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2010年5月28日金曜日

ペルーサ、サンテミリオン、エスポワールシチーが海外遠征を検討中

今年海外レースへ出走することを検討している日本馬3頭の情報を。(他にもいるだろうけど)


ペルーサ(牡3、藤澤和雄厩舎、山本英俊オーナー)
前走の青葉賞を4馬身差で勝利。5月30日の日本ダービーに出走予定で、ダービーと同条件の東京競馬場・芝2400mを快勝しているため、ダービーでも有力視している人も多いでしょう。私もそうですが。

【ダービー】ペルーサ、凱旋門賞挑戦へ本気 - SANSPO.com

ペルーサは10月4日に行われる凱旋門賞(G1、ロンシャン競馬場芝2400m)に出走することを検討しているとのこと。上の記事によると、
藤沢和調教師は20日、「輸送や検疫の問題もあるし、あくまでもダービーが終わってからのことだけどね」と前置きした上で続けた。「ダービーを勝ったら行くとかではなく、ロンシャンに連れて行っても恥ずかしくないクラスの馬かどうか、それだけの競馬を見せてくれればチャレンジするつもりです」
ということで、「最低条件はダービーに勝つこと」などとは言われていないため、ダービー2着でも「凱旋門賞に連れて行っても恥ずかしくないクラス」だと判断できれば、行くのかもしれません。ただし藤澤調教師や山本オーナーが「ダービーで勝てないなら凱旋門賞ではとてもじゃないが通用しない」と考えているならやはり「最低でもダービー勝利」が必要でしょう。
ペルーサは凱旋門賞の1次登録は済ませており、遠征が正式に決まれば8月初旬に出国する予定。3歳限定の前哨戦、ニエル賞(9月12日、G2、ロンシャン、芝2400メートル)をステップにして本番の凱旋門賞に挑む。




サンテミリオン(牝3、古賀慎明厩舎、吉田照哉オーナー)
先日のオークスでJRA史上初G1同着優勝という激闘を見せてくれたサンテミリオンは、米G1アメリカンオークス挑戦の可能性があります。

サンテミリオン、米挑戦も視野に - デイリースポーツオンライン

アメリカンオークスは、ハリウッドパーク競馬場芝2000mで行われます。今年は7月3日の開催。古賀氏が管理していたアサヒライジングは4年前に、桜花賞4着オークス3着の後アメリカンオークスに出走し、2着だったことがある。日本馬はこれまで4頭がアメリカンオークスに出走し、ダンスインザムード2着、シーザリオ1着、前述アサヒライジング2着、ローブデコルテ5着だった。ローブデコルテ以外の3頭に共通するのは中山小回りを先行して好走歴があったこと。中山競馬場芝2000mの若竹賞(500万下)1着や、1800mのG3フラワーカップ3着など小回りでもそれなりの結果を残しているサンテミリオンは、アメリカンオークスにおける日本馬好走パターンにも合致しており心強い。


ちなみにハリウッドパーク競馬場は財政難のため、今年は大レースを中心に賞金額が大きく減額されており、アメリカンオークスの総賞金は昨年の70万ドルから25万ドルへ変更されている




エスポワールシチー(牡5、安達昭夫厩舎、友駿ホースクラブ)
09年のジャパンカップダート、今年2010年のフェブラリーステークス勝利で日本競馬ダート界に君臨するエスポワールシチーのブリーダーズカップ・クラシック挑戦が正式に決まっています。日本馬としては08年のカジノドライヴ以来のBC出走です。BCに備えるため、帝王賞は回避する模様。

エスポワール、BCクラシック挑戦が決定 - 日刊スポーツ

ブリーダーズカップに出走するには多額の追加登録料が必要です。エスポワールシチーの場合、エスポワールシチー自身は未登録ですが、父ゴールドアリュールは種牡馬登録しているため、支払う登録料は25万ドルとのこと。優駿ホースクラブの一口馬主さんたちはそれぞれ7万円を負担されるようです(追加支払いではなく、前走かしわ記念の賞金をプールしておいてそこからまかなうようです)。


毎年、各競馬場の持ち回りで開催されるブリーダーズカップは、今年はチャーチルダウンズ競馬場で行われます。ケンタッキーダービーを開催する競馬場ですね。チャーチルダウンズ競馬場はアメリカの競馬場の中では直線が長く約376mあります。日本の主要競馬場ダートコースの直線の長さは次のとおり。

東京競馬場501.6m
中山競馬場308m
京都競馬場329m
阪神競馬場352.5m

エスポワールシチーは、昨年09年のJCダート、今年のフェブラリーステークスと、阪神および東京ダートG1勝ちがあり、直線が長いコースでも問題ないのは明らか。というよりむしろ直線の長いコースのほうが着差が大きい傾向にあり、得意なのでしょう。あとはアメリカの競馬が普段小回りの競馬をしているため、日本より先行力のあるメンバーがそろっている点がどうかでしょう。


エスポワールシチーの次走は未定です。11月6日のBCクラシック前に現地でアメリカで1戦使いたいと安達調教師が話しており、10月2日のジョッキークラブゴールドカップ(G1、ベルモント競馬場ダート2000m)が有力視されている。

2010年5月24日月曜日

BCマイル三連覇へ視界良好、ゴルディコヴァがG1イスパーン賞に勝利

08年09年と2年連続でブリーダーズカップ・マイル(G1、芝1600m)に優勝し、三連覇を目指している牝馬ゴルディコヴァ/Goldikovaが今年初戦のイスパーン賞(ロンシャン競馬場芝1850m)に出走し1/2馬身差で優勝しました。2着は前走のG2ミュゲ賞(芝1600m)で自身初の重賞勝利を挙げたバイワード/Byword(牡4歳)。昨年フランスオークス(ディアヌ賞、芝2400m)などG1を3勝した4歳牝馬のスタセリタ/Stacelitaは1着から16馬身差の4着に敗れた。

下の動画はイスパーン賞のレース映像です。ゴルディコヴァは最内枠からの発走で、白帽子、青い勝負服(袖は白)。スタセリタはオレンジ帽子、同色の勝負服。


逃げる2頭の後ろにつけ3番手から競馬を進めるゴルディコヴァに対して、スタセリタは道中最後方からの競馬をする。隊列に大きな変化がないまま迎えた最後の直線入り口で、ゴルディコヴァと2着バイワードが抜け出したところに3着ウィーンワルツ/Wiener Walzer(昨年のドイツダービー馬)とスタセリタがいったん襲い掛かるが勢いはそこまで、上位2頭が後続をぐんぐん突き離す。ゴルディコヴァ鞍上のペリエ騎手がゴール前で追うのを止めたため、バイワードが半馬身差まで詰めたが、最後まで追っていたら1馬身以上は抜け出して勝っていたでしょう。イスパーン賞の勝ちタイム1分49秒40はレースレコードを記録した。


ゴルディコヴァはG1レース8勝目。昨年の初戦もイスパーン賞に出走して、このときは7着だった。その後G1競争3連勝、G1フォレ賞3着をはさんで、BCマイル1着。今年は昨年よりも良いスタートとなった。次走はロイヤルアスコットのクイーンアンステークス(G1、アスコット競馬場芝1600m)が予定されている。



2着バイワードは前走で重賞勝ちも、昨年はGII 4着、GIII 4着があるだけで勝利はリステッド競争のみ。バイワードの父パントレセレブルの代表産駒には、古馬になってぐっと強くなったプライド(ディープインパクトが出走した2006年の凱旋門賞で2着)がいる。バイワードの好走も本格化のきざしかもしれない。一方09年独ダービー勝ち馬ウィーンワルツと、昨年の凱旋門賞でも有力視されたスタセリタとは、この距離ではスピードが不足気味なのだろう。次走以降に期待したい。

2010年5月22日土曜日

昨年の米クラシック馬がそろそろ復活

昨年09年のアメリカ競馬クラシック路線で活躍した2頭がそろそろレースに復帰するようです。1頭はケンタッキーダービー馬マインザットバード / Mine That Bird、もう1頭はベルモントステークス馬サマーバード / Summer Birdです。


09年のケンタッキーダービーを単勝51倍ながら6馬身差で優勝したマインザットバードは、2冠目プリークネスS.でレイチェルアレクサンドラの2着、三冠目ベルモントステークスではサマーバードの3着と3歳クラシック路線で好走を続けた。しかし夏からは3歳馬同士のG2ウェストヴァージニアダービーで格下のソウルウォリアーなどに敗れてまさかの3着、さらに古馬初対戦だった G1 グッドウッドステークスではギターノエルナンドの6着ブリーダーズカップクラシックではゼニヤッタの9着と惨敗して、馬の変わったような競馬を見せた。その後現在まで出走はしていない。


マインザットバードは先日、オーナーの意向でニューメキシコのウーリー厩舎からケンタッキーのルーカス厩舎へ移籍することが発表されました。


移籍発表後のチップ・ウーリー調教師のコメント「オーナーは『そうする方が良いと思ったから』ということだった。とてもひどく、理解しがたいことです。私がマインザットバードと成し遂げたことを考えれば、私に管理し続ける権利はあると思っていました。とてもつらいです。しかしマインザットバードを調教する機会があったことには感謝しています。」


マインザットバードは5月20日ルーカス厩舎に到着しています。ルーカス調教師によると、今年の最終目標はBCクラシック(チャーチルダウンズ競馬場ダート2000m)で、それまでに3戦程度をこなしたいと考えているとのこと。記事中で出走候補に挙げられているレースは次のとおり。
7月3日サバーバンハンデキャップ(G2、ベルモントパーク競馬場ダート10ハロン)
7月3日サルヴァトーレマイル(G3、マンモスパーク競馬場ダート8ハロン)
8月7日ホイットニーハンデキャップ(G1、サラトガ競馬場ダート9ハロン)

下の動画はマインザットバードの勝ったケンタッキーダービー





サマーバードは昨年3月1日に初出走。2戦目で初勝利を挙げ、3戦目アーカンソーダービー(G2)で3着のあと、ケンタッキーダービー6着、プリークネスS.は回避して迎えた5戦目ベルモントS.で見事優勝、デビューからわずか3ヶ月でクラシックホースになった。サマーバードは、クラシック終了後に調子を崩したマインザットバードとは対照的に、次走G1 ハスケル招待ハンデでレイチェルアレクサンドラから6馬身離されたものの2着、『真夏のダービー』トラヴァースS.(G1)1着、古馬初対戦のG1ジョッキークラブゴールドカップ1着と続けた後、芝馬に有利といわれたオールウェザーコース開催のBCクラシックでダートをメインに走っていた馬では最先着の4着と好走した。その後、アメリカのクラシック競走優勝馬としては初めて日本のレース(ジャパンカップダート)に出走する予定でしたが、ケガで断念していました。JCダートに出走せず帰国した後、骨折の治療のため手術を受け、その後はこれまで未出走。


マインザットバードと同じくサマーバードも今年厩舎を移籍している。今年2月、オーナーのジャラヤマンは「ティム・アイス調教師とは上手くコミュニケーションが取れていない」としてアイス厩舎に預けていた25頭すべてを転厩させており、サマーバードはティム・リッチー厩舎へ移った。リッチー調教師はブリーダーズカップまでにサマーバードを3,4戦させたいとしている。特定のレースについて明言しておらず、夏のすべてのハンディキャップ競争が出走候補と話している。


サマーバードが昨年トラヴァースS.、ジョッキークラブ金杯と連続して負かした相手には、2010年2月の米G1ドンハンデを12馬身差のレコードタイムで圧勝し、2010年4月発表のワールドサラブレッドランキングでは世界3位のレーティング(2010年3月31日までの1年間が対象、1位はシーザスターズ、2位はゼニヤッタ)を記録したクオリティーロードがいる。私はサマーバードのほうが強いと思っており、骨折の影響が無ければ活躍してくれるでしょう。


下の動画はサマーバードが優勝したベルモントステークス

2010年5月19日水曜日

2010年の米三冠最終戦ベルモントS.は寂しいメンバーに

ケンタッキーダービー馬スーパーセイバー / Super Saver とプリークネスS.馬ルッキンアットラッキー / Lookin At Lucky の両頭が、今年は6月5日に行われる米三冠最終戦ベルモントステークス / Belmont Stakesに出走しない見込みであることがわかりました。関係者の話でわかったもの。

Borel Laments Coming Up Empty
No Belmont Stakes for 'Lucky, Baffert Says

プリークネスS.では8着に敗れたスーパーセイバーのプレッチャー調教師は「夏に備える」としています。ケンタッキーダービー6着からプリークネスS.に勝利したルッキンアットラッキーのバファート調教師は「過去に三冠を走らせた馬には休養させる必要が生じた」として、三冠とも走らせることの疲労を気にしているようです。


ケンタッキーダービー馬とプリークネスS.馬の2頭ともがベルモントS.に出走しないのは2006年以来のこと。ベルモントS.に出走する予定の主な馬は、ケンタッキーダービー2着(プリークネスS.は回避した)アイスボックス / Ice Box、プリークネスS.2着馬のファーストデュード / First Dude、5月8日のローンスターダービー(G3、ダート1700m)を4・1/2馬身差で快勝したゲームオンデュード / Game on Dude、ドワイヤーステークス(5月8日、G2、ベルモントパーク競馬場ダート1800m)を6馬身での圧勝を見せたフライダウン / Fly Downといったあたり。

2010年5月17日月曜日

シンガポール航空国際カップの結果(レース映像)

シンガポール航空国際カップのシャドウゲイト

日本からヤマニンキングリーシャドウゲイトの2頭が出走したシンガポールエアラインズインターナショナルカップ(G1、芝2000m)はドバイワールドカップ2着のリザーズディザイアが優勝、同レース1着のグロリアデカンペオンが2着に入った。ヤマニンキングリーは最下位、シャドウゲイトはスタート前にゲートから飛び出し負傷して出走除外となった。


下はYouTubeの動画。青い帽子、黄色の勝負服が優勝したリザーズディザイア、シャドウロール装着の2番手追走場が2着のグロリアスデカンペオン。水色の勝負服で道中後方から3頭目がヤマニンキングリー。シャドウゲイトは映っていない。

2010年5月16日日曜日

2010年プリークネスステークスの結果(レース映像)

日本時間5月16日早朝、アメリカ・ピムリコ競馬場で行われた米三冠第2戦プリークネスステークス(3歳、米G1、ダート9.5f、12頭立て)はケンタッキーダービー6着のルッキンアットラッキーが勝ちました。YouTube からのレース映像です。

勝ったルッキンアットラッキー / Lookin At Lucky は道中5,6番手の外を追走している。2コーナーを回ったところで2番手の馬が、ケンタッキーダービー勝ち馬のスーパーセイバー / Super Saver



ルッキンアットラッキーはプリークネスステークスの勝利で通算10戦7勝。デビューから6走はオールウェザー戦を5勝2着1回(GI 3勝、2着はBCジュベナイル)。その後ダート戦に出走し、レベルS.(G2)1着、サンタアニタダービー(G1)3着、ケンタッキーダービー(G1)6着だった。ダートGI 勝ちはプリークネスS.が初めてだった。

ルッキンアットラッキー(牡3)
父:Smart Strike(父ミスタープロスペクター)
母:Private Feeling
母父:Belong to Me(父ダンチヒ)
スマートストライク産駒のプリークネスS.勝利は2007年のカーリン以来、2頭目。


2着ファーストデュード / First Dude。フロリダダービー(G1)5着、ブルーグラスS.(G1)3着からの参戦(ケンタッキーダービーは出走せず)。


3着のジャクソンベンド / Jackson Bend はケンタッキーダービー12着だった。ちなみにジャクソンベンドの母の父はルッキンアットラッキーの父である Smart Strike。昨年の2着馬マインザットバードの母父も Smart Strike だし、プリークネスS.が得意な血統ですね。



ケンタッキーダービーを優勝したスパーセイバーは道中2頭目を走っていたが3コーナーでルッキンアットラッキーにまくられるとついていけず後退、8着でゴールした。

2010年5月1日土曜日

レイチェルアレクサンドラ、また2着(レース映像)

Unrivaled Belle and Rachel Alexandra in La Troienne
アンライヴァルドベル(左)、レイチェルアレクサンドラ(右)

4月30日(日本時間5月1日)、チャーチルダウンズ競馬場で行われた牝馬限定 GII ラトロワンヌステークスに昨年のアメリカ年度代表馬レイチェルアレクサンドラが出走しました。しかしアンライヴァルドベルに頭差およばず2着に終わりました。レース映像は次のリンクから見れます(YouTube はもっと画質がいいものに貼りかえる予定)。



または ラトロワンヌステークス レース動画 - チャーチルダウンズ競馬場公式サイト


レイチェルアレクサンドラを負かしたアンライヴァルドベルはこれで通算8戦5勝。09年11月にガゼルS.(GI、アケダクト競馬場ダート1800m、3歳牝馬限定)を4・1/4馬身差2着。次走今年2月のラカナダS.(GII、サンタアニタ競馬場オールウェザー1800m、牝馬限定)は4着だった。それまでの3勝全てをあげていたダートに戻ったのが良かったのか、前走ランパートS.(GIII、ガルフストリームパーク競馬場ダート1700m、牝馬限定)は2着に1・3/4馬身差をつけて逃げ切る快勝だった。


2着のレイチェルアレクサンドラはほぼ逃げる展開。3コーナーで後続を離し始め、これは復活かと思ったところにアンライバルドベルが追い上げてきた。4コーナーでアンライバルドベルに並ばれてからの追い比べもわずかに頭差かわされたところがゴール。これで今年レースに復帰してから2戦(どちらも牝馬限定の G2 と G3)連続の2着です。


3着のモレナ/Morena は少なくとも重賞を6戦しているが優勝経験はない。他に前走ニューオーリンズレディースステークスでレイチェルアレクサンドラを負かしたザルダナは5着だった。

ラトロワンヌS./ La Troienne Stakes 結果
チャーチルダウンズ競馬場ダート8・1/2ハロン(約1700m)牝馬限定GIII

1. Unrivaled Belle (KY), デザーモ, 120
2. Rachel Alexandra (KY), ボレル, 124
3. Morena (PER), J Lezcano, 118
4. Be Fair (FL), T J Thompson, 118
5. Zardana (BRZ), D R Flores, 120
6. Distinctive Dixie (KY), J R Leparoux, 118

124ポンド≒56.2kg、120ポンド≒54.4kg、118ポンド≒53.5kg