ケンタッキーダービー出走馬は三冠登録馬のうち、重賞における獲得賞金額の順で決まります。
2012 Graded Stakes Earnings List | 2012 Kentucky Oaks & Derby
上のリンク先に二つ表があり、上の表には重賞獲得賞金で30位までの馬が、下の表には、31位以下の馬、および賞金額は30位以上であっても怪我や出走意思が無いなど、出走しないことが確定的な馬が掲載されています(その場合、馬名に線が引いてあります)。
ただし32万ドルのトリニバーグ Trinniberg について「85%の確率でプリークネスS.直行、残りの15%はケンタッキーダービー」とオーナーが述べているように、回避する可能性の方が明らかに高い登録馬もまだ上のリストに掲載されているので注意してください。
ハウグレートは下の表に9万ドルで掲載されています。この金額は唯一の重賞出走であるパームビーチS.の1着賞金です。4月7日の競馬終了時点での賞金リストでは20位は27万ドル、25位は18万ドルとなっています。
過去における重賞賞金額20番目のめやすとして、2011年は12万ドル、2010年は過去最高の21万8750ドル、過去5年の平均が13万2650ドルでしたが、チャーチルダウンズ競馬場のスポークスマンは「今年は新記録になる可能性が十分にあります」と述べています。
なので出走に20万ドル必要だと(甘目の)仮定をすると、ブルーグラスS.の賞金は1着が45万ドル、2着15万ドル、3着7万5000ドル、4着3万7500ドルなので、ハウグレートは3着なら16万5000ドルとなり出走できません。2着なら24万ドルです(現在のリストなら23位)。
ただし同日行なわれるG1アーカンサスダービー(ダート9ハロン)はより高額な賞金の1着60万ドル、2着20万ドル、3着10万ドル、4着5万ドルなどで、そこでも賞金順で20位以下の馬が上乗せを狙っています。両レースの主な出走候補馬とその重賞賞金額をまとめました。
BG=ブルーグラス、ARK=アーカンサスダービー
賞金順位 | 馬名 | 現在の賞金額 | 出走予定 |
1 | Hansen | 140万0000ドル | BG |
12 | Dullahan | 40万5000ドル | BG |
15 | Prospective | 36万5452ドル | BG |
- | Howe Great | 9万0000ドル | BG |
- | Golden Ticket | 7万0000ドル | BG |
8 | Sabercat | 60万1429ドル | ARK |
11 | Secret Circle | 47万0000ドル | ARK |
24 | Isn't He Clever | 18万8000ドル | ARK |
25 | Optimizer | 18万1375ドル | ARK |
- | Scatman | 10万0000ドル | ARK |
- | Handsome Mike | 7万3500ドル | ARK |
- | Bodemeister | 6万0000ドル | ARK |
アーカンサスダービーでは重賞連勝の Secret Circle がまず上位に来るでしょう。また今年だけの実績では賞金上位の Sabercat より Isn't He Clever や Optimizer、Bodemeisterの方が先着してもおかしくない。前の2頭に2着20万ドル、3着10万ドルを稼がれると、ハウグレートがBG2着し24万ドルとしても逆転されてしまいますし、もしかすると24万ドルでも足りない可能性があります。
ところでブルーグラスS.には4月1日のG2ルイジアナダービー(ダート9ハロン)勝ち馬ヒーローオブオーダーも参戦を示唆。KYダービー公式サイトで確認してから書こうと思いながら忘れていましたが、結果紹介記事からリンクした記事にあるとおり、ヒーローオブオーダーは三冠登録を行っておらず、規定によりケンタッキーダービー出走には「追加登録料20万ドル」プラス「ケンタッキーダービー出走意思のある登録馬が20頭未満(19頭以下)になること」が必要です。そのためケンタッキーダービーには出走出来ない可能性がとても高いので、中1週でもブルーグラスS.に出走しようとしているのです。
ブルーグラスS.のハンセンはBCジュベナイルを逃げ切り、前走は2番手追走から3馬身差完勝した5戦4勝馬。ヒーローオブオーダーもルイジアナダービーは2番手から押し切りの先行型。プロスペクティヴはタンパベイダービーで早め先頭から1着。デュラハンはパームビーチS.で前にいたハウグレートを捕らえることが出来ず2着に敗れている。賞金の足りているハンセンやデュラハン、プロスペクティヴが本番前に目一杯の競馬をしてくるとは思いませんが、それでもこれだけ先行馬に厳しい展開になりそうなレースに出走するのはハウグレートにとって初めてであるというのも懸念材料です。
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