賞初出走で圧倒的1番人気に支持されたサルディネロ Sardinero は800m通過43秒66というハイペースで逃げ、1着から12馬身差の4着に敗れました。
パネギリコの5代血統表。父ラシアンブルー(その父デインヒル)は愛仏G1で3着3回。産駒G1初勝利。3代母はアルゼンチンで10度のリーディングサイアーに輝いたサザンヘイローの半妹。
2012年ラスアメリカス大賞のレース映像。5番枠がパネギリコ。
ラスアメリカス大賞(Gran Premio De Las Americas)
2012年5月1日、アルゼンチン・パレルモ競馬場、ダート1600m
3歳以上、G1、8頭、レース結果、1着賞金14万アルゼンチンペソ
着順 | 馬名 | 性齢 オッズ | 騎手 | 着差 | 通算成績 主な成績 |
1 | パネギリコ Panegirico | 4牡 13.85倍 | G.Calvente 60kg | 1分34秒09 | 12戦【5-3-2-2】 ここまで重賞5走2着3回 |
2 | デスクブリロ Descubrilo | 4牡 6.9倍 | A.Domingos 60kg | 6 | 13戦【5-4-1-3】 G2を1走し3着 |
3 | ミスターダニー Mr. Dany | 3牡 11.7倍 | E.Talaverano 57.7kg | 2・1/2 | 8戦【3-3-1-1】 ペルーマイルG1を1勝 |
2歳牡馬G1モンテビデオ大賞(ダート1500m)は、逃げ馬の2,3馬身後ろで内ラチ沿い5番手を追走したパタケスが、最終コーナーでもうまく最内を回って最後の直線入り口で先頭にほぼ並ぶと、いったん外から2着馬に馬体を併せられましたが、残り100mで突き放して優勝し、重賞初出走初勝利を挙げました。
亜2歳牡馬G1サンティアゴルーロ大賞(ダート1200m)2着ズールーがここも2着。前走ペルー準重賞でデビューし3着しただけのビッグカサノヴァが最低人気で3着に入りました。1番人気ブラックコヨーテは勝ち馬の直後を追走したものの全く伸びず最下位に敗れています。
これでデビュー2戦目から4連勝。ちなみに前走は重賞では無いですが"Especial Final Copa Bullrich"という、1着賞金が今回の2.5倍のレースを勝っていました。"Copa Bullrich"は、タターソールズミリオンズやマジックミリオンズのように、アルゼンチンのBullrich セール出身馬限定の高額賞金レースシリーズのひとつ。
パタケスの5代血統表。父キャッチャーインザライ(その父デインヒル)。母はアメリカで1戦未勝利馬。パタケスが初子のようです。4月に亜G1オノール大賞(ダート2000m)をラビットインザライが勝ったばかりで、キャッチャーインザライ産駒のG1勝ちはこれで2頭目(2勝目)。
2012年モンテビデオ大賞のレース映像。最内枠、黄色の5のゲート発走がパタケス。
モンテビデオ大賞(Gran Premio Montevideo)
2012年5月1日、アルゼンチン・パレルモ競馬場、ダート1500m
2歳牡馬、G1、7頭、レース結果、総賞金12万アルゼンチンペソ
着順 | 馬名 | 性齢 オッズ | 騎手 | 着差 | 通算成績 主な成績 |
1 | パタケス Pataques | 2牡 4.7倍 | A.Domingos 55kg | 1分31秒40 | 5戦【4-0-0-1】 重賞初出走 |
2 | ズールー Zoulou | 2牡 3.65倍 | M.Leyes 55.5kg | 1・1/2 | 4戦【1-3-0-0】 3戦連続重賞2着 |
3 | ビッグカサノヴァ Big Cazanova | 2牡 15.95倍 | C.Gomez 55kg | 1・1/2 | 2戦【0-0-2-0】 準重賞2着 |
2歳牝馬限定のホルヘデアトゥーチャ大賞(ダート1500m)は、中団を追走したスマッシンググローリーが最終コーナーで先頭に並びかけると、日本供用種牡馬ヨハネスブルグ産駒のG1馬バンバジェーンらを振り切って優勝し、重賞初勝利を挙げました。
スマッシンググローリーはエリセオ・ラミレス大賞(芝1400m)2着馬で今回が重賞初勝利。2着サンドパースと3着バンバジェーンはサトゥルニノ・J・ウンスエ大賞(ダート1200m)でそれぞれ3着、1着。
スマッシンググローリーは昨年リーディング3位オナーアンドグローリー産駒。また2代母スマッシングヘイローは日本で5頭を産み、うち4頭が中央で勝ちあがっています(それぞれ1勝のみ)。母スマッシングキャット(その父テイルオブザキャット)はアメリカに再輸出された後の産駒。
2012年ホルヘデアトゥーチャ大賞のレース映像。6番枠がスマッシンググローリー。
ホルヘデアトゥーチャ大賞(Gran Premio Jorge De Atucha)
2012年5月1日、アルゼンチン・パレルモ競馬場、ダート1500m
2歳牝馬、G1、9頭、レース結果、1着賞金12万アルゼンチンペソ
着順 | 馬名 | 性齢 オッズ | 騎手 | 着差 | 通算成績 主な成績 |
1 | スマッシンググローリー Smashing Glory | 2牝 3.5倍 | J.Ricardo 55.5kg | 1分30秒02 | 3戦【2-1-0-0】 重賞初勝利 |
2 | サンドパース Sand Puce | 2牝 3.7倍 | A.Domingos 55.2kg | 1・1/2 | 3戦【1-1-1-0】 重賞2戦目 |
3 | バンバジェーン Bamba Jane | 2牝 2.9倍 | E.Talaverano 56.1kg | クビ | 3戦【2-0-1-0】 牝馬G1勝ち |
最後のブエノスアイレス市大賞(ダート1000m)は、昨年11月に同条件のG1マイプ大賞を勝っていた2番人気チャールズキングが1番人気ウォッチハーとの追い比べを制してG1競走2勝目を挙げました。前走の亜G3アレナレス将軍賞(ダート1000m)1,2着していたウォッチハーとトリステザキャットが1番人気2着と3番人気3着に入っています。芝1000mのG1を2勝しているドニャレイは14着大敗。
チャールズキングの5代血統表。父アルファプラス(その父ミスタープロスペクター)は9頭のG1馬を輩出。チャールズキングの全兄Augurio Plusは2010年のマイプ大賞勝ち馬で、マイプ大賞は全兄弟制覇だったのですね。
2012年ブエノスアイレス市大賞のレース映像。5番のゲートがチャールズキング
ブエノスアイレス市大賞(Gran Premio Ciudad De Buenos Aires)
2012年5月1日、アルゼンチン・パレルモ競馬場、ダート1000m
3歳以上、G1、15頭、レース結果、1着賞金12万アルゼンチンペソ
着順 | 馬名 | 性齢 オッズ | 騎手 | 着差 | 通算成績 主な成績 |
1 | チャールズキング Charles King | 5牡 3.7倍 | P.Falero 59kg | 54秒16 | 17戦【9-3-0-5】 重賞2勝ともG1戦 |
2 | ウォッチハー Watch Her | 4牝 2.9倍 | A.Zacarias 57kg | 1/2 | 18戦【7-5-2-4】 重賞4勝、G1初出走 |
3 | トリステザキャット Tristeza Cat | 5牝 5.95倍 | J.Noriega 57kg | 1・1/2 | 37戦【20-8-5-4】 重賞11勝、2年前に2着 |
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