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2009年9月7日月曜日

仏GI ムーラン・ド・ロンシャン賞で1番人気馬がゲートを出ず競争中止(レース映像あり)

ムーラン・ド・ロンシャン賞(GI)が現地時間2009年9月6日に行われましたが、1番人気馬イルーシヴウェーブがゲートから出ず、そのまま競争中止になる珍事が起こりました。レース動画(YouTube)は以下から。

ゲートの映像は1分30秒頃から。イルーシヴウェーブは右から2頭めの発走(いや、「発走」してないけど)。



1番人気に推された今年の仏1000ギニー勝ち馬イルーシヴウェーブ/Elusive Wave(C.ルメール騎手騎乗)でしたが、ゲートが開くと前脚を突っ張るようにしてスタートすることを拒否、そのまま競争を中止しました。怪我などは無い模様。

レーシングポスト誌によると、ルメール騎手は「彼女はただスタートをすることを拒んだ。(ゲートが開くまで)何の兆候もなかった」とコメントしています。またアイルランドのブックメーカー Boylesports はイルーシヴウェーブにかけられた馬券の代金を返還するようです。

仏・ムーランドロンシャン賞、1番人気馬ゲート出ず… - netkeiba

 現地時間6日、仏・ロンシャン競馬場で行われたムーランドロンシャン賞(3歳上、仏G1・芝1600m、9頭立て)は、R.ヒルズ騎手騎乗の2番人気アクラーム Aqlaam(牡4、英・W.ハガス厩舎)が、フェイマスネーム Famous Nameに1.1/2馬身差をつけて優勝した。勝ちタイムは1分38秒87(稍重)。さらに2.1/2馬身差の3着にはヴァーチャル Virtualが入り、1番人気に推されたC.ルメール騎手騎乗の仏1000ギニー勝ち馬イルーシヴウェーブ Elusive Waveはスタートが切られてもゲートを出ず、競走を中止している。

 勝ったアクラームは、父Oasis Dream、母Bourbonella(その父Rainbow Quest)という血統の英国産馬。昨年のジャージーS(英G3)、今年のサマーマイルS(英G2)を制しているほか、今年はクイーンアンS(英G1)3 着、ジャックルマロワ賞(仏G1)2着とG1でも好走を見せており、今回が4回目の挑戦でのG1初制覇となった。通算成績8戦4勝(重賞3勝)。

日本にもラガーレグルスが2回(共同通信杯、皐月賞)もゲートで粗相をした事を思い出しました。あの時は返金されなかったですけどね。



ちなみにムーラン・ド・ロンシャン賞/ Prix du Moulin de Longchamp(3歳上、ロンシャン競馬場・芝1600m)は1994年に武豊騎手が日本人騎手として始めて海外の GI に優勝したレース(スキーパラダイスに騎乗)。

2009年9月6日日曜日

レイチェルアレクサンドラ、古馬初対戦ウッドワードS.を勝利

レイチェルアレクサンドラが古馬との初対決になったウッドワードステークスを制しました。Woodward S.(GI、サラトガ競馬場ダート9f、3歳上)を牝馬が制するのはこれが初めて。下にレース動画。

8頭立てで行われたレースは、レイチェルアレクサンドラが、昨年のベルモントS.を逃げ切って優勝した Da'Tara を2番手に従えて逃げる展開。Da'Tara は3コーナー過ぎでバテて脱落しましたが、レイチェルアレクサンドラは馬なりのまま4コーナーへ。レイチェルが抜け出したところを GI 馬マッチョアゲインが直線追い上げて来たものの、首の差だけ残し見事逃げ切り勝利を収めました。

レイチェルアレクサンドラは逃げ切りましたが、2着のマッチョアゲインは道中離れた最後方、3着のブルズベイは後ろから3頭め、4着アジアティックボーイは後ろから2番目を追走という、レイチェル以外の先行馬総崩れの競馬。着差こそわずかだったものの、この競馬を逃げ切ったレイチェルの強さがはっきり分かる競馬でした

レイチェルアレクサンドラ/ Rachel Alexandra は今年、ケンタッキーオークス(20馬身)、プリークネスS.、マザーグースS.(19馬身)、ハスケル招待H.(6馬身)と 3歳 GI を4連勝中だった。

2着のマッチョアゲイン/ Macho Again は昨年のプリークネスS.2着。今年6月(2走前)にはスティーヴンフォスターH(G1、3歳以上、チャーチルダウンズ競馬場ダート9f)優勝。前走ホイットニーH(GI)2着。他に08年ジムダンディS.(GII)優勝、09年ニューオーリンズH(GII)優勝。

3着ブルズベイ/ Bullsbay は前走ホイットニーH(GI、サラトガ競馬場ダート9f、8月8日)を1.1/2馬身差で勝利。5月にアリシーバS.(GII、チャーチルダウンズ競馬場ダート8.5f)勝ち。

4着アジアティックボーイ/ Asiatic Boy は昨年のドバイワールドカップ2着。今年スティーヴンフォスターH(GI)2着。サバーバンH(GII、ベルモントパーク競馬場ダート10f)2着。


レイチェルアレクサンドラは今年のブリーダーズカップには出走しないことがすでに明言されている。また先週には今年の出走予定はウッドワードS.が最後で、来年まで休養に当てる可能性もあるとオーナーサイドから発言があった。

レイチェルアレクサンドラ優勝のウッドワードS.レース動画(YouTube)

2009年9月3日木曜日

レイチェルアレクサンドラは来年のドバイワールドカップに出走せず


レイチェルアレクサンドラは来年3月のドバイワールドカップに出走しない模様。BloodHorse がオーナーの発言を伝えた。

BloodHorse によると、レイチェルアレクサンドラのオーナーの一人ジェス・ジャクスンは、来年からドバイワールドカップの開催場所がナドアルシバ競馬場(廃止)からメイダン競馬場(新設)に変更されることでダートではなくオールウェザー・コースでの開催になる事を理由にレイチェルアレクサンドラを出走させない意向のようです。

ジャクスンオーナーはオールウェザーを嫌ってますし、しょうがないですかね。レイチェルアレクサンドラは今年のブリーダーズカップ(オールウェザー開催)も回避することが決まっています。


またジェクスンは、レイチェルアレクサンドラが9月5日に出走する予定のウッドワードS.を今年最後のレースにする可能性にも言及しました。来年2010年も現役を続行させるつもりだが、ウッドワードS.で古馬の一線級相手に勝つようなら、今年はもう走らせる必要はないと考えているとの事。長期休養させるようです。

ただし西海岸に拠点を置く米無敗の牝馬ゼニヤッタがブリーダーズカップ・レディースクラシックの前哨戦のひとつであるベルデイムステークス(10月3日、GI、ベルモント競馬場ダート9ハロン、3歳上牝)に出走するなら対戦する、と述べています。しかしブリーダーズカップを今年の最大目標にしているゼニヤッタが、その1ヶ月前に東海岸までやってくるはずはないので、これも実現の可能性はほぼないです。

(上の画像はメイデン競馬場/ Meydan Race Course のイメージ画像。ナドアルシバとは逆で外が芝、内がオールウェザーになる予定。コース左上の鳥のような部分は1万台を収容する屋根付き駐車場らしいです。)

2009年9月1日火曜日

サマーバードが「真夏のダービー」トラヴァースS.を制す

アメリカ現地時間8月29日、「真夏のダービー」トラヴァースステークス(GI、サラトガ競馬場ダート10ハロン、3歳限定)が行われ、今年のベルモントステークス馬サマーバード / Summer Bird が 3馬身半差で優勝しました。

2着はホールドミーバック/ Hold Me Back(ブルーグラスS.GI 2着、レーンズエンドS.GII 1着)。

3着はクオリティロード/ Quality Road(フロリダダービーGI 1着、アムステルダムS.GII 1着)。ケンタッキーダービーの有力馬と見られていたものの、故障で3冠レースには出られなかった馬です。

米3歳最強牝馬レイチェルアレクサンドラとケンタッキーダービー馬マインザットバードが回避してあまり興味のもてるレースにならなかったものの、3歳トップクラスが集まったし、サマーバードは3馬身離して勝ったことでクラシック馬の実力を見せてくれました。

ただしこのサマーバードは前走ハスケル招待ハンデでレイチェルアレクサンドラに6馬身差2着だったことから、「真夏のダービー」は出走しなかったレイチェルのずば抜けた能力を確認するレースだったなと。

サマーバードの次走は未定。レイチェルアレクサンドラは9月5日のウッドワードS.で古馬に初挑戦する予定です。

トラヴァースステークスのレース映像(YouTube)。青い勝負服、赤の帽子がサマーバード。